JPH0720906B2 - 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法 - Google Patents

2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法

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JPH0720906B2
JPH0720906B2 JP61113545A JP11354586A JPH0720906B2 JP H0720906 B2 JPH0720906 B2 JP H0720906B2 JP 61113545 A JP61113545 A JP 61113545A JP 11354586 A JP11354586 A JP 11354586A JP H0720906 B2 JPH0720906 B2 JP H0720906B2
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chloropropionaldehyde
rhodium
liquid phase
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博司 小野
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  • Catalysts (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、次の反応式 (1) CH2=CHCl+CO+H2 → CH3−CHCl−CHO (1) に従った塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原料とす
る2-クロロプロピオンアルデヒドの製造方法に関する。
2-クロロプロピオンアルデヒドは化学品および農医薬等
の有用な中間体として用いることができる。
(従来の技術) 塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原料とする2-クロ
ロプロピオンアルデヒドの製造方法は公知で、例えば、
フランス特許第1,397,779号やヘルベチカ・キミカ・ア
クタ(HELVETICA CHIMICA ACTA),48巻,第5号,1151頁
〜1157頁に示されている。これらの方法は、いずれもコ
バルトカルボニルを触媒として用い、例えば、前記フラ
ンス特許第1,397,779号によれば、反応温度110℃、反応
圧力200気圧の条件下において90分間反応を行わせ、塩
化ビニルの転化率57.4%、2-クロロプロピオンアルデヒ
ドの選択率86.2%の反応成績を得ている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、これらのコバルトカルボニルを触媒として用い
る方法では、コバルト当りの触媒活性はきわめて低く、
このために多量のコバルトカルボニルと160〜200気圧と
いう高い反応圧力を必要とする上に、反応温度75〜125
℃のもとで90〜120分間にわたり反応を行わせる方法が
とられている。目的生成物である2-クロロプロピオンア
ルデヒドは熱的に不安定な物質で、このような反応温度
と反応時間のもとではかなりの割合が逐次反応で消費さ
れて反応収率を低めるためにこの方法は再現性に乏し
く、さらにはこの逐次反応または他の副反応により塩化
水素が副生し、これが反応器の材料を激しく腐食する上
にコバルトカルボニル触媒と反応して塩化コバルトとな
るために触媒の再使用にも支障をきたすという問題点を
有している。
本発明の課題は従来技術のこのような問題点を解決した
2-クロロプロピオンアルデヒドの製造方法を提供するこ
とである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、これらの課題解決のため詳細な研究を行
った。その結果、塩化ビニル、一酸化炭素および水素と
をロジウム化合物および塩基の存在下に反応させると、
従来のコバルトカルボニル触媒を用いる方法にくらべ、
より低温・低圧下で反応が進行し、かつ充分な目的生成
物への選択性がえられることを見出しているが、引き続
きこの触媒反応についての詳細な検討を継続して行った
ところ、さらに反応成績を向上させる方法を見い出し本
発明にいたった。
すなわち、本発明は、塩化ビニル、一酸化炭素および水
素をロジウム化合物および塩基の存在下に反応させて2-
クロロプロピオンアルデヒドを製造するに際し、反応系
内における液相中の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃
度を液相1リットルあたり100グラム以下に保つことを
特徴とする、2-クロロプロピオンアルデヒドの製造方法
である。
ここに述べる塩基とは、窒素、燐または砒素などの周期
律第VB族元素を含有するルイス塩基を意味する。これら
の塩基の不存在下ではロジウム化合物は上記反応に対し
て全く触媒作用を示さない。本発明の方法において用い
る塩基としては好ましいものは、一般式P(R1R2R3
(ここに、Pは燐原子を示し、R1、R2、R3はそれぞれ同
一あるいは異種のアルキル、アリール、シクロアルキ
ル、アルコキシ、アリールオキシまたはシクロアルコキ
シ基を示す)で表わされる塩基かあるいは、pKaが3〜1
1の範囲にあるアミン類である。特に、一般式P(R1R2R
3)(ここに、Pは燐原子を示し、R1、R2、R3はそれぞ
れ同一あるいは異種のアルキル、アリール、シクロアル
キル、アルコキシ、アリールオキシまたはシクロアルコ
キシ基を示す)で表わされる塩基と、pKaが3〜11の範
囲にあるアミン類の組合せであることが更に好ましい。
ここに述べるpKaが3〜11の範囲にあるアミン類として
は、一般に、アミノ基を含有する化合物、たとえば、脂
肪族アミン類、芳香族アミン類、ジアミン類、トリアミ
ン類、アミノアルコール類、アミノ酸類、アミド類、尿
素化合物、グアニジン類、アミジン類、あるいはこれら
の化合物の窒素原子または炭素原子等にアルキル基、ア
リール基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはハロ
ゲンなどの置換基の入った含窒素化合物の中でpKaが3
〜11の範囲にある化合物があげられる。また、このほ
か、窒素一原子以上を含む複素環式化合物の中でpKaが
3〜11の範囲にある化合物も好ましい。中でもpKaが3
〜11範囲にあるピリジン化合物、キノリン化合物、イミ
ダゾール化合物またはモルホリン化合物の少なくとも一
種以上であることが更に好ましい。
これらの塩基は具体的には次のように例示される。即
ち、一般式P(R1R2R3)(ここに、Pは燐原子を示し、
R1、R2、R3はそれぞれ同一あるいは異種のアルキル、ア
リール、シクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ
またはシクロアルコキシ基を示す)で表わされる塩基と
しては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィ
ン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、
トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ト
リシクロヘキシルホスフィン、トリベンジルホスフィン
などのホスフィン類や、トリメチルホスファイト、トリ
エチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリ
ブチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリ
フェニルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイ
ト、トリベンジルホスファイトなどのホスファイト類が
あげられる。また、ホスフィン類の特殊なものとして、
上記一般式P(R1R2R3)で表わされるもののほかに、ビ
スジフェニルホスフィノメタン、ビスジフェニルホスフ
ィノエタンなどのジホスフィン類や、架橋ポリスチレン
に結合したホスフィン類等も好ましく用いられる。
また、pKaが3〜11の範囲にあるピリジン化合物、キノ
リン化合物、イミダゾール化合物またはモルホリ化合物
は、次のよう例示される。
即ち、ピリジン化合物としては、一般式 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ、水素、
アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲ
ン、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、シクロアルコキシ基、カルボキシル基またはアセチ
ル基を示す)で表わされる化合物の中でpKaが3〜11の
範囲のピリジン化合物があり、これらの例としては、ピ
リジン、ピコリン、エチルピリジン、2,4-ルチジン、α
‐コリジン、フェニルピリジン、シクロヘキシルピリジ
ン、ベンジルピリジン,3-ピリジノール,メトキシピリ
ジン,フェノキシピリジン,アミノピリジンなどがあ
る。このほか、2,2′‐ビスピリジンなどの多核ピリジ
ン類もピリジン化合物の一例として挙げられる。
また、キノリン化合物の例としてはキノリンのほかに2-
メチルキノリン、4-メチルキノリン、ジメチルキノリ
ン、2-エチルキノリン、フェニルキノリン、メトキシキ
ノリンなどが挙げられ、このほか各種のイソキノリン化
合物も使用することができる。
一方、イミダゾール化合物としては、一般式 (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、水素、アルキ
ル基、アリール基またはシクロアルキル基を示し、また
R3およびR4がイミダゾール環の4,5位の炭素を含む環を
形成する縮環イミダゾールを形成していてもよい)で示
される化合物のなかでpKaが3〜11の範囲にあるものが
あり、これらの例としてはイミダゾール、N-メチルイミ
ダゾール、N-エチルイミダゾール、2-メチルイミダゾー
ル、2-エチル‐4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミ
ダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、N-ベンジル‐2-
メチルイミダゾール、2,4,5-トリフェニルイミダゾー
ル、ベンゾイミダゾール、2-メチルベンゾイミダゾー
ル、2-フェニルベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
さらに、モルホリン化合物の例としては、モルホリンの
ほかに、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリンなど
が挙げられる。
本発明の方法に用いられるロジウム化合物としては、ロ
ジウムの酸化物、鉱酸塩、有機酸塩またはロジウム錯化
合物などがある。これらの各種ロジウム化合物の中で
も、特に、ハロゲンを含まないロジウム化合物が好まし
い。これらの例としては、酸化ロジウム、硝酸ロジウ
ム、硫酸ロジウム、酢酸ロジウム、トリアセチルアセト
ナートロジウム、ジカルボニルアセチルアセトナートロ
ジウム、ドデカカルボニルテトラロジウム、ヘキサデカ
カルボニルヘキサロジウムなどが挙げられる。また、塩
化ロジウム、臭化ロジウム、沃化ロジウムまたはジクロ
ロテトラカルボニルジロジウムなどのハロゲン含有ロジ
ウム化合物を用い、反応系内にこれらのハロゲン原子に
対し等量以上のアルカリ性化合物、たとえば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、トリメチル
アミン、トリエチルアミンなどを加えることも、ハロゲ
ンを含有しないロジウム化合物を反応系内において生成
させる手段として用いることができる。
また、ロジウム化合物は、先に述べた本発明の方法にお
いて好ましく用いられる塩基の少なくとも一部とで錯化
合物を形成しているものも、さらに好ましく用いられ
る。これらの例としては、たとえば、ヒドリドカルボニ
ルトリストリフェニルホスフィンロジウム[RhH(CO)
(PPh3]、ニトロシルトリストリフェニルホスフィ
ンロジウム[Rh(NO)(PPh3]あるいはη‐シクロ
ペンタジエニルビストリフェニルホスフィンロジウム
[Rh(C5H5)(PPh3]などが挙げられる。
本発明の方法においては、前記ロジウム化合物は反応系
内の液相1リットルあたりロジウム原子として0.0001〜
1000ミリグラム原子、好ましくは0.001〜100ミリグラム
原子の範囲に相当する量で使用される。また、本発明の
方法で使用される前記塩基は、それぞれロジウム1グラ
ム原子に対し0.1〜500モル、好ましくは0.5〜100モルの
範囲で使用される。
本発明の方法においては、塩化ビニル、一酸化炭素およ
び水素を前記ロジウム化合物および塩基の存在下に反応
させて2-クロロプロピオンアルデヒドを製造するにあた
り、反応系内における液相中の2-クロロプロピオンアル
デヒドの濃度を液相1リットルあたり100グラム以下に
保つことが重要である。特に、反応系内における液相中
の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃度が液相1リット
ルあたり5〜50グラムの範囲にあることが好ましい。こ
こに述べる反応系内における液相とは、前記ロジウム化
合物、塩基および原料の塩化ビニルを含有する液相を意
味する。本発明の方法においては、反応溶媒を用いなく
とも反応は進行するが、通常は反応溶媒の存在下に反応
を行わせる。この場合には、該液相は、前記ロジウム化
合物、塩基、原料の塩化ビニルおよび反応溶媒を含有す
る液相を意味する。反応溶媒としては、反応に悪影響を
及ぼさないものであればいずれも用いることが可能であ
る。本発明の方法において、該液相中の2-クロロプロピ
オンアルデヒドの濃度は、触媒活性に重要な影響を及ぼ
すことが見いだされた。すなわち、該液相中の2-クロロ
プロピオンアルデヒドの濃度が高い場合に触媒の活性が
低く、逆に濃度が低い場合に触媒活性は高い。該液相中
の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃度は,反応中の、
反応系内における該液相中の濃度を意するが反応直後の
有機層中の濃度、あるいは流通反応の場合には反応器出
口における有機層中の濃度を以て代表させることができ
る。
本発明者等はこの液相中の2-クロロプロピオンアルデヒ
ドの濃度と触媒活性との関係について詳細な検討を行っ
た結果、液相中の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃度
を液相1リットルあたり100グラム以下に保てば十分な
反応速度が得られることを見いだした。この値は臨界的
なものではなく、これより高い濃度においても反応は進
行するが、反応速度は充分ではなく工業的な見地からは
不利益が大きい。液相中の2-クロロプロピオンアルデヒ
ドの濃度は低い方が好ましいが工業的な反応装置では極
端に低い値に保つ事は難しく、敢えてこれを行う場合に
は、反応器の容積や循環触媒液量が膨大なものとなりか
えって好ましくない結果をもたらす。本発明者等は、こ
れらの点に関して詳細な研究を行った結果、通常は液相
1リットルあたりの2-クロロプロピオンアルデヒドの濃
度を5〜50グラムに保てば、極端に低い値に保たなくと
も工業的に充分な反応速度が得られることを見いだし
た。即ち、本発明の方法においては、液相1リットルあ
たりの2-クロロプロピオンアルデヒドの濃度は、5〜50
グラムの範囲に保つことが更に好ましい。反応系内にお
ける液相中の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃度を調
節するには幾多の方法がとられ得る。例えば、反応器内
の液相の滞留時間を調節する方法や、反応器内から連続
的に2-クロロプロピオンアルデヒドを抜出す事により調
節する方法などが挙げられる。本発明の方法の好ましい
実施態様として、反応溶媒として水に不溶性あるいは難
溶性の液体媒体を用い、反応系内に水を共存させる方法
が挙げられる。このような方法をとることにより触媒活
性はさらに向上する。この場合、反応系内の液相は水層
と有機層との二相に別れているが、有機層における2-ク
ロロプロピオンアルデヒドの濃度を先に述べた値、すな
わち1リットルあたり100グラム以下、好ましくは5〜5
0グラムの範囲に保つことにより良好な結果を得ること
ができる。このような溶媒としてとくに好ましいのは炭
化水素類である。より具体的には、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン等の飽和炭化水素や、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが
好ましく用いられ、また、炭化水素類の混合物として工
業的に得られる、リグロイン、ケロシン、軽油、ディー
ゼル油などもこれらの例に含まれる。このほか、ジプロ
ピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類、ジ
イソブチルケトン、ホロンなどのケトン類、酪酸ブチ
ル、安息香酸ブチルなどのエステル類なども好ましい溶
媒の例として挙げられる。
本発明の方法において反応時に存在させる水の量につい
ては特に制限はないが、極端に少量の場合にはその効果
は小さくなり、また、極端に多量用いても反応成績はあ
る程度以上は上がらない。通常、水の量は原料として反
応器へ供給する塩化ビニルに対して重量比で、0.01以
上、1000以下の範囲が好ましい。特に、0.1〜100の範囲
が更に好ましく用いられる。
また、本発明において用いる塩基が水溶性の場合には、
該塩基の少なくとも一部を反応系に供給する水に溶解さ
せた形で供給することも好ましく行われる。たとえば、
塩基としてイミダゾールを用いる場合には、これをイミ
ダゾール水溶液の形で反応器へ供給することが好まし
い。
このような方法で反応を行わせる場合には、反応系内の
有機層中の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃度の調整
は反応系内に共存させる水の量によっても行わせること
ができる。即ち、反応系内における水の量が多ければ有
機層中の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃度は低く保
たれる。しかし、あまり多量の水を反応系内に共存させ
ることは、反応器容積や反応生成物である2-クロロプロ
ピオンアルデヒドの水中の濃度の面から好ましくない。
本発明の方法の実施にあたっては、反応系内に他の成
分、例えばロジウム触媒の安定性を改良するための添加
剤や、触媒の活性や選択性を改良するための添加剤、例
えばカルボン酸等が共存していても特に支障はない。
本発明の方法は、通常、反応温度20〜150℃、反応圧力1
0〜200Kg/cm2ゲージの範囲、好ましくは30〜150Kg/cm2
ゲージの範囲で行われる。反応温度は生成する2-クロロ
プロピオンアルデヒドの熱安定性の面から低温ほど好ま
しく、このため、20〜100℃が特に好ましい温度範囲で
ある。また、原料の一酸化炭素および水素の混合モル比
は、通常10〜0.1の範囲であり、好ましくは、4〜0.2の
範囲である。一酸化炭素および水素は前記の組成比で両
成分を含有する混合ガスであれば良く、水性ガスや、水
性ガスにメタン、窒素などの反応に不活性なガス、また
は二酸化炭素などが含有されたものが用いられる。もう
一方の原料である塩化ビニルは、ガス状、液状、あるい
は反応に用いる溶媒に溶解した溶液の形で使用される。
本発明の方法は、回分法、半回分法、連続法のいずれの
方法によっても実施できる。例えば、回分法の場合の例
としては、ロジウム化合物、塩基および必要に応じて反
応溶媒および水を仕込んだオートクレーブに、塩化ビニ
ルをガス、液、あるいは溶液状で加え、これに一酸化炭
素および水素を含有するガスを所定圧力まで導入し、好
ましくは撹拌下で加温することにより反応は進行する。
かくして得られた反応混合物を静置し、水層と有機層と
に分離する。該有機層は、必要に応じて水あるいは場合
によっては、水と塩基、または塩基を含有する水溶液が
加えられた後、再度オートクレープに仕込まれて繰り返
し再使用に供される。一方、水層は、蒸溜または抽出等
の所望の分離操作にかけられて、該水層から目的とする
反応生成物である2-クロロプロピオンアルデヒドが分離
取得される。該有機層中の2-クロロプロピオンアルデヒ
ドの濃度は、有機層に対する水の比率や反応時間、反応
溶媒の量などによって好ましい範囲に調整し維持するこ
とができる。
また、連続法の場合の例としては、ロジウム化合物、塩
基および必要に応じて反応溶媒および水と、原料の塩化
ビニル、一酸化炭素および水素とを耐圧の反応器の一方
に連続的に供給し、他方から反応混合物と未反応塩化ビ
ニル、一酸化炭素および水素とを連続的に抜出すことに
より反応が行われる。反応混合物からの反応生成物の分
離は、先に述べた回分法の場合と同様の操作により行わ
れ、反応生成物を分離した触媒は反応器にリサイクルし
て再使用に供される。この場合は有機層中の2-クロロプ
ロピオンアルデヒドの濃度の調整は、有機層と水層との
比率や,触媒液の供給速度,反応器へリサイクルする触
媒液中の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃度等により
行われる。
(作用および発明の効果) 本発明により、塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原
料として、より低温・低圧下において高収率で2-クロロ
プロピオンアルデヒドを製造することができる。特に、
本発明の方法により、従来よりも高い触媒活性のもとで
反応を進行させることが可能となる。
(実施例) 以下、実施例により本発明の方法を更に具体的に説明す
る。
実施例 7段の翼の撹拌機よび温水ジャケットを備えた耐圧200K
g/cm2ゲージの反応器(SUS 316製、内径30mm、高さ450m
m、実容積約300cm3)を、温度60℃、圧力60Kg/cm2ゲー
ジ保ち、該反応器の下部に設けた導入管から、ロジウム
触媒液(1あたり、ヒドリドカルボニルトリストリフ
ェニルホスフィンロジウム0mmol、トリフェニルホスフ
ィン40mmol、2-クロロプロピオンアルデヒド5.6gおよび
イミダゾール32mmolを含有する、オルトキシレン溶液)
1200cm3/時、イミダゾール水溶液(1あたりイミダゾ
ール1molを含有)300ml/時、塩化ビニル2.2mol/時、お
よびモル比1:2の、一酸化炭素および水素の混合ガス320
l/時を連続的に供給し、同時に、反応器上部に設けた取
り出し管から、水層と有機層とを含む反応混合液と、未
反応の塩化ビニル、一酸化炭素および水素とを、45℃で
反応器と同じ圧力で操作されている気液分離器に連続的
に取り出した。
該気液分離器において、未反応の塩化ビニルの大部分お
よび一酸化炭素並びに水素が該分離器の上部に設けたガ
ス取り出し口から取り出され、圧力調節弁を経て大気圧
に保たれた未反応ガスホルダーに送られた。一方、反応
混合液は該気液分離器の下部に設けた液取り出し口から
取り出され、液面調節弁を経て大気圧で操作されている
静置分離槽に送られた。ここで、反応混合液は上層の有
機層(キシレン層)と下層の水層とに分けられた。この
有機層の中には35gの2-クロロプロピオンアルデヒドが
含有されており、これを500mlの水で抽出することによ
り2-クロロプロピオンアルデヒドの含有量を6.7gまで下
げた。この液は、先に述べたロジウム触媒液と実質的に
同一組成であり、反応器へ供給するロジウム触媒液に混
合して再使用に供した。一方、水層は、前記の2-クロロ
プロピオンアルデヒドを抽出した水と混合し、圧力500m
m−水銀柱、缶温度70℃、塔頂温度60℃の回分式減圧蒸
溜装置に4時間分の生成量を合わせて約3500ml宛間歇的
に補給して蒸溜した。一回の蒸溜ごとに初溜を約30mlほ
どカットし、あとは塔頂温度60℃で溜出して来る成分を
全て捕集した。一回の蒸溜毎に減圧蒸溜の釜残物として
平均してイミダゾール1185mmolを含有する水溶液3500g
が得られ、この中に不純物として約320mmolの塩素イオ
ンと1.8gのプロピオン酸とが含有されていた。該釜残物
中の塩素イオンを、イオン交換法により除去することに
より、1時間あたり平均してイミダゾール296mmolを含
む水溶液800mlを得、これを常圧下、蒸発操作により濃
縮した後に296mlに調整後、やはり反応器に供するイミ
ダゾール水溶液に混合して再使用に供した。
この様な方法で24時間にわたって連続運転を行った。減
圧蒸溜装置からの溜出分は、水分を平均10.4%含有する
2-クロロプロピオンアルデヒドで、その1時間あたりの
生成量は運転開始後約7時間目当りから±5.6%程度の
範囲内でほぼ一定となり,その後24時間目までほぼ一定
の値を保った。反応開始後、16時間目から20時間目まで
の4時間の平均では、1時間当り107gの10.4重量%含水
の2-クロロプロピオンアルデヒドが得られた。
(比較例) 実施例1の方法において、反応器へ供給するロジウム触
媒液として、1リットルあたりヒドリドカルボニルトリ
ストリフェニルフォスフィンロジウム30mmol、トリフェ
ニルホスフィン60mmol、2-クロロプロピオンアルデヒド
8.4g、およびイミダゾール36mmolを含有するオルトキシ
レン溶液を1時間当り150mlの割合と、反応器へ供給す
るイミダゾール水溶液として1リットルあたイミダゾー
ル3molを含有する水溶液を1時間当り100mlを用いた以
外は同様の操作で反応を行わせた。反応開始後12時間経
過した所で全系がほぼ定常状態に達した。この時の、反
応器出口における有機層中の2-クロロプロピオンアルデ
ヒドの濃度は、液1リットルあたり184gで、蒸溜系から
取り出された生成物の2-クロロプロピオンアルデヒドは
約10.6%の水分を含み、その量は平均して1時間あたり
56gであった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル、一酸化炭素および水素をロジ
    ウム化合物および塩基の存在下に反応させて2-クロロプ
    ロピオンアルデヒドを製造するに際し、反応系内におけ
    る液相中の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃度を液相
    1リットルあたり100グラム以下に保つことを特徴とす
    る、2-クロロプロピオンアルデヒドの製造方法。
  2. 【請求項2】液相中の2-クロロプロピオンアルデヒドの
    濃度が、液相1リットルあたり5〜50グラムである特許
    請求の範囲第1項記載の方法。
JP61113545A 1986-05-20 1986-05-20 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法 Expired - Lifetime JPH0720906B2 (ja)

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