JP3582565B2 - マグネシウム又はマグネシウム合金の再生処理装置及び再生処理方法 - Google Patents

マグネシウム又はマグネシウム合金の再生処理装置及び再生処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネシウム又はマグネシウム合金の切り屑や小塊物或いは粉体を、丸棒等の再生体に処理する再生処理装置及び再生処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
機械加工工場等においては、材料の切り屑や小塊物或いは粉体等の屑材が大量に発生する。屑材は、資源の有効利用、部材費の低減或いは廃棄コストや保管スペースの低減等を目的として、効率的に処理するとともに再利用が可能な再生材として加工処理することが望ましい。この屑材のリサイクルシステムは、大規模な機械加工工場等においては一部で実用化が図られているが、廉価で操作が簡便な処理装置が提供されていないこともあってその普及率が極めて低い。
【0003】
ところで、機械部品等の材料として、マグネシウム及びマグネシウム合金(以下、マグネシウム材と総称する。)が注目されている。マグネシウム材は、比重がアルミニウム合金に比べて約2/3と実用合金中で最も軽量であるとともに、比強度、比耐力が高く、優れた寸法安定性、振動吸収性等の構造体として優れた特性を有している。マグネシウム材は、かかる特性から、軽量化を図る製品分野として例えば自動車部品のハンドル、ホイール等に用いられる他、航空宇宙産業或いはレジャー・スポーツ用品等に至るまで広く採用されている。さらに、マグネシウム材は、ノート型パーソナルコンピュータやオーディオ・ビジュアル機器等の製品分野への応用も図られ、需要の拡大が図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、鉄屑等については、これを溶融するために千数百度以上の高温の炉を必要とすることから、一般の工場内にそのリサイクルシステムを構築することは極めて困難である。これに対して、上述したマグネシウム材は、700°C程度で溶融させることができることから、工場内にそのリサイクルシステムを構築することは比較的容易に実現が可能である。同様に、素材のリサイクルシステムは、例えばアルミニウム、亜鉛、錫、鉛等の比較的低融点の金属或いはその合金、合成樹脂等についても実現が可能である。しかしながら、かかるリサイクルシステムも、上述したように廉価で操作が簡便である適当な処理装置が提供されていないことから、現状では実現されるに至っていない。
【0005】
特に、マグネシウム材については、アルミニウムや鉄等の金属に比べて需要量が少ないとともに活性が高い素材の特性によって、上述したリサイクルシステムが全くといっても良いほどに導入されていない状況にある。すなわち、マグネシウム材は、切り屑のように表面積が大きな状態では、水に反応して発火することもあり、危険物として取り扱われる。このため、マグネシウム材は、従来では化学処理や焼却処理等の安定化処理を施して産業廃棄物として廃棄されていた。また、マグネシウム材は、処理を施すまでの保管や運搬に際して、雨水等の水分に対する防水対策及び静電気の除去対策等に充分な配慮が必要であり、極めて扱い難い素材とされていた。
【0006】
本発明は、マグネシウム又はマグネシウム合金の切り屑や小塊物或いは粉体を再使用が可能な再生材として処理することにより工場内においてリサイクルシステムの構築を簡単に実現可能とする再生処理装置及び再生処理方法を提供することを目的とする
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために提案される本発明に係るマグネシウム又はマグネシウム合金の再生処理装置は、マグネシウム又はマグネシウム合金の切り屑や小塊物或いは粉体からなる再生対象物が投入される投入部と、この投入部から投入された再生対象物を押圧手段により加圧する押圧部と、この押圧部によって加圧される再生対象物を加熱手段により加熱して溶融或いは半溶融化状態とする加熱溶融部と、加圧部と対向する先端にノズルが設けられ、このノズルから加熱溶融部内で溶融或いは半溶融化された再生対象物を棒状体に成形して押し出す押出成形部と、加熱溶融部に配設された温度検出手段と、この温度検出手段からの出力により加熱手段を制御する温度制御手段とを備え、加熱溶融部が再生対象物の押出方向に対して中央部を高温とする温度勾配が付された状態に制御されるようにしている。
【0008】
本発明に係る再生処理装置には、更に、投入部と押圧部との間に、空気排気手段が配設される。また、投入部と押圧部との間に、不活性気体供給手段を配設するようにしてもよい
【0009】
本発明に係るマグネシウム又はマグネシウム合金の再生処理装置は、投入部から投入された再生対象物を、その体積を圧縮して取り扱いが容易な棒状の再生体として処理する。この再生処理装置は、小型であるとともに取扱いが容易であることから、工場内において素材のリサイクルシステムを極めて容易に構築して資源の有効利用、素材の再使用による部材費の低減或いは廃棄コストや保管スペースの低減を図る。また、本発明に係る再生処理装置は、特に発火の危険性があるマグネシウム材の屑材を発火の危険性の無い棒状の再生材として極めて簡易に処理することから、保管や運搬時の面倒を大幅に軽減できる
【0010】
また、本発明に係るマグネシウム又はマグネシウム合金の再生体を得る再生処理方法は、マグネシウム又はマグネシウム合金の切り屑や小塊物或いは粉体からなる再生対象物を投入部に投入する投入工程と、再生対象物を押圧手段により加圧する押圧工程と、加熱溶融部を再生対象物の押出方向に対して中央部が高温とする温度勾配が付された状態に制御して、再生対象物を加熱して溶融或いは半溶融化状態とする溶融工程と、溶融或いは半溶融化された再生対象物を棒状体に成形して押し出す押出成形工程とを経てマグネシウム又はマグネシウム合金の再生体を得る。
【0011】
本発明に係るマグネシウム又はマグネシウム合金の再生体を得る再生処理方法は、マグネシウム又はマグネシウム合金の再生対象物を、その体積を圧縮して取り扱いが容易な棒状の再生体として処理することから、自工場内において素材のリサイクルシステムを極めて容易に構築して資源の有効利用、素材の再使用による部材費の低減或いは廃棄コストや保管スペースの低減を図る。また、再生処理方法によれば、特に発火の危険性があるマグネシウム材の屑材を発火の危険性の無い棒状の再生材として極めて簡易に加工処理することから、保管や運搬時の面倒を大幅に軽減できる
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施の形態として示す切り屑や小塊物或いは粉体等(以下、単に切り屑と総称する。)の再生対象物を処理する再生処理装置1(以下、単に切り屑再生処理装置1と称する。)は、液相化温度が1100°C以下と比較的低融点である例えばアルミニウム、マンガン、錫、銅、鉛等の金属或いはこれらを1種類又は2種類以上が含有された合金等を素材として例えば切削加工や研削加工等の機械加工を行った際に生じる切り屑を処理し、これを丸棒状の再生材2として成形する。また、切り屑再生処理装置1は、例えば熱可塑性合成樹脂や熱硬化性合成樹脂等の非金属材の切り屑の処理も可能である。
【0013】
切り屑再生処理装置1は、図1及び図2に示すように、基台3上に搭載された押圧力発生部4と、この押圧力発生部4によって生成された押圧力によって動作されて切り屑を圧縮固形化する加圧部5と、切り屑の投入部6と、圧縮固形化された切り屑を加熱して溶融或いは半溶融化する加熱溶融部7と、溶融或いは半溶融化された切り屑を所定の形状に成形する押出成形部8とから構成される。切り屑再生処理装置1は、基台3にキャスタ9とハンドル10とが付設されることによって可搬型装置として構成され、工場内を適宜移動して設置される。
【0014】
切り屑再生処理装置1には、切り屑を周囲にこぼすことなく投入部6から効率的に投入するために、この投入部6にホッパー11が付設されている。切り屑再生処理装置1には、詳細を後述するが、投入部6と加熱溶融部7との間に位置して、真空ポンプ12に連結される排気プラグ13が設けられている。切り屑再生処理装置1には、加熱溶融部7に詳細を後述するヒータ14と複数の熱電対15(15a,15b,15c)とが付設されている。切り屑再生処理装置1は、押圧力発生部4、真空ポンプ12或いはヒータ14を制御するコントローラ16が備えられている。切り屑再生処理装置1には、押出成形部8の先端に、切り屑が所定の形状の再生材2として成形されて押し出されるノズル部材17が取り付けられている。
【0015】
押圧力発生部4は、例えば周知の油圧ポンプからなり、油圧シリンダによって構成される加圧部5に対して図1において矢印Aで示す方向に断続的或いは連続的な押圧力を作用させる。押圧力は、後述するように投入された切り屑に対して100MPa乃至2000MPaの加圧応力を一定又は可変で負荷する。勿論、押圧力発生部4及び加圧部5は、矢印A方向に所定の押圧力が生成されるようにすればよく、油圧ポンプと油圧シリンダとの構成に限定されるものでは無い。押圧力発生部4と加圧部5とは、例えば空気ポンプと空圧シリンダとによって構成したり、電動機とこれによって回転駆動されるスクリュウ部材とによって構成してもよい。
【0016】
投入部6は、図2に示すように上面に投入口18aが開口された筒状の加圧部本体18と、投入口18aに対応位置して加圧部本体18に取り付けられた上述したホッパー11とから構成される。加圧部本体18は、一端側から加圧部5の押圧部材5aが進入するとともに他端側に加熱溶融部7を構成する溶融用厚肉管19が連設されてなる。投入部6には、ホッパー11を介して、投入口18aから加圧部本体18の内部に切り屑が投入される。勿論、投入部6は、切り屑の処理量が少ない場合や投入口18aが充分な開口寸法を有する場合には、特にホッパー11を付設せずに構成してもよい。
【0017】
投入部6は、切り屑が比較的微細であったり微粉状である場合には、ホッパー11から投入口18aへと自然落下させてもよいが、例えばホッパー11の内部にスクリュー部材等を有する送込み機構を設けて切り屑を投入口18aへと強制的に送り込むように構成してもよい。また、投入部6は、切り屑が比較的大きい場合や連続的に発生する場合には、ホッパー11の前段にカッタ等を有する粉砕機構を設けてこれを粉砕した後に自然落下や送込み機構を介して投入口18aへと投入するように構成してもよい。
【0018】
投入部6は、切り屑の性質、すなわち乾いた状態の切り屑と切削油等が供給されることにより湿った状態の切り屑とによって、ホッパー11内への投入方法が適宜選択される。乾いた状態の切り屑は、例えば送風方式、真空方式、ベルト搬送方式或いは人力によってホッパー11内へと投入される。また、湿った状態の切り屑については、切削油の流れを利用した方法、ベルト搬送方法或いは人力による方法等によってホッパー11内へと投入される。湿った状態の切り屑は、そのままホッパー11内へと投入してもよく、また脱油装置を通すことによって切削油を除去したり乾燥装置を通して乾燥した状態としてホッパー11内へと投入するようにしてもよい。
【0019】
なお、投入部6には、湿った状態の切り屑が投入された場合に、この切り屑が加圧部5の押圧部材5aによって押圧されると切削油等が絞り出されて内部に溜まることがある。したがって、投入部6には、この切削油等を外部へと放出するための排出口及びドレンコック等からなる排出機構を設けるようにしてもよい。
【0020】
切り屑再生処理装置1は、加圧部本体18内に切り屑が投入されると、上述した押圧力発生部4が動作してこの切り屑を加圧部5の押圧部材5aによって加圧して圧縮固形化するとともに詳細を後述する加熱溶融部7へと送り込む。切り屑再生処理装置1は、この圧縮固形体を成形する際に真空ポンプ12が動作してその内部に残留した空気を除去するようにする。切り屑再生処理装置1は、これによって切り屑の酸化を抑制するとともに圧縮固形体の内部から空孔を減少するようにする。
【0021】
切り屑再生処理装置1においては、上述したように真空ポンプ12を接続して加圧部5内を負圧環境或いは真空環境とした状態で切り屑を加圧して圧縮固形体を成形するようにしたが、この加圧部5内を大気環境の状態のままで切り屑を加圧して圧縮固形体を成形するようにしてもよい。また、切り屑再生処理装置1においては、加圧部5内にアルゴンガス等の不活性ガスを供給して切り屑を加圧して圧縮固形体を成形するようにしてもよい。切り屑再生処理装置1は、不活性ガス雰囲気中で切り屑の加圧を行うことによって、例えば水分に特異性を有するマグネシウム材の切り屑を処理する際にこの切り屑に水分が付着していた場合にも発火の危険性が回避され安全性がより確保される。
【0022】
切り屑再生処理装置1は、加圧部5による切り屑への加圧応力(MPa)と加圧部本体18の内径(mm)とが処理対象物に応じて最適に設定される。切り屑再生処理装置1は、加圧応力と加圧部本体18の内径とが図4に示す斜線領域、すなわち加圧応力が100MPa乃至2000MPa、加圧部本体18の内径が5mm乃至200mmの範囲にあるように構成されてなる。
【0023】
加熱溶融部7は、上述したように溶融用厚肉管19と、この溶融用厚肉管19に付設されたヒータ14及び熱電対15と、一対の支持プレート20(20a,20b)及び保護カバー21等によって構成される。溶融用厚肉管19は、基台3に取り付けられた支持プレート20によって、加圧部本体18の一端側にその軸線上に位置して配設される。溶融用厚肉管19は、熱伝導率が良好でかつ耐熱性を有するとともに機械的強度を有するセラミック、合金鋼、大理石等の石材或いは一般に炉材として用いられている種々の材料により形成されてなる。溶融用厚肉管19は、内径が5mm乃至200mmとされた筒状を呈して形成されてなる。
【0024】
加熱溶融部7は、加圧部5から溶融用厚肉管19内に送り込まれる圧縮固形体をヒータ14の熱によって溶融或いは半溶融化状態(なお、以下の説明においては溶融と総称する。)とする。切り屑再生処理装置1は、加熱溶融部7を電気溶融炉によって構成する。ヒータ14は、例えば溶融用厚肉管19の外周部にラセン状に巻回された絶縁被覆のニクロム線、カンタル線或いはシリコンカーバイト線等の電熱線からなる抵抗型ヒータによって構成する。勿論、切り屑再生処理装置1は、ヒータ14を誘導加熱型ヒータによって構成してもよい。切り屑再生処理装置1は、ヒータ14の電源方式として、例えば直流電源、交流電源、高周波電源、パルス電源等の適宜の電源を1個或いは2個以上組み合わせて構成する。
【0025】
切り屑再生処理装置1は、上述したように加熱溶融部7を電気溶融炉によって構成するばかりでなく、溶融用厚肉管19を都市ガスや天然ガスを用いて加熱するいわゆるガスバーナ型溶融炉として構成してもよい。さらに、切り屑再生処理装置1は、灯油、軽油、重油等を燃料としたバーナによって溶融用厚肉管19を加熱する溶融炉によって構成してもよく、またこれらの方式を組み合わせた加熱方式の溶融炉によって構成してもよい。
【0026】
加熱溶融部7は、溶融用厚肉管19の内部温度を熱電対15によって検出することによりこの溶融用厚肉管19の温度制御が行われる。熱電対15は、溶融用厚肉管19に対して圧縮固形体が送り込まれる加圧部5側に配設された第1の熱電対15aと、溶融用厚肉管19の中央部に配設された第2の熱電対15bと、後述する押出成形部8側に配設された第3の熱電対15cとからなる。勿論、熱電対15は、かかる3個の熱電対15a乃至15cに限定されるものではなく、少なくとも加熱溶融部7の略中央部に設けられればよい。
【0027】
すなわち、第1の熱電対15aは、切り屑が供給されることによって溶融用厚肉管19の加圧部5側の温度が必要以上に低下して加熱溶融部7の溶融効率が悪くなることを監視するために設けられる。また、第3の熱電対15cは、溶融用厚肉管19の押出成形部8側の温度が必要以上に高温状態となり、切り屑が溶融用厚肉管19から溶融状態のまま押し出されてしまわないように監視するために設けられる。切り屑再生処理装置1は、加熱溶融部7の各部の温度管理を行って溶融効率を向上させるために、さらに多数個を付設するようにしてもよい。なお、温度検出手段としては、熱電対15に変えて検出出力を送出する機能を有する適宜温度計によって構成してもよい。
【0028】
各熱電対15a乃至15cは、溶融用厚肉管19の対応する部位の温度が所定の設定温度を超えたり下がったりした場合に、コントローラ16へ検出出力を送出する。コントローラ16は、これらの検出出力に基づいてヒータ14を制御する。加熱溶融部7は、図5に示すように、溶融用厚肉管19が中央部を高温とするとともに、この中央部に対して加圧部5側と押出成形部8側とがやや低温となる温度勾配となるように制御される。溶融用厚肉管19は、処理すべき切り屑によってその温度が50°C乃至1100°Cに制御されるが、いずれの場合であっても上述した温度勾配を以って制御される。
【0029】
切り屑再生処理装置1は、加圧部5による切り屑への加圧応力(MPa)と加熱溶融部7による加熱温度(°C)とが処理対象物に応じて最適に設定される。切り屑再生処理装置1は、加圧応力と加熱温度とが図6に示す斜線領域、すなわち加圧応力が100MPa乃至2000MPa、加熱温度が50°C乃至1100°Cの範囲にあるように、コントローラ16によって押圧力発生部4と加熱溶融部7とが制御される。
【0030】
切り屑再生処理装置1は、溶融用厚肉管19内の加圧部5側をやや低温とすることにより、この加圧部5から送り込まれる圧縮固形体の発火の危険性を回避する。また、切り屑再生処理装置1は、押出成形部8側をやや低温とすることにより、この押出成形部8から押し出される再生材2が確実に固化された状態となるようにする。切り屑再生処理装置1は、これによって切り屑の再生処理の効率化が図られるとともに安全性が確保される。
【0031】
押出成形部8は、図3に示すように、溶融用厚肉管19の先端部に片持ち状態で取り付けられるとともに一方の支持プレート20bによって支持されたノズル部材17によって構成される。押出成形部8は、ノズル17aの口径dを異にした複数種のノズル部材17が溶融用厚肉管19に対して交換自在とされて構成される。ノズル部材17は、ノズル17aが、その口径dを1mm乃至200mmとされるとともに、丸孔或いは多角形を呈して形成されている。
【0032】
切り屑再生処理装置1は、加熱溶融部7内において溶融された切り屑が加圧部5から受ける押圧力によって、図3に示すように、押出成形部8のノズル17aの開口形状に対応した形状を以って押し出されて再生材2を成形する。再生材2は、ノズル17aから連続して押し出されることによって棒状体に成形されることから、適宜の長さに切断される。再生材2は、押し固められていることから切り屑の状態と比較して体積が1/7乃至1/8となる。再生材2は、純度が高い場合には、後述するようにそのまま素材として再利用することが十分に可能である。また、再生材2は、純度が低い場合には不純物を除去して再生処理が施されるが、上述したように棒状体に成形されるためその取り扱いが簡便である。
【0033】
以上のように構成された切り屑再生処理装置1は、図7に示す工程によって、切り屑から再生材2を成形する。すなわち、切り屑再生処理装置1は、研削加工機や研磨加工機から発生した切り屑をホッパー11に投入する切り屑の投入工程S−1が行われる。切り屑再生処理装置1は、この場合、コントローラ16を介してヒータ14に電源が投入されて溶融用厚肉管19を所定の温度まで加熱した状態にある。なお、切り屑再生処理装置1は、例えばマグネシウム材のように発火の危険性がある切り屑を処理する場合、安全性及び溶融効率の向上のために投入部6を介してこの切り屑を加熱溶融部7内に充填させた状態でコントローラ16を介してヒータ14に電源を投入して溶融用厚肉管19を所定の温度まで加熱するようにする。
【0034】
切り屑再生処理装置1は、押圧力発生部4が駆動されて加圧部5内の切り屑を加圧する切り屑の加圧工程S−2を行う。切り屑は、加圧部本体18の内部で押圧部材5aによって加圧され、圧縮固形化された状態で加熱溶融部7へと送り込まれる。切り屑再生処理装置1は、加熱溶融部7において、送り込まれた圧縮固形体を順次溶融する切り屑の加熱溶融工程S−3を行うとともに、押出成形部8へと押圧する。切り屑再生処理装置1は、切り屑を押出成形部8から棒状体の再生材2として押し出す再生材2の成形工程S−4を行う。切り屑再生処理装置1は、上述した加熱溶融工程S−3を行うに際して、加熱溶融部7の温度状態を熱電対15の出力に基づいて制御する温度制御工程S−5が行われる。押出成形部8から連続して押し出された再生材2は、適宜の長さで切断されて保管される。
【0035】
ところで、切り屑再生処理装置1は、上述したように可搬型装置として構成され工場内の適宜の場所に移動して設置されるようにした、固定設置型として構成してもよいことは勿論である。また、切り屑再生処理装置1は、上述した独立型装置に限定されるものでは無く、以下に示したようにも使用される。
【0036】
図8は、切り屑再生処理装置1が、加工機30に対して専用の切り屑再生処理装置として組み合わせて使用される例を示したものである。切り屑再生処理装置1は、基本的な構成を上述した切り屑再生処理装置1と同様とするため、詳細な説明を省略するが、ホッパー11に加工機30から切り屑31が自然落下法等によって直接投入されるように組み合わされる。切り屑再生処理装置1は、上述した構成から比較的小型で廉価に製造される。したがって、切り屑再生処理装置1は、稼働率が高い加工機30に組み合わせて使用することで、切り屑31を再生材2として効率的に処理してその処理費用を含むトータルコストを低減させる。
【0037】
また、図9は、切り屑再生処理装置1を用いて工場内において切り屑42のリサイクルシステムを構築した使用例を示したものである。すなわち、工場内に設置される各加工機40a,・・・,40nは、それぞれで発生した切り屑42を自動的に一箇所に回収するようにした切り屑バス41によって接続されてなる。切り屑バス41は、例えば自動化工場等によって採用されているように、送風方式、真空方式、ベルト搬送方式或いは切削油の流れを利用した方式等の適宜の方法によって切り屑32を切り屑再生処理装置1のホッパー11に送り込む。
【0038】
したがって、切り屑再生処理装置1は、順次投入される切り屑42を効率的に再生材2として成形する。切り屑再生処理装置1は、工場内において切り屑42の保管スペースを不要とさせるとともに、この切り屑42が有効に再利用されるようにする。
【0039】
【実施例】
次に、上述した切り屑再生処理装置1によってマグネシウム合金の切り屑を再生処理した事例について説明する。マグネシウム合金切り屑には、AZ80マグネシウム合金切り屑を用いた。マグネシウム合金の切り屑は、液相化温度が450°C乃至650°Cである。切り屑再生処理装置1は、押圧力発生部4を100トン油圧プレスによって構成し、加熱溶融部7のヒータ14を容量が4kWのものを用いた。切り屑再生処理装置1は、加熱溶融部7の溶融用厚肉管19が全長462mm、内径45mmであり、コントローラ16によってヒータ14の加熱温度を850°C(1123K)に設定して加熱を行った。
【0040】
溶融用厚肉管19は、これによって中央部が697°C(970K)で加熱され、管内中心部の温度が677°C(950K)で安定状態に保持された。溶融用厚肉管19は、この状態で加圧部5側及び押出成形部8側の温度が300°C以下であった。ノズル部材17には、ノズル17aの口径dが45mmの円形に構成されたものを用い、加圧応力616.5MPaで再生材2が100mm/分で押し出されるようにした。
【0041】
以上の条件の切り屑再生処理装置1によって再生処理が施されたマグネシウム合金切り屑の再生材2は、外観確認において、加熱不足により先端部に溶融が不完全な状態の部分が観察されたが、先端部から50mm以上の部分では完全に溶融して再固化されることによって一様な状態となっていることが確認された。再生材2は、中心部の組織観察においても、先端部から30mmの部分までは不完全溶融の状態が存在していたが、30mm以上の部分では完全に溶融して再固化されることによって一様な状態となっていることが確認された。
【0042】
次に、再生材2の機械的特性について考察を行った。試料は、加圧部6内においてアルゴン雰囲気で加圧を行って成形した再生材2aと、大気雰囲気中で加圧を行って成形した再生材2b及び比較材としてAZ80マグネシウム合金からそれぞれ作製した、厚み6mm、平行部の幅10mmの矩形の試験片T1,T2,T3とした。各試験片T1,T2,T3についての引張り試験の結果は、次の表1の通りであった。
【0043】
【表1】
Figure 0003582565
【0044】
再生材2は、いずれも伸び(%)について、素材であるAZ80マグネシウム合金よりも小さい値であった。アルゴン雰囲気再生材2a(T2)は、引張り強度が比較材に対して約89.3%と良好な値であった。これに対して大気雰囲気再生材2bは、引張り強度が比較材に対して約46.9%であった。
【0045】
したがって、再生材2は、切り屑の純度が高い場合に、アルゴン雰囲気で再生処理することによってそのまま素材として再使用することが十分可能である。また、再生材2は、切り屑の純度が比較的低いためにこれを再溶融して精錬することが必要な場合には、コストの面で有効な大気雰囲気で再生処理を行ったものであっても実用上十分である。
【0046】
切り屑再生処理装置1は、AZ80マグネシウム合金切り屑を、上述したように表面積が小さく組織が一様な状態を呈する所定の大きさの棒状体である再生材2として成形することから、格別の防水措置や静電気対策の措置等を施す必要も無く安全な部材として取り扱うことを可能とする。また、切り屑再生処理装置1は、AZ80マグネシウム合金の切り屑を再生処理が容易な再生材2として成形することから、リサイクルシステムの構築を容易とする。
【0047】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、マグネシウム又はマグネシウム合金の再生対象物を、その体積を圧縮して取り扱いが容易な棒状体再生体とすることから、素材のリサイクルシステムを極めて容易に構築して資源の有効利用、素材の再使用による部材費の低減或いは廃棄コストや保管スペースの低減を図ることができ、特に水分と反応して発火する危険性があるマグネシウム材の削り屑等を発火の危険性の無い棒状体の再生材として極めて簡易な方法によって再生処理することから保管や運搬時の面倒を大幅に軽減できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す切り屑再生処理装置の構成説明図である。
【図2】同切り屑再生処理装置をホッパーを取り外した状態で示す平面図である。
【図3】同切り屑再生処理装置を構成する押出成形部の構成を説明する要部斜視図である。
【図4】同切り屑再生処理装置において、切り屑が加圧される加圧部の口径と加圧応力との適用範囲を説明する図である。
【図5】同切り屑再生処理装置において、加熱溶融部の温度状態を示す図である。
【図6】同切り屑再生処理装置において、加熱溶融部における加熱温度と加圧応力との適用範囲を説明する図である。
【図7】同切り屑再生処理装置による切り屑から再生材を成形する工程図である。
【図8】同切り屑再生処理装置の使用例を説明する図であり、1台の加工機と組み合わせて使用した例を示す。
【図9】同切り屑再生処理装置の他の使用例を説明する図であり、多数の加工機と組み合わせてリサイクルシステムを構築した例を示す。
【符号の説明】
1 切り屑再生処理装置(再生処理装置)、2 再生材、3 基台、4 押圧力発生部、5 加圧部、6 投入部、7 加熱溶融部、8 押出成形部、11 ホッパー、12 真空ポンプ(空気排気手段)、14 ヒータ(加熱手段)、15 熱電対(温度検出手段)、16 コントローラ、17 ノズル部材、18 加圧部本体、18a 投入口、19 溶融用厚肉管

Claims (4)

  1. マグネシウム又はマグネシウム合金の切り屑や小塊物或いは粉体からなる再生対象物が投入される投入部と、
    上記投入部から投入された再生対象物を押圧手段により加圧する押圧部と、
    上記押圧部によって加圧される上記再生対象物を加熱手段により加熱して溶融或いは半溶融化状態とする加熱溶融部と、
    上記加圧部と対向する先端にノズルが設けられ、このノズルから上記加熱溶融部内で溶融或いは半溶融化された上記再生対象物を棒状体に成形して押し出す押出成形部と、
    上記加熱溶融部に配設された温度検出手段と、
    上記温度検出手段からの出力により上記加熱手段を制御する温度制御手段とを備え、
    上記加熱溶融部は、上記再生対象物の押出方向に対して中央部を高温とする温度勾配が付された状態に制御されることを特徴とするマグネシウム又はマグネシウム合金の再生処理装置。
  2. 上記投入部と押圧部との間には、空気排気手段が配設されたことを特徴とする請求項1記載のマグネシウム又はマグネシウム合金の再生処理装置。
  3. 上記投入部と押圧部との間には、不活性気体供給手段が配設されたことを特徴とする請求項1又は2記載のマグネシウム又はマグネシウム合金の再生処理装置。
  4. マグネシウム又はマグネシウム合金の切り屑や小塊物或いは粉体からなる再生対象物を投入部に投入する投入工程と、
    上記再生対象物を押圧手段により加圧する押圧工程と、
    加熱溶融部を再生対象物の押出方向に対して中央部が高温とする温度勾配が付された状態に制御して、再生対象物を加熱して溶融或いは半溶融化状態とする溶融工程と、
    溶融或いは半溶融化された再生対象物を棒状体に成形して押し出す押出成形工程とを経てマグネシウム又はマグネシウム合金の再生体を得ることを特徴とするマグネシウム又はマグネシウム合金の再生処理方法。
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