JPH0734248B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は磁気テープに映像信号を輝度信号と色信号に分
離して記録／再生するために輝度信号と色信号のそれぞ
れに専用の磁気ヘッドを有するガイドシリンダを備えた
磁気記録再生装置に関する。

従来の技術 従来のこの種の磁気記録再生装置には、例えば特開昭57
−75086号公報に示されているように、第４図のような
構成が知られている。即ち、映像信号の磁気記録再生装
置（VTR）において、高画質画像の記録と再生を目的と
して、映像信号における輝度信号と色信号を分離し、そ
れぞれに専用の磁気ヘッドを設けるものである。第４図
（ｃ）に示すようにフィールド毎に２組の磁気ヘッド40
a,41aと40b,41bがあり、40a,40bが色信号の41a,41bが輝
度信号の記録／再生用のヘッドである。第４図（ａ）に
示すようにこれらの磁気ヘッドは、下シリンダ32に設け
られた軸受手段に支持された軸34と一体的に回転するヘ
ッド支持体33の上下面にヘッドベース36を介して固定さ
れている。そして、下シリンダ32と連結部材35により連
結された上シリンダ31とで設定される間隙ａに磁気ヘッ
ド40a,40b,41a,41bが突出し同時にヘッド支持体33も間
隙ａの全周にわたって突出した構成になっている。また
図示はしていないが特開昭57−75086号公報には上シリ
ンダが回転する方式のシリンダ構成も示されているが、
この場合も上述した構成と同様に上シリンダと下シリン
ダで形成される回転軸方向の間隙に全周にわたってヘッ
ド支持体が突出している構成となっている。

このような構成でシリンダの外周にヘリカルに添接走行
する磁気テープには第４図（ｂ）に示すように上側に色
信号のトラック50が下側には輝度信号のトラック51が記
録され、また再生されることになる。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のような構成ではヘッド支持体33
が、全周にわたって突出しているためにヘッド支持体33
の外周の径、真円度などの加工精度、また回転中心に対
する偏心や傾きといった組立輝度が記録／再生の互換性
に極めて大きな影響を与えるのである。即ち、こうした
精度のわずかな誤差がテープのシリンダ部での走行に微
妙な影響を与え、ヘッドが磁気テープをトレースする時
の直線性を悪化させ、画質の劣化を招くのである。

このため、加工コスト、組立・調整コストの増加をまね
くという問題点を有していた。

本発明は上記問題点に鑑み簡単な構造で精度良く輝度信
号と色信号を分離して記録／再生する回転ヘッドシリン
ダを有する磁気記録再生装置を提供するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の磁気記録再生装置
は固定シリンダと、この固定シリンダと同軸に回転して
磁気テープをガイドする円筒面を有し、映像信号を記録
／再生するための少なくとも２個の磁気ヘッドを突出す
るための開口部を設けた回転シリンダと、前記２個の磁
気ヘッドを軸方向に所定の距離を設けて取りつけるため
の軸方向に対向した２面とこの２面にはさまれた第３の
面を有して前記回転シリンダと一体に回転するヘッド支
持体とを備え、この第３の面の一部のみを前記開口部に
前記ヘッドと共に臨ませ、この開口部に臨ませた第３の
面の径を回転シリンダの外周面と略々同一径となるよう
な構成としたものである。

作用 本発明は上記にした構成によって、ヘッド支持体は一部
のみが上シリンダの開口部が突出するだけであり、磁気
テープのガイドを実質的に回転シリンダの外周面によっ
てのみ行なうことが可能となるためにヘッド支持体の加
工精度、組立精度に余裕が生じると共に確実なテープガ
イドが可能となり低コストで高画質な磁気記録再生装置
が得られることになる。

実施例 以下本発明の一実施例の磁気記録再生装置について図面
を参照しながら説明する。第２図は本発明の要部をなす
テープガイドシリンダの部分断面図であるが、１は磁気
テープを外周面で添接ガイドする回転シリンダである。
18は固定シリンダで外周に磁気テープをヘリカル状に案
内するガイド部21を有し、図示しない基板に固定されて
いる。17は固定シリンダ18に設けた軸受手段19により回
転自在に支持された軸であり、20は軸17に固着されたデ
ィスクである。回転シリンダ１はこのディスク20に固定
されている。第１図は回転シリンダ部の斜視図である
が、10a,10b（第１図には示されていないが、10aと180
゜対向する位置に設置）はフィールド毎に設けた色信号
の記録再生用のヘッドチップで所定のヘッドキャップを
形成したフェライト等の磁性薄板からなり、それぞれヘ
ッドベース4a,4bに接着固定されている。11a,11bは同様
にフィールド毎に設けた輝度信号の記録再生用のヘッド
チップで色信号用ヘッドチップ10a,10bと同じくそれぞ
れヘッドベース3a,3bに接着固定されている。ヘッドベ
ース3a,3b,4a,4bヘッドチップ10a,10b,11a,11bは同一構
成であるので、ここでは一方のフィールドに対応する、
ヘッドベース3a,4a、ヘッドチップ10a,11aを中心に説明
する。ヘッドベース3aはヘッド支持体２の一方の面2aね
じ7aにより固定されている。一方、ヘッドベース4aはヘ
ッド支持体２の面2aと平行で軸方向に所定の間隙を持っ
て形成されている面2bにねじ8aにより固定されている。
また、このヘッド支持体２は面2aと面2bから軸方向に突
出している部分がないように形成されているのでラッピ
ング加工などにより、厚さ寸法、面2a、面2bの平行度面
相度も高精度にかつ簡単に加工される。ヘッドベース3
a,4aは第２図に示すようにヘッドチップ11a,10aの各ヘ
ッドギャップと回転シリンダ１の回転軸心とを結ぶ線に
対し一方が突出した非対称の形状であるが前記したよう
にヘッドベース3a,4aは同一形状であり、ヘッドチップ1
1a,10aが接着され、かつヘッド支持体２に接合される面
は各ヘッドベースで同一となるように構成されている。
即ちヘッドベースは１面のみを、しかも各ヘッドベース
で同一の面のみを精度よく加工すれば良いことになる。
またヘッド支持体２は回転シリンダ１と同一の材料で作
られており、面2aと2bにはさまれた面2cは回転シリンダ
１の外周面に設けられた開口部12a,12bにヘッドチップ1
0a,11aおよび10b,11bにはさまれた形で突出している。
そしてその径は回転シリンダ１の外径と等しいか、わず
かに小さくなるように設定され、またその周方向の幅は
開口部12a,12bの幅よりわずかに小さく設定されてい
る。そのため、磁気ヘッド部近傍で不安定な状態になり
やすい磁気テープの走行状態も安定に保持され、信号も
安定に記録再生される。さらに本実施例では輝度信号用
ヘッドチップ11a,11bと対応する色信号用のヘッドチッ
プ10a,10bのヘッドギャップは第４図の従来例のように
軸方向に一致し、周方向にずれの生じないように設定し
て第４図（ｂ）に示すようなトラックパターンを得るよ
う構成しているが、磁気テープとヘッドチップ10a,11a,
10b,11bの接触を良好に確保し信号の記録再生を確実に
するためにはそれぞれのヘッドチップの回転シリンダ１
外周面からの突出量、軸方向の傾き（あおり）などの調
整を高精度に行なう必要がある。このため、ヘッドベー
ス3a,4aにはそれぞれ切り欠き6a,9aと止めねじ5a,13aが
螺着されている。即ちヘッドベース3aはヘッドベース4a
を固定するためのねじ8aを螺着するヘッド支持体２に設
けたねじ穴を中心に切り欠き6aに係合して回転する治具
により、ねじ7aを中心に微動し得るので、ヘッドチップ
11aの突出量を簡単に調整できるそしてヘッドのあおり
については止めねじ5aを回し先端をヘッド支持体２に当
接させてヘッドベース3aを撓ませることにより調整をす
ることができる。この調整は大きな変位を与えることが
できないので最終段階の微調整に用いられる。こうした
調整を各ヘッドベースに対して同様に行ない、磁気ヘッ
ドの装着されたヘッド支持体２は中心穴14を回転シリン
ダ２に回転軸心と同心状に設けたボス部15に嵌合して回
転軸心に対する位置決めを行ない、面2bを回転シリンダ
１の取付面に密着させその面振れを押さえつつ回転シリ
ンダ１に固定される。一方回転シリンダ１にはヘッドベ
ース4aに螺着した止めねじ13aの位置に対応して貫通穴1
6が設けられており、ヘッド支持体２を回転シリンダ１
に固定した後にもヘッドベース4aのあおりの微調整が可
能になっている。図示していないが、ヘッドベース4bも
同様に微調整が可能になっている。

発明の効果 以上のように本発明は映像信号を記録／再生するための
少なくとも２個の磁気ヘッドと磁気テープをヘリカル状
にガイドするガイド部を有する固定シリンダとこの固定
シリンダに対して同軸に回転して前記磁気テープをガイ
ドする円筒面を有し、前記磁気ヘッドを前記円筒面より
突出させるための少くとも１つの開口部を設けた回転シ
リンダと前記２個の磁気ヘッドのうち第１の磁気ヘッド
を取りつける第１の面と、この第１の面と対向し、第２
の磁気ヘッドを取り付ける第２の面と、この第１の面と
第２の面に挟まれかつこの第１および第２の面と直角な
第３の面とを有して、この第３の面の一部のみを前記開
口部に臨ませると共に、この開口部に臨ませた第３の面
の一部を前記回転シリンダの外周部と略々同一径となる
よう構成したヘッド支持体を具備して、このヘッド支持
体を前記回転シリンダと一体的に回転するようにしてい
るので、磁気テープのガイドを実質的に回転シリンダの
高精度に仕上げた外周面で行なうことができ、しかも磁
気ヘッド部近傍でヘッドチップに巻き付き不安定状態に
なりやすい磁気テープの走行状態やこのヘッドチップと
磁気テープの接触状態は、磁気ヘッド近傍にヘッド支持
体の第３の面の一部が存在し安定に保たれる。そして開
口部へのヘッド支持体突出量が多少変化しても磁気テー
プの走行に大きな変化を与えることがないので、ヘッド
支持体の回転シリンダへの取り付けは、磁気ヘッドの取
り付け精度だけを所定の範囲に入るように調整すれば良
いことになり、従来のようにヘッド支持体の回転シリン
ダに対する位置精度の高精度化やヘッドとの位置精度の
相互調整が不必要になる。また、ヘッダ支持体を設ける
ことで回転シリンダ自体の加工形状も極めて簡単なもの
となる。従ってガイドシリンダの加工精度、組立精度に
余裕が生じ、確実なテープガイドが可能となり、低コス
トで高画質な磁気記録再生装置が得られ、その実用的価
値には極めて大きいものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における磁気記録再生装置に
用いられるテープガイドシリンダの回転シリンダ部の斜
視図、第２図は同じく回転シリンダ部の平面図、第３図
はテープガイドシリンダの要部断面図、第４図（ａ）は
従来の磁気記録再生装置のテープガイドシリンダの断面
図、第４図（ｂ）は磁気テープ上に記録されたトラック
パターンの膜式図、第４図（ｃ）は磁気ヘッド配置の模
式図である。 １……回転シリンダ、２……ヘッド支持体、3a,3b,4a,4
b……ヘッドベース、10a,10b,11a,11b……ヘッドチッ
プ、12a,12b……開口部、18……固定シリンダ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも２個の磁気ヘッドを内蔵したガ
   イドシリンダに磁気テープをヘリカル状に所定角巻回
   し、前記２個の磁気ヘッドにより映像信号を記録／再生
   するよう構成し、前記ガイドシリンダは前記磁気テープ
   をヘリカル状にガイドするガイド部を有して基板に固定
   された固定シリンダと、前記固定シリンダに対し同軸に
   回転して前記磁気ヘッドを前記円筒面より突出させるた
   めの少なくとも１つの開口部を設けた回転シリンダと、
   前記２個の磁気ヘッドのうち第１の磁気ヘッドを取り付
   ける第１の面と、この第１の面と対向し、第２の磁気ヘ
   ッドを取り付ける第２の面と、この第１の面と第２の面
   に挟まれかつこの第１および第２の直角な第３の面とを
   有して、この第３の面の一部のみを前記開口部に臨ませ
   ると共に、この開口部に臨ませた第３の面の一部を前記
   回転シリンダの外周面と略々同一径となるよう構成した
   ヘッド支持体とを具備し、このヘッド支持体を前記回転
   シリンダに固定し一体的に回転するよう構成したことを
   特徴とする磁気記録再生装置。
2. 【請求項２】ヘッド支持体に回転軸心と同軸に穴を設
   け、前記ヘッド支持体に第１の面あるいは第２の面の内
   いずれか一方を回転シリンダに接合すると共に、前記穴
   をガイドにして前記ヘッド支持体を前記回転シリンダに
   固定したことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   磁気記録再生装置。