JP2014165090A - 光電変換素子用ペースト組成物、並びにそれを用いた光電変換素子用電極及び光電変換素子 - Google Patents

光電変換素子用ペースト組成物、並びにそれを用いた光電変換素子用電極及び光電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】安価な材料を用いつつ、高いエネルギー変換効率と電解液に対する耐久性を両立する光電変換素子、並びにそれに用いられる電極(特に正極)及びその材料を提供する。
【解決手段】体積抵抗率1×10Ωm以下の無機物質、比表面積50m/g以上のカーボン材料、及び溶媒を含有する光電変換素子用ペースト組成物、並びにそれを用いた光電変換素子用電極及び光電変換素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換素子用ペースト組成物、並びにそれを用いた光電変換素子用電極及び光電変換素子に関する。
色素増感太陽電池等の光電変換素子の正極には、基板上にPtをスパッタリングしたり、基板上にHPtCl等の溶液を塗布し、熱処理することによりPtに還元したりすること等により、Ptからなる薄膜を形成したものが、エネルギー変換効率にも優れ一般的である。
しかしながら、Ptは高コストであるとともに、電解液に対する耐久性が十分ではなく、問題となっている(非特許文献1)。
一方、高コストであるPtの代替品として、基板上にカーボン材料からなる薄膜が形成されたカーボン電極が使用されることもあるが、Ptを使用した場合と比較して、エネルギー変換効率が大幅に低下することが多かった。
Olsen, E., et al. Solar Energy Materials and Solar Cells, 63, 267 (2000)
本発明は、上記の課題を解決し、安価な材料を用いつつ、高いエネルギー変換効率と電解液に対する耐久性を両立する光電変換素子、並びにそれに用いられる電極(特に正極)及びその材料を提供することを目的とする。
上記目的を鑑み、鋭意検討した結果、本発明者らは、比表面積の大きいカーボン材料と体積抵抗率の低い無機材料とを組合せて用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。そして、さらに研究を重ね、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.体積抵抗率1×10Ωm以下の無機物質、比表面積50m/g以上のカーボン材料、及び溶媒を含有する光電変換素子用ペースト組成物。
項2.前記無機物質が、Ti、In、Sn、W、Mo、Nb、Al、Si、Zr、Zn、Ga、Ge、Sb及びCeよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む、項1に記載のペースト組成物。
項3.前記無機物質が、酸化物、炭化物、ホウ化物、窒化物、又は硫化物である、項1又は2に記載のペースト組成物。
項4.前記無機物質を構成する金属が、Ti、In、W、Mo、Zr、Sn及びSbよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を10mol%以上含む、項2又は3に記載のペースト組成物。
項5.前記カーボン材料が、比表面積70m/g以上のカーボンブラック類、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン類及びカーボンナノファイバーよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、項1〜4のいずれかに記載のペースト組成物。
項6.前記無機物質と前記カーボン材料との重量比が、95/5〜10/90である、項1〜5のいずれかに記載のペースト組成物。
項7.前記溶媒が、沸点150℃以上の溶媒を50重量%以上含む、項1〜6のいずれかに記載のペースト組成物。
項8.粘度が1000cps以上である、項1〜7のいずれかに記載のペースト組成物。
項9.色素増感太陽電池の電極用である、項1〜8のいずれかに記載のペースト組成物。
項10.色素増感太陽電池の正極用である、項1〜9のいずれかに記載のペースト組成物。
項11.基板上に、項1〜10のいずれかに記載のペースト組成物の乾燥物からなる多孔質塗膜が形成された、光電変換素子用電極。
項12.前記基板が、金属基板、ガラス基板又は樹脂基板である、項11に記載の電極。
項13.前記基板が、表面に導電膜を有する、項11又は12に記載の電極。
項14.正極である、項11〜13のいずれかに記載の電極。
項15.項11〜14のいずれかに記載の電極を備える光電変換素子。
項16.さらに、電解液を含有する、項15に記載の光電変換素子。
項17.前記電解液が、0.05mol/L以上のIを含む、項16に記載の光電変換素子。
項18.前記電解液が、0.5mol/L以上の融点100℃未満のイオン液体を含む、項16又は17に記載の光電変換素子。
項19.化学構造中にCOOH基を有する色素を含有する、項15〜18のいずれかに記載の光電変換素子。
項20.化学構造中にシアノ(−C≡N)基を有する色素を含有する、項15〜18のいずれかに記載の光電変換素子。
本発明によれば、安価な材料を用いつつ、高いエネルギー変換効率と電解液に対する耐久性を両立する光電変換素子、並びにそれに用いられる電極(特に正極)及びその材料を提供することができる。
1.ペースト組成物
本発明の光電変換素子用ペースト組成物は、無機物質、カーボン材料及び溶媒を含有する。
<無機物質>
無機物質としては、金属化合物が好ましい。この金属化合物を構成する金属としては、Ti、In、Sn、W、Mo、Nb、Al、Si、Zr、Zn、Ga、Ge、Sb及びCeよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、Ti、In、W、Mo、Zr、Sn及びSbよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。これらの金属を含むことにより、カーボン間、又はカーボンと導電性基板の間の導電性を増すことができる。また、これらの金属化合物の含有量は、十分に導電性を付与し、乾燥・焼成時のカーボンの収縮を抑える点から、10mol%以上が好ましく、20〜90mol%がより好ましい。ただし、この無機物質は、後述のカーボン材料は含まれない。
また、無機物質としては、高い導電性を有する点から、酸化物、炭化物、ホウ化物、窒化物、又は硫化物が好ましい。なお、金属化合物を構成する金属がTi等の場合は、炭化物、ホウ化物、窒化物等が特に高い導電性を有する。また、Mo、W等の場合は、炭化物、硫化物等が特に高い導電性を有する。さらに、In、Sb等の場合は、酸化物等が特に高い導電性を有し、Zr等の場合は炭化物が特に高い導電性を有する。
無機物質の体積抵抗率は、1×10Ω・m以下、好ましくは1×10Ωm以下である。無機物質の体積抵抗率が高すぎると、光電変換素子を作製した場合にエネルギー変換効率が低下する。なお、無機物質の体積抵抗率の下限値は、特に制限はないが、通常1×10−8Ωm程度である。
また、無機物質の形状は、上記の条件を満たす限り特に制限されない。例えば、粉末状、粒子状、ナノワイヤ状等のいずれも採用できる。
無機物質が粒子状である場合、そのサイズとしては、平均粒子径が5〜100nmのナノサイズであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましい。ただし、光を散乱させるために、上記の平均粒子径5〜100nmの無機物質以外に、100nm以上の粒子や、アスペクト比を有する無機物質(ナノチューブ、ナノワイヤ等)を含有していてもよい。なお、無機物質のサイズ(平均粒子径)は、例えば、電子顕微鏡観察(SEM又はTEM)等により測定することができる。また、比表面積から平均粒子径を計算により推定してもよい。
このような無機物質としては、上記の金属を含む金属化合物が好ましい。具体的には、酸化スズ、酸化インジウム、酸化アンチモン、炭化チタン、ホウ化チタン、窒化チタン、チタン、チタン酸ナノワイヤ(酸化チタンナノワイヤ)、チタン酸カリウムナノワイヤ、炭化タングステン、硫化タングステン、炭化モリブデン、硫化モリブデン、炭化ジルコニウム、酸化亜鉛等が挙げられる。また、これらの物質に、Sb、Sn、F、Nb、Al等がドープされた物質も好ましく使用できる。また、これらと他の物質との混合物も好ましく使用でき、その際には、後述のように体積抵抗率が高い酸化チタンナノ粒子との混合物とすることもできる。混合物とする際には、これらの無機物質を構成する金属化合物が、全金属化合物の50重量%以上となるように調整することが好ましい。さらに詳細には、アンチモンドープ酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズと酸化チタンとの混合物、酸化スズ、スズドープ酸化インジウム、ニオブドープ酸化チタン、アルミニウムドープ酸化亜鉛等が挙げられる。
なお、酸化チタンを採用する場合は、酸化チタンナノ粒子は体積抵抗率が高いので、チタン酸ナノワイヤ等アスペクト比の大きい材料を採用することが好ましい。
この場合、「酸化チタン」とは、二酸化チタン(TiO)のみを指すものではなく、三酸化二チタン(Ti);一酸化チタン(TiO);Ti、Ti等に代表される二酸化チタンから酸素欠損した組成のもの等も含むものである。また、末端OH基に代表されるように一部酸化チタンの合成に起因するTi−O−Ti以外の基を含んでいてもよい。また同様に、「酸化スズ」も、二酸化スズ(SnO)だけでなく、一酸化スズ(SnO)等も含む概念である。他の酸化物も同様である。
酸化チタンを用いる場合は、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型等の酸化チタン結晶の他、アモルファス酸化チタン等を含んでいてもよい。また、これらの他、導電性の高い酸素が一部欠損した組成のものを使用することもできる。
<カーボン材料>
本発明で使用するカーボン材料としては、比表面積が50m/g以上であれば特に制限はなく、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック類、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン類、カーボンナノファイバー等が使用できる。
これらのカーボン材料の比表面積は、50m/g以上、好ましくは70m/g以上、より好ましくは100m/g以上である。カーボン材料の比表面積が小さすぎると、光電変換素子を作製した場合に触媒性能が不足し、エネルギー変換効率が低下する。なお、カーボン材料の比表面積の上限値は、特に制限はないが、通常3000m/g程度である。
(1)カーボンブラック類
カーボンブラック類としては、特に制限はなく、アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等が使用できる。また、カーボンブラック類の平均粒子径は、特に制限されないが、3nm〜10μm程度が好ましく、5nm〜7μm程度がより好ましい。カーボンブラック類の平均粒子径は例えば、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察等により測定することができる。
(2)黒鉛
黒鉛としては、特に制限はなく、天然黒鉛及び人造黒鉛のいずれも使用できる。
黒鉛の形状は、特に制限されないが、細かく粉砕、分級され、比表面積が高いものが好ましい。
(3)グラフェン
グラフェンとしては、比表面積が上記範囲内であれば特に制限はなく、公知又は市販品を使用することができる。なお、このグラフェンを多層積層させたものは前述の黒鉛を形成し、チューブ状に形成したものは後述のカーボンナノチューブを形成する。
(4)カーボンナノチューブ
カーボンナノチューブとしては、例えば、
(i) 単層カーボンナノチューブ、
(ii) アモルファスナノスケールカーボンチューブ、
(iii) ナノフレークカーボンチューブ、又は入れ子構造の多層カーボンナノチューブ
(iv) 上記(iii)のカーボンチューブと炭化鉄又は鉄とからなり、該カーボンチューブのチューブ内空間部の10〜90%の範囲に炭化鉄又は鉄が充填されている鉄−炭素複合体
等が例示できる。
カーボンナノチューブは、黒鉛シート(即ち、黒鉛構造の炭素原子面又はグラフェンシート)がチューブ状に閉じた中空炭素物質であり、その直径はナノメートルスケールであり、壁構造は黒鉛構造を有している。壁構造が一枚の黒鉛シートでチューブ状に閉じた形状のカーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブと呼ばれている。一方、複数枚の黒鉛シートがそれぞれチューブ状に閉じて、入れ子状になっているカーボンナノチューブは入れ子構造の多層カーボンナノチューブと呼ばれている。本発明では、これら単層又は多層カーボンナノチューブをいずれも使用できる。
単層カーボンナノチューブの形状としては、特に制限はない。具体的な形状としては、平均直径(外径)は、0.4〜10nm程度が好ましく、0.7〜5nm程度がより好ましく、0.7〜2nm程度が特に好ましい。また、平均長さは、1〜500μm程度が好ましく、1〜100μm程度がより好ましく、1〜20μm程度が特に好ましい。
多層カーボンナノチューブの形状としては、特に制限はない。具体的な形状としては、平均直径は、1〜100nm程度が好ましく、1〜50nm程度がより好ましく、1〜40nm程度が特に好ましい。また、平均長さは、1〜500μm程度が好ましく、1〜100μm程度がより好ましく、1〜20μm程度が特に好ましい。
アモルファスナノスケールカーボンチューブ
本発明で使用できるアモルファスナノスケールカーボンチューブは、国際公開第00/40509号及び特許第3355442号に記載されており、カーボンからなる主骨格を有し、直径が0.1〜1000nmであり、アモルファス構造を有し、且つ、直線状の形態を有し、X線回折法(入射X線:CuKα)において、ディフラクトメーター法により測定される炭素網平面(002)の平面間隔(d002)が3.54Å以上、特に3.7Å以上であり、回折角度(2θ)が25.1度以下、特に24.1度以下であり、2θバンドの半値幅が3.2度以上、特に7.0度以上であるナノスケールカーボンチューブである。
アモルファスナノスケールカーボンチューブは、アモルファス構造(非晶質構造)を有するナノスケールのカーボンナノチューブで、中空直線状であり、細孔が高度に制御されている。その形状は、主に円柱、四角柱などであり、先端の少なくとも一方が、キャップを有していない(開口している)場合が多い。先端が閉口している場合には、形状がフラット状である場合が多い。
該アモルファスナノスケールカーボンチューブの外径は、特に制限されないが、通常1〜1000nm程度が好ましく、1〜200nm程度がより好ましく、1〜100nm程度が特に好ましい。そのアスペクト比(チューブの長さ/直径)は2倍以上が好ましく、5倍以上がより好ましい。
ここで、「アモルファス構造」とは、規則的に配列した炭素原子の連続的な炭素層からなる黒鉛質構造ではなく、不規則な炭素網平面からなる炭素質構造を意味し、多数の微細なグラフェンシートが不規則に配列し、原子の配列が不規則になっている。代表的な分析手法である透過型電子顕微鏡による像からは、アモルファスナノスケールカーボンチューブは、炭素網平面の平面方向の広がりがアモルファスナノスケールカーボンチューブの直径の1倍より小さい。このように、アモルファスナノスケールカーボンチューブは、その壁部が黒鉛構造ではなく多数の微細なグラフェンシート(炭素網面)が不規則に分布したアモルファス構造を有しているため、最外層を構成する炭素網面は、チューブ長手方向の全長にわたって連続しておらず、不連続となっている。特に、最外層を構成する炭素網面の長さは20nm未満が好ましく、特に5nm未満が好ましい。
非晶質炭素は一般的にはX線回折を示さないが、アモルファスナノスケールカーボンチューブはブロードな反射を示す。黒鉛質構造では、炭素網平面が規則的に積み重なっているので、炭素網平面間隔(d002)が狭くなり、ブロードな反射は高角側(2θ)に移行して、次第に鋭くなり(2θバンドの半値幅が狭くなり)、d002回折線として観測できるようになる(黒鉛的位置関係で規則正しく積み重なっている場合はd002=3.354Åである)。
これに対し、非晶質構造は、上記のように一般的にはX線による回折を示さないが、アモルファスナノスケールカーボンチューブは、部分的に非常に弱い干渉性散乱を示す。X線回折法(入射X線=CuKα)において、ディフラクトメーター法により測定されるアモルファスナノスケールカーボンチューブの理論的な結晶学的特性は、以下の様に規定される:炭素網平面間隔(d002)は、3.54Å以上が好ましく、3.7Å以上がより好ましい;回折角度(2θ)は、25.1度以下が好ましく、24.1度以下がより好ましい;前記2θバンドの半値幅は、3.2度以上が好ましく、7.0度以上がより好ましい。
典型的には、アモルファスナノスケールカーボンチューブは、X線回折による回折角度(2θ)が18.9〜22.6度の範囲内にあり、炭素網平面間隔(d002)は3.9〜4.7Åの範囲内にあり、2θバンドの半値幅は7.6〜8.2度の範囲内にあることがより好ましい。
アモルファスナノスケールカーボンチューブの形状を表す一つの用語である「直線状」なる語句は、次のように定義される。すなわち、透過型電子顕微鏡によるアモルファスナノスケールカーボンチューブ像の長さをLとし、そのアモルファスナノスケールカーボンチューブを伸ばした時の長さをLとした場合に、L/Lが0.9以上となる形状特性を意味するものとする。
鉄−炭素複合体及びナノフレークカーボンチューブ
鉄−炭素複合体は、特開2002−338220号公報に記載されており、
(a) ナノフレークカーボンチューブ及び入れ子構造の多層カーボンナノチューブからなる群から選ばれるカーボンチューブと、
(b) 炭化鉄又は鉄と
からなり、該カーボンチューブ(a)のチューブ内空間部の10〜90%の範囲に(b)の炭化鉄又は鉄が充填されている。即ち、チューブ内空間部の100%の範囲に完全に充填されているものではなく、上記金属又は合金がそのチューブ内空間部の10〜90%の範囲に充填されている(即ち、部分的に充填されている)。壁部は、パッチワーク状ないし張り子状(いわゆるpaper mache状)のナノフレークカーボンチューブ、又は上述の多層カーボンナノチューブである。
なお、「ナノフレークカーボンチューブ」とは、フレーク状の黒鉛シートが複数枚(通常は多数)パッチワーク状ないし張り子状(paper mache状)に集合して構成されている、黒鉛シートの集合体からなる炭素製チューブを指す。
(5)フラーレン類
フラーレン類としては、種々の立体構造を有するカーボンクラスター、例えば、C60、C70、C74、C76、C78、C82、C84、C720、C860等のフラーレン等が挙げられる。フラーレン類の形態は、例えば、サッカーボール状、バッキーボール状等であってもよい。
フラーレン類は置換基の導入等により修飾されていてもよい。修飾方法は、特に限定されず、例えば、フラーレン類の反応性に富む炭素5員環部を化学的に修飾できる。置換基の種類は、特に限定されず、例えば、アルキル基(メチル基、t−ブチル基等のC1−10アルキル基等)、アリール基(フェニル基等のC6−12アリール基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等のC7−12のアラルキル基等)、ジオキソラン単位、ハロゲン、酸素原子等が例示でき、液晶ポリマー、色素類、ポリエチレンオキシド等の導入により修飾してもよい。
フラーレン類は、金属を内包していてもよい。金属を内包したフラーレン類としては、種々の金属、例えば、周期表第1族元素(K、Na、Rb等)、周期表第2族元素、ランタノイド族元素(La等)等の金属がドープされたフラーレン類が例示できる。ドーパントとしての金属は単独で又は二種以上組み合わせてドープしてもよい。これらの金属内包フラーレン類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
(6)カーボンナノファイバー
カーボンナノファイバーとしては、グラファイト層で覆われた構造を有するものが好ましく、気相成 長法による炭素繊維(VGCF)等が好ましい。
<比率>
上記の無機物質とカーボン材料との重量比は、触媒性能と導電性を両立する点から、95/5〜10/90が好ましく、90/10〜20/80がより好ましい。つまり、無機物質の含有量は、無機物質とカーボン材料との合計量に対して10〜95重量%が好ましく、20〜90重量%がより好ましい。また、カーボン材料の含有量は、無機物質とカーボン材料との合計量に対して5〜90重量%が好ましく、10〜80重量%がより好ましい。
<溶媒>
光電変換素子用ペースト組成物に使用される溶媒としては、沸点が150℃以上の溶媒、特に沸点が200℃以上の溶媒を、50重量%以上含むことが好ましい。このように、沸点が高い溶媒を多数含むことにより、カーボンと無機物質の分散性を確保しやすく、かつ平滑な膜が得られる。
また、溶媒としては、無機物質(金属酸化物等)と親和性が高く、且つ、後述の添加剤を溶解する溶媒が好ましく、一般には、アルコール性OH基を有する有機溶媒が好ましい。
この有機溶媒としては、アルコール類等が挙げられる。このアルコール類としては、α−テルピネオール等の非脂肪族アルコール類;ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ヘキシレングリコール(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)、エチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル等のグリコール類等が挙げられる。その他、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサン等から、カーボン、無機物質との親和性に合わせて選択することが好ましい。
これらの有機溶媒としては、スキージ法で基板上にペースト組成物の乾燥物を形成して電極を製造する場合は、上記のアルコール類全般を使用することができる。一方、スクリーン印刷で基板上にペースト組成物の乾燥物を形成して電極を製造する場合は、粘度を高くし、均質な塗膜を得るために、α−テルピネオールやブチルカルビトール等が用いられることが多い。その他、スピンコート、ディップコート、スプレーコート等を行う場合は、脂肪族アルコールやケトン類等の粘度が低い溶媒が用いられることが多く、エタノール、2−プロパノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を用いてもよい。
溶媒としては、高沸点溶媒と低沸点溶媒を混合して使用することもできる。この際、その含有量の比は、特に制限されるわけではないが、高沸点溶媒の量を、上述のように、50重量%以上とすることが好ましい。
<その他成分>
本発明のペースト組成物には、他にも、通常光電変換素子用金属酸化物ペースト組成物に配合される添加剤、例えば、無機物質(金属酸化物等)を分散する分散剤、ペースト組成物の粘度を増大しチキソ性を持たせる増粘剤、塗布時は塗膜の強度を増し焼成後に粒子間に空隙を与え多孔質化を促進する有機バインダー、塗膜の平滑性を増すレベリング剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
これらの添加剤としては、特に制限されず、従来から使用されるものが使用できるが、分散剤と増粘剤と有機バインダーとを兼ねるエチルセルロースが特に好ましい。
なお、本発明のペースト組成物は、粘度が1000cps以上、特に10000cps以上となるように調整することが好ましい。粘度を高く設定することで、スクリーン印刷等より簡便で大量生産に適した印刷方法が適用できる。また、本発明のペースト組成物の粘度の上限値は特に制限はないが、通常1000000cps程度である。
2.製造方法
本発明のペースト組成物の製造方法は、特に制限されるわけではないが、
(1)前記無機物質と前記カーボン材料とを、溶媒中に分散させる工程
を備えることが好ましい。
また、作業性を考慮して、無機物質の濃度が低い状態で一度分散液を作製し、その後濃縮することも好ましく行われる。つまり、前記工程(1)の後、
(2)前記工程(1)で得られた分散液を濃縮する工程
を備えることが好ましい。
濃縮の方法は特に制限されず、例えば、エバポレータ等を用いて行えばよい。
3.電極
本発明の光電変換素子用ペースト組成物は、カーボンの触媒性能を活かす点から、光電変換素子(特に色素増感太陽電池等)の電極、特に正極に用いられる。
光電変換素子(特に色素増感太陽電池等)用の電極(特に正極)を形成する際には、本発明の光電変換素子用ペースト組成物の乾燥物からなる多孔質塗膜を、基板(金属基板、表面に導電性を付与したガラス基板もしくは樹脂基板等)の上に形成することが好ましい。
金属基板としては、特に制限されないが、例えば、ステンレス、チタン、クロム等耐食性の強い金属、陽極酸化処理を行ったアルミニウム等が挙げられる。
ガラス基板としても特に制限はなく、公知又は市販のものを使用でき、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等のいずれでもよい。これらのガラス基板は、導電性のものが好ましい。
この基板(金属基板、ガラス基板等)としては、板厚が0.05〜10mm程度のものを使用できる。なお、本発明における基板とは、常温において平滑な面を有するものであり、その面は平面あるいは曲面であってもよく、また応力によって変形するものであってもよい。
本発明では、多孔質塗膜は、金属基板又はガラス基板の表面上に直接形成されていてもよいが、導電膜(特に透明導電膜)を介して形成されていてもよい。
導電膜としては、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ膜(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ膜(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛膜(GZO)等が挙げられる。導電膜は、これらの1種のみからなる膜としてもよいし、2種以上の混合物からなる膜としてもよい。これらの導電膜を介することで、発生した電流を外部にとりだすことが容易となる。これらの導電膜の膜厚は、0.02〜10μm程度とするのが好ましい。
本発明の電極(特に正極)としては、例えば、以下に示す2態様が挙げられる。
<態様1>
基板(金属基板、ガラス基板等)上に、本発明のペースト組成物を用いて得られる多孔質塗膜を、導電膜を介して形成し、本発明の電極とすることができる。なお、金属基板、ガラス基板及び導電膜は上述したとおりのものである。
具体的には、以下のように、電極を形成できる。
まず、基板(金属基板、ガラス基板等)上に、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、ゾルーゲル法、ナノ粒子コンポジット等により導電膜を形成する。これにより得られる基板の表面抵抗は、50Ω/□以下とすることが好ましい。
そして、その上に、本発明のペースト組成物を塗布し、乾燥又は焼成することが好ましい。焼成の際の加熱条件は、バインダをできるだけ多く除去し、多孔質とする点、及びカーボンが焼失しない点から250〜700℃が好ましく、300〜600℃がより好ましい。ただし、バインダは残留してもよく、特に樹脂基板の場合は樹脂の融点、ガラス転移温度以下で乾燥するだけでも性能を発揮することができる。
この際、得られる塗膜の膜厚が2〜40μm程度となるように塗布することが、割れ抑制及び基板との密着性の観点から好ましい。
<態様2>
基板(金属基板、ガラス基板等)上に、本発明のペースト組成物を用いて得られる多孔質塗膜を直接形成し、さらにその上に、多孔質金属膜を形成して本発明の電極としてもよい。なお、基板(金属基板、ガラス基板等)は上述したとおりのものである。また、基板(金属基板、ガラス基板等)上に多孔質塗膜を形成する際には、上記態様1と同様の方法を採用することができる。
態様2で使用できる多孔質金属膜としては、ヨウ素イオン、臭素イオン等の電解液中に含まれるイオンに侵されない(反応しない)金属であれば特に限定されないが、例えば、チタン、タングステン、白金、金等が挙げられる。これらの多孔質金属膜を形成することで、発生した電流を外部にとりだすことがより容易となる。これらの多孔質金属膜の表面抵抗率は、特に限定されないが、10Ω/□以下が好ましく、膜厚も特に限定されないが、150nm以上とするのが好ましい。
基板(金属基板、ガラス基板等)上に形成された多孔質塗膜のさらに上に、多孔質金属膜は、スパッタ法などの薄膜形成法により形成できる。
4.光電変換素子及び色素増感太陽電池
本発明の光電変換素子は、基板(特に負極基板)、半導体層、電解液及び本発明の電極(特に正極)から少なくとも構成される。具体的には、基板上に半導体層を形成し、さらにその上に本発明の電極(特に正極)を形成し、これら電極間を、電解液を満たすことが好ましい。
基板(特に負極基板)は、通常、基板上に導電膜を有するものである。基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属基板、ガラス基板(無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等)等が用いられる他、無色又は有色の樹脂基板でもよい。かかる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテン等が挙げられる。なお、本発明における基板とは、常温において平滑な面を有するものであり、その面は平面あるいは曲面であってもよく、また応力によって変形するものであってもよい。
また、基板上に形成され、電極として作用する導電膜の材料は特に限定されないが、例えば、金、銀、クロム、銅、タングステン、チタン等の金属や金属薄膜、金属酸化物からなる導電膜等が挙げられる。金属酸化物としては、例えば、錫や亜鉛等の金属酸化物に、他の金属元素を微量ドープしたスズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ膜(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ膜(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛膜(GZO)等が好適なものとして用いられる。
導電膜の膜厚は、通常100〜10000nmが好ましく、300〜2000nmがより好ましい。また、表面抵抗(抵抗率)は適宜選択されるところであるが、通常0.5〜500Ω/sq程度が好ましく、1〜50Ω/sq程度がより好ましい。
導電膜の形成法は特に限定されるものではなく、用いる金属や金属酸化物の種類により公知の方法を適宜採用することができる。通常、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法又はスパッタリング法等が用いられる。いずれの場合も基板温度が20〜700℃の範囲内で形成されるのが好ましい。
半導体層としては、酸化チタン材料を使用することができる。例えば、公知又は市販のチタニアナノ粒子、アモルファス状チタニアナノチューブ(特許第3513738号、特許第3983533号等)、チタニアナノ粒子のチューブ状集合体(特許第4633179号等)等を単独又は混合して使用することができる。
基板(負極基板)上に半導体層を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、上記の酸化チタン材料を含むペースト組成物を調製し、基板(負極基板)上に塗布して焼成する方法等が挙げられる。この際、ペースト組成物の溶媒としては、水、有機溶媒等を用いることができる。
有機溶媒としては、上記の酸化チタン材料を分散できるものであれば、特に限定はない。例えば、エタノール、メタノール、テルピネオール等のアルコール類;エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類等を用いることができる。これらの溶媒は、分散性と揮発性、粘度等を考慮し、通常混合して用いられる。ペースト組成物中の溶媒の割合としては、塗布時に流動性を持たせる点と塗布後の厚みを保持する点、また多孔質の酸化チタンを形成する点から、50〜90重量%が、特に60〜75重量%が好ましい。
上記半導体層用のペースト組成物を作製するための分散液の成分として、上記の溶媒以外に、増粘剤等を含んでもよい。
増粘剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等のアルキルセルロース等が挙げられる。なかでも、アルキルセルロース、特にエチルセルロースを好適に用いることができる。
ペースト組成物中の増粘剤の割合としては、塗布時の流動性と塗布後の厚みのバランスをとる点から、2〜20重量%が、特に3〜15重量%が好ましい。
ペースト組成物中の固形分の割合としては、上記と同様に塗布時の流動性と塗布後の厚みのバランスの点から、10〜50重量%が、特に10〜30重量%が好ましい。
本発明の光電変換素子においては、半導体層の光吸収効率を向上すること等を目的として、半導体層に色素を担持(吸着、含有等)させたものが用いられる。
色素は、可視域や近赤外域に吸収特性を有し、半導体層の光吸収効率を向上(増感)させる色素であれば特に限定されないが、金属錯体色素、有機色素、天然色素、半導体等が好ましい。また、半導体層への吸着性を付与するために、色素の分子中にカルボキシル基、シアノ基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基等の官能基を有するものが好適に用いられる。
金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀の錯体(例えば、メリクルクロム等)や、金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。また、有機色素としては、例えば、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。色素として用いることができる半導体としては、i型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体、量子サイズ効果を示し、可視光を効率よく吸収する微粒子半導体が好ましい。通常、各種の半導体や金属錯体色素や有機色素の一種、又は光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することができる。また、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素とその割合を選ぶことができる。
色素を半導体層に吸着させる方法としては、例えば、溶媒に色素を溶解させた溶液を、半導体層上にスプレーコートやスピンコート等により塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に基板を加熱してもよい。また、半導体層を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることもできる。浸漬する時間は色素が充分に吸着すれば特に制限されることはないが、10分〜30時間が好ましく、1〜20時間がより好ましい。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱してもよい。溶液にする場合の色素の濃度としては、1〜1000mmol/L、好ましくは10〜500mmol/L程度である。
色素を溶解させる際に用いる溶媒は特に制限されるものではないが、水及び有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ブタノン等のケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
色素間の凝集等の相互作用を低減するために、界面活性剤としての性質を持つ無色の化合物を色素吸着液に添加し、半導体層に共吸着させてもよい。このような無色の化合物の例としては、カルボキシル基やスルホ基を有するコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等のステロイド化合物やスルホン酸塩類等が挙げられる。
未吸着の色素は、吸着工程後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽中でアセトニトリル、アルコール系溶媒等を用いて行うのが好ましい。
色素を吸着させた後、アミン類、4級アンモニウム塩、少なくとも1つのウレイド基を有するウレイド化合物、少なくとも1つのシリル基を有するシリル化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を用いて、半導体層の表面を処理してもよい。好ましいアミン類の例としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。好ましい4級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げられる。これらは有機溶媒に溶解して用いてもよく、液体の場合はそのまま用いてもよい。
イオンがかかわる電荷輸送材料としての電解液は、電解質、溶媒及び添加物から構成されることが好ましい。
電解液に用いる電解質の例としては、ヨウ素とヨウ化物(LiI、NaI、KI、CsI、CaI等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩等)の組み合わせ、臭素と臭化物(LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr、CaBr等の金属臭化物、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物臭素塩等)の組み合わせ、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等が挙げられる。中でも、IとLiI又はピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩とを組み合わせた電解質が好ましい。電解質は混合して用いてもよい。ただし、Iの濃度は、イオン電導性を十分に確保する点から、0.05mol/L以上が好ましく、0.1mol/L以上がより好ましい。なお、Iの濃度の上限値は特に制限はないが、通常1mol/L程度である。
溶媒としては、一般に電気化学セルや電池に用いられる溶媒であればいずれも使用することができる。具体的には、無水酢酸、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が使用可能である。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等が好ましい。
また、イオン液体も用いることができる。イオン液体は、蒸気圧がほぼゼロである、化学的安定性が高い、熱的安定性が高い等の特性を有しているため、光電変換素子の高温での耐久性向上がより期待でき、好ましい。
使用できるイオン液体は、電解液を常温でセル中に封入する方が望ましい点から、融点が100℃未満のものが好ましく、80℃以下のものがより好ましい。また、イオン液体の融点の下限値は、特に制限はないが、通常−60℃程度である。
このようなイオン液体としては、具体的には、ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム、ヨウ化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、ヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、ヨウ化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、ヨウ化1−ペンチル−3−メチルイミダゾリウム、ヨウ化1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム等が挙げられる。
以上の溶媒としては、電解液を常温でセル中に封入する方が望ましい点から、融点が100℃未満のイオン液体をイオン液体全体の50重量%以上含むことが好ましく、70重量%以上含むことがより好ましい。
また、添加物として、4−t−ブチルピリジン、2−ピコリン、2,6−ルチジン、N−メチルベンズイミダゾール、N−ブチルベンズイミダゾール等の塩基性化合物を前述の電解液に添加することが好ましい。塩基性化合物を電解液に添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05〜2mol/L程度である。
なお、電解液としては、上記説明したヨウ素イオン等の電解質をより多く溶解できるよう、誘電率の高いものが好ましく、また、溶解したイオンが移動し易いよう、粘度が低いものが好ましい。
また、対極には本発明の電極が好適に用いられるが、その対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いても良い。金属リードは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属からなるのが好ましく、ニッケル又は銀からなるのが特に好ましい。
本発明の色素増感太陽電池は、本発明の光電変換素子をモジュール化するとともに、所定の電気配線を設けることによって製造することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、体積抵抗率は定電流印加方式により、比表面積はBET法により、粘度は回転粘度計により測定した。
実施例1
比表面積75m/g、体積抵抗率0.005(5×10−3)Ωmのアンチモンドープ酸化スズ粉末5gと比表面積250m/gのNanocyl社製カーボンナノチューブ(CNT)5gとをエタノール200gに投入し、さらにテルピネオール(沸点217℃)85g、10cpsのエチルセルロースを5g加え、超音波分散を行った。
この分散液を50℃50hPaで3時間保持し、エタノールを除去することにより黒色のペースト組成物を得た。これにより、実施例1のペースト組成物を得た。
このペースト組成物について、粘度を測定したところ、20000cpsであった。
このペースト組成物をスクリーン印刷によりITO−ATOコーティングガラス基板(表面抵抗2Ω/□)に塗布し、450℃で焼成を行うことにより実施例1の電極を得た。
実施例2
比表面積75m/g、体積抵抗率0.005(5×10−3)Ωmのアンチモンドープ酸化スズ粉末3gと比表面積1260m/gのケッチェンブラック7gとをエタノール200gに投入し、さらにテルピネオール(沸点217℃)85g、10cpsのエチルセルロースを5g加え、超音波分散を行った。
この分散液を50℃50hPaで3h保持し、エタノールを除去することにより黒色のペースト組成物を得た。これにより、実施例2のペースト組成物を得た。
このペースト組成物について、粘度を測定したところ、50000cpsであった。
このペースト組成物をスクリーン印刷によりITO−ATOコーティングガラス基板(表面抵抗2Ω/□)に塗布し、450℃で焼成を行うことにより実施例2の電極を得た。
実施例3
アンチモンドープ酸化スズ粉末8gと比表面積1260m/gのケッチェンブラック2gとを用いること以外は、実施例2と同様に実験を行い、実施例3のペースト組成物及び電極を得た。なお、実施例3のペースト組成物の粘度を測定したところ30000cpsであった。
実施例4
体積抵抗率0.03(3×10−2)Ωmの、アンチモンドープ酸化スズをコーティングした酸化チタン5gと比表面積1260m/gのケッチェンブラック5gとを用いること以外は実施例2と同様に実験を行い、実施例4のペースト組成物及び電極を得た。なお、実施例4のペースト組成物の粘度を測定したところ40000cpsであった。
実施例5
体積抵抗率0.25Ωmの酸化スズ5gと比表面積1260m/gのケッチェンブラック5gとを用いること以外は実施例2と同様に実験を行い、実施例5のペースト組成物及び電極を得た。なお、実施例5のペースト組成物の粘度を測定したところ50000cpsであった。
実施例6
体積抵抗率0.0001(1×10−4)Ωmのスズドープ酸化インジウム5gと比表面積1260m/gのケッチェンブラック5gとを用いること以外は実施例2と同様に実験を行い、実施例6のペースト組成物及び電極を得た。なお、実施例6のペースト組成物の粘度を測定したところ50000cpsであった。
実施例7
アンチモンドープ酸化スズ粉末3gと比表面積130m/gのアセチレンブラック7gとを用いること以外は、実施例2と同様に実験を行い、実施例7のペースト組成物及び電極を得た。なお、実施例7のペースト組成物の粘度を測定したところ25000cpsであった。
実施例8
体積抵抗率0.1Ωmの炭化チタン5gと比表面積1260m/gのケッチェンブラック5gとを用い、焼成温度を350℃とすること以外は実施例2と同様に実験を行い、実施例8のペースト組成物及び電極を得た。なお、実施例8のペースト組成物の粘度を測定したところ20000cpsであった。
実施例9
体積抵抗率0.04(4×10−2)Ωmのホウ化チタン5gと比表面積1260m/gのケッチェンブラック5gとを用いること以外は実施例2と同様に実験を行い、実施例9のペースト組成物及び電極を得た。なお、実施例9のペースト組成物の粘度を測定したところ40000cpsであった。
実施例10
体積抵抗率0.05(5×10−2)Ωmの窒化チタン5gと比表面積1260m/gのケッチェンブラック5gとを用いること以外は実施例2と同様に実験を行い、実施例10のペースト組成物及び電極を得た。なお、実施例10のペースト組成物の粘度を測定したところ40000cpsであった。
実施例11
体積抵抗率0.05(5×10−2)Ωmのチタンパウダー5gと比表面積1260m/gのケッチェンブラック5gとを用いること以外は実施例2と同様に実験を行い、実施例11のペースト組成物及び電極を得た。なお、実施例11のペースト組成物の粘度を測定したところ30000cpsであった。
実施例12
酸化チタン1gと水酸化カリウム56gと水100gとを密閉容器下250℃で12時間加熱し、チタン酸カリウムナノワイヤを得た。この物質を0.1mol/Lの塩酸で24時間洗浄し、さらに水で3回洗浄することにより、体積抵抗率90Ωmのチタン酸ナノワイヤを得た。この体積抵抗率90Ωmのチタン酸ナノワイヤ5gと比表面積1260m/gのケッチェンブラック5gとを用いること以外は実施例2と同様に実験を行い、実施例12のペースト組成物及び電極を得た。なお、実施例12のペースト組成物の粘度を測定したところ100000cpsであった。
比較例1
ITO−ATOコーティングガラス基板(表面抵抗2Ω/□)にPtスパッタを行い、電極を作製した。
比較例2
ITO−ATOコーティングガラス基板(表面抵抗2Ω/□)にHPtClの1重量%エタノール溶液を塗布し、400℃30分熱処理を行いPtを還元することにより、Pt触媒を有する電極を作製した。
比較例3
体積抵抗率1.2×10Ωmの酸化チタンナノ粒子5gと比表面積1260m/gのケッチェンブラック5gとを用いること以外は実施例2と同様に実験を行い、比較例3のペースト組成物及び電極を得た。なお、比較例3のペースト組成物の粘度を測定したところ60000cpsであった。
比較例4
体積抵抗率0.0001(1×10−4)Ωmのスズドープ酸化インジウム5gと、体積抵抗率10−6Ωm、比表面積13m/gのカーボンナノファイバーを用いること以外は実施例2と同様に実験を行い、比較例4のペースト組成物及び電極を得た。なお、比較例4のペースト組成物の粘度を測定したところ40000cpsであった。
比較例5
導電率100S/mのPEDOT:PSS(poly (3, 4-ethylenedioxythiophene)-poly-(styrenesulfonate);導電性高分子)の1.3重量%水溶液100gに比表面積1260m/gのケッチェンブラック2gを加えたのち、超音波分散を行った。
この分散液を50℃50hPaで3時間保持し、水を除去することにより黒色のペーストを得た。これにより、比較例5のペースト組成物を得た。
このペースト組成物について、粘度を測定したところ、40000cpsであった。
このペースト組成物をスキージ法によりITO−ATOコーティングガラス基板(表面抵抗2Ω/□)に塗布し、200℃で熱処理を行うことにより比較例5の電極を得た。
比較例6
比表面積250m/gのカーボンナノチューブ(CNT)5gと、比表面積1260m/gのケッチェンブラック5gを用いること以外は実施例2と同様に実験を行い、比較例6のペースト組成物及び電極を得た。なお、比較例6のペースト組成物の粘度を測定したところ150000cpsであった。
[性能評価]
水熱合成によって得た25nm酸化チタンナノ粒子1.8g、20cpsのエチルセルロース0.9g、α−テルピネオール7.0gからなる酸化チタンペーストを、FTOガラス(10Ω/□)にスクリーン印刷による塗布を行い、500℃で焼成を行った。
この電極を、0.5mmolMK−2色素のトルエン/アセトニトリル/t−ブタノール混合(体積比1:1:1)溶液に3時間浸漬し、負極とした。
この負極と、上記実施例又は比較例で得た電極(正極)を、四角形に切り抜いた厚さ30μmハイミランフィルムで接着し、2枚の電極間に、1−メチル−3−プロピルイミダゾール10mlにヨウ素0.4mol/L、t−ブチルピリジン0.5mol/L、ヨウ化リチウム0.1mol/Lを加えた電解液を封入した。
このようにして得た色素増感太陽電池セルを85℃で24時間保持し、エネルギー変換効率の変化を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2014165090
その結果、Pt系電極は、Ptが溶解して性能が低下したが、カーボン系の電極は性能が維持できていた。また、無機材料として導電性の低い材料を用いた場合や、カーボン材料として比表面積の小さい材料を用いた場合は、耐久性は十分であったものの、性能の絶対値が不十分であった。また、カーボン材料のみを使用した場合は膜性状が不十分であった。
このように、「比表面積が大きく触媒性能が十分であるが、塗膜が割れやすく、基板や材料同士の接点における導電性が不足するカーボン」と、「膜収縮を低減し、導電性を補う無機材料」とを組み合わせることにより、カーボンの触媒性能を損なわず、クラックも発生せず、カーボンと基板の導電性も良好な、性能と耐久性を両立する色素増感太陽電池用電極を作製できた。

Claims (20)

  1. 体積抵抗率1×10Ωm以下の無機物質、比表面積50m/g以上のカーボン材料、及び溶媒を含有する光電変換素子用ペースト組成物。
  2. 前記無機物質が、Ti、In、Sn、W、Mo、Nb、Al、Si、Zr、Zn、Ga、Ge、Sb及びCeよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む、請求項1に記載のペースト組成物。
  3. 前記無機物質が、酸化物、炭化物、ホウ化物、窒化物、又は硫化物である、請求項1又は2に記載のペースト組成物。
  4. 前記無機物質を構成する金属が、Ti、In、W、Mo、Zr、Sn及びSbよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を10mol%以上含む、請求項2又は3に記載のペースト組成物。
  5. 前記カーボン材料が、比表面積70m/g以上のカーボンブラック類、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン類及びカーボンナノファイバーよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のペースト組成物。
  6. 前記無機物質と前記カーボン材料との重量比が、95/5〜10/90である、請求項1〜5のいずれかに記載のペースト組成物。
  7. 前記溶媒が、沸点150℃以上の溶媒を50重量%以上含む、請求項1〜6のいずれかに記載のペースト組成物。
  8. 粘度が1000cps以上である、請求項1〜7のいずれかに記載のペースト組成物。
  9. 色素増感太陽電池の電極用である、請求項1〜8のいずれかに記載のペースト組成物。
  10. 色素増感太陽電池の正極用である、請求項1〜9のいずれかに記載のペースト組成物。
  11. 基板上に、請求項1〜10のいずれかに記載のペースト組成物の乾燥物からなる多孔質塗膜が形成された、光電変換素子用電極。
  12. 前記基板が、金属基板、ガラス基板又は樹脂基板である、請求項11に記載の電極。
  13. 前記基板が、表面に導電膜を有する、請求項11又は12に記載の電極。
  14. 正極である、請求項11〜13のいずれかに記載の電極。
  15. 請求項11〜14のいずれかに記載の電極を備える光電変換素子。
  16. さらに、電解液を含有する、請求項15に記載の光電変換素子。
  17. 前記電解液が、0.05mol/L以上のIを含む、請求項16に記載の光電変換素子。
  18. 前記電解液が、0.5mol/L以上の融点100℃未満のイオン液体を含む、請求項16又は17に記載の光電変換素子。
  19. 化学構造中にCOOH基を有する色素を含有する、請求項15〜18のいずれかに記載の光電変換素子。
  20. 化学構造中にシアノ(−C≡N)基を有する色素を含有する、請求項15〜18のいずれかに記載の光電変換素子。
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