JP5942427B2 - 溶融スラグの熱回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は溶融スラグの熱回収方法に関し、特に、高炉で発生する溶融スラグから熱を回収して高温の熱回収ガスを得ることができる溶融スラグの熱回収方法に関するものである。
近年、地球温暖化の防止を目的として、鉄鋼業のようなCOを多量に発生させる製造プロセスにおいて、更なる省エネルギー化が求められている。こうした省エネルギー対策の1つとして排熱回収があるが、特に鉄鋼業のような大量生産プロセスにおいては、排熱として捨てられているエネルギーが大きいため、排熱回収により非常に大きな省エネルギー効果が期待できる。
鉄鋼製造プロセスにおいて利用されていない排熱の1つに、溶融スラグが有するスラグ顕熱がある。このスラグ顕熱は、銑鉄トン当たり0.5GJ程度であるため、このスラグ顕熱を回収できれば、大きな省エネルギー効果が期待できる。しかしながら、スラグを材料として利用する観点から、水砕処理や徐冷処理が施され、スラグ顕熱が捨てられる場合が多いのが現状である。
スラグ顕熱を回収する技術の1つとして、スラグ風砕法がある(例えば特許文献1〜3参照)。この方法では、熱回収率は高いものの、風砕処理後のスラグが微粒子状や繊維状になりやすく、熱回収後のスラグを材料として利用する観点においてメリットに乏しい。また、微粒子状に凝固した風砕スラグについては、真球に近い形状を有し安息角が小さくなるため、ハンドリング性が悪いのも難点である。さらに、粘度の高いスラグを用いる場合、粒状化のために多量のガス噴射が必要となるため、ブロア動力等のコストも高くなる。
そこで、上記のような風砕処理を行わずに、スラグを一旦凝固成形した後に熱回収装置に供給する方法が提案されている。例えば、特許文献4および5には、溶融スラグをロール表面で急冷して凝固成形した後、凝固成形後のスラグを熱回収装置に供給してスラグ顕熱を回収する技術について記載されている。
しかし、これらの方法で得られる凝固スラグは、厚さ5mm未満の薄片状となるため、溶融スラグが凝固する際、および熱回収装置に凝固スラグを搬送する際にスラグの温度が低下し、熱回収装置において高い熱回収率を得ることができない。また、熱回収装置により少量の低圧蒸気程度しか回収することができず、用途も洗浄や乾燥程度に限定されるため、投資効果に見合うだけのメリットが得られない問題があった。
そこで、スラグを肉厚に凝固成形して熱回収装置に供給する方法が提案されている。例えば、特許文献6には、鋳滓機を用いて溶融スラグを従来よりも肉厚に凝固成形することにより、スラグ単位体積当りの表面積を小さくして凝固スラグの温度低下を抑制し、熱回収率を高める技術について記載されている。
特開昭54−72204 特開昭62−187146 特開2004−238233 特開昭57−31784 特開2001−180990 特開昭57−182086
しかしながら、凝固スラグを肉厚に鋳造して熱回収装置により凝固スラグの顕熱を回収したところ、熱回収装置から排出される熱回収ガスの温度が当初の予想よりも低いことが判明し、この問題の解決が課題となっていた。
そこで、本発明の目的は、高炉で発生する溶融スラグから熱を回収して高温の熱回収ガスを得ることができる溶融スラグの熱回収方法を提供することにある。
発明者らは、上記課題を解決する方途について鋭意検討した。そのために、熱回収ガスの温度が当初の予想よりも低い原因について検討したところ、凝固スラグの熱伝導率が低いために、肉厚の凝固スラグを用いると、スラグ内部の熱が熱回収ガスに伝達されにくいことが原因であると判明した。このような熱伝導率が低い材料から高温の熱回収ガスを得るためには、充填層の高さを高くして充填物質との接触面積を増やす必要があるが、充填層が大きくなると、設備全体が大型化し、更に充填層内での充填物質の圧壊防止なども課題となってくる。そこで、発明者らは、熱伝導率が低いスラグからより簡便かつ効率的に高温の熱回収ガスを得るための方法を鋭意検討した結果、熱風炉から排出された燃焼排ガスを熱回収ガスとして用いることが有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)高炉で発生する溶融スラグを鋳型に供給して鋳造された凝固スラグを熱回収装置に供給するとともに同装置に熱回収ガスを供給し、該ガスを介して前記凝固スラグの熱を回収する熱回収方法において、前記熱回収ガスとして熱風炉から排出された燃焼排ガスを用いることを特徴とする溶融スラグの熱回収方法。
(2)熱回収後の前記熱回収ガスをボイラーに供給して蒸気を回収する、前記(1)に記載の溶融スラグの熱回収方法。
(3)前記回収した熱を、熱風炉で使用するガスの予熱に用いる、前記(1)に記載の溶融スラグの熱回収方法。
(4)前記熱風炉で使用するガスの予熱は、熱交換装置を用いて行う、前記(3)に記載の溶融スラグの熱回収方法。
(5)前記熱回収ガスによる前記凝固スラグの熱回収後に、前記熱回収装置に前記燃焼排ガスよりも低温のガスを供給して前記凝固スラグの残熱を回収する、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の溶融スラグの熱回収方法。
(6)前記鋳造された凝固スラグの厚みは5mm以上30mm以下である、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の溶融スラグの熱回収方法。
本発明によれば、熱風炉から排出された燃焼排ガスを熱回収ガスとして用いるため、熱回収により高温の熱回収ガスを得ることができる。
肉厚に鋳造された凝固スラグから熱回収を行う際のスラグ内の温度分布を示す図である。 鋳型を用いて凝固スラグを鋳造する場合の熱回収システムの一例を示す図である。 鋳型を用いて凝固スラグを鋳造する場合の鋳型の一例を示す図である。 鋳型を用いて凝固スラグを鋳造する場合の鋳型の別の例を示す図である。 熱回収装置から排出された熱回収ガスから回収された熱を熱風炉用ガスの予熱に用いる場合の熱回収システムの一例を示す図である。 凝固スラグから残顕熱を回収する場合の熱回収装置の一例を示す図である。 熱回収装置の充填層における熱回収ガスの温度分布を示す図である。 熱回収後の残顕熱の回収の有無と熱回収率との関係を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本発明の溶融スラグの熱回収方法は、高炉で発生する溶融スラグを鋳型に供給して鋳造された凝固スラグを熱回収装置に供給するとともに同装置に熱回収ガスを供給し、該ガスを介して凝固スラグの熱を回収するものである。ここで、熱回収ガスとして、熱風炉から排出された燃焼排ガスを用いることが肝要である。
上述のように、肉厚の凝固スラグを用いて熱回収を行うと、熱回収装置から排出された熱回収ガスの温度が当初の予想よりも低いことが判明した。従来、熱回収ガスとしては、例えば空気等の常温のガスが用いられており、熱回収装置に供給されて凝固スラグ間を流通させて熱回収を行っていた。ここで、凝固スラグの温度は通常900〜1000℃程度であり、常温ガスがスラグと接触してスラグから熱が与えられ、加熱された熱回収ガスが熱回収装置から排出される。
発明者らは、得られた熱回収ガスの温度が当初の予想よりも低いことを受けて、その原因を詳細に調査した。その結果、スラグの熱伝導率が低いために肉厚に鋳造された凝固スラグ内部の熱が熱回収ガスに伝達されにくいことが原因であると判明した。図1は、肉厚に鋳造された凝固スラグから熱回収を行う際のスラグ内の温度分布を示す図である。この図に示すように、熱回収装置に凝固スラグを装入して熱回収ガスGとしての常温の空気を供給してスラグの熱を回収すると、常温の空気が凝固スラグ間を流通することにより、凝固スラグの表面温度は大きく低下する。しかし、上述のように凝固スラグの熱伝導率が小さいために、スラグの表面温度が低下してもスラグ内部から表面への熱伝導が律速されてしまう。その結果、スラグ表面の温度は低下したままの状態となり、熱回収ガスGがスラグ顕熱を十分に回収できずに熱回収ガスGの温度が低下してしまうのである。このような熱伝導率が低い材料から高温の熱回収ガスを得るためには、充填層の高さを高くして充填物質との接触面積を増やす必要があるが、充填層が大きくなると、設備全体が大型化し、更に充填層内での充填物質の圧壊防止なども課題となってくる。そこで、発明者らは、熱伝導率が低いスラグからより簡便かつ効率的に高温の熱回収ガスを得るための方法を鋭意検討した結果、熱風炉から排出された燃焼排ガスを熱回収ガスGとして用いることが有効であることを見出したのである。以下、本発明の溶融スラグの熱回収方法の各工程について説明する。
まず、溶融スラグを鋳型に供給して板状ないし塊状の凝固スラグを鋳造する。凝固スラグの鋳造を鋳型を用いて行うことにより、溶融スラグの凝固時に気泡の発生を抑制して気孔率を抑えた緻密で強度の高い凝固スラグが得られる。図2は、鋳型を用いて凝固スラグを鋳造する場合の熱回収システムの一例を示す図である。この熱回収システム1は、高炉で発生する溶融スラグMを受滓する鋳型11を有し、受滓された溶融スラグMを板状や塊状に凝固させる鋳滓装置12と、凝固スラグSを収容し、熱回収ガスGを供給して、該ガスGを介して凝固スラグSの熱を回収する熱回収装置13と、熱回収ガスGとしての燃焼排ガスを熱回収装置13に供給する熱風炉14とを備える。
鋳滓装置12は、連続して搬送される複数の鋳型11を有しており、スラグ鍋15からスラグ樋16を介して鋳型11に供給された溶融スラグMは、コンベアにより搬送され、この搬送の際に鋳型11中の溶融スラグMが冷却されて板状ないし塊状の凝固スラグSが鋳造される。こうして鋳造された凝固スラグSは、鋳滓装置12の末端で鋳型11を反転させることにより、鋳型11から剥離させて地面や容器内等に落下させて回収した後、熱回収装置13内に供給される。その後、凝固スラグSが剥離した鋳型11は、溶融スラグMの供給位置へと戻されて再び反転し、スラグ鍋15から溶融スラグMを再び受滓して、凝固スラグSが連続的に鋳造されることになる。なお、上記鋳滓装置12は用途や目的に応じて構成すればよく、図2に示された構成に限定されない。
図3は、板状の凝固スラグSの鋳造に用いる鋳型11の一例を示す図である。この鋳型11内部の形状は、図に示したような板状の凝固スラグSが得られれば特に限定されず、目的に応じて適切に設定すればよい。この鋳型11に供給された溶融スラグMは、鋳型内で一様に冷却されて、厚みTを有する板状の凝固スラグSとなる。
ここで、鋳造する凝固スラグSの厚みTは、5mm以上30mm以下とすることが好ましい。厚みTを5mm以上とすることにより、溶融スラグMを板状に鋳造する際に、冷却速度のばらつきや搬送時の温度低下を抑制し、ひいては熱回収装置13に供給される凝固スラグSの温度のばらつきを抑制することができる。また、厚みTを30mm以下とすることにより、溶融スラグMを凝固させる際の冷却速度の低下を抑制し、凝固スラグS内における気泡の発生を抑制して気孔率を抑えた緻密で強度の高い凝固スラグを得ることができる。
このように、凝固スラグSの厚みを5mm以上30mm以下に制御することにより、凝固スラグSを、高温で温度のばらつきが小さく、さらに強度の高い状態で、熱回収装置13に供給することができる。これにより、充填層内での凝固スラグSの圧壊や粉化に伴う通風阻害等が発生しにくくなり、凝固スラグSから熱を回収する際の熱回収率および熱回収ガスGの圧力の低下、すなわち圧力損失のばらつきを抑制することができ、効率的な熱回収を行うことができる。
なお、凝固スラグSが塊状の場合には、スラグSにおいて最も厚い部分の厚みを板厚とする。
得られた凝固スラグSは、例えばハンマーミル等を用いて凝固スラグを造粒した後、熱回収装置1に供給される。
なお、鋳滓装置12の鋳型11は、図3に示したような、板状に凝固させる鋳型形状でもよいが、本発明では鋳滓装置12に引き続いて熱回収装置13へ凝固スラグを供給するため、図4に示すように、予め小片状に区分けされた鋳型形状を有する鋳型21を用いることができる。この場合、上記の造粒処理を行うことなく熱回収装置13に供給して、効率的な熱回収を実現することができる。特に、5mm以上の厚みを有する凝固スラグSを用いて熱回収を行う場合、スラグ中の熱伝導が律速となり熱回収率が低下しやすいため、小片状にしてスラグの表面積を増やすことは、熱回収率の向上に有効である。
次いで、得られた凝固スラグSを熱回収装置13に供給するとともに同装置13に熱回収ガスGを供給し、該ガスGを介して凝固スラグSの熱を回収する。熱回収装置13の装置構成は、特に限定されるものではなく、例えばスラグ充填槽、スラグ装入装置、スラグ排出装置、送風機からなる、向流型の充填層方式のものを用いることができる。この熱回収装置13の上部から凝固スラグSを装入して凝固スラグSの充填層を形成した後、装置13の下部から熱回収ガスGを供給して充填層内で熱交換を行って凝固スラグSの熱を回収し、加熱された熱回収ガスGが熱回収装置13から排出される。本発明において、スラグの熱とは、顕熱を意味している。
ここで、熱回収ガスGとして、熱風炉14から排出された燃焼排ガスを用いることが肝要である。上述のように、従来は、常温ガス(例えば空気)が熱回収ガスGとして用いられてきたが、凝固スラグSの低い熱伝導率のために、熱回収により得られた熱回収ガスGの温度が低い。そこで、本発明においては、熱風炉14から排出された燃焼排ガスを用いる。熱風炉14では、通常、燃焼用空気を用いて燃焼ガスを燃焼させて高温の燃焼排ガスを発生させるが、この燃焼排ガスの温度は、通常200℃程度と常温の空気よりもはるかに高温であるため、常温の空気を用いた場合よりも高温の熱回収ガスGを得ることが可能となる。熱回収ガスとして高温のガスを用いることは、熱回収ガスの有効エネルギー(エクセルギーとも言う)が大きく、熱回収ガスのエネルギー利用率が高くなることからも有用である。
こうして、熱風炉から排出された燃焼排ガスを熱回収ガスとして用いるため、熱回収により高温の熱回収ガスを得ることができる。
以上の本発明の溶融スラグの熱回収方法により得られた高温の熱回収ガスGを、ボイラー(図示せず)に供給することにより、蒸気を回収することができる。本発明の熱回収方法により得られた熱回収ガスGの温度は、従来の常温ガス(例えば空気)を用いた場合に比べてはるかに高いため、ボイラー入口でのガス温度が上昇し、回収できる蒸気量を増やして効率の良いボイラー運用を行うことができる。
また、本発明の溶融スラグの熱回収方法により得られた高温の熱回収ガスGを、熱風炉14で使用するガス(以下、「熱風炉使用ガス」と称する)の予熱に用いることができる。ここで、熱風炉使用ガスは、燃焼ガスおよび燃焼用空気であるが、それらのうち少なくとも一方を、熱回収装置13で得られた高温の熱回収ガスGを用いて予熱することができる。
図5は、熱回収装置13から排出された熱回収ガスGから回収された熱を、熱風炉使用ガスの予熱に用いる場合の熱回収システムの一例を示す図である。ここで、熱回収装置13以降の構成のみが示されており、また、図2と同じ構成には同じ番号が付されている。この熱回収システム2において、熱風炉使用ガスを熱風炉14に供給する配管上に熱交換装置17が設けられている。本発明の熱回収方法により、高温の熱回収ガスGが得られるため、熱交換装置17を介して熱風炉使用ガスを予熱することができる。これにより、より少ない燃焼ガスで高温の燃焼排ガスを得ることができるため、燃焼ガスの使用を削減して熱風炉14の操業コストを下げることができる。
さらに、熱風炉14からの燃焼排ガスを熱回収ガスGとして溶融スラグSの熱回収を行った後に、燃焼排ガスよりも低温のガスを熱回収装置13に供給し、凝固スラグSの残顕熱を回収することができる。本発明によれば、熱風炉14の燃焼排ガスをそのまま再利用することにより、熱回収装置13により高温の熱回収ガスGを得ることができる。一方で、熱回収後に排出されるスラグSの温度は、熱風炉14の燃焼排ガスの温度である200℃程度まで上昇してしまうため、スラグの熱回収率が低下し、上記の燃焼排ガス利用による熱エネルギーの利得分が一部相殺されてしまう。
そこで、熱風炉14からの燃焼排ガスを用いて熱回収を行った後に、燃焼排ガスよりも低温のガスを熱回収装置13に供給する。これにより、200℃程度の残熱を有する熱回収後の凝固スラグSから熱回収を行うことができる。
このスラグSの残顕熱の回収は、図6に示すように、熱回収装置13において、例えば、熱回収ガスGである熱風炉14から排出される燃焼排ガスを吹き込むための燃焼排ガス用吹き込み口13aとは別に、常温のガス(例えば空気)または熱風炉燃焼排ガスよりも温度の低い予熱ガスを吹き込むための低温ガス用吹き込み口13bを別途設けることにより行うことができる。
このような2段階の熱回収を行うことにより、熱回収により熱回収装置13から排出される凝固スラグSの最終的な温度を低下させて、熱回収率を向上させることができる。
(発明例1)
本発明の熱回収方法により、溶融スラグSから顕熱を回収した。まず、溶融スラグMを、鋳型21を用いて25×150×150mmの板状に凝固させ、得られた温度1000℃の凝固スラグSを内径φ5m×高さ5mの充填層サイズを有する熱回収装置13に60t/hの処理ピッチで連続的に供給しながら、熱風炉14から排出された200℃の燃焼排ガスを10万Nm/hで熱回収装置13に供給して熱回収を行った。
(比較例)
発明例1と同様に、溶融スラグMから凝固スラグSを鋳造し、得られた凝固スラグSを熱回収装置13に供給し、スラグ顕熱を回収した。ただし、熱回収ガスGとして、25℃の空気を用いた。
<熱回収ガスの温度>
図7は、熱回収装置13における凝固スラグSの充填高さと熱回収装置13から排出される熱回収ガスGの温度との関係を示す図である。ここで、「充填高さ」とは、充填層最下部からの高さ方向の位置を示しており、充填高さ5mの位置が充填層最上部である。また、充填高さ5mの位置でのガス温度が、熱回収装置13から排出される最終的な熱回収ガスの温度を意味している。図中の点線は25℃の空気を吹き込んだ際の熱回収ガスGの温度であり(比較例)、実線は本発明の方法により、200℃の熱風炉排ガスを吹き込んだ際の熱回収ガス温度である(発明例1)。
この図から明らかなように、比較例において、熱回収ガスGとして25℃の空気を用いた場合には、最終的に400℃程度まで加熱されるのに対して、発明例1において、熱回収ガスGとして熱風炉14から排出された燃焼排ガスを用いることにより、最終的に500℃近くまで上昇することが分かる。こうして、本発明により、より高温の熱回収ガスGが得られることが分かる。
(発明例2)
<熱回収率>
発明例1の熱回収処理に引き続いて、25℃の空気を熱回収装置13に供給し、スラグSの残顕熱を、スラグSの温度が残顕熱回収前の350℃から200℃になるまで回収した。図8は、熱回収後の残顕熱の回収の有無と熱回収率の関係を示す図である。ここで、熱回収率は、1000℃の凝固スラグ顕熱に対する熱回収率とした。また、残顕熱を回収する発明例2については、顕熱の回収による熱回収率と残顕熱の回収による熱回収率との合算値で示している。この図に示すように、熱風炉14の燃焼排ガスによる熱回収後では熱回収率は67%であったのに対して、常温の空気によるスラグの残顕熱を回収した後には、熱回収率は82%まで向上した。このように2段階の熱回収により熱回収率が向上することが分かる。
本発明によれば、溶融スラグの顕熱を回収できるだけでなく、熱風炉の燃焼排ガスの熱エネルギーもそのまま再利用できるため、得られた熱回収ガスを用いてボイラーにおける蒸気の回収や、熱風炉に使用するガスの予熱等に利用することにより、製造コストを削減することができる。また、CO排出量も大幅に削減することができるため、高炉での利用に極めて有用である。
1,2 熱回収システム
11,21 鋳型
12 鋳滓装置
13 熱回収装置
13a 燃焼排ガス用吹き込み口
13b 低温ガス用吹き込み口
14 熱風炉
15 スラグ鍋
16 スラグ樋
17 熱交換装置
M 溶融スラグ
S 凝固スラグ
G 熱回収ガス

Claims (6)

  1. 高炉で発生する溶融スラグを鋳型に供給して鋳造された凝固スラグを熱回収装置に供給するとともに同装置に熱回収ガスを供給し、該ガスを介して前記凝固スラグの熱を回収する熱回収方法において、
    前記熱回収ガスとして熱風炉から排出された燃焼排ガスを用いることを特徴とする溶融スラグの熱回収方法。
  2. 熱回収後の前記熱回収ガスをボイラーに供給して蒸気を回収する、請求項1に記載の溶融スラグの熱回収方法。
  3. 前記回収した熱を、熱風炉で使用するガスの予熱に用いる、請求項1または2に記載の溶融スラグの熱回収方法。
  4. 前記熱風炉で使用するガスの予熱は、熱交換装置を用いて行う、請求項3に記載の溶融スラグの熱回収方法。
  5. 前記熱回収ガスによる前記凝固スラグの熱回収後に、前記熱回収装置に前記燃焼排ガスよりも低温のガスを供給して前記凝固スラグの残熱を回収する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の溶融スラグの熱回収方法。
  6. 前記鋳造された凝固スラグの厚みは5mm以上30mm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶融スラグの熱回収方法。
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