JP3309664B2 - スローアウェイ式ボールエンドミル - Google Patents

スローアウェイ式ボールエンドミル

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JP3309664B2
JP3309664B2 JP23449095A JP23449095A JP3309664B2 JP 3309664 B2 JP3309664 B2 JP 3309664B2 JP 23449095 A JP23449095 A JP 23449095A JP 23449095 A JP23449095 A JP 23449095A JP 3309664 B2 JP3309664 B2 JP 3309664B2
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rotation
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昌之 大川
保三 船木
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C5/00Milling-cutters
    • B23C5/02Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
    • B23C5/10Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
    • B23C5/1009Ball nose end mills
    • B23C5/1027Ball nose end mills with one or more removable cutting inserts
    • B23C5/1045Ball nose end mills with one or more removable cutting inserts having a cutting insert, the cutting edge of which subtends substantially 90 degrees

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Milling Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンドミル本体の
先端に円弧状の切刃を有する一対のスローアウェイチッ
プ(以下、チップと称する。)が着脱自在に装着されて
なるスローアウェイ式ボールエンドミルに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】この種のボールエンドミルにおいては、
例えば図8ないし図10に示すようないわゆる2枚刃の
スローアウェイ式ボールエンドミルが知られている。こ
れは、開平2−114418号公報に記載されたもの
であって、軸線O回りに回転される略円柱状のエンドミ
ル本体1の先端に、この軸線Oを挟んで互いに反対側
に、軸線O方向先端側から見て図10に示すようにL字
型に切り欠かれるようにして一対のチップポケット2,
2が形成され、これらのチップポケット2,2のエンド
ミル回転方向(図10において白抜き矢線方向)側を向
く壁面に形成されたチップ取付座3,3に、それぞれチ
ップ4,5がクランプネジ6によって着脱自在に装着さ
れた構成となっている。
【0003】ここで、これらのチップ4,5は、いずれ
も略円弧状の切刃7とこの切刃7の接線方向に延びる直
線状の切刃8とを一対ずつ有するもので、このうち一方
の切刃7,8に連なる側面を上記チップ取付座3の壁面
3Aに当接させて取り付けられるとともに、他方の円弧
状の切刃7がエンドミル本体1の先端の回転中心C側か
ら後端外周側に向けて延びるように、かつこれに接する
他方の直線状切刃8がエンドミル本体1の外周を後端側
に向けて延びるように配置されている。さらに、これら
チップ4,5のうち、一方のチップ4は他方のチップ5
に対して相似形に、かつこの他方のチップ5よりも僅か
に大きく形成されていて、上記他方の円弧状の切刃7が
上記回転中心Cから延びるように配置されており、これ
に対して他方のチップ5は、その上記他方の円弧状の切
刃7が軸線O方向先端視において図10に示すように回
転中心Cから僅かに外周側に離間した位置から延びるよ
うに形成されている。なお、これらのチップ4,5の上
記他方の円弧状切刃7,7は、図10に示すように軸線
O方向先端視において、ともに上記回転中心Cを通る一
の仮想線Lに略接するように配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記構成の
ボールエンドミルでは、このようにチップ4,5の円弧
状の切刃7,7がともに軸線O方向先端視において回転
中心Cを通る仮想線Lに接するように配置されているた
め、この仮想線Lの方向においては、チップポケット
2,2のエンドミル外周側を向く壁面2A,2A同士の
間や、該壁面2Aと反対側のチップ取付座3の壁面3A
との間に十分な肉厚を確保することができない。このた
め、チップ4,5をチップ取付座3,3に取り付ける際
に壁面3Aが受ける当接力や、あるいは切削の際の負荷
等によってチップ4,5から該壁面3Aに作用する押圧
力により、上記壁面2A,2A同士の間に上記仮想線L
に沿ってクラックが生じたりして、エンドミル本体1が
破損するおそれがあった。
【0005】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たもので、上述のような2枚刃のスローアウェイ式ボー
ルエンドミルにおいて、チップ取付の際の当接力等によ
るエンドミル本体の損傷を防ぐことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、か
かる目的を達成するために、本発明は、エンドミル本体
の先端に取り付けられる円弧状の切刃を備えた一対のチ
ップのうち、一方のチップを、その切刃が回転中心近傍
から延びるように配置するとともに、他方のチップを、
その切刃が、回転中心から外周側に離間した位置から、
かつ軸線方向先端視において回転中心を通り上記一方の
チップの切刃に接する仮想線に対し、エンドミル本体の
回転方向側に偏った位置から延びるように配置し、しか
も上記軸線回りの回転軌跡においては、上記一方のチッ
プの切刃に対し0.05mmまでの範囲で上記半球の径方
向内側に配置したことを特徴とするものであり、他方の
チップの切刃が上記仮想線から偏った位置に配置される
分だけ、両チップ取付座の壁面が軸線方向先端視におい
て上記仮想線に直交する方向にオーバーラップすること
となり、これによって両チップの当接力が相殺されると
ともに、切削負荷による押圧力に対しても十分な強度を
確保することが可能となる。
【0007】ここで、上記他方のチップの偏りが小さす
ぎると、両チップ取付座の壁面の上記オーバーラップ量
も小さくなりすぎ、上述の作用が十分の奏功されなくな
るおそれが生じる反面、逆にこの偏りが大きすぎると、
他方のチップの切刃の内周端が回転中心から離れすぎて
しまい、一方のチップの切刃の回転中心部分に作用する
負荷等が過大となるおそれが生じる。また、この他方の
チップの切刃の内周端の位置が、上記仮想線に平行な方
向において回転中心に近すぎると、両チップ取付座の壁
面同士の間の肉厚が絶対的に小さくなってしまい、逆に
回転中心から離れすぎると、上記と同様に一方のチップ
に作用する負荷が過大となるおそれがある。このため、
上記他方のチップは、その切刃が、上記軸線方向先端視
において上記仮想線から該仮想線に垂直な方向に0.5
〜2.0mmの範囲で偏った位置から延びるように配置さ
れるのが望ましく、また上記回転中心から上記仮想線に
平行な方向には0.5〜3.0mmの範囲で離間した位置か
ら延びるように配置されるのが望ましい。
【0008】一方、上記一方のチップの円弧状の切刃と
他方のチップの円弧状の切刃とは、軸線回りの回転軌跡
が完全に一致していなくても、エンドミル本体の送りに
伴い切刃も回転しながら前進するため、上記回転中心か
ら延びる一方のチップの切刃が、回転軌跡において他方
のチップの切刃よりも僅かながら外周側に位置していれ
ば、他方のチップの切刃によって切削された後を一方の
チップの切刃が仕上げてゆくような切削形態となり、半
球状の底面を有する溝を精度良く形成することが可能と
なる。ただし、この場合には、上記軸線回りの回転軌跡
において、他方のチップの切刃は、一方のチップの切刃
に対し0.05mmまでの範囲で上記半球の径方向内側に
配置されるのが望ましく、この範囲を超えて他方のチッ
プの切刃が内側にあると、一般的なエンドミル本体の回
転数や送り量では、他方のチップが切削に関与しなくな
ってしまうおそれが生じる。
【0009】さらに、上記回転中心側における切刃の強
度を確保するには、少なくとも上記一方のチップの切刃
の内周端側に、該内周端から離間するに従い上記軸線方
向後方側に向けて該軸線を越えて延びるように傾斜する
小切刃を形成するのが望ましい。ただし、この場合、こ
の一方のチップは、その切刃の内周端が、0.15〜1.
0mmの範囲で上記軸線に対して外周側に位置するように
配置されるのが望ましく、この切刃の内周端、すなわち
円弧状の切刃と小切刃との交点が、上記範囲を超えて外
周側に位置すると、小切刃によって削り残される部分が
溝の底面に顕著に表れて仕上げ精度を劣化させるおそれ
が生じる一方、上記範囲を下回って内周側の工具回転中
心の近傍に位置すると、この工具回転中心では周速が0
となることから切刃に多大な切削負荷が作用するため、
切刃の欠損等を生じるおそれがある。
【0010】
【発明の実施の形態】図1ないし図7は、本発明の一実
施形態を示すものである。本実施形態において、エンド
ミル本体11は図1に示すように先端側に向かうに従い
縮径する円柱状をなし、その先端部は略半球状に形成さ
れていて、この先端部に、図4および図5に示すように
軸線Oを挟んで互いに反対側に、エンドミル本体1の外
周がL字状に切り欠かれるようにして一対のチップポケ
ット12,12が形成されている。そして、これらのチ
ップポケット12,12のエンドミル回転方向(図中白
抜き矢線方向)側を向く壁面に形成されたチップ取付座
13,13に、それぞれチップ14,15がクランプネ
ジ16,16により着脱自在に装着されている。
【0011】ここで、これらのチップ14,15は超硬
合金等の硬質材料から形成された平板状のものであり、
そのすくい面とされる上面17の辺稜部には、略1/4
円弧状をなす切刃18とこの円弧状の切刃18に滑らか
に接する直線状の切刃19とが一対ずつ、上記クランプ
ネジ16が挿通されるネジ穴20に関して対称に形成さ
れている。また、上記円弧状の切刃18が直線状の切刃
19と鋭角に交差する一対の端部には、これら切刃1
8,19に鈍角に交差するようにそれぞれ小切刃21,
21が形成されている。なお、これらのチップ14,1
5は、上記切刃18,19に連なって逃げ面とされる側
面22に逃げ角が付された、いわゆるポジティブチップ
であり、また上記上面17の周縁には、切刃18,19
から離間してチップ内方に向かうに従い漸次隆起する隆
起面23が、切刃18,19に沿って上面17の周縁を
周回するように形成されている。
【0012】さらに、これらのチップ14,15の着座
面とされる下面24には、上記ネジ穴20に関して対称
に、かつ互いに平行に、一対の凹溝25,25が形成さ
れている一方、この下面24が着座する上記チップ取付
座13の底面13Aには、やはり互いに平行に一対の突
条26,26が形成されており、これら凹溝25,25
が突条26,26に係合した状態でチップ14,15が
チップ取付座13,13に着座されるようになされてい
る。さらにまた、両チップ14,15は、チップ取付座
13,13に装着された状態において切刃18,19の
軸方向すくい角が正角側に向けられるように、図3に示
すように軸線Oに対して傾斜して取り付けられている。
また、チップ取付座13の上記底面13Aと半球面をな
すエンドミル本体11の先端部外面との交差部分には、
底面13Aに対して略直角をなすように面取り部27が
形成されている。
【0013】そして、これらのチップ14,15のう
ち、一方のチップ14は、その円弧状の切刃18が、略
1/4円弧状をなすように形成され、エンドミル本体1
1先端の回転中心Cの極近傍からエンドミル本体11の
外周後端側に向けて延びるように配置されているのに対
し、他方のチップ15においては、円弧状の切刃18は
1/4円弧には満たず、回転中心Cから僅かに離間した
位置から外周後端側に延びるように配置されている。さ
らに、この他方のチップ15は、その切刃18が、図4
に示すように軸線O方向先端視において、回転中心Cを
通り上記一方のチップ14の切刃18に接する仮想線L
に対し、該仮想線Lに垂直に上記回転方向側へ距離Xだ
け偏った位置から延びるように配置されている。また、
この他方のチップ15の切刃18は、上記仮想線Lに平
行な方向においては、図4に示すように回転中心Cから
距離Yだけ離間した位置から延びるように配置されてい
る。そして、本実施形態では上記距離Xは0.5〜2.0
mmの範囲内において、また上記距離Yは0.5〜3.0mm
の範囲内において、それぞれ設定されている。
【0014】なお、本実施形態では、上記一方のチップ
14においても、その円弧状の切刃18は上述のように
上記回転中心Cの極近傍から延びるように配置されてい
て、厳密には回転中心Cに達してはいない。すなわち、
図6に示すようにこのチップ14の切刃18の内周端1
8Aは、軸線Oから径方向に距離Zだけ離間した位置か
ら延びるように配置されており、この切刃18の内周端
18Aに交差する小切刃21が、該内周端18Aから離
間するに従い軸線O方向後方側に向けて傾斜し、該軸線
Oを越えて延びるように配置されている。そして、この
距離Zは、本実施形態では0.15〜1.0mmの範囲内に
おいて設定されている。また、本実施形態では、両チッ
プ14,15の円弧状の切刃18,18は、軸線O回り
の回転軌跡において完全に一致するように配置されては
おらず、図7に示すように上記一方のチップ14の切刃
18の回転軌跡に対し、他方のチップ15の切刃18の
回転軌跡が、該回転軌跡がなす半球の径方向内側に0.
05mmまでの距離dの範囲内に位置するように配置され
ている。
【0015】このように構成されたスローアウェイ式ボ
ールエンドミルにおいては、軸線O方向先端視において
一方のチップ14の切刃18の延長線上、つまり仮想線
L上には、図4に示すように他方のチップ15が存在
し、逆に他方のチップ15の切刃18の延長線上には、
上記一方のチップ14が存在する。すなわち、他方のチ
ップ15の切刃18が上記仮想線Lから距離Xだけ偏っ
た位置に配置される分、両チップ取付座13,13の壁
面13B,13Bが上記仮想線Lに直交する方向にオー
バーラップすることとなるので、一方のチップ14の切
刃18を延長した仮想線L上には、他方のチップ15の
壁面13Bに当接する側面22が対向し、逆に他方のチ
ップ15の切刃18の延長線上には、一方のチップ14
の側面22が対向するように配置されるのである。
【0016】従って、これらのチップ14,15をそれ
ぞれのチップ取付座13,13に取り付ける際、該チッ
プ14,15がチップ取付座13の壁面13Bに当接す
ることにより生じる当接力は、この壁面13B同士がオ
ーバーラップする部分において互いに相殺されることと
なる。また、切削時に切刃18,19から軸線Oに対す
る径方向内周側に向けて両チップ14,15に作用する
負荷も、反対側のチップ14,15の側面22,22が
当接する壁面13B,13Bを介して、クランプネジ1
6により固定されたチップ14,15によって受けとめ
られるため、かかる切削負荷による押圧力に対しても十
分な強度をエンドミル本体11に与えることが可能とな
る。このため、上記構成のボールエンドミルによれば、
このようなチップ14,15の取付時の当接力や切削時
に作用する負荷などによりエンドミル本体11が破損す
るような事態を未然に防ぐことができ、工具寿命の延長
を図って安定した切削作業を行うことが可能となる。
【0017】ところで、本実施形態では、上記他方のチ
ップ15を、その円弧状の切刃18が、一方のチップ1
4の切刃18に接する上記仮想線Lに対して、該仮想線
Lに垂直な方向に距離Xだけ偏った位置から、また回転
中心Cに対しては該仮想線Lに平行な方向に距離Yだけ
外周側に離間した位置から、それぞれ延びるように配置
しているが、これらの距離X,Yが大きすぎると、この
他方のチップ15の切刃18の内周端18Aが回転中心
Cから離れすぎてしまう。すると、この回転中心Cの周
辺で他方のチップ15の切刃18が切削に関与しなくな
ってしまい、逆に一方のチップ14の切刃18に作用す
る切削負荷等が過大となるおそれが生じる。その一方
で、上記距離X,Yが小さすぎると、両チップ取付座1
3,13の壁面13B,13Bのオーバーラップ量が小
さくなりすぎたり、あるいは両壁面13B,13B間の
肉厚等が小さくなりすぎたりして、上述の破損防止効果
が十分に奏功されなくなるおそれが生じる。このため上
記距離X,Yについては、上述のようにそれぞれ0.5
〜2.0mmおよび0.5〜3.0mmの範囲内において設定
されるのが望ましい。
【0018】一方、本実施形態では、図7に示すように
上記軸線O回りの回転軌跡において両チップ14,15
の円弧状切刃18,18は完全に一致してはおらず、回
転中心Cの近傍から延びる上記一方のチップ14の切刃
18に対し、回転中心Cから離間した位置から延びる上
記他方のチップ15の切刃18が、上記回転軌跡がなす
半球の僅かに内側に位置するようになされている。そし
て、これにより、エンドミル本体11の送りに伴って、
他方のチップ15の円弧状切刃18により切削された部
分を、回転軌跡が略完全な半球となる一方のチップ14
の切刃18によって仕上げるようにして、精度の高い加
工が可能なように図られている。ただし、このような構
成を採った場合、一方のチップ14の切刃18の回転軌
跡に対して、他方のチップ15の切刃18が内側にあり
すぎると、通常の送り量ではこの他方のチップ15の切
刃18が切削に関与しなくなってしまうおそれが生じ
る。従って、上述したようにこの他方のチップ15の切
刃18は、一方のチップ14の切刃18に対して距離d
=0.05mmまでの範囲で上記半球の径方向内側に配置
されるのが望ましい。
【0019】また、本実施形態では、図6に示すように
回転中心Cの近傍から延びる上記一方のチップ14の円
弧状の切刃18の内周端18Aに、該切刃18に鈍角に
交差して、この内周端18Aから離間するに従い上記軸
線O方向後方側に向けて該軸線Oを越えて延びるように
傾斜する小切刃21が形成されており、周速が0となる
ために多大な切削抵抗が作用する回転中心Cの近傍にお
いて、切刃18の鋭角端部となる上記内周端18Aに欠
損等が生じるのを未然に防いでいる。しかも、本実施形
態では、他方のチップ15においても、軸線Oを越えは
しないがこのような小切刃21が形成されており、同様
に切刃18の鋭角端部の欠損防止が図られている。
【0020】ここで、このような構成を採った場合、上
記一方のチップ14の小切刃21は上述のように切刃1
8の内周端18Aから離間するに従い、上記軸線O方向
後方側に向けて該軸線Oを越えて延びるように傾斜して
いるため、この小切刃21が形成された範囲において
は、切刃18の回転軌跡は半球とはならず、この結果当
該ボールエンドミルにより形成される溝等の底面に、こ
の小切刃21によって削り残される部分が生じることと
なる。従って、この小切刃21が形成される範囲、すな
わち軸線Oからの上記一方のチップ14の切刃18の内
周端18Aの距離Zが大きすぎると、上述の削り残され
る部分が顕著となりすぎて加工精度の劣化を招くおそれ
が生じる。一方、逆にこの距離Zが小さすぎて内周端1
8Aが回転中心Cに近づきすぎると、上述のようにこの
回転中心Cの近傍では多大な切削負荷が作用するため、
切刃18,21に欠損等が生じ易くなる。このため、上
記距離Zについては上述のように0.15〜0.1mmの範
囲に設定されるのが望ましい。
【0021】ところで、本発明のように、回転中心Cを
通り上記一方のチップ14の切刃18に接する仮想線L
に対して、他方のチップ15の切刃18を回転方向側に
偏った位置から延びるように配置した場合、この他方の
チップ15の切刃18は、いわゆる芯上がりの状態とな
って、その径方向すくい角が負角側に設定されることと
なり、この切刃18に作用する切削抵抗が大きくなりが
ちである。しかるに、これに対して上記実施形態のボー
ルエンドミルにおいては、チップ14,15の切刃1
8,19の軸方向すくい角が正角側に向けられるように
両チップ14,15が傾けられて取り付けられているの
で、特に他方のチップ14の切刃18の負角となる径方
向すくい角とのバランスをとって、切刃18に徒に過大
な切削抵抗が作用しないように図られている。
【0022】また、本実施形態では、チップ取付座13
の底面13Aとエンドミル本体11の先端部外面との交
差部分に、底面13Aに対して略直角をなすように面取
り部27が形成されていて、この交差部分の強度を確保
して欠け等が生じるのを未然に防止している。さらに、
本実施形態では、チップ14,15の下面24に形成さ
れた凹溝25,25を、チップ取付座13に形成された
突条26,26に係合させてチップ14,15が取り付
けられており、これによりチップ14,15の取付剛性
等の確保がなされている。さらにまた、本実施形態で
は、エンドミル本体11の先端に一対のチップ14,1
5のみが装着されたボールエンドミルについて説明した
が、これら一対の切刃14,15の後端側に、溝の壁部
を切削するための補助チップ等を、その切刃の回転軌跡
が上記直線状の切刃19に連続するように装着したりし
てもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一対のチップが装着されるチップ取付座の壁面を互いに
オーバーラップさせて、両チップの取付時に壁面がチッ
プから受ける当接力を相殺することができ、またエンド
ミル本体の径方向に作用する切削負荷をも反対側のチッ
プによって受けとめることができるので、これらの当接
力や切削負荷等によりエンドミル本体の両壁面間の部分
に破損が生じるような事態を未然に防いで、工具寿命の
延長を図り、安定した切削作業を促すことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示す実施形態の先端部分の拡大図であ
る。
【図3】図1に示す実施形態の先端部分の側面図であ
る。
【図4】図1に示す実施形態の軸線O方向先端視の正面
図である。
【図5】図2におけるAA断面図である。
【図6】一方のチップ14の切刃18の内周端18A周
辺を示す図である。
【図7】軸線O回りにおけるチップ14,15の切刃1
8,18の回転軌跡を示す図である。
【図8】従来のスローアウェイ式ボールエンドミルを示
す平面図である。
【図9】図8に示すボールエンドミルの側面図である。
【図10】図8に示すボールエンドミルの軸線O方向先
端視の正面図である。
【符号の説明】
11 エンドミル本体 13 チップ取付座 13B チップ取付座13の壁面 14,15 チップ 18 円弧状の切刃 19 直線状の切刃 21 小切刃 O エンドミル本体11の回転軸線 C エンドミル本体11先端の回転中心 L 回転中心Cを通り一方のチップ14の切刃18に接
する仮想線 X 仮想線Lに垂直な方向への仮想線Lから他方のチッ
プ15の切刃18までの距離 Y 仮想線Lに平行な方向への回転中心Cから他方のチ
ップ15の切刃18までの距離 Z 軸線Oの径方向における軸線Oから一方のチップ1
4の切刃18の内周端18Aまでの距離 d 軸線O回りの回転軌跡におけるチップ14,15の
切刃18,18間の距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−215916(JP,A) 実開 平5−78418(JP,U) 実開 昭59−148211(JP,U) 実開 平5−9816(JP,U) 実開 昭63−30419(JP,U) 実開 平1−170511(JP,U) 実開 平2−114418(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23C 5/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転されるエンドミル本体の
    先端に、略1/4円弧状の切刃を有する一対のスローア
    ウェイチップが、上記軸線に対して互いに反対側に、か
    つ上記切刃が上記エンドミル本体先端の回転中心側から
    後端外周側に向けて延びるように、着脱自在に装着され
    てなり、上記軸線回りにおける上記切刃の回転軌跡が略
    半球状をなすようにされたスローアウェイ式ボールエン
    ドミルにおいて、 上記一対のスローアウェイチップのうち、一方のスロー
    アウェイチップはその上記切刃が上記回転中心近傍から
    延びるように配置されるとともに、他方のスローアウェ
    イチップは、その上記切刃が、上記回転中心から外周側
    に離間した位置から、かつ上記軸線方向先端視において
    上記回転中心を通り上記一方のスローアウェイチップの
    切刃に接する仮想線に対し、上記エンドミル本体の回転
    方向側に偏った位置から延びるように配置され、しかも
    上記軸線回りの回転軌跡においては、上記一方のスロー
    アウェイチップの切刃に対し0.05mmまでの範囲で上
    記半球の径方向内側に配置されていることを特徴とする
    スローアウェイ式ボールエンドミル。
  2. 【請求項2】 上記他方のスローアウェイチップは、そ
    の上記切刃が、上記軸線方向先端視において上記仮想線
    から該仮想線に垂直な方向に0.5〜2.0mmの範囲で偏
    った位置から延びるように配置されていることを特徴と
    する請求項1に記載のスローアウェイ式ボールエンドミ
    ル。
  3. 【請求項3】 上記他方のスローアウェイチップは、そ
    の上記切刃が、上記軸線方向先端視において、上記回転
    中心から上記仮想線に平行な方向に0.5〜3.0mmの範
    囲で離間した位置から延びるように配置されていること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のスローア
    ウェイ式ボールエンドミル。
  4. 【請求項4】 上記エンドミル本体の先端部に形成され
    て上記スローアウェイチップが装着されるチップ取付座
    の底面と、該エンドミル本体の先端部外面との交差部分
    には、上記底面に対して略直角をなすように面取り部が
    形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項
    3のいずれかに記載のスローアウェイ式ボールエンドミ
    ル。
  5. 【請求項5】 少なくとも上記一方のスローアウェイチ
    ップの切刃の内周端側には、該内周端から離間するに従
    い上記軸線方向後方側に向けて傾斜する小切刃が形成さ
    れており、上記一方のスローアウェイチップは、上記切
    刃の内周端が0.15〜1.0mmの範囲で上記軸線に対し
    て外周側に位置し、かつ上記小切刃が該軸線を越えて延
    びるように配置されていることを特徴とする請求項1な
    いし請求項4のいずれかに記載のスローアウェイ式ボー
    ルエンドミル。
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