JPH0734213A - 界面密着性に優れた合金化溶融Znめっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
界面密着性に優れた合金化溶融Znめっき鋼板およびその製造方法Info
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Abstract
着性を高める。 【構成】 めっき皮膜中のFe濃度を7〜15wt%と
する。合金化加熱時の昇温速度を20℃/s以上にし
て、鋼板とめっき皮膜の界面にFeを濃化させる。Zn
めっき浴中のAl濃度を0.105〜0.3wt%として、
鋼板表面に微細な凸部を形成する。合金化加熱時の到達
温度を650℃以下に抑制して、鋼板の表面に形成され
るΓ相の成長を抑え、Γ相に比して厚いΓ1 相を形成す
る。合金化加熱の後に450〜550℃で3s以上の加
熱処理を行う。
Description
装材に適する界面密着性に優れた合金化溶融Znめっき
鋼板およびその製造方法に関する。
る要求が年々高まってきており、特に融雪塩を散布する
北米においてその要求が強い。このような要求に対し、
自動車の車体への表面処理鋼板の導入が進められてお
り、以前は孔あき腐食対策用として例えばフロアパネ
ル、メンバパネル、インナパネル等の内板に表面処理鋼
板が使用されてきたが、前述のような防錆目標の高度化
によって最近ではドア、フード、フェンダ、シルさらに
はピラーパネルといった外板にも表面処理鋼板の使用が
及んでいる。
しては、合金化溶融Znめっき鋼板(以下GA鋼板とい
う)を使用する場合が増えてきている。しかし、GA鋼
板を外板として使用するためには、次の点が問題とな
る。
れると、めっき皮膜が鋼板とめっき皮膜の界面から剥離
し、素地鋼板を露出させることがある。この剥離はチッ
ピングと呼ばれ、低温であるほど塗膜樹脂の応力がめっ
き皮膜に大きく及ぶため、剥離径が大きくなる傾向があ
る。このため、冬期に小石等の衝撃を受けると、めっき
皮膜が比較的容易に剥離し、ここに融雪塩が散布されて
いると、局部腐食を生じ耐食性が著しく低下する。
手段としては、例えば特開平3−243756号公報に
「チッピングを受ける外面側の皮膜中のFe濃度が5〜
11%、鋼板−めっき界面のΓ相の厚みが1.0μm以
下、めっき層のX線回析のメインピークがξ相である自
動車用GA鋼板」が提示されている。
て、接着接合法がスポット溶接法に替わって使用され始
めた。これは、スポット溶接にはの問題点があるの
に対し、接着接合法にはの利点があるからであ
る。
点性が冷延板の場合に較べて短かくなる。 スポット溶接の圧痕不良の仕上げ修正が必要とな
る。
が向上する。 複雑な形状でも接合が容易。 異種鋼板の接合が容易。
の剥離が鋼板とめっき皮膜の界面で生じることから、め
っき密着性を改善することが、接着接合性を確保する上
で必要となる。
しては、成形時の皮膜剥離(パウダリングまたはフレー
キング)を軽減する目的から、合金化温度やヒートパタ
ーンといったGA鋼板の操業条件の影響に関する研究
(日本鉄鋼協会講演大会「CAMP−ISIJ VO
L.1(1988)」がある。また、特開昭64−68
457号公報および特公平2−39585号公報により
提案されているようなめっき皮膜構造、生成形態、組成
等の改善がある。
GA鋼板に対する耐低温チッピング性改善策、すなわ
ち、特開平3−243756号公報により提案されてい
る自動車用GA鋼板も、自動車の外板として用いること
ができる程度の耐低温チッピング性は持ち合わせない。
なぜなら、ξ相そのものに、高速の小石が衝突した時に
生じる衝撃エネルギーを吸収する能力が他の合金相より
多くあっても、その違いはわずかであり、その結果、ク
ラックはその下のδ1相を通過し、鋼板とめっき皮膜の
界面に容易に伝播するからである。
着接合法を適用した場合の自動車外板の界面剥離に対し
て充分な効力を示さない上に、耐低温チッピング性に対
しても効力が小さい。なぜなら、GA鋼板の耐チッピン
グ性とりわけ低温時の衝撃に対する皮膜密着性は、一般
の皮膜密着性とは異なるからである。
号公報のGA鋼板における鋼板とめっき皮膜の界面の密
着性は、自動車外板に要求される接着接合性を満足しな
い。
ーキング性、耐パウダリング性等の一般性能を低下させ
ずに、自動車外板として適用可能な耐衝撃密着性、とり
わけ低温における耐衝撃密着性、並びに接着接合性を確
保できる界面密着性に優れたGA鋼板およびその製造方
法を提供することにある。
研究によると、GA鋼板の耐チッピング性は、めっき皮
膜の組成に大きく影響され、上層にη相が残存するよう
な皮膜中のFe量が7%未満の低FeGA鋼板では、η
相が衝撃を吸収するため剥離径は小さいが、このη相が
消失するとクラックが鋼板とめっき皮膜の界面まで達
し、界面に沿った剥離の伝播が生じて剥離径が大きくな
る傾向が見られる。
鋼板とめっき皮膜の界面にΓ相が形成されたδ1主体の
めっき皮膜とすれば、耐チッピング性が再び回復し、特
にFe量15%以上で自動車の外板として適用可能な耐
低温チッピング性が得られる。
のFe量が7%未満では耐ブリスター性および耐フレー
キング性が劣り、13%を超えると耐パウダリング性お
よび犠牲防食能力が低下するため、耐孔あき性等が低下
する。つまり、耐チッピング性の確保に好都合なFe量
では一般性能が犠牲になり、ここにGA鋼板の耐チッピ
ング性を確保することが困難な大きな理由があるわけで
ある。
が大きくなると、チッピングによる剥離界面と同様に剥
離が鋼板とめっき皮膜の界面で生じ、現象は若干異なる
が皮膜中のFe量に対して同様な傾向を示すことを実験
的にも確かめている。つまり、チッピングによる剥離も
接着部の剥離も共に界面密着性が不足することによる問
題である。従って、現状では、高度の接着接合性を確保
することも同様に困難である。
に、めっき皮膜中のFe濃度勾配に着目し、一般性能確
保の観点からめっき皮膜のFe量を7〜15%に制限
し、鋼板とめっき皮膜の界面のみを高Fe濃度とするこ
とを企画した。即ち、チッピングによる剥離や接着部の
剥離は鋼板とめっき皮膜の界面で起こるため、この界面
を高Fe量とすれば、皮膜中のFe量を多くしなくても
界面剥離を防止でき、耐低温チッピング性および接着接
合性を含めた綜合性能が確保されるわけである。
製造した皮膜中Fe量が同一のGA鋼板を比較したとこ
ろ、昇温速度が大きくなるほど皮膜中のFeの濃度勾配
が大きくなり、高速度で昇温させた場合は低速度で昇温
させた場合に比べて鋼板とめっき皮膜の界面にFe量の
多い合金相が形成されることが確認された。これについ
ては、昇温速度が大きくなると、ξの安定成長が可能な
温度域を短時間で通過するため、ξ相の成長が少なく、
高温で安定なδ1相およびΓ相が直ちに成長するとの報
告がある。
ことによって自動車外板に必要な界面密着性を得ようと
すると、40〜45℃/秒を超える昇温速度が必要とな
る。そのような高速昇温では、例えば無処理の冷延鋼板
をめっき母材に用いた場合、めっき皮膜が一般のGA鋼
板に比べてかなり凹凸化するなどの弊害も認められた。
る界面密着性の改善効果を更に高める手段として、界面
に凹凸を付与しアンカー効果を持たせることに着目し、
種々の調査研究を繰り返した結果、浴中Al濃度を所定
量以上に高め、その高AlのZn浴によるめっきと、合
金化時の高速昇温加熱との併用により、鋼板表面に微細
な凸部が形成され、比較的低速の昇温加熱によっても界
面密着性が著しく改善されることを知見した。
素地鋼板の表面に形成されるΓ相の成長を抑え、Γ相に
比して厚いΓ1 相をその上に形成すると、耐パウダリン
グ性等が著しく向上すること、Γ相の形成を抑えるため
には、合金化高速昇温での到達温度を低くするのが有効
であること、到達温度を低くしたことによる二次弊害の
防止等のために、合金化高速昇温に続いて後熱処理を行
う必要のあることが判明した。
あり、その合金化溶融Znめっき鋼板は、素地鋼板表面
にFe濃度が7〜15wt%の合金化Znめっき皮膜が
形成され、且つ、鋼板とめっき皮膜の界面にFeが濃化
された合金化溶融Znめっき鋼板において、鋼板表面に
最大径が10μm以下、高さが0.1〜2μmの凸部が形
成され、その表面に1.5μm以下のΓ相、0.5〜3.5μ
mのΓ1 相が順に形成され、更にその上層がδ1 相ある
いはδ1 +ζ相よりなることを特徴とする。
の製造方法は、鋼板を浴中Al濃度が0.105〜0.3w
t%のZn浴でめっきした後、そのめっき鋼板に板温が
420〜650℃の温度域で20℃/s以上の昇温速度
で合金化処理を行い、引き続いて450〜550℃で3
s以上の加熱処理を行うことを特徴とする。
きく左右され、皮膜中のFe濃度が高くなるほど良好と
なる。そして、自動車用として満足される界面密着性を
確保するためには、少なくとも13%以上の高Fe%G
A鋼板が必要となる。しかし、このような高Fe%GA
鋼板では、特に耐パウダリング性が劣化する。
配を与え、そのFe濃度を抑えつつ界面にのみ高Fe%
GA鋼板に類似した構造を与える。
のようなGA鋼板において、更に、鋼板表面に微細な凸
部を形成して、アンカー効果により界面密着性をより高
め、合わせてその表面に1.5μm以下のΓ相、0.5〜3.
5μmのΓ1 相を形成して、耐パウダリング性等の更な
る引上げを図ったものである。
μm以下、高さは0.1〜2μmとする。最大径が10μ
mを超えるとアンカー効果が低下する。高さが0.1μm
未満では凸部による界面密着性の改善効果がなく、2μ
mを超えると、鋼板表面の凸部がめっき皮膜の表面に現
れ、その粗さ増大がプレス時の摺動性低下につながる。
mを超えると、耐パウダリング性が著しく低下する。鋼
板表面に厚いΓ相が形成されると、図1(A)に示すよ
うに、皮膜に生じたクラックは、δ1 相の下面を板面に
平行な方向に進展するため、皮膜剥離量が増大する。し
かし、Γ相の形成が抑制され、鋼板上或いはその薄いΓ
相上に0.5μm以上のΓ1 相が形成されると、図1
(B)に示すように、皮膜に形成されたクラックは、鋸
刃状のΓ1 相の表面に沿っては進展せず、直ちにめっき
皮膜の表面に抜けるため、剥離量が著しく低減される。
ただし、Γ1 相の厚みが3.5μmを超えると、その下層
のΓ相の厚みを1.5μm以下に抑制することが困難とな
り、耐パウダリング性が低下する。
る。7%未満では耐ブリフター性が劣る。このFe濃度
が増加すると、耐パウダリング性が低下するが、上述し
た本発明の皮膜構造により耐パウダリング性が向上する
ため、Fe濃度の上限は15%まで許容される。
方法は、合金化時に高速昇温を行い、高Fe%GAに類
似した構造を鋼板とめっき皮膜の界面に与える。
上とする。換言すれば、本発明では昇温速度の下限を2
0℃/sまで引き下げることができる。昇温速度が20
℃/s未満では、耐チッピング性が改善されるほどの高
Fe合金相を鋼板とめっき皮膜の界面に形成するのが難
しい。。
グ装置を経た直後の初期加熱に用いるものであり、上層
にη相が残存しているめっき材にのみ有効である。これ
は、高速加熱が高速昇温によって初期に形成される界面
合金相を高Fe化するための加熱であるため、合金化の
完了しためっき材では効果がないからである。
ものではないが、薄板の加熱で高速昇温を行うには、加
熱電源を高周波領域にも対応させる必要があり電源コス
トの増大を招くこと、また、めっき皮膜が凹凸化するこ
となどから、80℃/s以下、更に好ましくは40℃/
s以下で操業することが望ましい。
熱、直下加熱バーナー、通電加熱、高周波誘導加熱等の
いずれを採用してもよく特に限定するものではない。
50℃の範囲内とする。これは、420℃未満では合金
相の形成がわずかしか認められず、650℃を超えると
めっき皮膜の合金化が進みすぎ、鋼板表面に厚いΓ相が
形成されて、耐パウダリング性等の性能を低下させるか
らである。
方法は、合金化のための急速加熱に続けて、450〜5
50℃で3s以上の加熱処理を行う。この後熱処理は、
初期急速加熱のみでは皮膜中Fe濃度が7%に満たない
材料を所定のFe濃度に調整するのに有効である。ま
た、初期急速加熱によって皮膜中に形成される内部応力
を緩和させ耐パウダリング性を向上させる効果も有す
る。450℃未満あるいは450℃以上でも3s未満の
場合はこれらの効果が十分に得られない。一方、550
℃を超えると、合金化が過度に進みすぎるため、皮膜中
のFe濃度を15wt%以下に制御することが困難とな
る。
t%とする。浴中Al濃度が0.105wt%未満では、
合金化時の高速昇温を併用しても鋼板表面にアンカー効
果に有効な凸部が形成されず、界面密着性の改善が充分
ではない。また、浴中Al濃度が0.3wt%を超える
と、鋼板表面に形成される凸部の高さが、昇温速度20
℃/s以上の範囲で2μmを超えてしまい、GA鋼板表
面の粗さが増大することによりプレス時の摺動性低下を
招くと共に、所定の合金化度を得るための加熱時間の延
長、合金化炉温の上昇、通板速度の低下等が必要とな
り、操業性が低下する。
れる理由は、明確には分かっていないが、大概次のよう
に推定される。鋼板をめっき浴に浸漬した場合、鋼板と
めっき皮膜の界面にFe−Al合金層が形成される。こ
の合金層は、浴中Al濃度が低い場合は短時間で消滅し
均一なFe−Zn反応へと進行する。しかし、浴中Al
濃度が高くなると、この合金層が局所的に破壊され、こ
れが鋼板表面の凸部形成に寄与すると考えられる。
ばPb,Sb,Si,Fe,Sn,Mg,Mn,Ni,
Cu,Ca,Li,Ti,ミッシュメタル等の1種また
は2種以上が少量含有されていてもよい。
はなく、例えば、C,Si,Mn,P,S,sol.A
l,Ti,Cr,Nb,Cu,Ni等が一般に用いられ
ている範囲で含有されていても、本発明の趣旨を損ねる
ものではない。
り、自動車外板として使用可能な耐低温チッピング性お
よび接着接合性が得られ、更に、耐フレーキング性、耐
パウダリング性等の一般性能についても優れた性能が得
られる。
0.25%,P:0.06%,solAl:0.025%,T
i:0.01%の成分組成を有する板厚0.8mmのフルハ
ード冷延鋼板から100×250mmの供試材を採取し
た。これに前処理として溶剤脱脂、Na2 CO3 +Na
OH水溶液中での電解洗浄、水洗および乾燥を順番に行
った。
レーターを用いて、5%O2 +N2中で500℃×30
秒の加熱処理を行った後、25%H2 +N2 の雰囲気に
て750℃×60秒の還元焼鈍を行い、引き続いてAl
濃度を変化させた460℃のZn浴にてめっきを行っ
た。
g/m2 に調整した後、高周波誘導加熱装置を用い周波
数100kHzで熱処理を行った。熱処理は一定速度で
昇温させる初期合金化の後に、引き続き所定の温度の等
温後熱処理を行うものとした。
性、耐低温チッピング性、接着接合性、鋼板表面に形成
された凸部の形状を下記により調査した。
30mm、ダイス肩半径3Rの円筒絞り試験を行った
後、外側円筒部のテープ剥離を行い、剥離程度を目視に
より観察して、次の基準により評価した。 (良)◎ ○ △ ×(劣)
浸漬式リン酸化成処理、カチオン型電着塗料、中塗り、
上塗りの3コート塗装(合計厚100μm)を行った。
その後、この塗装板を−20℃に冷却保持し、グラベロ
試験機にて直径4〜6mmの砂利石10個をエア圧2.0
kg/cm2 、衝撃速度100〜150km/hrの条
件で衝突させるチッピング試験を行い、剥離径を測定し
た。
り出し、ライオン油脂製−液エポキシ系接着剤を0.3m
mの厚さに塗布し、重ね代12.5mmで重ね合わせた試
料を焼付け温度180℃で加熱処理した後、剪断引張試
験に供し、その最大剥離強度を測定した。
た後、鋼板の表面および断面をSEM観察し、1000
倍視野内の5箇所平均で凸部の径および高さを求めた。
び接着接合性に及ぼす影響を調査した結果を表1に示
す。浴中Al濃度は0.1〜0.308wt%、初期合金化
における昇温速度は15,20,40℃/s、到達温度
は500℃(一定)とした。初期合金化に続く後熱処理
では、温度を500℃(一定)とし、GA皮膜中のFe
濃度が11%となるように処理時間を調整した。
性、接着接合性および耐パウダリング性に及ぼす影響を
調査した結果を表2に示す。ここでは、めっき浴中Al
濃度を0.122%に統一し、初期合金化での昇温速度を
10,20,30,40℃/sの4段階に変化させ、合
わせてその到達温度および後熱処理条件を変化させた。
小さくて高い凸部が形成されず、その結果、耐低温チッ
ピング性および接着接合性が十分に改善されない。めっ
き浴中濃度を高くしても、昇温速度が遅いと、やはり有
効な凸部が鋼板表面に形成されず、界面密着性が不足す
る(以上、表1より)。
めっき皮膜の界面が高Fe化されず、後熱処理を併用し
ても、耐低温チッピング性および接着接合性が低く、耐
パウダリング性も悪い。初期合金化時の昇温速度を速く
し、且つ、その到達温度を抑えると、Γ相の形成が抑制
され、Γ相に比して厚いΓ1 相が形成されることによ
り、界面密着性が著しく向上する。但し、後熱処理が行
われない場合、また、これを行ってもその条件が適切で
ない場合は、主に耐パウダリング性が低下する(以上、
表2より)。
素地鋼板表面にアンカー効果を発現する微細な凸部を有
するので、鋼板とめっき皮膜の界面密着性に著しく優
れ、高度の耐低温チッピング性および接着接合性を有す
る。また、めっき皮膜中のFe濃度を抑え、且つ鋼板表
面に形成されるΓ相の成長を抑え、Γ相に比して厚いΓ
1相を形成したので、耐パウダリング性等の性能も著し
く高い。
方法は、合金化時の高速昇温により、鋼板とめっき皮膜
の界面にのみ高Fe%GAの界面構造を実現し、めっき
皮膜中のFe%を適正に保つので、耐パウダリング性お
よび耐フレーキング性等の一般性能と合わせて、自動車
外板に要求されるような高度の耐低温チッピング性およ
び接着接合性を確保できる。その上、めっき浴中のAl
濃度を高めることにより、素地鋼板表面に微細な凸部を
形成し、これによるアンカー効果により、特に高い界面
密着性をGA鋼板に付与する。更に、合金化加熱時の到
達温度の抑制と、合金化加熱に続く後熱処理とにより、
鋼板表面に形成されるΓ相の成長を抑え、Γ相に比して
厚いΓ1 相を形成するので、耐パウダリング性等をより
改善することができる。
明とで比較して示す断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 素地鋼板表面にFe濃度が7〜15wt
%の合金化Znめっき皮膜が形成され、且つ、鋼板とめ
っき皮膜の界面にFeが濃化された合金化溶融Znめっ
き鋼板において、 鋼板表面に最大径が10μm以下、高さが0.1〜2μm
の凸部が形成され、その表面に1.5μm以下のΓ相、0.
5〜3.5μmのΓ1 相が順に形成され、更にその上層が
δ1 相あるいはδ1 +ζ相よりなることを特徴とする界
面密着性に優れた合金化溶融Znめっき鋼板。 - 【請求項2】 鋼板を浴中Al濃度が0.105〜0.3w
t%のZn浴でめっきした後、そのめっき鋼板に板温が
420〜650℃の温度域で20℃/s以上の昇温速度
で合金化処理を行い、引き続いて450〜550℃で3
s以上の加熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記
載の合金化溶融Znめっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20026193A JP2707952B2 (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | 界面密着性に優れた合金化溶融Znめっき鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20026193A JP2707952B2 (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | 界面密着性に優れた合金化溶融Znめっき鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0734213A true JPH0734213A (ja) | 1995-02-03 |
JP2707952B2 JP2707952B2 (ja) | 1998-02-04 |
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ID=16421413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20026193A Expired - Lifetime JP2707952B2 (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | 界面密着性に優れた合金化溶融Znめっき鋼板およびその製造方法 |
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JP (1) | JP2707952B2 (ja) |
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