JPH057264Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、精紡機で巻き上げられた管糸の方向
を揃えて取り出す装置に関するものである。

［従来の技術］ 本出願人はリング精紡機で巻き揚げられた管糸
を収容具に自由方向に収納しておき、この収容管
糸をワインダ等へ供給するため低位に設けられた
管糸供給装置から高所に配置され且つ管糸を一列
に並べて順次送給するような搬送コンベアに受け
渡す管糸立ち上り供給装置を開発している。この
立ち上り供給装置は第７図（一部破断側面図）及
び第８図（第７図の右側一部破断側面図）に示す
ように構成している。即ち管糸貯留供給部３の両
側に、管糸の長さ（巻き取り管の長さ）より僅か
に広い幅寸法の間隔を形成してフレーム１，１ａ
を立設し、該フレーム１，１ａの間隔の上・下に
それぞれ駆動プーリ２ｂ、緊張支持プーリ２ａを
軸支してベルトコンベア２をかけ渡している。そ
して該コンベア２には管糸を支持するための支持
板２ｄがほぼ等間隔に設けられていると共に該コ
ンベア２とその幅寸法を管糸の両端部を除いた幅
寸法としフレーム１，１ａ間隔のほぼ中央部に位
置させる。そしてベルトコンベア２は駆動モータ
２ｃによつて駆動され、管糸貯留供給部３におい
て供給される管糸Ｃを順次支持板２ｄに１本ずつ
保持して上昇する。そして該ベルトコンベア２の
上部曲り部には、管糸受け入れ側にコンベア２の
支持板２ｄを通過させる切欠凹部を形成した管糸
受け取りシユート６が傾斜して配設しており、コ
ンベア２から転出する管糸はこのシユート６上を
転落して高所配置コンベアに渡される。尚この管
糸立ち上り供給装置には不正管糸検出装置４を設
けて、正常に巻かれていない管糸を検知すると共
に検知された不正管糸はその上部に設けられた排
出装置によつて取り出しシユート５を介して取り
出される。尚この排出装置は作動装置の腕杆が管
糸巻取管の両端をベルトコンベア２外へ押し出す
ように作動し、この作動は前記検出装置４の記憶
によつて行なわれる。

ところでこのような管糸立ち上り供給装置で
は、管糸貯留供給部３に収容される管糸の頭部乃
至尻部が一定方向に揃えられている場合は別問題
であるが、一旦自由方向に収容具等に収容された
管糸を一定方向に揃えることは大変な作業であ
る。一方高所に配設されるフラツトベル型管糸搬
送コンベアでは、管糸がすべて一方向に揃えられ
て一列に順次送給されることが好都合である場合
が多い。

［考案が解決しようとする課題］ そこで本考案は前記したような管糸立ち上り供
給装置において、自由方向に貯留供給部３に収容
された管糸を立ち上りコンベアの上部曲り部で取
り出されるとき、これを一定方向に揃えて高所に
配設された管糸搬送コンベアに供給する管糸方向
揃え装置を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ しかしてこのような本考案とは、立ち上りベル
トコンベアの上部曲り部に設けた傾斜案内板の上
方に、管糸の一方側のみに作動して接触し、転回
落下する管糸の一方端を一時的に係留する係合板
を枢支すると共に該係合板は前記ベルトコンベア
の上部曲り部の両側に設けた木管尻環検知装置に
よつて作動させて取り出される管糸を一定方向に
揃えるように構成したものである。

［作用］ 立ち上りベルトコンベアの上部に、コンベア上
の１本の管糸を挟んでその両側に設けた尻環検知
装置が木管の尻側に設けられている金属尻環を検
知して、この管糸がコンベアを離れて傾斜案内板
上を転落するとき、その両側に配設した係合板の
尻環側のみを作動させ、この作動によつて管糸木
管の尻環側の転落を一時的に係留して管糸を頭側
から転落させて管糸を一定方向に揃えるものであ
る。

［実施例］ 以下図面に基づいて本考案を詳細に説明する
が、図は本考案の具体的な実施の一例を示すもの
で本考案は図示例に限定されず、前・後記の趣旨
に沿つて一部の構成を変更しても同様に実施する
ことができる。第１図（一部破断側面図）は本考
案管糸方向揃え装置を前記管糸立ち上り供給装置
に適用した上部側を示し、第２図（平面図）は第
１図の上部を、第３図（側面図）は第２図の左側
を示し、第４図（断面図）は第２図の切断線−
に沿う矢印方向を示したものである。これらの
図において本考案管糸方向揃え装置は、前記立ち
上りコンベア２の上部曲り部に１本の搬送管糸を
挟んで対設された木管尻環検知装置１３，１３ａ
とこれによつて作動扇動する係合板１０，１０ａ
と開放された管糸の頭部側を先にして搬送コンベ
ア７に渡す傾斜案内板で構成される。そして木管
尻環検知装置１３，１３ａとしては糸巻き用木管
（木製、合成樹脂製或は紙製を含める）の尻側に
該木管の端縁を保護するために設けられた金属の
環（尻環）を検知するもので、磁気等による非接
触型の感知装置を利用し、これらの検知装置１
３，１３ａはそれぞれフレーム１，１ａ内に透孔
を介して対設されている。

一方係合板１０，１０ａは前記立ち上りコンベ
ア２の上部曲り部で管糸がコンベア２から離れて
傾斜案内板６に移される場所の上部に扇回自在に
枢支されている。そしてこれらの係合板１０，１
０ａは第４図に示すようにほぼ扇形に形成し、そ
の要部をフレーム１，１ａの内側壁にそれぞれ枢
軸１０ｃ，１０ｃ（一方は図示せず）で枢支し、
扇部の一端側（前側）には、それぞれ内側に折り
曲げて突出させた係合部１０ｂ，１０ｂを形成
し、他端側には、それぞれ作動シリンダ１１，１
１ａから突出した作動ピストンを枢軸１１ｂ，１
１ｂ（一方は図示せず）で連結した作動部を形成
している。そしてこれらの作動シリンダはその支
持部をフレーム１，１ａにそれぞれ取り付けたブ
ラケツト１２，１２に枢支している。そして作動
シリンダ１１，１１ａはそれぞれ尻環検知装置１
３，１３ａのいずれかが尻環を検知することによ
つて、そのフレーム側のシリンダが作動され、こ
の作動によつて係合板１０，１０ａを扇回させ
る。第４図に示す係合板１０は尻環検知装置１３
が尻環を検知しない場合を示し、係合板１０は時
計方向に扇回されたままの状態を維持しており、
その係合部１０ｂは転落する管糸を妨げないよう
に待避している。第５図は尻環検知装置１３が尻
環を検知した状態を示しており、この検知によつ
て作動シリンダ１１を作動してピストンを突出さ
せ、係合板１０を反時計方向へ扇回させている。
この扇回によつて係合部１０の係合部１０ｂは転
落する管糸の尻環側に接触するように位置保持さ
れ、転落する管糸はその尻環側がこの係合部１０
ｂによつて一時的に係留される。

他方傾斜案内板６はその上端縁側の中央部に立
ち上りコンベア２の通過する切欠凹部を形成し
て、コンベア２の上部曲り部における取り出し開
放管糸を受け取るように配置され、その下端縁側
は管糸搬送コンベア７の上面側に傾斜させて配設
する。そして該傾斜案内板６の上面一方側には第
２，３図で示すような湾曲ガイド板８を取り付
け、該ガイド板８はフレーム１ａから管糸搬送コ
ンベア７の上面を取り囲むように湾曲している。
また該案内板６の他方側には側壁を形成するよう
にガイド板９が設けられ、該ガイド板９はその途
中で湾曲ガイド板８に対応させて折り曲げ、該折
り曲げ部と傾斜案内板６との間には底板９ａを設
けて搬送コンベア７に対設させている。これらの
傾斜板６、湾曲ガイド板８及びガイド板９はそれ
ぞれ管糸当接面を平滑に形成すると共に立ち上り
コンベア２から開放される管糸を円滑に転落させ
て搬送コンベア７に受け渡すように設けられてい
る。第６図（作動説明図）は本考案管糸方向揃え
装置の作動を示したもので、管糸搬送コンベア７
は矢印方向に、しかも管糸は頭側を先にして搬送
するものを示している。一方立ち上りコンベア２
の管糸がCaであつた場合は、尻環検知装置１３
によつて係合板１０を第５図のように作動してい
る。よつて傾斜案内板６によつて転落しようとす
る管糸Caは点線Cbで示すように尻環側が係合板
の係合部１０ｂによつて係留されるので頭側を下
にして転落し、一点鎖線Ccで示すように頭側を
先にして搬送コンベア７に搭載される。また立ち
上りコンベア２の管糸がCdであるときは、尻環
検知装置１３ａが係合板１０ａを作動させ、これ
によつて転落管糸は２点鎖線Cdで示すように頭
側を下にし、且つ湾曲ガイド板８及びガイド板９
によつて、ほぼ180度転回させられながら転落し、
搬送コンベア７へは一点鎖線Ccで示すように頭
側を先にして搭載される。

［考案の効果］ 本考案管糸方向揃え装置はこのように構成した
から、管糸貯留供給部に自由方向に収容された管
糸を、高所に配設された搬送コンベアへ方向を揃
えながら供給することができる。またその搬送は
尻環検知装置とこれによつて作動する供給板によ
つて行なうように構成したから、簡単な手段で且
つ確実に揃えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の側面図、第２図は平面
図、第３図は第１図の左側正面図、第４図は第２
図の切断線−に沿う矢印方向断面図、第５図
は第４図の作動説明図、第６図は第２図の作動説
明図、第７図は本考案を利用する管糸立ち上り供
給装置の側面図、第８図は第７図の右側面図であ
る。 １……フレーム、２……立ち上りコンベア、３
……管糸貯留供給部、４……不正管糸検知装置、
５……取り出しシユート、６……傾斜案内板、７
……搬送コンベア、８……湾曲ガイド板、９……
ガイド板、１０……係合板、１１……作動シリン
ダ、１２……ブラケツト、１３……尻環検知装
置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. セパレート型ベルトコンベアにそれぞれ自由方
   向に搭載された管糸を、該ベルトコンベアの上部
   曲り部に設けた傾斜案内板上を転回させて取り出
   すに当たつて、該管糸の方向を揃えて取り出す方
   向揃え装置であつて、上記傾斜案内板の上方に、
   管糸の一方側のみに作動して接触し、転回落下す
   る管糸の一方端を一時的に係留する係合板を枢支
   すると共に該係合板は上記ベルトコンベアの上部
   曲り部の両側に設けた木管尻環検知装置によつて
   作動させるように構成したことを特徴とする管糸
   方向揃え装置。