JPH0733523U - ボールエンドミル - Google Patents

ボールエンドミル

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JPH0733523U
JPH0733523U JP6487593U JP6487593U JPH0733523U JP H0733523 U JPH0733523 U JP H0733523U JP 6487593 U JP6487593 U JP 6487593U JP 6487593 U JP6487593 U JP 6487593U JP H0733523 U JPH0733523 U JP H0733523U
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昌之 大川
淳一 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 工具本体11の先端に装着される円弧状の切
刃15を有するスローアウェイチップ16の上面16A
には、切刃15に連なり、この切刃15がなす円弧の中
心側に向けて、この円弧を含む仮想平面Pに対して漸次
隆起する隆起面24が形成されており、かつこのスロー
アウェイチップ16は、この仮想平面Pが工具本体11
の軸線Oを含むように配置されるか、あるいは仮想平面
Pが軸線Oに対して斜交する方向に傾けられて、切刃1
5がその一端15Aから他端15Bに向かうに従い工具
回転方向後方側に向かって延びるように配置されてい
る。また、切刃15の一端15Aには、切刃15に連な
り仮想平面P上に延びる小切刃22が形成され、この小
切刃22の上面16A側には第2隆起面25が形成され
ている。 【効果】 切刃15,22の刃先強度を確保しつつ、良
好な切屑排出性を得られる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、工具本体の先端に円弧状の切刃が設けられたボールエンドミルに関 するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のボールエンドミルとしては、例えば図9ないし図11に示すようなス ローアウェイ式のボールエンドミルが知られている。これは、特開昭61−13 4812号公報に記載されたものであって、軸線O回りに回転される工具本体1 の先端に、円弧状の切刃2および小切刃3を備えた平板状のスローアウェイチッ プ(以下、チップと略称する。)4と、円弧状の切刃5および直線状の切刃6を 備えた平板状のチップ7とが、上記各円弧状の切刃2,5の軸線O回りの回転軌 跡が半球状となるように着脱自在に装着されて成るものである。
【0003】 ここで、上記チップ4のすくい面となる上面4Aには、工具回転中心Cの近傍 に配置される切刃2の内周側の一端2A側の部分に、下面側に陥没する凸曲面4 Bが形成されており、上記小切刃3はこの凸曲面4Bとチップ4の側面(逃げ面 )4Cとの交差稜線部に、この側面4Cから上面4Aにかけて凸曲線を描くよう に形成されている。 また、このボールエンドミルにおいては、上記チップ7の切刃5の内周側の一 端5Aは工具回転中心Cから離間した位置に設けられ、また上記チップ4の円弧 状の切刃2の工具外周側に配置される他端2Bは、その軸線O回りの回転半径が チップ7の円弧状の切刃5の他端5Bおよび直線状の切刃6の回転半径よりも小 さくなるように形成されている。そして、チップ4にあっては切刃2と小切刃3 とが、またチップ7にあっては切刃5,6が、それぞれ切削に関与するように切 削領域を分担して、切削時のバランスがとられるように図られている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】 ところで、上記構成のボールエンドミルでは、チップ4の小切刃3が側面4C から上面4Aにかけて凸曲線を描いて切刃2に連なるように形成されているため 、この小切刃3を工具回転中心Cの近傍において切削に関与せしめるには、切刃 2がいわゆる芯上がりとなるようにチップ4を配置しなければならない。しかし ながら、切刃2が芯上がりに配置されることは、この切刃2の径方向すくい角が 負角側に設定されることに他ならないから、切れ味が損なわれるとともに切削抵 抗の増大を招いて切刃2の欠損を助長するおそれがある。
【0005】 また上記チップ4では、小切刃3を設けるために上面4Aが切刃2の一端2A 側において下面側に陥没して凸曲面4Bが形成されているが、この凸曲面4Bの 小切刃3とは反対側の部分は上面4Aに向けて段状に盛り上がるように形成され ており、これら凸曲面4Bと上面4Aとの間に両面4A,4Bに対して直交する 立壁4Dが形成されることとなる。しかるに、この立壁4Dは、チップ4を工具 本体1に装着した状態において切屑が流出する方向に立ちはだかるように配置さ れるため、円滑な切屑排出性が損なわれてしまうという問題もあった。 さらに、上記チップ4の小切刃3の先端部3Bは、図10に示されるように上 面4A側からの平面視に鋭角状に形成されるため、刃先強度を確保することが難 しく、欠損等が一層発生し易くなるという問題もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、このような課題を解決するためになされたもので、軸線回りに回転 される工具本体の先端に、上面辺稜部に略円弧状の切刃を有する平板状のチップ が、上記切刃の一端を上記工具本体先端の工具回転中心部分に位置させるととも に該切刃の他端を工具本体の外周側に位置させて、該切刃の上記軸線回りの回転 軌跡が略半球状をなすように着脱自在に装着されて成るボールエンドミルにおい て、上記チップの上面に、上記切刃に連なり、この切刃がなす上記円弧の中心側 に向かうに従い該円弧を含む仮想平面に対して漸次隆起する隆起面を形成し、か つ該チップを、上記仮想平面が上記軸線を含むように配置するか、または該仮想 平面を上記軸線に対して斜交する方向に傾けて、上記切刃が上記一端から他端に 向かうに従い工具回転方向後方側に向かって延びるように配置したことを特徴と する。
【0007】
【作用】
このような構成のボールエンドミルによれば、円弧状の切刃を有するチップの 上面に、この切刃が描く円弧を包含するような仮想平面に対して隆起する隆起面 が、該切刃に連なるように形成されており、これにより切刃の刃先角度が大きく なって刃先強度が確保されるため、切刃の欠損を抑えることができる。 しかも、上記チップは、上記仮想平面が工具本体の軸線を含むように配置され るか、あるいは切刃がその工具回転中心側の一端から工具外周側の他端に向けて 工具回転方向後方に向かうように、上記仮想平面が軸線に対して斜交する方向に 傾けられて配置されており、すなわち切刃がその工具回転中心側から工具外周側 に向かって工具回転方向側に向かうことがないから、切削時に切刃によって生成 された切屑は、切刃稜線に沿って工具回転中心側から工具外周側へと案内されて 工具基端側に排出されるため、円滑な切屑処理を行なうことができる。
【0008】 なお、上記仮想平面が上記軸線に対してなす角度は、15°以下の範囲とされ るのが望ましい。この角度が15°を上回ると、工具本体の先端のチップの工具 回転方向後方側に位置して該チップを支持する部分、いわゆるバックメタルの肉 厚が確保できなくなって工具剛性が損なわれるおそれが生じる。ただし、切刃が 工具基端側に向かうに従い工具回転方向前方側に向かう方向に仮想平面が傾けら れたりすると良好な切屑排出性が得られなくなるため、上記角度が0°を下回っ て負角側に設定されることはない。 また、上記切刃がなす円弧の中心を通って上記仮想平面に直交する断面におい て、上記隆起面が仮想平面に対してなす隆起角は、30°以下とされるのが望ま しい。これは、この隆起角が30°を上回ると刃先強度は高くなるものの、同時 に切削抵抗が過大となってしまうおそれがある。
【0009】 さらに、上記切刃の工具回転中心側の一端に、該切刃に連なる小切刃を設ける ようにしてもよい。この場合に当該小切刃は、上記仮想平面上に延びるように、 かつ、上記チップを工具本体に装着した状態において、上記切刃側から離間する に従い工具基端側に向かうように形成するとともに、この小切刃の上面側に、該 小切刃に連なり、該小切刃側から離間するに従い上記仮想平面に対して漸次隆起 して上記隆起面に連なる第2隆起面を形成することにより、円弧状の切刃が芯上 がりとなることが避けられて切削抵抗が低減され、また小切刃の先端はチップ上 面側からの平面視に鈍角をなすこととなるため欠損等が防がれ、さらにこの小切 刃からチップ上面(隆起面)に向かう部分に立壁が形成されることが避けられて 、より円滑な切屑排出を促すことができる。
【0010】
【実施例】
図1ないし図8は、本考案の一実施例を示すものである。 本実施例において工具本体11は略円柱状をなし、その先端部は半球状に形成 されるとともに、この先端部には一対のチップポケット12A,12Bが、工具 本体11の回転中心となる軸線Oを挟んで互いに反対側に形成されている。そし て、これらのチップポケット12A,12Bの工具回転方向(図2において反時 計回り方向)を向く壁面には、それぞれ工具先端側と基端側とにチップ取付座1 3,14が形成されており、各チップポケット12A,12Bの先端側のチップ 取付座13,13には円弧状の切刃15を有するチップ16とチップ17とが、 また基端側のチップ取付座14,14には直線状の切刃18を有する略正方形平 板状のチップ19,19が、それぞれクランプネジ20…によって着脱自在に取 り付けられている。
【0011】 なお、これらのチップ16,17,19は、いずれも超硬合金等の硬質材料か ら形成されている。また、図2に示すようにチップ19,19はチップ16,1 7よりも工具回転方向前方側に位置するように配置されている。さらに、一方の チップポケット12Aに取り付けられる上記チップ19は、他方のチップポケッ ト12Bに取り付けられるチップ19よりも工具先端側に位置するようにずらさ れて配置され、かつ互いの切刃18,18の軸線O回りの回転軌跡が軸線O方向 にオーバーラップするようになされている。
【0012】 図5ないし図8は、上記一方のチップポケット12Aの工具先端側のチップ取 付座13に装着されるチップ16を示すものである。 図5に示されるように、このチップ16はその上面16A側からの平面視に略 楕円を呈する平板状のものであって、この上面16Aがすくい面とされるととも に下面16Bは上面16Aに平行に形成されてチップ取付座13への着座面とさ れ、かつ上面16Aの中央から下面16Bにかけては上記クランプネジ20が挿 通される取付孔21が貫設されている。また、逃げ面となる側面16Cは下面1 6B側に向けてチップ16の内方に向かうように傾斜して、逃げ角が与えられて いる。 そして、上記上面16Aとこの側面16Cとの交差稜線部には、一対の上記円 弧状の切刃15,15が上記平面視に取付孔21を挟んで互いに反対側に位置す るように形成されている。さらに本実施例では、これら円弧状の切刃15,15 の一端15Aには小切刃22が、また他端15Bには直線状の切刃23がそれぞ れ形成されており、かつこれらの切刃15,15,22,22,23,23は、 上記平面視において取付孔21の中心に対して点対称となるように形成されてい て、1つのチップ16で2回の使い回しができるように図られている。
【0013】 円弧状の切刃15は、上記平面視に略1/4円弧をなすように形成され、かつ この円弧を包含する仮想平面Pは、上記上下面16A,16Bに平行となるよう に配置されている。すなわち切刃15は、上下面16A,16Bに平行な仮想平 面P上で円弧を描くように形成されている。また、上記直線状の切刃23,23 も、この仮想平面P上に延びるように形成されており、一の円弧状の切刃15の 他端15Bに連なる直線状の切刃23は、この他端15Bにおいて該円弧状の切 刃15に接するようになされている。 さらに、上記小切刃22も上記仮想平面P上に形成されており、図7に示すよ うに一の円弧状の切刃15の一端15Aにおけるこの円弧状の切刃15の接線と 、他の一の円弧状の切刃15に連なる直線状の切刃23とに鈍角に交差するよう になされている。
【0014】 そして、このチップ16の上面16Aには、上記円弧状の切刃15および直線 状の切刃23に連なり、かつ上記平面視にチップ16の内方に向かうに従い、上 記仮想平面Pに対して漸次隆起する隆起面24が形成されている。 この隆起面24は、本実施例では上記切刃15,23に直交する断面において 図6に示すように一定の幅mをもって、かつ上記仮想平面Pに対して一定の隆起 角θで交差して、切刃15,23が形成される上面16Aの辺稜部を周回するよ うに形成されている。従ってこの隆起面24は、円弧状の切刃15に連なる部分 においては、該切刃15が描く円弧の中心を通り仮想平面Pに直交する軸線を有 する円錐面状に形成され、また直線状の切刃23に連なる部分においては、この 円錐面に接して滑らかに連なる傾斜平面を呈することとなる。
【0015】 なお、上記切刃15,23に直交する断面において隆起面24が仮想平面Pに 対してなす隆起角θは、本実施例では5°〜30°の範囲内に設定されている。 またこの隆起面24の幅mは、切刃15がなす円弧の半径Rの10%以上、また は1mm以上に設定されるのが望ましい。 さらに、上面16Aの上記小切刃22に連なる部分には、やはりチップ16の 内方に向かうに従い仮想平面Pに対して漸次隆起する傾斜平面状の第2隆起面2 5が形成されている。この第2隆起面25も、小切刃22に直交する断面におい て仮想平面Pに対し一定の隆起角βをもって隆起するように形成されているが、 この隆起角βは上記隆起面24の隆起角θよりも大きくなるように設定されてい る。
【0016】 本実施例では、このようなチップ16が上記一方のチップポケット12Aの工 具先端側のチップ取付座13に、上面16Aを工具回転方向側に向け、一の円弧 状の切刃15の一端15Aを工具本体11先端の工具回転中心C近傍に位置させ るとともに該切刃15の他端15Bを工具本体11の外周側に位置させて取り付 けられている。ただし、切刃15の一端15Aは工具回転中心Cよりも僅かに工 具外周側に配置されており、工具回転中心C上には小切刃22が、切刃15の一 端15A側から離間するに従い工具本体11の基端側に向かうように配置されて いる。 そして、このチップ16は、上記仮想平面Pが工具本体11の軸線Oを含むよ うに配置されるか、あるいは上記円弧状の切刃15がその一端15Aから他端1 5Bに向かうに従い僅かに工具回転方向後方側に向かうように、上記仮想平面P が工具本体11の軸線Oに対して斜交する方向に傾けられて配置されている。こ こで、この軸線Oに対して上記仮想平面Pがなす角度Aは、仮想平面Pが軸線O を含む場合の0°から15°以下となるように設定されている。従って、チップ 16は、少なくとも円弧状の切刃15がその一端15Aから他端15Bに向かう に従い工具回転方向側に向かうように仮想平面Pが軸線Oに斜交して配置される ようなことはない。
【0017】 なお、本実施例において他方のチップポケット12Bの先端側のチップ取付座 13に装着されるチップ17は、上記チップ16の円弧状の切刃15と等しい半 径Rの円弧状の切刃26と、これに連なる直線状の切刃27とを備えたチップ1 6と略同形状のものが用いられており、これらの切刃26,27の軸線O回りに おける回転軌跡がチップ16の切刃15,23の回転軌跡に重なるようになされ ている。そして、このチップ17においても、切刃26がなす円弧を包含する仮 想平面は軸線Oを含むか、あるいは該切刃26がその工具回転中心C側の一端2 6Aから他端26B側に向かうに従い工具回転方向後方側に向かうように、軸線 Oに対して斜交する方向に配置されている。 ただし、このチップ17において上記円弧状の切刃26は、その工具回転中心 C側の一端26Aがチップ16の円弧状の切刃15の一端15Aよりも工具外周 側に位置するように、該切刃15よりも短く形成されている。また、その一方で 直線状の切刃27はチップ15の直線状の切刃23よりも長く形成されており、 この直線状の切刃27の工具基端側の部分は、軸線O回りの回転軌跡が一方のチ ップポケット12Aの工具基端側のチップ19の切刃18にオーバーラップする ようになされている。
【0018】 さらに、これらのチップ16,17の下面16B,17Bと側面16C,17 Cとの交差稜線部には、それぞれの円弧状の切刃15,15および切刃26,2 6の下面16B,17B側に、該交差稜線部を横切って下面16B,17Bと側 面16C,17Cとに鈍角に交差する方向にキー溝状の係合凹部28,28が形 成されている。一方、チップ取付座13,13には、チップ16,17を装着し た状態において該係合凹部28,28のうち使用に供されない切刃15,26の 下面16B,17B側の係合凹部28に係合する凸部29が設けられており、こ れら係合凹部28と凸部29とがそれぞれ係合することによってチップ取付座1 3,13に装着されたチップ16,17が回り止めされ、その着座安定性の向上 が図られるようになされている。
【0019】 このような構成のボールエンドミルでは、まずチップ16の上面16Aに、切 刃15,23に連なり、かつ切刃15が描く円弧を包含する仮想平面Pに対して 隆起する隆起面24が形成されており、これによってチップ16の側面16Cに 逃げを与えているにも拘らず、図6に示すように切刃15,23の刃先角度δを 大きく設定することが可能となる。従って、切刃15,23に高い刃先強度を確 保することが可能となり、切削時の負荷等によって切刃15,23に欠損等が生 じるのを抑えてチップ16の寿命の延長を図ることができる。 また、その一方で本実施例では、仮想平面Pが軸線Oを含むか、あるいは切刃 15がその一端15Aから他端15Bに向かうに従い工具回転方向後方側に向か うように上記仮想平面Pが軸線Oに対して斜交する方向にチップ16,17が配 置されており、これによって切刃15によって生成された切屑は工具本体11の 回転に伴いチップポケット12内に滞留することなく、切刃15の稜線に案内さ れるようにして順次工具基端側へと排出されるため、良好な切屑排出性を得るこ とができる。
【0020】 さらに、本実施例のボールエンドミルでは、円弧状の切刃15の工具回転中心 C側の一端15Aに小切刃22が形成されるとともに、この小切刃22の上面1 6A側には該小切刃22に連なる第2隆起面25が形成されている。ここで、こ の小切刃22は、上記切刃15がなす円弧を含む仮想平面P上に形成されており 、このような小切刃22を工具回転中心C上に位置させることにより、本実施例 では図4に示すように切刃15が芯上がりとなるのが避けられている。このため 、切刃15の切れ味の向上が図られるとともに切削抵抗の増大が防がれ、欠損等 の発生をより一層効果的に抑えることが可能となる。 また、この小切刃22が配置される工具回転中心Cの近傍は周速が低くなるた め切削負荷がきわめて高くなるが、該小切刃22の上面16A側に第2隆起面2 5を設けることにより、小切刃22の刃先角をさらに大きく設定することが可能 となり、高い切削負荷にも十分に抗して欠損等を防止することができる。さらに 、この第2隆起面25は傾斜平面状に形成されているため、上述した従来のボー ルエンドミルのように立壁4Dが形成されることはなく、切屑排出を阻害するこ ともない。
【0021】 さらにまた、本実施例ではこの小切刃22は、切削に供される側の円弧状の切 刃15と切削に供されない側の直線状の切刃23とに、鈍角に交差して連なるよ うに形成されており、これらの切刃15,22,23の交差部において欠損等が 生じるような事態をも未然に防止することができる。 ここで、本実施例ではこの小切刃22が、チップ16を工具本体11に装着し た状態において、切刃15の一端15A側から離間するに従い工具基端側に向か うように配置されており、一見するとこの小切刃22により削り残される部分が 被削材に形成されてしまうのではないかとも思われるが、このようなボールエン ドミルによる加工は通常工具本体11を軸線O回りに回転させるとともに、工具 本体11を軸線Oに交差する方向に送りだして行なうものであるから、小切刃2 2により削り残された部分は工具本体11の送りに伴い切刃15の一端15A側 の部分によって削り取られてしまうため、このような削り残しが被削材に形成さ れることはない。
【0022】 なお、本実施例では上記仮想平面Pが軸線Oに対してなす角度Aを0°〜15 °の範囲となるようにチップ16を配置したが、これは工具本体11の寸法等に もよるが、この角度Aが15°を上回ると、工具本体11の先端部分においてチ ップ16の工具回転方向後方側に位置して該チップを支持する部分、いわゆるバ ックメタルの部分の肉厚が確保できなくなって工具剛性が損なわれるおそれが生 じるからである。一方、逆に切刃15が工具基端側に向かうに従い工具回転方向 前方側に向かう方向に仮想平面Pが傾けられ、すなわち上記角度Aが負角となる と、工具本体11の回転に伴い切屑は工具回転中心C側へと案内されることとな り、上述した良好な切屑排出性が得られなくなるおそれが生じる。
【0023】 また本実施例では、チップ16の切刃15がなす円弧の中心を通って上記仮想 平面Pに直交する断面において、隆起面24が仮想平面Pに対してなす隆起角θ を5°〜30°の範囲としたが、これは、この隆起角θが30°を上回ると刃先 強度は高くなるものの、切削抵抗が過大となってしまうおそれが生じるからであ る。一方、この隆起角θの下限については0°を上回る正角であればよいのであ るが、この隆起角θが小さすぎると切刃15の刃先強度を確保するという効果が 十分に奏功されなくなるおそれが生じるので、好ましくは該隆起角θは5°以上 に設定されるのがよい。 さらに、本実施例ではこの隆起面24の切刃15に連なる部分を円錐面状とし 、また隆起面24の切刃23に連なる部分と第2隆起面25を傾斜平面状として 、切刃15,22,23に直交する断面において隆起面24,25が直線状とな るようにしたが、例えばこの断面が曲面状となるように形成してもよい。 さらにまた、本実施例では隆起面24をチップ16の上面16A側からの平面 視に該上面16Aの辺稜部に沿って幅mで周回するように形成したが、これに拘 らず、例えば上面16A全体に隆起面24を形成するようにしても構わない。
【0024】
【考案の効果】
以上説明したように本考案によれば、円弧状の切刃を有するチップの上面に、 この切刃が描く円弧を包含する仮想平面に対して隆起する隆起面が形成されてお り、これによって該切刃の刃先角度を大きく設定し得て高い刃先強度を確保する ことが可能となり、切刃の欠損等を抑えることができる。 また、その一方で、このようなチップが、上記仮想平面が工具本体の軸線を含 むように配置されるか、あるいは切刃がその一端から他端に向かうに従い工具回 転方向後方側に向かうよう、上記仮想平面が軸線に対して斜交する方向に配置さ れており、これによって切屑が工具本体の回転に伴い切刃稜線に案内されて順次 工具基端側へと排出されるため、良好な切屑排出性を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す平面図である。
【図2】図1に示す実施例の先端側からの正面図であ
る。
【図3】図1に示す実施例の側面図である。
【図4】図1に示す実施例のチップ16周辺の拡大正面
図である。
【図5】図1に示す実施例のチップ16の上面16A側
からの平面図である。
【図6】図5に示すチップ16の断面図である。
【図7】図5に示すチップ16の小切刃22周辺の拡大
平面図である。
【図8】図5に示すチップ16の小切刃22周辺の拡大
側面図である。
【図9】従来のボールエンドミルの先端部分を示す平面
図である。
【図10】図9に示す従来例のチップ4の平面図であ
る。
【図11】図9に示す従来例のチップ4の正面図であ
る。
【符号の説明】
11 工具本体 15 円弧状の切刃 16 チップ 22 小切刃 23 直線状の切刃 24 隆起面 25 第2隆起面 O 工具本体11の回転軸線 P 切刃15が描く円弧を含む仮想平面 θ 仮想平面Pに対する隆起面24の隆起角 A 軸線Oに対して仮想平面Pがなす角度

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転される工具本体の先端
    に、上面辺稜部に略円弧状の切刃を有する平板状のスロ
    ーアウェイチップが、上記切刃の一端を上記工具本体先
    端の工具回転中心部分に位置させるとともに該切刃の他
    端を工具本体の外周側に位置させて、該切刃の上記軸線
    回りの回転軌跡が略半球状をなすように着脱自在に装着
    されて成るボールエンドミルにおいて、 上記スローアウェイチップの上面には、上記切刃に連な
    り、この切刃がなす上記円弧の中心側に向かうに従い該
    円弧を含む仮想平面に対して漸次隆起する隆起面が形成
    されており、かつ該スローアウェイチップは、上記仮想
    平面が上記軸線を含むように配置されるか、または該仮
    想平面が上記軸線に対して斜交する方向に傾けられて、
    上記切刃が上記一端から他端に向かうに従い工具回転方
    向後方側に向かって延びるように配置されていることを
    特徴とするボールエンドミル。
  2. 【請求項2】 上記仮想平面が上記軸線に対してなす角
    度が、15°以下とされていることを特徴とする請求項
    1記載のボールエンドミル。
  3. 【請求項3】 上記切刃がなす円弧の中心を通って上記
    仮想平面に直交する断面において、上記隆起面が上記仮
    想平面に対してなす隆起角が、30°以下とされている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のボールエン
    ドミル。
  4. 【請求項4】 上記切刃の一端には、該切刃に連なり上
    記仮想平面上に延びる小切刃が形成されており、この小
    切刃は、上記スローアウェイチップを上記工具本体に装
    着した状態において、上記切刃側から離間するに従い上
    記工具本体の基端側に向かうように形成されるととも
    に、この小切刃の上記上面側には、該小切刃に連なり、
    該小切刃側から離間するに従い上記仮想平面に対して漸
    次隆起して上記隆起面に連なる第2隆起面が形成されて
    いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載のボールエンドミル。
JP1993064875U 1993-12-03 1993-12-03 ボールエンドミル Expired - Lifetime JP2587925Y2 (ja)

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