JPH0733517B2 - ブローンアスファルトの製造方法 - Google Patents

ブローンアスファルトの製造方法

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JPH0733517B2
JPH0733517B2 JP3229803A JP22980391A JPH0733517B2 JP H0733517 B2 JPH0733517 B2 JP H0733517B2 JP 3229803 A JP3229803 A JP 3229803A JP 22980391 A JP22980391 A JP 22980391A JP H0733517 B2 JPH0733517 B2 JP H0733517B2
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asphalt
oil
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blown asphalt
temperature
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治郎 三谷
健児 白神
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三菱石油株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアスファルトルーフィン
グの製造時や建築物等へのアスファルトルーフィングの
接着作業時等、ブローンアスファルトを加熱溶融して使
用する際に、煙や臭いの発生量の大幅に少ないブローン
アスファルトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ブローンアスファルトは従来、原油の常
圧蒸留残油の減圧蒸留残油またはストレートアスファル
トなどに、減圧蒸留装置から得られる留出油、潤滑油の
フルフラール溶剤精製装置から得られる抽出油などを適
当量混合したものを原料として、ブローンアスファルト
の製造装置により、温度200〜300℃で空気を吹き
込み、製造されている。
【0003】ブローンアスファルトは透水性が小さく、
接着性、電気絶縁性などに優れ、かつ、価格も比較的安
価なことから、従来からアスファルトルーフィングや同
ルーフィングを用いた防水工事の接着剤、塗料、鋼管の
塗覆層、ターポリン紙、ゴミ処理用、電気絶縁用などに
使用されている。特に、ルーフィング材や建物の防水工
事には軟化点が高く、感温性の小さいアスファルトを使
用することが望ましい。
【0004】JIS規格では、JIS K2207「石
油アスファルト」において、防水工事用アスファルトを
感温性の大小により1種〜4種に分類しており、これに
相当するブローンアスファルトの場合は、製造の仕方に
より、その感温性の大小を調節している。このブローン
アスファルトの感温性の小さい例として、防水工事用3
種および4種規格品を挙げることができるが、感温性を
小さくすることにより、同一針入度レベルでは軟化点が
高くなり、これに伴って加熱溶融時の粘度も高くなる。
【0005】一般に、防水工事作業に供されるアスファ
ルトの粘度は50〜100cSt(センチストークス)
の範囲で行われている場合が多いが、この粘度範囲を得
るために、軟化点の高いブローンアスファルトはしばし
ば280℃程度まで加熱することを余儀なくされている
のが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】石油精製工場で製造さ
れたブローンアスファルトはそのまま加熱溶融状態でル
ーフィング工場等に運ばれてアスファルトルーフィング
等に加工されるか、または、紙袋等に充填の上、冷却・
固化され、使用する際に改めて加熱溶融される。ブロー
ンアスファルトを二次加工する際には、加工に適した粘
度まで加熱してやる必要があるが、温度の上昇とともに
アスファルト中に含まれる比較的軽質な成分が蒸発する
ようになり、煙や臭いとして感知されるようになる。
【0007】このような軽質分を吸着除去できる設備を
備えている場合は問題ないが、例えば、マンション等の
屋上でアスファルト防水の改修工事を行う場合、アスフ
ァルトルーフイングを接着するために、アスファルトケ
ットル等簡易な設備で接着用ブローンアスファルト等を
280℃程度まで加熱するが、こういう状態では煙や臭
いの発生量が多くなり、マンションに住んでいる住民等
に迷惑をかけるケースが多多あり、都市の住宅の過密化
と共にその対策が強く求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は長年にわたっ
てブローンアスファルトの製造研究を行ってきたが、一
定の針入度、軟化点を有していても、加熱溶融した場
合、その粘度は製造材源によってかなり差があることを
察知していた。
【0009】この点に着目して、種々な材源からのブロ
ーンアスファルトの高温粘度について徹底的に検討した
結果、原油の常圧蒸留残油の直接水素化脱硫装置処理油
の減圧蒸留残油を含有する材源から製造されたブローン
アスファルトが、高温で特に低粘度を示すことをつきと
め、本発明を完成したのである。すなわち、複雑な組成
の炭化水素化合物で構成されているブローンアスファル
トを加熱した場合、発生してくる煙、臭いの量は主とし
て加熱温度によって決まり、構成する炭化水素の種類に
はあまり関係しないことがわかった。
【0010】一方、アスファルトルーフィングの接着温
度はアスファルトの粘度によって決まってくるため、高
温での粘度が低いアスファルトほど低温度で施工でき、
結果的に発生する煙、臭いの量が少ないことになる。
【0011】さて、本発明にいう常圧蒸留残油の直接水
素化脱硫装置にはガルフHDS法、レジッドファイニン
グ法、H−Oil法、RCDユニボン法等の方式がある
が、いずれも触媒の作用によって残油に水素化脱硫、脱
金属分解反応を起こさせるものであって、本質的には差
はない。また、直接水素化脱硫装置にて処理される残油
の構成原油には種々のものがあるが、いずれも水素化脱
硫、脱金属分解反応を受けるので、組成的な差は小さく
なり、いずれも有効に使用できる。
【0012】原油の常圧蒸留残油の直接水素化脱硫装置
処理油の減圧蒸留残油の配合割合が40容量%未満の場
合も所期の針入度、軟化点を有するブローンアスファル
トを製造できるが、組み合わせる配合材によっては粘度
の低下効果が小さく、実用上煙や臭いの減少量が十分で
ない場合がある。
【0013】一方、原油の常圧蒸留残油の直接水素化脱
硫装置処理油の減圧蒸留残油の配合割合が40容量%以
上であれば、組み合わせる配合材は通常のブローイング
に使用されている減圧蒸留残油、ストレートアスファル
ト、減圧蒸留装置の留出油、脱瀝油等が何等支障なく使
用できる。本発明を実施する場合のブローイング装置は
何等特別の設計の必要はなく、従来から用いられている
装置をそのまゝ使用できる。また、反応温度、空気吹込
量も特に変更する必要はない。
【0014】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。実施例5例および比較例2例に用
いた材源の性状を表1に、また、これらを配合した原料
の配合割合およびその原料によって得られたブローンア
スファルトの性状を表2に、それぞれ示す。評価に用い
た試験方法のうち、針入度、軟化点、フラースぜい化
点、引火点、三塩化エタン可溶分、だれ長さ、加熱安定
性および粘度はいずれもJIS K2207−1990
に従った。
【0015】粘度の測定温度は180℃および200℃
とし、いずれもBS/IP粘度計により測定した。ま
た、220℃の粘度、100cSt相当温度および50
cSt相当温度は粘度−温度関係図表から外挿法により
求めた。ニオイ濃度指示値は新コスモス電機(株)製ポ
ータブルニオイセンサーXP−329型により測定した
もので、ベース調整として実験室雰囲気を200とし、
加熱板上におかれた試料から出るニオイを1分間感知さ
せ、その最大値を表示した。
【0016】(実施例1)原油の常圧蒸留残油の直接水
素化脱硫装置処理油の減圧蒸留残油を単体でブローイン
グしてブローンアスファルトを製造した。同ブローンア
スファルトはJIS K2207「石油アスファルト」
に規定される防水工事用4種アスファルト規格に合格す
る高針入度指数のものであるが、比較例1の従来品に比
べて、180℃以上における粘度が低く、したがって、
50〜100cStの粘度になる温度も30℃程低くな
り、その時のニオイ濃度指示値は小さく、発煙の少ない
製品が得られた。
【0017】(実施例2)本発明の原油の常圧蒸留残油
の直接水素化脱硫装置処理油の減圧蒸留残油80容量%
に減圧蒸留残油(1)20容量%を配合した原料をブロ
ーイングして得られたブローンアスファルトで、JIS
K2207「石油アスファルト」に規定される防水工
事用3種アスファルト規格に合格し、比較例1の従来品
に比べて、180℃以上における粘度がかなり低く、し
たがって、50〜100cStの粘度になる温度は40
℃程低くなり、その時のニオイ濃度指示値は小さく、発
煙の少ない製品が得られた。
【0018】(実施例3)本発明の原油の常圧蒸留残油
の直接水素化脱硫装置処理油の減圧蒸留残油65容量%
に潤滑油の溶剤脱瀝油35容量%を配合した原料をブロ
ーイングして得られたブローンアスファルトで、JIS
K2207「石油アスファルト」に規定される防水工
事用4種アスファルト規格に合格し、高針入度指数6.
4を有しているが、針入度指数5.9を有する比較例1
より180℃以上における粘度が低く、したがって、5
0〜100cStの粘度になる温度は20℃程低くな
り、その時のニオイ濃度指示値は小さく、発煙の少ない
製品が得られた。
【0019】(実施例4)本発明の原油の常圧蒸留残油
の直接水素化脱硫装置処理油の減圧蒸留残油50容量%
に減圧蒸留残油(1)50容量%を配合した原料をブロ
ーイングして得られた針入度20/30級ブローンアス
ファルトで、比較例2に比べ、180℃以上における粘
度は極めて低く、したがって、50〜100cStの粘
度になる温度も50℃程低くなり、その時のニオイ濃度
指示値は小さく、発煙の少ない製品が得られた。
【0020】(実施例5)本発明の原油の常圧蒸留残油
の直接水素化脱硫装置処理油の減圧蒸留残油35容量%
に減圧蒸留残油(2)45容量%と潤滑油の溶剤脱瀝油
20容量%を配合した原料をブローイングして得られた
針入度20/30級ブローンアスファルトで、同程度の
針入度および軟化点を有する比較例2に比べ、180℃
以上における粘度が低く、したがって、50〜100c
Stの粘度になる温度も25℃程低くなり、その時のニ
オイ濃度指示値はかなり小さく、発煙の少ない製品が得
られた。
【0021】(比較例1)従来材源のみにより製造され
たJIS K2207「石油アスファルト」に規定され
る防水工事用3種アスファルト規格合格品で、180℃
および200℃の粘度がそれぞれ4,000cStおよ
び1,200cStであり、50cStおよび100c
Stの粘度になる温度がそれぞれ280℃および260
℃で、ニオイ濃度指示値もそれぞれ800および640
と高い値を示している。
【0022】(比較例2)本発明の原油の常圧蒸留残油
の直接水素化脱硫装置処理油の減圧蒸留残油35容量%
に減圧蒸留残油(3)45容量%と潤滑油の溶剤脱瀝油
20容量%を配合した原料をブローイングして得られた
針入度20/30級ブローンアスファルトであるが、実
施例5とは組み合わせる配合材が異なったため、実施例
5ほど十分な粘度低下が得られず、したがって、50〜
100cStの粘度になる温度も十分低くなく、発煙も
十分小さくなっていない。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明のブローンアスファルトは従来品
とほぼ同じ針入度、軟化点を持ちながら、溶融粘度が低
い。このため、従来品より20〜50℃程度低い温度で
作業できるので、作業時の煙、臭いの発生は大幅に少な
くなっており、マンション等のアスファルト防水工事に
使用した場合に周辺住民に対する迷惑も少ないという、
格別の効果を奏することが期待される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブローンアスファルトの製造方法であっ
    て、原油の常圧蒸留残油の直接水素化脱硫装置処理油の
    減圧蒸留残油を55容量%以上配合した材源を原料とす
    ることを特徴とするブローンアスファルトの製造方法。
JP3229803A 1991-06-03 1991-06-03 ブローンアスファルトの製造方法 Expired - Lifetime JPH0733517B2 (ja)

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JP2002003858A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Idemitsu Kosan Co Ltd アスファルト
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