JP3641279B2 - 金属屑等の脱水方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、各種鋼帯や鋼板をはじめ種々の金属および合金の金属帯や金属板などを製造したり、あるいは加工したり、さらに加工された種々の加工物を用いて種々の製品を製造したりする工場などで発生する水分を付着し含有する金属屑等、または水分以外に油脂分をも付着および含有する金属屑を、溶解して得られた金属溶湯を有効に再利用しながら省資源を図るために、その水分を分離除去する金属屑等の脱水方法、または水分以外の油脂分をも含めて分離除去する金属屑の脱油脂を伴う脱水方法およびこれらの方法を好適に実施するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ステンレス鋼帯や鋼板をはじめ黄銅やアルミニウムなどの金属帯や金属板や金属棒等々の各種金属材料を製造する工場では、工場内で発生する種々の金属屑は勿論のこと、工場外で発生する種々の金属屑をも含め種々様々な金属屑を、分析や選別分類や配合を適宜行い、電気炉などの溶解設備に他の主副原材料とともに装入し、高温で溶解して金属溶湯を得て、さらにこの金属溶湯を所望とする化学組成など品質レベルの溶湯に精錬してから、最終的にかかる各種金属材料を製造している。つまり、このように金属屑を溶解し得られた金属溶湯を有効に再利用しながら経済的に省資源を図ることが行われている。
【0003】
ところが、このようにして工場内外で発生する各種金属屑は、反応用水や冷却用水や洗浄用水等々として実質的に水分を多量に付着し含有した状態で発生しかつ保持しているものがある。また、このような水分がほとんど付着し含有されていない状態で発生した金属屑であっても、一般的に金属屑はあまり費用をかけずに雑な処理や扱いを受けることが多いので、その運搬方法や保管方法が不適切な場合とか、その保管が長期に亘った場合とかに、湿気を帯びて水分を多量に含有しやすい。さらに雨水が直接かかったり、保管場所の床から水分が侵入し侵漬して水分を含有するに至りやすい。しかも、その保管方法にもよるが、一旦水分を含有すると簡単に乾燥されず、いつまでも保持しているのである。
【0004】
このようにして水分を付着し含有して保持するに至るのは、かかる金属屑だけでなく、前述のごとく金属屑の他に溶解設備に装入し高温溶解する主副原材料、たとえばフェロアロイやその他の各種合金および金属を含む主原料とか、石灰やホタル石やコークスなどを含む副原料とか、種々の化学冶金反応などを伴う精錬反応に必要な諸原料もある。
【0005】
このようにして発生し水分を付着し含有している金属屑等を、資源としてその使用量や装入量などに制限なく有効に再利用を図るためには、この水分を充分に分離除去して、水分の付着し含有されていない金属屑等を使用する必要がある。水分が含有されていると、電気炉などの溶解設備に装入し急激に加熱して溶解させるときに水蒸気爆発のおそれがあり安全上の問題が大きくなるとともに、水分に起因するガス吸収によって水素脆性や欠陥の発生などの品質低下を起こしやすくなるのである。種々の冶金反応を伴い所望とする化学成分など品質レベルに金属溶湯を精錬していくうえで、全く余計で負担がかかり品質レベルを低下させる水分を、かかる溶解かつ精錬工程中に極力持ち込まないようにする基本的な原則に反するのである。
【0006】
さて、一方では、このような水分以外に油脂分をも付着し含有する金属屑が多量に発生する。たとえば従来から、ステンレス鋼帯や鋼板をはじめ黄銅やアルミニウムなどの金属帯や金属板を製造する工場では、これらの板表面を美麗にしたり、形状を整えたり、板表面の庇を除去したりするために、表面の研削あるいは研摩が行われる。その際、水性の切削剤、洗浄剤として水分や、さらに油性の研削油あるいは研摩油として、第2石油類、第3石油類あるいは動物質等々といった油脂分が用いられる。これらの研削屑あるいは研摩屑は、粉状もしくは綿状等で不定形であり、油脂分を多量に含有した状態で発生しかつそのまま保持している。また、このような金属帯や金属板などの各種金属材料を、たとえば放電加工したり、切断したり、旋盤加工したり、穴あけ加工したりして種々の加工をする際に、主として冷却や潤滑作用を果すためにも油脂分が用いられる。これらの加工金属屑は、粉状もしくはそれぞれ独特の形状を有し不定形であり、油脂分を多量に含有した状態で発生しかつ保持している。
【0007】
さらに、たとえば食品加工分野では、種々の化学反応を促進する触媒としてたとえば高価なニッケルを用い、その触媒の担持金属材料や反応金属槽が用いられるが、これらの廃却された金属細片屑も、不定形であるばかりでなく、動物物質の油脂分が多量に付着し含有されている。
【0008】
このように実質的に油脂分のみで水分がほとんど付着し含有されていない状態で発生した金属屑であっても、前述した単に水分の含有されていない状態で発生した金属屑の場合と同様に、その運搬方法や保管方法が不適切な場合とか、油脂分を再利用するためにその大部分を機械的に分離除去した金属屑であってもその保管が長期にわたった場合とかに、湿気を帯びて水分を多量に含有しやすいし、水分を多量に含有するに至りやすい。しかも、一旦水分を含有すると、油脂分のみならず水分をもこの両者間に多少の量的な差異はあれど含有している金属屑となってしまい、含有された油脂分と水分とをいつまでも保持しているのである。
【0009】
このようにして発生し水分と油脂分との両者を含有している金属屑を、同様に有効に再利用し省資源を図るためには、この両者を充分に分離除去して、この両者の付着し含有されていない金属屑を使用する必要がある。この両者が含有されていると、同様に安全上の問題が発生し品質レベルを低下させるとともに、油脂分が含有されているので、この金属屑は、金属屑の種類や性状とその保管条件により自然発火し、油脂分を充分分離除去していない金属屑を高温で溶解しようとすると爆発燃焼して、それぞれ被害を生じることがある。
【0010】
このような金属屑から含有されている水分や水分以外の油脂分をも分離除去する技術に関連して、油脂分を分離する先行技術としては、たとえば特公昭52−35003号公報、特公昭58−44106号公報、実開昭61−879号公報、特開昭62−297067号公報、特開昭63−274419号公報あるいは特開平2−83050号公報に開示されている。
【0011】
特公昭52−35003号公報の先行技術では、ステンレス鋼板研削屑中の研削油の大半を遠心分離などによって分離した後、さらに研削屑を圧搾して研削油を流出させ、残存する研削油を燃焼させる。実開昭61−879号公報や特開昭62−297067号公報や特開昭63−274419号公報や特開平2−83050号公報の先行技術では、金属屑を種々の加熱手段によって加熱しながら遠心分離を行うことが開示されている。
【0012】
特公昭58−44106号の先行技術では、公報図面に開示されているような乾留装置によって油脂分を含む金属屑を乾留して、乾留ガスを冷却してから油脂分を回収する方法が開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
特公昭52−35003号公報の先行技術のように、残存する油脂分を圧搾して燃焼させて脱油する方式は、金属屑に水分のみが含有されている場合は適用できず対象外であり、水分以外に油脂分をも含有している場合であって水分が多いときは圧搾用シリンダー内に水分も流出するので有効に燃焼することができない。また圧搾し燃焼可能でも、燃焼の際に研削屑が酸化し、製鋼原料として再利用する場合には、精錬時に酸化していなければ不必要な還元剤を多量に必要とする欠点もある。また、乾留法で水分および油脂分を分離するには、その油脂に含まれている成分のうちで、大気圧下における沸点が最も高いものの温度以上に加熱する必要がある。この結果、乾留ガスの温度は400℃以上になり、大気圧下で、引火点よりも遥かに高い温度で脱油処理されるので、油脂分が熱分解され乾留ガスの燃焼や爆発などの危険性があり、運転上の安全管理が重要である。さらに、処理温度が高いために、被乾留物の加熱や冷却に時間がかかる。また、大気圧下の乾留であるため乾留速度が遅く、処理作業全体のサイクルタイムが長くなり能率や生産性が低下するという問題もある。遠心分離を行う際に加熱する先行技術では、大気圧下での加熱のために、水分および油脂分を充分に蒸発させることはできない。このため、金属屑に残存する水分および油脂分によって、前述のごとく溶解時の水蒸気爆発とか爆発燃焼とかの危険性があり、安全上、金属屑を再利用することが困難となる。また、水分が残存していると、金属へのガス吸収によって、水素脆性や欠陥発生など、品質低下のおそれがある。
【0014】
本発明の目的は、水分の付着し含有する金属屑等から水分を、または水分以外に油脂分をも含有する金属屑から水分以外の油脂分をも、容易にかつ安全に、しかも充分に分離除去し、これらの分離除去された金属屑を量的に制限なく溶解設備に装入し安全に高温溶解して品質レベルを低下させることなく金属溶湯を溶解かつ精錬できるように、従って金属屑を溶解し得られた金属溶湯を有効に再利用しながら経済的に省資源を図ることができるように、金属屑等の脱水方法、または金属屑の脱油脂を伴う脱水方法と、これらの方法を同一装置でもって好適に実施可能な装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水分を付着し含有する金属屑等から、水分を、または水分以外に油脂分をも付着および含有する金属屑から水分および油脂分を機械的に分離した後、金属屑等を圧縮成型し、圧縮成型物を加熱して、残存する水分を、または残存する水分および油脂分を同一装置で分離除去する金属屑等の脱水装置であって、
圧縮成型物を、真空雰囲気下に保持する真空室を備える真空装置と、
真空装置の真空室内で、圧縮成型物を、常温〜300℃の温度に加熱する加熱手段と、
脱水のみの動作モード、または脱油脂を伴う脱水の動作モードを切換える切換手段と、
同室内での加熱の終了を、真空度または経過時間で判定し、判定結果にしたがって真空装置および加熱手段を制御する制御手段とを含み、
脱水のみの動作モードでは、
該真空装置の真空室内への圧縮成型物の装入工程(A)と、
同室内を減圧するとともに加熱する脱水工程(B)と、
同室内の大気雰囲気への置換化工程(C)と、
同室内の圧縮物の冷却工程(D)と、
同室外への圧縮成型物の抽出工程(E)とを、
順次工程推進し、
脱油脂を伴う脱水の動作モードでは、
該真空装置の真空室内への圧縮成型物の装入工程(1)と、
同室内減圧工程(2)と、
同室内の不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気への置換化工程(3)と、
圧縮成型物の予熱工程(4)と、
同室内を再減圧するとともに圧縮成型物を加熱する脱水および脱油脂工程(5)と、
同室内の不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気への再置換化工程(6)と、
同室内の圧縮成型物の冷却工程(7)と、
同室外への圧縮成型物の抽出工程(8)とを、
順次工程推進する際に、
制御手段は、切換手段による動作モードの切換えに従い、
脱水のみの動作モードの装入工程(A)、および脱油脂を伴う脱水の動作モードの装入工程(1)と、
脱水のみの動作モードの脱水工程(B)での減圧、および脱油脂を伴う脱水の動作モードの減圧工程(2)とを、それぞれ共通に行い、
脱水のみの動作モードの脱水工程(B)での加熱と、置換化工程(C)とを行うか、または、
脱油脂を伴う脱水の動作モードの置換化工程(3)と、予熱工程(4)と、脱水および脱油脂工程(5)と、再置換化工程(6)とを行い、
脱水のみの動作モードの冷却工程(D)、および脱油脂を伴う脱水の動作モードの冷却工程(7)と、
脱水のみの動作モードの抽出工程(E)、および脱油脂を伴う脱水の動作モードの抽出工程(8)とを、
それぞれ共通に行うように制御することを特徴とする金属屑等の脱水装置である。
また本発明は、前記加熱手段は、
真空装置の真空室内に大気を導入する大気導入手段と、
同室内に不活性ガスまたは窒素ガスを供給するガス供給手段と、
同室内に配設されるラジアントチューブと、
循環ファンとを含むことを特徴とする。
さらに本発明は、前述のいずれかに記載の金属屑等の脱水装置を使用し、水分を付着し含有する金属屑等から水分を、または水分以外に油脂分をも付着および含有する金属屑から水分および油脂分を機械的に分離した後、金属屑等を圧縮成型し、圧縮成型物を加熱して、残存する水分を、または残存する水分および油脂分を同一の真空装置で分離除去する金属屑等の脱水方法であって、
金属屑等の脱水としては、
該真空装置の真空室内への圧縮成型物の装入工程(A)と、
同室内を減圧するとともに加熱する脱水工程(B)と、
同室内の大気雰囲気への置換化工程(C)と、
同室内の圧縮物の冷却工程(D)と、
同室外への圧縮成型物の抽出工程(E)とを、
順次工程推進し、
金属屑の脱油脂を伴う脱水としては、
該真空装置の真空室内への圧縮成型物の装入工程(1)と、
同室内減圧工程(2)と、
同室内の不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気への置換化工程(3)と、
圧縮成型物の予熱工程(4)と、
同室内を再減圧するとともに圧縮成型物を加熱する脱水および脱油脂工程(5)と、
同室内の不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気への再置換化工程(6)と、
同室内の圧縮成型物の冷却工程(7)と、
同室外への圧縮成型物の抽出工程(8)とを、
順次工程推進する際に、
圧縮成型物の脱油脂の必要性を判断し、
金属屑等の脱水の装入工程(A)、および金属屑の脱油脂を伴う脱水の装入工程(1)と、
金属屑等の脱水の脱水工程(B)での減圧、および金属屑の脱油脂を伴う脱水の減圧工程(2)とを、それぞれ共通に行い、
脱油脂の必要がないと判断されれば金属屑等の脱水の脱水工程(B)での加熱と、置換化工程(C)とを行い、
脱油脂の必要があると判断されれば金属屑の脱油脂を伴う脱水の置換化工程(3)と、予熱工程(4)と、脱水および脱油脂工程(5)と、再置換化工程(6)とを行い、
金属屑等の脱水の冷却工程(D)、および金属屑の脱油脂を伴う脱水の冷却工程(7)と、
金属屑等の脱水の抽出工程(E)、および金属屑の脱油脂を伴う脱水の抽出工程(8)とを、それぞれ共通に行うことを特徴とする金属屑等の脱水方法である。
【0016】
また本発明で、前記金属屑等の脱水の脱水工程(B)での加熱は、常温〜300℃の温度範囲で行うことを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記金属屑の脱油脂を伴う脱水の予熱工程▲4▼での加熱を、100〜300℃の温度範囲で行うことを特徴とする。
【0020】
また本発明で、前記予熱工程▲4▼での加熱は、前記置換化工程▲3▼終了後の不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気で開始してから、前記脱水および脱油脂工程▲5▼で真空雰囲気に移行して行うことを特徴とする。
【0022】
また本発明で、前記金属屑の脱油脂を伴う脱水では、減圧を、前記減圧工程▲2▼では10〜30Torrの減圧範囲に、一方、前記脱水および脱油脂工程▲5▼では0.01〜30Torrの減圧範囲で行うことを特徴とする。
【0023】
また本発明で、前記金属屑等の脱水工程(B)または前記金属屑の脱油脂を伴う脱水および脱油脂工程▲5▼では、真空雰囲気下での加熱の終了を、真空度で判定することを特徴とする。
【0024】
また本発明で、前記金属屑等の脱水工程(B)または前記金属屑の脱油脂を伴う脱水および脱油脂工程▲5▼では、真空雰囲気下での加熱の終了を、経過時間で判定することを特徴とする。
【0027】
【作用】
まず、水分を付着し含有する金属屑等を対象とする場合の脱水方法について説明する。
【0028】
本発明に従えば、水分を含有する不定形状態の金属屑等から、まず水分を遠心分離手段や圧搾手段などにより機械的に分離する。これによって、大部分の水分が分離される。さらに金属屑等を圧縮成型し水分を分離しながら、適度に小細片に成型された圧縮成型物とし、これを出発原材料とする。この圧縮成型物を出発原材料とする方が、元の不定形状態のままの金属屑よりも、単に本発明に係る真空装置の真空室内へ運転サイクル毎に多量のものが装入されて脱水処理されるので処理能力や能率および生産性が向上するだけでなく、金属屑自体の嵩比重が非常に大きくなっているので、この室内へ運転サイクル毎に同容量のものを装入してもその中心部まで加熱による熱伝達がよく行われて効率良く充分に水分を分離除去できる。
また、図5の図1実施例における工程フロー図に示されるように、出発原材料としての圧縮成型物を真空雰囲気下に保持可能な真空装置において加熱して残存する水分を分離除去するに際し、この真空装置の真空室内への圧縮成型物の装入工程(A)から具体的に脱水工程(B)が始まり、各工程(C),(D)を経過し、同室外への圧縮成型物の抽出工程(E)をもって全工程が終了するまで、順次各工程を推進する。この全工程中にあって、同室内における脱水された圧縮成型物の冷却工程(D)が不必要であれば、この工程(D)を省略することができる。このように各工程(A)〜(E)を順次推進することによって、この圧縮物の酸化を防ぎながら脱水処理して水分含有量を大幅に低減できるし、各工程推進中の操業面で爆発の危険性が全くなく安全に操業できるし、全体の運転サイクルタイムを短縮して能率や生産性を向上させることができる。つまり、水分の分離除去された金属屑を金属原料として還元することもなくそのまま高温で溶解しても爆発して被害を生じることもなく所望の金属溶湯を得ることができて、金属屑を有効に利用し省資源を図ることができるのである。
次に水分以外に油脂分をも付着し含有する金属屑を対象とする場合の脱油脂をも伴う脱水方法について説明する。
水分以外に油脂分をも付着し含有する不定形状態の金属屑から、まず水分および油脂分を遠心分離手段や圧搾手段などにより機械的に分離する。これによって、水分および油脂分の大部分が分離される。さらに金属屑を圧縮成型し水分および油脂分を分離しながら、適度な小細片に成型された圧縮成型物とし、これを出発原材料とする。このような圧縮成型物を出発原材料とする方が、元の不定形状態のままの金属屑よりも、単に本発明に係る真空装置の真空室内へ運転サイクル毎に多量のものが装入されて脱水および脱油脂されるので能力および生産性が向上するだけでなく、金属屑自体の嵩比重が非常に大きくなっているので、この室内へ運転サイクル毎に同容量のものを装入してもその中心部まで加熱による熱伝達が非常に良く行われて効率良く充分に水分および油脂分を分離除去できる。
また本発明に従えば、図6の図1実施例における工程フロー図に示されるように、出発原材料としての圧縮成型物を真空雰囲気下に保持可能な真空装置において加熱して残存する水分および油脂分を分離除去するに際し、この真空装置の真空室内への圧縮成型物の装入工程▲1▼から具体的に脱水および脱油脂工程▲5▼が始まり、各工程▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼,▲6▼,▲7▼を経過し、同室外への圧縮成型物の抽出工程▲8▼をもって脱水および脱油脂工程が終了するまで、順次各工程を推進する。このように各工程▲1▼〜▲8▼を順次推進することによって、この圧縮成型物の酸化を防ぎながら水分および油脂分の含有量を大幅に低減することができるし、各工程推進中の操業面で燃焼や爆発の危険性がなく安全に操業できるし、全体の運転サイクルタイムを短縮して能率や生産性を向上させることができる。つまり、本発明の課題
(目的)を達成することができて、分離された金属屑の有効な再利用を図ることができる。すなわち、水分および油脂分の充分分離除去された金属屑を金属原料として還元することもなくそのまま高温で溶解しても爆発燃焼して被害を生じることもなく所要の金属溶湯を得ることができるのである。つまり、金属屑を有効に利用し省資源を図ることができるのである。
【0029】
本発明に従えば、出発原材料を、真空雰囲気下で、常温〜300℃の温度範囲で加熱することが行われる。水分の沸点は周囲の雰囲気の圧力に依存し、その圧力が下がるに従って低下する。たとえば、衆知のごとく大気圧下(760Torr)で沸点が100℃の水分でも、100Torrの減圧下では沸点が51.5℃となり、10Torrでは10℃、1Torrでは−17℃となる。つまり、真空雰囲気(減圧)の程度によって、全く加熱せず常温においても沸騰を開始し水分の蒸発が始まるのである。しかしながら、このような水分の蒸発は、気化熱(蒸発熱)を必要とし、真空室内から気化熱(蒸発熱)を奪うので、同室内の温度を急激に低下させ、その蒸発を弱め速度を落とさせてしまう。そこで、この真空室内から奪われる気化熱(蒸発熱)を補償し、なおかつその蒸発を強め速度を上昇させるために、加熱が行われるのである。
【0030】
つまり、放射や対流による熱伝達の良好な前記出発原材料を使用し、かつ真空雰囲気下においてはこの出発原材料に含有する水分を蒸発させて脱水するために不活性ガスや窒素ガスなどの格別な雰囲気ガスを使用する必要がないとともにその加熱温度は低くてすみ、何よりもこの水分の含有量を大幅に低くできる。また分離除去する対象が水分であり、しかもその脱水処理操作が真空雰囲気下で行われるために、燃焼とか爆発のおそれが全くなく安全にできる。また真空雰囲気下(減圧下)では分子密度が小さくなるので、水分の蒸発速度が極めて高く、脱水処理時間が短くてすむし、さらに加熱することによって蒸発速度を一層高めて脱水処理時間が大幅に短くてすむために能率が向上し、全体の運転サイクルタイムを短縮することが可能となる。
【0031】
また充分に脱水されて水分含有量の大幅に低下した出発原材料、すなわち金属屑を溶解し精錬することができるので、水蒸気爆発など安全上の問題を起こすことなく、かつ精錬工程で全く余計な負担をかけることなく品質レベルの向上した所望の金属溶湯を得ることができる。
【0032】
さらに、前述のごとく、水分を付着し含有して保持するに至るのはかかる金属屑だけではなく、溶解し精錬する際に必要な他の主副原材料もあるが、このような主副原材料の塊状のものはそのままの状態で、粉粒状のものはそのままの状態かまたは金属屑とほぼ同様な小細片の状態で、金属屑の場合と同様に処理操作して大幅に脱水することができるし、同様に安全に溶解し品質レベルを落すことなく精錬して所望とする金属溶湯を得ることができるのである。
【0037】
本発明に従えば、出発原材料を、真空雰囲気下で、100〜300℃の温度範囲で加熱する。水分や油脂分の蒸留温度としての沸点はその雰囲気の圧力に依存し、圧力が下がるに従って低下する。水分の沸点については前述のとおりであるが、たとえば、大気圧下で初期の沸点が300℃の油脂では、0.1Torr(13Pa)の減圧下では約100℃となり、この低温度に加熱すれば沸騰を開始し蒸発が始まるのである。
【0038】
したがって、放射や対流による熱伝達の良好な前記出発原料を使用し、かつ真空雰囲気下では、含有される水分および油脂分を蒸発させて脱油脂をも伴い脱水するためのこの出発原材料の加熱温度は低くてすみ、何よりも水分および油脂分を効率良く充分に分離し得て水分および油脂分の含有量を大幅に低くすることができる。またこの出発原材料の加熱による脱水および脱油処理の操作が真空雰囲気下で行われるために、燃焼や爆発の恐れがなく安全にできる。さらに、真空雰囲気下では分子密度が小さくなるので、水分および油脂分の蒸発速度が極めて高く、脱水および脱油脂処理時間が短くてすむし、なおかつ気化熱を補償し一層加熱することによってさらに蒸発速度を高め処理時間を短くできるため、全体の運転サイクルタイムを短縮することができる。
【0039】
また本発明に従えば、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気で予熱(加熱)を開始してから真空雰囲気に移行して本格的に加熱する。使用するガスとしてはいずれのガスでもよいのであるが、本発明方法および装置を実施するためには安価で多量に入手し易く簡便に使用可能な窒素ガスを使用するのが好ましい。始めにたとえば窒素ガス雰囲気中で予熱するので、出発原材料を酸化することなく、放射のみならず窒素ガスの対流による熱伝達によっても予熱されるので、放射のみの熱伝達しかない真空中よりも迅速に加熱することができて、昇温時間を含む全体の運転サイクルタイムを短縮することができる。
【0041】
また本発明に従えば、図6に図示する工程フロー図の減圧工程▲2▼では10〜30Torrの減圧範囲に減圧し、一方脱水および脱油脂工程▲5▼では0.01〜30Torrの減圧範囲に減圧して、それぞれ真空雰囲気とする。この両工程▲2▼,▲5▼における真空雰囲気としては、低く減圧すればするほど良いのであるが、低く減圧するにつれてそのための所要動力費用が嵩むため操業経験や実績を踏えて、省エネルギ面も考慮しつつ前述の加熱温度条件とも兼ね合わせて、コストミニマムで全体の運転サイクルタイムの短縮ができるように設定すればよいのである。これ以上の減圧をする必要はなく、逆に30Torrを越えて減圧不足になると、前述のごとき真空雰囲気下での種々利点が得られなくなる。
【0042】
また本発明に従えば、真空雰囲気下での加熱の終了を、真空度で判定する。真空雰囲気下で脱水および脱油脂が進むと、蒸発する水分や油脂分が少なくなるので、真空度が向上する。したがって、真空度を計測することによって、脱水および脱油脂処理の進行状態を正確に把握することができる。このように真空雰囲気下での加熱の終了を真空度で判定することは、前述のごとき水分を含有する金属屑から脱水する方法においても適用できるのである。
【0043】
また本発明に従えば、真空雰囲気下での加熱の終了を、経過時間で判定する。圧縮成型物は遠心分離手段や圧搾手段などによって機械的に大部分の水分および油脂分が分離除去されているので、残存している水分および油脂分の量は限られている。実操業における経験や実績も踏えて、装置の排気能力と圧縮成型物の量との関係から、圧縮成型物に残存している水分および油脂分が蒸発するのに要する時間は比較的容易に算出され、その時間を目安に加熱が終了しいるか否かを判定することができる。このように真空雰囲気下での加熱の終了を経過時間で判定することは、前述の如き水分を含有する金属屑から脱水する方法においても適用できるのである。
【0044】
さて、以上に、水分を付着し含有する金属屑等を対象とする場合の脱水方法と、水分以外に油脂分をも含有する金属屑を対象とする場合の脱油脂を伴う脱水方法とにおける本発明の作用について説明してきたが、さらにこれらの方法を同一装置でもって好適に実施できる本発明に係る装置に関する作用について以下に説明する。
【0045】
本発明に係る装置は、水分を付着し含有する金属屑等から水分の大部分を、または水分以外に油脂分をも付着し含有する金属屑から水分および油脂分をも含む大部分を、遠心分離手段や圧搾手段などにより機械的に分離した後、金属屑を圧縮成型し水分および油脂分を分離除去しながら、得られた圧縮成型物を加熱して残存する水分を、または水分および油脂分を、同一装置で分離除去する金属屑の脱水装置または金属屑の脱油脂を伴う脱水装置である。
【0046】
また本発明に従えば、加熱手段は、真空装置の真空室内に不活性ガスまたは窒素ガスを供給するガス供給手段と、真空室内に配設されるラジアントチューブと、循環ファンとを含む。ガス供給手段によって真空室内に不活性ガスまたは窒素ガスを供給し、ラジアントチューブと循環ファンとを用いて間接的に加熱することによって、真空雰囲気下で加熱雰囲気を壊すことなく、圧縮成型物を酸化させず迅速に加熱することができる。また圧縮成型物は、含有する水分および油脂分の殆どが蒸発すると、真空装置内の真空度が向上するし、一旦機械的に水分や油脂分が分離されているので、残存している水分および油脂分の量は限られる。このため、真空雰囲気下での経過時間が一定以上になれば、水分および油脂分は殆ど蒸発する。したがって、真空度または経過時間から、容易に真空雰囲気下での加熱の終了を判定することができる。
【0047】
【実施例】
以下、図面により真空装置全般について詳細に説明しながら、同一の真空装置によって、水分を付着し含有する金属屑等を対象とする場合の脱水方法と、一方水分以外に油脂分をも付着し含有する金属屑を対象とする場合の脱油脂を伴う脱水方法とを、いずれも好適に実施できることを詳細に説明する。
【0048】
特に、本発明に係る実施例として主としてステンレス鋼帯や鋼板などの研削油や研摩油を使用する研削および研摩工程から多量に発生する研削屑や研摩屑等の水分以外に油脂分をも付着し含有する金属屑から水分および油脂分を分離除去する方法、すなわち前記後者の方法を中心にして、しかも前記前者の方法との差を明確に区別説明を加えながら、以下に説明していく。
【0049】
図1は、本発明に係る一実施例の真空装置全体の概略的な構成を示す系統図、図2は、図1に示す装置全体の配置状態を示す概略的な平面図、図3は図1および図2に示す装置全体の主要な一部を断面で示す正面図、図4は図3の切断面線IV−IVから見た断面図、図5は図1の実施例において前記前者の脱水方法を実施する工程フロー図、図6は図1の実施例において前記後者の脱油脂を伴う脱水方法を実施する工程フロー図、図7は図1の実施例の制御のための電気的な構成を示すブロック図、図8は図1の実施例の動作を示すタイムチャート、図9は図1の実施例の動作を示すフローチャートである。
【0050】
まず、本発明に係る実施例においては、水分および油脂分を40〜60重量%程度含有し、粉状もしくは綿状などで不定形状態にある研削屑や研摩屑等々の金属屑を、そのままの状態からでは水分および油脂分を分離し難いので、後記説明する理由により、前記実開昭61−879号公報や特開昭62−297067号公報の先行技術に紹介されるように、その水分および油脂分を6〜20重量%(平均10重量%)程度にし得るまで大部分を遠心分離機や圧搾機等によって、機械的に金属屑から水分および油脂分を分離除去する。このように機械的に水分および油脂分の分離除去された金属屑であっても、その運搬や保管が不適切であったり、または長期保管されたりすると、水分の含有量がまた増量していき20重量%の増量分に至ることがある。このような場合は、再度機械的に金属屑から水分および油脂分を分離除去する必要がある。水分および油脂分が分離除去された不定形状態の金属屑は、プレス機で圧縮成型され(製団)、水分および油脂分を分離除去しながら、たとえば比較的小容量のパンケーキ(状)に成型された圧縮成型物とし、これを出発原材料とするのである。ついでに説明しておくと、この出発原材料を使用して、本発明に係る実施例を実施すると、最終的に圧縮成型物に含有される水分および油脂分は1.0重量%以下にまで分離除去される。
【0051】
図1には、このような出発原材料を使用する本発明に係る一実施例の概略的な構成系統図が示される。真空室1には、開閉可能な扉2が付設されている。扉2を通して、圧縮成型物3の装入および抽出が行われる。真空室1内には、油焚きバーナ4で加熱されるラジアントチューブ5が配設される。真空室1の上部には循環ファン6が付設され、不活性ガスまたは窒素ガスの導入管7と大気導入管7aが設けられる。
【0052】
真空室1内からの排気のために、真空排気管8が接続される。真空排気管8は、ガス冷却器9、真空排気管10および真空弁11を経由して排気装置12に接続される。排気装置12からの排気ガスは、オイルミストトラップ13と、可燃ガスを燃焼する燃焼器14とを通過して大気に放出される。
【0053】
ガス冷却器9では、排気ガスから水分および油脂分が液化されて分離される。分離された水分および油脂分は、回収タンク16に貯蔵される。水分のみ分離された場合は回収タンク16に貯蔵せず廃水処理することができる。本実施例では、回収された油脂分の一部を、比重差などによって水分と分離し、燃料として油焚きバーナ4に使用することがある。油焚きバーナ4で発生した燃焼ガスは、ラジアントチューブ5を介して真空室1内に装入されている圧縮成型物3の加熱に使用された後、廃ガス管17から大気に放出される。なお、バーナ4の代わりに、ガスバーナや、電気ヒータ等を使用して加熱することもできる。油焚きバーナ4を採用すれば、水分と油脂分とを容易に分離可能なときには、クリーンではあるが高価な電気を使用することなく、分離した油脂分を有効に燃料として利用することができる。
【0054】
排気装置12内には、油回転ポンプ18とルーツポンプ19とが設けられる。排気装置12は、扉2を付帯して構成される真空室1内の排気を行う。真空室1内の真空度および温度は、真空計21および温度計22によってそれぞれ計測される。真空室1内の残留酸素量を測定するため、O2 濃度計23も設けられる。残存酸素量が多いと、加熱による水分ならびに油脂分の蒸発の際に、燃焼や爆発の危険がある。この爆発や燃焼の限界として、残存酸素濃度が3〜5容量%にあり、これ以下の残存酸素量にする必要がある。不活性ガスまたは窒素ガスの導入管7は、バルブ24を介して不活性ガスまたは窒素ガス、必要ならば両者のブレンドガスのタンク25に接続される。バルブ24をONにして開くと、タンク25内の所定のガスが真空室1内に導入される。ガス冷却器9において分離された水分および油脂分は、調整弁26を介して回収タンク16に回収される。また、調整弁27を介して、真空室1の底部に溜まった水分および油脂分を、回収タンク16に回収することもできる。
【0055】
大気導入管7aは、バルブ24aを介して大気中からの空気導入口25aに接続される。バルブ24aをONにして開くと、大気中から空気が真空室1内に導入される。ガス冷却器9において水分のみが冷却された場合は、調整弁26を介して回収タンク16に回収してから廃水処理してもよいし、図示して説明しないが回収せず直接廃水処理してもよい。また、調整弁27を介して、真空室1内の底部に溜まった水分を、回収タンク16に回収し廃水処理することもできるし、図示して説明しないが、回収しないか、直接廃水処理することもできる。排気装置12内の油回転ポンプ18およびルーツポンプ19には、それぞれ直列に主バルブ28およびブースタバルブ29が設けられる。なお、この排気装置12内の点線で囲まれたA部に、バイパス弁の内蔵されたルーツポンプ19を用いればブースタバルブ29を除くことも、場合によっては油回転ポンプ18の主バルブ28を除くこともできる。
【0056】
次に図2には、図1に示す装置全体の中の真空室1や、排気装置12などの配置状態が示される。真空室1としては、たとえば3つの真空室1a,1b,1cが備えられる。未処理台31には、脱水および脱油脂処理が済んでいない圧縮成型物3a,3bを載置する。処理台32には、脱水および脱油脂処理が終了した圧縮成型物を載置する。圧縮成型物3は、搬送台車33上に移動されて搬送レール34を走行し、真空室1a,1b,1cのうちのいずれか1つに搬入され、またいずれか1つから搬出される。
【0057】
図3は図1に示す装置の一部を断面で示す正面図、図4は図3の切断面線IV−IVから見た断面図をそれぞれ示す。
【0058】
図5は、図1の実施例において水分を付着し含有する金属屑等から水分を分離除去する脱水方法の工程フローを示し、以下に詳細に説明する。
【0059】
真空装置内に搬入されてきた金属屑等の圧縮成形物、必要に応じて前述したごとき主副原材料の塊状の被脱水物を真空室1内へ装入する工程(A)から脱水工程が開始される。次の(B)工程では、この真空室1内を0.01〜30Torrの範囲に減圧し真空雰囲気にして、同室1内および圧縮成型物から空気を排気除去するとともに圧縮成型物等を常温〜300℃の温度範囲で加熱して水分を蒸発し脱水する。この減圧と加熱のタイミングは任意であるが、減圧してから加熱すると室内の雰囲気ガスがないため、ガス対流による伝熱がほとんどなく、放射伝熱のみ可能となる。この(B)工程の終了は、真空雰囲気下(減圧下)での加熱の終了時点、また排気装置内の各ポンプの運転終了時点である。
【0060】
真空度計21や加熱終了の経過時間における各終了設定値に到達して、(B)工程が終了すると、次の(C)工程ではバルブ24aをONにして開き空気導入口25aから同室1内が大気圧(760Torr)になるまで空気を導入し、同室1内の大気雰囲気への置換化が行われる。この(C)工程に引続き(D)工程では循環ファン6で空気を循環・撹拌させながら脱水された圧縮成型物を冷却する。圧縮成型物の温度が比較的低温なので、冷却不要であれば、この(D)工程を省略することもできる。そして、冷却されたあれば成型物を同室1外へ抽出する工程(E)をもって脱水工程が終了するのである。
【0061】
図6は、図1の実施例において水分以外に油脂分をも付着し含有する金属屑から水分および油脂分を分離除去する脱油脂を伴う脱水方法の工程フローを示し、以下に詳細に説明する。
【0062】
真空装置内に搬入されてきた圧縮成型物を真空室1内へ装入する工程▲1▼から脱水および脱油脂工程が開始される。次の▲2▼工程では、この真空室1内を10〜30Torrの範囲に減圧し真空雰囲気にして、同室1内および圧縮成型物から空気を排気除去する。そして▲3▼工程において、たとえば窒素ガスを無駄なく室内圧力が760Torr(大気圧と同じ)になるまで導入し同室1内を窒素ガス雰囲気へ置換化する。
【0063】
そこで圧縮成型物の加熱が始まるのであるが、これに含有される油脂分の通常大気圧下における蒸留温度としての沸点範囲(初期から終了までの沸点)を予め調査し求めておかねばならない。
【0064】
▲4▼工程では、窒素ガス雰囲気にある同室内で、圧縮成型物に含有されている水分および油脂分の大気圧下における蒸留温度としての既知沸点を越えない温度範囲で、かつ加熱温度100〜300℃の温度範囲で予熱を行う。窒素ガスが充満しているので、圧縮成型物はラジアントチューブ5からの間接的な放射だけでなくガス対流による熱伝達も受けるので熱効率良く、酸化されず予熱され、圧縮成型物の温度は常温から上昇する。
【0065】
そして、いよいよ▲5▼工程では、同室1内を0.01〜30Torrの範囲で再減圧し真空雰囲気にしておいて、加熱温度100〜300℃の温度範囲で加熱していき、圧縮成型物の脱油脂を行う。真空雰囲気下でガスが存在しないために、圧縮成型物はラジアントチューブ5から間接的な放射のみの熱伝達を受けて加熱され、酸化されず、しかも水分および油脂分が大きな蒸発速度で脱水ならびに脱油脂される。この▲5▼工程の終了時期が、真空雰囲気下(減圧下)における圧縮成型物の加熱の終了時点であり、かつ排気装置内の各ポンプ18,19の運転終了時点でもある。予熱および加熱温度は、蒸発速度と昇温および冷却に要する時間とを比較考量して決定する。
【0066】
▲6▼工程では、窒素ガスを無駄なく室内圧力が760Torrになるまで導入し同室1内を窒素ガス雰囲気へ再び置換化する。
【0067】
そして▲7▼工程においては、循環ファン6で窒素ガスを循環させながら、脱水ならびに脱油脂処理された圧縮成型物を冷却する。冷却された圧縮成型物を同室1外へ抽出する工程▲8▼をもって脱水ならびに脱油脂工程が終了するのである。
【0068】
図7には、図1の実施例の制御のための電気的構成を示すブロック図が示されており、この処理装置40は、マイクロコンピュータなどを含んで実現され、予め設定されるプログラムに従って制御を行う。前述のように、図5の工程フローは脱水のみ、図6の工程フローは脱油脂を伴う動作をそれぞれ示す。これらの動作のモード切換は、圧縮成型物の性状などから脱油脂の必要性を判断した結果に従って行う。脱油脂の必要がなければ、脱水のみの動作モードとし、処理時間を短縮する。この切換操作のため、切換スイッチ41が設けられる。
【0069】
図8は図1の実施例の動作をタイムチャートとして脱油脂を伴う場合を実線で脱水のみの場合を2点鎖線でそれぞれ示し、図9はその動作をフローチャートとして示す。先ず、時刻t0において、ステップa1として扉2を開放して圧縮成型物3を真空室1内に装入し、扉2を閉じて真空室1を密閉すると(A)および▲1▼の装入工程が完了する。ステップa2として真空排気装置12内の油回転ポンプ(RP)18および主バルブ(MV)28をON状態として、(B)の脱水工程または▲2▼の減圧工程のための運転を開始する。時刻t1では、ステップa3として、真空室1内の真空度(圧力p)が1〜50Torrの範囲で予め定める圧力p1未満になる。ステップa4では、動作モードが脱水のみか脱油脂を伴うかが判断される。脱油脂を伴う動作モードと判断される場合は、ステップa5に移る。
【0070】
ステップa5として、主バルブ28をOFFにして閉じ、ステップa6として、バルブ24をONにして開く。これによって、不活性ガスまたは窒素(N2 )ガスが時刻t2まで導入される。ステップa7で、圧力pが大気圧p0以上となり、▲3▼の置換化工程が完了する。続いてステップa8で油焚きバーナ4が点火され、ステップa9で循環ファン6もON状態となる。このような▲4▼の予熱工程によって圧縮成型物3の温度(T)が迅速に上昇する。ステップa10で温度100〜300℃の範囲内の所定温度T1に達すると時刻t3となり、ステップa11として循環ファン6がOFFとなる。
【0071】
ステップa12で主バルブ28がONとなり、真空室1内の圧力pが降下し始める。圧力pが圧縮成型物3内の水分および油脂分の蒸気圧に達すると、水分および油脂分の蒸発が始まり、真空排気管8から蒸発ガスとして排気され、▲5▼の脱水および脱油脂工程が進行する。ステップa13では、真空室1内の真空度が10〜20Torrで予め定めるp1に達するか否かが判断される。
【0072】
ステップa4で、動作モードが脱水のみのモードと判断される場合は、ステップa14で油焚きバーナ4が点火され、所定温度T1を超えるまで加熱される。ただし、水分のみの蒸発に要する加熱温度は、一般に油脂分をも含有する場合に比べて低く、比較的短時間で所定温度T1に達する。図8において、時刻t1以降、脱油脂を伴う動作モードに対応する変化を実線で示し、脱水のみの動作モードに対応する変化を2点鎖線で示す。脱水のみの動作モードでは、時刻tでの油焚きバーナ4の点火に続いて、ステップa15でルーツポンプ19およびブースタバルブ29が順次ONとなる。
【0073】
ステップa13で、真空度がp1に達すると判断される場合は時刻t4で、ステップa15に移り、ルーツポンプ(BP)19がONとなり、ブースタバルブ(BV)29もONとなって開く。なお、温度T1は、水分および油脂分の蒸留速度と昇温や冷却に要する時間とを比較考量して、全体の運転サイクルタイムが短くなるように設定する。
【0074】
脱水工程(B)または脱水および脱油脂工程▲5▼が進行して、各工程の終了近くになると、真空室1内の真空度は真空排気装置12の能力に見合った到達真空度に対応する圧力p2に近づく。圧力p2は0.01〜10Torrの範囲内である。ステップa16のようにこの圧力p2未満へ到達するか、または所定の時間が経過するかを各工程終了の判定条件とする。時刻t11またはt5において、ステップa17で油焚きバーナ4を消火して加熱を停止し、ステップa18でブースタバルブ29および主バルブ28、ステップa19でルーツポンプ19および油回転ポンプ18をそれぞれOFFとする。
【0075】
ステップa20では、再び動作モードを判断する。脱水のみの動作モードの場合は、ステップa21に移り、バルブ24aをONにして開き、真空室1内に空気を導入する(C)工程を開始する。脱油脂を伴う動作モードの場合は、ステップa22でバルブ24をONとして、ステップa23で圧力pが大気圧p0以上となるように、不活性ガスまたは窒素ガスを時刻t6まで導入して▲6▼の再置換化工程を行う。脱水のみの動作モードの場合は、ステップa23によって、(C)の大気雰囲気への置換化工程が終了する。その時刻はt12となる。次に、ステップa24で循環ファン6をONにする。空気による冷却によって、また、不活性ガスまたは窒素ガスによる冷却によって(D)または▲7▼の冷却工程がそれぞれ開始される。ステップa25のように、圧縮成型物3の温度が油の引火点など安全性から設定される温度T2以下になる時刻t13またはt7に、ステップa26で循環ファン6をOFFとする。ステップa27として、時刻t14またはt8で扉2を開放して圧縮成型物3を抽出する。これによって、(E)または▲8▼の抽出工程が終了する。
【0076】
脱水工程または脱水および脱油脂工程の終了を、真空度で判定すれば、正確な終了判定を行うことができる。経過時間で判定するときは、多少余裕が必要となるけれども、シーケンス制御が容易となり、計画的な作業が可能である。さらに動作モードの切換えとともに、各ステップにおける圧力、温度、真空度、時間などの諸条件を設定変更することもできる。
【0077】
【発明の効果】
以上に詳述したごとく本発明は、水分を付着し含有する金属屑等から水分を分離除去する脱水方法、または水分以外に油脂分をも付着し含有する金属屑から水分および油脂分を分離除去する脱油脂を伴う脱水方法と、これらの方法を同一の装置でもって好適に実施可能な真空装置とから成る。
【0078】
このような本発明に係る方法およびその装置は、従来の金属屑等から脱水し、または脱油脂を伴い脱水し、さらにこれを溶解して有効な金属溶湯を得る上で生じていた諸問題点を解消し、高価な金属元素を多く含む金属屑等を有効に再利用しながら経済的に省資源を図ることによって本発明の課題を達成して、以下に列挙するような諸効果を奏するものであり、その工業的価値の非常に大きなものである。
【0079】
1)この同一の装置において、これらの方法にそれぞれ適合するように任意に切換えながら、しかも真空雰囲気の圧力(減圧)や空気を含むガス種類とか、加熱温度とか、真空度や各脱水処理のための経過時間の条件とかの諸々の設定値、これら全ての順序やタイミング等々を適切に変更しながら、これらの方法を好適に実施することができるのである。
【0080】
2)金属屑等から容易かつ安全に、しかも能率および生産性良く大幅に脱水処理し非常に低レベルに脱水された金属屑等を得ることができる。また、金属屑から同様に大幅に脱油脂を伴い脱水処理して非常に低レベルに脱水および脱油脂された金属屑を得ることができる。
【0081】
3)したがって、自然発火することなく安全に保管できる。
【0082】
4)したがって、水蒸気爆発や燃焼爆発することなく安全に溶解し金属溶湯を得ることができる。また、溶解かつ精錬工程中に水分や油脂分をもちこまないようにすることができるので、余計な負担がかかることなく、所望とする化学成分や無欠陥など高品質レベルの金属溶湯を精錬し確保することができる。
【0083】
5)分離除去された油脂分を燃料などに再利用し、省エネルギ化を図ることも可能である。
【0084】
6)金属屑のみを脱水するだけでなく、他の主副原材料などの脱水も可能であり、脱水された他の主副原材料を使用することによって前記4)項と同様に高品質レベルの金属溶湯を精錬し確保できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略的な構成を示す系統図である。
【図2】本発明の一実施例の配置を示す概略的な平面図である。
【図3】図2に示す装置の一部を断面で示す正面図である。
【図4】図3の切断面線IV−IVから見た断面図である。
【図5】図1の実施例において水分を付着し含有する金属屑等を対象とする場合の金属屑等の脱水方法の工程を示すフロー図である。
【図6】図1の実施例において水分以外に油脂分をも付着し含有する金属屑を対象とする場合の金属屑の脱油脂を伴う脱水方法の工程を示すフロー図である。
【図7】図1の実施例の制御のための電気的構成を示すブロック図である。
【図8】図1の実施例の動作を示すタイムチャートである。
【図9】図1の実施例の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 真空室
2 扉
3 圧縮成型物
4 バーナ
5 ラジアントチューブ
6 循環ファン
7 不活性ガスまたは窒素ガスの導入管
7a 大気導入管
8 真空排気管
12 排気装置
16 回収タンク
18 油回転ポンプ
19 ルーツポンプ
21 真空計
22 温度計
28 主バルブ
29 ブースタバルブ
40 処理装置
Claims (9)
- 水分を付着し含有する金属屑等から、水分を、または水分以外に油脂分をも付着および含有する金属屑から水分および油脂分を機械的に分離した後、金属屑等を圧縮成型し、圧縮成型物を加熱して、残存する水分を、または残存する水分および油脂分を同一装置で分離除去する金属屑等の脱水装置であって、
圧縮成型物を、真空雰囲気下に保持する真空室を備える真空装置と、
真空装置の真空室内で、圧縮成型物を、常温〜300℃の温度に加熱する加熱手段と、
脱水のみの動作モード、または脱油脂を伴う脱水の動作モードを切換える切換手段と、
同室内での加熱の終了を、真空度または経過時間で判定し、判定結果にしたがって真空装置および加熱手段を制御する制御手段とを含み、
脱水のみの動作モードでは、
該真空装置の真空室内への圧縮成型物の装入工程(A)と、
同室内を減圧するとともに加熱する脱水工程(B)と、
同室内の大気雰囲気への置換化工程(C)と、
同室内の圧縮物の冷却工程(D)と、
同室外への圧縮成型物の抽出工程(E)とを、
順次工程推進し、
脱油脂を伴う脱水の動作モードでは、
該真空装置の真空室内への圧縮成型物の装入工程(1)と、
同室内減圧工程(2)と、
同室内の不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気への置換化工程(3)と、
圧縮成型物の予熱工程(4)と、
同室内を再減圧するとともに圧縮成型物を加熱する脱水および脱油脂工程(5)と、
同室内の不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気への再置換化工程(6)と、
同室内の圧縮成型物の冷却工程(7)と、
同室外への圧縮成型物の抽出工程(8)とを、
順次工程推進する際に、
制御手段は、切換手段による動作モードの切換えに従い、
脱水のみの動作モードの装入工程(A)、および脱油脂を伴う脱水の動作モードの装入工程(1)と、
脱水のみの動作モードの脱水工程(B)での減圧、および脱油脂を伴う脱水の動作モードの減圧工程(2)とを、それぞれ共通に行い、
脱水のみの動作モードの脱水工程(B)での加熱と、置換化工程(C)とを行うか、または、
脱油脂を伴う脱水の動作モードの置換化工程(3)と、予熱工程(4)と、脱水および脱油脂工程(5)と、再置換化工程(6)とを行い、
脱水のみの動作モードの冷却工程(D)、および脱油脂を伴う脱水の動作モードの冷却工程(7)と、
脱水のみの動作モードの抽出工程(E)、および脱油脂を伴う脱水の動作モードの抽出工程(8)とを、
それぞれ共通に行うように制御することを特徴とする金属屑等の脱水装置。 - 前記加熱手段は、
真空装置の真空室内に大気を導入する大気導入手段と、
同室内に不活性ガスまたは窒素ガスを供給するガス供給手段と、
同室内に配設されるラジアントチューブと、
循環ファンとを含むことを特徴とする請求項1記載の金属屑等の脱水装置。 - 請求項1または2記載の金属屑等の脱水装置を使用し、水分を付着し含有する金属屑等から水分を、または水分以外に油脂分をも付着および含有する金属屑から水分および油脂分を機械的に分離した後、金属屑等を圧縮成型し、圧縮成型物を加熱して、残存する水分を、または残存する水分および油脂分を同一の真空装置で分離除去する金属屑等の脱水方法であって、
金属屑等の脱水としては、
該真空装置の真空室内への圧縮成型物の装入工程(A)と、
同室内を減圧するとともに加熱する脱水工程(B)と、
同室内の大気雰囲気への置換化工程(C)と、
同室内の圧縮物の冷却工程(D)と、
同室外への圧縮成型物の抽出工程(E)とを、
順次工程推進し、
金属屑の脱油脂を伴う脱水としては、
該真空装置の真空室内への圧縮成型物の装入工程(1)と、
同室内減圧工程(2)と、
同室内の不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気への置換化工程(3)と、
圧縮成型物の予熱工程(4)と、
同室内を再減圧するとともに圧縮成型物を加熱する脱水および脱油脂工程(5)と、
同室内の不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気への再置換化工程(6)と、
同室内の圧縮成型物の冷却工程(7)と、
同室外への圧縮成型物の抽出工程(8)とを、
順次工程推進する際に、
圧縮成型物の脱油脂の必要性を判断し、
金属屑等の脱水の装入工程(A)、および金属屑の脱油脂を伴う脱水の装入工程(1)と、
金属屑等の脱水の脱水工程(B)での減圧、および金属屑の脱油脂を伴う脱水の減圧工程(2)とを、それぞれ共通に行い、
脱油脂の必要がないと判断されれば金属屑等の脱水の脱水工程(B)での加熱と、置換化工程(C)とを行い、
脱油脂の必要があると判断されれば金属屑の脱油脂を伴う脱水の置換化工程(3)と、予熱工程(4)と、脱水および脱油脂工程(5)と、再置換化工程(6)とを行い、
金属屑等の脱水の冷却工程(D)、および金属屑の脱油脂を伴う脱水の冷却工程(7)と、
金属屑等の脱水の抽出工程(E)、および金属屑の脱油脂を伴う脱水の抽出工程(8)とを、それぞれ共通に行うことを特徴とする金属屑等の脱水方法。 - 前記金属屑等の脱水の脱水工程(B)での加熱は、常温〜300℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項3記載の金属屑等の脱水方法。
- 前記金属屑の脱油脂を伴う脱水の予熱工程(4)での加熱を、100〜300℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項3または4記載の金属屑等の脱水方法。
- 前記予熱工程(4)での加熱は、前記置換化工程(3)終了後の不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気で開始してから、前記脱水および脱油脂工程(5)で真空雰囲気に移行して行うことを特徴とする請求項5記載の金属屑等の脱水方法。
- 前記金属屑の脱油脂を伴う脱水では、減圧を、前記減圧工程(2)では10〜30Torrの減圧範囲に、一方、前記脱水および脱油脂工程(5)では0.01〜30Torrの減圧範囲で行うことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の金属屑等の脱水方法。
- 前記金属屑等の脱水工程(B)または前記金属屑の脱油脂を伴う脱水および脱油脂工程(5)では、真空雰囲気下での加熱の終了を、真空度で判定することを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の金属屑等の脱水方法。
- 前記金属屑等の脱水工程(B)または前記金属屑の脱油脂を伴う脱水および脱油脂工程(5)では、真空雰囲気下での加熱の終了を、経過時間で判定することを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の金属屑等の脱水方法。
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