JPH07335107A - 有極電磁石 - Google Patents

有極電磁石

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JPH07335107A
JPH07335107A JP12512294A JP12512294A JPH07335107A JP H07335107 A JPH07335107 A JP H07335107A JP 12512294 A JP12512294 A JP 12512294A JP 12512294 A JP12512294 A JP 12512294A JP H07335107 A JPH07335107 A JP H07335107A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水平部2aとこの水平部の左右の立上がり部
2b,2cとからなる略コ字状の鉄芯2と、水平部に巻
かれたコイル3と、左右の立上がり部の各先端部2d,
2e間に同一高さで固着され、互いに相対する面に同一
磁極を有する一対の永久磁石4,5と、これらの永久磁
石間に介在した継鉄6と、この継鉄の上面に突条7aを
当接しこの突条を揺動支点として左右に揺動し左又は右
の立上がり部の先端部に接触する接極子7とからなる有
極電磁石1。 【効果】 接極子の突条が高硬度の永久磁石と当接する
ことがなく、突条の磨耗を少なくすることで揺動支点部
分の接触状態が安定するので、長期間にわたり作動特性
が安定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有極電磁石の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の有極電磁石の断面図であ
り、図6(a)に従来のラッチング型有極電磁石、図6
(b)にシングルステイブル型有極電磁石を示す。
【0003】従来の有極電磁石100は、略コの字型の
鉄芯101にコイル102を巻いて組立てたコイルブロ
ック103と、鉄芯101の磁極101aおよび磁極1
01b間にレーザ溶接等で固着した山型永久磁石104
と、山型永久磁石104の頂点位置Cに接した突条10
5aを揺動支点として左右に揺動する接極子105とか
らなる。
【0004】山型永久磁石104を、例えば長手方向の
両端がS極に磁化し、さらに、図6(a)のように山型
の頂点位置CをN極に磁化した場合にはラッチング型有
極電磁石が構成され、図6(b)のように山型の頂点位
置Cから所定の距離Lに離れた位置をN極に磁化した場
合にはシングルステイブル型有極電磁石が構成される。
【0005】接極子105は、突条105aを揺動支点
として左右に揺動し、コイルブロック103に予め決め
られた極性の電源が印加された場合にのみ一方の磁極
(例えば、磁極101a)から他方の磁極(例えば、磁
極101b)へ接続が切替えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】接極子105は電磁軟
鉄からなるので、山型永久磁石104よりもかなり硬度
が小さい。このため、山型永久磁石104の表面で接極
子105を揺動した場合に、突条105aには硬い山型
永久磁石104による削り取り現象(一般に「ひっかき
磨耗」と称する。)が発生し易く、磨耗量が多くなり、
山型永久磁石104との接触状態が変化するので、長期
間にわたって有極電磁石の作動特性を安定させることが
困難である。
【0007】この問題点を解決するために、山型永久
磁石104の表面または接極子105の突条105a表
面にフッ素樹脂をコーティングする方法、突条105
a表面に超薄膜状の樹脂被膜等を一体成形により形成す
る方法がある。しかし、これら表面処理をする方法で
は、山型永久磁石104の表面と突条105aの表面と
の間に微小の磁気的空隙が生じるので、磁気効率が劣る
という問題が残り、また、表面処理のためにコストアッ
プを招く。
【0008】そこで、本発明の目的は、永久磁石の表面
や突条の表面に表面処理を施すことなく、接極子の突条
の磨耗を少なくすることで接触状態を安定させ、長期間
にわたり作動特性が安定した有極電磁石を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本発明の有極電磁石は、水平部とこの水平部の左右の立
上がり部とからなる略コ字状の鉄芯と、前記水平部に巻
かれたコイルと、左右の立上がり部の各先端部間に同一
高さで固着され、互いに相対する面に同一磁極を有する
一対の永久磁石と、これらの永久磁石間に介在した継鉄
と、この継鉄の上面に突条を当接しこの突条を揺動支点
として左右に揺動し左又は右の立上がり部の先端部に接
触する接極子とから構成する。
【0010】また、前記継鉄を、鉄芯の各先端部間の中
心線から偏った位置に配設する。
【0011】さらに、前記継鉄を、鉄芯の各先端部間の
中心線位置に配設し、前記一対の永久磁石の大きさを互
いに異ならせる。
【0012】
【作用】接極子の突条が、継鉄の上面に当接し揺動支点
となるので、高硬度の永久磁石と当接することがなく、
突条の磨耗を少なくすることで揺動支点部分の接触状態
が安定する。
【0013】鉄芯の各先端部間の中心線から偏った位置
に継鉄を配設することで、シングルステイブル型有極電
磁石が構成される。
【0014】鉄芯の各先端部間の中心線位置に継鉄を配
設し、且つ、一対の永久磁石の大きさを互いに異ならせ
ることで、シングルステイブル型有極電磁石が構成され
る。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を添付図面に基づいて以下に
説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
先ず、図1〜図3に基づき第1実施例を説明する。図1
は本発明に係る有極電磁石(第1実施例)の組立断面図
であり、有極電磁石1はラッチング型(双安定型)有極
電磁石を構成する。
【0016】有極電磁石1は、水平部2aとこの水平部
2aの左右の立上がり部2b,2cとからなる略コ字状
の鉄芯2と、水平部2aに巻かれたコイル3と、左右の
立上がり部2b,2cの各先端部(磁極)2d,2e間
に同一高さで固着された左右一対の永久磁石4,5と、
これらの永久磁石間4,5に介在した継鉄6と、この継
鉄6の上面に突条7aを当接しこの突条7aを揺動支点
として左右に揺動し左又は右の先端部(磁極)2d,2
eに接触する接極子7とからなる。
【0017】そして、鉄芯2と、この鉄芯2に巻かれた
コイル3とからなる構成体はコイルブロック9を構成す
る。コイルブロック9は、電源端子(図示せず)に予め
極性が決定された電源を印加することにより、コイル3
に流れる電流方向に対応(右手親指の法則)した磁極2
d,2eの極性(N極、S極)が設定され、一方、コイ
ル3の巻数とコイル3に流れる電流値の積(アンペアタ
ーン、起磁力)に比例し、磁気回路の抵抗(磁気抵抗)
に反比例した磁束を発生するものである。
【0018】一対の永久磁石4,5は、鉄芯2の各先端
部(磁極)2d,2e間の中心線Xに対して互いに左右
対称形に形成されており、例えば、矩形状に形成され
る。そして、これらの永久磁石4,5は、互いに相対す
る面が同一磁極のN極、反対側の面がS極となるように
磁化され、各先端部(磁極)2d,2e間にレーザ溶接
等で固着されている。継鉄6は、中心線X位置で一対の
永久磁石4,5の相対する面にレーザ溶接等で固着され
ている。
【0019】接極子7は、中心線X位置で突条7aを揺
動支点として左右に揺動するように配設されている。継
鉄6及び接極子7は、同一材料の電磁軟鉄材などで構成
されている。このように、有極電磁石1は、中心線Xを
垂直方向に下ろした断面を中心にして左右対称の構成で
あり、ラッチング動作が可能となる。
【0020】次に、有極電磁石1の組立手順を図2に基
づき説明する。図2は本発明に係る有極電磁石(第1実
施例)の組立手順の説明図である。先ず、鉄芯2にコイ
ル3を巻いてコイルブロック9を構成する。次に、継鉄
6を介在した一対の永久磁石4,5を、各先端部(磁
極)2d,2e間に同一高さで固着する。最後に、この
継鉄6上に接極子7を配設して、組立を完了する。この
ように、有極電磁石1を一方向から組立ることが可能で
ある。
【0021】次に、上記構成の有極電磁石1(ラッチン
グ型有極電磁石)の動作を図3に基づき説明する。図3
(a)〜(d)は有極電磁石(第1実施例)の動作説明
図である。図3(a)はコイルブロック9に電源が印加
されていない無励磁の安定状態を示し、継鉄6は各永久
磁石4,5の磁化状態によってN極となり、このため、
接極子7は端部7b,7cが共にN極となる。一方、鉄
芯2は各永久磁石4,5の磁化状態によって磁極2dは
S極、磁極2eはN極の状態にあるため、接極子7は磁
極2d側に接触した状態となっている。この状態では、
磁極2d→左の永久磁石4→継鉄6→接極子7→磁極2
dのループで磁気回路が形成され、磁束Φ1が矢印の向
きに発生する。
【0022】無励磁状態から、図3(b)のようにコイ
ルブロック9に電源を印加した励磁直後、コイルブロッ
ク9で構成される電磁石は、磁極2dがS極からN極に
変化し、磁極2eがN極からS極に変化するため、接極
子7と磁極2dには反発力が作用し、接極子7と磁極2
eには吸引力が作用する。この状態では、図3(a)の
磁束Φ1に加え、電源の印加に伴う鉄芯2→左の永久磁
石4→継鉄6→右の永久磁石5→鉄芯2のループで磁気
回路が形成され、磁束Φ2が発生する。
【0023】図3(c)は図3(b)の状態から接極子
7が磁極2d側から離れて磁極2e側に接触した反転状
態を示す。この状態では、右の永久磁石5により、磁極
2e→右の永久磁石5→継鉄6→接極子7→磁極2eの
ループで磁気回路が形成されて磁束Φ4が発生するとと
もに、電磁石により、鉄芯2→左の永久磁石4→継鉄6
→接極子7→磁極2e→鉄芯2のループで磁気回路が形
成されて磁束Φ5が発生する。なお、図3(b)で右の
永久磁石5の磁束Φ2は、接極子7と磁極2eの接触に
より形成されるバイパス路(継鉄6の中心部―接極子7
―磁極2e)の磁気抵抗が小さいことと、磁束Φ3によ
るキャンセルにより極めて小さい値となる。
【0024】この状態から、電源を除くと図3(d)の
状態に移行して接極子7が磁極2eに接触した安定状態
を保つ。この状態では、右の永久磁石5により、磁極2
e→右の永久磁石5→継鉄6→接極子7→磁極2eのル
ープで磁気回路が形成されて磁束Φ6が発生する。
【0025】なお、この状態から接極子7が磁極2dに
接触する状態に移行させる場合には、電源の極性を反対
にしてコイルブロック9に印加することで達成できる。
【0026】次に、図4に基づき第2実施例を説明す
る。なお、上記図1〜図3に示す第1実施例と同構成に
ついては同一符号を付し、その説明を省略する。図4は
本発明に係る有極電磁石(第2実施例)の組立断面図で
あり、有極電磁石11は鉄芯2の各先端部2d,2e間
の中心線Xから偏った位置Xoに継鉄6を配設すること
で、シングルステイブル型(単安定型)有極電磁石を構
成する。
【0027】有極電磁石11は鉄芯2と、コイル3と、
一対の永久磁石14,15と、継鉄6と、接極子7とか
らなる。一対の永久磁石14,15は、中心線Xに対し
て左右非対称の形状(左の永久磁石14が右の永久磁石
15よりも長い形状)に形成されている。これらの各永
久磁石14,15は、その大きさに比例して磁力が大き
くなるように磁化される。このため、左の永久磁石14
は、右の永久磁石15よりも大きく形成(長い形状に形
成)されることで、磁力も右の永久磁石15より大き
い。
【0028】そして、継鉄6は、磁極2e側(この図で
右側)に偏った位置にある。また、接極子7は、中心線
Xから右側に偏った位置Xoで、継鉄6の上面で突条7
aを揺動支点として左右に揺動するように配設されるの
で、自重が端部7b側に偏っている。したがって、コイ
ルブロック9が無励磁状態において、接極子7が左の磁
極2d側に下がるので、磁極2d側に偏った磁気回路が
左の永久磁石14の磁力によって、常に形成される。
【0029】このように、有極電磁石11は、中心線X
から偏った一方の位置Xo(この図で右側位置)に継鉄
6が配設されたことにより、コイルブロック9の無励磁
状態において、接極子7が磁極2dに接触する単安定状
態となる。
【0030】次に、図5に基づき第3実施例を説明す
る。なお、上記図1〜図3に示す第1実施例と同構成に
ついては同一符号を付し、その説明を省略する。図5は
本発明に係る有極電磁石(第3実施例)の組立断面図で
あり、有極電磁石21は鉄芯2の各先端部2d,2e間
の中心線X位置に継鉄6を配設し、且つ、一対の永久磁
石24,25の大きさを互いに異ならせることで、シン
グルステイブル型(単安定型)有極電磁石を構成する。
【0031】有極電磁石21は鉄芯2と、コイル3と、
一対の永久磁石24,25と、継鉄6と、接極子7とか
らなる。各永久磁石24,25は、その大きさに比例し
て磁力が大きくなるように磁化される。このため、左の
永久磁石24は、右の永久磁石25よりも大きく形成
(例えば、板厚を厚く形成)されることで、磁力も右の
永久磁石25より大きい。また、接極子7は、中心線X
位置で突条7aを揺動支点として左右に揺動するように
配設されている。したがって、コイルブロック9が無励
磁状態において、接極子7が左の磁極2d側に下がるの
で、磁極2d側に偏った磁気回路が左の永久磁石24の
磁力によって、常に形成される。
【0032】このように、有極電磁石21は、中心線X
位置に継鉄6を配設し、且つ、一対の永久磁石24,2
5の大きさを互いに異ならせることにより、コイルブロ
ック9の無励磁状態において、接極子7が磁極2dに接
触する単安定状態となる。
【0033】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。請求項1の有極電磁石
は、継鉄を介在させた一対の永久磁石を、鉄芯の左右の
立上がり部の各先端部間に固着し、この継鉄の上面に接
極子の突条を当接し、この突条を揺動支点として接極子
が左右に揺動することにより、接極子の突条が高硬度の
永久磁石と当接することがなく、突条の磨耗を少なくす
ることで揺動支点部分の接触状態が安定するので、長期
間にわたり作動特性が安定する。
【0034】請求項2の有極電磁石は、鉄芯の各先端部
間の中心線から偏った位置に継鉄を配設することによ
り、簡単な構成で突条の磨耗が少ないシングルステイブ
ル型有極電磁石を構成できる。
【0035】請求項3の有極電磁石は、鉄芯の各先端部
間の中心線位置に継鉄を配設し、且つ、一対の永久磁石
の大きさを互いに異ならせたことにより、簡単な構成で
突条の磨耗が少ないシングルステイブル型有極電磁石を
構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有極電磁石(第1実施例)の組立
断面図
【図2】本発明に係る有極電磁石(第1実施例)の組立
手順の説明図
【図3】本発明に係る有極電磁石(第1実施例)の動作
説明図
【図4】本発明に係る有極電磁石(第2実施例)の組立
断面図
【図5】本発明に係る有極電磁石(第3実施例)の組立
断面図
【図6】従来の有極電磁石の断面図
【符号の説明】
1,11,21…有極電磁石、2…鉄芯、2a…水平
部、2b…左の立上り部、2c…右の立上り部、2d,
2e…先端部(磁極)、3…コイル、4,14,24…
左の永久磁石、5,15,25…右の永久磁石、6…継
鉄、7…接極子、7a…突条、7b,7c…端部、9…
コイルイルブロック。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平部とこの水平部の左右の立上がり部
    とからなる略コ字状の鉄芯と、前記水平部に巻かれたコ
    イルと、前記左右の立上がり部の各先端部間に同一高さ
    で固着され、互いに相対する面に同一磁極を有する一対
    の永久磁石と、これらの永久磁石間に介在した継鉄と、
    この継鉄の上面に突条を当接しこの突条を揺動支点とし
    て左右に揺動し左又は右の立上がり部の先端部に接触す
    る接極子とからなる有極電磁石。
  2. 【請求項2】 前記継鉄は、前記鉄芯の各先端部間の中
    心線から偏った位置に配設されていることを特徴とした
    請求項1記載の有極電磁石。
  3. 【請求項3】 前記継鉄は、前記鉄芯の各先端部間の中
    心線位置にあり、前記一対の永久磁石は、互いに大きさ
    が異なることを特徴とした請求項1記載の有極電磁石。
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