JPH0734410B2 - 磁気ヘッドの巻線方法 - Google Patents

磁気ヘッドの巻線方法

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JPH0734410B2
JPH0734410B2 JP27211588A JP27211588A JPH0734410B2 JP H0734410 B2 JPH0734410 B2 JP H0734410B2 JP 27211588 A JP27211588 A JP 27211588A JP 27211588 A JP27211588 A JP 27211588A JP H0734410 B2 JPH0734410 B2 JP H0734410B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、例えばビデオテープレコーダ(VTR)の磁
気ヘッドに用いる磁気コアの微小な巻線孔に巻線を自動
的に施すための磁気ヘッドの巻線方法に関する。
[従来の技術] 第17図はVTR用の磁気ヘッド1の一例を示すもので、一
対のハーフコア2a,2bを接合した磁気コア2が台板3の
頂部に固定され、ハーフコア2a,2bの間に形成された巻
線孔4にはワイヤ5が巻き付けられている。この磁気コ
ア2においては巻線孔4がギャップ6の近くになるよう
にかつその大きさを小さくするように設定しており、こ
れにより磁気特性を向上させるようにしている。その結
果、巻線孔4が磁気ヘッド1の側面の巻掛部7より上側
に位置することにより、巻線が第18図に示すように外側
に向かうに従い下降するよう傾斜している。
上記のような磁気ヘッド1は、情報記録の高密度化に伴
いますます小型化されており、近年では0.35×0.3mm□
の巻線孔6に、0.01mmφの巻線をおよそ5〜10回程度施
すことが要求される。このような作業は非常に緻密な作
業であり、従来は人手によって行なわれていたが、熟練
を要する作業であり、能率も悪いので最近その機械化が
図られ、種々の装置が提案されている。
特開昭61−259515号公報に記載されたものはその一例で
あり、これは、コアを所定位置で保持する回動可能なコ
ア保持手段と、コアの巻線孔にワイヤを挿通するワイヤ
挿通手段と、このワイヤをチャックして巻線孔から引き
出す引き出し手段と、引き出したワイヤをコアの外側に
巻き付ける巻き付け手段とを備えた構成となっている。
上記巻き付け手段は、コア保持手段を中心に旋回可能な
旋回アームに開閉爪を有する旋回チャックが該旋回アー
ムに沿って摺動自在に設置されているもので、巻線孔か
ら引き出されたワイヤの一端を上記旋回チャックにより
保持しつつ旋回アームを旋回させ、コアに巻線を施すよ
うに構成されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記のような従来の技術においては、巻
き付けの都度旋回アームを旋回させる必要があるから巻
き付けに時間がかかり、能率の向上が不充分であるとい
う解決すべき課題があった。
また、このような巻線方法においては、巻き付けが終わ
ったワイヤを充分締め付けることができないため、微細
な磁気コアへのワイヤの巻き付けが円滑になされない、
あるいは巻き戻りが生じるなどの課題もあった。
[課題を解決するための手段] 上記のような課題を解決するために、この発明は、直立
させた磁気コアの一面より磁気コアの巻線孔にワイヤを
挿通させる挿通工程と、磁気コアの他面側からワイヤの
先端を引き出す引出工程と、磁気コアを巻線孔において
ワイヤが鈍角をもって屈曲するように傾けてワイヤに張
力をかける締め付け工程と、磁気コアを水平面内で回転
させてワイヤを磁気コアに巻き付ける巻付工程とにより
巻線を行うようにしたものである。傾斜角度は45度すな
わちワイヤの屈曲角度が135度くらいになるようにする
のがよいが、ワイヤの強度や巻線孔との摩擦係数、巻き
付け能率などを考慮して適当な値に設定すればよい。
[作用] 上記の構成の巻線方法においては、挿通工程においてワ
イヤをコアの一面より挿通し、次いで引出工程において
挿通したワイヤの先端を引き出す。このときには、磁気
コアはワイヤの移動方向に正対しているが、ここで磁気
コアを、ワイヤが巻線孔の角において鈍角をもって屈曲
するように傾動する。この角度は通常45度程度が適当で
あり、このときにはワイヤは135度の鈍角をもって屈曲
する。そして、ワイヤが巻線孔の角に当たって緊張する
までワイヤを引き出し、さらに適当な張力をかける。す
ると、ワイヤは巻線孔の角において擦れながら締め付け
が行われる。ここで、ワイヤは巻線孔において鈍角を形
成しているから、既に巻き付けられたワイヤの最後の部
分に適度の張力が付与され、締め付けが充分になされ
る。しかも、ワイヤの局部的延びがなく、切断などに至
ることも防止される。そして、保持台を半回転させると
ワイヤがハーフコアに半分巻き付けられ、これを順次繰
り返せば、滑らかな多数回の巻線が施される。
[実施例] 以下、図面を参照してこの発明の実施例のを説明する。
第1図は、この発明の巻線方法に用いる磁気ヘッド用巻
線機の構成(右側半分のみ)を示すもので、左右に広が
る基台8の中央部に磁気コアを保持する保持台10、その
上方から後方にかけてワイヤ案内装置20、保持台10の左
右両側にワイヤ7を巻線孔6に押し込む押込装置50、そ
の両側に巻線孔6を挿通したワイヤ7を把持し引き出す
引出装置80が順次配列されている。
第2図は保持台10を示すもので、昇降自在かつ水平面内
で回動自在なテーブル11上に台板5を直立させて保持す
る固定部12が設けられており、さらに台板5を固定する
クランプ13と、台板3に当接してがたをなくすための押
し付け装置15が設けられている。なお、14は、巻線中の
ワイヤの緩みを防止するために、コアの側面を押さえる
ワイヤクランプであり、金属製の針金の先端に柔軟性を
有する例えばシリコンゴムなどから成るワイヤ押さえ部
材14aが取り付けられて構成され、図示しない駆動機構
により開閉されるようになっている。
第3図はワイヤ案内装置20を示している。このワイヤ案
内装置20は、巻線機の中央後方に立設された支持板21に
対してスライド機構22を介して昇降自在に取り付けられ
た第1取付板23と、この第1取付板23にスライド機構24
を介して前後進退自在に取り付けられた第2取付板25
と、この第2取付板25の前端に垂下して取り付けられた
ガイドダイス保持部材26とを備えて構成されている。こ
のガイドダイス保持部材26は、第2取付板25の先端の軸
受に垂直にかつ水平面内回動自在に支持された筒状部27
とその下端の保持部28とからなり、保持部28にはガイド
ダイス29がその位置を上記筒状部27の回転中心に対して
偏心させて取り付けられている。上記筒状部27にはタイ
ミングプーリ30が取り付けられ、このタイミングプーリ
30は第2取付板25の後端側に設けられた位置切換用シリ
ンダ31により回転されるギア32とタイミングベルト33を
介して連絡され、この位置切換用シリンダ31の作動によ
り筒状部27を反転させて上記ガイドダイス29の位置を磁
気コア4に対して左右対称位置に切り換えるようにして
いる。なお、上記の上下方向及び前後方向のスライド機
構22,24は、それぞれスライド板34,35と、駆動用シリン
ダ36,37と位置決めストッパ(図示略)から構成されて
いる。また、第2取付板25の先端のL字金具40にはダイ
ス開閉用シリンダ41が設置され、このシリンダ41の作動
端は筒状部27を挿通して上記ガイドダイス29の開閉機構
(図示略)に連結されており、このダイス開閉用シリン
ダ29の作動によりガイドダイス29を開閉するようにして
いる。ガイドダイス29は磁気コア4の直前に置かれてワ
イヤ7を巻線孔6に導くもので、超硬素材からなる一対
の平板29aが上記保持部28に上端でピン接続されて開閉
自在になっており、閉止時にはテーパ孔42と細孔43とか
らなるガイド孔44(第12図参照)が形成されるようにな
っている。
上記基台8には、スライド機構45を介して左右移動自在
に支持されたベースプレート46が設置され、基台8の端
部に設置された駆動モータ47及び減速機48を備えた駆動
機構49により左右に移動されるようになっている。そし
て、このベースプレート46上に、押込装置50及び引出装
置80が設けられている。
押込装置50は、第4図ないし第7図に示すように、ベー
スプレート46上に設置された第1基板52と、この第1基
板52上に設置されたシリンダ53により昇降される第2基
板54と、この第2基板54の前端の軸受55により水平面内
回動自在に支持された支持筒56と、この支持筒56の下端
に取り付けられた押込部57とを備えて構成され、第2基
板54の上面には上記支持筒56の外周に固定したタイミン
グプーリ58とタイミングベルト59を介して接続されたス
テッピングモータ60が設置されている。上記押込部57
は、上記支持筒56の下端に取り付けられた枠体61にハン
ドガイド62及びハンドクランプ63が設けられているもの
で、それぞれ一対の刃状体64,65が基部66,69に上端で枢
着されて開閉自在になっている。ハンドガイド62の基部
66にはガイド孔67が形成され、これを枠体61に設置した
ガイドバー68に挿通させて摺動自在に取り付けられてい
る。一方、ハンドクランプ63の基部69は枠体61に固定さ
れており、ハンドクランプ63との間には互いを離間する
方向に付勢するバネ70が取り付けられている。ハンドガ
イド62はワイヤ7をガイドするためのもので、その刃状
体64は、第8図に示すように、平面視においては一方が
凹部71、他方が凸部72を有しており、これが互いに嵌合
する形状となっている。またその横断面においては、そ
の厚さ中央にV字溝73が形成され、このV字溝73は凹部
71と凸部72が噛み合った状態でその中央にワイヤ7を挿
通する程度の穴が形成される寸法に設定されている。ハ
ンドクランプ63はワイヤ7を挾持するものであり、両刃
状体65が噛み合った状態でワイヤ7を一定の力で把持す
るようになっている。従って、両者が離間した状態で刃
状体64,65の間にワイヤを挟み、駆動モータ47を作動し
て押込装置50を保持台10側に進めると、ハンドガイド62
がワイヤ案内装置20に設けたストッパ(図示略)により
移動を規制され、以後はハンドクランプ63のみが前進し
てワイヤ7がハンドガイドのV字溝73より押し出される
ようになっている。第2基板54の先端に固定したL字金
具74にはハンドガイド62及びハンドクランプ63を開閉せ
しめるハンド開閉用シリンダ75が設けられている。
上記引出装置80は、ベースプレート46上に保持台10の左
右に延びて敷設されたガイドレール81上を移動自在に設
置された引出装置基板82上に設置されており、ベースプ
レート46にはジグシリンダ80aが設けられて引出装置基
板82を保持台10に向けて押し出すようになっている。引
出装置80は吸引装置83とテンションハンド84とから構成
され、吸引装置83は図示しないガイド機構を介して引出
装置基板82に対して左右移動自在に設置された箱状の吸
引部本体85と、この吸引部本体85から保持台10側に延び
て設けられた吸引ノズル86とからなり、吸引部本体85の
端部には、引出装置基板82の端部に設置したノズル用シ
リンダ87のロッド端部が接続されて吸引部本体85を左右
に移動するようにしている。吸引ノズル86は図示しない
吸気ポンプに連通されており、また、吸引ノズル86の基
端には吸引部本体85側に向かうほど広がるようにテーパ
88が形成されている。引出装置基板82上の吸引ノズル86
の両側には、一対のアーム89がその基端においてピン90
により水平面内で回動自在に取り付けられており、その
先端は吸引ノズル86の先端に臨む位置で互いに突き合わ
せられて上記テンションハンド84を構成している。そし
て、アーム89の間には両者を突き合わせる方向に付勢す
るばね部材89aが設けられ、各アーム89の吸引ノズル86
に向かう面には、吸引ノズル86の上記テーパ88と平行に
斜面91が形成されており、ノズル用シリンダ87の作動に
より吸引ノズル86が前進するとテーパ88と斜面91とが係
合し、上記ばね部材の付勢に抗してアーム89が広げられ
るようになっている。上記吸引ノズル86は、第9図に示
すように、細径のパイプ92の先端より内側を上下から板
状の治具で押圧し、開口側を偏平なラッパ部93にすると
ともに押圧部の断面を横に広がるスリット94に形成した
ものである。このスリット94とV字溝73及び巻線孔4と
の位置関係は、第10図に示すように、スリット94が高さ
方向において巻線孔4の目標位置に来るとともに、ハン
ドガイド62が左右から同時に近付き、V字溝73の斜面で
ガイドしつつワイヤ5を左右方向において目標位置に運
ぶようになっている。
なお、第11図に示すように、保持台10の近傍には2つの
ワイヤ押さえ装置100,110が設置されている。第1のワ
イヤ押さえ装置100は、水平な駆動軸101とその両側の腕
部102とからなるコ字状のワイヤ押さえアーム103が、腕
部102を保持台10の両側に対称に位置させて設けられて
いる。そして、駆動軸101を回動させる駆動装置(図示
略)と腕部102の下降位置を決めるためのストッパ(図
示略)が付設されており、後述するように、ワイヤ5を
巻き付けるときに腕部102を下降させてワイヤ5を押さ
え、磁気コア2にワイヤ5を水平に対して傾斜させた状
態で巻き付けるようにしてある。
また、第2のワイヤ押さえ装置110は、保持台10の一方
の側に、上記第1のワイヤ押さえ装置100より近い位置
に設置され、図示するように駆動軸111とその端部の腕
部112とから構成され、駆動装置及びストッパ(図示
略)を備えている。この第2のワイヤ押さえ装置110
は、後述するように、巻き付け作業が一方のハーフコア
2aから他方のハーフコア2bに移る際に、両ハーフコア2
a,2bの巻線を連絡する渡り線5a(第18図参照)が巻線孔
4の中に位置するとそれ以降の巻線作業の障害となるの
で、渡り線5aを巻線孔4の下端部に位置させるためのも
のである。
さらに、この巻線機には、上述した装置の他、ワイヤ供
給装置、ワイヤを適当な長さで切断する装置、巻線が済
んだ磁気コアを新規の磁気コアと交換する装置及びその
他の付属的装置が設けられている。
以下、上記のように構成された巻線機により巻線を施す
工程を第12図ないし第14図を参照して説明する。
説明を簡略化するために、ワイヤ5の供給及び巻き始め
の過程については省略し、ワイヤ5が一方のハーフコア
2aに巻線孔4の上方から巻き始められ、数回巻き付けら
れた状態から説明する。
巻き付けられたワイヤ5は磁気コア2の側面においてワ
イヤクランプ14により押さえられており、ワイヤ5が緩
んでも巻き付け部が緩むことはないようになっている。
そして、ワイヤ5の先端を押込装置50が把持した状態に
おいて、案内装置20においてはガイドダイス29を台板3
と押込装置50との間の上方に待機させている。押込装置
50が後退した後、案内装置20の昇降用駆動シリンダ36が
作動してガイドダイス保持部材26が下降し、所定位置に
おいて停止する(第12図(イ)参照)。押込装置50にお
いては、ハンドガイド62を保持台10側に向けてハンドク
ランプ63がその後方に所定間隔離れた状態でワイヤ5を
把持して待機しており、その状態で駆動モータ47が作動
して押込部57が保持台10に向けて前進する(同図(ロ)
参照)。さらに押込部57が前進すると、ハンドガイド62
がワイヤ案内装置20に設けられたストッパにより移動を
規制され、ハンドクランプ63のみが前進してワイヤ5を
ハンドガイド62のV字溝73を通して押し出す。これによ
り、ワイヤ先端がガイドダイス29のテーパ孔42から細孔
43に導かれ、ガイド孔44を挿通して磁気コア2の巻線孔
4より他方側に突出する(以上、挿通工程)。
磁気コア2の他方側では、引出装置80が所定の状態にお
いて待機している。すなわち、駆動モータ47(ジグシリ
ンダ80a)の作動により引出装置基板82が前進させら
れ、さらにノズル用シリンダ87により吸引部本体85が前
進させられ、吸引ノズル86のテーパ部88がテンションハ
ンド84のアーム89の斜面91と係合してアーム89が左右に
押し広げられ、吸引ノズル86の先端が磁気コア2に臨ま
せられている(第13図(イ)参照)。そして、押し出さ
れたワイヤ5は吸引ノズル86により吸引されてスリット
部94より内側に引き込まれる(第12図(ロ)(ハ)参
照)。この状態でノズル用シリンダ87が収縮作動してア
ーム89が閉じられ、ワイヤ5が把持される(第12図
(ニ)及び第13図(ロ)参照)。ワイヤ5は吸引ノズル
86により上下方向の位置を一定とした状態で、しかも吸
引されて張力をかけられた状態で左右から均等に閉じる
アーム89により把持されるから、その位置が常に一定に
保たれる(以上、引出工程)。
その後、ワイヤ案内装置20と押込装置50において、それ
ぞれダイス開閉用シリンダ41とハンド開閉用シリンダ75
を作動してガイドダイス29、ハンドガイド62及びハンド
クランプ63を開き、昇降用シリンダ36,53を作動して上
方に逃がす(第12図(ホ)参照)。
このとき、磁気コア2の側面はワイヤクランプ14により
押さえられており、保持台10が、ワイヤ5が押さえられ
ている側が遠くなるように約45度傾動され(第13図
(ハ)、第14図(イ)参照)、その状態で引出装置基板
82が後退させられてワイヤ5が巻線孔4より引き出さ
れ、ワイヤ5に一定の張力が付与されて磁気コア2の一
面に巻き付けられる(第13図(ニ)参照)。この工程に
おいては、磁気コア2が傾斜しているのでワイヤ5が巻
線孔4の角で鈍角を形成するように曲がり、従って、ワ
イヤ5が磁気コア2の巻線孔4の角において滑らかに動
き、ワイヤ5の締め付けが充分になされるとともに、ワ
イヤ5が巻線孔4の角で過度に擦れて断線することが防
止される(以上、締付工程)。
ワイヤ5が緊張させられた状態でワイヤクランプ14が解
除されるとともに、第1ワイヤ押さえ装置100の駆動軸1
01が回転させられ、腕部102が所定の位置まで下降して
ワイヤ5を第14図(ロ)、第15図に示すように上から押
さえ、そこで保持台10が逆回りにほぼ135度回転させら
れる(第13図(ホ)(ヘ)参照)。これにより、ワイヤ
5が磁気コア2の面において外が低くなるように傾斜し
て巻き付けられる。このとき、ワイヤ5が緊張させられ
た状態で磁気コア2が順次傾動するので、上記と同じよ
うにワイヤ5が充分締め付けられる(以上、巻付工
程)。
磁気コア2が基準の位置に戻ったときにワイヤ5が1回
巻き付けられ、ワイヤクランプ14が閉じられて巻き付け
られたワイヤ5が磁気コア2の側部に固定される。
上記のように一回の巻線工程が終わると、次は前回とは
異なる側の押込装置50及び引出装置80により巻線が行わ
れる。すなわち、第12図ないし第14図において左側の引
出装置80が後退した状態において、左の押込装置50の押
込部57が各刃状体64,65を開いた状態で引出装置80側に
近付けられ、下降させられる。刃状体64,65を閉じるこ
とによりワイヤ5をハンドガイド62でガイドしつつハン
ドクランプ63で把持する(第14図(ニ)参照)。次に、
押込装置50のステッピングモータ60が作動して押込部57
が反転させられてハンドガイド62及びワイヤ5先端が保
持台10に向けられる(第14図(ホ)参照)。ここでワイ
ヤ案内装置20の位置切換シリンダ31が作動して保持部28
が反転させられ、ガイドダイス29の位置を左側に移動し
た後下降させられ、磁気コア2の左側に位置させられ
る。駆動モータ47が作動して押込装置50が保持台10に向
けて移動させられる。以下、上述した過程が繰り返され
て次の巻線が施される。
磁気コア2への巻線は、一方のハーフコア2aの巻線孔4
の上端からスタートし、下端に順次移行するが、上記の
ように巻線過程における磁気コア2への締め付けを充分
行いかつワイヤ5のテンションを適当な値に制御すれ
ば、ワイヤ5の押し込み位置を変えなくても巻線位置が
順次ずれていき、ワイヤ5が重ならずかつ間に隙間のな
い状態で巻線が施される。
磁気コア2の一方のハーフコア2aに上から下に向けて所
定の回数の巻線が施された後、他方のハーフコア2bに巻
線が下から上に向けて行われる。このとき、第16図に示
すように、一方から押し込まれたワイヤ5の先端を引出
装置80によって把持した後第2のワイヤ押さえ装置110
が作動し、上方より腕部112が下降してワイヤ5を下に
向けて押さえ、その状態で引出装置80によりワイヤ5を
引き出すことによりハーフコア2a,2bの間を移行する渡
り線5aを巻線孔4の下端に位置させるようにする。これ
によって、以降の巻線工程において渡り線5aが新たに押
し込まれるワイヤ5と干渉しないようになる。
なお、上述した実施例においては、ワイヤ5を挿通させ
る押込挿通50、ワイヤ5を引き出す引出装置80は磁気コ
ア2に対して相対回転せず、保持台10を自転させること
によって、締付工程における傾動と巻付工程における回
転とを行わせるようにしているので、回転半径が小さく
て済むから、これらの工程が迅速になされるとともに装
置全体を小型化できる。また、保持台10を回転する駆動
装置により上記両工程を行えるので、締付工程のために
新たな駆動装置を設ける必要がなく、製造コストが安い
とともに操作の過程が単純であるという利点がある。
[発明の効果] 以上詳述したように、この発明は、直立させた磁気コア
の一面より磁気コアの巻線孔にワイヤを挿通させる挿通
工程と、磁気コアの他面側からワイヤの先端を引き出す
引出工程と、磁気コアを巻線孔においてワイヤが鈍角を
もって屈曲するように傾けてワイヤに張力をかける締付
工程と、磁気コアを水平面内で回転させてワイヤを磁気
コアに巻き付ける巻付工程とを有するものであり、ワイ
ヤが締め付けられたときに磁気コアの巻線孔の角におい
て滑らかに動き、締め付けが充分になされるとともに、
張力が過度にかかって断線することが防止される。従っ
て、細いワイヤでも巻き付けが緊密にかつ整然と巻かれ
るから、一層あるいは多層の場合、巻線孔が小さい場合
でも巻線が円滑になされ、磁気特性が劣化せず、また美
的にも優れた磁気ヘッドが製造できる。そして、締付工
程は、その前後の引出工程と巻付工程においてそれぞれ
なされるワイヤの引き出しと磁気コアの回転を組み合わ
せることによりなされるので、特別の装置を新たに設け
る必要がなく、作業が複雑化することもないなどの優れ
た効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の方法に用いる装置の一実施例の平面
図、第2図は保持台の斜視図、第3図は案内装置の斜視
図、第4図は押込装置及び引出装置の斜視図、第5図は
押込装置の正面図、第6図は押込装置の側面図、第7図
はハンドクランプの断面図、第8図はハンドガイドの刃
状体を示す斜視図、第9図は吸引ノズルの先端の斜視
図、第10図は吸引ノズルのスリット部とハンドガイドの
V字溝及び磁気コアの巻線孔の位置関係を示す図、第11
図はワイヤ押さえ装置の斜視図、第12図ないし第14図は
ワイヤの巻き付けを行う過程を示す略図、第15図及び第
16図はワイヤ押さえの作用を示す斜視図、第17図は磁気
ヘッドの斜視図、第18図は磁気コアの斜視図である。 2……磁気コア、4……巻線孔、5……ワイヤ、10……
保持台、50……押込装置、80……引出装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直立させた磁気コアの一面より磁気コアの
    巻線孔にワイヤを挿通させる挿通工程と、磁気コアの他
    面側からワイヤの先端を引き出す引出工程と、磁気コア
    を巻線孔においてワイヤが鈍角をもって屈曲するように
    傾けてワイヤに張力をかける締め付け工程と、磁気コア
    を水平面内で回転させてワイヤを磁気コアに巻き付ける
    巻付工程とを有することを特徴とする磁気ヘッドの巻線
    方法。
JP27211588A 1988-10-28 1988-10-28 磁気ヘッドの巻線方法 Expired - Lifetime JPH0734410B2 (ja)

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