JP3528244B2 - ロジウム系錯体触媒の製造方法及びその触媒を用いたヒドロホルミル化方法 - Google Patents
ロジウム系錯体触媒の製造方法及びその触媒を用いたヒドロホルミル化方法Info
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Description
ルミル化反応に用いられるロジウム系錯体触媒の製造方
法、及びその触媒を用いたヒドロホルミル化方法に関す
るものである。
いて、ロジウム−有機リン系錯体触媒が、良好な触媒活
性およびアルデヒドへの極めて高い選択性を示すことは
従来より知られている。こうしたロジウム系錯体触媒の
製造方法としては、従来から主として、次の2通りの方
法が知られている。 種々のロジウム化合物に化学的処理を施し、有機溶
媒に可溶な形態のロジウム錯体を予め製造し、これをヒ
ドロホルミル化反応器に導入する方法。この方法の例と
しては、RhCl3 からRhCl(PO3 )3 、又はH
Rh(CO)(PO3 )3 等のロジウム錯体を別途ヒド
ロホルミル化反応器外で製造し、これをヒドロホルミル
化反応の触媒としてヒドロホルミル化反応器に導入する
方法等が挙げられる。 種々のロジウム化合物をそのままの形態で直接ヒド
ロホルミル化反応器内に導入し、ヒドロホルミル化反応
条件下でヒドロホルミル化活性のある溶媒可溶性のロジ
ウム錯体触媒に変換する方法。
ば、確実にヒドロホルミル化活性を有する触媒をヒドロ
ホルミル化反応器内に供給することが可能であるが、あ
らかじめロジウム錯体を製造する必要があるため、工業
的には上記の方法の方が簡便である。しかしながら
の方法でも、条件によっては該ロジウム化合物から反応
溶媒である有機溶媒に可溶なロジウム錯体への変換が阻
害され、甚だしい場合には金属ロジウムとなって析出す
ることがあり、また、均一な触媒が形成されたとして
も、活性が低くなることがある。本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、金属ロジウムの
析出を抑えて高収率で、ヒドロホルミル化反応活性の高
いロジウム系錯体触媒の製造方法及びその触媒を用いた
ヒドロホルミル化方法を提供することにある。
につき鋭意検討した結果、ロジウム系錯体触媒の製造条
件を適切に選択することによって、種々のロジウム化合
物から、容易に且つ高収率で触媒活性の高いロジウム系
錯体触媒を製造できることを見出し、本発明を完成し
た。
ミル化反応に用いられるロジウム−有機リン系錯体触媒
を調製するにあたり、親水性有機溶媒に溶解させた水溶
性ロジウム化合物、及びこれと錯体を形成するに必要な
量以上の有機リン化合物を、有機溶媒中、水素及び一酸
化炭素の存在下で、処理温度T(℃)、処理時間θ(h
r)、及び圧力P(kg/cm 2 G)が、 T≦150 P≧10 (0.036T-3.2 ) θ≦2、かつ 1700×e -T/14.7 ≦θ≦9900×e -T/14.7 を同時に満足する 条件下で反応させることを特徴とする
ロジウム系錯体触媒の製造方法、に存する。
応させることを特徴とするロジウム系錯体触媒の製造方
法、に存する。
法において、ロジウム−有機リン系錯体触媒は、親水性
有機化合物に溶解させた水溶性ロジウム化合物、及び有
機リン化合物を有機溶媒中、水素及び一酸化炭素の存在
下で特定の反応条件下において反応させることによって
製造される。該製造反応の場としては、原料オレフィン
が同時に供給されるヒドロホルミル化反応系が実用上か
らは好ましいが、ヒドロホルミル化反応器内で該ロジウ
ム化合物を均一錯体化する場合、必ずしも原料オレフィ
ンあるいは、生成アルデヒドの存在は必要ではない。ま
た、ヒドロホルミル化反応器外で触媒を製造する場合に
も本発明は有効に適用できる。従って、本発明方法の実
質態様としては、以下に記載する(a)〜(c)の方法
等が挙げられる。
ている状態のヒドロホルミル化反応器に、ロジウム化合
物を親水性有機化合物に溶解させた溶液及び有機リン化
合物を導入し、均一錯体化せしめる方法。この方法は、
触媒の補給方法として特に有効である。 (b)ヒドロホルミル化反応器において、ヒドロホルミ
ル化反応原料のうちオレフィンのみを供給しないで、水
素、一酸化炭素及び有機リン化合物を含む反応媒体の存
在下に、ロジウム化合物を親水性有機化合物に溶解させ
た溶液をヒドロホルミル化反応器に導入し、均一錯体化
せしめる方法。この方法は、特に反応の開始時の触媒製
造方法として有効である。
本発明方法を実施する為の反応器(以下、プレリアクタ
ーと称する。)を設け、該プレリアクターを用いて本発
明方法により、ロジウム化合物を均一錯体化せしめる方
法。この方法は、反応開始時、あるいは、補給触媒製造
時のいずれにも用いることができ、プレリアクターの大
きさも、ヒドロホルミル化反応器の大きさに関わらず、
比較的小型のものを任意に使用することができる。
として使用される水溶性ロジウム化合物としては、例え
ば塩化ロジウム、臭化ロジウム、沃化ロジウム、硫酸ロ
ジウム、硝酸ロジウム、塩化ロジウムアンモニウム、塩
化ロジウムナトリウム等の水溶性の無機酸塩又は無機錯
化合物、ギ酸ロジウム、酢酸ロジウム、プロピオン酸ロ
ジウム等の水溶性有機酸塩等を挙げることができる。
ム化合物は、親水性有機化合物に溶解させた溶液(以
下、ロジウム化合物溶液という)の形で前記(a)〜
(c)等の実施態様の反応系に添加される。かかる溶液
の調製に使用される溶媒は、触媒原料のロジウム化合物
を溶解し得る親水性有機化合物から選ばれる。親水性有
機化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級
モノアルコール類、エチレングリコール、グリセリン等
の多価アルコール類等の脂肪族アルコール;ギ酸、酢
酸、プロピオン酸等の脂肪酸;テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等の環状エーテル;プロピオラクトン、γ−ブ
チロラクトン等のラクトン;アセトン、メチルエチルケ
トン等の低級アルキルケトン;エチルアミン、プロピオ
アミン等のアミン;あるいはアセトアルデヒド等のアル
デヒドが好適に用いられる。これらの親水性有機化合物
は、必ずしも無水である必要はないが、多量の水の存在
は好ましくない。通常許容し得る水の量は、該ロジウム
化合物溶液全量に対し、重量で約30%以下である。
らのロジウム化合物自体を該親水性有機化合物に溶解す
ることによって達成されるが、ロジウム化合物が水溶液
の形で得られる場合には、該水溶液に親水性有機化合物
を、水の量が前述したように約30重量%以下、好まし
くは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下に
なる様に加えてロジウム化合物溶液を調製する。該ロジ
ウム化合物溶液中のロジウム含有量は、ロジウム化合物
溶液1リットル当り、通常、ロジウム原子として200
g以下、好ましくは50〜0.1gの範囲である。
リン化合物としては、単座配位子又は多座配位子として
の能力をもつホスフィン又はホスファイト等が挙げられ
る。ホスフィンとしては、トリス(p−トリル)ホスフ
ィン、トリキシリルホスフィン、トリス(p−エチルフ
ェニル)ホスフィン等のフェニル基にアルキル置換基を
有するホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホ
スフィン等のフェニル基にアルコキシ置換基を有するホ
スフィン等、フェニル基上にヒドロホルミル化反応条件
下で不活性な置換基を有するトリアリールホスフィン等
が挙げられ、中でもトリフェニルホスフィンを使用する
のがその入手の容易さから好ましい。
ルジエチルホスフィン、トリス(アミノアミル)ホスフ
ィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリス(N,N
−ジメチルアリル)ホスフィン、フェニルジイソプロピ
ルホスフィン、フェニルジアミルホスフィン、エチルジ
フェニルホスフィン、クロルジキシルホスフィン、トリ
ス(N,N−ジエチルアミノメチル)ホスフィン、エチ
レンビス(ジフェニル)ホスフィン、トリアニリルホス
フィン、ジフェニル(N,N−ジメチルアニリル)ホス
フィン,トリフェニルアニリルエチレンジホスフィン、
トリス(3,5−ジアミノフェニル)ホスフィン、アミ
ノエチルトリイソプロピルヘキサメチレンジホスフィン
等が挙げられる。
メチルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト
等のトリアルキルホスファイト、置換基を有していても
よいトリフェニルホスファイト、置換基を有していても
よいトリナフチルホスファイト等のトリアリールホスフ
ァイト及びアルキルアリールホスファイト等が用いられ
る。また、多座のホスファイトとしては、一般式(3)
に異なっていてもよい芳香族炭化水素基を表し、A
1 は、隣接する酸素原子に結合する脂肪族炭化水素基、
脂環族炭化水素基または芳香族炭化水素基を有するn価
の有機基を表し、それぞれ置換基を有していてもよく、
nは2〜4の整数を表す。また、各
等が挙げられる。
たっては、該有機リン化合物をそのまま該反応系に導入
することもできるが、取扱いやすさ等を考慮すれば、有
機溶媒に溶解させて導入するのが好ましい。本発明にお
いて使用される原料のオレフィン性化合物としては、例
えばエチレン、プロピレン、プテン、ペンテン、ヘキセ
ン、オクテン等のα−オレフィンあるいはα位以外に二
重結合をもつ内部オレフィン等が挙げられる。
るアルデヒドをヒドロホルミル化反応生成液から蒸留分
離することを考えると、生成するアルデヒドより高沸点
で反応阻害作用のない溶媒が好ましく、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサ
ン、オクタン等の脂肪族炭化水素、酢酸ブチル、酪酸ブ
チル等のエステル類あるいはケトン類等が挙げられる。
体触媒は、親水性有機化合物に溶解させた水溶性ロジウ
ム化合物、及びこれと錯体を形成するのに必要な量以上
の有機リン化合物を有機溶媒中、水素及び一酸化炭素の
存在下で、特定の反応条件下において反応させることに
より、製造することができる。上記特定の反応条件のう
ち、処理温度T(℃)は80〜150℃の範囲内が使用
され、錯体の活性を考慮すると100〜130℃の範囲
内を使用することが好ましい。
の範囲から任意に選択することができ、温度T(℃)の
関数で表した場合、好ましくは、10(0.036xT-3.2) k
g/cm2 G以上、より好ましくは10kg/cm2 G
以上、更に好ましくは15kg/cm2 G以上の条件を
用いるのがよい。圧力が10(0.036xT-3.2) kg/cm
2 G未満では、十分に触媒の錯体化がおこらず、ヒドロ
ホルミル化反応に対する触媒活性が低いと共にロジウム
金属が析出する傾向にあるため好ましくない。次に処理
時間θ(hr)は温度T(℃)の関数を表わされる次式
(1)
錯体触媒はヒドロホルミル化を行うのに十分な活性を有
するが、後述する実施例によっても明らかなように、あ
まりに長時間の処理はかえってロジウム金属の析出量の
増加および、一旦生成した錯体の変質によると考えられ
る触媒活性の低下をもたらすため好ましくない。また、
経済的見地からも、長時間の処理は効率的ではない。従
って、上記範囲内のうち2時間を超えない条件で行う事
が好ましい。またより好ましくは、処理時間θ(hr)
が次式(2)で表わされる範囲から選択される。
は、十分に触媒の錯体化がおこらず触媒活性が低くな
り、また上記上限値を超える場合にも、ロジウム金属が
析出し、錯体化率が下がると共に、触媒活性が著しく低
下する。なお、本発明において処理時間とは、流通系の
場合には滞留時間を示す。本発明においては、上記圧力
及び処理時間として温度の関数で規定された特定式から
導かれる範囲内の値を選択してロジウム系錯体触媒を製
造することにより、高い触媒活性を有する錯体を高収率
で得ることがきる。
ジウム及び有機リン化合物の濃度や、水素と一酸化炭素
とのモル比等は、ヒドロホルミル化反応条件とほぼ同一
の条件を用いることができ、ヒドロホルミル化反応触媒
液中のロジウム濃度は通常数ppm〜数百ppmの範囲
であり、また有機リン化合物の量はロジウムに対し通
常、数倍〜数百倍のモル量である。また、水素と一酸化
炭素(以下オキソガスという)のモル比(H2 /CO
比)は1/3〜30/1の範囲で任意に選択し得るが、
好ましくは1/2〜20/1の範囲である。
ム化合物は極めて酸化力が強く、ロジウム化合物の形態
ではそのままで、また該ロジウム化合物溶液の形態では
加温することにより、容易に分解して金属ロジウムとし
て析出するということである。従ってこのロジウム化合
物溶液を均一錯体化するためにヒドロホルミル化反応器
あるいはプレアクターに導入するに際しては、均一錯体
化反応以前にロジウム金属が析出するのを防止するため
の操作上の配慮をすることが望まれる。その為の好まし
い要件としては下記のようなことが挙げられる。
素及び有機リン化合物を含有する溶液に導入する以前に
加熱しない。 B)ロジウム化合物溶液を有機リン化合物を含有する溶
液に供給する時、ロジウム化合物が該有機リン化合物含
有溶液中に微細に分散するような措置を講ずる。この為
には、たとえば有機リン化合物を含む溶液を回分式反応
器では充分な攪拌状態に保ち、連続式反応器では液流あ
るいはガス流により乱流状態に保ったところに、ロジウ
ム化合物の溶液を導入する等の方策をとることが望まし
い。
は、回分系でも流通系でも実施することができるが、特
に流通系の場合には、反応系内の攪拌特性が触媒の錯体
化率及び活性に影響を与えることが知られている。気液
流通系における反応器の攪拌特性は、物質移動容量係数
kLaにより表わすことができることが知られている。
(山口 厳ら、「増補、混合および攪拌」化学工業社
(1984))
(Ind.Eng.Chem.Process.De
s.Develok.,Vol.12,No.1,19
73)により次式(4)が提案されている。 (kLa)DT 2 /DL =0.6(νL /DL )0.50(gDT 2 ρL /σ)0.62 (gDT 3 /νL 2 )0.31εm 1.1 ・・・(4)
H2 ) νL :液の動粘度(cm2 /s) ρL :液相密度(g/cm3 ) σ :液相表面張力(dyn/cm) g :重力加速度(cm2 /s) εm :塔断面ガスホールドアップ であり、εm は、
ρL /σ)1/8 (gDT 3 /νL 2 )1/12(ug /(g
DT )0.5 ) で表され、ここでug は空塔基準ガス速度(cm/s)
である。一方、通気攪拌槽のような流通系での物質移動
容量係数kLaは、西川ら(J.Chem.Eng.Ja
pan,Vol.14,No.3,1981)により次
式(5)が提案されている。
n3 di 5 であり、また、
2 nρL /μL )1.5 (μL /ρLDL )0.5 (μL u
g /σ)0.5 (di n2 /g)0. 367 (ndi /ug )
0.167 (DT /di )2 (Pgc /ρL n3 di 5 )
0.8 (kLaDT 2 /DL )a =0.112(ug /(g
DT )0.5 )(μL /ρLDL )0.5 (gDT 2 ρL /
σ)0.66(gDT 3 ρL 2 /μL 2 )0.42 である。
うな流通系においては、反応液の物性や反応器形状の特
性に応じて、ガス線速、攪拌動力又はガス流を調節する
ことによって、好ましい攪拌状態を維持することができ
る。本発明において、ロジウム錯体触媒を流通系で製造
する場合には、該ロジウム錯体触媒が十分な錯体化率及
び触媒活性を有するためには、上記式(4)又は(5)
により計算した物質移動容量係数kLaが好ましくは5×
10-3以上、更に好ましくは20×10-3以上となるよ
う攪拌状態を調節する。
たヒドロホルミル化反応の反応条件としては、通常、水
素分圧0.1〜200kg/cm2 G、一酸化炭素分圧
0.1〜200kg/cm2 G、全圧数kg/cm2 G
〜300kg/cm2 G、水素分圧/一酸化炭素分圧=
0.1〜10、反応温度60〜200℃、Rh濃度は数
重量ppm〜数重量%、P(遊離有機燐配位子)/Rh
=10〜10000(モル比)、反応時間数分〜10数
時間の範囲内で適宜選択される。オレフィンのヒドロホ
ルミル化反応は、通常連続式の反応器に原料であるオレ
フィン、オキソガス及び触媒液を連続的に供給し、上記
ヒドロホルミル化反応条件下にて実施されるが、回分式
の反応器を使用することもできる。
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例1−1 オレフィンのヒドロホルミル化反応に用いられる上下攪
拌器付の240ml容量のオートクレーブに、トリフェ
ニルホスフィン25wt%を含むトルエン溶液50ml
を仕込んだ。次いで、攪拌しながら、ロジウム濃度が
0.62wt%(ロジウム金属換算)の酢酸ロジウム−
メタノール溶液(5.6wt%の水及び若干量の遊離酸
を含む)をトルエン溶液に対しロジウム濃度が200m
g/lになるように仕込み、仕込んだロジウムがロジウ
ム金属換算で14.5mgとなるようにした。
0kg/cm2 Gまで圧入し、攪拌数を90回/分に維
持しつつ直ちに130℃まで昇温し、0.5時間回系分
で反応させた。なお、反応時の圧力は45kg/cm2
Gであった。反応終了後、冷却した内容物を10μのメ
ンブランフィルターで濾過し、フィルターに残った残渣
中のロジウムを分析したところ、仕込んだロジウムに対
して、0.18%のロジウムが検出された。続いて、上
記濾過後の濾液及びトリフェニルホスフィンを含むトル
エン溶液を合わせて50mlとなるように、窒素雰囲気
下で上記と同じオートクレーブに仕込み、反応条件とし
ては、圧力15kg/cm2 G、オキソガス比率H2 /
CO=1、温度120℃、反応時間3.0hrを用い
て、プロピレン6gのヒドロホルミル化反応を実施した
ところ、プロピレンの反応速度定数は3.923(hr
-1)であった。以下の実施例及び比較例においては、こ
の反応速度を基準とした反応速度を比活性として表す。
こと以外は、実施例1−1と同様にしてヒドロホルミル
化反応を行った。結果を表−1に示す。
拌器付の500ml容量のオートクレーブに、ロジウム
濃度が10wt%(ロジウム金属換算)の酢酸ロジウム
(若干量の遊離酸を含む)1.5gを仕込み、次いで、
メタノール22.5gで希釈した後、トリフェニルホス
フィン25wt%を含むキシレン溶液により、トータル
溶液量が150mlになるように調製し、ロジウム濃度
が1000mg/lであり、仕込んだロジウムがロジウ
ム金属換算で150mgとなるようにした。
0kg/cm2 Gまで圧入し、攪拌数を500rpmに
維持しつつ直ちに130℃まで昇温し、0.5時間回分
系で反応させた。なお反応時の圧力は56kg/cm2
Gであった。反応終了後、冷却した内容物を10μのメ
ンブランフィルターで濾過し、可溶性ロジウム−トリフ
ェニルホスフィン系錯体を含む濾液中のロジウムを分析
したところ、仕込んだロジウムに対するキシレン溶液中
のロジウム溶解率は94.1%であった。続いて、濾液
及びトリフェニルホスフィンを含むキシレン溶液をロジ
ウム濃度が300mg/l、トリフェニルホスフィン濃
度が25wt%であり、合わせて72gとなるように調
製し、窒素雰囲気下で、上記と同じオートクレーブに仕
込んだ。反応条件として、圧力7.5kg/cm2 G、
オキソガス分圧3kg/cm2G(H2 /CO=1)、
温度90℃、反応時間1.1hrを用いて1−ブテン1
0gのヒドロホルミル化反応を実施したところ、1−ブ
テンの反応速度定数kは1.95(hr-1)であり、従
って、錯体活性は反応速度定数k/Rh=6.49×1
0-3(1/(hr×mg))であった。
と以外は実施例2−1と同様にしてヒドロホルミル化反
応を行った。結果を表−2に示す。
直列で使用し、25wt%のトリフェニルホスフィンを
含むキシレン溶液を4リットル/hr、オキソガス(H
2 /CO=1)を1.38Nm3 /hrの割合で送入
し、同時に触媒液として、ロジウム濃度が1.26wt
%(ロジウム金属換算)の酢酸ロジウム−メタノール溶
液(若干量の水及び遊離酸を含む)を200ml/hr
(ロジウムとしての供給速度は2.04g/hr)の割
合で送入し流通系で反応を行った。その際、反応器内の
滞留時間は1.0hrであり、反応器は蒸気−熱水加熱
ジャケット付きで、塔内温度を130℃、圧力を45k
g/cm3 Gに維持して連続的に流通反応を実施した。
36時間後、サンプリングした反応液を10μのメンブ
ランフィルターで濾過し、可溶性ロジウム−トリフェニ
ルホスフィン系錯体を含む濾液中のロジウムを分析した
ところ、仕込んだロジウムに対するキシレン溶液中のロ
ジウム溶解率は99.0%であった。続いて、上記濾液
を用い、実施例2−1と同様にしてヒドロホルミル化反
応を実施したところ、反応速度定数kは、2.13(h
r-1)であり、従って、反応速度定数k/Rh=7.1
0×10 -3(1/(hr×mg))であった。また、物
質移動容量係数kLaは、27×10-3(s−1)であっ
た。
し、25wt%のトリフェニルホスフィンを含むキシレ
ン溶液を6リットル/hr、オキソガス(H2/CO=
1)を4.7Nm3 /hrの割合で送入し、同時に触媒
液として、ロジウム濃度(金属換算)1.53wt%の
酢酸ロジウム−メタノール溶液(若干量の水及び遊離酸
を含む)を300ml/hr(ロジウムとしての供給速
度は3.63g/hr)の割合で送入した。その際、反
応器内の滞留時間は2.0hrであった。以下実施例3
−1と同様にして連続的に流通反応を実施し、36時間
後にサンプリングした反応液を濾過し、可溶性ロジウム
−トリフェニルホスフィン系錯体を含む濾液中のロジウ
ムを分析したところ、仕込んだロジウムに対するキシレ
ン溶液中のロジウム溶解率は91.0%であった。続い
て、上記濾液を用い、実施例2−1と同様にして、ヒド
ロホルミル化反応を実施したところ、反応速度定数k
は、1.62(hr-1)であり、従って、反応速度定数
k/Rh=5.40×10-3(1/(hr×mg))で
あった。また、物質移動容量係数kLaは、29×10-3
(s−1)であった。
以外は、比較例3−1と同様にしてヒドロホルミル化反
応を実施した。結果を表−3に示す。表−3より、実施
例3−1と比較例3−1〜3−3とを比較すると、実施
例3−1においては、錯体化反応後の有機溶媒中のロジ
ウム溶解率及びヒドロホルミル化反応に対する錯体活性
のいずれもが良好な値を示していることがわかる。ま
た、比較例3−2においては、ロジウム溶解率が99.
6%と高いにもかかわらず錯体活性が低いという結果に
なっているが、このことは、前述したように有機溶媒に
可溶なロジウム錯体が一旦生成しても、4時間という長
時間の処理を行うことで触媒活性の低下がおこることを
示している。
を用いてロジウム系錯体触媒を製造することにより、種
々のロジウム化合物から錯体触媒を容易に、且つ高収率
で得ることができ、更に、このようにして製造した触媒
を用いると、非常に高活性でヒドロホルミル化反応化を
実施することができるため、工業的に利用価値が高い。
r)との関係を表す図である。
cm2 G)との関係を表す図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 オレフィンのヒドロホルミル化反応に用
いられるロジウム−有機リン系錯体触媒を調製するにあ
たり、親水性有機化合物に溶解させた水溶性ロジウム化
合物、及びこれと錯体を形成するに必要な量以上の有機
リン化合物を、有機溶媒中、水素及び一酸化炭素の存在
下で、処理温度T(℃)、処理時間θ(hr)、及び圧
力P(kg/cm 2 G)が、 T≦150 P≧10 (0.036T-3.2 ) θ≦2、かつ 1700×e -T/14.7 ≦θ≦9900×e -T/14.7 を同時に満足する 条件下で反応させることを特徴とする
ロジウム系錯体触媒の製造方法。 - 【請求項2】 2200×e -T/14.7 ≦θ≦9900×
e -T/14.7 なる条件下で反応させることを特徴とする請求項1に記
載のロジウム系錯体触媒の製造方法。 - 【請求項3】 反応系の物質移動容量係数KLa(S-1)
が5×10-3以上の流通系において反応させることを特
徴とする請求項1又は2に記載のロジウム系錯体触媒の
製造方法。 - 【請求項4】 反応系の物質移動容量係数KLa(S-1)
が20×10-3以上の流通系において反応させることを
特徴とする請求項1又は2に記載のロジウム系錯体触媒
の製造方法。 - 【請求項5】 圧力Pが10kg/cm2G以上で反応
させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに
記載のロジウム系錯体触媒の製造方法。 - 【請求項6】 圧力Pが15kg/cm2G以上で反応
させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに
記載のロジウム系錯体触媒の製造方法。 - 【請求項7】 処理温度Tが100〜130℃の範囲で
反応させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれ
かに記載のロジウム系錯体触媒の製造方法。 - 【請求項8】 有機リン化合物がホスフィンまたはホス
ファイトであることを特徴とする請求項1ないし7のい
ずれかに記載のロジウム系錯体触媒の製造方法。 - 【請求項9】 有機リン化合物がトリフェニルホスフィ
ンであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
に記載のロジウム系錯体触媒の製造方法。 - 【請求項10】 親水性有機化合物がメタノールである
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の
ロジウム系錯体触媒の製造方法。 - 【請求項11】 ヒドロホルミル化反応器外に別途もう
けた反応器内で触媒を製造することを特徴とする請求項
1ないし10のいずれかに記載のロジウム系錯体触媒の
製造方法。 - 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
の方法により製造したロジウム系錯体触媒を用いること
を特徴とするオレフィンのヒドロホルミル化方法。
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JP14933194A JP3528244B2 (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | ロジウム系錯体触媒の製造方法及びその触媒を用いたヒドロホルミル化方法 |
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