JPH0736475Y2 - インバ−タ装置 - Google Patents

インバ−タ装置

Info

Publication number
JPH0736475Y2
JPH0736475Y2 JP1987070978U JP7097887U JPH0736475Y2 JP H0736475 Y2 JPH0736475 Y2 JP H0736475Y2 JP 1987070978 U JP1987070978 U JP 1987070978U JP 7097887 U JP7097887 U JP 7097887U JP H0736475 Y2 JPH0736475 Y2 JP H0736475Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
thyristor
resistor
gate
capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1987070978U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63179793U (ja
Inventor
賢司 藤堂
Original Assignee
阪神エレクトリック株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 阪神エレクトリック株式会社 filed Critical 阪神エレクトリック株式会社
Priority to JP1987070978U priority Critical patent/JPH0736475Y2/ja
Publication of JPS63179793U publication Critical patent/JPS63179793U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0736475Y2 publication Critical patent/JPH0736475Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はサイリスタを有し、変圧器二次巻線に疑似正弦
波出力を得るインバータ装置の改良に関する。
〈従来の技術〉 変圧器二次巻線に疑似正弦波出力を得る従来のインバー
タ装置としては、例えば特公昭59-9804号公報で代表さ
れるものがある。
この従来例ではまず、第一のキャパシタと変圧器の一次
巻線を有する振動回路に対し、リアクトルとサイリスタ
の直列回路を介して交流電源を接続している。
そしてこの交流電源の正の各半サイクルの当初、上記の
サイリスタを最初にターンオンさせるため、この従来例
は抵抗、トリガダイオード、キャパシタから成る起動回
路を有し、交流電源の正の各半サイクルの当初から当該
キャパシタを充電し始め、この充電電荷が所定の値にま
で増加したときにトリガダイオードをブレークダウンさ
せてゲートパルスを発生させ、このゲートパルスでサイ
リスタをターンオンさせるように図っている。
しかるにサイリスタがいったんターンオンすると、上記
の振動回路電流は振動的となり、したがってターンオン
したサイリスタ両端の極性が反転して再びターンオフす
るタイミングがある。
これを再度ターンオンさせ、以降、交流電源の正の各半
サイクル中においてターンオフとターンオンを繰返す自
励発振をさせるため、上記のようにサイリスタがターン
オフした後、上記変圧器の帰還巻線に得られる出力によ
って第二のキャパシタ(トリガ用キャパシタ)を充電
し、かつ、さらにその後の上記振動回路の動作により、
上記変圧器の帰還巻線に得られる出力が再びその極性に
おいて反転した際、上記トリガ用キャパシタに充電され
ていた電荷を押し出すかのように放電してゲートパルス
を生成し、これによって上記サイリスタを再トリガする
ようにしている。
またこれと並行して、上記のように変圧器の帰還巻線に
得られる出力が再びその極性において反転した際、この
出力をバイポーラスイッチングトランジスタのベースに
も与えて当該トランジスタを動作させ、上記起動回路の
機能を殺し、強制停止ないし休止するようにもしてい
る。
これは起動回路の動作を交流電源の正の各半サイクル当
初のただ一回に限り、それ以降の自励発振モード下では
サイリスタを誤トリガすることのないよう、休止状態を
維持させるためである。
(考案が解決しようとする問題点) 上記した従来のインバータ装置は、負荷として放電間隙
が用いられ、ここに複数火花を得る点火装置として応用
されているが、一般に変圧器二次巻線に疑似正弦波出力
を得るインバータ装置として見ても、その原理構成上は
かなり優れたものである。
しかし実際上、交流電源の正の各半サイクルの当初、い
ったん起動を掛けるための起動回路それ自体と、この起
動回路の動作を強制停止ないし休止させる回路は共に比
較的複雑で、既述のように起動回路としては抵抗、キャ
パシタに加え、高価なトリガダイオードを、また正常に
起動した後に起動回路の動作を休止状態に維持するため
の強制動作休止回路としては同様に高価なバイポーラト
ランジスタとその周辺回路を要していた。
これは何も上記従来例に特定されるものではなく、起動
後にサイリスタに対し再トリガを掛けるタイプのインバ
ータ装置には共通の欠点であった。
また原理的にはともかく、実際に装置として組んで稼動
させるとなると、ノイズマージンないし動作余裕を稼
ぎ、負荷変動、電源電圧変動に対して良好な特性を維持
しながら自励発振を継続させるべく図らねばならない
が、そのためのサイリスタの保護とか自励発振継続のた
めのトリガ信号波形(休止時も含む)に関し最適化を図
った従来例はなく、特に昨今のように大出力化が要求さ
れてくると、従来構成のままではサージ吸収機構が不満
足であったり、変圧器やリアクトルの容量余裕が乏しく
なる結果、電源電圧変動に対して極めて弱くなる等の欠
点を露呈することになった。
本考案はこうした点にかんがみ、サイリスタを起動する
起動回路を極力簡単化し、また正常な起動に成功した後
には当該起動回路の動作を強制休止状態に維持する回路
系を特には要しない構成とした上で、ノイズマージンも
大きく、電源電圧変動、負荷変動にも強いインバータ装
置を廉価、小型に提供せんとしたものである。
(問題点を解決するための手段) 本考案は上記目的を達成するため、新たに起動回路の
外、各所に工夫を施して、次のような構成によるインバ
ータ装置を提供する。
キャパシタ(3)と変圧器(P)の一次巻線を有する振
動回路(3,P)に対し、リアクトル(1)とサイリスタ
(2)の直列回路を介して交流または直流電源を接続す
る一方、該電源投入当初または交流電圧が所定の値にま
で立ち上がったときに上記サイリスタ(2)を最初にタ
ーンオンさせる起動回路(6)と、該起動回路(6)に
より起動させられた上記サイリスタ(2)が上記振動回
路(3,P)の動作によりいったんターンオフした後に再
度トリガを掛けるため、パルス発生回路(7)からの信
号を充電し、所定の値になったときに上記サイリスタ
(2)のゲートに放電してトリガパルスとするトリガ用
キャパシタ(15)とを有し、上記変圧器(P)の二次巻
線(S)に疑似正弦波出力を得るインバータ装置であっ
て; 上記起動回路(6)を、上記電源投入の当初または交流
の正負いずれか一方の半周期の立ち上がりごとの電源電
位変化過渡期において所定の値で導通するしきい値素子
(6a)と抵抗(6b)との直列回路により構成し、該しき
い値素子(6a)と抵抗(6b)との直列回路のみを上記サ
イリスタ(2)のゲート−アノード間に並列に接続する
一方; 上記サイリスタ(2)に関し、突入電流を制限する電流
制限抵抗(10)と,上記リアクトル(1)により発生し
得るサージ電圧を分路する抵抗(11)とキャパシタ(1
2)の直列回路と,を設け、該電流制限抵抗(10)と該
直列回路(11,12)とでサージ吸収回路(9)を構成す
ると共に; 上記トリガ用キャパシタ(15)に対しては、ダイオード
(14)としきい値素子(13)との逆直列接続と該しきい
値素子(13)に対し直接に並列に設けられたリーク抵抗
(16)とより成る充電電荷制限回路(13,14,16)と,パ
ルス発生回路(7)から印加される信号を所定の極性側
にクランプするクランプダイオード(17)とこのクラン
プダイオード(17)に対し直接に並列に設けられて補助
的に放電経路を安定閉成する抵抗(27)とから成るクラ
ンプ回路(17,27)と,を設け; さらに上記サイリスタ(2)のゲート−カソード間に
は、ダイオード(20)としきい値素子(26)の逆直列接
続から成り、該サイリスタ(2)に順方向電流が供給さ
れている期間、該ゲートに対して安定に逆バイアスを印
加する逆バイアス回路(20,26)を設けて; 上記充電電荷制限回路(13,14,16),クランプ回路(1
7,27),逆バイアス回路(20,26)により、上記パルス
発生回路(7)に関するパルス整形回路(8)を構成し
たこと; を特徴とするインバータ装置。
〈作用および効果〉 上記における符号は限定的なものではなく、理解のた
め、後述の実施例中における対応する構成子の符号を援
用したものであるが、本考案においてはまず、起動回路
は抵抗としきい値素子から簡単に構成される。
こうした場合、起動後、トリガ回路による自励発振モー
ドに入った場合にも、この起動回路が再度誤起動動作を
起こさないかとの心配が起きるかも知れないが、これは
用いるサイリスタのスイッチング動作とスイッチング速
度やしきい値素子の素子特性との相関でそのようなこと
がないようにすることができる。
すなわちサイリスタにおいては、ゲートにトリガ信号が
入ったからと言ってそれこそ直ちに応答可能なものはな
く、むしろ少なくとも十数〜数十マイクロセカンド・オ
ーダ程度で若干の応答遅れが見込まれし、しきい値素子
の当該しきい値に至るにも時間を要する。
したがって起動回路がサイリスタのターンオフにより再
起動動作を生起しようとした場合にも、トリガ回路の方
からそれ以前にトリガを掛けてしまえば(そのようにす
ること自体は既存の技術をしても極めて容易である)、
再びサイリスタはターンオンし、抵抗としきい値素子か
ら成る起動回路は実効的に短絡される等して機能しない
ように収まるからである。これはまた、従来において起
動回路の動作を最初の一回に限定するためにのみ用いら
れていたバイポーラスイッチングトランジスタを合理的
に省略可能にしたことを意味する。
さらに本考案によれば、上記要旨構成中に見られるよう
に、サージ吸収回路中の構成の一つとして、リアクトル
により発生し得るサージ電圧をサイリスタに関し分路す
る抵抗とキャパシタの直列回路があるため、当該サージ
からサイリスタを良く保護できる外、サイリスタがオン
状態になろうとするときにはこのキャパシタからの放電
電流により、ターンオン時間を短縮し得る効果もある。
またサージ吸収回路中に設けられている電流制限抵抗
は、サイリスタに対する順逆双方向の突入電流(一種の
サージと見ることができる)を制限するため、安全性が
高められ、ターンオフへの引き込み時間も短縮可能であ
る。
さらに本考案は、電源電圧の変動、特に低電圧化に対し
ても、良好なスイッチング特性を確保するための機能を
有している。
すなわち、一般にサイリスタがターンオフするとそのゲ
ートインピーダンスは一般に極めて高くなるが、この状
態下で電源電圧が低下変動すると振動回路に流入する電
流が大きく減少し、自励発振の周波数が低下してゲート
パルス幅が長くなる。
そのため、サイリスタがターンオフしても残留する電荷
部分がこのゲートパルス中に生じ、スイッチング動作が
不安定となりやすく、逆阻止状態下での電力損失も大と
なる。
しかし本考案においては、しきい値素子やこれに並列な
リーク抵抗により、このゲートパルス中の残留電荷部分
を速やかに除去できるため、上記のような問題は解消な
いし緩和される。
なお、電源電圧が高い場合には発振周波数が所期通りの
値を保ち得、したがってゲートパルスも所定の短さに留
め得るため、リーク抵抗の影響はなく、動作も安定して
いる。
同様に本考案により設けられているクランプ回路は、ゲ
ートパルスの不整を抑える働きをし、無効であるべき期
間中の当該パルスを所定の極性範囲に維持して誤動作の
おそれを低減する。当該クランプ回路中にあってクラン
プダイオードに対して直接並列に設けられている抵抗
は、これを挿入すると上記の作用がより一層、高められ
るもので、そのメカニズムは実は正確には分からない
が、おそらくは当該クランプダイオードの順方向オン電
圧以下の範囲でトリガ用キャパシタの入力インピーダン
スを低下させ、放電経路を安定に閉成する働きをしてい
ると思われる。
最後に、サイリスタに順方向電流が流されているときに
は、本考案によるとダイオードとしきい値素子の逆直列
接続により、そのゲートに深い逆バイアスを印加するこ
とができるので、誤動作を起こし得るゲートへの順方向
ノイズパルス等に対して耐性を高め得、ノイズマージン
を高めることもできる。
このようにして、本考案におけるパルス整形回路は、サ
イリスタ駆動パルスを種々の観点から最適化しているこ
とが分かる。
以上のような作用により導出される本考案の効果をまと
めると次のようになる。
そもそも起動回路自体からして簡単であり、これを休
止状態に維持するための特殊な回路系は特に必要がなく
なる。
電源が比較的低電圧であっても安定に動作し、交流商
用電源を電源として選んだ場合等にはその利用効率が向
上し、また高出力化も容易である。
起動回路の駆動電圧を低く設定することも可能なた
め、電波雑音の発生を大幅に低減でき、また逆に耐ノイ
ズ性も向上する。
サイリスタのスイッチング時における過渡特性を改善
し得るので、特に逆方向損失が低下し、温度上昇を抑え
ることもできる。
各部の過電圧が著しく抑えられるので、信頼性が向上
し、寿命を伸ばすことができる。
回路構成は実質的に簡単なもので済み、簡単になった
分、故障確率は低下し、信頼性は逆に高まることにな
る。
(実施例) 第1図は本考案インバータ装置の望ましい第一の実施例
を示している。
端子T1,T2は低周波交流電源または直流電源の入力端子
であって、この端子T1,T2間にリアクトル1、サイリス
タ2、第一のキャパシタ3から成る直列回路が挿入され
ており、第一のキャパシタ3には並列に変圧器4の一次
巻線Pが接続され、これらキャパシタ3と巻線Pとで振
動回路が構成される一方、変圧器4の二次巻線Sには負
荷5が接続されている。
また、サイリスタ2に直列(この場合、そのアノードと
リアクトル1との間)には、本考案により設けられる総
体的なサージ吸収回路9の一構成子として、突入電流低
減用の電流制限抵抗10が挿入され、さらに当該サージ吸
収回路9の他の構成子として、抵抗11とキャパシタ12の
直列回路がこの電流制限抵抗10のリアクトル側端と変圧
器一次巻線Pの電源端子側との間に挿入されている。
サイリスタ2のアノード−ゲート間には本考案の思想に
従って構成された起動回路6としてツェナダイオード6a
と抵抗6bの直列回路が挿入され、ゲート−カソード間に
は分路抵抗18が挿入されている。
さらにサイリスタ2のゲートには、起動後、振動回路の
動作によりターンオフしていたサイリスタ2に再トリガ
を掛ける自励発振用のパルス発生回路7の出力がトリガ
用キャパシタ15を介して与えられるようになっている。
サイリスタ2のゲートとパルス発生回路7との間には、
しきい値素子としてのツェナダイオード13と通常のダイ
オードの逆直列接続回路が挿入され、ダイオード14はト
リガ用キャパシタ15を分路するように設けられ、またツ
ェナダイオード13はリーク抵抗16により分路されてい
る。
さらに、サイリスタ2のゲートとカソード間には、しき
い値素子として上記と同様にツェナダイオード26と通常
のダイオード20との逆直列接続が挿入され、一方、パル
ス発生回路7の出力にはその正側をクランプする向きに
クランプダイオード17とこれに並列な補助放電経路閉成
用抵抗27が接続されている。
これらのキャパシタ15、抵抗16,18、ダイオード14,17,2
0、そしてツェナダイオード13,26はあいまってパルス発
生回路7の出力パルスに対するパルス整形回路8を構成
する。
ただし本考案においては、後述の実施例においてその望
ましい回路例を示すものの、要旨構成としてまで上記し
たパルス発生回路7の具体的な構成を限定するものでは
ない。後に顕かなように、本考案回路を所望の通りに動
作させ得るトリガ回路系は公知既存の技術をしても種々
のものを組み得るからである。
さて、この第1図示実施例におけるインバータ装置の動
作を説明すると、サイリスタ2は片方向スイッチング素
子なので、交流電源を使用した場合、アノード側が正と
なる電源位相の半波についてのみスイッチングすること
ができ、逆位相となる半波では動作を休止する。ただし
もちろん、両波整流波形等、直流分を含む電源の場合に
は休止期間は生じない。
しかるに、交流電源の正の各半サイクルごとの当初か、
または直流電源の電源投入の当初において電源電圧が正
方向に上昇して行った結果、抵抗6b,18間のツェナダイ
オード6aの両端電位が当該ツェナ降伏電位を越えると、
ツェナダイオード6aがブレークダウンし、ゲート制御型
整流素子として選ばれたサイリスタ2のゲートにゲート
電流が流入する。
すると、用いたサイリスタ2の特性によって定まる一定
時間後に当該サイリスタ2がターンオンし、リアクトル
1を介してキャパシタ3の充電が始まる。
その後に変圧器4の一次巻線Pへの分流が始まると、こ
のキャパシタ3と当該一次巻線Pとで構成される振動回
路内で振動電流が生起し、このため、サイリスタ2のア
ノード、カソード間電圧が極性において逆転するタイミ
ングが生じ、この時点でサイリスタ2がターンオフす
る。
リアクトル1にはこのとき逆起電力が発生し、サイリス
タ2のターンオフを助ける働きがあるが、同時にまたこ
の時点で本考案により設けられたサージ吸収回路9が有
効な機能を果たし、抵抗11とキャパシタ12の直列回路に
より異常なサージ電圧を抑制すると共に電流制限抵抗10
により過電流の突入を防止し、ピーク値を抑えてターン
オフ時間を早める。この直列回路は、キャパシタ12の充
電電荷放出により、後でサイリスタ2がターンオンする
ときの遷移時間を速める働きもする。
第3図(A)には電流制限抵抗10の効果が示されてお
り、仮想線が電流制限抵抗10のない場合である。ただし
もちろん、このときに限らず、電流制限抵抗10はいかな
るときにも、またいかなる方向にも、所定値以上の突入
電流を防止する。なお、この抵抗10の具体的な値は、な
るべく電流損失を防ぐために必要にして十分小さな値に
抑るのが良い。
こうした動作の生起する一方で、当初のサイリスタ2の
ターンオンにより、抵抗6bとツェナダイオード6aとで構
成されている起動回路6に関して見れば、その両端がサ
イリスタ2のアノード−カソード間低抵抗線路で短絡さ
れたことになるから、その機能は自動的に休止状態に付
けられたことになる。
しかるに、サイリスタ2が上記メカニズムによりターン
オフすると、一応はその時点で直ちに起動回路6に再度
電圧が印加されることになるが、当該ツェナダイオード
6aやサイリスタ2の素子特性により、直ちにはサイリス
タ2をターンオンさせることはできない状態を作ること
ができる。
したがってこの間にパルス発生回路7からトリガ信号を
発生させ、キャパシタ15を介しサイリスタ2のゲートに
与え、これを再びターンオンさせてしまえば、起動回路
6は実効的に休止状態を保ち、もって本回路は所期通
り、起動後はパルス発生回路7の指令に従ってのみ、自
励発振動作を続けることになる。
明らかなように、本考案による上記動作は、既述の従来
例に見られるトリガダイオード等の高価な素子や起動回
路の機能を殺すバイポーラトランジスタ回路等を何等必
要としないにもかかわらず、同等の機能が得られること
を示している。
むしろ動作原理が明解なだけ、信頼性も安定性も高く、
実際上、変圧器4の二次巻線S側の負荷5に極めて安定
な疑似正弦波形を得ることに成功している。
また、パルス発生回路7からのトリガ信号を上記のよう
にキャパシタ15を介して印加するようにした場合、サイ
リスタ2がターンオンして最早このトリガ信号が不要と
なったときには、本考案により設けられている起動回路
6中のツェナダイオード6aは抵抗6bを介し、サイリスタ
2のアノード側に当該キャパシタ15に充電されている電
荷を速やかに放電する効果も有しており、これがまた動
作のさらなる安定化に寄与している。
このような本回路の基本動作原理に関し、本考案により
設けられているパルス整形回路8中の各回路部分は、そ
れぞれに以下説明する有用な働きをなす。
例えば、特に電源電圧が低下した場合等には第3図
(B)中に示されているように、P点でサイリスタがオ
ンしたときにゲート電圧に仮想線PUで示されるような隆
起が認められることがある。明らかなように、図示の場
合は中心より上の正極性側がサイリスタをターンオンす
るための領域であり、したがってこの時点ではゲート電
圧は望ましくはこうした正極性側に突出してはならな
い。上記のように望ましくない極性側への隆起PUが生じ
ている状態下で負荷変動等が生ずると、サイリスタが誤
トリガされることすらある。
これに対し、本考案におけるようにリーク抵抗16が設け
てあると、この望ましくない隆起を良く抑え込み、全く
にして正極性側には突出しない状態を作ることができ
る。
また、同じく第3図(B)中にあって部分Qにて示され
ているように、サイリスタ2がターンオンした後の順方
向電圧が印加されている期間、しきい値素子としてのツ
ェナダイオード26とダイオード20の逆直列接続回路によ
り、当該サイリスタ2のゲートには深い逆バイアスを印
加して置くことができるので、耐ノイズ特性も著しく向
上する。
さらに、クランプダイオード17とこれに対して直接に並
列となっている抵抗27により、第3図(B)中、部分R
に示されているように、これらがないと仮想線で示され
ているようにパルス発生回路7からのパルスが望ましく
ない極性領域に浮き上がる場合があるのに対し、実線で
示されているように良くこの浮き上がりを抑え込むこと
ができる。特にこの効果は電源電圧が高いときにも不要
な信号部分を確実に負方向にシフトできる点で有効であ
る。
またこの効果は、クランプダイオード17のみを挿入して
もある程度得られるが、これに並列に抵抗27を挿入した
ことにより、極めて大きなものとなった。そのメカニズ
ムは定かではないが、おそらくはクランプダイオード17
の順方向オン電圧以下の範囲でこの抵抗が補助的に良好
な放電経路を閉成し、またトリガ用キャパシタ15の入力
インピーダンスを効果的に低下させているがゆえと思わ
れる。
なお、先に述べたように、電源電圧の低下、発振周波数
の低下に伴う等してゲートパルス幅が長くなった場合、
サイリスタのターンオフ後も残留する当該ゲートパルス
成分によりスイッチング動作が不安定になるというよう
な不都合は、この電荷を適当程度に制限するため挿入さ
れたツェナダイオード13とダイオード14との逆直列回路
およびリーク抵抗16により良く防ぐことができる。
第2図は本考案の第二の実施例を示している。第1図示
実施例と異なる所についてのみ説明し、他は同一の符号
を付して示したように、構成および動作において同様で
あるので、重ねての説明は省略する。
この第二の実施例においては、交流電源25を両波整流す
るダイオードブリッジ22とリアクトル24、キャパシタ21
によるフィルタ回路が追加されている。フィルタ回路は
もちろんノイズ防止用であるが、ダイオードブリッジ22
の両交流入力端子にまたがらされたバリスタ23は当該ブ
リッジ22に印加されることあるサージの吸収用である。
また、パルス発生回路7の一具体例として、この実施例
においては変圧器4に設けられた帰還巻線Soを示してお
り、これには直列に抵抗19が配されている。もっとも、
この構成自体は公知であり、所定のタイミングでキャパ
シタ15を介し速やかにサイリスタ2のゲートにトリガパ
ルスを送出することができる。
この実施例においては、第一実施例におけるような半波
駆動型に比し電源利用効率が向上し、出力エネルギもほ
ぼ二倍に取ることができる。
しかしこの第二の実施例の場合、実質的にサイリスタ2
の休止期間がないので、不測の事態によりサイリスタ2
が短絡すると自己消弧によるリカバリは期待できない
が、零交差から電源が立ち上がるとき起動回路6中のツ
ェナダイオード6aのしきい値特性により起動パルスは遅
延するので、サイリスタ2を一度オフとした後、再起動
を掛けることによりリカバリを図ることができる。
なお、いずれの実施例においても、起動回路中のしきい
値素子6aとして図示のツェナダイオード6aの外、他の降
伏メカニズムに従う定電圧素子とか、例えばネオン管や
サイダック等、負性抵抗素子等も用いることができる。
起動回路6の挿入位置も、直接にサイリスタ2のアノー
ド−ゲート間に挿入する必要はなく、アノード側の電位
部分とゲート側の電位部分との間に配されていれば良
い。
もちろん、既述の実施例は任意に組合せ可能であるし、
第二実施例に示されているように変圧器4の一次巻線P
を二次巻線S、帰還巻線Soに対しそれぞれリーケージパ
スを介して結合させたり、それぞれの巻線間にこうした
リーケージパスを形成する等しても良いし、逆にリーケ
ージパス結合をやめても良い。
また交流電源を用いる場合、回路系全体の極性を逆転す
れば負の半サイクル動作とすることも当然に可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図はそれぞれ本考案により構成されたイン
バータ装置の各実施例の概略構成図、第3図は各実施例
中におけるサイリスタ動作用トリガパルス波形例の説明
図、である。 図中、1はリアクトル、2はサイリスタ、3はキャパシ
タ、4は変圧器、5は負荷、16,18は抵抗、6は起動回
路、6a,13,26はツェナダイオード等しきい値素子、7は
パルス発生回路、8はパルス整形回路、9はサージ吸収
回路、10,11,16,18,27は抵抗、15はトリガ用キャパシ
タ、14,17,20はダイオード、である。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャパシタ(3)と変圧器(P)の一次巻
    線を有する振動回路(3,P)に対し、リアクトル(1)
    とサイリスタ(2)の直列回路を介して交流または直流
    電源を接続する一方、該電源投入当初または交流電圧が
    所定の値にまで立ち上がったときに上記サイリスタ
    (2)を最初にターンオンさせる起動回路(6)と、該
    起動回路(6)により起動させられた上記サイリスタ
    (2)が上記振動回路(3,P)の動作によりいったんタ
    ーンオフした後に再度トリガを掛けるため、パルス発生
    回路(7)からの信号を充電し、所定の値になったとき
    に上記サイリスタ(2)のゲートに放電してトリガパル
    スとするトリガ用キャパシタ(15)とを有し、上記変圧
    器(P)の二次巻線(S)に疑似正弦波出力を得るイン
    バータ装置であって; 上記起動回路(6)を、上記電源投入の当初または交流
    の正負いずれか一方の半周期の立ち上がりごとの電源電
    位変化過渡期において所定の値で導通するしきい値素子
    (6a)と抵抗(6b)との直列回路により構成し、該しき
    い値素子(6a)と抵抗(6b)との直列回路のみを上記サ
    イリスタ(2)のゲート−アノード間に並列に接続する
    一方; 上記サイリスタ(2)に関し、突入電流を制限する電流
    制限抵抗(10)と,上記リアクトル(1)により発生し
    得るサージ電圧を分路する抵抗(11)とキャパシタ(1
    2)の直列回路と,を設け、該電流制限抵抗(10)と該
    直列回路(11,12)とでサージ吸収回路(9)を構成す
    ると共に; 上記トリガ用キャパシタ(15)に対しては、ダイオード
    (14)としきい値素子(13)との逆直列接続と該しきい
    値素子(13)に対し直接に並列に設けられたリーク抵抗
    (16)とより成る充電電荷制限回路(13,14,16)と,パ
    ルス発生回路(7)から印加される信号を所定の極性側
    にクランプするクランプダイオード(17)とこのクラン
    プダイオード(17)に対し直接に並列に設けられて補助
    的に放電経路を安定閉成する抵抗(27)とから成るクラ
    ンプ回路(17,27)と,を設け; さらに上記サイリスタ(2)のゲート−カソード間に
    は、ダイオード(20)としきい値素子(26)の逆直列接
    続から成り、該サイリスタ(2)に順方向電流が供給さ
    れている期間、該ゲートに対して安定に逆バイアスを印
    加する逆バイアス回路(20,26)を設けて; 上記充電電荷制限回路(13,14,16),クランプ回路(1
    7,27),逆バイアス回路(20,26)により、上記パルス
    発生回路(7)に関するパルス整形回路(8)を構成し
    たこと; を特徴とするインバータ装置。
JP1987070978U 1987-05-14 1987-05-14 インバ−タ装置 Expired - Lifetime JPH0736475Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987070978U JPH0736475Y2 (ja) 1987-05-14 1987-05-14 インバ−タ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987070978U JPH0736475Y2 (ja) 1987-05-14 1987-05-14 インバ−タ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63179793U JPS63179793U (ja) 1988-11-21
JPH0736475Y2 true JPH0736475Y2 (ja) 1995-08-16

Family

ID=30913115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1987070978U Expired - Lifetime JPH0736475Y2 (ja) 1987-05-14 1987-05-14 インバ−タ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0736475Y2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5035626A (ja) * 1972-10-12 1975-04-04
US3903071A (en) * 1973-05-22 1975-09-02 Lilly Co Eli Mycophenolic acid derivatives
JPS51128749A (en) * 1975-05-02 1976-11-09 Toshiba Corp Method of induction heating for range
JPS598070B2 (ja) * 1976-04-02 1984-02-22 株式会社日立製作所 半導体装置
JPS5778375A (en) * 1980-10-30 1982-05-17 Toshiba Electric Equip Corp Transistor inverter device

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63179793U (ja) 1988-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3623181B2 (ja) 高電圧半導体スイッチ装置および高電圧発生装置
AU2018272183A1 (en) Ignition device for gtaw welding equipment
CA2389192A1 (en) Hot restrike protection circuit for self-oscillating lamp ballast
JPH0736475Y2 (ja) インバ−タ装置
JPH03173347A (ja) 給電回路
US4755923A (en) Regulated high-voltage power supply
JP4557110B2 (ja) スイッチング電源装置
JPH0435721Y2 (ja)
JP3246083B2 (ja) 放電ランプ点灯装置
JP2563385B2 (ja) スイッチングレギュレータ装置
JPS63202274A (ja) インバ−タ装置
JP3645274B2 (ja) 電力変換手段
JP3246110B2 (ja) 放電ランプ点灯装置
JPH0633714Y2 (ja) 絶縁ゲート型電力用半導体素子の高周波駆動回路
JP2709145B2 (ja) エンジン停止装置
JP2754576B2 (ja) 放電ランプ点灯装置
JP2691430B2 (ja) 放電灯点灯装置
JP2512164B2 (ja) インバ―タ装置
JPH01218364A (ja) インバータ装置
JPH0732598B2 (ja) スイッチング電源装置
KR900007133Y1 (ko) 스위칭 모우드 전원 방식의 안정화 회로
JPS6015400Y2 (ja) 突入電流制限回路を有する電気回路装置
JPS63316672A (ja) インバ−タ装置
JPS6125354Y2 (ja)
JP2006286360A (ja) 放電灯点灯装置