JPH07335922A - 光起電力素子及びその製造方法 - Google Patents

光起電力素子及びその製造方法

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JPH07335922A
JPH07335922A JP6125411A JP12541194A JPH07335922A JP H07335922 A JPH07335922 A JP H07335922A JP 6125411 A JP6125411 A JP 6125411A JP 12541194 A JP12541194 A JP 12541194A JP H07335922 A JPH07335922 A JP H07335922A
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conductive layer
conductive
electrode
paste
conductive paste
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JP6125411A
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Akio Hasebe
明男 長谷部
Tsutomu Murakami
勉 村上
Hirobumi Ichinose
博文 一ノ瀬
Satoshi Niikura
諭 新倉
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Canon Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、密着性が良好で信頼性の高い積層
型グリット電極を有する光起電力素子及びその製造方法
を提供することを目的とする。 【構成】 少なくとも一対のpin接合またはpn接合
を有する半導体層と、上部透明電極と、第1導電層及び
第2導電層からなる積層型グリット電極とから構成され
る光起電力素子において、主剤に含まれるエポキシ基の
当量を硬化剤に含まれる水酸基、活性水素基、アミノ
基、メルカプト基及びカルボキシル基の当量より10〜
40%増量したエポキシ樹脂系導電性ペーストを用いて
前記第1の導電層を形成し、続いてフェノール樹脂系導
電性ペーストを用いて前記第2導電層を形成して、前記
フェノール樹脂系導電性ペーストに含まれる水酸基と前
記エポキシ樹脂系導電性ぺーストに含まれるエポキシ基
とを化学的に結合させて積層型グリット電極を形成する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光起電力素子及びその
製造方法に係わり、特にグリット電極として用いる積層
電極とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】積層電極は、導電率の異なる導電材料を
積層することにより作製され、目的により様々な導電率
を持つ材料が使われる。例えば、キースイッチ等のコン
タクト部の信頼性向上のために銀電極の上に耐久性のよ
いカーボン等をオーバーコートしたものやタッチパネル
の集合電極部付近で発生する電極金属のマイグレーショ
ン防止のためのバリヤ層を形成したものが用いられてい
る。この他にも積層電極は、使用する材料の性質により
様々な用途に利用できる。
【0003】ところで、太陽電池のグリット電極につい
てもマイグレーションの問題があり、その対策として積
層電極を用いることが考えられる。以下に従来の太陽電
池のグリット電極技術について述べる。
【0004】グリット電極は、太陽電池の半導体層で発
生した起電力を取り出すための電極である。グリット電
極は櫛状に形成され、半導体層あるいは上部透明電極の
シート抵抗の大きさから好適な幅やピッチなどが決定さ
れる。グリット電極は抵抗率が低く太陽電池の直列抵抗
とならないことが要求され、所望の抵抗率は10-2Ωc
mから10-6Ωcmであり、この抵抗率を有する材料と
して、Ti,Cr,Mo,W,Al,Ag,Ni,C
u,Sn,Pt等の金属またはこれらの合金や半田が用
いられる。
【0005】グリット電極の形成方法としては、所望の
形状のマスクパターンを用いたスパッタリング法、抵抗
加熱法、CVD法等が用いられる。あるいは全面に金属
層を形成した後にエッチングしてパターンニングする方
法、光CVDにより直接グリット電極パターンを形成す
る方法、グリット電極のネガパターンのマスクを形成し
た後にメッキ法により形成する方法、導電性ペーストを
スクリーン印刷して形成する方法などがある。スクリー
ン印刷法は、ポリエステルやステンレスからなるメッシ
ュに所望のパターニングを施したスクリーン版に、導電
性ペーストを印刷インキとして用いる方法である。
【0006】グリット電極形成等に用いられる導電性ペ
ーストは、高分子樹脂バインダ中に導電性フィラー(例
えば粒径0.02μmから1.00μmの金属微粉末、
炭素繊維等)を加えて導電性を付加したもので、熱硬化
により特有の抵抗率を示すようになる。
【0007】導電性ペーストは、大別して金属系(銀
系、銀系高温焼成型、銅系等)とカーボン系の2種類が
ある。銀系は、一般電極、ボリューム用電極、銀系高温
焼成型は自動車のリヤウインドヒータ、カーボン系はシ
ールド用、ゴムシート電極等に使用されており、抵抗率
は、カーボン系より金属系の方が小さく用途に合った抵
抗率のペーストを選ぶことができる。その他、分散性を
良くするためガラスビーズ等に銀コートした導電性フィ
ラーも開発されている。
【0008】導電性ペーストでは、電導パスの形成のた
め導電性フィラーの錯状連結を必要とする。その機構は
導電性ペーストに混合されている高分子樹脂バインダの
硬化にともない導電性フィラーの電気的接触箇所が増加
することにより形成される。
【0009】前記高分子樹脂バインダは、熱硬化性樹脂
を用い、硬化反応が進むと熱可塑性の状態から不溶不融
の三次元網目構造の形成(架橋)が起こり、強固で安定
な塗膜が得られる。導電性ペーストに用いられる熱硬化
性樹脂には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド
樹脂等がある。導電性ペーストの抵抗率は、硬化が進行
するにつれて減少しある値で飽和する。これは、前記の
電気的接触箇所の数が飽和するためと考えられる。
【0010】導電性ペーストを用いた電極の作製に用い
る印刷機は、市販のスクリーン印刷機が好適に用いられ
る。スクリーン印刷した導電性ペーストは前述のように
バインダを架橋させるために、乾燥炉で加熱する。乾燥
炉は熱風オーブンやIRオーブンが用いられる。
【0011】導電性ペーストを用いたスクリーン印刷法
による積層電極の作製方法としては、積層する各導電層
のパターンのスクリーン版とアライメント印刷可能なス
クリーン印刷機(SERIA IP−1000等)を用
い順次導電層を積層していく方法が用いられる。
【0012】まず、第1導電層形成用のスクリーン版と
導電性ペーストを用い電極パターンを前記上部透明電極
上に印刷する。この時、アライメント印刷に必要なアラ
イメントマークを同時に印刷する。アライメントマーク
は、第1導電層形成用の電極パターンと第2導電層形成
用のスクリーン版の位置決めを行うためのマークであ
る。第1導電層を印刷後、第1導電層を形成する導電性
ペーストの乾燥あるいは硬化を乾燥炉で行う。
【0013】次に、第2導電層形成用のスクリーン版と
導電性ペースト及びアライメント印刷機を用い第1導電
層の上部に第2導電層形成用の導電性ペーストを印刷す
る。第2導電層を印刷後、第2導電層を形成する導電性
ペーストの硬化を乾燥炉で行う。この時、第1導電層を
形成する導電性ペーストが未硬化なら同時に硬化する。
【0014】以上に述べたような方法が用いられ積層電
極が形成される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、太陽
電池のグリット電極として単層の銀グリット電極等を形
成すると電極金属がマイグレーションを起こしシャント
が発生しやすいという問題がある。また、積層電極とし
ても、前述のように単純に太陽電池のグリット電極とし
て形成しただけでは、機械的性質及び電気的性質の最適
化ができない。この結果、屋外などの使用環境下で用い
た場合、温度変化による密着力の低下、それに起因する
抵抗値の上昇、及び剥離部からの湿度によるリークが発
生する等、信頼性に問題がある。
【0016】即ち、従来の積層電極の作製方法では、密
着力の低下が起きやすく、積層電極同志の歪、熱サイク
ルによる太陽電池自体の伸縮などにより剥離が発生し、
シリーズ抵抗の上昇を招くことになる。また、密着力の
低下に伴い積層電極間の剥離部からの吸湿による腐食等
の問題がある。
【0017】本発明の目的は、上記のような太陽電池の
信頼性に関わる課題を克服し、密着性が良好で信頼性の
高い積層型グリット電極を有する光起電力素子及びその
製造方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の光起電力素子は、少なくとも一対のp
in接合またはpn接合を有する半導体層と、前記半導
体層の光入射側に形成された上部透明電極と、前記上部
透明電極上に形成された第1導電層及び前記第1導電層
の上部に形成された第2導電層からなる積層型グリット
電極とから構成される光起電力素子において、前記第1
導電層及び第2導電層がそれぞれエポキシ樹脂系導電性
ペースト及びフェノール樹脂系導電性ペーストからな
り、前記エポキシ樹脂系導電性ぺーストに含まれるエポ
キシ基と前記フェノール樹脂系導電性ペーストに含まれ
る水酸基とが化学的に結合していることを特徴とする。
【0019】また、本発明の光起電力素子の製造方法
は、少なくとも一対のpin接合またはpn接合を有す
る半導体層と、前記半導体層の光入射側に形成された上
部透明電極と、前記上部透明電極上に形成された第1導
電層及び前記第1導電層の上部に形成された第2導電層
からなる積層型グリット電極とから構成される光起電力
素子の製造方法において、エポキシ樹脂系導電性ペース
トの主剤に含まれるエポキシ基の当量を前記エポキシ樹
脂系導電性ペーストの硬化剤に含まれる水酸基、活性水
素基、アミノ基、メルカプト基及びカルボキシル基の当
量より10〜40%増量したエポキシ樹脂系導電性ペー
ストを用いて前記第1の導電層を形成し、続いてフェノ
ール樹脂系導電性ペーストを用いて前記第2導電層を形
成して、前記フェノール樹脂系導電性ペーストに含まれ
る水酸基と前記エポキシ樹脂系導電性ぺーストに含まれ
るエポキシ基とを化学的に結合させて積層型グリット電
極を形成することを特徴とする。
【0020】
【作用及び実施態様例】以下に本発明の作用を実施態様
例とともに説明する本発明の積層型グリット電極を有す
る光起電力素子では、各導電性ペーストからなる各電極
の抵抗率、各電極間の密着性等の性能が、大幅に改善さ
れる。このような作用は、2種の導電性ペーストに含ま
れる高分子樹脂バインダの官能基の量を制御し機械的強
度、電気的パラメータ等を調査することにより高信頼性
な積層型グリット電極を得られる条件を実験的に見いだ
す事により実現できたものである。
【0021】本発明の光起電力素子の製造方法により、
良好な特性の積層型グリット電極が得られる理由として
は、上部透明電極側に配置されるエポキシ樹脂系導電性
ペーストに含まれる高分子樹脂バインダ中のエポキシ基
がその上部に配置されるフェノール樹脂系導電性ペース
トに含まれる高分子樹脂バインダ中の水酸基と化学的に
結合するためである。
【0022】また、本発明の製造方法では、エポキシ樹
脂系導電性ペーストの溶剤を揮発させた後にフェノール
樹脂系導電性ペーストを積層し、その後同時硬化を行う
ため、界面付近の両導電性ペーストの導電性フィラー及
び高分子樹脂バインダ同志が混合し、電極界面が連続的
に変化する構造になる。この結果、低い電極界面抵抗、
優れた密着性が得られるものと考えられる。
【0023】本発明で使用しているエポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂とは以下の特徴を持つ樹脂である。
【0024】エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のオ
キシラン環を持ち適当な硬化剤の存在で3次元網状構造
を与える化合物の総称であり、例えばビスフェノールA
ジグリシジルエーテルが一般に使用される。エポキシ樹
脂硬化体の性質は、主剤及び硬化剤の種類、硬化条件に
より、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性等について様々なも
のが得られ、本発明のグリット電極のみならず、塗料、
接着剤、電気基板、自動車部品等に用いることができ
る。
【0025】本発明で使用できるエポキシ樹脂は、前記
ビスフェノールAジグリシジルエーテルの他に、ビスフ
ェノールFジグリシジルエーテル、ブロム化ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエ
ーテル、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダ
イマー酸グリシジルエステル、トリグリシジルイソシア
ヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
ン、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油、
3,4エポキシ−6メチルシクロヘキシルメチルカルボ
キシレート、3,4エポキシシクロヘキシルメチルカル
ボキシレート等がある。これらのエポキシ樹脂にチキソ
トロピー化剤の添付、アロイ変性、ゴムブレンド変性を
行っても良い。
【0026】また、適当な硬化剤としては、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタン、ダイマー酸ポリア
ミド、無水フタル酸、テトラヒドロメチル無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、
無水メチルナジック酸、フェノールノボラック、ポリサ
ルファイド、トリスフェノール、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、3フッ化ホウ素エチルアミン錯体等が
ある。
【0027】フェノール樹脂は、フェノール類とアルデ
ヒドから得られる樹脂及びそれらの変性樹脂を酸または
アルカリで縮合させて得られる化合物で、例えばフェノ
ールホルムアルデヒド、フェノールフルフラール、レゾ
ルシンホルムアルデヒド等がある。酸を縮合剤とした時
得られる黄色透明な可溶可融性の樹脂をノボラック型樹
脂、アルカリを縮合剤とした時得られる黄褐色油状の樹
脂をレゾール型樹脂等が用いられる。フェノール樹脂
は、耐候性、耐熱性、耐絶縁性、耐水性、耐薬品性、耐
衝撃性等に優れており、本発明以外でも注型品、成形
品、電気部品、機械部品、接着剤等に広く使用される。
【0028】以下に本発明の積層型グリット電極を有す
る光起電力素子の製造方法を示す。
【0029】まず、基板上に、下部電極、半導体接合、
ITO等の上部透明電極を形成した後、米国特許4、7
29、970号に開示されるような方法で欠陥部分を選
択的に除去する。
【0030】次に、光起電力素子の該上部透明電極上に
エポキシ樹脂系導電性ペーストをアライメント可能なス
クリーン印刷機(SERIA IP−1000等)を使
用し印刷する。ここで、第1導電層用の第1スクリーン
版の導電層電極パターンは、第2導電層積層時のアライ
メントを容易にするためと電極金属のマイグレーション
防止の理由で、第2導電層用の第2スクリーン版の導電
層電極パターンと相似形で第2スクリーン版の導電層電
極パターンの面積よりも20%から50%の間で、やや
広めに形成することが好ましい。但し、第1導電層の電
極面積が大きすぎるとシャドーロスが増加するため、こ
れらの兼ね合いにより、両者の面積を決定する。また、
前記2種類のスクリーン版にはアライメント操作を可能
とするためのアライメントマークを設け第1導電層の印
刷と同時にアライメントマークの印刷も行う。
【0031】第1導電層形成用のエポキシ樹脂系導電性
ペーストはエポキシ樹脂のバインダと導電性フィラーと
から構成される。エポキシ樹脂系導電性ペーストに使用
する導電性フィラーとしては、C,In23,Sn
2,TiO2,ITO粉体等が挙げられる。これら粉体
の吸油量の測定、臨界顔料体積濃度の算出を行いフィラ
ーとバインダの体積混合比を決定する。導電性ペースト
として使用する場合は、算出された臨界顔料体積濃度よ
りも5vol%から15vol%の範囲でフィラーを多
くすることにより抵抗率を10-1Ωcmから102Ωc
mに調整できる。
【0032】前記バインダに含まれる主剤と硬化剤の混
合比は、従来、主剤のエポキシ当量と硬化剤の水酸基、
活性水素基、アミノ基、メルカプト基、及びカルボキシ
ル基等の当量比が合致するように配合されていたが、本
発明では、この比をエポキシ当量が10%から40%の
間で前記水酸基、活性水素基、アミノ基、メルカプト
基、及びカルボキシル基等の当量を上回るように配合す
る。ここで言う当量とは、主剤の持つエポキシ基と総て
反応してしまう硬化剤の前記水酸基等の量あるいは硬化
剤の持つ前記水酸基等と総て反応してしまう主剤のエポ
キシ基の量を言う。この配合により第1導電層のバイン
ダ中のエポキシ基と第2導電層のバインダ中の水酸基の
化学的な結合が可能となる。
【0033】前記第1導電層のバインダに含まれるエポ
キシ基の過剰分の当量は、10%より少ないと密着力が
向上せず、40%を越えると未反応のエポキシ基が増加
することから10%から40%の間が望ましい。
【0034】バインダ中へのフィラーの分散方法として
はロールミル、ボールミル、ペイントシェーカ等の分散
機を使用する。フィラーとバインダの混合体(ビヒク
ル)にフィラーあるいはバインダに適した溶剤を加え、
各ミルにあった粘度に調整する。この時、フィラーとバ
インダの濡れ性向上の為のカップリング剤や分散性向上
のための分散補助剤等を加えてもよい。ボールミル及び
ペイントシェーカの場合は、さらにガラスビーズ、アル
ミナビーズ等を加え強力に攪拌する。一般的にロールミ
ルは高粘度ペーストに、ボールミル、ペイントシェーカ
は低粘度ペーストに適応する。また、各ミルでの分散時
間は、作製された導電性ペーストの分散状態や抵抗率を
調べることにより決定する。
【0035】第1導電層の印刷後、積層印刷時にペース
トの流動性を無くし、粘度を下げスクリーン印刷版への
ペーストの付着を防ぐためにエポキシ樹脂系導電性ペー
ストの溶剤を乾燥炉で揮発させる。次に、第2導電層と
して、フェノール樹脂系導電性ペーストをスクリーン印
刷法で第1導電層上に印刷する。第2導電層に使用する
フェノール系導電性ペーストは、導電性フィラーとして
Ag、Cu粉体等を、バインダとしてノボラック型フェ
ノール樹脂等を用い前記の方法により作製するか、ある
いは市販のフェノール樹脂系導電性ペーストを使用して
もよい。
【0036】グリット電極の積層を終えた後、両導電性
ペーストの硬化を乾燥炉で同時に行い積層型グリット電
極を形成する。
【0037】また、本発明では、第1導電層と第2電導
層を同時に硬化させるため、前記第1導電層のバインダ
に含まれる硬化剤は第2導電層に使用する導電性ペース
トの硬化条件(硬化温度、硬化時間)に合致する硬化剤
を選択するのが好ましい。
【0038】本発明の積層電極で、電極間の密着力が向
上する理由は、第1導電層のエポキシ基の当量を硬化剤
に含まれる前記水酸基等の当量よりも10%から40%
の範囲で多くし、さらに第1導電層と第2導電層を同時
に硬化させることにより、第1導電層のエポキシ基と第
2導電層の水酸基による化学的な結合を積極的に行わせ
る為である。
【0039】さらに、フッ素樹脂フィルム、EVA等の
ラミネート材料を使用しエンカプシュレーションを行っ
て、光起電力素子を作製する。
【0040】本発明を図4を用いて更に詳細に説明す
る。図4は、本発明の光起電力素子の一例として、太陽
電池の構成例を示したものである。図4において400
は太陽電池本体、401は基板、402は下部電極、4
03はn層、404はi層、405はp層、406は上
部電極、407は第1導電層、408は第2導電層、4
10は欠陥部分を表す。
【0041】欠陥部分410は基板の凹凸や成膜時のダ
ストなどの原因で生じる低抵抗部分である。また、製造
初期には正常であったが使用中に低抵抗化した部分をも
表している。このような欠陥部分は上部電極406と下
部電極402との間で短絡部分となりショートあるいは
シャントとなる。適当な抵抗値を持った第1グリット電
極407が無い時には抵抗率の低い第2グリット電極4
08と欠陥部分とは直接接触するため、太陽電池特性は
著しく劣化する。このため積層型グリット電極407、
408が好適に用いられる。即ち、第1導電層407は
シャントを防ぐための高抵抗層であって、太陽電池によ
って発生する電流に対しては抵抗とならずに、欠陥があ
る場合には抵抗として働き大きなリークとなる事を防ぐ
ものである。また、第1導電層407と上部電極406
とはオーミック特性を有する事が必要である。
【0042】また、パターン形成をスクリーン印刷で行
う場合には1000cpsから10万cps程度の粘度
のペーストであることが望ましい。また、太陽電池を屋
外で使用する場合には、湿度、温度に耐えるような耐候
性が必要である。
【0043】第1導電層407の厚みは、ピンホールが
無い事、湿度に対するバリヤ性が充分な事、密着性や柔
軟性がある事などの要求を満足するように決められる
が、1μm以下ではピンホールとなり易く、30μm以
上では柔軟性が損なわれるため1乃至30μm程度が好
適である。
【0044】第1導電層407の形態は、第2導電層4
08のパターンと同様のパターンに形成されるものであ
り、第2導電層408を積層する時にアライメントを容
易にするためと、湿度の影響で第2導電層408に用い
る金属のマイグレーションなどを防ぐため、第2導電層
408の面積よりも、20%から50%の間で、やや広
めに形成することが好ましい。第1導電層407の好適
な抵抗値としては、グリットの設計や、太陽電池の動作
点での電流値、欠陥の大きさなどにより決定されるが、
例えば膜厚10μmの時は抵抗率としては10-1Ωcm
乃至102Ωcmとすることによりシャントが生じたと
きに充分な抵抗となり、かつ、太陽電池で発生した電流
に対しては無視できる程度の抵抗値となる。
【0045】本発明の太陽電池は積層型グリット電極の
第1導電層に比較的抵抗の高い導電層を形成することで
シャントやショートによる電流リークを少なくする構成
であるためアモルファスシリコン太陽電池に好適に適用
できるものであるが、同様の構成は単結晶、多結晶系あ
るいはシリコン以外の半導体を用いた太陽電池、ショッ
トキー接合型の太陽電池などにも適用できることは言う
までもない。
【0046】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明をより詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0047】(実施例1)エポキシ基の当量と接着力の
関係を調査するため、以下に記す太陽電池サンプル10
0を作製し導電層の引き剥し試験を行った。
【0048】図1及び図2に示す層構成で長さ30cm
のグリット電極をシングルセル構成の太陽電池セル上に
形成した。まず、十分に脱脂、洗浄を行ったSUS43
0BA製基板(幅4cm×長さ30cm、厚み0.2m
m)101を不図示のDCスパッタ装置に入れAgを4
00nm堆積し、その後ZnOを400nm堆積して下
部電極102を形成した。基板101を取り出し、不図
示のRFプラズマCVD成膜装置に入れn層103、i
層104、p層105の順で堆積を行った。その後、不
図示の抵抗加熱の蒸着装置に入れて、酸素を導入しなが
ら1×10-4Torrの内圧に保ち、InとSnの合金
を抵抗加熱により蒸着し、反射防止を兼ねた機能を有す
る透明なITOの上部電極106を70nm堆積した。
【0049】積層グリット形成用のエポキシ樹脂系導電
性ペーストは、導電性フィラーに住友金属鉱山社製IT
O(製品名HYX)微粉末96部、バインダの主剤に油
化シェルエポキシ社製エポキシ樹脂(製品名エピコート
828EL)10部、及び硬化剤として大日本インキ化
学工業社製ノボラック型フェノール樹脂(製品名TD−
2090P)を酢酸n−ブチルセロソルブに溶解させた
溶液(固形分44%)19部、以上を分散したITOペ
ーストを用いた。この場合、エポキシ基の当量は水酸基
の当量より35%多いものとなる。
【0050】また、さらに主剤と硬化剤の比を変えて、
バインダに含まれる主剤のエポキシ基当量が硬化剤の水
酸基当量よりも0%から60%までの範囲で5%間隔で
増量するように配合した種々のITOペーストを作製し
た。
【0051】分散方法は、以上のITO微粉末、バイン
ダ、酢酸n−ブチルセロソルブの混合物を29部とシェ
ークに必要なガラスビーズ110部をサンプル瓶に取り
ペイントシェーカで10時間、分散を行った。
【0052】次に、基板101を不図示のスクリーン印
刷機に設置し、上記導電性ペーストを用いて、幅300
μm長さ30.2cmの第1導電層107を間隔1cm
で3列印刷した。
【0053】次に、80℃に保持した不図示の熱風オー
ブンの温度に基板101を投入し、ITOペーストの乾
燥を15分間行った。その後、基板101をオーブンか
ら取り出して冷却後、基板101を不図示のスクリーン
印刷機に設置し、幅200μm長さ30cmの第2導電
層108を間隔10mmで3列、第1導電層107上に
印刷した。このときフェノール系導電性ペーストは、タ
ツタ電線社製フェノール樹脂系Cuペースト(製品名S
AP−25)を用いた。印刷後、基板101を前記オー
ブンに入れて160℃で30分間保持し、導電性ペース
トを硬化した。なお、第1グリット電極107及び第2
グリット電極108の厚みはともに、10μmであっ
た。
【0054】次に、第2導電層の上部に直径100μm
のCuワイヤ109を固定し更にその上部にクリーム半
田110を印刷した。その後、不図示の熱風オーブンを
用い230℃で3分間保持し、半田110を溶融してC
uワイヤ109を固定した。次に、フラックスを洗浄す
るため超音波洗浄を15分間行って、太陽電池を作製し
た。
【0055】以上の太陽電池サンプル用いCuワイヤの
引き剥し試験を行った結果を図3に示す。なお、剥離
は、総て ITOペーストとCuペーストの界面で起こ
った。図3が示すように、水酸基等の当量に対するエポ
キシ基当量の増加分が10%以上で、接着力は増加し、
約33%で極大となることが分かる。
【0056】このように、前記増加分が10〜40%と
することで、接着力を向上させることが可能となる。
【0057】(実施例2)次に、図4,5に示す構成の
グリット長が10cmでバスバー付きのpin接合型シ
ングルセル構成の太陽電池400を以下のようにして作
製した。
【0058】まず、十分に脱脂、洗浄を行ったSUS4
30BA製基板(幅33cm×長さ33cm、厚み0.
2mm)401を不図示のDCスパッタ装置に入れAg
を400nm堆積し、その後ZnOを400nm堆積し
て下部電極402を形成した。基板401を取り出し、
不図示のRFプラズマCVD成膜装置に入れn層40
3、i層404、p層405の順で堆積を行った。その
後、不図示の抵抗加熱の蒸着装置に入れて、酸素を導入
しながら1×10-4Torrの内圧に保ち、InとSn
の合金を抵抗加熱により蒸着し、反射防止効果を兼ねた
機能を有する透明なITOの上部電極406を70nm
堆積した。
【0059】積層グリット形成用のエポキシ樹脂系導電
性ペーストは、導電性フィラーに住友金属鉱山社製IT
O(製品名HYX)微粉末96部、バインダの主剤に油
化シェルエポキシ社製エポキシ樹脂(製品名エピコート
828EL)10部、及び硬化剤として大日本インキ化
学工業社製ノボラック型フェノール樹脂(製品名TD−
2090P)を酢酸n−ブチルセロソルブに溶解させた
溶液(固形分44%)19部を分散したITOペースト
を用いた。このときバインダに含まれる主剤のエポキシ
当量が硬化剤の水酸基当量よりも33%増量するように
配合した。
【0060】分散方法は、ITO微粉末、バインダ及び
酢酸n−ブチルセロソルブの混紡物を29部とシェーク
に必要なガラスビーズ110部をサンプル瓶に取りペイ
ントシェーカで10時間、分散を行った。
【0061】次に、基板401を不図示のスクリーン印
刷機に設置し、上記ITOペーストを用いて、幅300
μm長さ10cmの第1導電層パターン407を間隔5
mmで配置したものを3列印刷した。
【0062】次に、80℃に保持した不図示の熱風オー
ブンに基板401を投入し、ITOペーストの乾燥を1
5分間行った。その後、基板401をオーブンから取り
出して冷却後、基板401を不図示のスクリーン印刷機
に設置し、幅200μm長さ10cmの第2導電層40
8を第1導電層上に印刷した。このときフェノール系導
電性ペーストは、導電性フィラーにAg粉末を用いたA
gペーストを用いた。印刷後、基板401を前記オーブ
ンに入れて160℃で30分間保持し、導電性ペースト
を硬化した。なお、第1グリット電極407及び第2グ
リット電極408の厚みはともに、10μmであった。
【0063】さらに、幅5mmの接着剤付き銅箔のバス
バー409を接着し、図5に示す30cm×30cm角
のシングルセルを作製した。図5において、401は基
板、407は第1導電層、408は第2導電層、409
はバスバーを示す。さらに、同様の方法で太陽電池を1
0枚作製した。
【0064】次に、これら太陽電池のエンカプシュレー
ションを以下のように行った。基板401の上下にEV
Aを積層し、さらにその上下にフッ素樹脂フィルムET
FE(エチレンテトラフルオロエチレン)(デュポン製
製品名テフゼル)を積層した後、真空ラミネーターに
投入して150℃で60分間保持し、真空ラミネーショ
ンを行った。
【0065】得られた太陽電池の初期特性を次のように
して測定した。まず、試料の暗状態での電圧電流特性を
測定し、原点付近の傾きからシャント抵抗を求めたとこ
ろ、50kΩcm2〜75kΩcm2と良好な特性であ
り、かつばらつきも少なかった。次に、AM1.5グロ
ーバルの太陽光スペクトルで100mW/cm2の光量
の疑似太陽光源(以下シミュレータと呼ぶ)を用いて太
陽電池特性を測定し、変換効率を求めたところ5.2%
±0.5%であり、良好な特性でありばらつきも少なか
った。
【0066】これらの太陽電池の信頼性試験を、日本工
業規格C8917の結晶系太陽電池モジュールの環境試
験方法及び耐久試験方法に定められた温湿度サイクル試
験A−2に基づいて行った。まず、試料を温湿度が制御
できる恒温恒湿器に投入し、−40℃から+85℃(相
対湿度85%)に変化させるサイクル試験を10回繰り
返し行った。次に、試験終了後の試料を初期と同様にシ
ミュレータを用い太陽電池特性を測定した。測定の結
果、初期変換効率に対して平均で3%の低下であり有意
な劣化は生じなかった。また、シリーズ抵抗を測定した
ところ、初期値(23.5Ωcm2)に対し平均で約8
%の増加で有意な劣化はなかった。
【0067】(比較例2)次に、比較のため実施例2と
同様の構成でエポキシ樹脂系導電性ペーストに含まれる
主剤のエポキシ当量と硬化剤の水酸基当量を合致させた
エポキシ樹脂系導電性ペーストで第1導電層を形成した
太陽電池を以下のようにして作製した。
【0068】エポキシ樹脂系導電性ペーストの配合は、
前記ITO微粉末96部、主剤の前記エポキシ樹脂10
部、硬化剤の前記フェノール樹脂溶液10部である。
【0069】分散方法は、実施例1と同様に前記ITO
微粉末、前記バインダ、溶剤として酢酸n−ブチルセロ
ソルブ29部、さらにシェークに必要なガラスビーズ1
10部をサンプル瓶に取りペイントシェーカで10時
間、分散を行った。
【0070】実施例1と同様に基板上に上部電極までを
形成した。次に、前記配合条件のエポキシ系導電性ペー
ストで第1導電層を印刷し、実施例2と同様にして第2
導電層を積層した。さらに接着剤付きの銅箔のバスバー
を積層し、図5に示す30cm×30cm角の太陽電池
を10枚作製した。
【0071】次にこの太陽電池のエンカプシュレーショ
ンを実施例1と同様に行った。得られた太陽電池の初期
特性を実施例1と同様の手順で測定したところ、変換効
率は5.3%±1.0%であり良好な特性でありばらつ
きも少なかった。
【0072】次にこの太陽電池の信頼性試験を実施例1
と同様に評価した。温湿度サイクル試験終了後に太陽電
池特性を測定したところ、初期値に対し平均で16%の
低下を示し、有意な劣化が起きていた。また、シリーズ
抵抗を測定したところ平均で50.6Ωcm2まで上昇
しており信頼性試験後においてグリット電極部分の剥離
が発生していることが分かった。
【0073】この太陽電池の劣化原因が剥離であること
を以下のようにして確認した。まず、太陽電池を不図示
の真空ラミネータを用い70分間加圧した。次に実施例
1と同様の手順で太陽電池特性を測定したところ、初期
値に対し平均で5%低下のレベルまで回復した。また、
シリーズ抵抗を測定したところ平均で35.4Ωcm 2
に回復した。
【0074】実施例2と比較例2とから明らかなよう
に、本発明の積層型グリット電極は、従来のものに比
べ、グリット電極間の密着性、信頼性が良好であり、さ
らに、太陽電池の歩留まりは良好で、特性・信頼性も高
いことが分かる。
【0075】(実施例3)次にグリット電極構成を変え
て図6に示す構成の30cmの長さのグリッドを形成し
た太陽電池600を実施例2とほぼ同様にして作製し
た。
【0076】まず、SUS430BA製基板601に、
下部電極を形成し、不図示のRFプラズマCVD成膜装
置に入れn層、i層、p層の順で堆積を行った。その
後、不図示の抵抗加熱の蒸着装置を用いてITOの上部
電極606を70nm堆積した。
【0077】次に、基板601を不図示のスクリーン印
刷機に設置し、幅300μm長さ30cmの第1導電層
607を間隔5mmで印刷した。このとき導電性ペース
トは実施例2と同様のITOペーストを使用した。80
℃に保持した不図示の熱風オーブンの温度に基板601
を投入し、第1導電層となるITOペーストの乾燥を1
5分間行った。その後、基板601をオーブンから取り
出し冷却後、実施例2と同様に第2導電層として幅20
0μm長さ30cmの電極を間隔5mmでタツタ電線社
製フェノール樹脂系Cuペースト(製品名SAP−2
5)を用いて印刷し、第2導電層608を形成した。そ
の後、160℃で30分間硬化した。硬化後、基板60
1の片側に50μmの厚みの銅箔からなる取り出し電極
609を接着剤で張り付けた。次に、前記第1導電層6
07及び第2導電層608の上部にクリーム半田を印刷
して230℃で3分間保持し、半田を溶融して前記第1
導電層607および第2導電層608上に半田を積層し
た。なお、第1導電層607及び第2導電層608の厚
みはともに、10μmであった。
【0078】次に、フラックスを洗浄するため超音波洗
浄を15分間行い、その後ラミネーションを実施例1と
同様に行った。さらに、同様の方法で太陽電池を10枚
作製した。
【0079】得られた太陽電池の初期変換効率を求めた
ところ、5.9%±0.3%と良好な特性でありばらつ
きも少なかった。
【0080】これらの太陽電池の信頼性試験を、実施例
1と同様にして測定したところ、初期変換効率に対して
平均で2%の低下であり有意な劣化は生じなかった。ま
た、シャント抵抗を測定したところ平均で約10%の減
少で有意な劣化はなかった。
【0081】本実施例の結果から、本発明の太陽電池は
歩留まりが良く良好な特性で有り、信頼性も良いことが
分かる。
【0082】(比較例3)次に、比較のため実施例3と
同様の構成で比較例2で使用したエポキシ樹脂系導電性
ペーストを用い、第1導電層を形成した太陽電池を以下
のようにして作製した。
【0083】実施例3と同様に基板上に上部電極までを
形成した。次に、比較例2で使用したエポキシ系導電性
ペーストで第1導電層を印刷し、実施例3と同様にして
第2導電層を積層した。さらに接着剤付きの銅箔のバス
バ−を積層し、図6に示す30cm×30cm角太陽電
池を10枚作製した。
【0084】次にこの太陽電池のエンカプシュレーショ
ンを実施例2と同様に行った。得られた太陽電池の初期
特性を実施例2と同様の手順で測定したところ、変換効
率は5.5%±2.5%であり良好な特性でありばらつ
きも少なかった。
【0085】またこの太陽電池の信頼性試験を実施例2
と同様に評価した。温湿度サイクル試験終了後の試料の
太陽電池特性を測定したところ、初期値に対し平均で1
5%の低下を示し、有意な劣化が起きていた。また、シ
リーズ抵抗を測定したところ平均で62.6Ωcm2
で上昇しており信頼性試験後において剥離が発生してい
ることがわかった。
【0086】この試料の劣化原因が剥離である事を真空
ラミネータを用い比較例2と同様の方法で確認した。実
施例2と同様の手順で太陽電池特性を測定したところ、
初期値に対し平均で6%低下のレベルまで回復した。ま
た、シリーズ抵抗を測定したところ平均で30.6Ωc
2に回復した。
【0087】以上の実施例3と比較例3が示すように、
本実施例のグリット電極間の密着性、信頼性は従来に比
べ優れていることが分かる。
【0088】
【発明の効果】本発明により、実使用時の厳しい環境下
でも耐久性・信頼性の高い光起電力素子を提供すること
が可能となる。
【0089】また、低抵抗で密着性が良好な積層型グリ
ット電極を安定して作製することが可能となり、高特性
の光起電力素子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の光起電力素子を示す模式的平面図で
ある。
【図2】実施例1の光起電力素子を示す模式的断面図で
ある。
【図3】エポキシ基と水酸基の比と接着力との関係を示
すグラフである。
【図4】実施例2の光起電力素子を示す模式的断面図で
ある。
【図5】実施例2の光起電力素子を示す模式的平面図で
ある。
【図6】実施例3の光起電力素子を示す模式的平面図で
ある。
【符号の説明】
100、400、600 光起電力素子本体、 101、401、601 基板、 102、402 下部電極、 103、403 n層、 104、404 i層、 105、405 p層、 106、406 上部電極、 107、407、607 第1導電層、 108、408、608 第2導電層、 109 Cuワイヤ、 110 半田、 409、609 バスバー、 410 欠陥部分。
フロントページの続き (72)発明者 新倉 諭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対のpin接合またはpn
    接合を有する半導体層と、前記半導体層の光入射側に形
    成された上部透明電極と、前記上部透明電極上に形成さ
    れた第1導電層及び前記第1導電層の上部に形成された
    第2導電層からなる積層型グリット電極とから構成され
    る光起電力素子において、前記第1導電層及び第2導電
    層がそれぞれエポキシ樹脂系導電性ペースト及びフェノ
    ール樹脂系導電性ペーストからなり、前記エポキシ樹脂
    系導電性ぺーストに含まれるエポキシ基と前記フェノー
    ル樹脂系導電性ペーストに含まれる水酸基とが化学的に
    結合していることを特徴とする光起電力素子。
  2. 【請求項2】 少なくとも一対のpin接合またはpn
    接合を有する半導体層と、前記半導体層の光入射側に形
    成された上部透明電極と、前記上部透明電極上に形成さ
    れた第1導電層及び前記第1導電層の上部に形成された
    第2導電層からなる積層型グリット電極とから構成され
    る光起電力素子の製造方法において、エポキシ樹脂系導
    電性ペーストの主剤に含まれるエポキシ基の当量を前記
    エポキシ樹脂系導電性ペーストの硬化剤に含まれる水酸
    基、活性水素基、アミノ基、メルカプト基及びカルボキ
    シル基の当量より10〜40%増量したエポキシ樹脂系
    導電性ペーストを用いて前記第1の導電層を形成し、続
    いてフェノール樹脂系導電性ペーストを用いて前記第2
    導電層を形成して、前記フェノール樹脂系導電性ペース
    トに含まれる水酸基と前記エポキシ樹脂系導電性ぺース
    トに含まれるエポキシ基とを化学的に結合させて積層型
    グリット電極を形成することを特徴とする光起電力素子
    の製造方法。
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