JPH0735745B2 - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

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JPH0735745B2
JPH0735745B2 JP1030825A JP3082589A JPH0735745B2 JP H0735745 B2 JPH0735745 B2 JP H0735745B2 JP 1030825 A JP1030825 A JP 1030825A JP 3082589 A JP3082589 A JP 3082589A JP H0735745 B2 JPH0735745 B2 JP H0735745B2
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豊昭 中川
正明 内田
文雄 勇川
直樹 仲田
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はエンジンの空燃比制御装置、特に学習機能付
きものに関する。
(従来の技術) マイクロコンピュータ制御による燃料噴射システムがあ
る((株)鉄道日本社発行「自動車工学」・1985年10月
号第28頁〜第40頁,同1986年1月号第108頁〜第114頁、
また(株)大河出版発行「カーエレクトロニクス」林田
洋一著第47頁ないし第56頁参照)。
ここでは、とくに燃料噴射制御について説明すると、各
種センサからの入力信号によりマイクロコンピュータは
そのメモリに記憶されたプログラムにしたがって最適噴
射量を演算し、その噴射量に対応して噴射弁のソレノイ
ドコイルへの通電時間を決定することにより最適噴射量
を吸気マニホールド内に噴射する。この場合、通常時の
噴射タイミングは、たとえば全気筒同時噴射の場合エン
ジンの1回転に1回であり、クランク角センサからの基
準位置信号(6気筒エンジンでは120゜信号)に基づい
て行われる。つまり、6気筒エンジンでは120゜信号の
3回ごとの入力に対し1回の等間隔で噴射弁に駆動パル
スを出力する。
燃料噴射量の構成は“基本噴射量+各種増量補正量”で
ある。ただし、噴射弁に作用する燃料圧力を一定に保持
させることで、噴射量は噴射弁の開弁パルス幅に対応す
る。このため、通常運転時の噴射パルス幅(Ti)は次式
(1)によって計算される。
Ti=Tp×(1+KTW+KAS+KAI+KMR)×KFC×α+Ts …
(1) ここで、基本パルス幅(Tp)は吸入空気量(Qa)とエン
ジン回転速度(Ne)とから決定される値(基本噴射量相
当量)で、このTpで決まる空燃比がベース空燃比といわ
れる。
1に加算される値(水温増量補正係数KTW,始動及び始動
後増量補正係数KAS,アイドル後増量補正係数KAI,混合比
補正係数KMR)、エアフローメータ以外のセンサから入
力される各種運転条件に応じてTpを増量補正するための
係数である(たとえばKTWは冷却水温(TW)の低下に伴
い混合気を濃くするために導入される)。これらの係数
と1の総和は各種補正係数(Co)として表現される。K
FCはフュエルカット係数である。
αは空燃比のフィードバック補正係数で、三元触媒を効
率良く機能させるために導入される値である。三元触媒
にて排気三成分(CO,HC,NOX)を一挙に浄化するために
は、混合気の空燃比を理論空燃比を中心としたある狭い
範囲内(この範囲はウインドウと呼ばれる)に収まるよ
うにしなければならず、そのためには、制御精度の高い
フィードバック制御とすることが良いからである。
第8図はαの計算と学習値の更新をするためのプログラ
ムを示し、S1で空燃比のフィードバック制御域(たたえ
ば、空燃比センサが活性温度以上に上昇していること,
始動やアイドル時でないこと等を満足する場合である。
なお、図では「F/B制御域」で略記する。)であること
が判定されてより開始される。S1でフィードバック制御
域でない場合には、S15でαがクランプされる。同図の
プログラムはたとえば所定のクランク角ごとに実行され
るものである。
同図のプログラムでは、αの制御中心が1.0で、かつα
が第9図に示すような周期的変化をする動作(比例積分
動作)の例を示し、この動作によれば1周期が次の4つ
の場合(i)〜(iv)から構成される。つまり、 (i)空燃比がリーンからリッチに反転した場合にステ
ップ的に比例分(PR)だけリーン側に変化させる。
(ii)その後はリッチ継続中の積分分(IR)にて徐々に
リーン側に変化させる。
これに対して、 (iii)空燃比がリッチからリーンに反転した場合には
ステップ的に比例分(PL)だけリッチ側に変化させる。
(iv)その後リーン継続中の積分分(IL)にて徐々にリ
ッチ側に変化させる。
というものである。
まず、上記(i)〜(iv)の4つの場合分けの判定は、
S2,S3,S9で空燃比センサの出力値と基準レベル(理論空
燃比に対するセンサ出力値に相当する)との大小比較と
前回に行った大小比較との組み合わせにて行われる。S
3,S9の「RL」は前回の大小比較の結果を格納しているフ
ラグで、RL=Rは前回リッチであったことを、RL=Lは
前回リーンであったことをそれぞれ意味する。これよ
り、S2,S3,S4へと進むのは、リーンからリッチに反転し
た場合である。同様にして、S2,S3,S7と進むのはリッチ
継続である場合、S2,S9,S10へと進むのはリッチからリ
ーンに反転した場合、S2,S9,S13へと進むのはリーン継
続である場合である。なお、前記大小比較が反転した直
後にはそれぞれS4,S10でフラグが反転後の値に変更され
ている。
こうして4つの場合分けがされると、S5,S7,S11,S13で
各場合分けに応じて比例分(PRとPL)と積分分(IR
IL)が次式により計算される。
PR=KP×ERROR …(2) ΣIR=ΣIR+KI×ERROR …(3) PL=KP×ERROR …(4) ΣIL=ΣIL+KI×ERROR …(5) ただし、ERRORは理論空燃比からの偏差、KPとKIはフィ
ードバック定数(KPは比例定数,KIは積分定数)で、フ
ィードバック定数は(2)〜(5)式のようにリッチ側
とリーン側とで同じ値が採用されることが多い。
そして、S6,S8,S12,S14でこれら比例分や積分分を用い
てフィードバック補正係数(α)が計算される。上記
(i)〜(iv)との対応でいえば、(i)の場合α=α
−PR,(ii)の場合α=α−IR,(iii)の場合α=α+I
L,(iv)の場合α=α+ILである。ここに、これらの数
式の意味するところは、αとして格納されていた値を読
み出して、これに1制御当たりの補正量(PR,PL,IR,
IL)を加減算し、加減算した値を改めてαとして格納す
るということである。
また、学習機能が備えられ、次式のように学習値(K
BLRC)が加えられる。
Ti=Tp×Co×α×KBLRC+Ts …(6) この場合、学習値(学習補正係数)の記憶される領域
は、第10図に示すように、横軸をエンジン回転速度(N
e)、縦軸をエンジン負荷相当量としての基本パルス幅
(Tp)として、所定の間隔を有する格子(この格子を
「学習格子」と称する。)で区画され、この区画された
エリアごとに異なる学習値が格納される。
第8図に戻り、S23では学習条件が成立したかどうかを
判定する。この学習条件の一例を挙げれば、次の〜
のごとくであり、これらの総てを満たす場合に学習条件
が成立する。
TpとNeが同一のエリアにあること 空燃比フィードバック制御中であること 酸素センサ出力が数周期サンプリングされること 酸素センサ出力の最大値と最小値の差が一定値以下で
あること 酸素センサの制御周期が基準値内のこと 学習条件が成立したと判定すればS24に進んで学習値の
更新を行う。第11図はこの学習値の更新を行うためのプ
ログラムを示し、所定のクランク角ごとに実行される。
S31ではαの制御中心(1.0)からの偏差(ε)を、次式
により計算し、ここで計算したεはS35でメモリに格納
する。
ε=(a+b)/2−1 …(7) ただし、この式において、aは空燃比がリーンからリッ
チに反転する直前のαの値、bは空燃比がリッチからリ
ーンに反転する直前のαの値、つまりaはαの半周期の
最大値、bはその半周期の最小値である(S21,S22、ま
た第9図参照)。
ここに、前記メモリには過去数周期分が格納されてお
り、今回計算したばかりのεとメモリ値を用いて、S32
で数周期分のεの平均値()を求める。
S33ではそのときのTpとNeの属するエリアを選択し、S34
ではそのエリアに入っていた学習値(KBLRC)を読み出
し、その値と前記のとを用いて今回の学習値
(KBLRC)を計算する。これを式で表せば、 KBLRC=KBLRC+R× …(8) である。
ただし、この式において、Rはを学習値に繰り込む倍
率で、ハンチング等を回避するため1未満の値の適当な
値が選択される。
ここに、が目標空燃比からのずれ、すなわち空燃比偏
差に相当し、この偏差を学習値に取り込むことにより次
回からの偏差が無くされることになる。
(発明が解決しようとする課題) ところで、このような装置では、運転条件の変化速度や
同じエリアに滞在する時間等に関係なく、学習値に繰り
込む倍率(R)が一定であるため、学習速度の早いエリ
アと遅いエリアとがバラツキ、エリア間で学習値の段差
を生じると、それに伴って空燃比の段差が生まれ、有害
排出ガス成分が増加することがある。
たとえば、製作時のバラツキや経時変化に起因して、ほ
ぼ全域でベース空燃比からのずれを生じている場合に、
学習の機会が多くてそのときのがほとんど全部学習値
に繰り込まれているエリア(学習の進んでいるエリア)
と、なかなか学習が行なわれないためにが少ししか学
習値に繰り込まれていないエリア(学習の進んでいない
エリア)とが隣接することがある。この場合に、運転点
が、学習の進んでいるエリアから学習のあまり進んでい
ないエリアへと横切ると、両エリアの境界を横切った途
端に、両エリアの学習値の差に相当する空燃比段差が生
ずるのである。
この発明はこのような従来の課題に着目してなされたも
ので、学習値に繰り込む倍率を、運転条件の変化速度や
運転点が同じエリアに滞在した時間,回転数に応じて変
化させるようにした装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この発明は、第1図に示すように、エンジンの負荷(た
とえば吸入空気量Qa)と回転速度(Ne)をそれぞれ検出
するセンサ1,2と、これらの検出値に応じて基本噴射Tp
(=K×Qa/Ne、ただしKは定数)を算出する手段3
と、エンジンの負荷(たとえばTp)と回転速度(Ne)パ
ラメータとして学習格子を設定する手段4と、この学習
格子にて区画されたエリアごとに学習値(KBLRC)を記
憶する手段5と、そのときのエンジンの負荷と回転速度
の属するエリアの学習値(KBLRC)を読み出す手段6
と、実際の空燃比を検出するセンサ7と、検出された空
燃比と予め定めた目標空燃比(たとえば理論空燃比)と
の偏差(ERROR)を測定する手段8と、この偏差(ERRO
R)に基づいて空燃比のフィードバック補正量(α)を
算出する手段9と、このフィードバック補正量(α)と
前記エリアから読み出された学習値(KBLRC)にて前記
基本噴射量(Tp)を補正して出力すべき燃料噴射量(T
i)を決定する手段10と、運転条件(たとえばスロット
ル弁開度TVO)の変化速度(dTVO/dt)を計算する手段11
と、この変化速度(dTVO/dt)が大きくなるほど前記フ
ィードバック補正量(α)を学習値(KBLRC)に繰り込
む倍率(R1)を大きくするように設定する手段12と、学
習条件が成立したかどうかを判定する手段13と、学習条
件の成立が判定された場合に前記倍率(R1)を用いて前
記フィードバック補正量(α)をそのときの運転点の属
するエリアについての学習値に繰り込むことにより学習
値の更新を行う手段14とを備える。
(作用) 第1図に示すように、たとえばスロットル弁開度の変化
速度(dTVO/dt)が大きくなる過渡時に繰り込み倍率(R
1)が大きくされると、学習の回数が低下する過渡時に
あっても、この学習値の回数の低下を補うかのように、
学習の急速に進む。ここに、隣接するエリア間で大きな
学習値の段差が生じたままに残されることがなく、これ
にて学習値段差に伴う空燃比段差が小さなものとなる。
一方、定常時には、繰り込み倍率(R1)が小さくされ、
わずかづつ学習値に繰りこまれいくため、ハンチングを
生ずることがない。
(実施例) 第2図はこの発明を燃料噴射方式のエンジンに適用した
システム図を表している。同図において、24はスロット
ル弁23の上流の吸気通路に設けられ、エアクリーナを介
し吸入される空気量(Qa)に応じた信号を出力するエア
フローメータで、エンジン負荷センサとして機能する。
25はクランク角の単位角度ごとの信号と基準位置ごとの
信号を出力するセンサ(クランク角センサ)で、単位角
度ごとの信号からはこれをコントローユニット40でカウ
ントすることによりエンジン回転速度(Ne)が求められ
る。
26は理論空燃比を境に急変する特性を有する酸素センサ
で、このセンサ26からの信号は空燃比のフィードバック
制御信号として扱われる。
28はスロットル弁開度(TVO)を検出するセンサで、こ
のセンサからの信号にて過渡の程度が算出される。
27は水温センサ、29はノックセンサ、30はバッテリ、31
は車速センサ、32はキースイッチである。
40はこれらセンサ類からの信号が入力されるコントロー
ルユニットで、このユニット40では各種運転変数に基づ
き、各気筒の吸気ポートに設けた燃料噴射弁35からの燃
料量を増減することにより、目標空燃比(理論空燃比)
が得られるようにフィードバック制御と学習制御を行な
う。たとえば、基本パルス幅Tp(=K×Qa/Ne、ただし
Kは定数)を各種係数(CoとTs),空燃比フィードバッ
ク補正係数(α)および学習補正係数(KBLRC)にて補
正演算することにより、通常運転時の噴射パルス幅(T
i)をTi=Tp×Co×α×KBLRC+Tsにより決定する。
ただし、αは前述した第8図のプログラムで、基本パル
ス幅(Tp),各種補正係数(Co)中の中各数,電圧補正
分(Ts)といった値は第3図のメモリ(ROM43)に格納
してあるテーブルを検索することによりそれぞれ求めら
れる。KBLRCについては、第10図に示したエリアごとに
格納されており、その値は第8図で述べた学習条件が成
立した場合にエリアごとに更新される。
第3図はコントロールユニット40をマイクロコンピュー
タで構成した場合のブロック構成図で、入出力インター
フェース(I/O)41,CPU42,ROM43,RAM44及びイグニッシ
ョンキーをオフしても記憶情報を保持できるRAM(BURA
M)45および各種信号のうちアナログ信号をデジタル信
号に変換するA/Dコンバータ(ADC)46からなり、第1図
の各手段3〜6,8〜14の機能を備える。
第4図は学習値の更新を行うためのプログラムを示し、
所定のクランク角ごとに実行される。同図は第11図に対
応させており、第11図と同一部分には同一のステップ番
号を付し、説明は省略する。なお、ステップ番号は操作
の順につけるものであるが、第11図と相違する部分を明
らかにするため、その部分に大きな番号を付けてある。
S41では、センサ28からのストロットル弁開度(TVO)の
信号を入力して、その変化速度(dTVO/dt)を計算す
る。ここに、運転条件としてのスロットル弁開度(TV
O)の代わりに、吸入空気量や吸入負圧、さらに基本パ
ルス幅(Tp)を用いても構わない。
S42ではこのdTVO/dtに応じて、学習値に繰り込む倍率
(R1)を計算する。第5図にこのR1(0<R1≦1)の内
容を示すと、dTVO/dtがある程度大きい所定の範囲でR1
を大きく設定している。これは、dTVO/dtがある程度大
きい運転域(つまり過渡時)においては、1つのエリア
に着目してみれば、同じエリアに長く止どまることが困
難となって学習の回数が減り、その分そのエリアについ
ての学習値に対し現状を反映する値()が十分に繰り
込まれることなく終わる事態が出現するので、学習の回
数が減っても、各エリアに現状を反映する値を十分に繰
り込ませるためである。
なお、dTVO/dtが小さな領域(つまり定常時)でR1を大
きくしないのは、この場合には1つのエリアに長く滞在
するので、R1が小さくても学習が十分進むであろうし、
この場合にまでR1を大きくすると、却ってハンチングを
招くことにもなるからである。dTVO/dtがずっと大きい
領域(急激な過渡時)においてもR1を大きくしないの
は、この場合のαには信頼性が十分あるとはいえなくな
るので、信頼性のない値をして大きく学習値に繰り込む
とすれば却って学習値の精度を落としめることになるか
らである。
第5図に示したR1の特性は予めテーブルにしてメモリ
(ROM43)に格納させておき、dTVO/dtの値に応じてテー
ブルルックアップにより読み出せば良く、S43では計算
したR1を改めてRというメモリに移しておく。
S44では、このRのメモリ値(=R1)を用いて、S33で選
択したエリアに格納されてある学習値(KBLRC)に、S32
で計算したεの平均値()を繰り込む。これを式で表
せば、KBLRC=KBLRC+R×であり、この式は前式
(8)と同様である。
この場合、次式を採用することもできる。
KBLRC=(1−R)×KBLRC+R× …(9) この式の右辺の意味するところは、KBLRCとを因子、
1−RとRと重みとする荷重平均である。たとえば、R
が最大値の1である場合には、KBLRC=となり、が
そっくり学習値に繰り込まれ、この逆にRが最小値の0
である場合にはKBLRC=KBLRCとなって、少しもが繰り
込まれない。なお、以下の説明では、こちらの式(9)
にしたがうものとする。
ここで、この実施例の作用を説明する。定常時と相違し
てスロットル弁開度の変化速度(dTVO/dt)がある程度
大きな値をもつ過渡時になると、この値より第5図を参
照して求められる倍率(R1)が大きくなる。たとえば、
R1が1/2である場合と3/4である場合を例にとると、まず
R1が1/2である場合、上式(9)より、 KBLRC=(1/2)×KBLRC+(1/2)× …(10) となって、一度目は、学習値に1/2だけが繰り込まれ
る。
同様にして二度目は、 KBLRC=(1/2){(1/2)×KBLRC+(1/2)×ε} +(1/2)× …(11) =(1/4)×KBLRC+(1/4+1/2)× =(1/4)×KBLRC+(3/4)× となって、学習値に3/4のが繰り込まれる。
ただし、話を簡単にするため、(11)式では一度目と
が同じであるとしている。
これに対して、R1が3/4の場合は、一度目でも KBLRC=(1/4)×KBLRC+(3/4)× …(12) となって学習値に3/4のが繰り込まれる。
これにより判ることは、R1が1/2の場合には、学習値に
を3/4繰り込むのに学習の回数が2度必要であるのに
対し、R1を1/2より大きな3/4にすれば、同じ3/4のを
繰り込むのに1度の学習で足りるということである。つ
まり、過渡時のように学習の回数が低下する運転域で
は、学習の回数が少なくなっても、これに応じるかのよ
うに、α(ここでは)が学習値に大きく繰り込まれる
ことになる。1つのエリアについてみれば、過渡時には
学習の回数が減るのだから、数少ない学習の機会を捕ら
えて、αを大きく学習値に繰り込んでおくほうが各エリ
アについてみれば学習の速度が高まることになるので、
定常時と同じにわずかづつ学習値に繰り込むこととする
よりも好ましいのである。
この結果、過渡時であろうと、各エリアとも学習が急速
に進んでいき、隣接するエリア間で大きな学習値の段差
が生じたままに残されることがなく、これにて学習値段
差に伴う空燃比段差を小さなものとすることができ、有
害排出ガス成分が減少する。
一方、過渡時の大きなR1により学習の進んだエリアで
も、その後に運転点が定常状態で止どまれば、これに合
わせてR1が小さくされる。定常時にもR1を大きくしたま
まだと、ハンチングを生ずるのであるが、この例によれ
ばR1が小さくされ、わずかづつ学習値に繰りこまれてい
くため、ハンチングを生ずることがなく、定常時の空燃
比制御を安定させることができる。
次に第6図の実施例を説明すると、この実施例では、S5
1において、運転点が同一エリアに滞在した時間(T)
を測定し、S52でこのTを所定値(T1)と比較し、Tが
所定値よりも大きいときに、S42において、前記と同じ
ようにスロットル弁開度の速度変化からR1計算するよう
にしたものである。
また、S53において前記滞在時間Tに応じて、εを学習
値の繰り込む倍率(R2)を設定する。第7図にこの倍率
R2の特性を示すが、Tが長くなるほどR2を大きくする。
同じエリアに滞在する時間が長いということは、運転条
件が定常状態にあることを意味し、このときのフィード
バック制御によれば、学習値に安定性や信頼性も高ま
る。
そこで、Tが所定値T1よりも長い時間のときに限り、T
に応じたR2を求め、S61において、繰り込み率Rを、前
記したR1との積、つまり、R=R1×R2として演算し、こ
のRに基づいてS62で学習値を計算するのである。
このようにすると、時間Tがある程度以上のときにの
み、スロットル弁開度の変化速度に応じたR1が算出さ
れ、かつこれにTに応じてのR2を掛けて、繰り込み率R
を算出するので、同じ過渡時でも、Tが非常に短い、例
えば急加速時などは信頼性の欠けるR1に基づく学習をや
めることができる。また、繰り込み率Rに、Tに応じた
R2の要素を取り入れることにより、R1の特性に安定性を
加味した修正をかけられる。
最後に、以上の実施例ではεの平均値()を用いた
が、理論上はεそのものであっても良いことはいうまで
もない。
(発明の効果) 本発明においては、運転条件の変化速度が大きくなるに
つれ空燃比フィードバック補正量を学習値に繰り込む倍
率を大きくしたため、過渡時にも各エリアについての学
習が急速に進み、運転点がエリアの境界を横切った場合
の空燃比段差が小さくて済むことから、有害排出ガス成
分が減少するばかりか、定常時には上記繰り込み倍率が
小さくなることより、ハンチングを抑制して空燃比制御
を安定させることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の構成図、第2図はこの発明の実施例
のシステム図、第3図は同じくコントロールユニットの
ブロック図、第4図は同じく演算内容を説明するための
流れ図、第5図は同じくスロットル弁開度変化速度に対
する倍率(R1)の特性を説明する特性図、第6図は他の
実施例の演算内容を説明するための流れ図、第7図は同
一エリア滞在時間(T)に対する倍率(R2)を示す説明
図、第8図と第11図は従来例の演算内容を説明するため
のそれぞれ流れ図、第9図は従来例の作用を説明するた
めの波形図、第10図は従来例の学習格子を示す領域図で
ある。 1……エンジン負荷センサ、2……エンジン回転速度セ
ンサ、3……基本噴射量算出手段、4……学習格子設定
手段、5……学習値記憶手段、6……学習値読み出し手
段、7……空燃比センサ、8……偏差測定手段、9……
空燃比フィードバック補正量算出手段、10……燃料噴射
量決定手段、11……変化速度計算手段、12……繰り込み
倍率設定手段、13……学習条件判定手段、14……学習値
更新手段、23……スロットル弁、24……エアフローメー
タ、25……クランク角センサ、26……酵素センサ(空燃
比センサ)、28……スロットル弁開度センサ、35……燃
料噴射弁、40……コントロールユニット。
フロントページの続き (72)発明者 勇川 文雄 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 仲田 直樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−314343(JP,A) 特開 昭63−38656(JP,A) 特公 昭62−59221(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの負荷と回転速度をそれぞれ検出
    するセンサと、これらの検出値に応じて基本噴射量を算
    出する手段と、エンジンの負荷と回転速度とをパラメー
    タとして学習格子を設定する手段と、この学習格子にて
    区画されたエリアごとに学習値を記憶する手段と、その
    ときのエンジンの負荷と回転速度の属するエリアの学習
    値を読み出す手段と、実際の空燃比を検出するセンサ
    と、検出された空燃比と予め定めた目標空燃比との偏差
    を測定する手段と、この偏差に基づいて空燃比のフィー
    ドバック補正量を算出する手段と、このフィードバック
    補正量と前記エリアから読み出された学習値にて前記基
    本噴射量を補正して出力すべき燃料噴射量を決定する手
    段と、運転条件の変化速度を検出する手段と、この運転
    条件の変化速度が大きくなるほど前記フィードバッグ補
    正量を学習値に繰り込む倍率を大きくするように設定す
    る手段と、学習条件が成立したかどうかを判定する手段
    と、学習条件の成立が判定された場合に前記倍率を用い
    て前記フィードバック補正量をそのときの運転点の属す
    るエリアについての学習値に繰り込むことにより学習の
    更新を行う手段とを備えることを特徴とするエンジンの
    空燃比制御装置。
JP1030825A 1989-02-09 1989-02-09 エンジンの空燃比制御装置 Expired - Lifetime JPH0735745B2 (ja)

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