JPH0735454U - 巻取管供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無秩序に貯溜された巻取管を１個づつ、その
向きを揃えて自動供給することが可能な巻取管供給装置
を提供する。 【構成】 糸が巻かれる巻取管を貯溜する貯溜器と、該
貯溜器から巻取管を１個づつ送出するコンベアと、送出
される各々の巻取管の所定の端部側を一定方向に向ける
手段とを備えた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、紡績機、ワインダ等に付設された自動玉揚装置その他空の巻取管を 要求する装置に、巻取管搬送ラインより搬送された空の巻取管を自動供給するた めの巻取管供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、紡績機，ワインダ等多数の巻取装置を備えた機台には自動玉揚装置が付 設されており、該自動玉揚げ装置は、機台全長に亘って設けた軌道に沿って各錘 間を移動可能な作業台車に、自動糸継装置等と共に付設されている。そして、巻 取装置のパッケージが満巻になると、作業台車が移動して自動玉揚装置を当該錘 に位置させ、満巻となったパッケージを玉揚し、空の巻取管と交換していた。

【０００３】 この際、上記自動玉揚装置に多数の巻取管をストックすることは不可能である ため、作業台車の軌道と並行して機台全長に亘ってベルトコンベアを設けると共 に、機台端部に多数の巻取管をストックしておくストッカーを設けて、該ストッ カーよりベルトコンベアを介して自動玉揚装置に空の巻取管を供給していた。

【０００４】 しかし、上記ストッカーにストック可能な巻取管の数にも自ずと限界があるの で、ストッカーに定期的に巻取管を補充する必要があり、特に機台数の多い工場 等では、各機台のストッカーへの巻取管補充時期を管理するのに手間を要した。 また、編機に使用される巻取管などには、一端側を内側に折り返して糸を滑らか に解舒できるようにしたものなどがあるが、これらはバンチ巻用の溝が一端側の みに形成されており、ストッカーに巻取管を補充する際には、巻取管の方向を揃 える必要があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は従来の技術のこのような点に鑑みて、無秩序に貯溜された巻取管を１ 個づつ、その向きを揃えて自動供給することが可能な巻取管供給装置を提供する ことを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

糸が巻かれる巻取管を貯溜する貯溜器と、該貯溜器から巻取管を１個づつ送出 するコンベアと、送出される各々の巻取管の所定の端部側を一定方向に向ける手 段とを備えた。

【０００７】

【作用】

貯溜器に無秩序に貯溜された巻取管は、コンベアにより１個づつ分離して送出 され、送出される各々の巻取管の所定の端部側を一定方向に向ける手段により、 巻取管の所定端が一定に向けられて玉揚装置側に供給される。

【０００８】

【実施例】

実施例について図面と共に説明する。

【０００９】 図１は、本考案第１実施例の巻取管供給装置１を示すものである。図において 巻取管供給装置１は、多数の巻取管を貯溜するホッパ２、該ホッパ２から巻取管 を１個づつ分離して送出するコンベア３より主に構成されている。

【００１０】 コンベア３は、ホッパ２の底部の開口部４より斜に立ち上るベルトコンベアで あり、プーリ５，６の間に装架され、モータ７により駆動される。該コンベア３ の終端部８は、図示しない玉揚装置に至るベルトコンベア９の上位に立設したシ ュート１０の上端開口部１１に達している。そして、上記シュート１０の上端開 口部１１には、巻取管の所定の端部側（図示例ではバンチ溝３０の有る側）を一 定方向に向ける手段として巻取管反転部材１２を設けている。

【００１１】 巻取管反転部材１２は、巻取管の前半分を挿入して係止可能なバケット状であ り、コンベア３の終端部８に対向して、該コンベア３の搬送路の仮想延長線上に 揺動自在に設けられ、揺動の下行端では、図１に実線で示される如く上記終端部 ８に対して、所定の間隔（巻取管の直径より大）をなして近接して位置している が、上行端では、図１に２点鎖線で１２´として示される如くコンベア３の終端 部８より離去して位置する。上記巻取管反転部材１２は、図示しないアクチュエ ータによりセンサ１３の検出結果に基づいて揺動され、上記２位置のうち、いず れかに位置している。

【００１２】 センサ１３は、巻取管のバンチ溝３０を検出することによって巻取管の方向を 検知するものであり、超音波式，光電式等の非接触型又は接触型のセンサを用い るものとし、図示例ではコンベア３の終端部８に常に巻取管を待機しうるように 、該終端部８より巻取管１個分程度手前に設けられている。尚、１４は、上記コ ンベア終端部８における巻取管の有無を検知するセンサである。

【００１３】 次に上記実施例に基づいて巻取管の自動供給を説明する。

【００１４】 図において、ホッパ２にばらで貯溜されている巻取管は底部の開口部４よりコ ンベア３の始端部に順次供給され、コンベア３２の駆動により終端部８側に送給 される。この際、巻取管がセンサ１３に達すると、該センサ１３により巻取管の バンチ溝３０の位置が検知される。

【００１５】 そして、上記巻取管が、更に巻取管１個分前進してコンベア３の終端部８に達 し、センサ１４が巻取管の存在を検知すると、該センサ１４からの信号によりコ ンベア３が停止され、コンベア終端部８に巻取管が停止される。これと共に巻取 管反転部材１２が前述の検知結果に基づいて揺動し、上下２位置のうちいずれか に位置する即ち、図示例の如く、巻取管３１のバンチ溝３０が前側にある場合は 、該巻取管３１を逆向きと検知し、巻取管反転部材１２がコンベア終端部８側に 位置するが、バンチ溝３０が後側にある場合は１２´の如く上方に揺動し、コン ベア終端部８より離去している。

【００１６】 このような待機状態において、玉揚時に機台側から巻取管要求信号が発せられ ると、モータ７によりコンベア３が駆動され、コンベア終端部８の巻取管がシュ ート１０内に投下される。

【００１７】 この際、図示例の如く、バンチ溝３０が前側にある逆向きの巻取管３１は、コ ンベア３の駆動に伴ない前進し、前半部が巻取管反転部材に挿入され係止される ことにより、その向きを反転され、バンチ溝３０の無い側よりシュート１０内に 落下する。また、３２の如くバンチ溝３０が後側にある巻取管は、巻取管反転部 材１２が１２´の如くコンベア終端部８より離去することによりそのままの向き でシュート１０内に落下する。このようにして巻取管は、常にバンチ溝３０を後 側にしてベルトコンベア９上に払出され、該ベルトコンベア９により玉揚装置側 に供給される。

【００１８】 そして、次の巻取管３２がコンベア終端部８に達し、センサ１４がこれを検知 するとコンベア３は停止され、再び停止状態となり、次の供給に備える。

【００１９】 また、図２は、本考案第２実施例の巻取管供給装置２１を示すものであり、図 において巻取管供給装置２１は、コンベア終端部８に巻取管反転部材を設ける代 わりに、コンベア３を互いに平行な一対のベルト３ａ，３ｂにより形成し、その 中間部の溝３ｃ上に巻取管を載置して搬送可能とすると共に、バンチ溝３０の位 置を検知するセンサ１３近傍の上記溝３ｃの下位に、巻取管のバンチ溝３０の有 る側を一定方向に向ける手段として巻取管跳ね上げ部材２２を設けている。

【００２０】 巻取管跳ね上げ部材２２は、図示しないアクチュエータに連結され、センサ１ ３が逆向きの巻取管３４を検知した際には、上記アクチュエータの作動により２ ２´の如く瞬発的に上方に旋回動し、逆向きの巻取管３４を跳ね上げ３４´の如 くホッパ２内に戻すことによりベルトコンベア９に常にバンチ溝３０を後側にし た巻取管のみが払出されるようにするものである。

【００２１】 尚、上記第２実施例の巻取管供給装置２１においては、供給能力がコンベア３ の搬送能力の２分の１程度であるが、３４の如き逆向きの巻取管が連続した場合 、更に一時的に供給能力が低下してしまうので、このような事態に備えて巻取管 跳ね上げ部材２２とコンベア終端部８との間にバッファストックを設けることも 有効である。

【００２２】 また、上述の各実施例の巻取管供給装置１，２１においては、巻取管のバンチ 溝３０の有る側を一定方向に向けて揃える場合を示したが、センサ１３の形式， セッティング等を適宜設定することによりコーン巻き用の巻取管の向きを揃える 場合等にも実施可能であることを付言する。

【００２３】

【考案の効果】

本考案巻取管供給装置は、上述のとおり、糸が巻かれる巻取管を貯溜する貯溜 器と、該貯溜器から巻取管を１個づつ送出するコンベアと、送出される各々の巻 取管の所定の端部側を一定方向に向ける手段とを備えたので、巻取管の補充作業 が容易であり、且つ、自動玉揚装置側からの巻取管要求に従い、無秩序に貯溜さ れた巻取管を１個づつ、その向きを揃えて自動供給することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案第１実施例の巻取管供給装置の概要を示
す斜視図である。

【図２】本考案第２実施例の巻取管供給装置の概要を示
す斜視図である。

【符号の説明】

１，２１ 巻取管供給装置 ２ ホッパ ３ コンベア ９ コンベア １０ シュート １２ 巻取管反転部材 １３，１４ センサ ２２ 巻取管跳ね上げ部材 ３０ バンチ溝 ３１，３２，３３，３４ 巻取管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 糸が巻かれる巻取管を貯溜する貯溜器
   と、該貯溜器から巻取管を１個づつ送出するコンベア
   と、送出される各々の巻取管の所定の端部側を一定方向
   に向ける手段とを備えたことを特徴とする巻取管供給装
   置。