JPH0734145A - 金属質廃材から油脂類を選択的に分離する方法 - Google Patents

金属質廃材から油脂類を選択的に分離する方法

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JPH0734145A
JPH0734145A JP17893093A JP17893093A JPH0734145A JP H0734145 A JPH0734145 A JP H0734145A JP 17893093 A JP17893093 A JP 17893093A JP 17893093 A JP17893093 A JP 17893093A JP H0734145 A JPH0734145 A JP H0734145A
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oils
fats
heating
waste material
waste
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Kenichi Katayama
賢一 片山
Tomiya Fukuda
富也 福田
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油脂類が付着した金属質廃材から油脂類を気
化分離し、製鋼用原料を得る。 【構成】 油脂類を含む金属質廃材Mを加熱炉10に装
入し、非酸化性雰囲気中で油脂類の気化温度以上に波誘
電加熱する。気化した油脂類g1 をキャリアガスg2
随伴させて冷却室20に送り込み、冷却によって液化又
は固化した油脂類f1 として回収する。金属質廃材に
は、誘電加熱効率を高め、且つ還元剤として働くコーク
ス等の固体炭素含有物質を配合しても良い。加熱炉10
を減圧又は真空雰囲気に維持するとき、油脂類の気化が
促進される。 【効果】 油脂類が除去された金属質廃材Mは、酸化又
は過酸化されていないので、有用な製鋼用原料として使
用される。分離された油脂類f1 は、未燃焼であること
からほとんど変質又は組成変化しておらず、燃料,金属
石鹸等の原料として使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Fe,Cr,Ni等の
有価金属を含む金属質廃材から鉱物油,高級脂肪酸等の
油脂類を非燃焼分離し、油脂類及び有価金属の双方を有
用資源として回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】食品,薬剤等を製造するとき、合成反応
を促進させるためNi系の触媒が使用されている。Ni
系の触媒は、石油化学工業における有機合成にも使用さ
れている。Ni系触媒は、賦活処理によって繰り返し使
用されるが、最終的には触媒活性のない状態になる。使
用済みのNi含有廃触媒は、高級脂肪酸等の油脂類が付
着しているものの、貴重なNiを主成分としていること
から有用な鉄鋼原料である。Ni含有廃触媒を製鋼原料
として使用するとき、金属分を高めるため、付着してい
る多量の油脂分を燃焼によって除去する方法が通常採用
されている。
【0003】しかし、油脂類を燃焼除去するとき、高温
の燃焼排ガスが多量に発生する。燃焼排ガスの廃熱を利
用するために多額の設備投資が必要なことは勿論、排出
される燃焼排ガスに随伴されるダストとして有価金属の
一部が系外に流出する。また、高温酸化雰囲気で油脂類
を燃焼することから、Niが過酸化され、製鋼原料とし
て使用するとき再還元に必要なエネルギーが増加する。
場合によっては、金属元素が溶融し、燃焼炉の内壁等に
付着することもある。本発明者等は、このような欠点を
解消するものとして、油脂類を未燃焼の状態でNi含有
廃触媒から選択分離する方法を開発し、特願平5−67
846号として出願した。この方法では、コークス用の
乾留炉,外燃式のロータリキルン等の加熱炉を使用し、
非酸化性雰囲気の下で油脂類を気化させることにより、
Ni含有廃触媒から油脂類を選択分離している。
【0004】ところで、金属製造や金属加工等の分野で
は、製品の表面品質を向上させる研削工程,製品形状を
高精度に仕上げる研削,研磨等の精密加工工程等が採用
されている。これらの工程では、鉱物油を主成分とする
研磨油,潤滑油等が使用されているため、油が付着した
研削屑,研磨屑等が多量に発生する。研削屑,研磨屑等
は、粉末状又は細線状の金属であり、金属製錬用原料と
しての価値が高い。しかし、多量の油を含むことから、
品質又は作業の安全性を考慮すると、通常の製錬工程に
そのままで使用することはできない。そこで、特開平3
−240925号公報,特開平3−285986号公報
等では、研削屑,研磨屑等を乾留することにより付着油
を除去する方法が紹介されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法では、乾
留釜に入れた油含有研削屑を釜の外部からバーナで間接
加熱し、釜内に導入したN2 ガスに昇温気化した油を随
伴させて系外に排出している。すなわち、間接加熱方式
であり、油の気化は、釜を介して被加熱物に伝えられる
熱による昇温の結果として起きる。そのため、多孔質物
質のように熱伝導率が低い被加熱物から油を気化しよう
とすると、加熱効率が非常に低く、油の気化温度まで昇
温するために数時間以上の長時間加熱が必要になること
もある。その結果、生産性が低下し、設備規模も大型化
する欠点がある。
【0006】他方、被加熱物から気化分離した油脂類
は、引火性の強いガスとなる。引火性ガスを発生する被
加熱物をバーナ方式等で加熱する際、バーナーフレーム
からの引火がないように、厳重な安全対策設備が必要と
され、付帯設備にかかる経費負担が大きくなる。本発明
は、このような問題を解消すべく案出されたものであ
り、内部加熱方式を採用することにより、加熱効率を向
上させると共に、安全面でも優れた条件下で金属質廃材
から油脂類を選択分離することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の油脂選択分離方
法は、その目的を達成するため、油脂類を含む金属質廃
材を非酸化性雰囲気中で前記油脂類の気化温度以上に誘
電加熱し、気化した前記油脂類をキャリアガスに随伴さ
せて系外に導く。加熱手段としては、被加熱物の内部に
誘電損を発生させるマイクロ波発生源が通常使用され
る。しかし、被加熱物が高周波誘電される場合、高周波
発生装置を加熱手段として使用することもできる。金属
質廃材は、Fe,Cr,Ni等の有価金属を含んでい
る。具体的には、金属加工,表面研磨等に使用された潤
滑油,研磨油等の鉱物油を含有した研削屑や研磨屑、石
油化学,食品製造,薬剤製造等に使用された鉱物系油や
動植物系油が付着した廃触媒等が本発明に従って処理さ
れる。たとえば、食品製造に使用された廃触媒にはパル
ミチン酸,オレイン酸,ステアリン酸等の高級脂肪酸や
他の油脂が含まれている。これらの油脂類は、加熱処理
によって金属分から揮発分離される。また、石油化学工
業で発生する引火性物質や揮発性物質を含む廃触媒や廃
棄物の処理にも同様に適用される。
【0008】
【作用】本発明の方法では、被加熱物自体の内部に発生
する誘電現象によって直接加熱されるため、従来の外部
加熱方式に比較して加熱時間が大幅に短縮される。ま
た、多孔質物質のように熱伝導率の低い被加熱物であっ
ても、短時間で所定温度に昇温し、油脂類の気化が促進
される。すなわち、短時間で油脂類を燃焼することなく
分離し、金属製錬用原料が回収される。加熱に先立っ
て、固体炭素を含む物質を金属質廃材に混合しても良
い。固体炭素を含む物質の混合は、被加熱物が誘電加熱
されにくい種類の油脂含有物質を効率よく誘電加熱する
上で有効である。固体炭素含有物質としては、石炭,コ
ークス等が使用される。
【0009】固体炭素含有物質は、還元剤としても働
き、金属状態の精錬用原料としての回収も可能になる。
特に、多量の酸化物が含まれている金属質廃材の処理に
適している。たとえば、コークス等の固体炭素質を主体
とする還元剤を混合し、金属質廃材を千数百℃まで加熱
すると、金属状態での回収が可能になる。この場合、混
合されているコークス等の固体炭素含有物質が効率よく
電力を熱に変換し、千数百℃の高温まで金属質廃材の加
熱が促進される。そのため、通常の間接加熱方式に比較
して、還元に消費されるエネルギー量の節約も図られ
る。本発明に従った油脂類の選択分離は、たとえば図1
に示す設備を使用して行われる。金属質廃材Mは、必要
に応じて固体炭素含有物質と混合された後、容器11に
収容された状態で加熱炉10に装入される。容器11と
しては、加熱によって溶融状態になった一部の油脂類が
金属質廃材から流下分離し易いように、網状又は多数の
小孔が形成されたバスケットが好ましい。
【0010】加熱炉10は、制御盤12で操作されるマ
イクロ波発生装置13を備えている。マイクロ波発生装
置13で発生したマイクロ波は、導波管14を通って加
熱炉10の内部に送られる。マイクロ波で照射された金
属質廃材Mは、誘電現象によって内部から直接加熱され
る。油脂類の気化温度以上に金属質廃材Mを加熱すると
き、金属質廃材Mに付着している油脂類が気化分離され
る。実際的には、被加熱物に含まれる油脂類の種類にも
よるが、200〜650℃の範囲に加熱温度を設定する
ことが好ましい。場合によっては、千数百℃まで加熱し
て、被加熱物に含まれる酸化物の還元反応を起こさせ、
金属質廃材Mから完全な金属状態として有価金属を回収
することもできる。
【0011】油脂類の気化は、加熱温度が高いほど活発
に進行する。しかし、650℃を超える加熱温度は、エ
ネルギーを浪費するばかりでなく、気化した油脂類の分
解や煤の発生等が問題となり、加熱炉10の内壁や配管
内に分解生成物や煤が付着し、閉塞等のトラブルが発生
し易くなる。この点、金属質廃材Mの還元を必要としな
いとき、200〜650℃の比較的低い温度範囲で加熱
することが好ましい。場合によっては、減圧又は真空下
で加熱することにより、油脂類の気化を促進させる。減
圧又は真空下の加熱は、油脂類の気化温度を更に下げ、
加熱エネルギーを節減する上で有効である。加熱雰囲気
には、不活性ガス雰囲気や空気遮断雰囲気が使用され
る。完全な非酸化性雰囲気で加熱するためには、加熱に
先立って加熱炉10の内部を窒素又はアルゴン等の不活
性ガスで置換することが好ましい。加熱中には、給気管
15から不活性ガスがキャリアガスg0 として加熱炉1
0に送り込まれる。場合によっては、油脂類の揮発除去
を促進させる上から、減圧又は真空下の加熱も採用され
る。
【0012】加熱された金属質廃材Mに含まれている油
脂類は、燃焼することなく気化蒸気g1 となる。気化蒸
気g1 は、キャリアガスg0 に乗って排気管16を介し
て持ち去られる。このとき、金属質廃材Mの表面を研削
屑mで覆っておくと、金属質廃材Mとキャリアガスg0
の直接接触が避けられ、キャリアガスg0 の流れに乗っ
た微粉状金属分の飛散が防止される。研削屑mによる覆
いは、たとえば廃触媒のように微粉部分が多い被加熱物
を対象とするとき有効である。また、微粉を多量に含む
被加熱物から油脂類を気化分離するとき、キャリアガス
の流れに乗って系外に排出される金属分が多くなること
が予想される。この場合、ピッチ,セメント,水ガラス
等のバインダーで予め製団した金属質廃材Mを被加熱物
として加熱室に装入することが望ましい。
【0013】気化蒸気g1 は、加熱炉10の内部で再度
液化することがある。また、金属質廃材Mに含まれてい
る油脂類は、気化することなく、流動性を増加させ、金
属質廃材Mから流下分離することもある。そこで、加熱
炉10の底部に排油管17を設け、炉底に溜った液状の
油脂類を加熱炉10から抜き出す。冷却室20は、排気
管16を介し加熱炉10に接続されている。金属質廃材
Mから分離した気化蒸気g1 は、キャリアガスg0 の流
れに乗って排気管16から冷却室20に流入する。冷却
室20は、冷媒源21から冷却水,冷気等の冷媒を循環
させる冷却機構を内蔵している。流入した気化蒸気g1
は、冷却室20での冷却により再び液化又は固化し、液
相又は固相の油脂類f 1として冷却室20の底部に溜
る。
【0014】気化蒸気g1 は、冷却室20に流入する前
に排気管16の内部で液化又は固化する虞れがある。固
化した油脂類は、排気管16を閉塞し、加熱炉10の内
部に引火性のガスが滞留する原因となる。そこで、排気
管16を通過する気化蒸気g1 をガス状又は少なくとも
流動性の高い液状に保つため、断熱材18又はヒータ内
蔵の保温層を排気管16に巻き付け、排気管16を通過
するキャリアガスg2を油脂類の気化温度以上に維持す
ることが好ましい。また、キャリアガスg0 及び気化蒸
気g1 の加熱炉10から冷却室20に円滑に流すため、
排気管16を冷却室20側に向けて下降させる。冷却室
20で液相又は固相の油脂類f1 が分離された排ガスg
3 は、冷却室20から排出された後、適宜の排ガス処理
設備に送られる。
【0015】排ガスg3 には、冷却室20で完全に捕集
されなかった油脂類が残留することがある。加熱処理を
減圧又は真空雰囲気で行うとき、真空ポンプ31の直前
にオイルトラップ32を配置する。オイルトラップ32
にも、冷媒源32から冷却水,冷気等の冷媒が送られ、
排ガスg3 と熱交換する。排ガスg3 に残留している油
脂類は、オイルトラップ32で捕捉され、真空ポンプ3
1への侵入がないように液相又は固相の油脂類f2 とし
て分離される。場合によっては、高温処理したとき油脂
分解ガスが発生することがある。そこで、真空ポンプ3
1から排出された排ガスを最終的に完全燃焼及び脱臭す
るため、真空ポンプ31の下流側にバーナー等の排ガス
処理設備33を必要に応じて配置する。
【0016】このようにして、加熱炉10から鉄鋼製造
原料として有用な金属元素を含有する物質が取り出さ
れ、冷却室20から油脂類が取り出される。回収された
金属元素含有物質は、付着していた油脂類が除去され、
金属元素が濃縮された状態になっている。しかも、燃焼
等による酸化又は過酸化が生じていない。そのため、製
鋼用原料としての利用価値が高い。他方、回収された油
脂類は、未燃焼であることから、多少の変質や組成変化
があるものの、燃料,石鹸製造用原料等として十分に利
用できる。加熱装置としては、本発明を制約するもので
はないが、図1に示した箱形のバッチ式加熱炉10のよ
うに、加熱部に対する不活性ガスの導入及び排出が可能
な構造、場合によっては炉内を減圧できる機構を備えた
炉が好ましい。また、加熱炉10は、電波障害,人体に
対する安全面から、電波漏洩を防止するシール構造をも
つことが必要である。
【0017】金属質廃材Mに含まれている油脂類の気化
が終了したことは、回収された油脂類の回収量の減少,
加熱炉10に設置したロードセル等から求められる重量
現象等から検出できる。バッチ式で加熱後の金属質廃材
Mを加熱炉10から取り出すとき、炉内に引火性ガスが
残留している虞れがある。そこで、取出しに先立って引
火性ガスの排出を十分に行わせると共に、金属質廃材M
が十分に冷却した後で取り出すことが好ましい。金属質
廃材Mの冷却は自然冷却でもよいが、冷却水や不活性ガ
スを使用した強制冷却を採用するとき生産性が向上す
る。
【0018】
【実施例】
実施例1:ステンレス鋼板の表面研磨に使用した研磨油
を12重量%含む研削屑100kgを磁性容器に入れ、
オーブン型加熱炉に装入した。加熱炉に窒素ガスを導入
し、炉内の空気を窒素ガスで完全に置換した。次いで、
最高加熱温度を400℃に設定し、出力50kw及び周
波数915MHzのマイクロ波誘導加熱装置で研削屑の
昇温を開始した。加熱炉内には、加熱開始と同時に窒素
ガスを30リットル/分の流量で流し続け、排ガスを加
熱炉から油回収設備まで導いた。油回収設備で、気化し
た油脂を冷却し、液状で回収した。研削屑は、マイクロ
波照射開始から約10分間で設定温度400℃まで昇温
した。研削屑の重量減少が検出されなくなった時点で、
マイクロ波誘導加熱装置をパワーオフした。
【0019】油脂類が気化分離された研削屑は、研磨油
の引火点150℃以下まで窒素ガスによって冷却した
後、加熱炉から取り出された。処理後の研削屑は重量が
約12%減少しており、金属濃度は処理前の87%から
99%まで上昇していた。研削屑中の残留油脂分を四塩
化炭素で抽出したところ、僅か0.4%の残留量に過ぎ
なかった。得られた研削屑は、酸化しておらず、製鋼原
料として十分に使用できるものであった。他方、11k
gの油脂類が回収され、燃料として使用可能であった。
【0020】比較例1:実施例1と同じステンレス鋼の
研削屑100kgを、バーナ加熱式の乾留炉に装入し
た。研削屑の目標加熱温度を400℃に設定し、加熱開
始と同時に窒素ガスを30リットル/分の流量で流し
た。研削屑が目標温度400℃に達するまでに、約3時
間と長時間を要した。排ガスは、乾留炉から油回収設備
まで導き、気化した油脂類を油回収設備で冷却して回収
した。処理後の研削屑は重量が約12%減少しており、
金属成分は処理前の87%から98%まで濃縮されてい
た。研削屑に残留している油脂類を四塩化炭素で抽出し
たところ、1.4%の残留量であり、実施例1に比較し
て多量の油脂類が残留していることが判った。
【0021】実施例2:実施例1と同じ研削屑100k
gをオーブン型加熱炉に装入し、炉内の空気を窒素ガス
で置換した後、炉内を真空度10トールの減圧雰囲気に
維持した。マイクロ波照射及び減圧開始後、約5分で研
削屑の到達温度が250℃となり、この時点でマイクロ
波照射を中止した。加熱処理された研削屑を窒素ガスで
冷却した後、加熱炉から取り出した。研削屑に残留して
いる油脂類を分析したところ、残留量は約0.5%であ
った。処理後の研削屑は、製鋼原料として問題なく使用
できるものであった。
【0022】実施例3:オレイン酸,ステアリン酸等の
数種の高級脂肪酸を含む廃触媒(Ni:19%,油脂
類:55%)に、平均粒径1mmのコークス粒5重量%
を配合した混合物を調製した。混合物100kgを磁性
容器に入れ、加熱炉に装入した。廃触媒の最高到達温度
を600℃に設定し、出力50kw及び周波数915K
Hzでマイクロ波誘電加熱した。このとき、加熱開始と
同時に窒素ガスを5リットル/分の流量で加熱炉内に流
した。加熱炉からの排ガスは、電気式ヒータで200℃
に保温された排気管を介して加熱炉から油回収設備まで
導かれた。油回収設備で、気化した油脂類を冷却し、油
脂類を粉末状で回収した。処理後の廃触媒は重量が約5
4%減少しており、廃触媒中のNiは39%に濃縮され
ていた。また、四塩化炭素で廃触媒中の残留油脂を抽出
したところ、油脂残留量は枠0.5%に過ぎなかった。
処理後の廃触媒は、製鋼用Ni原料として問題なく使用
できるものであった。
【0023】比較例2:実施例3と同じ廃触媒を、外燃
式のロータリキルンに5kg/分の割合で連続装入しな
がら加熱処理した。ロータリキルン内の最高雰囲気温度
を400℃に設定し、窒素ガスを20リットル/分の流
量でロータリキルン内に流した。加熱処理後の廃触媒は
重量が約24%減少しており、廃触媒中のNi濃度は実
施例3に比較して25%と低い値を示した。また、廃触
媒に残留している油脂類を四塩化炭素で抽出したとこ
ろ、油脂類の含有率が30%と高く、油脂類の除去が不
完全であることが判った。これは、廃触媒の処理速度に
比較して廃触媒の伝熱速度が低く、廃触媒自体が均一に
加熱されなかったことに原因があるものと推察される。
【0024】実施例4:実施例3と同様な廃触媒(N
i:19%,油脂類:55%)に、平均粒径1mmのコ
ークス粒5重量%を配合した混合物を調製した。混合物
100kgを磁性容器に入れ、加熱炉に装入した。この
とき、飛散防止のため、廃触媒の上部を、ステンレス鋼
の研削屑10kgでカバーした。廃触媒の最高到達温度
を600℃に設定し、実施例3と同様にマイクロ波誘電
加熱した。加熱開始と同時に流量30リットル/分で窒
素ガスを加熱炉内に導入し、排ガスを油回収設備に排出
した。油回収設備で、気化した油脂類を冷却し、半固体
状で回収した。処理後の廃触媒は、重量が約54%減少
しており、Ni濃度が99%に上昇していた。また、四
塩化炭素で廃触媒及び研削屑中の残留油脂を抽出したと
ころ、それぞれ0.5%及び0.1%の油脂類が残留し
ていた。処理後の廃触媒は、製錬用Ni原料として問題
なく使用できるものであった。
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、Ni,クロム等の金属元素を含有している金属質廃
材を非酸化性雰囲気中で油脂類の気化温度以上に誘電加
熱することにより、金属質廃材に付着している油脂類を
燃焼させることなく気化分離している。誘電加熱によっ
て金属質廃材が直接加熱されるため、熱効率が高く、た
とえば多孔質等の熱伝導率が低い金属質廃材も迅速に加
熱される。そのため、加熱処理に消費されるエネルギー
が節約され、効率よく且つ安全に、金属質廃材から製鋼
用原料が価値の高い未酸化状態で得られる。また、金属
質廃材から分離された油脂類も、未燃焼であることか
ら、燃料や金属石鹸の原料として使用可能なものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従って金属質廃材を加熱処理するた
めの設備構成
【符号の説明】
10:加熱炉 13:マイクロ波発生装置 20:
冷却室 M:金属質廃材 m:研削屑 g0 ,g
2 :キャリアガス g1 :気化蒸気 g3 :排ガス
1 ,f2 :回収された液相又は固相の油脂類

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂類を含む金属質廃材を非酸化性雰囲
    気中で前記油脂類の気化温度以上に誘電加熱し、気化し
    た前記油脂類をキャリアガスに随伴させて系外に導くこ
    とを特徴とする油脂類の選択分離方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の金属質廃材は、Fe,C
    r及びNiの1種以上を含有するものである選択分離方
    法。
  3. 【請求項3】 固体炭素を含む物質を請求項1記載の金
    属質廃材に混合した後、非酸化性雰囲気中で前記油脂類
    の気化温度以上に誘電加熱し、気化した前記油脂類をキ
    ャリアガスに随伴させて系外に導くことを特徴とする油
    脂類の選択分離方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の気化した油脂類は、減圧
    又は真空下で系外に導かれる油脂類の選択分離方法。
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