JPH0734493U - 電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鍵盤装置の組立精度が向上し、鍵押下時の鍵
盤スイッチの作動時点すなわち発音時点がばらつかない
鍵盤装置を得る。 【構成】 白鍵１₁及び黒鍵１₂は、鍵盤スイッチ３を搭
載したプリント基板２に回動自在に保持されている。複
数個の白鍵１₁及び黒鍵１₂は、夫々樹脂で一体成形によ
りヒンジ部４₁及び４₂を介して共通取付部５₁及び５₂に
連結されており、共通取付部５₁及び５₂を保持部材６を
介してネジ７でプリント基板２に固着される。プリント
基板２は、図示しない楽器本体の棚板等に取り付けられ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば電子ピアノのような電子楽器の鍵盤装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の電子楽器の鍵盤装置は、例えば、図３に示すように、鍵盤フレームａに 、鍵ｂ₁及びｂ₂が回転自在に保持され、また配線基板ｃが取り付けられている。 この配線基板ｃには、例えば鍵ｂ₁の押下により作動する鍵盤スイッチｄが設け られている。この鍵盤スイッチｄは、光源ｅと受光器ｆとから成り、この鍵盤ス イッチｄを作動するアクチュエータとして光源ｅからの光を反射する反射板ｇが 鍵ｂ₁の裏面に設けられている。鍵ｂ₁を押下すると、反射板ｇは、反射光を鍵盤 スイッチｄの受光器ｆに入射させ、受光器ｆから押鍵信号を出力するように作用 する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来の鍵盤装置は、鍵盤フレームａに、鍵ｂ₁、ｂ₂と、鍵盤スイッチ ｄを搭載した配線基板ｃがそれぞれ保持されているので、それぞれの組立精度の 程度により、鍵ｂ₁、ｂ₂と鍵盤スイッチｄの相対位置が変化し、鍵ｂ₁、ｂ₂押下 時の鍵盤スイッチｄの作動時点すなわち発音時点がばらつくなどの課題があった 。

【０００４】 本考案は、従来のこのような課題を解決することをその目的とするものである 。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の目的を達成するために、鍵の押下により作動する鍵盤スイッ チが設けられた配線基板を備えた電子楽器の鍵盤装置において、前記鍵は前記配 線基板に回動自在に保持されたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

鍵盤スイッチと鍵とは、共に配線基板を保持体としているので、それぞれを別 個の保持体に組立てる場合に比べて鍵と鍵盤スイッチの相対関係が安定し、鍵押 下時の鍵盤スイッチの作動時点すなわち、発音時点がばらつかない。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案の実施例を図面につき説明する。 図１は、本考案の一実施例を示す。 同図において、１₁及び１₂は白鍵及び黒鍵、２は配線基板としてのプリント基 板、３は鍵盤スイッチである。複数個の白鍵１₁及び複数個の黒鍵１₂は夫々樹脂 で一体成形によりヒンジ部４₁及び４₂を介して共通取付部５₁及び５₂に連結され ており、共通取付部５₁及び５₂を保持部材６を介して重ねてネジ７でプリント基 板２に取り付けることによりプリント基板２上に回動自在に保持される。このプ リント基板２には、白鍵１₁及び黒鍵１₂に設けたアクチュエータ８の押下により 作動する鍵盤スイッチ３と上限ストッパ・フェルト９及び下限ストッパ・フェル ト１０が配設されている。鍵盤スイッチ３は、例えばプリント基板面に配設され た、固定接点（図示しない）と内部に可動接点が設けられたゴム等から成る逆椀 形状部材１１とで構成され、該部材が白鍵１₁又は黒鍵１₂のアクチュエータ８に より押下されて変形したとき、可動接点と固定接点が開成するようになっている 。プリント基板２は、図示しない楽器本体の棚板等に取り付けられる。

【０００８】 １２は、プリント基板２の縁部の白鍵１₁及び黒鍵１₂に対応した位置に設けら れた白鍵１₁及び黒鍵１₂の横方向の揺動を規制する鍵ガイドで、該鍵ガイド１２ は白鍵１₁及び黒鍵１₂のそれぞれの下方突出部の横断面がコ字状の内壁に嵌合す る。１３は該下方突出部の側壁の一方に形成されたストッパで、該ストッパ１３ は、離鍵時、上限ストッパ・フェルト９に当接する。

【０００９】 この実施例によれば、白鍵１₁及び黒鍵１₂の回動範囲を規制する上限ストッパ ・フェルト９及び下限ストッパ・フェルト１０もプリント基板２に設けられてい るので、上限ストッパ・フェルト９及び下限ストッパ・フェルト１０が鍵盤フレ ームに設けられている場合に比べて鍵盤スイッチ１１と上限ストッパ・フェルト ９及び下限ストッパ・フェルト１０の相対位置関係が安定し、押鍵時における鍵 盤スイッチの作動時点すなわち発音時点及び離鍵時における鍵盤スイッチの不作 動時点すなわち消音時点がより一層安定する。

【００１０】 また鍵ガイド１２がプリント基板２に設けられているので、鍵盤フレームに設 けられている場合に比べて鍵盤スイッチ３に対する白鍵１₁及び黒鍵１₂に対する 横方向位置が安定し、白鍵１₁及び黒鍵１₂による鍵盤スイッチ３の作動がより一 層安定する。

【００１１】 図２は、本考案の他の実施例を示す。 この実施例では、白鍵１₁及び黒鍵１₂と鍵盤スイッチ４を保持するプリント基 板２は、鍵盤フレーム１５に搭載され、白鍵１₁及び黒鍵１₂をプリント基板２に 取り付けるネジ７により固着される。

【００１２】 同図において、１３ａは、白鍵１₁及び黒鍵１₂のそれぞれの下方に突設し、上 限ストッパ・フェルト９に当接するＬ字形のストッパで、この水平部は、鍵盤フ レーム１５に形成されたスリットを通り、鍵盤フレーム１５の下面に設けられた 鍵ガイド１２ａによってガイドされ、白鍵１₁及び黒鍵１₂の横方向の揺動が規制 される。

【００１３】 尚、鍵盤スイッチ４は、実施例のように機械的なスイッチに限られず、図３に 示すような光等を利用した無接点スイッチでもよい。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、上述の通り、鍵が、鍵盤スイッチが搭載された配線基板に回動自在 に保持されているので、鍵盤装置の組立精度が向上し、鍵押下時の鍵盤スイッチ の作動時点すなわち発音時点がばらつかない等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例の側面図

【図２】 本考案の他の実施例の側面図

【図３】 従来の電子楽器の鍵盤装置の一部切除した側
面図

【符号の説明】

１₁、１₂ 白鍵及び黒鍵 ２ プリント
基板 ３ 鍵盤スイッチ ４₁、４₂ ヒンジ部 ５₁、５₂ 共通取付部 ６ 保持部材 ８ アクチュエータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鍵の押下により作動する鍵盤スイッチが
   設けられた配線基板を備えた電子楽器の鍵盤装置におい
   て、前記鍵は前記配線基板に回動自在に保持されたこと
   を特徴とする電子楽器の鍵盤装置。