JPH0132155Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は、例えば駅務における自動券売機の
ように、顧客の紙幣挿入動作および購入動作に伴
つて所定の乗車券を発売した際に、挿入された紙
幣を取込み処理する紙葉類収納装置に関し、さら
に詳しくは、取込み処理した紙幣を、例えば、つ
り銭として再放出する機能を備えた紙葉類収納装
置に関する。

(ロ) 従来の技術 上述例の自動券売機は、顧客が挿入した紙幣額
と乗車券金額とに応じ残余の金額をつり銭として
返却する構造となつており、一般につり銭用の準
備紙幣（主として千円札）を予め自動券売機内に
収納しておいて、これを送出返却し、このつり銭
紙幣が少くなるのに伴つて補給する手段がとられ
ていた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 このため、つり銭紙幣補給のための煩雑な作業
が係員に荷せられる問題点があつた。

この考案は、顧客等が挿入することにより取込
んだ紙葉類を一旦収容部に収容すると共に、つり
銭等の必要が生じた場合にはこの収容部内の取込
み紙葉類を放出して使用することにより、つり銭
補給等の煩雑さを払拭させる紙葉類収納装置の提
供を目的とする。

(ニ) 問題点を解決するための手段 この考案は、収納装置本体の取込み紙葉類収納
部に、紙葉類巻取りドラムを正逆回転可能に軸装
し、上記ドラムの周面に、ドラム回転に合わせて
紙葉類抑えテープを巻回し、かつ該抑えテープを
巻戻すテープ供給手段を設け、上記収納部の入口
に、この入口に至る紙葉類取込み搬送経路と、こ
の入口から導出する紙葉類放出搬送経路とを、
別々に設け、上記各搬送経路を択一的に上記収容
部内に連通させる経路切換え板を設け、上記紙葉
類取込み搬送経路から上記ドラムに紙葉類を一定
量巻取つた後に、上記ドラムを逆回転させて、一
旦上記紙葉類放出搬送経路へ紙葉類の一部を待避
させる制御手段を備えた紙葉類収納装置であるこ
とを特徴とする。

(ホ) 作用 この考案によれば、挿入口から挿入された紙葉
類は、取込み搬送経路から収容部入口を介して巻
取りドラムに一定量巻取られ、上述の制御手段に
より、この定量巻取り後において上述のドラムの
逆転にともなつて一旦収納部に取込まれた上述の
紙葉類は紙葉類放出搬送経路へ抜き出されて、こ
の紙葉類の一部が同経路上に待避する。

その後、次の新たな紙葉類の挿入または収納紙
葉類のつり銭出しに対応して上述の巻取りドラム
の正逆回転がコントロールされる。

(ヘ) 考案の効果 このため、顧客等の挿入に伴い装置本体が取込
んだ紙葉類を、例えば、つり銭として再放出する
ことができるから、装置本体内につり銭専用の収
容部等を設ける必要がなくなり、装置が小型かつ
軽量化されると共に、従来のような煩雑なつり銭
補給作業等から係員が解放されるに至る。

また、自動販売機以外の紙葉類収納装置に適用
した場合は、この装置本体が取込んだ紙葉類を必
要に応じ、装置本体外に放出させることができる
ので、これら紙葉類の取出し、整理が楽になる。

しかも、紙葉類巻取りドラムの正逆切換えと、
経路切換え板の経路切換え制御とによつて、上述
のドラムに対して紙葉類の一部を重合させて収容
することができるために、紙葉類の収容量が多く
なり、そのためスペースが少なくなつて小型化さ
れる。

(ヘ) 実施例 この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述
する。

図面は紙幣収納装置を備えた自動券売機を示
し、第１図において、１は紙幣の挿入口２から収
容部３に至る紙幣取込み搬送経路を示し、この経
路１は上下の経路コンベヤ４，５を備え、経路の
終端が収容部３の入口６に至つている。

また、上述の経路コンベヤ４，５のうち、下部
側の経路コンベヤ５はこれに下方から対接するも
う一つの経路コンベヤ７とによつて紙幣放出搬送
経路８を構成し、収容部入口６からつり銭受皿９
に向けて導設される。これらの経路コンベヤ４，
５，７はそれぞれのモータ（図示せず）によつて
駆動されるものであり、特に経路コンベヤ５，７
は正逆いずれの方向にも走行駆動可能となつてい
る。

また、経路コンベヤ５，７の終端側、つまりつ
り銭受皿９側の放出ローラ１０，１１としては、
摩擦力の高いゴムローラが用いられる。

一方センサ１２は、紙幣取込み搬送経路１を通
る取込み紙幣の先端が、収容部の入口６に至つた
ことを検出する。

また、センサ１３は紙幣放出搬送経路８を通る
紙幣の先端を放出ローラ１０，１１の手前位置で
検出する。

さらにセンサ１４は該経路８からつり銭受皿９
上に放出される紙幣を検出する。

収容部３の入口６には経路切換え板としてのフ
ラツパ１５が装備され、このフラツパ１５の切換
動作によつて選択的に紙幣取込み搬送経路１を収
容部３に連通させたり、或は紙幣放出搬送経路８
を収容部３に連通させる。また、収容部３内には
正逆転モータ（図示せず）によつて回転される巻
取りドラム１６が軸装される。

１７は、巻取りドラム１６に対する紙幣抑えテ
ープ１８の供給手段であつて、ロール状に支軸１
９に巻回されている抑えテープ１８の先端は入口
６から収容部３に導入して、巻取りドラム１６の
周面一部に止着される。

上述の支軸１９は巻取りドラム１６の正逆方向
の回転に追従し、かつ抑えテープ１８に張力を与
える正逆転モータ２０によつて回転されるもの
で、従つて巻取りドラム１６が矢印ａ方向に正転
する時に、抑えテープ１８がドラム周面に巻回さ
れ、矢印ｂ方向に逆転する時に、抑えテープ１８
が巻戻される。

挿入口２に挿入された紙幣は、紙幣取込み搬送
経路１を搬送され、この紙幣の先端が収容部の入
口６近くに達すると、これをセンサ１２が検知
し、巻取りドラム１６が矢印ａ方向に回転し、同
時にテープ供給手段１７が駆動され、抑えテープ
１８がドラム周面に巻回され、故に入口６から収
容部３に進入する紙幣は巻取りドラム１６の周面
に抑えテープ１８によつて挟みこまれる状態に巻
取られる。

そして、この紙幣の後端がセンサ１２を越える
と、その時点から若干のタイムラグを置いて巻取
りドラム１６が停止する。

このタイムラグは紙幣の後端がフラツパ１５を
乗り越えるのに必要な時間であつて、その後にフ
ラツパ１５が切換つて、入口６が紙幣送出搬送経
路８に連通されると共に、巻取りドラム１６が矢
印ｂ方向に逆転し、かつテープ供給手段１７は抑
えテープ１８を巻戻し、経路コンベヤ５，７が駆
動され、しかして一旦収容部３に取込まれた上述
の紙幣は紙幣放出搬送経路８に抜き出され、その
抜き出し方向の先端がセンサ１３で検知される時
点で、巻取りドラム１６および経路コンベヤ５，
７が停止する。

この停止状態では第１図に示す如く紙幣Ａの一
部が入口６より収容部３に進入した状態にある。

このように、この紙幣Ａは第１図の状態のまま
待機し、次の新たな紙幣が挿入されて、この紙幣
の先端がセンサ１２に至り、かつ巻取りドラム１
６が回転するのに伴つて同巻取りドラム１６に巻
取られる。

このため、新たな紙幣と先の待機している紙幣
とは第１図に示す所定長さｌだけずれた状態で重
ねられることになり、新たな紙幣は同様にしてそ
の次の紙幣が挿入されるまで第１図の姿勢で待機
する。

収容部３から収容紙幣をつり銭として放出する
時は、巻取りドラム１６を逆転し、紙幣放出搬送
経路８の両コンベヤ５，７を紙幣放出方向に駆動
する。

このため最外側の紙幣であつて、第１図の待機
姿勢にあつた紙幣はセンサ１３を乗り越え、放出
ローラ１０，１１を通過する放出方向へ搬送さ
れ、その先端がセンサ１４にて検知されると、巻
取りドラム１６のみ停止される。

このため、回転する放出ローラ１０，１１間に
挟まれている紙幣はそのまま搬送されて受皿９に
放出されるが、続く紙幣は放出ローラ１０，１１
間に挟まれておらず、また停止状態にある巻取り
ドラム１６と抑えテープ１８に一部巻取られてい
るから放出されない。

次に巻取りドラム１６は逆転を再開し、次の紙
幣の先端がセンサ１３に届いた時点で停止して待
機し、さらにつり銭要求信号がある場合のみ同様
な動きにて次の紙幣を放出する。

第２図は自動券売機の制御ブロツク回路を示
し、CPU２１が、装置本体の紙幣位置を検出す
る１２，１３，１４等のセンサ群２２、各経路コ
ンベヤ４，５，７やドラム１６等の駆動を行なう
モータ群２３と、フラツパ１５の切換えを行なう
電磁ソレノイド２４をメモリ２５およびタイマ２
６との共働にて作動させる。

第３図は紙幣取込み動作のフローチヤートで、
紙幣挿入に伴いステツプ３０で紙幣取込み経路１
の経路コンベヤ４，５が駆動され、ステツプ３１
でセンサ１２が紙幣先端を検知（オン）するに伴
い、巻取りドラム１６がステツプ３２で回転す
る。

ステツプ３３でセンサ１２がオフすると、タイ
マ２６がセツトされ、ステツプ３４におけるタイ
ムアツプによつて巻取りドラム１６がステツプ３
５で停止し、ステツプ３６におけるソレノイド２
４のオン動作によつてフラツパ１５が切換り、収
容部３が紙幣放出搬送経路８に連通される。

次に、ステツプ３７，３８，３９では巻取りド
ラム１６の逆転に伴いセンサ１３が紙幣放出搬送
経路８中の紙幣を検知（オン）し、巻取りドラム
１６および経路コンベヤ５，７をステツプ４０，
４１で停止すると共に、ステツプ４２でフラツパ
１５を元に戻す。そして、ステツプ４３，４４で
次の紙幣の挿入に備えられる。

第４図はつり銭放出動作のフローチヤートであ
つて、ステツプ５０，５１，５２ではつり銭要求
信号にて巻取りドラム１６の逆転と抑えテープ１
８の巻戻しがなされ、センサ１４が放出紙幣をス
テツプ５３で検知するに伴い、ステツプ５４で巻
取りドラム１６が停止され、次に紙幣が一枚出し
されて、ステツプ５５でセンサ１４がオフする
と、ステツプ５６，５７，５８では次の紙幣をセ
ンサ１３が検知する放出待機位置まで送り、ステ
ツプ５９，６０，６１では巻取りドラム１６、テ
ープ供給手段１７、経路コンベヤ５，７が停止す
る。

この考案の構成と、上述の実施例との対応にお
いて、 この考案の紙葉類は、実施例の紙幣Ａに対応
し、以下同様に、 紙葉類収納部は、収納部３に対応し、 紙葉類巻取りドラムは、巻取りドラム１６に対
応し、 紙葉類抑えテープは、紙幣抑えテープ１８に対
応し、 紙葉類取込み搬送経路は、紙幣取込み搬送経路
１に対応し、 紙葉類放出搬送経路は、紙幣放出搬送経路８に
対応し、 経路切換え板は、フラツパ１５に対応し、 制御手段は、CPU２１に対応するも、 この考案は、上述の実施例の構成のみに限定さ
れるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は自
動券売機の内部側面図、第２図は制御回路ブロツ
ク図、第３図は紙幣取込み動作を示すフローチヤ
ート、第４図は紙幣放出動作を示すフローチヤー
トである。 １……紙幣取込み搬送経路、３……収容部、６
……収容部の入口、８……紙幣放出搬送経路、１
５……フラツパ、１６……巻取りドラム、１７…
…テープ供給手段、１８……紙幣抑えテープ、２
１…CPU、Ａ……紙幣。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 収納装置本体の取込み紙葉類収納部に、紙葉類
   巻取りドラムを正逆回転可能に軸装し、上記ドラ
   ムの周面に、ドラム回転に合わせて紙葉類抑えテ
   ープを巻回し、かつ該抑えテープを巻戻すテープ
   供給手段を設け、上記収納部の入口に、この入口
   に至る紙葉類取込み搬送経路と、 この入口から導出する紙葉類放出搬送経路と
   を、別々に設け、 上記各搬送経路を択一的に上記収容部内に連通さ
   せる経路切換え板を設け、 上記紙葉類取込み搬送経路から上記ドラムに紙
   葉類を一定量巻取つた後に、上記ドラムを逆回転
   させて、一旦上記紙葉類放出搬送経路へ紙葉類の
   一部を待避させる制御手段を備えた 紙葉類収納装置。