JPH0733739Y2 - テープを使用するミシンの押え金 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、オーバーロックミシ
ンに使用される押え金に関し、とくに、縫製布の端縁に
沿ってテープを縫着するのに使用される押え金に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】テープのガイド手段を備える押え金は開
発されている。この押え金は、実公昭６３−１２８５２
号公報に記載されている。この公報に記載される押え金
は、針落下点の送り込み側に、ガイド手段をネジで固定
している。ガイド手段は、テープを案内するための案内
溝を備えている。ガイド手段は、テープを左右に移動さ
せて、送り込み位置を調整する必要がある。このことを
実現するために、ガイド手段を押え金に固定する位置を
変更している。このため、ガイド手段には、横に延長し
て長孔を開口し、長孔をネジ止している。この構造のガ
イド手段は、ネジをゆるめて、長孔に沿ってガイド手段
を横に移動できる。ガイド手段の位置を調整した後、ネ
ジ止して、テープの案内位置を調整できる。

【０００３】また、実開昭６３−４８５７５号公報に
も、ガイド手段を備える押え金が記載されている。この
公報に記載される押え金は、テープの幅に対応して調整
できるガイド手段を備えている。ガイド手段は、押え金
に、垂直軸を中心に回転できるように連結されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】実公昭６３−１２８５
２号公報に記載された押え金は、テープに対応して、位
置を調整するのに手間がかかる欠点がある。それは、ネ
ジをゆるめてガイド手段を横に移動させ、その後、ネジ
を締め止めすることが理由である。また、この構造の押
え金は、テープのガイド位置が調整可能であっても、テ
ープの最適な幅に調整できない欠点がある。幅調整がで
きないガイド手段は、テープの幅が広いと、テープガイ
ド路をスムーズに通過できない。反対に、テープ幅がテ
ープガイド路よりも狭いと、正確に位置決めして定位置
にガイドできない欠点がある。

【０００５】さらに、実開昭６３−４８５７５号公報の
押え金は、テープ幅に対応して調整できるが、この構造
のガイド手段は、テープの幅と位置の両方を調整するこ
とができず、種々のテープを、理想的な状態で押え金に
ガイドできない欠点がある。

【０００６】この考案は、さらにこの欠点を解決するこ
とを目的に開発されたもので、この考案の重要な目的
は、使用するテープの幅と、縫着する位置の両方を正確
に調整して案内でき、さらに、幅および位置調整を簡単
かつ容易に、しかも正確にできるテープを使用するミシ
ンの押え金を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この考案のテープを使用
するミシンの押え金は、針落下点よりも送り込み側にテ
ープのガイド手段３を備えている。ガイド手段３が、押
え金１にテープ２を案内して、縫製布４にテープ２を縫
着するミシンの押え金を改良したものである。

【０００８】すなわち、この考案の押え金は、下記の構
成を有することを特徴としている。ガイド手段３が、テ
ープの幅方向に延長される姿勢で回転自在に押え金本体
に配設されている位置調整ネジ７と、この位置調整ネジ
７に装着されて、位置調整ネジ７を介して、テープの幅
方向に移動自在に押え金本体に連結され、かつテープを
案内する幅のガイド路８を有する位置調整ガイド５と、
この位置調整ガイド５にテープの幅方向に移動自在に連
結されて、位置調整ガイド５に設けられたガイド路８の
幅を調整する幅調整ガイド６とを備える。この構造の押
え金は、位置調整ネジ７を回転して位置調整ガイド５を
テープの幅方向に移動させてテープの案内位置を調整す
る。また、幅調整ガイド６をテープの幅方向に移動させ
て、テープを案内するガイド路８の幅を調整するように
構成されている。

【０００９】

【実施例】以下、この考案の実施例を図面に基づいて説
明する。但し、以下に示す実施例は、この考案の技術思
想を具体化する為の押え金を例示すものであって、この
考案の押え金は、構成部品の材質、形状、構造、配置を
下記の構造に特定するものでない。この考案の押え金
は、実用新案登録請求の範囲に於て、種々の変更を加え
ることができる。

【００１０】更に、この明細書は、実用新案登録請求の
範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対応
する番号を、「実用新案登録請求の範囲」、および「課
題を解決する為の手段の欄」に示される部材に付記して
いる。ただ、実用新案登録請求の範囲に示される部材
を、実施例の部材に特定するものでは決してない。

【００１１】図１に示すテープを使用するミシンの押え
金１は、針落下点１０よりも送り込み側にテープ２のガ
イド手段３を備えている。ガイド手段３は、図に示すに
ように、テープ２をガイドして、押え金１の下面に導
く。この図に示す状態で、テープ２を縫製布４の端縁に
沿って縫着する。

【００１２】押え金１の送り込み側に配設されたガイド
手段３を、図２〜図４に示している。図２はガイド手段
３を上からみた斜視図、図３は平面図、図４は正面図で
ある。これ等の図に示すガイド手段３は、テープ２の横
位置を調整する位置調整ガイド５と、テープ２の幅を調
整する幅調整ガイド６と、位置調整ガイド５を横方向に
移動するための位置調整ネジ７とを備えている。

【００１３】位置調整ガイド５の斜視図を図５に示して
いる。この図に示す位置調整ガイド５は、上ガイド１１
と下ガイド１２との間にガイド路８を設けている。上ガ
イド１１と下ガイド１２とは、この間にテープ２を案内
できるように、互いに平行に配設されている。上ガイド
１１と下ガイド１２の間隔は、通常数ｍｍに設計され
る。図において、上ガイド１１と下ガイド１２とは左側
で連結され、右側は開口されている。右の開口部には、
テープ２をスムーズに挿入できるように、傾斜片１３を
設けている。傾斜片１３は右に向かって開口幅が多少広
くなるテーパー状に成形している。下ガイド１２上面の
右端には、テープ２を案内するために側壁１４を設けて
いる。

【００１４】さらに、上ガイド１１と下ガイド１２の左
端には、垂直壁１５を設けている。垂直壁１５は、位置
調整ネジ７を挿通できる貫通孔を設けている。また、上
ガイド１１には、縦に延長してスリット１６を開口して
いる。スリット１６は、幅調整ガイド６の突起１７を摺
動自在に挿入する。

【００１５】幅調整ガイド６は、横に摺動して、ガイド
路８に案内されるテープ２の幅を調整する。このため、
幅調整ガイド６は、位置調整ガイド５に連結されてい
る。幅調整ガイド６は図５に示している。この図に示す
幅調整ガイド６は、ガイド片９と、摺動片１８とで全体
の形状をＴ字状としている。ガイド片９は、上ガイド１
１と下ガイド１２の間のガイド路８に挿入されて、図４
に示すようにガイド路８の実質幅を調整する。

【００１６】ガイド片９の先端上面には、突起１７を設
けている。突起１７は、上ガイド１１のスリット１６に
摺動できるように挿入される。突起１７をスリット１６
に挿入して、幅調整ガイド６が位置調整ガイド５から抜
け出るのが阻止される。摺動片１８は、上ガイド１１の
前面に設けられた鋸歯状凹凸１９に沿って摺動する。摺
動片１８には、鋸歯状凹凸１９の対向面に凸起２０を設
けている。凸起２０が鋸歯状凹凸１９に沿って摺動する
ことによって、幅調整ガイド６の位置ずれを阻止するこ
とができる。幅調整ガイド６を横に移動するときには、
凸起２０が鋸歯状凹凸１９を摺動する。所定位置に移動
した幅調整ガイド６は、凸起２０が鋸歯状凹凸１９の凹
部に位置して移動が阻止される。

【００１７】さらに、摺動片１８の前面には、摘み２１
を突出させている。摘み２１のある幅調整ガイド６は、
簡単に移動できる特長がある。

【００１８】位置調整ネジ７は、押え金本体の横壁２２
にねじ込まれている。横壁２２は、位置調整ネジ７をね
じ込むことができるネジ孔を水平方向に設けている。ネ
ジ孔にねじ込まれた位置調整ネジ７は、図において左端
にローレツト加工されたツマミ２３を設けている。ツマ
ミ２３を手で回転させると、位置調整ネジ７を軸方向に
移動できる。

【００１９】位置調整ネジ７の先端は、位置調整ガイド
５の垂直壁１５に連結している。垂直壁１５は、位置調
整ネジ７の先端部に、回転自在で、軸方向に移動しない
ように連結されている。位置調整ネジ７の先端は、ネジ
山加工することなく、ネジ山部分よりも細く加工されて
いる。ネジ山のない部分は垂直壁１５に挿入されてい
る。位置調整ネジ７の先端には、円周方向に溝を設けて
いる。溝には、スナップリング２４をはめ込んでいる。
また、位置調整ネジ７は、先端の細く加工された部分
と、ネジ山部分との境界にワッシャ２５を挿入してい
る。ワッシャ２５とスナップリング２４とで垂直壁１５
を挟み、位置調整ネジ７でもって、位置調整ガイド５を
横方向に移動している。

【００２０】ただ、この考案は、位置調整ネジが位置調
整ガイドを横に移動させる構造を、図に示す機構に特定
しない。たとえば、図示しないが、位置調整ネジを押え
金本体に、回転できるが軸方向には移動しないように連
結し、位置調整ガイドの垂直壁に位置調整ネジがねじ込
まれる目ネジ孔を設け、位置調整ネジを回転して位置調
整ガイドを横に移動させることも可能である。

【００２１】

【考案の効果】この考案のテープを使用するミシンの押
え金は、位置調整ネジを回転して、テープのガイド位置
を簡単かつ容易に、しかも正確に調整できる特長があ
る。また、幅調整ガイドを位置調整ガイドに沿って移動
させることによって、使用するテープ幅に合わせてガイ
ド路の実質幅を正確に調整できる特長がある。したがっ
て、この考案の押え金は、種々のテープを使用して、常
時最適条件で縫着できる特長がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す押え金の斜視図

【図２】図１に示す押え金のガイド手段部分を示す斜視
図

【図３】図１に示す押え金のガイド手段部分を示す平面
図

【図４】図１に示す押え金のガイド手段部分を示す正面
図

【図５】図１に示すガイド手段の位置調整ガイドと幅調
整ガイドをと示す斜視図

【符号の説明】

１…押え金 ２…テープ ３…ガイド手
段 ４…縫製布 ５…位置調整ガイド ６…幅調整ガ
イド ７…位置調整ネジ ８…ガイド路 ９…ガイド片 １０…針落下点 １１…上ガイド １２…下ガイ
ド １３…傾斜片 １４…側壁 １５…垂直壁 １６…スリット １７…突起 １８…摺動片 １９…鋸歯状凹凸 ２０…凸起 ２１…摘み ２２…横壁 ２３…ツマミ ２４…スナッ
プリング ２５…ワッシャ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 針落下点よりも送り込み側にテープのガ
   イド手段を備え、ガイド手段が押え金の下にテープを案
   内するように構成されたミシンの押え金において、ガイド手段（３）が、テープの幅方向に延長される姿勢
   で回転自在に押え金本体に配設されている位置調整ネジ
   （７）と、 この位置調整ネジ（７）に装着されて、位置調整ネジ
   （７）を介して、テープの幅方向に移動自在に押え金本
   体に連結され、かつテープを案内する幅のガイド路
   （８）を有する位置調整ガイド（５）と、 この位置調整ガイド（５）にテープの幅方向に移動自在
   に連結されて、位置調整ガイド（５）に設けられたガイ
   ド路（８）の幅を調整する幅調整ガイド（６）とを備
   え、 位置調整ネジ（７）を回転して位置調整ガイド（５）を
   テープの幅方向に移動させてテープの案内位置を調整
   し、幅調整ガイド（６）をテープの幅方向に移動してテ
   ープを案内するガイド路（８）の幅を調整するように構
   成されてなることを特徴とするテープを使用するミシン
   の押え金。