JPH0735419U - 磁性体チェーンによる磁性体材料の搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の目的は、ディスタック装置又はパイ
リング装置に適用される磁性体材料の搬送装置を、搬送
チェンに弛みが生じてマグネットレールと搬送チェンと
の間に空隙が生ずることがなく、また搬送中搬送チェン
上で磁性体材料の位置のずれが生じないように構成する
ことである。 【構成】 ブランク材２がパイリングされているリフト
装置１の上方にブランク材２を一枚づつ吸着して持ち上
げるためのサクションヘッドを備えたシートリフト装置
４がマグネットレール５及び磁性体チェン８とクロスす
る形で位置を固定して架台に配設され、無端の磁性体チ
ェン８はガイドレールを介してマグネットレール５に案
内され、ブランク材２が誘導磁界によって磁性体チェン
８のチェンリンクに吸着されて搬送され、マグネットレ
ール５の端の範囲でブランク材２が磁性体チェン８から
解放されるようにしたことを特徴とする前記搬送装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は磁性体チェンによる磁性体材料の搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

マグネットレールとベルトコンベアを組み合わせて成る磁性体材料の搬送装置 が公知である。しかし公知の磁性体材料の搬送装置では、コンベアベルトに弛み が生じてマグネットレールとベルトコンベアとの間に空隙が生ずる結果、磁性体 材料の吸着が不十分となり、それによって搬送中にコンベアに対して磁性体材料 の位置がずれることが欠点であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、ディスタック装置又はパイリング装置に適用される磁性体材 料の搬送装置において、搬送チェンに弛みが生じてマグネットレールと搬送チェ ンとの間に空隙が生ずることがなく、また搬送中搬送チェン上で磁性体材料の位 置のずれが生じないような磁性体材料の搬送装置を案出することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の課題は、実用新案登録請求の範囲１及び２に記載された特徴によって 解決される。

【０００５】 図示の実施例に基づいて本考案を説明する。

【０００６】

【実施例】

・図１、図２、図３及び図４によれば、本考案による磁性体材料の搬送装置をシ ートディスタック装置に適用する場合が示されている。ディスタック装置はブラ ンクシート材２をパイリングしたリフト装置１と、マグネットセパレータ３とか ら成り、マグネットセパレータ３はシートパイルの最上位の範囲に作用してブラ ンク材２相互間を吸着力の弱まる範囲まで引き離すために役立つ。パイリングさ れたブランク材２の上方に空気圧駆動によりピストンの往復運動を行なうための シートリフト装置４が下端にシートを一枚づつ吸着するためのサクションヘッド を備えたピストンロッドを昇降運動させるように配設されている。サクションヘ ッドは真空吸着を作用するように形成されている。次に説明する磁性体チェン８ は幅の広いブランク材２に対しては図１の図平面から奥行きの方向に間隔をおい て更にもう１つ配設されることができる。その場合にはシートリフト装置４は両 磁性体チェン８の間に配置され、磁性体チェン８が１つの場合には磁性体チェン ８と干渉しないように磁性体チェン８の走行範囲の外方に配置されて、図示しな い架台に固定される。リフト装置１はブランク材２がシートリフト装置４によっ て一枚デスタックされる毎にブランク材２の板厚分づつ上昇し、常にパイリング されたブランク材２の最上位の高さ位置が不変のように作用する。

【０００７】 リフト装置１の上方にシートリフト装置４に対してクロスする形でマグネット レール５及び無端の磁性体チェン８が配設されており、磁性体チェン８はその両 転向部の範囲でスプロケット６及び７に巻掛けられている。スプロケット６と駆 動モータ１０のスプロケットとの間には別のチェン９が巻掛けられており、それ によって駆動モータ１０の回転がスプロケット６に伝達され、それによって磁性 体チェン８が矢印Ａ方向に走行されることができる。磁性体チェン８としては通 常の磁性体製のローラチェーン、サイレントチェーンが使用され、その際ブラン ク材２のための吸着面がチェンリンクの狭い側面であるか〔図３、図４（ａ）〕 、通常のチェンリンクを直角に曲げて延ばして平らな広い面でブランク材２を吸 着するフラットチェン〔図４（ｂ）〕又は図示しないトッププレートチェン等搬 送されるブランク材２の形状、重量に応じて、またブランク材が重心位置がその 平面形状の中心から著しく隔たった異形であるか否か等によってチェンリンクが 各種の形状にされ、又はチェンリンクに各種の形状のアダプタが取付けられるこ とができる。図３及び図４（ａ）に示すように、磁性体チェン８はそのチェンロ ーラ１２がマグネットレール５の突条状のガイドレール１１上を転がりかつガイ ドレールの突条部分を両側からチェンリンクで挟む形でマグネットレール５に吸 着されつつ案内されるか、又は図４（ｂ）に示すように、磁性体チェン８はその チェンローラ１４がガイドレール１３の凹溝中に嵌入する形でマグネットレール ５に吸着されつつ案内されて走行する。マグネットレール５に対する磁性体チェ ン８の吸着はマグネットレール５の永久磁界の作用により、そして磁性体チェン ８によるブランク材２の吸着はマグネットレール５の永久磁界による磁性体チェ ン８の誘導磁界によって達成される。磁性体チェン８により矢印Ａ方向に搬送さ れて来たブランク材２は図１に示すマグネットレール５においては、マグネット レール５の右端を過ぎる範囲でマグネットレール５からの距離が大きくなるに従 って急激に磁性体チェン８の誘導磁界を減少させて、磁性体チェン８からブラン ク材２を解放する。 ・図５、図６及び図７によれば、本考案による磁性体材料の搬送装置をシートパ イリング装置に適用する場合が示されている。シートパイリング装置はブランク シート材２を他のシートリフト装置又は加工ステーションからデスタックし又は 取り出して、磁性体チェン８により搬送してリフト装置１上にパイリングするた めに役立つ。シートパイリング装置はリフト装置１とその上方に位置するプッシ ャ装置１５とから成り、セパレータ３は必要ではないが、デスタック装置と共通 の装置を使用して、プッシャ装置１５だけをシートリフト装置４と交換して使用 する場合もあり、図５にはセパレータ３が図示されている。空気圧駆動によりピ ストンの往復運動を行なうためのプッシャ装置１５は昇降運動するピストンロッ ドの下端で、マグネットレール５により吸着されて搬送中のブランク材２をリフ ト装置２上に突き落として、ブランク材２は一枚づつパイリングされることにな る。この際ブランク材２を吸着する磁力はマグネットレール５の永久磁界による 磁性体チェン８の誘導磁界によって作用されるものであり、永久磁界による磁力 に比して小さい磁力であるので、磁性体チェン８の走行中マグネットレール５の 範囲でプッシャ装置１５の作動により簡単に磁性体チェン８から除去されること ができる。

【０００８】 プッシャ装置１５の設けられている範囲にプッシャ装置１５とクロスする形で マグネットレール５及び無端の磁性体チェン８が設けられており、磁性体チェン ８はその両転向範囲でスプロケット６及び７に巻掛られている。スプロケット７ には別のチェン９が巻掛されており、チェン９は他の転向部で駆動モータ１０の スプロケットに巻掛けられている。それによって駆動モータ１０の駆動により磁 性体チェン８が矢印Ｂ方向に走行されることになる。磁性体チェン８は幅の広い ブランク材２に対しては図１の図平面から奥行きの方向に間隔をおいて更にもう １つ配設されることができる。その場合にはプッシャ装置１５は両磁性体チェン ８の間に配置され、磁性体チェン８が１つの場合には磁性体チェン８と干渉しな いように磁性体チェン８の走行範囲の外方に配置されて、図示しない架台に固定 される。

【０００９】 磁性体チェン８によりブランク２を吸着して搬送して、ブランク材２がマグネ ットレール５の範囲に達すると、シートプッシャ装置１５によりブランク材２が 突き落とされて、その都度リフト装置１上にパイリングされることになる。一枚 パイリングされる毎にリフト装置１はブランク材２の板厚分づつ下降するので、 常にシートパイリングの最上位のブランク材２の高さ位置は不変とされる。

【００１０】 本考案による磁性体材料の搬送装置は、磁性体材料であれば、平板でも、波板 でも、缶でも、皿状のものでも、異形でも等方形でも各種のブランク材の搬送に 利用されることができる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によれば、ディスタック装置及びパイリング装置に適用される本考案に よる磁性体材料の搬送装置において、マグネットレールと磁性体チェンとの間に 磁性体チェンの弛みによる空隙が生じたり、磁性体チェンに弛みが生じて磁性体 材料の吸着が不十分となり、搬送中に磁性体チェンに対して磁性体材料の位置が ずれることがなく、またマグネットレールの長さを調整することにより所定の位 置に正確にブランク材を下ろすことができる。搬送中磁性体チェンに対するブラ ンク材の位置のずれが生じないことから搬送中ブランク材に傷がつくこともない 。パイリング装置に適用する場合にも搬送中は上記と同様な効果が得られ、また ブランク材はマグネットレールによる永久磁界による磁力に比して弱い誘導磁界 によって磁性体チェンに吸着されているので、プッシャ装置によりブランク材は 容易に磁性体チェンから解放されることができる。ブランク材はリフト装置上所 定の位置に正確に、確実にかつ衝撃なしにパイリングされることができる。

【００１２】 磁性体チェンにより直接ブランク材を吸着するので異形ブランクでもチェンの 蛇行が生じない。コストパフォーマンスが大きい。メンテナンスが非常に容易で ある。磁力の大きさはマグネットレールによって決定される。ディスタック及び パイリング装置に適用される他、傾斜していても、上昇していても、湾曲してい ても、ブランク材が磁性体チェンに対して下側にあっても、上側にあっても、反 転して搬送されても、ねじれた形であっても各種の搬送路程に適用されることが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による搬送装置をディスタック装置に適
用した場合の正面図である。

【図２】図１に示す搬送装置のマグネットレール及び磁
性体チェンの部分拡大図である。

【図３】図１に示す搬送装置のマグネットレール及び磁
性体チェンの部分上面図である。

【図４】図３のＩＶ−ＩＶ線に沿う断面図であり、
（ａ）は通常のローラチェンを磁性体チェンとして使用
する場合であり、（ｂ）はトッププレートチェン状のチ
ェンを磁性体チェンとして使用する場合を示す図であ
る。

【図５】本考案による搬送装置をパイリング装置に適用
した場合を示す正面図である。

【図６】図５に示す搬送装置のマグネットレール及び磁
性体チェンの部分拡大図である。

【図７】図５に示す搬送装置のマグネットレール及び磁
性体チェンの部分上面図である。

【符号の説明】

１ リフト装置 ２ ブランク材 ３ マグネットシートセパレータ ４ シートリフト装置 ５ マグネットレール ６ スプロケット ７ スプロケット ８ 磁性体チェン ９ チェン １０ 駆動モータ １１ ガイドレール １２ チェンローラ １３ ガイドレール １４ チェンローラ １５ プッシャ装置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁性体チェンによる磁性体材料の搬送装
   置において、 ブランク材（２）がパイリングされているリフト装置
   （１）の上方にブランク材（２）を一枚づつ吸着して持
   ち上げるためのサクションヘッドを備えたシートリフト
   装置（４）がマグネットレール（５）及び磁性体チェン
   （８）とクロスする形で位置を固定して架台に配設され
   ており、無端の磁性体チェン（８）はガイドレール（１
   １又は１３）を介してマグネットレール（５）に案内さ
   れており、ブランク材（２）が誘導磁界によって磁性体
   チェン（８）のチェンリンクに吸着されて搬送され、マ
   グネットレール（５）の端の範囲でブランク材（２）が
   磁性体チェン（８）から解放されるようにしたことを特
   徴とする前記搬送装置。
2. 【請求項２】 磁性体チェンによる磁性体材料の搬送装
   置において、 ブランク材（２）がパイリングされるためのリフト装置
   （１）の上方に磁性体チェン（８）により搬送中のブラ
   ンク材（２）を磁性体チェン（８）から解放するための
   プッシャ装置（１５）がマグネットレール（５）及び磁
   性体チェン（８）とクロスする形で位置を固定して架台
   に配設されており、無端の磁性体チェン（８）はガイド
   レール（１１又は１３）を介してマグネットレール
   （５）に案内されており、ブランク材（２）は誘導磁界
   によって磁性体チェン（８）のチェンリンクに吸着され
   て搬送され、マグネットレール（５）の範囲でブランク
   材（２）がプッシャ装置（１５）によって磁性体チェン
   （８）からリフト装置（１）上に突き落とされるように
   したことを特徴とする前記搬送装置。