JPH0627088B2 - 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法 - Google Patents

2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法

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JPH0627088B2
JPH0627088B2 JP60160364A JP16036485A JPH0627088B2 JP H0627088 B2 JPH0627088 B2 JP H0627088B2 JP 60160364 A JP60160364 A JP 60160364A JP 16036485 A JP16036485 A JP 16036485A JP H0627088 B2 JPH0627088 B2 JP H0627088B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、次の反応式(1) CH2=CHCl+CO+H2→CH3−CHCl−CH
O (1) に従った塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原料とす
る2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法に関す
る。2−クロロプロピオンアルデヒドは化学品および農
医薬等の有用な中間体として用いることができる。
(従来の技術) 塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原料とする2−ク
ロロプロピオンアルデヒドの製造方法は公知で、例え
ば、フランス特許第1,397,779号やヘルベチカ・キミカ
・アクタ(HELVETICA CHIMICA AC
TA),48巻,第5号,1151頁〜1157頁に示
されている。これらの方法は、いずれもコバルトカルボ
ニルを触媒として用い、例えば、前記フランス特許第1,
397,779号によれば、反応温度110℃、反応圧力20
0気圧の条件下において、90分間反応を行なわせ、塩
化ビニルの転化率57.4%、2−クロロプロピオンアル
デヒドの選択率86.2%の反応成績を得ている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、これらのコバルトカルボニルを触媒として用い
る方法では、コバルトあたりの触媒活性は極めて低く、
このために多量のコバルトカルボニルと160〜200
気圧という高い反応圧力を必要とする上に、反応温度7
5〜125℃のもとで90〜120分間にわたり反応を
行なわせる方法がとられている。目的生成物である2−
クロロプロピオンアルデヒドは熱的に不安定な物質で、
この様な反応温度と反応時間のもとでは、かなりの割合
が逐次反応により消費されて反応収率を低めるために、
この方法は再現性に乏しく、さらにはこの逐次反応また
は他の副反応により塩化水素が副生し、これが反応器の
材料を激しく腐食する上に、コバルトカルボニル触媒と
反応して塩化コバルトとなるために触媒の再使用にも支
障を来たすという問題点を有している。
一方、オキソ反応において、一般にコバルト触媒よりも
高活性を示すことが知られているロジウム触媒をこの反
応に用いる試みもなされているが、いまだ成功していな
い。例えば、テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Le
tters)第22巻1725〜1726頁によると、ウイルキンソ
ン等は、ヒドリドカルボニルトリストリフェニルホスフ
ィンロジウム(RhH(CO)PPh33)を触媒とし
て用いた各種の不飽和化合物のヒドロホルミル化反応を
行ない、塩化ビニルの場合には、RhCl(CO)(PPh
3)とアルケンの生成のみを報告している。
本発明の課題は従来技術のこのような問題点を解決した
2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法を提供するこ
とである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、これらの課題解決のため詳細な研究を行
なった。その結果、塩化ビニル、一酸化炭素および水素
とを、ロジウム化合物、塩基および水の存在下に反応さ
せると、従来のコバルト触媒にくらべ、より低温・低圧
下で反応が進行し、かつ充分な目的生成物への選択性が
得られることを見出し、本発明に至った。すなわち、本
発明は、ロジウム化合物、塩基および水の存在下に、塩
化ビニル、一酸化炭素および水素を反応させることを特
徴とする2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法であ
る。本発明の方法では、触媒としてのロジウム化合物に
塩基および水を共存させることが良好な反応成績を得る
上で必要である。ここに述べる塩基とは、一般式P(P
123)(式中、Pは燐原子であり、R1、R2
よびR3はそれぞれアルキル基、アリール基、シクロア
ルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはシク
ロアルコキシ基を示す)で表される化合物の少なくとも
一種以上と、pKaが、4〜10の範囲にある含窒素化合
物の少なくとも一種以上とを含むものである。これらの
塩基の不存在下では、ロジウム化合物はこの反応に対し
て全く触媒作用を示さない。一方、水の不存在下でも、
これらの塩基の存在下では、反応は、かなりの成績で進
行する。水の存在は、この反応成績を更に向上させ、単
にロジウム化合物および塩基を組み合わせただけでは到
達し得ない反応成績をもたらす。
これらの塩基は具体的には次のように例示される。すな
わち、一般式P(R123)で表わされる化合物
としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィ
ン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、
トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ト
リシクロヘキシルホスフィン、トリベンジルホスフィ
ン、ビスジフェニルホスフィノエタンなどのホスフィン
類や、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイ
ト、トリプロピルホスファイト、トリブチルホスファイ
ト、トリオクチルホスファイト、トリフェニルホスファ
イト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリベンジル
ホスファイトなどのホスファイト類が挙げられる。ま
た、pKaが4〜10の範囲にある含窒素化合物として
は、一般に、アミノ基を含有する化合物、例えば、脂肪
族アミン類、芳香族アミン類、ジアミン類、トリアミン
類、アミノアルコール類、アミノ酸類、アミド類、尿素
化合物、グアニジン類、アミジン類あるいはこれらの化
合物の窒素原子あるいは炭素原子等にアルキル基、アリ
ール基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはハロゲ
ンなどの置換基の入った含窒素化合物類の中で、pKaが
4〜10の範囲にある化合物が挙げられる。
また、このほか窒素一原子以上を含む複素環式化合物の
中で、PKが4〜10の範囲にある化合物も好ましく用い
られる。これらの化合物の例としては、ピリジン化合
物、キノリン化合物、イミダゾール化合物、ピペラジン
類、モルホリン化合物、チアゾール類などの化合物の中
でpKaが4〜10の範囲にある化合物が好ましく用いら
れる。これらのpKaが4〜10の含窒素化合物の中で
も、ピリジン化合物、キノリン化合物、イミダゾール化
合物またはモルホリン化合物の中から選ばれたpKaが4
〜10の範囲にある含窒素化合物が特に好ましい。これ
らの特に好ましい化合物の具体的な例としては、例えば
ピリジン化合物としては、一般式 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ、
水素、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハ
ロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、シクロアルコキシ基、カルボキシル基またはアセ
チル基を示す)で表わされる化合物の中でpKaが4〜1
0の範囲のピリジン化合物があり、これらの例として
は、ピリジン、ピコリン、エチルピリジン、2,4−ル
チジン、α−コリジン、フェニルピリジン、シクロヘキ
シルピリジン、ベンジルピリジン、3−ピリジノール、
メトキシピリジン、フェノキシピリジン、アミノピリジ
ンなどがある。このほか、2,2′−ビスピリジンなど
の多核ピリジン類もピリジン化合物の一例として挙げら
れる。
また、キノリン化合物の例としては、キノリンのほかに
2−メチルキノリン、4−メチルキノリン、ジメチルキ
ノリン、2−エチルキノリン、フェニルキノリン、メト
キシキノリンなどがあり、このほか、各種のイソキノリ
ン化合物も使用することができる。
一方、イミダゾール化合物としては、一般式 (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ水素、アル
キル基、アリール基またはシクロアルキル基を示し、ま
たR3およびR4がイミダゾール環の4、5位の炭素を含
む環を形成する縮環イミダゾールを形成していても良
い)で示される化合物の中でpKaが4〜10の範囲にあ
るものがあり、これらの例としては、イミダゾール、N
−メチルイミダゾール、N−エチルイミダゾール、2−
メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミ
ダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2,
4,5−トリフェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾー
ル、2−メチルベンゾイミダゾール、2−フェニルベン
ゾイミダゾールなどが挙げられる。さらに、モルホリン
化合物の例としては、モルホリンのほかに、N−メチル
モルホリン、N−エチルモルホリンなどが挙げられる。
本発明の方法に用いられるロジウム化合物としては、ロ
ジウムの酸化物、鉱酸塩、有機酸塩またはロジウム錯化
合物などがある。これらの各種ロジウム化合物の中で
も、特に、ハロゲンを含まないロジウム化合物が好まし
い。これらの例としては、酸化ロジウム、硝酸ロジウ
ム、硫酸ロジウム、酢酸ロジウム、トリアセチルアセト
ナートロジウム、ジカルボニルアセチルアセトナートロ
ジウム、ドデカカルボニルテトラロジウム、ヘキサデカ
カルボニルヘキサロジウムなどが挙げられる。また、塩
化ロジウム、臭化ロジウム、沃化ロジウムまたはジクロ
ロテトラカルボニルジロジウムなどのハロゲン含有ロジ
ウム化合物を用い、反応系内にこれらのハロゲン原子に
対し当量以上のアルカリ性化合物、例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、トリメチルア
ミン、トリエチルアミンなどを加えることも、ハロゲン
を含有しないロジウム化合物を反応系内において生成さ
せる手段として用いることができる。また、本発明の方
法において用いられる前述の塩基とロジウム化合物は、
ロジウム化合物とこれらの塩基を構成している成分の少
なくとも一部とで錯化合物を形成したものも、更に好ま
しく用いられる。これらの例としては、例えば、ヒドリ
ドカルボニルトリストリフェニルホスフィンロジウム
(RhH(CO)(Ph3P)3)、ニトロシルトリストリ
フェニルホスフィンロジウム(Rh(NO)(Ph
3P)3)、η−シクロペンタジエニルビストリフェニル
ホスフィンロジウム(Rh(C55)(Ph3P)2)など
が挙げられる。本発明の方法は、これらのロジウム化合
物、塩基、水、塩化ビニルを含有する液相において、特
に他の溶媒を用いなくとも実施できるが、溶媒の存在下
でも行なわれる。この場合の溶媒としては、通常、ヘプ
タン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン等の飽和
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、モノクロルベンゼン、オルトジクロルベンゼ
ン、パラクロルトルエン等のハロゲン化炭化水素、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペン
タノール、オクタノール等のアルコール類、酢酸ブチ
ル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、テトラヒドロ
フラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジグラ
イム、テトラグライム等のエーテル類、アセトン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン類、プロピオンアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド等のアルデヒド類、無水酢酸等の
酸無水物、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニト
リル類、N−メチルピロリドン等のアミド類、ジメチル
イミダゾリジノン、テトラメチル尿素等の尿素類、エチ
レンカーボネートやプロピレンカーボネート等の炭酸エ
ステル類などが使用される。
本発明の方法において反応時に存在させる水の量につい
ては、特に制限はないが、極端に少量の場合には、その
効果は小さくなる。通常、水の量は原料として反応器へ
供給する塩化ビニルに対して重量比で、0.0001以上
であればよい。また、用いる水の量の上限についても特
に制限はないが、反応器の容積当りの目的生成物の生産
性を考慮すると、原料として反応器へ供給する塩化ビニ
ルに対して重量比で1000以下が適している。特に、
効果が顕著である0.001〜100の範囲が好ましい。
この水の供給は、液状で良いが場合によっては、水蒸気
の形で、反応器に供給するガス類などに共存させたまま
供給することや、反応に使用する溶媒に溶解させて供給
しても良い。
本発明の方法では前記ロジウム化合物は、原料の塩化ビ
ニル1モルに対しロジウム原子として、10-4〜103
ミリグラム原子、好ましくは0.1〜50ミリグラム原子
の範囲に相当する量で使用される。また、本発明の方法
で使用される前記塩基は、それぞれロジウム1グラム原
子に対し0.1〜500モル、好ましくは0.5〜100モル
の範囲で使用される。
本発明の方法は、通常、反応温度20〜150℃、反応
圧力10〜200Kg/cm2ゲージの範囲、好ましくは3
0〜150Kg/cm2ゲージの範囲で行なわれる。反応温
度は生成する2−クロロプロピオンアルデヒドの熱安定
性の面から、低温ほど好ましく、このため、20〜10
0℃が特に好ましい反応温度範囲である。また原料の一
酸化炭素と水素の混合モル比は、通常、10〜0.1の範
囲であり、好ましくは、4〜0.2の範囲である。一酸化
炭素および水素は前記の組成比で両成分を含有する混合
ガスであれば良く、水成ガスや水成ガスに、メタン、窒
素などの反応に不活性なガス、または二酸化炭素などが
含有されたものが用いられる。もう一方の原料である塩
化ビニルは、ガス状、液状、あるいは反応に用いる溶媒
に溶解した溶液の形で使用される。
本発明の方法は、回分法、半回分法、連続法のいづれの
方法によっても実施できる。例えば、回分法の場合に
は、触媒、水、および必要に応じて溶媒を仕込んだオー
トクレーブに塩化ビニルをガス、液、あるいは溶液状で
加え、これに一酸化炭素および水素を含有するガスを所
定の圧力まで導入し、加温することにより反応は進行す
る。また、連続法の場合には、触媒、水、塩化ビニルお
よび必要に応じて溶媒より成る液と一酸化炭素および水
素を含有するガスとを耐圧の反応器の一方に連続的に導
入し、他方より反応生成物、触媒、水、未反応塩化ビニ
ルおよび必要に応じて溶媒より成る液と未反応の一酸化
炭素および水素とを連続的に抜き出すことにより反応が
行なわれる。塩化ビニルは、原料の一酸化炭素および水
素を含む混合ガスとともにガス状で反応容器に導入する
ことも可能である。また、連続法の一つの変法として、
触媒および必要に応じて溶媒を反応器に仕込んでおき、
反応器の下方から水、原料の塩化ビニル、一酸化炭素お
よび水素を連続的に導入し、上方から水、未反応の塩化
ビニル、一酸化炭素および水素と反応生成物とを連続的
に抜き出す方法も用いることができる。
(作用および発明の効果) 本発明の方法は、従来のコバルト触媒と比較して触媒活
性が高いために反応を低温で短時間で行なわせることが
でき、このために反応生成物である2−クロロプロピオ
ンアルデヒドの逐次反応による損失が少なく、高い選択
性を得ることができる。また、この逐次反応あるいは他
の副反応による塩化水素の副生が少ないために、反応器
材料の腐食が少なく、かく、触媒の再使用も容易に行な
うことができる。また、本発明の方法は比較的低い圧力
下で反応が進行するために反応器の耐圧や、原料の一酸
化炭素および水素を圧縮するに要する動力の面で有利で
ある。
(実施例) 以下、実施例により本発明の方法を更に具体的に説明す
る。
実施例1 撹拌装置を備えた内容積100mlのステンレス製オート
クレーブの内部を窒素ガスで置換した後、ヒドリドカル
ボニルトリストリフェニルホスフィンロジウム184mg
(Rh0.2ミリグラム原子)とイミダゾール335mg(5
ミリモル)および水15mlを入れ、これに塩化ビニル3.
75g(60ミリモル)を含む塩化ビニルのトルエン溶
液20mlを加えた。このオートクレーブに、一酸化炭素
と水素のモル比が1:2の混合ガスを室温で圧力が75
Kg/cm2ゲージになるまで圧入した後に40℃まで昇温
し、60分間反応させた。オートクレーブを室温まで冷
却してから未反応の原料混合ガスをガスサンプリング用
袋に捕集した後、オートクレーブを開け触媒、溶媒およ
び反応生成物を含む反応混合液を取り出した。ガスおよ
び液をガスクロマトグラフィーで定量した結果、塩化ビ
ニルの転化率は19.3%、2−クロロプロピオンアルデ
ヒドの生成量は10.4ミリモル(転化した塩化ビニル基
準の選択率は90.1%)で、主は副生物としてプロピオ
ンアルデヒドが選択率4.9%で生成していることが認め
られた。
実施例2〜5 実施例1の方法において水の添加量を5mlとし、反応温
度、反応圧力、一酸化炭素と水素のモル比および反応時
間かえて反応を行なわせた。
結果を表1に示す。
実施例6〜9 実施例1の方法において、ヒドリドカルボニルトリスト
リフェニルホスフィンロジウムおよびイミダゾールの添
加量をかえて反応を行なわせた。
結果を表2に示す。
実施例10〜20 実施例1の方法において、反応温度を50℃とし、イミ
ダゾールのかわりに各種の塩基を用いて90分間反応を
行なわせた。
結果を表3に示す。
実施例21〜29 実施例1の方法において、トルエンのかわりに各種の溶
媒を用いて反応を行なわせた。
結果を表4に示す。
実施例30 実施例1の方法において、反応温度を50℃とし、ヒド
リドカルボニルトリストリフェニルホスフィンロジウム
のかわりにヘキサデカカルボニルヘキサロジウム36mg
とトリフェニルホスフィン157mgを用いて反応を行な
わせた。ガスおよび液の分析から、塩化ビニルの転化率
17.1%、2−クロロプロピオンアルデヒドの選択率8
6.8%の反応成績が得られた。
実施例31 実施例30の方法において、ヘキサデカカルボニルヘキ
サロジウムのかわりにドデカカルボニルテトラロジウム
37mgを用いて反応を行なわせた。ガスおよび液の分析
から、塩化ビニルの転化率16.8%、2−クロロプロピ
オンアルデヒドの選択率88.2%の反応成績が得られ
た。
実施例32 実施例30の方法において、ヘキサデカカルボニルヘキ
サロジウムのかわりにジカルボニルアセチルアセトナー
トロジウム52mgを用いて反応を行なわせた。ガスおよ
び液の分析から、塩化ビニルの転化率19.0%、2−ク
ロロプロピオンアルデヒドの選択率87.1%の反応成績
が得られた。
実施例33 実施例30の方法において、トリフェニルホスフィンの
かわりにトリ−n−ブチルホスフィン121mgを用いて
反応を行なわせた。ガスおよび液の分析から、塩化ビニ
ルの転化率15.1%、2−クロロプロピオンアルデヒド
の選択率84.1%の反応成績が得られた。
実施例34 実施例30の方法において、トリフェニルホスフィンの
かわりにトリシクロヘキシルホスフィン168mgを用い
て反応を行なわせた。ガスおよび液の分析から、塩化ビ
ニルの転化率16.2%、2−クロロプロピオンアルデヒ
ドの選択率80.6%の反応成績が得られた。
実施例35 実施例30の方法において、トリフェニルホスフィンの
かわりにトリフェニルホスファイト300mgを用いて反
応を行なわせた。ガスおよび液の分析から、塩化ビニル
の転化率17.4%、2−クロロプロピオンアルデヒドの
選択率86.4%の反応成績が得られた。
実施例36 実施例1の方法において、水15mlの代りに水0.1mlを
用いた以外は同じ方法で反応を行なわせた。ガスおよび
液の分析から、塩化ビニルの転化率16.6%、2−クロ
ロプロピオンアルデヒドの選択率90.6%の反応成績が
得られた。
実施例37 実施例11の方法において、水15mlの代りに、水40
mlを用いた以外は同じ方法で反応を行なわせた。ガスお
よび液の分析から、塩化ビニルの転化率17.2%、2−
クロロプロピオンアルデヒドの選択率88.3%の反応成
績が得られた。
実施例38 実施例1の方法において、水15mlの代りに水50mlを
倫用い、塩化ビニル3.75gを含む塩化ビニルのトルエ
ン溶液20mlの代りに塩化ビニル1.2gを含む、塩化ビ
ニルのトルエン溶液10mlを用いて反応化を行なわせ
た。ガスおよび液の分析から、塩化ビニルの転化率16.
1%、2−クロロプロピオンアルデヒドの選択率91.0
%の反応成績を得た。
実施例39 実施例1の方法において、塩化ビニル3.75gを含むト
ルエン溶液20mlの代りに、溶媒を含まない塩化ビニル
10gを用いて反応を行なわせた。反応後のガス、液の
分析から、塩化ビニルの転化率28.1%、2−クロロプ
ロピオンアルデヒドの選択率87.1%の反応成績が得ら
れた。
実施例40 撹拌装置を装えた内容積500mlのステンレス製オート
クレーブの内部を窒素ガスで置換した後、塩化ロジウム
三水和物500mgとトリエチルアミン400mgを入れ、
これに反応溶媒としてγブチロラクトン80mlを加え
た。このオートクレーブに一酸化炭素と水素のモル比が
1:1の混合ガスを室温で75Kg/cm2になるまで圧入
した後に100℃まで昇温し、1時間加熱を続けた。次
いで、該オートクレーブを室温まで冷却し、ガスをパー
ジした後に塩化ビニルを26g加え、次いで、一酸化炭
素と水素のモル比が1:2の混合ガスを室温で80Kg/
cm2になるまで再び圧入した。次に、このオートクレー
ブを60℃まで昇温し30分間反応を行なわせた。オー
トクレーブを室温まで冷却した後に、ガスおよび液をサ
ンプリングし分析したところ、塩化ビニルの転化率4.8
%、2−クロロプロピオンアルデヒドの選択率84.1%
の反応成績が得られた。
実施例41 実施例1と同じ方法で反応を行ない、得られた反応液を
200mmHg、75℃の条件下で蒸留して反応生成物の全
量と水および溶媒のトルエンの一部を溜出させ、得られ
た触媒液に水1mlを加えトルエンで希釈して25mlに調
製した。この触媒液を用いて再び実施例1と同じ方法で
反応を行なわせた。反応後のガスおよび液の分析値か
ら、塩化ビニルの転化率18.9%、2−クロロプロピオ
ンアルデヒドの選択率90.8%の反応成績が得られた。
参考例1 実施例1の方法において、ヒドリドカルボニルトリスト
リフェニルホスフィンロジウムのかわりにヘキサデカカ
ルボニルヘキサロジウム36mgを用い、水およびイミダ
ゾールの不存在下で反応を行なわせた。反応後のオート
クレーブ内には2−クロロプロピオンアルデヒドの生成
は認められなかった。
参考例2 実施例1の方法において、水の不存在下以外は全く同じ
方法で反応を行なわせた。分析の結果、塩化ビニルの転
化率15.1%、2−クロロプロピオンアルデヒドの選択
率89.6%(生成した2−クロロプロピオンアルデヒド
の生成量8.1ミリモル)の反応成績が得られた。この
時、主な副生物としてプロピオンアルデヒドが選択率5.
0%で生成していることが認められた。
参考例3 参考例1の方法において、ヘキサデカカルボニルヘキサ
ロジウムのかわりにオクタカルボニルジコバルト224
mgを用いて反応を行なわせた。
反応後のオートクレーブ内には、2−クロロプロピオン
アルデヒドの生成はこん跡量しか認められなかつた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロジウム化合物、一般式P(R1
    2 3) (式中、Pは燐原子であり、R1、R2およびR3はそれ
    ぞれアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アル
    コキシ基、アリールオキシ基またはシクロアルコキシ基
    を示す)で表される化合物の少なくとも一種以上、pKa
    が、4〜10の範囲にある含窒素化合物の少なくとも一
    種以上および水の存在下に塩化ビニル、一酸化炭素およ
    び水素を反応させることを特徴とする2−クロロプロピ
    オンアルデヒドの製造法。
  2. 【請求項2】pKaが4〜10の範囲にある含窒素化合物
    がピリジン化合物、キノリン化合物、イミダゾール化合
    物またはモルホリン化合物の中から選ばれたpKaが4〜
    10の範囲にある含窒素化合物である特許請求の範囲第
    1項記載の方法。
  3. 【請求項3】水の量が、塩化ビニルに対して、重量比で
    0.001〜100の範囲にある特許請求の範囲第1項ま
    たは第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】ロジウム化合物がハロゲンを含まないロジ
    ウム化合物である特許請求の範囲第1項、第2項または
    第3項記載の方法。
  5. 【請求項5】反応温度が20〜100℃の範囲である特
    許請求の範囲第1項、第2項、第3項または第4項記載
    の方法。
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