JPH0735389B2 - 新規セリン誘導体、その製造方法およびヒト治療への用途 - Google Patents

新規セリン誘導体、その製造方法およびヒト治療への用途

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JPH0735389B2
JPH0735389B2 JP2118501A JP11850190A JPH0735389B2 JP H0735389 B2 JPH0735389 B2 JP H0735389B2 JP 2118501 A JP2118501 A JP 2118501A JP 11850190 A JP11850190 A JP 11850190A JP H0735389 B2 JPH0735389 B2 JP H0735389B2
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フランセスコ・デラ・ヴァッレ
アウレリオ・ロメオ
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フィディーア・ソシエタ・ペル・アチオニ
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/06Phosphorus compounds without P—C bonds
    • C07F9/08Esters of oxyacids of phosphorus
    • C07F9/09Esters of phosphoric acids
    • C07F9/091Esters of phosphoric acids with hydroxyalkyl compounds with further substituents on alkyl
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、一般式(I): [式中、AはH、−(CH2)n−O−CO−R1(ここに、
nは1または2)であり、 Bは−(CH2)m−O−CO−R2(ここに、mは1、2、
3または4)であるが、ただし、Aが−(CH2)n−O
−CO−R1である場合、mは1または2である。
また、lは0または1であり、lが1の場合はセリンは
内部塩でない。
ここに、R1およびR2は同一または異なって、脂肪族、芳
香族、芳香脂肪族(araliphatic)、脂環式、またはヘ
テロ環式化合物の酸の基であり、好ましくは飽和または
モノ−もしくはポリ−不飽和であり得る最大で炭素数20
個の脂肪酸の基であり、この脂肪酸には、たとえばギ
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、パルミトオレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸がある。さら
に、R1およびR2は、乳酸などのヒドロキシ酸、グリシン
などのアミノ酸、またはコハク酸、グルタル酸、マロン
酸もしくはマレイン酸などの二カルボン酸の基であって
もよい。] で示される新規なセリン誘導体に関する。
R1およびR2が芳香族の酸の基である場合、好ましい酸
は、ただ1つのベンゼン環を有するものであり、具体的
には安息香酸、および環置換基としてメチル、ヒドロキ
シ、アミノまたはカルボキシ基を有する安息香酸の誘導
体、たとえばp−アミノ安息香酸、サリチル酸またはフ
タール酸である。
Xは、アルカリもしくはアルカリ土類金属、1級、2
級、3級アミンもしくは4級アンモニウムまたは脂肪
族、芳香族もしくはヘテロ環の塩基であってよい。
好ましいXは、カリウム、ナトリウム、アンモニウム、
カルシウム、マグネシウム、ピペラジン、プログリカミ
ン(3−アミノ−1,2−ジヒドロキシプロパン)、リシ
ン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、ベタイン、
コリン、アミノブタノール、エタノールアミン、アルギ
ニン、カルニチン、ジエタノールアミン、ジメチルアミ
ノエタノール、ジメチルピペラジンである。
本発明は、さらにその新規セリン誘導体の製造方法、お
よび脳代謝の減退に伴うヒト疾患の治療における、また
は脂肪低下剤としての用途に関する。
従来技術 ホスファチジルセリン(PS)およびリゾホスファチジル
セリン(Lyso PS)のセリンリン脂質誘導体は既知の薬
理学的活性を示す天然誘導体である。。詳細には、天然
のリン脂質誘導体は、げっ歯類動物に静脈内投与した場
合、血糖およびヒスタミンレベルを上昇させ、脳組織に
グルコースを沈着させることが知られている「ビゴン
(Bigon E.)、ボアラト(Boarat E.)、ブルニ(Bruni
A.)、レオン(Leon A.)、トファノ(Toffano G.)の
Br.J.Pharmac.66,167−174(1979)、「ホスファチジル
セリンリポソームの薬学的効果:脳における解糖および
エネルギーレベルの調節」、およびBr.J.Pharmac.67,61
1−616(1979)の「ホスファチジルセリンリポソームの
薬学的効果:ホスファチジルセリンの役割」;ブルニ、
ビゴン、バチアテラ(Battiatella A.)、ボアラト、ミ
エッタ(Mietto L.)、トファノのAgents & Actions,1
4,619−625(1984)、「マウスおよびラットにおけるヒ
スタミン放出因子としてのリゾホスファチジルセリ
ン」]。
しかし、上記生成物を連続投与すると、急速な脱感作を
招き、それにより薬学的応答が低下することが観察され
ている「ブルニ、ビゴン、バチアテラ、ボアラト、ミエ
ッタ、トファノのAgent & Action,14,619−625(198
4)、「マウスおよびラットにおけるヒスタミン放出因
子としてのリゾホスファチジルセリン」]。
また、セリンリン脂質は、イソビトロにおいて、げっ歯
類動物の肥満細胞に対する活性化作用を有することも観
察された[ボアラト、ミエッタ、トファノ、ビゴン、ブ
ルニのAgents & Actions,14,613−618(1984)、「ホ
スファチジレセリンに対するげっ歯類動物肥満細胞の種
々の応答」]。
脳グルコースの増大作用が唯一の態様である天然PSの具
体的な薬学的反応性は、脳神経系の機能に対する重要な
作用を有している。活性化の影響が、コリン作働性およ
びドーパミン作働性の系、ならびに神経系構造体の完全
性を保持する老齢期には低下しがちである重要な能力に
おいて認められた[ヌンジ(Nunzi M.G.)、ミラン(Mi
lan F.)、ガイドリン(Guidolin D.)、トファノのNeu
robiology of Aging 8,501−510(1987)、「老齢ラッ
トの海馬における樹状突起の突出部の欠失.脳ホスファ
チジルセリン投与の効果」]。このすべての結果として
学習および記憶プロセスが改善され、これは特に老齢動
物において顕著である[カルデリーニ(Calderini G)
らの「老化脳におけるホスファチジルセリンの薬学的性
質:生化学的局面および治療可能性」、Phospholipids
research and the Nervous System.、ホロックス(L.Ho
rrocks)、フレイズ(Freysz)およびトファノ編、リビ
アーナ・プレス233−241頁(1986)]。
発明の詳しい説明 本発明は、一般式(I): [式中、AはH、−(CH2)n−O−CO−R1(ここに、
nは1または2)であり、 Bは−(CH2)m−O−CO−R2(ここに、mは1、2、
3または4)であるが、ただし、Aが−(CH2)n−O
−CO−R1である場合、mは1または2である。
また、lは0または1であり、lが1の場合はセリンは
内部塩でない。
ここに、R1およびR2は同一または異なって、脂肪族、芳
香族、芳香脂肪族、脂環式、またはヘテロ環式化合物の
酸の基であり、好ましくは飽和またはモノ−もしくはポ
リ−不飽和であり得る最大で炭素数20個の脂肪酸の基で
あり、この脂肪酸には、たとえばギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、アラキドン酸がある。さらに、R1およびR2は、乳酸
などのヒドロキシ酸、グリシンなどのアミノ酸、または
コハク酸、グルタル酸、マロン酸もしくはマレイン酸な
どの二カルボン酸の基であってもよい。] で示される新規なセリン誘導体を見いだした。
R1およびR2が芳香族の酸の基である場合、好ましい酸
は、ただ1つのベンゼン環を有するものであり、具体的
には安息香酸、および環置換基としてメチル、ヒドロキ
シ、アミノまたはカルボキシ基を有する安息香酸の誘導
体、たとえばp−アミノ安息香酸、サリチル酸またはフ
タール酸である。
Xは、アルカリもしくはアルカリ土類金属、1級、2
級、3級アミンもしくは4級アンモニウムまたは脂肪
族、芳香族もしくはヘテロ環の塩基であってよい。
好ましいXは、カリウム、ナトリウム、アンモニウム、
カルシウム、マグネシウム、ピペラジン、プログリカミ
ン(3−アミノ−1,2−ジヒドロキシプロパン)、リシ
ン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、ベタイン、
コリン、アミノブタノール、エタノールアミン、アルギ
ニン、カルニチン、ジエタノールアミン、ジメチルアミ
ノエタノール、ジメチルピペラジンである。
本発明の新規誘導体は、脳代謝の減退に伴うヒト疾患の
治療において、または脂肪低下剤としての活性を有す
る。
本発明の新規セリン誘導体は以下に記載の新規な合成方
法によって製造した。
一般的な製造方法の概略 a)以下に記載の式(II)で示されるリン酸誘導体、式
(III)で示されるN−カルボベンジルオキシ−L−セ
リン・ベンジルエステル、および適切な縮合剤を適当な
有機溶媒に溶解し; [式中、AはH、−(CH2)n−O−CO−R1(ここに、
nは1または2)であり、 Bは−(CH2)m−O−CO−R2(ここに、mは1、2ま
たは4)であり、 ZはHまたはOHであり、 R1およびR2は同一または異なって、脂肪族、芳香族、芳
香脂肪族、脂環式、またはヘテロ環式化合物の酸の基で
ある。ただし、Aが−(CH2)n−O−CO−R1である場
合、mは1または2である。]、 b)得られた溶液を加熱して溶媒を蒸発させ、 c)得られた残留物を適当な溶媒から結晶化させて精製
し、式(IV)で示される化合物を得; d)化合物(IV)を適当な有機溶媒に溶解し、水素添加
触媒の存在下に水素添加し、ただし、ZがHの場合、
d)工程は以下のように改変する: 精製フラクションを適当な有機溶媒に溶解し、適当な酸
化剤、好ましくは含水ピリジン中のヨウ素で酸化し、 e)その溶液を精製して濃縮し、得られた沈殿物を乾燥
し、式(V)で示される化合物を得る; 好ましい反応条件は以下の通りである: a)工程では、適当な有機溶液は、三級有機塩基の中か
ら選択すればよく、好ましくはピリジンまたはキノリン
である。
b)工程では、温度40℃から80℃で、10−60分間、攪拌
下に加熱し、次いで溶液を室温で2−3時間放置する。
c)工程では、得られた残留物を減圧下に乾燥し、次い
でエチル−またはイソプロピルエーテルに取り、沈殿物
を分離し、得られたエーテル層を塩酸および水で洗浄し
て溶媒を留去する。
d)工程では、好ましい溶媒は酢酸であり、パラジウム
−炭素を使用して水素添加反応を行う。
e)工程では、溶液をセライト(CeliteR)または他
の同様のフィルター・エイドで濾過し、減圧下に留去す
る。
本発明の新規なセリン誘導体の塩は、常法にしたがって
金属および有機塩基から製造した。
金属および有機塩基の塩の具体例としては、アルカリお
よびアルカリ土類金属塩、たとえばカリウム、ナトリウ
ム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム塩などの
医療用として使用できる塩、および1級、2級もしくは
3級アミンなどの有機塩基との塩、またはピペラジン、
プログリカミン(3−アミノ−1,2−ジヒドロキシプロ
パン)、リシン、メグルミン(N−メチルグルカミ
ン)、ベタイン、コリン、アミノブタノール、エタノー
ルアミン、アルギニン、カルニチン、ジエタノールアミ
ン、ジメチルアミノエタノール、ジメチルピペラジンな
どの脂肪族もしくは芳香族もしくはヘテロ環状4級アン
モニウム塩基との塩などを挙げることができる。
本発明の新規セリン誘導体の治療活性を証明するため、
本発明者らは、既述した合成法によって得た種々のホス
ファチジルセリン誘導体を使用し、インビボおよびイン
ビトロ試験を行った。
詳細に言えば、天然のリゾホスファチジルセリン(Lyso
PS)に対する脱感作を評価することによって脳グルコ
ースレベルおよびヒスタミン血症に対する効果を試験し
(インビボ試験)、さらに神経成長因子(NGF)の存在
下、ラット肥満細胞の活性に対する効果を試験した(イ
ンビトロ試験)。
肥満細胞を遺伝学的に有さないマウスでは効果が全く認
められなかったことから、肥満細胞の活性化と観察され
たインビボの薬理学的効果とには関連性があることは明
白である[チャンジ(Chang H.W.)、イノウエ(Inoue
K.)、ブルニ(Bruni A.)、ボアレート(Boarato
E.)、トファノ(Toffano G.)における、げっ歯類動物
のリゾホスファチジルセリンの立体選択的効果.Br.J.Ph
armac.出版]。
本明細書では、説明を明確かつ簡単にするため、以下に
記載の頭文字を使用する: PS−S1−1,3−ジパルミトイルグリセロ−2−ホスホリ
ル−L−セリン、 PS−S2−1,3−ジピバロイルグリセロ−2−ホスホリル
−L−セリン、 PS−S3−1,3−ジミリストイルグリセロ−2−ホスホリ
ル−L−セリン。
材料および方法 インビボ実験 試験した生成物はPS−S1およびPS−S2であった。
室温における音波処理によって、すべての生成物を50mM
トリス(リン酸緩衝液)pH7.8中に分散させた。この分
散液を雄性アルビノ(白子)マウスに静脈注射した。
注射して30分経過後、マウスを殺し、脳グルコース用量
に供した。
該生成物のインビボ作用をより良好に評価するため、4
日間、1日当たり1回の腹腔内投与を繰り返した。5日
目に、LysoPSを投与した。
本発明の新規生成物によって脱感作が誘発されたなら、
投与したLysoPSの作用は減少されるであろう。
インビトロ実験 使用した生成物はPS−S1、PS−S3であった。ラット腹膜
の肥満細胞をラギュノフ法によって単離し、精製した
「ラギュノフ(Lagunoff D.):肥満細胞からのヒスタ
ミン放出の機序、Biochem.Pharmac.21,1889−1896(197
2)]。
NGF(神経成長因子)はセリンリン脂質によって誘起さ
れる肥満細胞活性を増大させるので、この因子5−10ng
の存在下に、上記細胞を0.1−125μMである種々の量の
生成物と共にインキュベートした[ブルニ(Bruni
A)、ビゴン(Bigon E.)、ボアラト(Boarato E.)、
ミエット(Mietto L.)、レオン(Leon A.)、トファノ
(Toffano G.):ラットの腹膜肥満細胞に対する神経成
長因子とリゾホスファチジルセリンとの相互作用、FEBS
Letters 138,190−192(1982)]。
上記インキュベート媒質の組成および操作方法は、ボア
ラト(Boarato E.)、ミエット(Mietto L.)、トファ
ノ(Toffano G.)、ビゴン(Bigon E.)、ブルニ(Brun
i A.):ホスファチジルセリンに対するげっ歯類動物肥
満細胞の種々の応答、Agents & Actions 14,613−618
(1984)]に記載されている。
分析方法 ビゴン(Bigon E.)、ボアラト(Boarato E.)、ブルニ
(Bruni A)、レオン(Leon A.)、トファノ(Toffano
G.)のBr.J.Pharmac.66,167−174(1979)の「ホスファ
チジルセリンリポソームの薬学的効果:脳における解糖
およびエネルギーレベルの調節」に記載されている条件
にしたがって、脳グルコースを酸素法によって測定し
た。
ショア(Shore P.A.)、バークハルター(Burkhalter
A.)、コーン(Cohn V.H.)のJ.Pharmac.Exp.Ther.127,
182−186(1959)、「組織におけるヒスタミンの蛍光光
度検定法」に記載されている蛍光光度法、またはイムノ
テック(Immunotech)のラジオイムノアッセイキットを
使用するラジオイムノアッセイ法によって、ヒスタミン
を測定した。
結果 第1表は、脳グルコース含量に対するPS−S1およびPS−
S3の作用を示している。種々の化合物の50mMトリスpH7.
8中分散液を25−30gマウスに静脈内注射した。30分後に
脳グルコースを測定した。第1表に記載している値は5
匹のマウスの平均である。
第1表は、殊に10mg/kgのPS−S1を投与することによっ
て、脳グルコースが明らかに増加していることを示して
いる。高用量にした場合の減少効果は、生物に高い薬物
量が存在することによる急速な脱感作に由来するもので
ある。
生成物のインビボ作用をより良好に評価するため、さら
に、天然PSおよびPS−1をマウスに繰り返し腹腔内投与
することにより誘発させた、LysoPSに対する脱感作も評
価した。リン脂質(50mg/kg i.p.)を使用し、動物(体
重35g)を4日間試験した。
5日目に、LysoPSを静脈内投与した(5mg/kg)。LysoPS
注射して30分経過後にヒスタミンを測定した。10匹のマ
ウスから平均±a.s.e.を算定した。得られたデータを第
2表に示す。
第2表は、PS−S1が、天然PSと同様に、LysoPSに対する
脱感作を誘起するが、低い程度であることを示してい
る。
第3表は、NGF5−10ngの存在下におけるラットの単離肥
満細胞の活性化に対する、天然LysoPS、および合成PS−
S1とPS−S3のインビトロ作用を示している。そのインキ
ュベート法および肥満細胞調製法は、ボアラト(Boarat
o E.)、ミエット(Mietto L.)、トファノ(Tffano
G.)、ビゴン(Bigon E.)、ブルニ(Bruni A.):ホス
ファチジルセリンに対するげっ歯類動物肥満細胞の種々
の応答、Agents & Actions 14,613−618(1984)]に
記載されている。
加えた細胞(5−5μg/3×105細胞)中に見い出される
全含量のパーセンテージとして計算されたヒスタミン分
泌から、肥満細胞活性化を推論した。
以下の第3表に記載したデータは、本発明の新規なセリ
ン誘導体によってヒスタミン増大が誘導されることを示
している。
第3表 生成物 濃度(μM) ヒスタミン放出(%) 対照 …… 5 PS−S1 5 5 12.5 5 62.5 8 125 38 PS−S3 6 10.3 120 12 結論 得られたデータは、本発明の新規な誘導体がインビボ
(脳グルコースの増大および脱感作の誘導)、およびイ
ンビトロ(単離したラット肥満細胞からのヒスタミンの
放出)の両者において、天然PSと同様に有効であること
を示している。
したがって、本発明者らは、天然PSと同一の薬理学的活
性を示す本発明の新規なセリン誘導体が、老齢期に代表
的なヒト疾患、アルツハイマー病、一般には記憶喪失お
よび老人性痴呆症、一般には酸素欠乏および浮腫の状
態、脳疲労、神経内分泌および免疫的変調(たとえば、
ストレス、鬱病、不安症)に対して有効である、と結論
することができる。
上記の一般的に概説した本発明の化合物の製造方法をさ
らに詳細に説明するため、以下に実施例を挙げるが、こ
れらは単なる説明を目的とするものである。
実施例1 1,3−ジパルミトイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン a)70℃において10分間、攪拌下に、ジパルミトイルグ
リセロ−2−リン酸[H−EiblおよびA.Blume.のBiochi
m.Biophys.Acta 553,476−488(1979)にしたがって製
造する]7.5g、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン
・ベンジルエステル[E.Bear & J.Maurukas:J.Biol.Ch
em 212,25−38(1955)にしたがって製造する]5.3g、
および縮合剤としての2,4,6−トリイソプロピルベンゼ
ンスルホニルクロリド(TPS)8.8gをピリジン150mlに加
える。得られた混合物を室温に3時間放置する。
減圧下にピリジンを留去し、得られた残留物を可能な限
り乾燥させ、エチルエーテル600mlに取り、即座に生成
されるTPSからなる白色相の結晶を濾別する。エーテル
層を0.1N塩酸および水で洗浄する。エチルエーテルを留
去し、得られた残留物をメタノールから2回結晶化させ
る。これにより、以下の性質を有する1,3−ジパルミト
イルグリセロ−2−ホスホリル−(N−カルボベンジル
オキシ)−L−セリン・ベンジルエステル8.2gが得られ
る; 薄層クロマトグラフィー: CHCl3:CH3OH(9:1)−Rf値=0.2 融点=149−151℃。
b)1,3−ジパルミトイルグリセロ−2−ホスホリル−
(N−カルボベンジルオキシ)−L−セリン・ベンジル
エスル8gを氷酢酸700ml中に取る。
若干加熱した後、パラジウム10%炭素5gを加え、温度を
20−30℃に維持して常圧で水素添加反応に供する。最大
の水素吸収が4時間後に達成され、次いで40℃に加温
後、セライトで濾過し、クロロホルム:メタノール
(2:1)400mlを加えた後、水600mlを加える。
低い方の層を分離し、それをさらに水で洗浄し、主溶液
に加える。濃縮して容量を減少させて沈殿物を得、それ
を濾過して高い減圧状態で乾燥する。1,3−ジパルミト
イルグリセロ−2−ホスホリル−L−セリン4g(収率64
%)が得られる。このようにして得られた生成物を温ジ
オキサンおよび酢酸から結晶化させる。得られた生成物
は薄層クロマトグラフィーによって、以下のRf値を示
す; CHCl3:CH3OH:H2O(60:30:4) Rf値=0.25。
実施例2 1,3−ジピバロイルグリセロ−2−ホスホリル−L−セ
リン a)70℃において30分間、攪拌下に、1,3−ジピバロイ
ルグリセロ−2−リン酸[2−O−ベンジルグリセロー
ル(VerkadeらのRecueil Trav.Chim.Pays Bas 61,836
(1940))をピバロイル・クロリドと反応させ、得られ
た1,3−ジピバロイルグリセロ−2−ベンジルエーテル
を脱ベンジル化し、続いてPOCl3でリン酸化することに
よって製造する]10g、N−カルボベンジルオキシ−L
−セリン・ベンジルエステル[R.Baer & J.Maurukas:
J.Biol.Chem 212,25−38(1955)にしたがって製造す
る]10g、および2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスル
ホニルクロリド(TPS)19gをピリジン200mlに溶解す
る。室温で3時間放置した後、減圧下にピリジンを留去
し、得られた残留物を可能な限り乾燥させ、エチルエー
テル600ml中に取り、即座に生成される白色沈殿物を濾
別する。エーテル層を0.5N塩酸および水で洗浄する。エ
ーテルを留去した後、1,3−ジピバロイルグリセロ−2
−ホスホリル−(N−カルボベンジルオキシ)−L−セ
リ・ベンジルエステル19gが得られる。薄層クロマトグ
ラフィーによって以下の成績が得られる。
CHCl3:CH3OH(7:3)−Rf値=0.6。
b)1,3−ジピバロイルグリセロ−2−ホスホリル−N
−カルボベンジルオキシ−L−セリン・ベンジルエステ
ル10gを氷酢酸700ml中に取り、パラジウム10%炭素6gを
加える。
攪拌下、室温、常圧で水素添加が起こる。4時間後に水
素吸収が終了し、次いでセライトで濾過し、酢酸を留
去する。得られたリン脂質をPREP L.500/A WATERSのク
ロマトグラフィーによって精製する。その精製溶液を高
い減圧状態で乾燥させ、得られた残留物をアセトンで洗
浄する。
これにより、1,3−ジピバロイルグリセロ−2−ホスホ
リル−L−セリン3.5gが得られる。薄層クロマトグラフ
ィーでは以下のRf値を有する; CHCl3:CH3OH:H2O(60:30:4) Rf値=0.13。
実施例3 1,3−ジミリストイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン 実施例2における操作と同様の操作によって、1,3−ジ
ミリストイルグリセロ−2−ホスホリル−L−セリンが
得られる。薄層クロマトグラフィーは以下のRf値を示
す; CHCl3:CH3OH:H2O(60:30:4) Rf値=0.24。
実施例4 1−ミリストイル−2−デオキシグリセロ−3−ホスホ
−L−セリン a)イミダゾール55.7gを温トルエン500mlに溶解する。
トルエンを留去し、得られた残留物を塩化メチレン500m
lに取り、それを、攪拌子を備えた2000ml容量反応容器
に移す。−15℃に冷却した後、塩化メチレン350mlに溶
解した三塩化リン32.1gを加える。次いで、塩化メチレ
ン350ml中、トリエチルアミン47.3gを加え、10分後、塩
化メチレン500mlに溶解したモノミリストイル−1,3−プ
ロパンジオール17gを加える。
添加し終わったなら、温度を−5℃とし、1時間かけて
室温にする。30分後、溶媒を留去し、得られた残留物を
アセトン100mlに取り、溶液を−5℃に冷却し、攪拌下
に5%重炭酸ナトリウム水溶液1200mlを加える。
1時間経過後、得られた沈澱物を濾過し、水500mlで2
回、アセトン500mlで2回洗浄する。さらに温エチルエ
ーテル500mlで洗浄した後、1−ミリストイル−2−デ
オキシグリセロ−3−H−ホスホネート21gを得る。
b)1−ミリストイル−2−デオキシグリセロ−3−H
−ホスホネート18gおよびN−(terブトキシカルボニ
ル)−L−セリン21.3gを無水ピリジン500mlに溶解す
る。濃縮後、得られた残留物を無水ピリジン800ml中に
取り、5,5−ジメチル−2−オキソ−2−クロロ−1,3,2
−ジオキソホスホリナン[マックコンネル(McConnell
R.L.),コーバー(Coover H.W.),1959,24,630−635]
28.8g、得られた反応物を40℃で30分連続して攪拌しな
がら反応させる。
ピリジンを留去し、得られた残留物を高い減圧下で乾燥
させる。乾燥残留物を攪拌下に30分かけてエチルエーテ
ル100ml中に取り、次いで得られた塩を濾別し、溶液を
濃縮させる。
次に、ピリジン400mlを加えた後、水10mlおよびヨウ素2
6.4gを加え、15分間攪拌し、クロロホルム1000mlおよび
5%重亜硫酸ナトリウム水溶液1000mlを加える。
分離後、クロロホルム500mlを用いて洗浄を繰り返す。
クロロホルムを乾燥させ、濃縮する。得られた残留物を
アセトン1000ml中に取り、酢酸ナトリウムの1M水溶液16
0mlを加え、−15℃で1時間攪拌後、濾過し、高い減圧
下に乾燥させる。これにより、1−ミリストイル−2−
デオキシグリセロ−3−ホスホ−N−(terブトキシカ
ルボニル)−L−セリン17gを得る。
c)塩化メチレン250mlに懸濁させた1−ミリストイル
−2−デオキシグリセロ−3−ホスホ−N−(terブト
キシカルボニル)−L−セリン16gを、トリフルオロ酢
酸250mlおよび過塩素酸70%(250ml)の混液に0℃で攪
拌下に滴加する。
30分間放置し、クロロホルム600ml、水600mlおよびメタ
ノール300mlで希釈する。
炭酸ナトリウムの0.5M水溶液1200mlをゆっくりと加えた
後、分離する。
クロロホルム300mlで2回洗浄し、得られた溶液を濃縮
する。
メタノール1000mlで沈澱させた後、固体部をアセトンで
洗浄する。
得られた残留物を減圧下に乾燥する。
これにより、1−ミリストイル−2−デオキシグリセロ
−3−ホスホ−L−セリン8gを得る。
薄層クロマトグラフィー; 溶離剤:クロロホルム/メタノール/水(60:30:4) Rf値=0.10。
実施例5 1,3−ジミリストイルグリセロ−2−ホスホ−L−セリ
ン a)イミダゾール55.7gを温トルエン500mlに溶解する。
トルエンを留去し、得られた残留物を塩化メチレン500m
lに取り、それを、攪拌子を備えた2000ml容量反応容器
に移す。−15℃に冷却した後、塩化メチレン350mlに溶
解した三塩化リン32.1gを加える。次いで、塩化メチレ
ン350ml中、トリエチルアミン47.3gを加え、10分後、塩
化メチレン500mlに溶解した1,3−ジミリストイルグリセ
ロール30gを加える。
添加し終わったなら、温度を−5℃とし、1時間かけて
室温にする。30分後、溶媒を留去し、得られた残留物を
アセトン100mlに取り、溶液を−5℃に冷却し、攪拌下
に5%重炭酸ナトリウム水溶液1200mlを加える。
1時間経過後、得られた沈澱物を濾過し、水500mlで2
回、アセトン500mlで2回洗浄する。温エチルエーテル5
00mlでさらに洗浄した後、1,3−ジミリストイルグリセ
ロ−2−H−ホスホネート31gを得る。
薄層クロマトグラフィー:溶離剤=クロロホルム/メタ
ノール/水(60:30:4):Rf値=0.58。
b)1,3−ジミリストイルグリセロ−2−H−ホスホネ
ート30gおよびN−(terブトキシカルボニル)−L−セ
リン21.3gを無水プリジン500mlに溶解する。濃縮後、得
られた残留物を無水ピリジン800ml中に取り、5,5−ジメ
チル−2−オキソ−2−クロロ−1,3,2−ジオキソホス
ホリナン[マックコンネル(McConnell R.L.),コーバ
ー(Coover H.W.),1959,24,630−635]28.8g、得られ
た反応物を40℃で30分連続して攪拌しながら反応させ
る。
ピリジンを留去し、得られた残留物を高い減圧下で乾燥
させる。乾燥残留物を攪拌下に30分かけてエチルエーテ
ル1000ml中に取り、次いで得られた塩を濾別し、溶液を
濃縮させる。
次に、ピリジン400mlを加えた後、水10mlおよびヨウ素2
6.4gを加え、15分間攪拌し、クロロホルム1000mlおよび
5%重亜硫酸ナトリウム水溶液1000mlを加える。
分離後、クロロホルム500mlを用いて洗浄を繰り返す。
クロロホルムを乾燥させ、濃縮する。得られた残留物を
アセトン1000ml中に取り、酢酸ナトリウムの1M水溶液16
0mlを加え、−15℃で1時間攪拌後、濾過し、高い減圧
下に乾燥させる。これにより、1,3−ジミリストイルグ
リセロ−2−ホスホ−N−(terブトキシカルボニル)
−L−セリン34gを得る。分子量:801.98−C39H73O12PNN
a。
c)塩化メチレン250mlに懸濁させた1,3−ジミリストイ
ル−グリセロ−2−ホスホ−N−(terブトキシカルボ
ニル)−L−セリン25gを、トリフロオロ酢酸250mlおよ
び70%過塩素酸250mlの混液に0℃で攪拌下に滴加す
る。
30分間放置し、クロロホルム600ml、水600mlおよびメタ
ノール300mlで希釈する。
炭酸ナトリウムの0.5M水溶液1200mlをゆっくりと加えた
後、分離する。
クロロホルム300mlで2回洗浄し、得られた溶液を濃縮
する。
メタノール1000mlで沈澱させた後、固体部をアセトンで
洗浄する。
得られた残留物を減圧下に乾燥する。
これにより、1,3−ジミリストイル−グリセロ−2−ホ
スホ−L−セリン18gを得る。
薄層クロマトグラフィー; 溶離剤:クロロホルム/メタノール/水(60:30:4) Rf値=0.28。
実施例6 1,3−ジパルミトリルグリセロ−2−ホスホ−L−セリ
ン a)イミダゾール50.5gを温トルエン450mlに溶解する。
トルエンを留去し、得られた残留物を塩化メチレン450m
lに取り、それを、攪拌子を備えた2000ml容量反応容器
に移す。−15℃に冷却した後、塩化メチレン350mlに溶
解した三塩化リン29.1gを加える。次いで、塩化メチレ
ン350ml中、トリエチルアミン42.9gを加え、10分後、塩
化メチレン600mlに溶解した1,3−ジパルミトリルグリセ
ロール30gを加える。
添加し終わったなら、温度を−5℃とし、1時間かけて
室温にする。30分後、溶媒を留去し、得られた残留物を
アセトン100mlに取り、溶液を−5℃に冷却し、攪拌下
に5%重炭酸ナトリウム水溶液1000mlを加える。
1時間経過後、得られた沈澱物を濾過し、水500mlで2
回、アセトン500mlで2回洗浄する。温エチルエーテル5
00mlでさらに洗浄した後、1,3−ジパルミトリルグリセ
ロ−2−H−ホスホネート32gを得る。
薄層クロマトグラフィー:溶離剤=クロロホルム/メタ
ノール/水(60:30:4):Rf値=0.60。
b)1,3−ジパルミトリルグリセロ−2−H−ホスホネ
ート30gおよびN−(terブトキシカルボニル)−L−セ
リン19.3gを無水ピリジン500mlに溶解する。濃縮後、得
られた残留物を無水ピリジン800ml中に取り、5,5−ジメ
チル−2−オキソ−2−クロロ−1,3,2−ジオキソホル
ホリナン[マックコンネル(McConnell R.L.),コーバ
ー(Coover H.W.),1959,24,630−635]26g、得られた
反応物を40℃で30分連続して攪拌しながら反応させる。
ピリジンを留去し、得られた残留物を高い減圧下で30分
間乾燥させる。乾燥残留物を攪拌下に30分かけてエチル
エーテル1000ml中に取り、次いで得られた塩を濾別し、
溶液を濃縮させる。
次に、ピリジン400mlを加えた後、水10mlおよびヨウ素2
3.8gを加え、15分間攪拌し、クロロホルム1000mlおよび
5%重亜硫酸ナトリウム水溶液900mlを加える。
分離後、クロロホルム500mlを用いて洗浄を繰り返す。
クロロホルムを乾燥させ、濃縮する。得られた残留物を
アセトン1000ml中に取り、酢酸ナトリウムの1M水溶液15
0mlを加え、−15℃で1時間攪拌後、濾過し、高い減圧
下に乾燥させる。これにより、1,3−ジパルミトリルグ
リセロ−2−ホスホ−N−(terブトキシカルボニル)
−L−セリン35gを得る。薄層クロマトグラフィー:溶
離剤=クロロホルム/メタノール/水(60:30:4),Rf値
=0.31。
c)塩化メチレン250mlに懸濁させた1,3−ジパルミトリ
ル−グリセロ−2−ホスホ−N−(terブトキシカルボ
ニル)−L−セリン30gを、トリフルオロ酢酸250mlおよ
び70%過塩素酸250mlの混液に0℃で攪拌下に滴加す
る。
30分間放置し、クロロホルム600ml、水600mlおよびメタ
ノール300mlで希釈する。
炭酸ナトリウムの0.5M水溶液1200mlをゆっくりと加えた
後、分離する。
クロロホルム300mlで2回洗浄し、得られた溶液を濃縮
する。
メタノール1000mlで沈澱させた後、固体部をアセトンで
洗浄する。
得られた残留物を減圧下に乾燥する。
これにより、1,3−ジパルミトリル−グリセロ−2−ホ
スホ−L−セリン19gを得る。
薄層クロマトグラフィー; 溶離剤:クロロホルム/メタノール/水(60:30:4) Rf値=0.28。
実施例7 1,3−ジステアロイルグリセロ−2−ホスホ−L−セリ
ン a)イミダゾール45.8gを温トルエン400mlに溶解する。
トルエンを留去し、得られた残留物を塩化メチレン400m
lに取り、それを、攪拌子を備えた2000ml容量反応容器
に移す。−15℃を冷却した後、塩化メチレン300mlに溶
解した三塩化リン19.8gを加える。次いで、塩化メチレ
ン300ml中、トリエチルアミン38.9gを加え、10分後、塩
化メチレン500mlに溶解した1,3−ジステアロイルグリセ
ロール30gを加える。
添加し終わったなら、温度を−5℃とし、1時間かけて
室温にする。30分後、溶媒を留去し、得られた残留物を
アセトン100mlに取り、溶液を−5℃に冷却し、攪拌下
に5%重炭酸ナトリウム水溶液800mlを加える。
1時間経過後、得られた沈澱物を濾過し、水500mlで2
回、アセトン500mlで2回洗浄する。温エチルエーテル5
00mlでさらに洗浄した後、1,3−ジステアロイルグリセ
ロ−2−H−ホスホネート31gを得る。
薄層クロマトグラフィー:溶離剤=クロロホルム/メタ
ノール/水(60:30:4):Rf値=0.61。
b)1,3−ジステアロイルグリセロ−2−H−ホスホネ
ート30gおよびN−(terブトキシカルボニル)−L−セ
リン17.6gを無水ピリジン500mlに溶解する。濃縮後、得
られた残留物を無水ピリジン800ml中に取り、5,5−ジメ
チル−2−オキソ−2−クロロ−1,3,2−ジオキソホス
ホリナン[マックコンネル(McConnell R.L.),コーバ
ー(Coover H.W.),1959,24,630−635]23.8g、得られ
た反応物を40℃で30分連続して攪拌しながら反応させ
る。
ピリジンを留去し、得られた残留物を高い減圧下に30分
間乾燥させる。乾燥残留物を攪拌下に30分かけてエチル
エーテル1000ml中に取り、次いで得られた塩を濾別し、
溶液を濃縮させる。
次に、ピリジン400mlを加えた後、水10mlおよびヨウ素2
1.8gを加え、15分間攪拌し、クロロホルム1000mlおよび
5%重亜硫酸ナトリウム水溶液850mlを加える。
分離後、クロロホルム500mlを用いて洗浄を繰り返す。
クロロホルムを乾燥させ、濃縮する。得られた残留物を
アセトン1000ml中に取り、酢酸ナトリウムの1M水溶液15
0mlを加え、−15℃で1時間攪拌後、濾過し、高い減圧
下に乾燥させる。これにより、1,3−ジステアロイルグ
リセロ−2−ホスホ−N−(terブトキシカルボニル)
−L−セリン34gを得る。薄層クロマトグラフィー:溶
離剤=クロロホルム/メタノール/水(60:30:4),Rf値
=0.33。
c)塩化メチレン250mlに懸濁させた1,3−ジステアロイ
ル−グリセロ−2−ホスホ−N−(terブトキシカルボ
ニル)−L−セリン30gを、トリフルオロ酢酸250mlおよ
び70%過塩素酸250mlの混液に0℃で攪拌下に滴加す
る。
30分間放置し、クロロホルム600ml、水600mlおよびメタ
ノール300mlで希釈する。
炭酸ナトリウムの0.5M水溶液1200mlをゆっくりと加えた
後、分離する。
クロロホルム300mlで2回洗浄し、得られた溶液を濃縮
する。
メタノール1000mlで沈澱させた後、固体部をアセトンで
洗浄する。
得られた残留物を減圧下に乾燥する。
これにより、1,3−ジステアロイル−グリセロ−2−ホ
スホ−L−セリン18gを得る。
薄層クロマトグラフィー; 溶離剤:クロロホルム/メタノール/水(60:30:4) Rf値=0.29。
上記の一般式に概説した方法に従えば、一般式(I)で
示される本発明化合物をすべて得ることができる。
本発明の活性成分は、既述した病的状態に有効である医
薬組成物、具体的には活性成分20−1000mg、好ましくは
40−350mgを製剤技術で通常使用される賦形剤と共に含
有する、経口または非経口的に投与できる医薬組成物を
調製するために使用することができる。
一般式(I)で示されるホスファチジル・セリン誘導
体、またはその薬学的に許容され得る塩の治療学的有効
量を投与することを特徴とする、ニューロン障害に由来
するヒト疾患を治療するための治療方法は、2−4回投
与/日の計画で、活性物質10−80mg/kg/日を、好ましく
は20−50mg/kg/日を投与して行う。
本発明の注射用医薬組成物は、好ましくは中枢神経系の
疾患で緊急を要する場合に使用され、より具体的には、
これら医薬組成物は、酸素欠乏性脳疾患、外傷性症候
群、老人性および初老性痴呆症、ならびに代謝性脳疾患
に使用することができる。
経口投与に適した本発明の医薬組成物は、好ましくは慢
性病の治療に使用することができ、より具体的には、こ
れら医薬組成物は、外傷、酸素欠乏性脳疾患後、および
錐体外路系症候群の結果としての精神運動老人性退縮症
候群、慢性血管脳疾患、加齢性代謝脳疾患、老人外傷性
症候群および初老症候群の慢性的治療にも使用すること
ができる。
以下に、本発明にしたがって調製できる医薬組成物の製
剤例を幾つか記載するが、これらは単に説明を目的とす
るのみである。
注射用医薬組成物 製剤例1 以下の組成からなる2ml容量バイアル: 1,3−ジパルミトイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン 40.0mg 一塩基リン酸ナトリウム 2.4mg 二塩基リン酸ナトリウム 2.26mg 非発熱性の2回蒸留水 適量加え2mlとする。
製剤例2 以下の組成からなる2ml容量バイアル: 1,3−ジピバロイルグリセロ−2−ホスホリル−L−セ
リン 40.0mg 一塩基リン酸ナトリウム 2.4mg 二塩基リン酸ナトリウム 2.26mg 非発熱性の2回蒸留水 適量加え2mlとする。
製剤例3 以下の組成からなる2ml容量バイアル: 1,3−ジミリストイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン 40.0mg 一塩基リン酸ナトリウム 2.4mg 二塩基リン酸ナトリウム 2.26mg 非発熱性の2回蒸留水 適量加え2mlとする。
製剤例4 以下の組成からなる3ml容量バイアル: 1,3−ジパルミトイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン 80.0mg 一塩基リン酸ナトリウム 3.21mg 二塩基リン酸ナトリウム 3.39mg マンニトール 30mg 非発熱性の2回蒸留水 適量加え3mlとする。
製剤例5 以下の組成からなる3ml容量バイアル: 1,3−ジピバロイルグリセロ−2−ホスホリル−L−セ
リン 80.0mg 一塩基リン酸ナトリウム 3.21mg 二塩基リン酸ナトリウム 3.39mg マンニトール 30mg 非発熱性の2回蒸留水 適量加え3mlとする。
製剤例6 以下の組成からなる3ml容量バイアル: 1,3−ジミリストイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン 80.0mg 一塩基リン酸ナトリウム 3.21mg 二塩基リン酸ナトリウ3 3.39mg マンニトール 30mg 非発熱性の2回蒸留水 適量加え3mlとする。
製剤例7 以下の組成からなるゼラチンカプセル: 1,3−ジパルミトイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン 120mg 植物油 270mg 蜜蝋 1mg 製剤例8 以下の組成からなるゼラチンカプセル: 1,3−ジピバロイルグリセロ−2−ホスホリル−L−セ
リン 120mg 植物油 270mg 蜜蝋 1mg 製剤例9 以下の組成からなるゼラチンカプセル: 1,3−ジミリストイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン 120mg 植物油 270mg 蜜蝋 1mg 製剤例10 以下の組成からなるゼラチンカプセル: 1,3−ジパルミトイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン 320mg 植物油 270mg 蜜蝋 1mg 製剤例11 以下の組成からなるゼラチンカプセル: 1,3−ジピバロイルグリセロ−2−ホスホリル−L−セ
リン 320mg 植物油 270mg 蜜蝋 1mg 製剤例12 以下の組成からなるゼラチンカプセル: 1,3−ジミリストイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン 320mg 植物油 270mg 蜜蝋 1mg 製剤例13 以下の組成からなる糖衣錠: 1,3−ジパルミトイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン 60mg マンニトール 100mg 微結晶セルロース 25mg 澱粉 5mg スクロース 30mg ラッカー 5mg 製剤例14 以下の組成からなる糖衣錠: 1,3−ジピバロイルグリセロ−2−ホスホリル−L−セ
リン 60mg マンニトール 100mg 微結晶セルロース 25mg 澱粉 5mg スクロース 30mg ラッカー 5mg 製剤例15 以下の組成からなる糖衣錠: 1,3−ジミリストイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン 60mg マンニトール 100mg 微結晶セルロース 25mg 澱粉 5mg スクロース 30mg ラッカー 5mg 製剤例16 以下の組成からなるカシェ剤: 1,3−ジパルミトイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン 185mg マンニトール 100mg ラクトース 100mg 製剤例17 以下の組成からなるカシェ剤: 1,3−ジピバロイルグリセロ−2−ホスホリル−L−セ
リン 185mg マンニトール 100mg ラクトース 100mg 製剤例18 以下の組成からなるカシェ剤: 1,3−ジミリストイルグリセロ−2−ホスホリル−L−
セリン 185mg マンニトール 100mg ラクトース 100mg

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I): [式中、AはH、−(CH2)n−O−CO−R1(ここに、
    nは1または2)であり、 Bは−(CH2)m−O−CO−R2(ここに、mは1、2、
    3または4)であり、 Xは、アルカリもしくはアルカリ土類金属、1級、2
    級、3級アミンもしくは4級アンモニウムまたは脂肪
    族、芳香族もしくはヘテロ環の塩基であり、 R1およびR2は同一または異なって、脂肪族、芳香族、芳
    香脂肪族、脂環式、またはヘテロ環式化合物の酸の基で
    ある。 ただし、Aが−(CH2)n−O−CO−R1である場合、m
    は1または2である。 また、lは0または1であり、lが1の場合はセリンは
    内部塩でない。 また、Aが−(CH2)n−O−CO−R1であり、nおよび
    mが1である場合、R1およびR2はC11H23でない。 さらにまた、AがHであり、mが1または2である場
    合、R2はC17H33でない。] で示されるセリン誘導体。
  2. 【請求項2】R1およびR2が、最大で炭素数20個を有する
    飽和またはモノ−もしくはポリ−不飽和脂肪酸の基であ
    る請求項1に記載のセリン誘導体。
  3. 【請求項3】R1およびR2が吉草酸、ラウリン酸、ミリス
    チン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、ステアリ
    ン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、またはア
    ラキドン酸の基である請求項1に記載のセリン誘導体。
  4. 【請求項4】R1およびR2がヒドロキシ酸基である請求項
    1に記載のセリン誘導体。
  5. 【請求項5】R1およびR2がアミノ酸基である請求項1に
    記載のセリン誘導体。
  6. 【請求項6】R1およびR2がベンゼン環が置換されている
    ことある安息香酸の基である請求項1に記載のセリン誘
    導体。
  7. 【請求項7】R1およびR2が二カルボン酸基である請求項
    1に記載のセリン誘導体。
  8. 【請求項8】一般式(I): [式中、AはH、−(CH2)n−O−CO−R1(ここに、
    nは1または2)であり、 Bは−(CH2)m−O−CO−R2(ここに、mは1、2、
    3または4)であり、 R1およびR2は同一または異なって、脂肪族、芳香族、芳
    香脂肪族、脂環式、またはヘテロ環式化合物の酸の基で
    ある。 ただし、Aが−(CH2)n−O−CO−R1である場合、m
    は1または2である。] で示さされるセリン誘導体の製造方法であって、 式(II): [式中、AおよびBは前記の定義と同意義であり、Zは
    HまたはOHである] で示されるリン酸誘導体をN−カルボベンジルオキシ−
    L−セリン・ベンジルエステルと、縮合剤の存在下に反
    応させ、 これにより得られた式(IV): [式中、A、BおよびZは既述の定義と同意義である] で示される化合物を接触水素添加する、 ことを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】a)式(II)で示されるリン酸誘導体を式
    (III)で示されるN−カルボベンジルオキシ−L−セ
    リン・ベンジルエステルと縮合剤および不活性有機溶媒
    の存在下に反応させ、 [式中、A、B、R1、R2およびZは前記の定義と同意義
    である] b)得られた溶液を加熱して溶媒を蒸発させ、 c)得られた残留物を適当な有機溶媒に取り、その溶液
    を精製して式(IV)で示される化合物を得、 d)化合物(IV)を適当な有機溶媒に溶解し、水素添加
    触媒の存在下に水素添加し、ただし、ZがHの場合、
    d)工程は以下のように改変する: 精製フラクションを適当な有機溶媒に溶解し、適当な酸
    化剤、好ましくは含水ピリジン中のヨウ素で酸化し、 e)その溶液を精製して濃縮し、 f)得られた沈殿物を乾燥し、式(V): [式中、AおよびBは前記の定義と同意義である]で示
    される化合物を得ることを特徴とする請求項8に記載の
    方法。
  10. 【請求項10】工程(a)において、適当な有機溶媒を
    三級有機塩基の中から選択することができ、好ましくは
    ピリジンまたはキノリンを選択し、 工程(b)において、温度約40℃から約80℃で、約10−
    60分間、攪拌下に加熱し、次いで室温で2−3時間放置
    し、 工程(c)において、得られた残留物を減圧下に乾燥
    し、エチル−またはイソプロピルエーテルに取り、沈殿
    物を濾別し、得られたエーテル層を塩酸および水で洗浄
    し、溶媒を留去し、 工程(d)において、好ましい溶媒として酢酸を使用
    し、水素添加をパラジウム−炭素を使用して行い、 工程(e)において、溶液をセライトまたは他の同様
    のフィルター・エイドで濾過し、減圧下に留去する、 ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】一般式(I): [式中、AはH、−(CH2)n−O−CO−R1(ここに、
    nは1または2)であり、 Bは−(CH2)m−O−CO−R2(ここに、mは1、2、
    3または4)であり、 Xは、アルカリもしくはアルカリ土類金属、1級、2
    級、3級アミンもしくは4級アンモニウムまたは脂肪
    族、芳香族もしくはヘテロ環の塩基であり、 R1およびR2は同一または異なって、脂肪族、芳香族、芳
    香脂肪族、脂環式、またはヘテロ環式化合物の酸の基で
    ある。ただし、Aが−(CH2)n−O−CO−R1である場
    合、mは1または2である。 また、lは0または1であり、lが1の場合はセリンは
    内部塩でない。] で示される化合物を少なくとも1つ活性成分として含有
    してなる、脳代謝の減退に伴うヒト疾患の治療、および
    脂肪低下剤として有用である医薬組成物。
  12. 【請求項12】R1およびR2が、最大で炭素数20個を有す
    る飽和またはモノ−もしくはポリ−不飽和脂肪酸の基で
    あり、好ましくは吉草酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
    パルミチン酸、パルミトオレイン酸、ステアリン酸、オ
    レイン酸、リノール酸、リノレン酸、またはアラキドン
    酸の基である請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】R1およびR2がヒドロキシ酸、アミノ酸、
    二カルボン酸、または置換されていることある芳香族酸
    の基である請求項11に記載の医薬組成物。
  14. 【請求項14】老齢期に代表的なヒト疾患、アルツハイ
    マー病、一般には記憶喪失および老人性痴呆症、一般に
    は酸素欠乏および浮腫の状態、脳疲労、神経内分泌およ
    び免疫的変調に対して有効である請求項11に記載の医薬
    組成物。
  15. 【請求項15】活性成分の含量が20−1000mgである請求
    項11に記載の医薬組成物。
  16. 【請求項16】活性成分の含量が40−350mgである請求
    項15に記載の医薬組成物。
  17. 【請求項17】一般式(I): [式中、AはH、−(CH2)n−O−CO−R1(ここに、
    nは1または2)であり、 Bは−(CH2)m−O−CO−R2(ここに、mは1、2、
    3または4)であり、 Xは、アルカリもしくはアルカリ土類金属、1級、2
    級、3級アミンもしくは4級アンモニウムまたは脂肪
    族、芳香族もしくはヘテロ環の塩基であり、 R1およびR2は同一または異なって、脂肪族、芳香族、芳
    香脂肪族、脂環式、またはヘテロ環式化合物の酸の基で
    ある。ただし、Aが−(CH2)n−O−CO−R1である場
    合、mは1または2である。 また、lは0または1であり、lが1の場合はセリンは
    内部塩でない。] で示される化合物を少なくとも1つ活性成分として含有
    してなる医薬組成物の有効量を投与することを特徴とす
    る、脳代謝の減退に伴うヒトを除く哺乳動物の疾患を処
    置するための治療方法。
  18. 【請求項18】R1およびR2が、最大で炭素数20個を有す
    る飽和またはモノ−もしくはポリ−不飽和脂肪酸の基で
    あり、好ましくは吉草酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
    パルミチン酸、パルミトオレイン酸、ステアリン酸、オ
    レイン酸、リノール酸、リノレン酸、またはアラキドン
    酸の基である請求項17に記載の治療方法。
  19. 【請求項19】R1およびR2がヒドロキシ酸、アミノ酸、
    二カルボン酸、または置換されていることある芳香族酸
    の基である請求項17に記載の治療方法。
  20. 【請求項20】一般式(I): [式中、AはH、−(CH2)n−O−CO−R1(ここに、
    nは1または2)であり、 Bは−(CH2)m−O−CO−R2(ここに、mは1、2、
    3または4)であり、 Xは、アルカリもしくはアルカリ土類金属、1級、2
    級、3級アミンもしくは4級アンモニウムまたは脂肪
    族、芳香族もしくはヘテロ環の塩基であり、 R1およびR2は同一または異なって、脂肪族、芳香族、芳
    香脂肪族、脂環式、またはヘテロ環式化合物の酸の基で
    ある。ただし、Aが−(CH2)n−O−CO−R1である場
    合、mは1または2である。 また、lは0または1であり、lが1の場合はセリンは
    内部塩でない。] で示される化合物を少なくとも1つ活性成分として含有
    してなる医薬組成物の治療学的有効量を投与することを
    特徴とする、老齢期に代表的なヒト疾患、アルツハイマ
    ー病、一般には記憶喪失および老人性痴呆症、酸素欠乏
    および浮腫症状、脳疲労、神経内分泌および免疫的変
    調、高トリグリセリド血症を処置するためのヒトを除く
    哺乳動物の治療方法。
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