JP5308255B2 - 鋳造材料の再利用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳造品の加工工程で発生したダライ粉の洗浄乾燥処理方法及びこれを用いた鋳造材料の再利用方法に関する。
ダライ粉は、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム等の合金の鋳造品を切削加工した際に生じる切削屑であり、そのダライ粉は材質が保証されており、鋳造原材料として使用することができればコスト低減につながる。しかしながら、このダライ粉には切削加工時に使用する切削油が付着していることから、例えば電気炉へ投入すると溶解時に切削油中の水分による水蒸気爆発を起こすおそれがある。また、溶解時に油分の燃焼による煙害や悪臭が発生する。さらに、ダライ粉は材質や切削加工時の刃具や条件によって、その形状がチップ状、螺旋状、粉状など多様であり、再溶解しづらいという問題があるため、一般に、産廃業者にスクラップとして売却されるケースが多い。
また、切削油の付着したダライ粉を溶解すると、油分中の不純物が溶湯に混入したり、油分の中の水素や窒素が溶湯中に吸収されたりして、鋳造欠陥の原因となる問題がある。
ダライ粉の切削油分を取り除く方法として、切削油を含むダライ粉を金型の中に入れ数百トンの力で圧縮減容し固形化させる方法がある。この固形化したダライ粉をブリケットという。この方法では、圧縮時に絞り出された切削油は機械加工に戻され再利用できるが、ブリケットの中には約3パーセント前後の切削油が残留し、圧縮時の圧力を上げても切削油分の残留割合はあまり変化しないため、完全に除去することはできない。
るつぼ型電気炉によるダライ粉の溶解では、水蒸気爆発防止の観点から炉内を空にして原材料を投入し、溶解を開始する必要がある。原材料は色々な形をしているため、嵩密度が小さく溶けると体積が減り、途中で原材料を追加投入しながら溶解(残湯溶解)していくが、二回目以降は、溶けた溶湯の中への投入となることから、切削油分を含むダライ粉は使用できない。
また、ダライ粉の切削油分を取り除く他の方法として、ロータリーキルン炉等を用いて燃料バーナーで熱風を送り込み、高温で切削油分を燃焼、乾燥させる方法が提案されている(特許文献1,2参照)。
また、油水分を含むダライ粉に燃焼や焼結を起こすことなく乾燥させる方法として不活性ガスを熱風にて攪拌器内に送りこんで乾燥させる方法も提案されている(特許文献3参照)。
更には、ダライ粉に付着している油分及び水分をマイクロウェーブ炉又は遠赤外線炉を用いて除去する方法も提案されている(特許文献4参照)。
特開2001−3122号公報 特開2008−2768号公報 特開平5−34067号公報 特開2002−30349号公報
上述した特許文献1,2に示す熱風乾燥する方法を用いれば、ダライ粉に付着する切削油分は完全に除去できるが、ダライ粉表面の酸化が進み、溶解時の溶湯中の酸素量が増加して鋳造品の引け巣等の鋳造欠陥の原因となるおそれがある。また、熱風乾燥方式の場合その排気ガスの熱回収は、排気ガスを熱交換器に通し冷却水を流しても冷却水の温度は思った程上がらないことから、実用化があまり進んでいない。
また、特許文献3に示す不活性ガスを熱風にて送り込む方法は、乾燥後に発生する含油ガスを焼却炉で燃焼させているため、油分の燃焼による煙害や悪臭が発生するうえに、排ガスによる周囲の環境へ与える影響が大きい。
更には、特許文献4に示すダライ粉に付着している油分及び水分をマイクロウェーブ炉又は遠赤外線炉を用いて除去する方法は、処理炉が大がかりな装置になるうえに、酸化しやすい鋳鉄等のダライ粉の酸化を抑制するために炉内に不活性ガスを吹き込む必要があり、その分だけ炉内温度を上げるために多くの熱量を要し、消費電力が嵩む。また、ダライ粉から蒸発した油分を回収するために大がかりな装置が必要となるため、設置面積を要する。
近年、鋳造工場の環境面、溶解コストの削減およびコークスの調達難の面から、鋳造材料をキューポラ溶解から電気炉溶解へと変わる動きが出てきており、特にるつぼ型電気炉が主流になりつつある。本件出願人は、るつぼ型電気炉溶解において、ダライ粉若しくはダライ粉ブリケットを鋳造材料として再利用する際に、環境へ与える影響を少なくするよう配慮しつつダライ粉に付着した切削油分を効率よく除去する方法として鋭意試行錯誤を重ねた結果、過熱蒸気には、他の熱媒体にはない均一な加熱、素早い加熱が可能という優れた特徴があり、該過熱蒸気を用いたダライ粉の洗浄乾燥処理による切削油の除去効果を実験により確認して本件発明を提案するに至った。
本発明の目的は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ダライ粉に付着する切削油を効率良く可及的に除去し、しかも環境に易しく消費エネルギーの無駄を省いたダライ粉の洗浄乾燥処理方法及びこれを用いてダライ粉を鋳造材料として再利用することで原材料費の大幅なコスト低減と資源リサイクルが可能な鋳造材料の再利用方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備えることを特徴とする。
鋳造品の製造工程で発生した切削油が付着したダライ粉を所定温度に維持された洗浄乾燥処理炉へ供給する工程と、蒸気発生器より発生させた130℃〜140℃に加熱された飽和蒸気が過熱蒸気発生装置において減圧弁で減圧され、気水分離器により生成された乾き蒸気をそれより高い400℃〜600℃に加熱されて生成された過熱蒸気を前記洗浄乾燥処理炉へ圧送りする工程と、前記洗浄乾燥処理炉内で炉内搬送装置により搬送される前記ダライ粉を所定時間滞留させて圧送りされた前記過熱蒸気に晒して、噴射流微粉砕作用により当該ダライ粉に付着した切削油分が洗浄されるとともに前記過熱蒸気の凝縮熱により乾燥され、当該洗浄後の過熱蒸気を炉外へ排出して洗浄乾燥処理を行う工程と、前記洗浄乾燥処理炉から排出された切削油分を含んだ過熱蒸気を、熱交換器を通して冷却水と熱交換することにより凝縮される水から油分を回収し乾燥蒸気を排気する工程と、前記熱交換器において熱交換により加温された冷却水を前記蒸気発生器へ給水する工程と、前記切削油分を除去されたダライ粉をるつぼ型高周波電気炉に投入し、溶湯の一部に残湯溶解させて再利用を図る工程と、を含むことを特徴とする。
また、前記ダライ粉が前記洗浄乾燥処理炉へ供給される前工程若しくは前記洗浄乾燥処理炉で洗浄乾燥処理された後工程で、当該ダライ粉をプレス成型によりダライ粉ブリケットを生成する工程を有することを特徴とする。
また、前記洗浄乾燥処理後のダライ粉ブリケットを当該洗浄乾燥処理直後の所定温度に保温する保温容器へ収納する工程を有することを特徴とする。
上述したダライ粉の洗浄乾燥方法を用いれば、洗浄乾燥処理炉内でダライ粉(若しくはダライ粉ブリケット)を所定時間滞留させて圧送りされた過熱蒸気に晒して、当該ダライ粉に付着した切削油分を過熱蒸気とともに炉外へ排出して洗浄乾燥処理を行うことにより、ダライ粉(若しくはダライ粉ブリケット)に付着した切削油分を可及的に効率よく除去することができる。
また、洗浄乾燥処理炉から排出された切削油分を含んだ過熱蒸気を、冷却水と熱交換することにより凝縮される水から油分を回収し乾燥蒸気を排気するとともに、熱交換により加温された冷却水を蒸気発生器へ給水することにより、油煙や悪臭の発生を抑え環境に易しいだけでなく、給水される水温を高めて蒸気発生器で消費される消費エネルギーの削減を図ることができる。
ダライ粉が前記洗浄乾燥炉へ供給される前工程若しくは洗浄乾燥炉で洗浄乾燥された後工程で、プレス成型を行なってダライ粉ブリケットを生成するようにすると、ハンドリングし易く、大量に発生するダライ粉を効率よく再利用することが可能になる。
また、洗浄乾燥後のダライ粉ブリケットを当該洗浄乾燥処理直後の所定温度に保温する保温容器へ収納するようにすると、洗浄乾燥後のダライ粉ブリケットをるつぼ型電気炉に投入し溶解する際に、保温された温度までの昇温時間と熱量が必要なくなるので溶解に必要な消費電力を削減することができる。
また、鋳造材料の再利用方法においては、上述したダライ粉の洗浄乾燥方法を用いてダライ粉に付着した切削油分が洗浄乾燥処理されたダライ粉(若しくはダライ粉ブリケット)をるつぼ型電気炉に投入し、溶湯の一部に溶解させて再利用を図るので、洗浄乾燥後のダライ粉(若しくはダライ粉ブリケット)を鋳造材料として再利用することができ、原材料費の大幅なコスト低減と資源リサイクルが実現できる。
また、ダライ粉(若しくはダライ粉ブリケット)に付着した切削油分の可及的除去によって溶湯中の酸素や窒素の溶存量を低下させることができ、溶湯の品質が安定し鋳造欠陥の低減を図ることができるうえに、電気炉特有の鋳造材料溶解時の水蒸気爆発等の危険性を回避し、作業の安全と効率を向上させることができる。
ダライ粉の洗浄乾燥方法及び鋳造材料の再利用方法のシステム構成を示す模式図である。 他例に係るダライ粉の洗浄乾燥方法及び鋳造材料の再利用方法のシステム構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
先ず、ダライ粉の洗浄乾燥処理方法及びこれを用いた鋳造材料の再利用方法を具現化するためのシステム構成の一例について、図1を参照して説明する。
図1において、ダライ粉は、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム等の合金の鋳造品を切削加工した際に生じる切削屑が用いられる。ダライ粉投入装置1は、鋳造品の製造工程で発生した切削油が付着したダライ粉がポッパー2から投入されて一時的に貯留し、下方のコンベア3を通じてダライ粉を洗浄乾燥処理炉4へ供給する。
洗浄乾燥処理炉4には、熱交換器5、給水ユニット6、蒸気ボイラー7(蒸気発生器)、過熱蒸気発生装置8がこの順に直列状に連なった過熱蒸気供給ユニットが形成されている。給水ユニット6は蒸気ボイラー7に給水し、蒸気ボイラー7は給水を加熱して例えば130℃〜140℃(第1温度範囲)に加熱された飽和蒸気を生成する。
過熱蒸気発生装置8は、蒸気ボイラー7で生成した温度約130℃〜140℃、圧力約0.7MPaの飽和蒸気を減圧弁で0.1〜0.2MPaに減圧し、気水分離器で水分を極力除去した乾き蒸気にしたのち、電気ヒーターで400〜600℃(第2温度範囲)に加熱して過熱蒸気を生成して、洗浄乾燥処理炉4へ圧送りする。この過熱蒸気発生装置8で生成された過熱蒸気は、飽和蒸気をさらに加熱したものであり、熱風等の対流加熱と比較した場合、輻射、対流及び凝縮伝熱の三つの熱伝播により、958.6KJ/m3(500℃)と熱風の約4倍の熱量があり、洗浄、乾燥及び殺菌等が無酸素雰囲気中で行うことができるという特徴がある。
熱交換器5は、洗浄乾燥処理炉4から排出された切削油分を含んだ過熱蒸気(温度200〜300℃)を冷媒である冷却水と熱交換することにより凝縮させた水から切削油分と臭気が回収され、乾燥蒸気が排気される。尚、乾燥蒸気中に微量に含まれるオイルミスト,粉塵や臭気は、アルカリ電解水生成器やバブリング機能を有するスクラバー装置等を設けて除去するのが好ましい。
また、熱交換器5において熱交換により加温された冷却水は、給水ユニット6へ供給され、給水ユニット6は蒸気ボイラー7へ給水する。これにより、排気中に含まれる油煙や悪臭の発生を抑え環境に易しいだけでなく、給水される水温を高めて蒸気ボイラー7で消費される消費エネルギー(燃料費)を削減することができる。
洗浄乾燥処理炉4内では、過熱蒸気発生装置8で生成された所定温度及び所定圧力に制御された過熱蒸気が送り込まれ、当該洗浄乾燥処理炉4内でダライ粉が所定時間(例えば2分〜4分)滞留させて過熱蒸気に晒して、当該ダライ粉に付着した切削油分を過熱蒸気とともに炉外へ排出して洗浄乾燥処理を行う。過熱蒸気を使った洗浄乾燥処理は、無酸素雰囲気であるため、切削油分が燃焼することなく、火災等の心配がなく安全であるとともに、排出される蒸気の油煙や悪臭などが軽減される。
また、洗浄乾燥処理炉4内に配管されている蒸気管に加工された微細な穴から過熱蒸気が、炉内に搬入されたダライ粉(若しくはダライ粉ブリケット)に向けて噴射される。また、洗浄乾燥処理炉4内にはダライ粉(若しくはダライ粉ブリケット)が所定量、所定時間炉内に滞留するように搬送速度を可変できるように設計された例えば炉内搬送装置4a(例えばコンベア、搬送容器等)が装備されている。炉内温度が予め設定された温度(例えば400℃)に到達したところで、ダライ粉投入装置1から供給されたダライ粉(若しくはダライ粉ブリケット)が洗浄乾燥処理炉4内へ搬入され、炉内搬送装置4aによって可変となる搬送速度で搬送動作を開始する。切削油の付着したダライ粉に過熱蒸気が当たると、噴射流微粉砕作用により付着した切削油が洗浄され同時に、過熱蒸気の凝縮熱により乾燥される。
過熱蒸気発生装置8で生成され連続的に洗浄乾燥処理炉4に供給された過熱蒸気は、当該処理炉上部より排気され、炉内が常時正圧になるようにすることにより、処理炉内は無酸素雰囲気の状態が維持され、熱風乾燥と異なりダライ粉の表面の酸化が抑制される。特に、鋳鉄の溶解においては、ダライ粉表面の酸化は溶湯中の酸素濃度を高め、鋳造された製品にチルや引け巣等の鋳造欠陥を引き起こす原因となるため、酸化を抑制することが重要になる。
また、洗浄乾燥処理炉4で洗浄乾燥処理されたダライ粉は、コンベア10によりブリケット成型機9へ搬入される。ブリケット成型機9はプレス型に供給されたダライ粉を高圧プレス(およそ260MPa)することで、圧縮減容してダライ粉ブリケットを生成する。ダライ粉をブリケット状に成重は大きく(約5.2)体積が小さくなるので、その後の工程において取扱性が良く、作業性型することで、ダライ粉に比べて比向上に資する。尚、ダライ粉は表面積が大きく質量が小さい(嵩比重が約0.8程度)ため、これをそのまま後述する電気炉に投入して炉内で誘導加熱により溶解させると、発熱量と放熱量のバランスが温度上昇するほど接近して溶け難くなり電気エネルギーの消費が嵩む。また、ダライ粉のまま溶湯中に投入すると、当該ダライ粉が溶湯に浮いたり、電気炉内の内壁に貼り付いたりして、溶解までに時間がかかることで酸化し易くなり、ノロ(溶融酸化物)の発生が多くなり溶解歩留まりが低下したり、酸化による鋳造品質の低下を招来する。よって、電気炉内に投入する直前の形態はダライ粉ブリケットが好ましい。
ブリケット成型機9で生成されたダライ粉ブリケット(ブリケット状に成型しない場合はダライ粉)は、コンベア11により搬送されて保温容器12へ収納される。保温容器12は、洗浄乾燥処理後のダライ粉ブリケット(若しくはダライ粉)を洗浄乾燥処理直後の所定温度(200〜300℃)に保温する。保温容器12は、例えばダライ粉ブリケット(若しくはダライ粉)が500kg/1箱ぐらい収容できる容積を有するものが用いられる。また、保温容器12は容器上部が開口してダライ粉ブリケット(若しくはダライ粉)が収容され、電気炉への投入時には遠隔操作により容器底部が開放できるようになっている。保温容器12は鋼板を用いた二重構造になっており、容器底部が厚さ6mm程度の鋼板、容器上部及び容器側部は厚さ2mm程度の鋼板が各々用いられる。また、内外の鋼板間に5〜6mm程度の隙間を設けて空気層を形成し、外周面に断熱材が貼り巡らされ保温効率を高めたものが用いられる。
次に、上述したダライ粉の洗浄乾燥方法を用いて洗浄乾燥処理され、保温容器12に保温されたダライ粉ブリケットは、るつぼ型高周波電気炉13に投入され、溶湯の一部に溶解(残湯溶解)させて鋳造材料として再利用が図られる。ダライ粉ブリケットのるつぼ型高周波電気炉への投入は、例えば保温容器12に収納されたまま遠隔操作により容器底部を開放することにより行なわれる。
このように、洗浄乾燥後のダライ粉(若しくはダライ粉ブリケット)を鋳造材料として再利用することができ、原材料費の大幅なコスト低減と資源リサイクルが実現できる。また、ダライ粉(若しくはダライ粉ブリケット)に付着した切削油分の可及的除去によって溶湯中の酸素や窒素の溶存量を低下させることができ、溶湯の品質が安定し鋳造欠陥の低減を図ることができるうえに、電気炉特有の鋳造材料溶解時の水蒸気爆発等の危険性を回避し、作業の安全と効率を向上させることができる。
図2は、ダライ粉の洗浄乾燥処理方法及びこれを用いた鋳造材料の再利用方法を具現化するためのシステム構成の他例である。
図1と同一部材(特に過熱蒸気生成ユニット)には、同一番号を付して説明を援用するものとし、以下では異なるシステム構成について説明する。
図2において、ダライ粉投入装置1は、鋳造品の製造工程で発生した切削油が付着したダライ粉がポッパー2から投入されて一時的に貯留し、下方のコンベア3を通じてダライ粉をブリケット成型機9へ搬送する。ブリケット成型機9はプレス型に供給されたダライ粉を高圧プレス(およそ260MPa)することで、圧縮減容してダライ粉ブリケットを生成する。ダライ粉ブリケットは、コンベア3を通じて洗浄乾燥処理炉4へ供給される。ダライ粉をブリケット状に成型することで、ダライ粉と比べて比重は大きく(約5.2)体積が小さくなるので、その後の工程において取扱性が良く、作業性向上に資する。また、上記システム構成の場合、ブリケット成形機9までの工程と、洗浄乾燥処理炉4以降の工程とをシステム構成上連結せずに切り離して行なってもよい。即ち、鋳造品の製造工程で加工機械から発生したダライ粉をダライ粉投入装置1に回収してブリケット成形機9へ供給してブリケット状に成型する工程を切り離して行なってもよい。
ダライ粉ブリケットが洗浄乾燥処理炉4内へ搬入され、炉内搬送装置4aによって可変となる搬送速度で搬送動作を開始する。このとき、蒸気管に設けられた微細な穴から過熱蒸気が、炉内に搬入された切削油の付着したダライ粉ブリケットに向けて噴射される。ダライ粉ブリケットに過熱蒸気が当たると、噴射流微粉砕作用により付着した切削油が洗浄され同時に、過熱蒸気の凝縮熱により乾燥される。これは固形化されたブリケットのポーラス状の隙間に浸透拡散性の優れた過熱蒸気が浸透して効果的に洗浄作用していると考えられる。
ダライ粉ブリケットは、コンベア11により搬送されて保温容器10へ収納される。保温容器12は、洗浄乾燥処理後のダライ粉ブリケットを洗浄乾燥処理直後の所定温度(200〜300℃)に保温する。
次に、上述したダライ粉の洗浄乾燥方法を用いて洗浄乾燥処理され保温容器10に保温されたダライ粉ブリケットは、例えば保温容器12からつぼ型高周波電気炉13に投入され、溶湯の一部に溶解(残湯溶解)させて鋳造材料として再利用が図られる。
洗浄乾燥処理炉4から排出される過熱蒸気は、洗浄乾燥処理後も温度が200〜300℃と高温であり、この廃熱を回収利用することは、省エネの観点から有効である。そこで、洗浄乾燥処理炉4から排出された過熱蒸気が熱交換器5を通過する際に熱交換を行なって凝縮される水から切削油分を回収し、乾燥蒸気を排気する。また、熱交換器5において熱交換により加温された冷却水は、給水ユニット6へ供給され、給水ユニット6は蒸気ボイラー7へ給水される。
以下では、ダライ粉若しくはダライ粉ブリケットを試料として用いた洗浄乾燥処理に関する実験結果について説明する。
過熱蒸気に洗浄乾燥処理炉により切削油の付着したダライ粉を洗浄乾燥させた。その結果は次の通りである。5%の切削油分を含むダライ粉5Kg(総重量5.25kg)を、ダライ粉が通らない程度の細かい穴のパンチングメタルを使ったステンレス容器に入れ、処理炉内温度を400℃に制御した過熱蒸気の処理炉に入れて処理時間を変化させ、ダライ粉の温度と含水率を測定したところ、2分で含水率を0%にすることができた。
Figure 0005308255
また、同一条件で過熱蒸気の代わりに同じ温度と圧力の熱風で実験したところ、含水率を0%にするのに4分を必要とする結果となった。
Figure 0005308255
同様にダライ粉ブリケットも同一処理炉で実験した。ブリケット加工は5%の切削油を含んだダライ粉を、260MPaの面圧をかけて金型内で減容圧縮して直径70mm、長さ40mmのサイズのブリケットを作って使用した。ブリケットの嵩比重は5.2、重量は一個約800gで含水率はブリケット加工したことにより約3%となった。結果は、4分で含水率が0.02%とほぼゼロになった。
Figure 0005308255
また、同一条件で過熱蒸気の代わりに同じ温度と圧力の熱風で実験したところ、含水率は、5分で0.12%の結果となった。
Figure 0005308255
次に、乾燥条件をかえてダライ粉の酸素量の測定を行った。試料は、いずれも同一材質の球状黒鉛鋳鉄(FCD450)とし、一つ目は切削油を使わない切削加工から出たドライのダライ粉、二つ目は切削油の付着したダライ粉を400℃の過熱蒸気で7分間洗浄乾燥したダライ粉、三つ目は切削油の付着したダライ粉をLPGガスバーナーによる熱風で7分間乾燥処理したダライ粉の3種類とし、酸素の定量は、不活性ガス−赤外線吸収法で実施した。結果は、過熱蒸気による洗浄乾燥処理に対し熱風乾燥処理の方が約4倍の酸素質量%となった。
Figure 0005308255
実施例1と同一条件で、洗浄乾燥処理炉から出た過熱蒸気および、熱風を熱交換器に通し冷却水の入口と出口の温度を測定し比較した。過熱蒸気、熱風とも乾燥処理炉内温度を400℃に調整し22℃の冷却水を毎分5リッター流し、10分後の冷却水の出口温度を測定した。その結果、熱風は15℃しか水温上昇がなかったのに対し、過熱蒸気の場合は水温上昇が74℃となった。さらに、毎分1リッターにすると出口温度が100℃を超える結果となった。
Figure 0005308255
即ち、同じ温度の過熱蒸気と熱風とでは、過熱蒸気による熱交換の効率が高く、廃熱を有効利用できることが判明した。
ダライ粉に付着した切削油の洗浄乾燥処理方法で過熱蒸気と熱風の2種類、および、それぞれブリケット加工の有り、無しの4種類の切削油の完全に除去されたダライ粉を溶解原材料として鋳造欠陥の発生状況について実験で調べた。鋳造実験に使用したテストピースは、自動車の部品で、材質は球状黒鉛鋳鉄(FCD450)で同一部品を加工したダライ粉を使用した。溶解原材料の配合でダライ粉の配合割合は20%とした。その他の原材料は鉄屑45%、銑鉄5%、同一製品の鋳造時の方案部材等の戻り材30%とし、るつぼ型高周波電気炉を用いてそれぞれ同一条件で溶解させ、同一鋳型で鋳造後製品部分を6ヶ所切断し、カラーチェックで製品内部の引け巣の発生状況の調査と各切断面の引け巣面積を測定した。
Figure 0005308255
この結果、ダライ粉ブリケット形状で、過熱蒸気による切削油の洗浄乾燥処理されたものが、引け巣が発生せず、酸化抑制効果が得られることが判明した。
1 ダライ粉投入装置
2 ホッパー
3,10,11 コンベア
4 洗浄乾燥処理炉
4a 炉内搬送装置
5 熱交換器
6 給水ユニット
7 蒸気ボイラー
8 過熱蒸気発生装置
9 ブリケット成型機
12 保温容器
13 るつぼ型高周波電気炉

Claims (3)

  1. 鋳造品の製造工程で発生した切削油が付着したダライ粉を所定温度に維持された洗浄乾燥処理炉へ供給する工程と、
    蒸気発生器より発生させた130℃〜140℃に加熱された飽和蒸気が過熱蒸気発生装置において減圧弁で減圧され、気水分離器により生成された乾き蒸気をそれより高い400℃〜600℃に加熱されて生成された過熱蒸気を前記洗浄乾燥処理炉へ圧送りする工程と、
    前記洗浄乾燥処理炉内で炉内搬送装置により搬送される前記ダライ粉を所定時間滞留させて圧送りされた前記過熱蒸気に晒して、噴射流微粉砕作用により当該ダライ粉に付着した切削油分が洗浄されるとともに前記過熱蒸気の凝縮熱により乾燥され、当該洗浄後の過熱蒸気を炉外へ排出して洗浄乾燥処理を行う工程と、
    前記洗浄乾燥処理炉から排出された切削油分を含んだ過熱蒸気を、熱交換器を通して冷却水と熱交換することにより凝縮される水から油分を回収し乾燥蒸気を排気する工程と、
    前記熱交換器において熱交換により加温された冷却水を前記蒸気発生器へ給水する工程と、
    前記切削油分を除去されたダライ粉をるつぼ型高周波電気炉に投入し、溶湯の一部に残湯溶解させて再利用を図る工程と、を含む鋳造材料の再利用方法。
  2. 前記ダライ粉が前記洗浄乾燥処理炉へ供給される前工程若しくは前記洗浄乾燥処理炉で洗浄乾燥処理された後工程で、当該ダライ粉をプレス成型機に搬入してプレス成型を行なってダライ粉ブリケットを生成する工程を含む請求項1記載の鋳造材料の再利用方法。
  3. 前記洗浄乾燥処理後のダライ粉ブリケットを当該洗浄乾燥処理直後の所定温度に保温する保温容器へ収納する工程を含む請求項2記載の鋳造材料の再利用方法。
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