JPH1081828A - 低煙性、低臭性防水工事用アスファルト組成物 - Google Patents

低煙性、低臭性防水工事用アスファルト組成物

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JPH1081828A
JPH1081828A JP25559096A JP25559096A JPH1081828A JP H1081828 A JPH1081828 A JP H1081828A JP 25559096 A JP25559096 A JP 25559096A JP 25559096 A JP25559096 A JP 25559096A JP H1081828 A JPH1081828 A JP H1081828A
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JP
Japan
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asphalt
waterproofing
low
jis
waterproofing work
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JP25559096A
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English (en)
Inventor
Akihisa Shiina
彰久 椎名
Tomu Kobayashi
富 小林
Hideki Aoki
秀樹 青木
Kazuyoshi Itagaki
和芳 板垣
Ichiro Kobayashi
一郎 小林
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Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防水工事用アスファルトのJIS規格を満足
する範囲内で、しかも実用性能面でも優れた低煙性、低
臭性を有する防水工事用アスファルト組成物の提供。 【解決手段】 (A)JIS K 2207で規定する
「防水工事用アスファルト」85〜99重量%と(B)
減圧蒸留残さ油15〜1重量%よりなり、かつJIS
K 2207で規定する「防水工事用アスファルト」に
合格する物性を有することを特徴とする低煙性、低臭性
防水工事用アスファルト組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の原料をブローイ
ング法によって製造した防水工事用アスファルトに、減
圧蒸留残さ油またはJIS K 2207で規定するス
トレートアスファルトをさらにブレンドすることによ
り、加熱溶解する施工時に発生する煙及び臭いの発生が
少なく、かつ作業性、施工性及び実用性能の優れた低煙
性、低臭性防水工事用アスファルト組成物に関する。
【0002】
【従来技術】防水工事用アスファルトは、JIS K
2207にある「石油アスファルト」の1種であり、そ
の用途によって1〜4種に分類される。
【0003】このJIS K 2207の表2によれば
1〜4種の防水工事用アスファルトの性質と用途につい
ては、つぎのような趣旨の記載がある。すなわち、1種
防水工事用アスファルトとは、工期中およびその後にわ
たって適度な温度条件における室内および地下構造部分
に用いるもので、感温性は普通で比較的軟質のものであ
る。2種防水工事用アスファルトとは、一般地域の緩い
勾配の歩行用屋根に用いるもので、感温性が比較的小さ
いものである。3種防水工事用アスファルトとは、一般
地域の露出屋根または気温の比較的高い地域の屋根に用
いるもので、感温性が小さいものである。4種防水工事
用アスファルトとは、一般地域のほか、寒冷地域におけ
る屋根その他の部分に用いるもので、感温性が特に小さ
く、比較的軟質のものである。
【0004】これらの1〜4種の防水工事用アスファル
トの各物性については、JIS K2207の表4に記
載されており、それはつぎの表1に示すとおりである。
【0005】
【表1】
【0006】これら4種類の防水工事用アスファルト
は、防水性、接着性、電気絶縁性に優れており、かつ価
格も他のものに比べて安価であることから、アスファル
トルーフィングや同ルーフィングを用いた防水工事用の
接着剤、塗料、鋼管の塗覆層、ターポリン紙、ゴミ処理
用、電気絶縁用に用いられている。
【0007】これらの中でも、3種防水工事用アスファ
ルトは、その軟化点の高さおよび感温性の小ささから、
一般地域でのルーフィング材や屋根等の建物の防水工事
用として用いられている。従来の3種防水工事用アスフ
ァルトは、減圧蒸留残さ油に減圧蒸留油等(例えば、減
圧蒸留残さ油を溶剤脱れきすることによって得た溶剤脱
れき油、常圧蒸留残さ油を直接水素化脱硫処理すること
によって得た直接水素化脱硫油)をカットバック材とし
て使用し、適度な針入度または粘度に調整したものを原
料油とし、無触媒または触媒下において、所定の反応条
件でブローイングすることによって製造されていた。
【0008】これとは別に、近年環境問題との兼ね合い
から、防水工事用アスファルトの性状に関する再検討が
行われている。特に、一度紙袋等に充填の上、冷却・固
化され、使用する際に再び加熱融解によって施工する場
合、特に、マンション等の屋上でアスファルト防水の改
修を行う場合、防水工事用アスファルトから発生する煙
および臭いが多いため、施工作業員や周辺住民からの苦
情が発生していることが示唆されてきた。こういった動
向に対処するため、防水工事用アスファルトから発生す
る煙および臭いを低減させるための検討が、アスファル
ト製造会社を中心に行われるようになってきた。
【0009】3種防水工事用アスファルトは、防水工事
用アスファルトの中でも軟化点が高く感温性が小さい
(つまり針入度指数が大きい)ものであり、加熱融解に
よる施工には高温を必要とする。しかし、高温施工する
場合には、先に述べた防水工事用アスファルトから発生
する煙および臭いが多くなるという欠点が出てくる。
【0010】以上のような問題点を解決するため、現在
アスファルト製造会社を中心に低煙性、低臭性のアスフ
ァルトに関する研究が進められ、特許出願されているも
のも存在する(特開平2−169669、特開平3−2
44690、特開平4−359089等)。
【0011】本出願人においても、作業性、施工性およ
び実用性能の優れた低煙性、低臭性の防水工事用アスフ
ァルト製造方法について数多くの研究を重ねており、低
煙性、低臭性の防水工事用アスファルトの研究開発には
不可欠であると思われる施工時にアスファルトから発生
する揮発成分の優れた分析手段について特許出願してい
る(特開平5−288655号)。
【0012】また、この分析手段により、低煙性、低臭
性防水工事用アスファルトの製造の最大のポイントは、
「施工温度近くでの動粘度をいかに小さくする」ことで
あるかという知見を見出し、動粘度が100cStにな
る温度をできるだけ低くするための膨大な研究を行い、
低煙性、低臭性の防水工事用アスファルトの新規な製造
方法を開発し、特許出願している(特願平4−1915
17)。
【0013】その後も、低煙性、低臭性防水工事用アス
ファルトの製造に関する多大な研究を行った結果、原料
の一方である減圧蒸留残さ油以外にも、JIS K 2
207に規定する「石油アスファルト」を特定の比率で
ブレンドすることにより、低煙性、低臭性防水工事用ア
スファルトを製造することが可能であることを見出し、
特許出願している(特開平7−179768)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、防
水工事用アスファルトのJIS規格を満足する範囲内
で、しかも実用性能面でも優れた低煙性、低臭性を有す
る防水工事用アスファルト組成物を提供することを目的
とする。具体的には、例えば3種防水工事用アスファル
トの実用性能を大きく損失することなしに、用途的に
は、2種または1種防水工事用アスファルトに近いもの
にすることによって、つまり感温性を若干大きくするこ
とによって、施工温度付近での動粘度を従来の4種防水
工事用アスファルトより低下させ、施工時に発生する煙
や臭いの発生を大幅に低下させることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、(A)
JIS K 2207で規定する「防水工事用アスファ
ルト」85〜99重量%と(B)減圧蒸留残さ油15〜
1重量%よりなり、かつJIS K 2207で規定す
る「防水工事用アスファルト」に合格する物性を有する
ことを特徴とする低煙性、低臭性防水工事用アスファル
ト組成物に関する。また、第2は、(A)JIS K
2207で規定する「防水工事用アスファルト」85〜
99重量%と(B)前記(A)の「防水工事用アスファ
ルト」の軟化点よりも低い軟化点を有するJIS K
2207で規定するストレートアスファルト15〜1重
量%とを含有し、かつJIS K 2207で規定する
「防水工事用アスファルト」に合格する物性を有するこ
とを特徴とする低煙性、低臭性防水工事用アスファルト
組成物に関する。前記(A)の防水工事用アスファルト
は減圧蒸留残さ油50〜70重量%と減圧蒸留残さ油を
溶剤脱れき処理して得た脱れき油50〜30重量%の混
合物をブローイングすることによって得られたものであ
る。なお、前記低煙性、低臭性防水工事用アスファルト
組成物が動粘度100cStを呈する時に発生するガス
中の炭化水素濃度は0.1容量%以下、好ましくは0.
05容量%以下、さらに好ましくは0.02容量%以
下、硫黄化合物濃度は0.007容量%以下、好ましく
は0.005容量%以下、さらに好ましくは0.004
容量%以下、二酸化炭素濃度は0.1容量%以下、好ま
しくは検出限界以下であることが望ましい。
【0016】以下、本発明の内容を3種よりも軟かく寒
冷地域に適する4種防水工事用アスファルトを例とし
て、さらに詳細に説明する。本発明において、防水工事
用アスファルトを製造するための出発原料は、減圧蒸留
残さ油および溶剤脱れき処理して得た脱れき油であり、
これらは、軽質、重質のいずれの原油種からも得ること
ができるが、好ましくは15℃における密度が0.8〜
0.9g/cm3、20℃における動粘度が8〜12c
St、40℃における動粘度が4〜6cStの原油種ま
たは数種類の原油種の混合物から得ることができる。
【0017】本発明におけるブローイング原料の一つ
は、先に述べた原油種から得られた減圧蒸留残さ油で、
15℃における密度が、0.98〜1.03g/c
3、特に好ましくは、1.01〜1.02g/cm3
100℃における動粘度が700〜900cSt、12
0℃における動粘度が150〜300cStのものが好
ましい。
【0018】また、本発明におけるブローイング原料の
他の一つは、先に述べた原油種を常圧蒸留装置、減圧蒸
留装置で処理して得られる減圧残さ油を溶剤脱れき装置
で処理して得た脱れき油で、15℃における密度が、
0.89〜0.94g/cm3、特に好ましくは、0.
92〜0.93g/cm3、100℃における動粘度が
31〜34cSt、120℃における動粘度が18〜2
0cStのものが好ましい。
【0019】本発明の防水工事用アスファルト成分は、
前記減圧蒸留残さ油と脱れき油の混合物をブローイング
することにより製造する。すなわち、前記の減圧蒸留残
さ油50〜70重量%、好ましくは55〜65重量%と
溶剤脱れき処理して得た溶剤脱れき油50〜30重量
%、好ましくは45〜35重量%とを混合して原料と
し、触媒を必要としない条件で、反応温度250〜35
0℃、好ましくは300〜325℃、さらに好ましくは
310〜320℃、空気吹き込み量10〜100リット
ル/hr/kg、好ましくは30〜70リットル/hr
/kgで、3〜10時間、好ましくは4〜6時間ブロー
イング反応を行う。この反応は、バッチ式でも連続式で
も行うことができる。こうして製造されたJIS規格に
合格した防水工事用アスファルトを以下に示すブレンド
の原料の一方とする。
【0020】他方のブレンド原料は、 (1)前記ブローイング法に用いた減圧蒸留残さ油と同
様の性状を有する減圧蒸留残さ油である。 (2)JIS K 2207で規定するストレートアス
ファルトである。このストレートアスファルトはJIS
K 2207の表1により針入度により10通りに分
類されている。これを表2、3、4として転載する。本
発明の原料となりうるのはこのうち、一方の「防水工事
用アスファルト」の軟化点よりも低い軟化点を有するス
トレートアスファルトである。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【実施例】以下に本発明の内容を4種防水工事用アスフ
ァルトを例として、実施例および比較例により更に詳し
く説明するが、本発明はこれらによって制限されるもの
ではない。実施例1〜3および比較例1において、防水
工事用アスファルトの針入度、軟化点、針入度指数、引
火点、動粘度はJIS K 2207に記載された方法
で、動粘度が100cStの時の防水工事用アスファル
トからの揮発成分の分析は後述の特開平5−28865
5号の装置により測定した。ブローイングの方法やブレ
ンドの方法は、前記あるいは後記の方法にとらわれるこ
となく、他の公知の方法を用いることも可能である。
【0025】前記特開平5−288655号の装置は、
図1に示すとおりである。電熱器5により密閉加熱室中
のアスファルト組成物3を所定の温度に加熱する。アス
ファルト組成物3は撹拌モーター1により撹拌し、その
温度は温度センサー2により測定し、測定結果は温度調
節器9と温度記録計10に送られ、アスファルト組成物
3が所定温度に保持されるように電熱器5のオン、オフ
を行う。アスファルト組成物3より発生した揮発成分は
ガス吸引口4よりミストポット6に送り、ここでミスト
を除去した後、サンプラー7に吸引し、分析に必要な所
定量をサンプリングバッグ8に採取し、これを市販のガ
スクロマトグラフィーにかけて分析するものである。
【0026】実施例1 減圧蒸留残さ油65重量%と減圧蒸留残さ油を溶剤脱れ
き処理して得た脱れき油35重量%との混合物を触媒を
必要としない条件で、反応温度310℃、空気吹き込み
量50リットル/hr/kg、5時間ブローイング反応
を行う。(A)このブローイング法によって製造した4
種防水工事用アスファルト96重量%と、(B)減圧蒸
留残さ油4重量%とをブレンド法によって混合し低煙
性、低臭性を有する4種防水工事用アスファルトを製造
した。この低煙性、低臭性を有する4種防水工事用アス
ファルトの一般性状を表5に示す。
【0027】実施例2 減圧蒸留残さ油65重量%と減圧蒸留残さ油を溶剤脱れ
き処理して得た脱れき油35重量%との混合物を触媒を
必要としない条件で、反応温度310℃、空気吹き込み
量50リットル/hr/kg、5時間ブローイング反応
を行う。(A)このブローイング法によって製造した4
種防水工事用アスファルト97重量%と、(B)前記
(A)の「4種防水工事用アスファルト」の軟化点より
も低い軟化点を有するJIS K 2207で規定する
ストレートアスファルト3重量%とをブレンド法によっ
て混合し低煙性、低臭性を有する4種防水工事用アスフ
ァルトを製造した。この低煙性、低臭性を有する4種防
水工事用アスファルトの一般性状を表5に示す。
【0028】比較例1 減圧蒸留残さ油65重量%と減圧蒸留残さ油を溶剤脱れ
き処理して得た脱れき油35重量%との混合物を触媒を
必要としない条件で、反応温度310℃、空気吹き込み
量50リットル/hr/kg、5時間ブローイング反応
を行う。こうして製造した従来の4種防水工事用アスフ
ァルトの一般性状を表5に示す。
【0029】
【表5】 注)*1 検出限界以下
【0030】
【効果】針入度指数が大きく低下することなく(つま
り、感温性が著しく低下することなく)100cStに
なる温度を低下させることにより、従来の4種防水工事
用アスファルトに比べて低煙性、低臭性に著しく優れた
4種防水工事用アスファルトを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する分析装置のフローシートであ
る。
【符号の説明】 1 撹拌モーター 2 温度センサー 3 アスファルト 4 ガス吸引口 5 電熱器 6 ミストポット 7 サンプラー 8 サンプリングバッグ 9 温度調節器 10 温度記録計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 秀樹 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭 和シェル石油株式会社内 (72)発明者 板垣 和芳 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭 和シェル石油株式会社内 (72)発明者 小林 一郎 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 昭 和シェル石油株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)JIS K 2207で規定する
    「防水工事用アスファルト」85〜99重量%と(B)
    減圧蒸留残さ油15〜1重量%よりなり、かつJIS
    K 2207で規定する「防水工事用アスファルト」に
    合格する物性を有することを特徴とする低煙性、低臭性
    防水工事用アスファルト組成物。
  2. 【請求項2】 (A)JIS K 2207で規定する
    「防水工事用アスファルト」85〜99重量%と(B)
    前記(A)の「防水工事用アスファルト」の軟化点より
    も低い軟化点を有するJIS K 2207で規定する
    ストレートアスファルト15〜1重量%とを含有し、か
    つJIS K 2207で規定する「防水工事用アスフ
    ァルト」に合格する物性を有することを特徴とする低煙
    性、低臭性防水工事用アスファルト組成物。
  3. 【請求項3】 前記防水工事用アスファルトが減圧蒸留
    残さ油50〜70重量%と減圧蒸留残さ油を溶剤脱れき
    処理して得た脱れき油50〜30重量%の混合物をブロ
    ーイングすることによって得られたものである請求項1
    または2記載の防水工事用アスファルト組成物。
JP25559096A 1996-09-05 1996-09-05 低煙性、低臭性防水工事用アスファルト組成物 Pending JPH1081828A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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