JPH0793222B2 - 磁気ヘッド用巻線機 - Google Patents

磁気ヘッド用巻線機

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JPH0793222B2
JPH0793222B2 JP27211988A JP27211988A JPH0793222B2 JP H0793222 B2 JPH0793222 B2 JP H0793222B2 JP 27211988 A JP27211988 A JP 27211988A JP 27211988 A JP27211988 A JP 27211988A JP H0793222 B2 JPH0793222 B2 JP H0793222B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、例えばビデオテープレコーダ(VTR)の磁
気ヘッドに用いる磁気コアの微小な巻線孔に巻線を自動
的に施すための巻線機に関する。
[従来の技術] 第17図はVTR用の磁気ヘッド1の一例を示すもので、一
対のハーフコア2a,2bを接合した磁気コア2が台板3の
頂部に固定され、ハーフコア2a,2bの間に形成された巻
線孔4にはワイヤ5が巻き付けられている。この磁気コ
ア2においては巻線孔4がギャップ6の近くになるよう
にかつその大きさを小さくするように設定しており、こ
れにより磁気特性を向上させるようにしている。その結
果、巻線孔4が磁気ヘッド1の側面の巻掛部7より上側
に位置することになり、巻線が第18図に示すように外側
に向かうに従い下降するように傾斜している。
上記のような磁気ヘッド1は、情報記録の高密度化に伴
いますます小型化されており、近年では、0.35×0.3mm
□の巻線孔6に、0.01mmφの巻線をおよそ5〜10回程度
施すことが要求される。このような作業は非常に緻密な
作業であり、従来は人手によって行なわれていたが、熟
練を要する作業であり、能率も悪いので最近その機械化
が図られ、種々の装置が提案されている。
特開昭61-259515号公報に記載されたものはその一例で
あり、これは、コアを所定位置で保持する回動可能なコ
ア保持手段と、コアの巻線孔にワイヤを挿通するワイヤ
挿通手段と、このワイヤをチャックして巻線孔から引き
出す引出手段と、引き出したワイヤをコアの外側に巻き
付ける巻き付け手段をと備えた構成となっている。
上記引出手段は、磁気コアに臨んで接離自在に設置され
た案内パイプ(吸引ノズル)を備えており、この案内パ
イプは真空ポンプに接続されており、磁気コアの巻線孔
より突出するワイヤの先端を吸引して引き出すようにし
ている。そして、巻線孔から引き出されたワイヤの一端
を巻き付け手段の旋回チャックにより保持しつつ旋回ア
ームを旋回させ、コアに巻線を施すように構成されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記のような従来の技術においては、吸
引ノズルによりワイヤを吸引した状態で旋回チャックに
よりワイヤをチャックするので、吸引ノズルで吸引した
ときのワイヤの位置が巻き付け位置の精度を決める上で
重要となる。しかしながら、吸引ノズルの先端の内径が
ワイヤより大径のパイプ状であると、ワイヤが気流によ
り振動してしまい、一定の位置決めが困難であるという
課題がある。一方、吸引ノズルがワイヤとほぼ同径であ
ると、ノズル先端がワイヤにより詰まった状態となり、
ワイヤに大きな張力が掛かってワイヤの延びや切断を生
じる可能性がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ワイヤの先
端を気流により振動させることなく吸引ノズルで正確な
位置に吸引できるとともに、吸引ノズルをワイヤで詰ま
った状態にすることがなく、しかも、ワイヤを把持機構
で正確な位置で確実に把持することができることから、
微細な磁気コアの巻線孔に細径のワイヤを正確に巻き付
けることができる磁気ヘッド用巻線機を提供することを
目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記のような課題を解決するために、この発明は磁気コ
アを直立させた状態で保持する保持台と、ワイヤの先端
を磁気コアの巻線孔に押し込む押込装置と、上記保持台
に対して押込装置の反対側に設置されてワイヤの先端を
吸引する吸引ノズルと、上記ワイヤを把持する開閉自在
の把持機構を備えてなる磁気ヘッド用巻線機であって、
上記吸引ノズルは、吸引ポンプに連通されたパイプを備
え、そのパイプの先端側に上記ワイヤの径より幅広のス
リット状の狭塞部を形成し、上記スリット状の狭塞部の
幅方向を上記ワイヤの先端を把持する把持機構の開閉方
向と一致させてなるものである。
[作用] 上記の構成の巻線機においては、押込装置により磁気コ
アの巻線孔に押し込まれたワイヤは、磁気コアの他側よ
り吸引ノズルにより吸引される。吸引ノズルはその開口
部がワイヤ径より幅広のスリット状の狭塞部になってお
り、ワイヤはこの狭塞部において形成される定常的な気
流の中で必要以上に振動することなく、狭塞部のほぼ中
央に位置する。吸引された状態で巻線孔の中心にほぼ位
置決めされているが、その状態で狭塞部の幅方向両側か
らワイヤを把持することにより、幅方向に直交する方向
にも位置決めがなされる。
[実施例] 以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
第1図は、この発明の磁気ヘッド用巻線機の構成(右側
半分のみ)を示すもので、左右に広がる基台8の中央部
に磁気コアを保持する保持台10、その上方から後方にか
けてワイヤ案内装置20、保持台10の左右両側にワイヤ7
を巻線孔6に押し込む押込装置50、その両側に巻線孔6
を挿通したワイヤ7を把持し引き出す引出装置80が順次
配列されている。
第2図は保持台10を示すもので、昇降自在かつ水平面内
で回動自在なテーブル11上に台板5を直立させて保持す
る固定部12が設けられており、さらに台板5を固定する
クランプ13と、台板3に当接してがたをなくすための押
し付け装置15が設けられている。なお、14は、巻線中の
ワイヤの緩みを防止するために、コアの側面を押さえる
ワイヤクランプであり、金属製の針金の先端に柔軟性を
有する例えばシリコンゴムなどから成るワイヤ押さえ部
材14aが取り付けられて構成され、図示しない駆動機構
により開閉されるようになっている。
第3図はワイヤ案内装置20を示している。このワイヤ案
内装置20は、巻線機の中央後方に立設された支持板21に
対してスライド機構22を介して昇降自在に取り付けられ
た第1取付板23と、この第1取付板23にスライド機構24
を介して前後進退自在に取り付けられた第2取付板25
と、この第2取付板25の前端に垂下して取り付けられた
ガイドダイス保持部材26とを備えて構成されている。こ
のガイドダイス保持部材26は、第2取付板25の先端の軸
受に垂直にかつ水平面内回動自在に支持された筒状部27
とその下端の保持部28とからなり、保持部28にはガイド
ダイス29がその位置を上記筒状部27の回転中心に対して
偏心させて取り付けられている。上記筒状部27にはタイ
ミングプーリ30が取り付けられ、このタイミングプーリ
30は第2取付板25の後端側に設けられた位置切換用シリ
ンダ31により回転されるギア32とタイミングベルト33を
介して連絡され、この位置切換用シリンダ31の作動によ
り筒状部27を反転させて上記ガイドダイス29の位置を磁
気コア4に対して左右対称位置に切り換えるようにして
いる。なお、上記の上下方向及び前後方向のスライド機
構22,24は、それぞれスライド板34,35と、駆動用シリン
ダ36,37と位置決めストッパ(図示略)から構成されて
いる。また、第2取付板25の先端のL字金具40にはダイ
ス開閉用シリンダ41が設置され、このシリンダ41の作動
端は筒状部27を挿通して上記ガイドダイス29の開閉機構
(図示略)に連結されており、このダイス開閉用シリン
ダ41の作動によりガイドダイス29を開閉するようにして
いる。ガイドダイス29は磁気コア4の直前に置かれてワ
イヤ7を巻線孔6に導くもので、超硬素材からなる一対
の平板29aが上記保持部28に上端でピン接続されて開閉
自在になっており、閉止時にはテーパ孔42と細孔43とか
らなるガイド孔44(第12図参照)が形成されるようにな
っている。
上記基台8には、スライド機構45を介して左右移動自在
に支持されたベースプレート46が設置され、基台8の端
部に設置された駆動モータ47及び減速機48を備えた駆動
機構49により左右に移動されるようになっている。そし
て、このベースプレート46上に、押込装置50及び引出装
置80が設けられている。
押込装置50は、第4図ないし第7図に示すように、ベー
スプレート46上に設置された第1基板52と、この第1基
板52上に設置されたシリンダ53により昇降される第2基
板54と、この第2基板54の前端の軸受55により水平面内
回動自在に支持された支持筒56と、この支持筒56の下端
に取り付けられた押込部57とを備えて構成され、第2基
板54の上面には上記支持筒56の外周に固定したタイミン
グプーリ58とタイミングベルト59を介して接続されたス
テッピングモータ60が設置されている。上記押込部57
は、上記支持筒56の下端に取り付けられた枠体61にハン
ドガイド62及びハンドクランプ63が設けられているもの
で、それぞれ一対の刃状体64,65が基部66,69に上端で枢
着されて開閉自在になっている。ハンドガイド62の基部
66にはガイド孔67が形成され、これを枠体61に設置した
ガイドバー68に挿通させて摺動自在に取り付けられてい
る。一方、ハンドクランプ63の基部69は枠体61に固定さ
れており、ハンドクランプ63との間には互いを離間する
方向に付勢するバネ70が取り付けられている。ハンドガ
イド62はワイヤ7をガイドするためのもので、その刃状
体64は、第8図に示すように、平面視においては一方が
凹部71、他方が凸部72を有しており、これらが互いに嵌
合する形状となっている。またその横断面においては、
その厚さ中央にV字溝73が形成され、このV字溝73は凹
部71と凸部72が噛み合った状態でその中央にワイヤ7を
挿通する程度の穴が形成される寸法に設定されている。
ハンドクランプ63はワイヤ7を挾持するものであり、両
刃状体65が噛み合った状態でワイヤ7を一定の力で把持
するようになっていて、両刃状体65、65によりワイヤ7
の把持機構が構成されている。従って、両者が離間した
状態で刃状体64,65の間にワイヤを挟み、駆動モータ47
を作動して押込装置50を保持台10側に進めると、ハンド
ガイド62がワイヤ案内装置20に設けたストッパ(図示
略)により移動を規制され、以後はハンドクランプ63の
みが前進してワイヤ7がハンドガイドのV字溝73より押
し出されるようになっている。第2基板54の先端に固定
したL字金具74にはハンドガイド62及びハンドクランプ
63を開閉せしめるハンド開閉用シリンダ75が設けられて
いる。
上記引出装置80は、ベースプレート46上に保持台10の左
右に延びて敷設されたガイドレール81上を移動自在に設
置された引出装置基板82上に設置されており、ベースプ
レート46にはジグシリンダ80aが設けられて引出装置基
板82を保持台10に向けて押し出すようになっている。引
出装置80は吸引装置83とテンションハンド84とから構成
され、吸引装置83は図示しないガイド機構を介して引出
装置基板82に対して左右移動自在に設置された箱状の吸
引部本体85と、この吸引部本体85から保持台10側に延び
て設けられた吸引ノズル86とからなり、吸引部本体85の
端部には、引出装置基板82の端部に設置したノズル用シ
リンダ87のロッド端部が接続されて吸引部本体85を左右
に移動するようにしている。吸引ノズル86は図示しない
吸気ポンプに連通されており、また、吸引ノズル86の基
端には吸引部本体85側に向かうほど広がるようにテーパ
88が形成されている。引出装置基板82上の吸引ノズル86
の両側には、一対のアーム89がその基端においてピン90
により水平面内で回動自在に取り付けられており、その
先端は吸引ノズル87の先端に臨む位置で互いに付き合わ
せられて上記テンションハンド84を構成している。そし
て、アーム89の間には両者を突き合わせる方向に付勢す
るばね部材89aが設けられ、各アーム89の吸引ノズル86
に向かう面には、吸引ノズル86の上記テーパ88と平行に
斜面91が形成されており、ノズル用シリンダ87の作動に
より吸引ノズル86が前進するとテーパ88と斜面91とが係
合し、上記ばね部材89aの付勢に抗してアーム89が広げ
られるようになっている。上記吸引ノズル86は、第9図
に示すように、細径のパイプ92の先端よりやや内側を上
下から板状の治具で押圧し、開口側を偏心なラッパ部93
にするとともに押圧部の断面を横に広がるスリット(狭
塞部)94に形成したものであり、スリット94が広がる横
方向がスリット94の幅方向とされている。このスリット
94とV字溝73及び巻線孔4との位置関係は、第10図に示
すように、スリット94が高さ方向において巻線孔4の目
標位置に来るとともに、刃状体64,64が左右から同時に
近付き、V字溝73の斜面でガイドしつつワイヤ5を左右
方向において目標位置に運ぶようになっている。
なお、第11図に示すように、保持台10の近傍には2つの
ワイヤ押さえ装置100,110が設置されている。第1のワ
イヤ押さえ装置100は、水平な駆動軸101とその両側の腕
部102とからなるコ字状のワイヤ押さえアーム103が、腕
部102を保持台10の両側に対称に位置させて設けられて
いる。そして、駆動軸101を回動させる駆動装置(図示
略)と腕部102の下降位置を決めるためのストッパ(図
示略)が付設されており、後述するように、ワイヤ5を
巻き付けるときに腕部102を下降させてワイヤ5を押さ
え、磁気コア2にワイヤ5を水平に対して傾斜させた状
態で巻き付けるようにしている。
また、第2のワイヤ押え装置110は、保持台10の一方の
側に、上記第1のワイヤ押さえ装置100より近い位置に
設置され、図示するように駆動軸111とその端部の腕部1
12とから構成され、駆動装置及びストッパ(図示略)を
備えている。この第2のワイヤ押さえ装置110は、後述
するように、巻き付け作業が一方のハーフコア2aから他
方のハーフコア2bに移る際に、両ハーフコア2a,2bの巻
線を連絡する渡り線5a(第18図参照)が巻線孔4の中に
位置するとそれ以降の巻線作業の障害となるので、渡り
線5aを巻線孔4の下端部に位置させるためのものであ
る。
さらに、この巻線機には、上述した装置の他、ワイヤ供
給装置、ワイヤを適当な長さで切断する装置、巻線が済
んだ磁気コアを新規の磁気コアと交換する装置及びその
他の付属的装置が設けられている。
以下、上記のように構成された巻線機により巻線を施す
工程を第12図ないし第14図を参照して説明する。
説明を簡略化するために、ワイヤ5の供給及び巻き始め
の過程について省略し、ワイヤ5が一方のハーフコア2a
に巻線孔4の上方から巻き始められ、数回巻き付けられ
た状態から説明する。
巻き付けられたワイヤ5は磁気コア2の側面においてワ
イヤクランプ14により押さえられており、ワイヤ5が緩
んでも巻き付け部が緩むことはないようになっている。
そして、ワイヤ5の先端を押込装置50が把持した状態に
おいて、案内装置20においてはガイドダイス29を台板3
と押込装置50との間の上方に待機させている。押込装置
50が後退した後、案内装置20の昇降用駆動シリンダ36が
作動してガイドダイス保持部材26が下降し、所定位置に
おいて停止する(第12図(イ)参照)。押込装置50にお
いては、ハンドガイド62を保持台10側に向けてハンドク
ランプ63がその後方に所定間隔離れた状態でワイヤ5を
把持して待機しており、その状態で駆動モータ47が作動
して押込部57が保持台10に向けて前進する(同図(ロ)
参照)。さらに押込部57が前進すると、ハンドガイド62
がワイヤ案内装置20に設けられたストッパにより移動を
規制され、ハンドクランプ63のみが前進してワイヤ5を
ハンドガイド62のV字溝73を通して押し出す。これによ
り、ワイヤ先端がガイドダイス29のテーパ孔42から細孔
43に導かれ、ガイド孔44を挿通して磁気コア2の巻線孔
4より他方側に突出する。
磁気コア2の他方側では、引出装置80が所定の状態にお
いて待機している。すなわち、駆動モータ47(ジグシリ
ンダ80a)の作動により引出装置基板82が前進させら
れ、さらにノズル用シリンダ87により吸引部本体85が前
進させられ、吸引ノズル86のテーパ部88がテンションハ
ンド84のアーム89の斜面91と結合してアーム89が左右に
押し広げられ、吸引ノズル86の先端が磁気コア2に臨ま
せられている(第13図(イ)参照)。そして、押し出さ
れたワイヤ5は吸引ノズル86により吸引されてスリット
部94より内側に引き込まれる(第12図(ロ)(ハ)参
照)。この状態でノズル用シリンダ87が収縮作動してア
ーム89が閉じられ、ワイヤ5が把持される(第12図
(ニ)及び第13図(ロ)参照)。ワイヤ5は吸引ノズル
86により吸引されて上下方向の一定の位置(巻線孔4の
中心)において保持され、しかも吸引されて張力をかけ
られた状態で左右から均等に閉じるアーム89により把持
されるから、その位置が常に一定に保たれる。
その後、ワイヤ案内装置20と押込装置50において、それ
ぞれダイス開閉用シリンダ41とハンド開閉用シリンダ75
を作動してガイドダイス29、ハンドガイド62及びハンド
クランプ63を開き、昇降用シリンダ36,53を作動して上
方に逃がす(第12図(ホ)参照)。
このとき、磁気コア2の側面はワイヤクランプ14により
押さえられており、保持台10が、ワイヤ5が押さえられ
ている側が遠くなるように約45度傾動され(第13図
(ハ)、第14図(イ)参照)、その状態で引出装置基板
82が後退させられてワイヤ5が巻線孔4より引き出さ
れ、ワイヤ5に一定の張力が付与されて磁気コア2の一
面に巻き付けられる(第13図(ニ)参照)。この工程に
おいては、磁気コア2が傾斜しているのでワイヤ5が巻
線孔4の角で鈍角を形成するように曲がり、従って、ワ
イヤ5が磁気コア2の巻線孔4の角において滑らかに働
き、ワイヤ5の締め付けが充分になされるとともに、ワ
イヤ5が巻線孔4の角で擦れて断線することが防止され
る。
ワイヤ5が緊張させられた状態でワイヤクランプ14が解
除されるとともに、第1ワイヤ押さえ装置100の駆動軸1
01か回転させられ、腕部102が所定の位置まで下降して
ワイヤ5を第14図(ロ)、第15図に示すように上から押
さえ、そこで保持台10が逆回りにほぼ135度回転させら
れる(第13図(ホ)(へ)参照)。これにより、ワイヤ
5が磁気コア2の面において外が低くなるように傾斜し
て巻き付けられる。このとき、ワイヤ5が緊張させられ
た状態で磁気コア2が順次傾動するので、上記と同じよ
うにワイヤ5が充分締め付けられる。磁気コア2が基準
の位置に戻ったときにワイヤ5が1回巻き付けされ、ワ
イヤクランプ14が閉じられて巻き付けられたワイヤ5が
磁気コア2の側部に固定される。
上記のように一回の巻線工程が終わると、次は前回とは
異なる側の押込装置50及び引出装置80により巻線が行わ
れる。すなわち、第12図ないし第14図において左側の引
出装置80が後退した状態において、左の押込装置50の押
込部57が各刃状体64,65を開いた状態で引出装置80側に
近付けられ、下降させられる。刃状体64,65を閉じるこ
とによりワイヤ5をハンドガイド62でガイドしつつハン
ドクランプ63で把持する(第14図(ニ)参照)。次に、
押込装置50のステッピングモータ60が作動して押込部57
が反転させられてハンドガイド62及びワイヤ5先端が保
持台10に向けられる(第14図(ホ)参照)。ここでワイ
ヤ案内装置20の位置切換シリンダ31が作動して保持部28
が反転させられ、ガイドダイス29の位置を左側に移動し
た後下降させられ、磁気コア2の左側に位置させられ
る。駆動モータ47が作動して押込装置50が保持台10に向
けて移動させられる。以下、上述した過程が繰り返され
て次の巻線が施される。
磁気コア2への巻線は、一方のハーフコア2aの巻線孔4
の上端からスタートし、下端に順次移行するが、上記の
ように巻線過程における磁気コア2への締め付けを充分
行いかつワイヤ5のテンションを適当な値に制御すれ
ば、ワイヤ5の押し込み位置を変えなくても巻線位置が
順次ずれていき、ワイヤ5が重ならずかつ間に隙間のな
い状態で巻線が施される。
磁気コア2の一方のハーフコア2aに上から下に向けて所
定の回数の巻線が施された後、他方のハーフコア2bに巻
線が下から上に向けて行われる。このとき、第16図に示
すように、一方から押し込まれたワイヤ5の先端を引出
装置80によって把持した後第2のワイヤ押さえ装置110
が作動し、上方より腕部112が下降してワイヤ5を下に
向けて押さえ、その状態で引出装置80によりワイヤ5を
引き出すことによりハーフコア2a,2bの間を以降する渡
り線5aを巻線孔4の下端に位置させるようにする。これ
によって、以降の巻線工程において渡り線5aが新たに押
し込まれるワイヤ5と干渉しないようになる。
[発明の効果] 以上詳述したように、この発明は、磁気コアを直立させ
た状態で保持する保持台と、ワイヤの先端を磁気コアの
巻線孔に押し込む押込装置と、上記保持台に対して押込
装置の反対側に設置されてワイヤの先端を吸引する吸引
ノズルと、上記ワイヤを把持する開閉自在の把持機構を
備えてなる磁気ヘッド用巻線機であって、上記吸引ノズ
ルは、吸引ポンプに連通されたパイプを備え、そのパイ
プの先端側に上記ワイヤの径より幅広のスリット状の狭
塞部を形成し、上記スリット状の狭塞部の幅方向を上記
ワイヤの先端を把持する把持機構の開閉方向と一致させ
てなるものであり、特に、吸引するパイプのスリット状
の狭塞部はワイヤの径より幅広であってワイヤの吸引状
態でワイヤの周囲の狭塞部には適当な空隙があくので、
狭塞部をワイヤで塞ぐことなくワイヤを吸引する気流の
流れを安定化することができ、これにより、ワイヤを振
動させることなく、ワイヤの位置決めを困難にすること
もなく、ワイヤに過度の張力を付加することなくワイヤ
を吸引できる。従ってワイヤを延ばしたり、切断したり
することもない。
更に、スリット状の狭塞部と巻線孔を位置合わせしてお
くと、ワイヤは狭塞部の幅方向に沿った範囲内で確実に
位置決めされて吸引されるので、狭塞部の幅方向に沿っ
て開閉する把持機構により確実にワイヤを把持すること
ができ、これにより狭塞部の幅方向に直交する方向の位
置決めも確実に行うことができる。
以上のことから、本発明によれば、狭塞部の幅方向とそ
れに直交する方向にワイヤを確実に位置決めできるの
で、微細な磁気コアの巻線孔に細径のワイヤを正確に巻
き付けることが、比較的簡単な装置構成により迅速かつ
円滑に行えるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の平面図、第2図は保持台
の斜視図、第3図は案内装置の斜視図、第4図は押込装
置及び引出装置の斜視図、第5図は押込装置の正面図、
第6図は押込装置の側面図、第7図はハンドクランプの
断面図、第8図はハンドガイドの刃状体を示す斜視図、
第9図は吸引ノズルの先端の斜視図、第10図は吸引ノズ
ルのスリット部とハンドガイドのV字溝及び磁気コアの
巻線孔の位置関係を示す図、第11図はワイヤ押さえ装置
の斜視図、第12図ないし第14図はワイヤの巻き付けを行
う過程を示す略図、第15図及び第16図はワイヤ押さえの
作用を示す斜視図、第17図は磁気ヘッドの斜視図、第18
図は磁気コアの斜視図である。 2……磁気コア、4……巻線孔、5……ワイヤ、10……
保持台、50……押込装置、86……吸引ノズル、92……パ
イプ、94……スリット(狭塞部)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気コアを直立させた状態で保持する保持
    台と、ワイヤの先端を磁気コアの巻線孔に押し込む押込
    装置と、上記保持台に対して押込装置の反対側に設置さ
    れてワイヤの先端を吸引する吸引ノズルと、上記ワイヤ
    を把持する開閉自在の把持機構を備えてなる磁気ヘッド
    用巻線機であって、 上記吸引ノズルは、吸引ポンプに連通されたパイプを備
    え、そのパイプの先端側に上記ワイヤの径より幅広のス
    リット状の狭塞部を形成し、上記スリット状の狭塞部の
    幅方向を上記ワイヤの先端を把持する把持機構の開閉方
    向と一致させてなることを特徴とする磁気ヘッド用巻線
    機。
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