JPH07272U - ミシンのパイピング用押え - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 芯紐４の大きさにかかわらず針落と芯紐間の
距離を確実に一定に保つことができるパイピング用押え
を提供する。 【構成】 押え本体１Ａと、ガイド部材１Ｂと、該ガイ
ド部材を前記押え本体へ固定する固定手段６，１２を備
え、該固定手段６，１２はガイド部材と前記押え本体間
の、布送り方向Ｖと直交する方向の間隔Ｄを調節可能で
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はミシンのパイピング用押えに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ミシンのパイピング用押えとして、実開平４−３２６６９号公報に記載 のもの等が公知である。このパイピング用押えの横断面図を図６に示す。この図 において、パイピング用押え１はその底面にテープ案内溝２を形成されており、 このテープ案内溝２内にパイピングテープ３の芯紐４を受け入れる。５はパイピ ングテープ３を縫い付ける被縫製布である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術のパイピング用押え１は、図６（Ａ）のように小さな芯紐４の場 合にはテープ案内溝２内でパイピングテープ３とパイピング用押え１との間に隙 間ができるため、パイピングテープ３の位置が安定せず、針落と芯紐４間の間隔 Ｗを確実に一定に保つことができないことがある。また、図６（Ｂ）のように大 きな芯紐４の場合にはパイピング用押え１が上方へ浮き上がってしまい、布送り が不安定となる。なお、図６（Ａ）において１４は針である。

【０００４】 したがって、本考案の目的は芯紐４の大きさにかかわらず針落と芯紐４間の間 隔Ｗを確実に一定に保つことができるパイピング用押えを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために本考案によるミシンのパイピング用押えは、押え本 体と、ガイド部材と、該ガイド部材と前記押え本体とを固定する固定手段を備え 、該固定手段は前記ガイド部材と前記押え本体間の、布送り方向と直交する方向 の間隔を調節可能なことを特徴とする。

【０００６】 好ましくは、ガイド部材または前記押え本体を上下方向に回転不能に固定する ガイド回り止め係合手段を備える。

【０００７】

【作用】

パイピングテープの芯紐の大きさに対応させて、固定手段によりガイド部材と 押え本体間の、布方向に直交する方向の間隔を調節することにより、針落と芯紐 間の間隔を確実に一定に保つことができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案のミシンのパイピング用押えの実施例を図面に基づいて説明する 。

【０００９】 図１は本考案のミシンのパイピング用押えの一実施例の斜視図、図２は図１の 実施例の分解斜視図である。

【００１０】 これらの図において、パイピング用押え１は、使用の際に布送り方向Ｖに沿っ て配置される押え本体１Ａとガイド部材１Ｂとからなり、押え本体１Ａは調節ね じ６とガイド回り止め突起７を有し、図示しない針が降下する部分には溝８を形 成されている。ガイド部材１Ｂは二又部９を有し、この二又部９には調節ねじ６ が嵌入する貫通孔１０およびガイド回り止め突起７が嵌合する図示しない嵌合孔 が形成されている。また、ガイド部材１Ｂの先端部の押え本体１Ａに向いた側方 にはガイド面１１が設けられている。

【００１１】 ガイド部材１Ｂの二又部９内には、調節ねじ６と螺合する調節ナット１２が取 り付けられており、この調節ナットを回転することにより、ガイド部材１Ｂを押 え本体１Ａに対して布送り方向Ｖと直交する方向へスライド可能とされている。 。また、ガイド回り止め突起７がガイド部材１Ｂの嵌合孔に嵌合することにより 、ガイド部材１Ｂの上下方向の回転が阻止される。押え本体１Ａとガイド部材１ Ｂの間には布送り方向Ｖの全長にわたって従来技術のテープ案内溝に相当する細 長い溝１３が形成される。なお、上記調節ねじ６及び調節ナット１２とで固定手 段を形成している。

【００１２】 本考案のパイピング用押え１は以上の構成であるので、パイピングテープ３の 芯紐４の大きさに合わせて押え本体１Ａとガイド部材１Ｂのガイド面１１間の間 隔Ｄを調節することができる。なお、ガイド部材１Ｂの先端部の押え体１Ａに向 いた側面のガイド面１１はこれに限らず、押え体１Ａの側面の全縁に対応するよ うに設けてもよい。

【００１３】 図３は本実施例を用いてパイピングテープ３を被縫製布５に縫い付ける際の断 面図であり、図３（Ａ）は芯紐４が小さいパイピングテープ３の場合、図３（Ｂ ）は芯紐４が大きいパイピングテープ３の場合を示す。これらの図に示すように 、芯紐４の大きさに応じて押え本体１Ａとガイド部材１Ｂ間の布送り方向Ｖに直 交する間隔Ｄを変化することにより、パイピングテープ３の芯紐４の中心位置と 針落間の間隔は図３（Ａ）ではＷ1 に、図３（Ｂ）ではＷ2 （芯紐の太さ分寸法 が変る）となりそれぞれ一定に保つことができる。また、本実施例の場合は、押 え本体１Ａとガイド部材１Ｂとの間には布送り方向Ｖの全長にわたって細長い溝 １３が形成されているので、パイピングテープ３の芯紐４によってパイピング用 押え１が浮き上がることがなく、布送りが安定する。なお、図において１４は針 である。 図４は本考案のミシンのパイピング用押えの他の実施例の斜視図、図５は図４ の実施例の断面図である。

【００１４】 この実施例のパイピング用押え１が図１〜図３に示した実施例と異なるのは、 押え本体１Ａに凹部１５を形成し、ガイド部材１Ｂの先端部に該凹部１５と係合 する突起部１６を形成し、この突起部の押え本体１Ａに向いた側方にガイド面１ １が設けられている点と、ガイド面１１の下端部の布送り方向にＲ形状の溝１７ を形成されている点である。

【００１５】 図５は本実施例を用いてパイピングテープ３を被縫製布５に縫い付ける際の断 面図であり、図５（Ａ）は芯紐４が小さいパイピングテープ３の場合、図５（Ｂ ）は芯紐４が大きいパイピングテープ３の場合を示す。なお、図３と異なり、パ イピング用押え１、パイピングテープ３および被縫製布５は上下方向に離隔して 図示してある。これらの図に示すように、図１〜図３の実施例と同様に芯紐４の 大きさに応じて押え本体１Ａとガイド部材１Ｂ間の間隔Ｄを変化することにより 、パイピングテープ３の芯紐４の中心位置と針落間の間隔を前記実施例と同様に それぞれ一定に保つことができる。また、図１〜３の実施例とは異なりガイド面 １１の下端部にＲ形状の溝１７を形成されているので、この溝１７がパイピング テープ３の芯紐４の部分と係合することにより、芯紐４の中心位置と針落間の間 隔をより確実に一定に保つことができる。

【００１６】 以上、本考案のミシンのパイピング用押えを図面に基づいて説明したが本考案 はこの実施例には限定されず種々変形可能である。たとえば、調節ねじ６及びガ イド回り止め突起７をガイド部材１Ｂに設けて押え本体１Ａをガイド部材１Ｂに 固定することや他の実施例としてガイド部材１Ｂのガイド面１１の下端部にＲ形 状の溝１７を形成した例を示したが、押え本体１Ａの下端部にもＲ形状の溝を形 成することができる。また、これらのＲ形状の溝を図１〜図３に示した実施例に 適用することができる。さらに、図３及び図５において、左側のガイド部材１Ｂ をたわませて被縫製布の左側を押圧するようにしてもよい。

【００１７】

【考案の効果】

本考案のミシンのパイピング用押えによれば、パイピングテープの芯紐の大き さに対応させて、固定手段によりガイド部材と押え本体間の、布方向に直交する 方向の間隔を調節することにより、針落と芯紐間の間隔を芯紐の大小に応じて確 実に一定に保つことができるから、容易にパイピングテープの位置を適正に得る ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のミシンのパイピング用押えの一実施例
の斜視図である。

【図２】図１の実施例の分解斜視図である。

【図３】本実施例を用いてパイピングテープを被縫製布
に縫い付ける際の断面図であり、（Ａ）は芯紐が小さい
パイピングテープの場合を、（Ｂ）は芯紐が大きいパイ
ピングテープの場合を示す。

【図４】本考案のミシンのパイピング用押えの他の実施
例の斜視図である。

【図５】図４の実施例を用いてパイピングテープを被縫
製布に縫い付ける際の断面図であり、（Ａ）は芯紐が小
さいパイピングテープの場合を、（Ｂ）は芯紐が大きい
パイピングテープの場合を示す。

【図６】従来のミシンのパイピング用押えを用いてパイ
ピングテープを縫製布に縫い付ける際の断面図であり、
（Ａ）は芯紐が小さい場合を、（Ｂ）は芯紐が大きい場
合を示す。

【符号の説明】

Ｄ 押え本体とガイド部材のガイド面間の布送り方向と
直交する方向の間隔 Ｗ パイピングテープの芯紐の中心位置と針落間の間隔 １ パイピング用押え １Ａ 押え本体 １Ｂ ガイド部材 ２ テープ案内溝 ３ パイピングテープ ４ 芯紐 ５ 被縫製布 ６ 調節ねじ ７ ガイド回り止め突起 ８ 溝 ９ 二又部 １０ 貫通孔 １１ ガイド面 １２ 調節ナット １３ 溝 １４ 針 １５ 凹部 １６ 突起部 １７ 溝

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】押え本体と、ガイド部材と、該ガイド部材
   と前記押え本体とを固定する固定手段を備え、該固定手
   段は前記ガイド部材と前記押え本体間の、布送り方向と
   直交する方向の間隔を調節可能なことを特徴とするミシ
   ンのパイピング用押え。
2. 【請求項２】前記ガイド部材または前記押え本体を上下
   方向に回転不能に固定するガイド回り止め係合手段を備
   えることを特徴とする請求項１記載のミシンのパイピン
   グ用押え。