JPH0631158Y2 - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

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JPH0631158Y2
JPH0631158Y2 JP1447289U JP1447289U JPH0631158Y2 JP H0631158 Y2 JPH0631158 Y2 JP H0631158Y2 JP 1447289 U JP1447289 U JP 1447289U JP 1447289 U JP1447289 U JP 1447289U JP H0631158 Y2 JPH0631158 Y2 JP H0631158Y2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案はエンジンの空燃比制御装置、特に学習機能付
きのものに関する。
(従来の技術) マイクロコンピュータ制御による燃料噴射システムがあ
る((株)鉄道日本社発行「自動車工学」・1985年10月
号第28頁〜第40頁,同1986年1月号第108頁〜第114頁、
また(株)大河出版発行「カーエレクトロニクス」林田
洋一著第47頁ないし第56頁参照)。
ここでは、とくに燃料噴射制御について説明すると、各
種センサからの入力信号によりマイクロコンピュータは
そのメモリに記憶されたプログラムにしたがって最適噴
射量を演算し、その噴射量に対応して噴射弁のソレノイ
ドコイルへの通電時間を決定することにより最適噴射量
を吸気マニホールド内に噴射する。この場合、通常時の
噴射タイミングは、たとえば全気筒同時噴射の場合エン
ジンの1回転に1回であり、クランク角センサからの基
準位置信号(6気筒エンジンでは120゜信号)に基づいて
行われる。つまり、6気筒エンジンでは120゜信号の3回
ごとの入力に対し1回の等間隔で噴射弁に駆動パルスを
出力する。
燃料噴射量の構成は“基本噴射量+各種増量補正量”で
ある。ただし、噴射弁に作用する燃料圧力を一定に保持
させることで、噴射量は噴射弁の開弁パルス幅に対応す
る。このため、通常運転時の噴射パルス幅(Ti)は、次式
(1)によって計算される。
Ti=Tp×(1+KTW+KAS+KAI+KMR) ×KFC×α+T…(1) ここで、基本パルス幅(Tp)は吸入空気量(Qa)とエンジン
回転速度(Ne)とから決定される値(基本噴射量相当量)
で、このTpで決まる空燃比がベース空燃比といわれる。
1に加算される値(水温増量補正係数KTW,始動及び始
動後増量補正係数KAS,アイドル後増量補正係数KAI,混
合比補正係数KMR)は、エアフローメータ以外のセンサ
から入力される各種運転条件に応じてTpを増量補正す
るための係数である(たとえばKTWは冷却水温(Tw)の低
下に伴い混合気を濃くするために導入される)。これら
の係数と1の総和は各種補正係数(Co)として表現され
る。KFCはフュエルカット係数である。
αは空燃比のフィードバック補正係数で、三元触媒を効
率良く機能させるために導入される値である。三元触媒
にて排気三成分(CO,HC,NOx)を一挙に浄化するために
は、混合気の空燃比を理論空燃比を中心としたある狭い
範囲内(この範囲はウインドウと呼ばれる)に収まるよ
うにしなければならず、そのためには、制御精度の高い
フィードバック制御とすることが良いからである。
第8図はαを計算するためのプログラムを示し、S1で空
燃比のフィードバック制御域(たとえば、空燃比センサ
が活性温度以上に上昇していること,始動やアイドル時
でないこと等を満足する場合である。なお、図では「F
/B制御域」で略記する。)であることが判定されてよ
り開始される。S1でフィードバック制御域でない場合に
は、S15でαがクランプされる。同図のプログラムはた
とえば所定のクランク角ごとに実行されるものである。
同図のプログラムでは、αの制御中心が1.0で、かつ
αが第11図の実線で示すような周期的変化をする動作
(比例積分動作)の例を示し、この動作によれば1周期
が次の4つの場合(i)〜(iv)から構成される。つま
り、 (i)空燃比がリーンからリッチに反転した場合にステッ
プ的に比例分(PR)だけリーン側に変化させる。
(ii)その後はリッチ継続中の積分分(IR)にて徐々にリー
ン側に変化させる。
これに対して、 (iii)空燃比がリッチからリーンに反転した場合にはス
テップ的に比例分(PL)だけリッチ側に変化させる。
(iv)その後はリーン継続中の積分分(IL)にて徐々にリッ
チ側に変化させる。
というものである。
まず、上記(i)〜(iv)の4つの場合分けの判定は、S2,S
3,S9で空燃比センサの出力値と基準レベル(理論空燃比
に対するセンサ出力値に相当する)との大小比較と前回
に行った大小比較との組み合わせにて行なわれる。S3,S
9の「RL」は前回の大小比較の結果を格納しているフラ
グで、RL=Rは前回リッチであったことを、RL=Lは前
回リーンであったことをそれぞれ意味する。これより、
S2,S3,S4へと進むのは、リーンからリッチに反転した場
合である。同様にして、S2,S3,S7へと進むのはリッチ継
続である場合、S2,S9,S10へと進むのはリッチからリー
ンに反転した場合、S2,S9,S13へと進むのはリーン継続
である場合である。なお、前記大小比較が反転した直後
にはそれぞれS4,S10でフラグが反転後の値に変更されて
いる。
こうして4つの場合分けがされると、S5,S7,S11,S13で
各場合分けに応じて比例分(PRとPL)と積分分(IRとIL)が
次式により計算される。
=K×ERROR …(2) ΣI=ΣI+K×ERROR…(3) P=K×ERROR …(4) ΣI=ΣI+K×ERROR…(5) ただし、ERRORは理論空燃比からの偏差、KPとKIはフィ
ードバック定数(KPは比例定数,KIは積分定数)で、フ
ィードバック定数は(2)〜(5)式のようにリッチ側とリー
ン側とで同じ値が採用されることが多い。
そして、S6,S8,S12,S14でこれら比例分や積分分を用い
てフィードバック補正係数(α)が計算される。上記
(i)〜(iv)との対応でいえば、(i)の場合α=α−PR,(i
i)の場合α=α−IR,(iii)の場合α=α+PL,(iv)の場
合α=α+ILである。ここに、これらの数式の意味する
ところは、αとして格納されていた値を読み出して、こ
れに1制御当たりの補正量(PR,PL,IR,IL)を加減算
し、加減算した値を改めてαとして格納するということ
である。
また、学習機能を備えるもの(特開昭60-145443号公報
参照)では、次式のように学習値(KBLRC)が加えられ
る。
Ti=Tp×Co×α×KBLRC+Ts…(6) この場合、学習値(学習補正係数)の記憶される領域
は、第9図に示すように、横軸をエンジン回転速度(N
e)、縦軸をエンジン負荷相当量としての基本パルス幅(T
p)として、所定の間隔を有する格子(この格子を「学習
格子」と称する。)で区画され、この区画されたエリア
ごとに異なる学習値が格納される。
一方、第10図は学習値の更新を行うためのプログラム
を示し、所定のクランク角ごとに実行される。S21では
学習条件が成立したかどうかを判定する。この学習条件
の一例を挙げれば、次の〜のごとくであり、これら
の総てを満たす場合に学習条件が成立する。
TpとNeが同一のエリアにあること 空燃比フィードバック制御中であること 酸素センサ出力が数周期サンプリングされること 酸素センサ出力の最大値と最小値の差が一定値以上で
あること 酸素センサの制御周期が基準値内のこと 学習条件が成立したと判定すればS22に進み、ここでα
の制御中心(1.0)からの偏差(ε)を、次式により
求める。
ε=(a+b)/2−1…(7) ただし、同式において、aは空燃比がリーンからリッチ
に反転する直前のαの値、bは空燃比がリッチからリー
ンに反転する直前のαの値、つまりaはαの半周期の最
大値、bはその半周期の最小値である。
S23ではそのときのTpとNeの属するエリアを選択し、S24
ではそのエリアに入っていた学習値(KBLRC)を読み出
し、その値と前記のεとを用いて今回の学習値(KBLRC)
を計算する。これを式で表せば、 KBLRC=KBLRC+R×ε…(8) である。
ただし、同式(8)において、Rは学習更新割合で、ハン
チング等を回避するため1未満の値の適当な値が選択さ
れる。
ここに、εが目標空燃比からのずれ、すなわち空燃比偏
差に相当し、この偏差を学習値に取り込むことにより次
回からの偏差が無くされることになる。
(考案が解決しようとする課題) 運転点がエリアの境界を横切る場合に、横切る前後のエ
リアについて読み出される学習値に大きな段差がある
と、αが応答良く追従できず、その間空燃比がリッチ化
あるいはリーン化して、排気有害成分の増加を招くこと
がある。
たとえば、第9図において、隣接する2つのエリア(A1
とA2)についての学習値に段差がある場合において、運
転点が回転低下によりエリアA1からA2へと移ったときの
αの変化を第11図に示すと、学習値の段差に起因して
αの要求値にも1点鎖線で示す段差が生ずる。このαの
要求値の段差は学習値の段差が大きいほど大きくなる。
この場合に、実際のα(実線で示す)は段差の生じたα
の要求値を追いかけるように応答するのであるが、エリ
ア(A1)の境界を横切った直後に作用する比例分(PL)のス
テップ幅やその後に作用する積分分(IL)の傾きは、必ず
しも大きいとはいえないので、即座にαの要求値に追い
つくことができず応答遅れを生じている。これは、比例
定数や積分定数(フィードバック定数)を大きくすれ
ば、αを急激に変化させることもできるのであるが、こ
れらの値が大きいと、今度はエリアの境界で学習値に段
差を生じていない場合に、過敏に応答してハンチングを
生じてしまうので、これらの値をむやみに大きくするこ
とができないからである。つまり、隣接するエリアの学
習値に大きな段差を生じている場合と少ししか段差を生
じていない場合の両方に対し、両方の要求を1つのフィ
ードバック定数でバランスさせるには、いずれにも偏ら
ない値が選択されるので、いずれかの場合をとってみれ
ば十分な値が与えられているとはいえないのである。
この考案はこのような従来の課題に着目してなされたも
ので、運転点がエリアの境界を横切った場合において、
横切った前後のエリアについての学習値の差が所定値以
上に大きいときは、その後に作用させる積分分あるいは
比例分を大きくするようにした装置を提供することを目
的とする。
(課題を解決するための手段) この考案は、第1図に示すように、エンジンの負荷(た
とえば吸入空気量Qa)と回転速度(Ne)をそれぞれ検出す
るサンセ1,2と、これらの検出値に応じて基本噴射量
Tp(=K×Qa/Ne、ただしKは定数)を算出する手段3
と、エンジンの負荷(たとえばTp)と回転速度(Ne)をパ
ラメータとして学習格子を設定する手段4と、この学習
格子にて区画されたエリアごとに学習値(KBLRC)を記憶
する手段5と、そのときのエンジンの負荷と回転速度の
属するエリアの学習値(KBLRC)を読み出す手段6と、実
際の空燃比を検出するセンサ7と、検出された空燃比と
予め定めた目標空燃比(たとえば理論空燃比)との偏差
(ERROR)を測定する手段8と、フィードバック定数(積
分定数または比例定数)を設定する手段9と、このフィ
ードバック定数と前記偏差(ERROR)から空燃比のフィー
ドバック補正量(α)を算出する手段10と、このフィ
ードバック補正量(α)と前記エリアから読み出された
学習値(KBLRC)にて前記基本噴射量(Tp)を補正して出力
すべき燃料噴射量(Ti)を決定する手段11と、学習条件
が成立したかどうかを判定する手段12と、これが判定
された場合に前記空燃比のフィードバック補正量(α)
と前記エリアから読み出された学習値(KBLRC)とに基づ
いて同じエリアについての学習値の更新を行う手段13
と、運転点が前記エリアの境界を横切ったかどうかを判
定する手段14と、これが判定された場合に横切った前
後のエリアに記憶されている学習値の差を計算する手段
15と、この差が所定値以上であるかどうかを判定する
手段16と、これが判定された場合に前記フィードバッ
ク定数を大きくする手段17とを備える。
(作用) フィードバック定数が大きくされると、この大きなフィ
ードバック定数を用いて算出される積分分や比例分も大
きくなるので、エリアの境界を横切った前後のエリアに
格納されてある学習値に所定値以上の大きな差があるこ
とが判定された場合には、その直後よりステップ幅の大
きい比例分や大きな傾きを有する積分分が即座に作用す
る。
このため、学習値の大きな段差に起因してαの要求値が
大きく変化している場合においても、実際のαがαの要
求値を良く追いかけることになり、αの要求値に追いつ
くまでの時間が短縮される。
(実施例) 第2図はこの考案を燃料噴射方式のエンジンに適用した
システム図を表している。同図において、24はスロッ
トル弁23の上流の吸気通路に設けられ、エアクリーナ
を介し吸入される空気量(Qa)に応じた信号を出力するエ
アフローメータで、エンジン負荷センサとして機能す
る。25はクランク角の単位角度ごとの信号と基準位置
ごとの信号を出力するセンサ(クランク角センサ)で、
単位角度ごとの信号からはこれをコントロールユニット
40でカウントすることによりエンジン回転速度(Ne)が
求められる。
26は理論空燃比を境に急変する特性を有する酸素セン
サで、このセンサ26からの信号は空燃比のフィードバ
ック制御信号として扱われる。
27は水温センサ、28はアイドルスイッチ、29はノ
ックセンサ、30はバッテリ、31は車速センサ、32
はキースイッチである。
40はこれらセンサ類からの信号が入力されるコントロ
ールユニットで、このユニット40では各種運転変数に
基づき、各気筒の吸気ポートに設けた燃料噴射弁35か
らの燃料量を増減することにより、目標空燃比(理論空
燃比)が得られるようにフィードバック制御と学習制御
を行なう。たとえば、基本パルス幅Tp(=K×Qa/Ne、
ただしKは定数)を各種係数(CoとTs),空燃比フィー
ドバック補正係数(α)および学習補正係数(KBLRC)に
て補正演算することにより、通常運転時の噴射パルス幅
(Ti)をTi=Tp×Co×α×KBLRC+Tsにより
決定する。
ただし、αは後述するプログラムで、基本パルス幅(T
p),各種補正係数(Co)中の各係数,電圧補正分(Ts)とい
った値は第3図のメモリ(ROM43)に格納してある
テーブルを検索することによりそれぞれ求められる。K
BLRCについては、第9図に示したエリアごとに格納され
ており、その値は第10図に示したところにより学習条
件が成立した場合にエリアごとに更新される。
第3図はコントロールユニット40をマイクロコンピュ
ータで構成した場合のブロック構成図で、入出力インタ
ーフェース(I/O)41,CPU42,ROM43,
RAM44及びイグニッションキーをオフしても記憶情
報を保持できるRAM(BURAM)45および各種信
号のうちアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D
コンバータ(ADC)46からなり、第1図の各手段3
〜6,8〜17の機能を備える。
第4図と第5図はαの計算を行うためのプログラムを示
し、所定のクランク角ごとに実行される。このうち第4
図は第8図に対応させており、第8図と同一部分には同
一のステップ番号を付し、説明は省略する。なお、ステ
ップ番号は操作の順につけるものであるが、第8図と相
違する部分を明らかにするため、その部分に大きな番号
を付けてある。第5図は第4図のS38,S41の内容をなす
サーブルーチンである。
まず、S31,S35,S39,S42は、S38,S41で積分分(IRとIL
を計算するにつき、空燃比反転後の積算回転数(N)を加
味するようにしたために追加された部分である。つま
り、積算した回転数を格納するNというメモリを用意
し、このNのメモリの値をS31で1づつインクリメント
するとともに、空燃比反転直後のS35,S39でNのメモリ
の値をクリアすれば、S38,S41でのNのメモリ値が空燃
比反転後の積算回転数を表す。
第5図のS52において、Nに対する積分分(IR,IL)の関係
を示すと、Nの値を小,中,大の3つに分け、Nが小の
ときは小さな積分分を、中のときは大きな積分分を、大
のときは再び小さな積分分を設定する。ここで、Nが小
の場合にIR,ILを小さくするのは、定常時にハンチング
が生じないようにするためである。Nが中の場合にIR,I
Lを大きくするのは、過渡時に応答良くαを追従させる
ためである。Nが大の場合にIR,ILを再び小さくするの
はオーバーシュートを防止するためである。Nの小,
中,大に応じて計算される積分分を図示のようにS,
M,Lで区別する。
なお、IR,ILと積分定数(KI)とのあいだには前述の(3),
(5)式に示す関係があるので、IR,ILを大きくするには積
分定数を大きく設定し、この反対にIR,ILを小さくする
には積分定数も小さく設定することになる。
さて、S32では運転点がエリアの境界を横切ったかどう
かを判定する。たとえば、エリアは学習格子で区画され
るため、運転点と学習格子点との大小比較により、境界
を横切ったかどうかが容易にわかる。
境界を横切ったことが判定された場合はS33に進む。こ
こで、そのときの運転点の属するエリアに格納されてあ
る学習値(KBLRC)と、前回読み出されメモリに格納され
ている学習値(KBLRC1)とを読み出すと、前者のKBLRC
境界を横切った後のエリアについての学習値、後者のK
BLRC1は境界を横切る前のエリアについての学習値であ
るので、その差が隣接するエリアの境界を横切ったこと
に伴う学習値の段差を意味する。このため、その差の絶
対値(|KBLRC1-KBLRC|)を所定値(K1)と比較すれば、
学習値の段差が大きいかどうかが分かる。
S33で|KBLRC1-KBLRC|≧K1であれば、S34に進み、ここ
で「CONST」というフラグを立てる(CONST=1とす
る)。つまり、CONST=1は学習値の段差が大きいこと
を意味する。なお、CONSTのフラグは、空燃比が反転し
た直後のS36,S40で降ろし(CONST=0)、次回に備え
る。
第5図のS51ではCONSTというフラグの値がいずれにある
かを判定し、CONST=0の場合には、S52に進み上述した
ようにNの大きさに応じ、Nが小のときは小さな積分分
(S)、中のときは大きな積分分(M)、大のときは再び小さ
な積分分(L)を設定する。
これに対してCONST=1であれば、S53に進み、ここでは
Nの値が小である場合にも大きな積分分(M)が作用する
ように変更する。つまり、学習値の段差が大きい場合に
は、学習値の段差が小さい場合と相違して、積分分が作
用する当初よりMを与えるのである。
第4図に戻り、S37は今回読み出した学習値(KBLRC)をK
BLRC1というメモリに格納しておく部分である。
ここで、実施例の作用を第6図を参照しながら説明する
と、これは第11図と同じに運転を行った場合のこの実
施例によるαの変化波形である。同図より、エリア(A1)
の境界を横切った時点Bにおいてαの要求値に大きな段
差を生じるのは、境界を横切った前後のエリアに格納さ
れてある学習値に所定値以上の大きな差がある場合であ
り、これが判定されると、その後の空燃比反転直後であ
る時点Dより大きな傾きを有する積分分(M)が即座に作
用する。つまり、学習値の段差が大きい場合には、その
直後に作用させる積分分を当初より大きな傾きを有する
ものにしているのであり、これにて実際のα(実線で示
す)がその要求値に追い付くまでの時間が従来よりも短
くなっている。言い替えると、学習値の段差が大きい場
合には、応答遅れが生ずるのは目に見えているから、学
習値の大きな段差が生じたとみるやαの応答性を即座に
高めるのである。
この結果、αの要求値に追いつくのが早まる分だけ有害
成分の排出量を少なくすることができ、運転性も良くな
る。
なお、第5図のS52で示したように、Nの値に応じて積
分分を変化させるようにしているものでは、学習値の段
差がどの程度あるのかは考慮されていないけれども、そ
の影響は結局はαの要求値の変化に現れるとして、Nが
中と判定された時点よりMが作用するので、第8図で示
した従来例に比べれば、学習値に大きな段差を生じた場
合のαの応答性は格段に改善されている。しかしなが
ら、この実施例のように、Nの小さいときからMを作用
させるのに比べれば、まずSが作用するあいだだけは応
答性が悪くならざるを得ない、というわけである。
第7図は他の実施例のプログラムで、第4図に対応させ
ている。
この他の実施例では、S33で学習値の段差が大きいと判
断された場合には「C1」というフラグを立てるととも
に、空燃比反転直後のS62,S66でこのC1のフラグが1で
あれば初めてS63,S67へと進んでCONSTのフラグを立てる
(CONST=1)。ここに、CONSTが立つと、第5図のS53
へと進むのであるから、この例では、S53に進むための
条件に、さらに空燃比が反転したことが加わることを意
味する。これは、S53に進むための条件を、学習値に大
きな段差が生じたことだけにすると、第6図で示すよう
に、時点Eより右下がりのMが突出する場合が生ずるこ
とへの対処である。この場合のMは、αの要求値を追い
かけるのとは逆の方向に実際のαを追いやることになっ
ているので、こうした場合のあることを考慮すると、学
習値に大きな段差が生じた場合でも、空燃比が反転する
のを待ってからMを作用させることのほうが、αの要求
値から離れさせようとするMが出現しない分だけ好まし
いのである。
なお、上記積分分(IRとIL)については、Nの値に応じ
て求めるものを示したが、さらにエンジン回転速度(N
e),エンジン負荷,冷却水温等を加味するものであって
も構わない。空燃比反転後の積算回転数の代わりに、空
燃比反転後の積算時間,積算吸入空気量,積算燃料噴射
量のいずれかを用いるものであっても良い。
また、2つの実施例では学習値の段差が大きい場合に積
分分を大きくするものを示したが、比例分を大きくする
ことも、あるいは双方を大きくすることもできる。な
お、比例分を大きくするには比例定数を大きくすれば良
いことはいうまでもない。
(考案の効果) この考案によれば、エリア毎に学習を行う機能を備える
空燃比制御装置において、運転点がエリアの境界を横切
ったかどうかを判定する手段と、これが判定された場合
に、横切った前後のエリアに記憶されている学習値の差
を計算する手段と、この差が所定値以上であるかどうか
を判定する手段と、これが判定された場合に前記フィー
ドバック定数を大きくする手段とを備えるため、エリア
の境界を横切る際に学習値の大きな段差が生ずる場合に
も、αの収束性が良くなり、排気エミッションと運転性
を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案のクレーム対応図、第2図はこの考案
の一実施例のシステム図、第3図はこの実施例のコント
ロールユニットのブロック図、第4図と第5図はこの実
施例の演算内容を説明するための流れ図、第6図はこの
実施例の作用を説明するためのαの波形図、第7図は他
の実施例の演算内容を説明するための流れ図である。 第8図は従来例の演算内容を説明するための流れ図、第
9図は従来例の学習格子を示す領域図、第10図は従来
例の演算内容を説明するための流れ図、第11図は従来
例の作用を説明するための波形図である。 1……エンジン負荷センサ、2……エンジン回転速度セ
ンサ、3……基本噴射量算出手段、4……学習格子設定
手段、5……学習値記憶手段、6……学習値読み出し手
段、7……空燃比センサ、8……偏差測定手段、9……
フィードバック定数設定手段、10……空燃比フィード
バック補正量算出手段、11……燃料噴射量決定手段、
12……学習条件判定手段、13……学習値更新手段、
14……横切り判定手段、15……学習値差計算手段、
16……判定手段、17……フィードバック定数変更手
段、23……スロットル弁、24……エアフローメー
タ、25……クランク角センサ、26……酸素センサ
(空燃比センサ)、35……燃料噴射弁、40……コン
トロールユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 沢本 国章 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)考案者 中川 豊昭 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの負荷と回転速度をそれぞれ検出
    するセンサと、これらの検出値に応じて基本噴射量を算
    出する手段と、エンジンの負荷と回転速度をパラメータ
    として学習格子を設定する手段と、この学習格子にて区
    画されたエリアごとに学習値を記憶する手段と、そのと
    きのエンジンの負荷と回転速度の属するエリアの学習値
    を読み出す手段と、実際の空燃比を検出するセンサと、
    検出された空燃比と予め定めた目標空燃比との偏差を測
    定する手段と、フィードバック定数を設定する手段と、
    このフィードバック定数と前記偏差から空燃比のフィー
    ドバック補正量を算出する手段と、このフィードバック
    補正量と前記エリアから読み出された学習値にて前記基
    本噴射量を補正して出力すべき燃料噴射量を決定する手
    段と、学習条件が成立したかどうかを判定する手段と、
    これが判定された場合に前記空燃比のフィードバック補
    正量と前記エリアから読み出された学習値とに基づいて
    同じエリアについての学習値の更新を行う手段と、運転
    点が前記エリアの境界を横切ったかどうかを判定する手
    段と、これが判定された場合に横切った前後のエリアに
    格納されている学習値の差を計算する手段と、この差が
    所定値以上であるかどうかを判定する手段と、これが判
    定された場合に前記フィードバック定数を大きくする手
    段とを備えることを特徴とするエンジンの空燃比制御装
    置。
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