JPH07335052A - A15型超電導導体及びその製造方法 - Google Patents
A15型超電導導体及びその製造方法Info
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- JPH07335052A JPH07335052A JP6127293A JP12729394A JPH07335052A JP H07335052 A JPH07335052 A JP H07335052A JP 6127293 A JP6127293 A JP 6127293A JP 12729394 A JP12729394 A JP 12729394A JP H07335052 A JPH07335052 A JP H07335052A
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- oxide particles
- superconducting
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
Abstract
(57)【要約】
【目的】16T級の高磁界で高臨界電流密度を有するN
b3Al 系超電導導体及びその製造方法。 【構成】Nb3Al 系超電導体の中に平均結晶粒径が1
〜50nmの酸化物粒子が該Nb3Al 系超電導容量体
積の0.5〜50% の範囲内で分散されているA15型
超電導導体。 【効果】高磁界で高臨界電流密度が得られる。
b3Al 系超電導導体及びその製造方法。 【構成】Nb3Al 系超電導体の中に平均結晶粒径が1
〜50nmの酸化物粒子が該Nb3Al 系超電導容量体
積の0.5〜50% の範囲内で分散されているA15型
超電導導体。 【効果】高磁界で高臨界電流密度が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はA15型化合物系超電導
導体、特にNb3Al 系超電導導体に係わり、特に高磁
界を必要とする核融合装置,核磁気共鳴装置,強磁場発
生装置などに好適なNb3Al 系超電導導体及びその製
造方法に関するものである。
導体、特にNb3Al 系超電導導体に係わり、特に高磁
界を必要とする核融合装置,核磁気共鳴装置,強磁場発
生装置などに好適なNb3Al 系超電導導体及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Nb3Al 系超電導導体については、ア
プライド・フィジックス・レターズ52(20)1988
年5月16日発行、第1724頁から第1725頁「App
liedPhysics Letters,Vol.52,No.20(198
8.5.16)1724p〜1725p」において報告さ
れているように、多数本のAl合金棒とNb管を複合加
工法により極細多芯線化し、750〜950℃で拡散熱
処理してNb3Al系超電導導体とするNbチューブ
法、NbとAlの箔板を金属芯材に巻き付けて、これを
多数本金属パイプ中に埋め込んで細線加工した後、拡散
熱処理するジェリー・ロール法(第5回 マグネットテ
クノロジー国際会議予行集 1975年第685頁)
や、Nb箔とAl箔とを積層し、圧延加工した後、細片
化し、さらに金属シースに充填して細線化を行い、拡散
熱処理をしNb3Al 系超電導導体を作製するクラッド
チップ法などの複合加工法が開発されている。
プライド・フィジックス・レターズ52(20)1988
年5月16日発行、第1724頁から第1725頁「App
liedPhysics Letters,Vol.52,No.20(198
8.5.16)1724p〜1725p」において報告さ
れているように、多数本のAl合金棒とNb管を複合加
工法により極細多芯線化し、750〜950℃で拡散熱
処理してNb3Al系超電導導体とするNbチューブ
法、NbとAlの箔板を金属芯材に巻き付けて、これを
多数本金属パイプ中に埋め込んで細線加工した後、拡散
熱処理するジェリー・ロール法(第5回 マグネットテ
クノロジー国際会議予行集 1975年第685頁)
や、Nb箔とAl箔とを積層し、圧延加工した後、細片
化し、さらに金属シースに充填して細線化を行い、拡散
熱処理をしNb3Al 系超電導導体を作製するクラッド
チップ法などの複合加工法が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術で示した
複合加工法によるものは、通常の拡散反応法で生成した
Nb3Al 極細多芯超電導線材の臨界温度,臨界磁場が
低く、16T以上の高磁界で極端に臨界電流密度が低下
する問題があった。その解決方法について様々な検討が
為されている。USP 5,001,020 ではジェリーロール
法において、Nb/Al比を6近くに組み込み、熱処理
後にNb3Al 層と未反応Nb層を各々100nm以下
の薄さで形成させることで高臨界電流密度化を達成させ
るものである。また特願平4−320279 号では、Nb2A
l 粒子を微細分散させることにより高電流密度化を図
っている。ところがこれらの例では、NbあるいはNb
2Alを残存させるためにはNb3Al 系超電導体におい
て拡散反応を途中で止める必要があり、化学量論組成に
近いNb3Al 系超電導体が得られにくいという欠点が
ある。
複合加工法によるものは、通常の拡散反応法で生成した
Nb3Al 極細多芯超電導線材の臨界温度,臨界磁場が
低く、16T以上の高磁界で極端に臨界電流密度が低下
する問題があった。その解決方法について様々な検討が
為されている。USP 5,001,020 ではジェリーロール
法において、Nb/Al比を6近くに組み込み、熱処理
後にNb3Al 層と未反応Nb層を各々100nm以下
の薄さで形成させることで高臨界電流密度化を達成させ
るものである。また特願平4−320279 号では、Nb2A
l 粒子を微細分散させることにより高電流密度化を図
っている。ところがこれらの例では、NbあるいはNb
2Alを残存させるためにはNb3Al 系超電導体におい
て拡散反応を途中で止める必要があり、化学量論組成に
近いNb3Al 系超電導体が得られにくいという欠点が
ある。
【0004】本発明の目的は、これらの欠点を無くし1
6T以上の高磁界で高電流密度を有し、かつ製造が容易
なNb3Al 系超電導導体及びその製造方法を提供する
ことにある。
6T以上の高磁界で高電流密度を有し、かつ製造が容易
なNb3Al 系超電導導体及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、NbまたはNb合金とAlまたはAl
合金との熱処理などによる拡散反応で形成できるNb3
Al 系超電導導体において、NbまたはNb合金とA
lまたはAl合金との間に酸化物粒子を形成し、拡散反
応後にNb3Al 系超電導体中に酸化物粒子を均一に分
散させるようにしたものである。従来の複合加工法など
によるNb3Al 系超電導体中には、例えば結晶粒界の
ような比較的低磁界で有効な磁束ピン止め点が含まれて
いる。一方、本発明においては磁束格子間隔に対応した
数十nm以下の微細な非超電導粒子は高磁磁界で有効な
ピン止め点として有効であると考え、Nb3Al 系超電
導体中に数十nm以下の微細な酸化物粒子を均一に分散
させることにより、高磁界で高臨界電流密度を有するN
b3Al 系超電導導体が発明された。なお上記におい
て、酸化物粒子は、1〜50nmの平均結晶粒径の範囲
にあり、さらにNb3Al系超電導容量体積の0.5〜30%
の範囲で存在し、さらに0.02μm〜0.2μmの間
隔で分散されている。さらに酸素とNb,Nb合金及び
Al、Al合金との拡散反応でNb,Alを含む酸化物
粒子の生成を抑制するため、Nb2O5,Al2O3に比べ
生成自由エネルギーの低いMgO,CaO,BaO,B
eO,ZrO2 及びCe2O3の内から選択された少なく
とも一種以上の酸化物粒子が望ましい。
に、本発明では、NbまたはNb合金とAlまたはAl
合金との熱処理などによる拡散反応で形成できるNb3
Al 系超電導導体において、NbまたはNb合金とA
lまたはAl合金との間に酸化物粒子を形成し、拡散反
応後にNb3Al 系超電導体中に酸化物粒子を均一に分
散させるようにしたものである。従来の複合加工法など
によるNb3Al 系超電導体中には、例えば結晶粒界の
ような比較的低磁界で有効な磁束ピン止め点が含まれて
いる。一方、本発明においては磁束格子間隔に対応した
数十nm以下の微細な非超電導粒子は高磁磁界で有効な
ピン止め点として有効であると考え、Nb3Al 系超電
導体中に数十nm以下の微細な酸化物粒子を均一に分散
させることにより、高磁界で高臨界電流密度を有するN
b3Al 系超電導導体が発明された。なお上記におい
て、酸化物粒子は、1〜50nmの平均結晶粒径の範囲
にあり、さらにNb3Al系超電導容量体積の0.5〜30%
の範囲で存在し、さらに0.02μm〜0.2μmの間
隔で分散されている。さらに酸素とNb,Nb合金及び
Al、Al合金との拡散反応でNb,Alを含む酸化物
粒子の生成を抑制するため、Nb2O5,Al2O3に比べ
生成自由エネルギーの低いMgO,CaO,BaO,B
eO,ZrO2 及びCe2O3の内から選択された少なく
とも一種以上の酸化物粒子が望ましい。
【0006】本発明において、上記のような構成,構造
のNb3Al 系超電導体を得るためには、NbまたはN
b合金とAlまたはAl合金の薄板の間に酸化物粒子を
形成、寿司巻き状に形成した後、金属パイプと複合化し
細線加工を行うジェリーロール法やNbまたはNb合金
チューブに酸化物粒子を形成したAlまたはAl合金芯
を挿入,多芯化し細線化を行うNbチューブ法、Nb箔
とAl箔を積層するクラッドチップ法などに適用するこ
とができる。また、その際のNb3Al 系超電導体の周
りまたは中心部には超電導体の電磁気的安定性の観点か
ら安定化材として銅または銅合金を設置する必要があ
る。
のNb3Al 系超電導体を得るためには、NbまたはN
b合金とAlまたはAl合金の薄板の間に酸化物粒子を
形成、寿司巻き状に形成した後、金属パイプと複合化し
細線加工を行うジェリーロール法やNbまたはNb合金
チューブに酸化物粒子を形成したAlまたはAl合金芯
を挿入,多芯化し細線化を行うNbチューブ法、Nb箔
とAl箔を積層するクラッドチップ法などに適用するこ
とができる。また、その際のNb3Al 系超電導体の周
りまたは中心部には超電導体の電磁気的安定性の観点か
ら安定化材として銅または銅合金を設置する必要があ
る。
【0007】
【作用】本発明は、Nb3Al 系超電導導体の高磁界下
での臨界電流密度を高めるため、磁束線のピン止めを行
うため、磁束格子の寸法に対応した形で酸化物粒子を分
散,制御して用いるようにしたものである。
での臨界電流密度を高めるため、磁束線のピン止めを行
うため、磁束格子の寸法に対応した形で酸化物粒子を分
散,制御して用いるようにしたものである。
【0008】従来から一般に用いられていたNbとAl
の拡散反応では、まず第1に元素中のAl濃度の高いA
l3Nb が生成し、次にNb2Al を経て、超電導性を
示すNb3Al を得ることができる。即ち、Nb3Al
超電導体の超電導体積率の観点から超電導性を上昇させ
るためには、熱処理温度を上昇させ拡散反応を促進させ
る必要があるが、結晶粒が粗大化し磁束のピン止め力が
弱くなり、臨界電流密度は低下する。本発明ではNb3
Al 系超電導体を拡散反応時に生成させる際に、粒内
に在留した酸化物粒子に高磁界での磁束ピン止め機能を
持たせたものである。
の拡散反応では、まず第1に元素中のAl濃度の高いA
l3Nb が生成し、次にNb2Al を経て、超電導性を
示すNb3Al を得ることができる。即ち、Nb3Al
超電導体の超電導体積率の観点から超電導性を上昇させ
るためには、熱処理温度を上昇させ拡散反応を促進させ
る必要があるが、結晶粒が粗大化し磁束のピン止め力が
弱くなり、臨界電流密度は低下する。本発明ではNb3
Al 系超電導体を拡散反応時に生成させる際に、粒内
に在留した酸化物粒子に高磁界での磁束ピン止め機能を
持たせたものである。
【0009】次に本発明は、酸化物粒子に高磁界での磁
束ピン止め機能を持たせるためには酸化物粒子は平均結
晶粒径が1〜50nmの範囲にあり、Nb3Al 系超電
導容量体積の0.5〜30% の範囲内で存在し、分散さ
れていることが必要である。酸化物粒子の平均結晶粒径
が1nm以下であると、磁束ピン止め機能が弱く効果が
ない。また50nm以上ではNb3Al 系超電導体の内
部を流れる電流パスを阻害してしまう。さらに酸化物粒
子の体積率はNb3Al 系超電導容量体積の0.5% 以
下では高磁場では磁束線をピン止めするだけの効果がな
く、30%以上ではNb3Al 系超電導体の内部を流れ
る電流パスを阻害してしまう。さらにその粒子の間隔が
0.02〜0.2μmの範囲に均一に分散されていること
が必要である。そこでNbまたはNb合金とAlまたは
Al合金との間に酸化物粒子を形成し、さらに拡散反応
で、Nb3Al 系超電導体中に酸化物粒子を均一に分散
させるようにしたものである。酸化物粒子は例えばNb
またはNb合金、あるいはAlまたはAl合金の表面に
成膜手法で形成させる方法やNbまたはNb合金、ある
いはAlまたはAl合金の表面に成膜方法で酸化物粒子
を構成する元素を含んでいる金属膜を積層させ、さらに
上記酸化物粒子が生成する低温で熱処理を施す方法が好
適であるが、酸化物粒子が形成できる方法であれば特に
これに限定するものではない。上記の複合体を管状,線
状あるいは箔状に塑性加工を行う。その後拡散熱処理反
応を行った結果、図1の2で示すNb3Al 系超電導体
の中に1で示す酸化物粒子が分散する超電導導体を得る
ことができる。また、酸化物粒子に適した酸化物系材料
は熱処理温度範囲内においてAl2O3,Nb2O5よりも
生成自由エネルギーが小さいMgO,CaO,BeO,
Ce2O3,ZrO2 またはBaOの内から少なくとも1
種選ばれる。また、NbあるいはAlは上記反応に支障
がなければNb合金あるいはAl合金を用いることは一
向に差し支えない。
束ピン止め機能を持たせるためには酸化物粒子は平均結
晶粒径が1〜50nmの範囲にあり、Nb3Al 系超電
導容量体積の0.5〜30% の範囲内で存在し、分散さ
れていることが必要である。酸化物粒子の平均結晶粒径
が1nm以下であると、磁束ピン止め機能が弱く効果が
ない。また50nm以上ではNb3Al 系超電導体の内
部を流れる電流パスを阻害してしまう。さらに酸化物粒
子の体積率はNb3Al 系超電導容量体積の0.5% 以
下では高磁場では磁束線をピン止めするだけの効果がな
く、30%以上ではNb3Al 系超電導体の内部を流れ
る電流パスを阻害してしまう。さらにその粒子の間隔が
0.02〜0.2μmの範囲に均一に分散されていること
が必要である。そこでNbまたはNb合金とAlまたは
Al合金との間に酸化物粒子を形成し、さらに拡散反応
で、Nb3Al 系超電導体中に酸化物粒子を均一に分散
させるようにしたものである。酸化物粒子は例えばNb
またはNb合金、あるいはAlまたはAl合金の表面に
成膜手法で形成させる方法やNbまたはNb合金、ある
いはAlまたはAl合金の表面に成膜方法で酸化物粒子
を構成する元素を含んでいる金属膜を積層させ、さらに
上記酸化物粒子が生成する低温で熱処理を施す方法が好
適であるが、酸化物粒子が形成できる方法であれば特に
これに限定するものではない。上記の複合体を管状,線
状あるいは箔状に塑性加工を行う。その後拡散熱処理反
応を行った結果、図1の2で示すNb3Al 系超電導体
の中に1で示す酸化物粒子が分散する超電導導体を得る
ことができる。また、酸化物粒子に適した酸化物系材料
は熱処理温度範囲内においてAl2O3,Nb2O5よりも
生成自由エネルギーが小さいMgO,CaO,BeO,
Ce2O3,ZrO2 またはBaOの内から少なくとも1
種選ばれる。また、NbあるいはAlは上記反応に支障
がなければNb合金あるいはAl合金を用いることは一
向に差し支えない。
【0010】以上のように本発明で得られたNb3Al
系超電導導体はNb3Al 系超電導体中に酸化物粒子を
磁束格子の寸法と対応させる形で分散させたものであ
る。したがって酸化物粒子の平均結晶粒径は1〜50n
mの範囲にあり、さらにNb3Al系超電導容量体積の0.5
〜10% の範囲内で存在し、0.02〜0.2μmの間
隔で分散されている。本発明により高磁界で高電流密度
を有するNb3Al 系超電導導体の作製ができるように
なり、高磁場発生マグネットの開発に有効である。
系超電導導体はNb3Al 系超電導体中に酸化物粒子を
磁束格子の寸法と対応させる形で分散させたものであ
る。したがって酸化物粒子の平均結晶粒径は1〜50n
mの範囲にあり、さらにNb3Al系超電導容量体積の0.5
〜10% の範囲内で存在し、0.02〜0.2μmの間
隔で分散されている。本発明により高磁界で高電流密度
を有するNb3Al 系超電導導体の作製ができるように
なり、高磁場発生マグネットの開発に有効である。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0012】(実施例1)図2に実施例1で実施した酸
化物粒子を微細分散したNb3Al 系超電導導体の結果
を示す。Nb箔と両面に2μm厚さのMgO粒子を蒸着
法で形成したAl箔を重ね合わせ、Nb管3及びCu棒
4を中心に巻き付けロール状にした。この酸化物粒子を
微細分散したNb−Alロール線材5をNb管6,Cu
管7に挿入した後、押し出し加工,伸線加工し線材とし
た。
化物粒子を微細分散したNb3Al 系超電導導体の結果
を示す。Nb箔と両面に2μm厚さのMgO粒子を蒸着
法で形成したAl箔を重ね合わせ、Nb管3及びCu棒
4を中心に巻き付けロール状にした。この酸化物粒子を
微細分散したNb−Alロール線材5をNb管6,Cu
管7に挿入した後、押し出し加工,伸線加工し線材とし
た。
【0013】図3は、このようにして得られたシングル
線材の断面を示す図である。このようにして得られた線
材をさらに複数配置し押し出し加工,伸線加工を行いマ
ルチ線材とする。図4に800℃,5時間の真空中熱処
理により得られたNb3Al系マルチ超電導線材の断面
図を示す。Nb管12に包まれたCu棒11とNb管
9,Cu管10の間に複数のNb3Al 系超電導フィラ
メント8を有する超電導導体が構成されていることが分
かる。この実施例では表1(a)に示すように最終線径
0.8mmとした時、Nb3Al フィラメント中のNb層
の厚さ0.3μm、Al層の厚さは0.1μm となるよ
うに使用するNb箔,Al箔の厚みを定めている。
線材の断面を示す図である。このようにして得られた線
材をさらに複数配置し押し出し加工,伸線加工を行いマ
ルチ線材とする。図4に800℃,5時間の真空中熱処
理により得られたNb3Al系マルチ超電導線材の断面
図を示す。Nb管12に包まれたCu棒11とNb管
9,Cu管10の間に複数のNb3Al 系超電導フィラ
メント8を有する超電導導体が構成されていることが分
かる。この実施例では表1(a)に示すように最終線径
0.8mmとした時、Nb3Al フィラメント中のNb層
の厚さ0.3μm、Al層の厚さは0.1μm となるよ
うに使用するNb箔,Al箔の厚みを定めている。
【0014】次にこの超電導体よりサンプルを切り出
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その
結果、臨界温度は14.5K で、臨界電流密度は13T
の磁場印荷中で1100A/mm2と大きな値が得られ
た。また、SEM(走査型電子顕微鏡)−EDX(エネ
ルギー分散型X線回折)観察及びTEM(透過型電子顕
微鏡)−EDX観察の結果酸化物粒子の体積はNb3A
l の超電導体積の2%であり、酸化物粒子の平均結晶
粒径は20nm、酸化物粒子の間隔は平均100nmで
あった。
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その
結果、臨界温度は14.5K で、臨界電流密度は13T
の磁場印荷中で1100A/mm2と大きな値が得られ
た。また、SEM(走査型電子顕微鏡)−EDX(エネ
ルギー分散型X線回折)観察及びTEM(透過型電子顕
微鏡)−EDX観察の結果酸化物粒子の体積はNb3A
l の超電導体積の2%であり、酸化物粒子の平均結晶
粒径は20nm、酸化物粒子の間隔は平均100nmで
あった。
【0015】実施例1と同様の方法で酸化物粒子として
CaO,BaO,BeO,ZrO2,Ce2O3粒子を形成
し実施した結果を表1((b)〜(f))に示す。
CaO,BaO,BeO,ZrO2,Ce2O3粒子を形成
し実施した結果を表1((b)〜(f))に示す。
【0016】
【表1】
【0017】(比較例1)Nb箔とAl箔を重ね合わ
せ、Nb管及びCu棒を中心に巻き付けロール状にし
た。このロール線材をNb管,Cu棒に挿入した後、押
し出し加工,伸線加工し線材とした。得られた線材をさ
らに複数配置し押し出し加工,伸線加工を行いマルチ線
材とする。この比較例では表1に示すように最終線径
0.8mm とした時、Nb3Alフィラメント中のNb層
の厚さ0.3μm、Al層の厚さは0.1μmとなるよう
に使用するNb箔,Al箔の厚みを定めている。
せ、Nb管及びCu棒を中心に巻き付けロール状にし
た。このロール線材をNb管,Cu棒に挿入した後、押
し出し加工,伸線加工し線材とした。得られた線材をさ
らに複数配置し押し出し加工,伸線加工を行いマルチ線
材とする。この比較例では表1に示すように最終線径
0.8mm とした時、Nb3Alフィラメント中のNb層
の厚さ0.3μm、Al層の厚さは0.1μmとなるよう
に使用するNb箔,Al箔の厚みを定めている。
【0018】次にこの超電導体よりサンプルを切り出
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その
結果、臨界温度は13.2K で、臨界電流密度は13T
の磁場印荷中で50A/mm2 と実施例1と比較して小さ
な値であった。
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その
結果、臨界温度は13.2K で、臨界電流密度は13T
の磁場印荷中で50A/mm2 と実施例1と比較して小さ
な値であった。
【0019】(比較例2)Nb箔と両面に0.1μm 厚
さのMgO粒子を蒸着法で形成したAl箔を重ね合わ
せ、Nb管3及びCu棒4を中心に巻き付けロール状に
した。この酸化物粒子を微細分散したNb−Alロール
線材5をNb管6,Cu管7に挿入した後、押し出し加
工,伸線加工し線材とした。
さのMgO粒子を蒸着法で形成したAl箔を重ね合わ
せ、Nb管3及びCu棒4を中心に巻き付けロール状に
した。この酸化物粒子を微細分散したNb−Alロール
線材5をNb管6,Cu管7に挿入した後、押し出し加
工,伸線加工し線材とした。
【0020】このようにして得られた線材をさらに複数
配置し押し出し加工,伸線加工を行いマルチ線材とす
る。800℃,5時間の真空中熱処理によりNb3Al
系マルチ超電導線材を得る。この比較例では実施例1同
様の最終線径0.8mm とした時、Nb3Alフィラメン
ト中のNb層の厚さ0.3μm、Al層の厚さは0.1μ
mとなるように使用するNb箔,Al箔の厚みを定めて
いる。
配置し押し出し加工,伸線加工を行いマルチ線材とす
る。800℃,5時間の真空中熱処理によりNb3Al
系マルチ超電導線材を得る。この比較例では実施例1同
様の最終線径0.8mm とした時、Nb3Alフィラメン
ト中のNb層の厚さ0.3μm、Al層の厚さは0.1μ
mとなるように使用するNb箔,Al箔の厚みを定めて
いる。
【0021】次にこの超電導体よりサンプルを切り出
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その
結果、臨界温度は13.8K で、臨界電流密度は13T
の磁場印荷中で70A/mm2 であった。また、SEM−
EDX観察及びTEM−EDX観察の結果酸化物粒子の
体積はNb3Alの超電導体積の0.1%であり、酸化物
粒子の平均結晶粒径は20nm、酸化物粒子の間隔は平
均250nmであった。
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その
結果、臨界温度は13.8K で、臨界電流密度は13T
の磁場印荷中で70A/mm2 であった。また、SEM−
EDX観察及びTEM−EDX観察の結果酸化物粒子の
体積はNb3Alの超電導体積の0.1%であり、酸化物
粒子の平均結晶粒径は20nm、酸化物粒子の間隔は平
均250nmであった。
【0022】(比較例3)Nb箔と両面に30μm厚さ
のMgO粒子をスプレー法で形成したAl箔を重ね合わ
せ、Nb管3及びCu棒4を中心に巻き付けロール状に
した。この酸化物粒子を微細分散したNb−Alロール
線材5をNb管6,Cu管7に挿入した後、押し出し加
工,伸線加工し線材とした。
のMgO粒子をスプレー法で形成したAl箔を重ね合わ
せ、Nb管3及びCu棒4を中心に巻き付けロール状に
した。この酸化物粒子を微細分散したNb−Alロール
線材5をNb管6,Cu管7に挿入した後、押し出し加
工,伸線加工し線材とした。
【0023】このようにして得られた線材をさらに複数
配置し押し出し加工,伸線加工を行いマルチ線材とす
る。800℃,5時間の真空中熱処理によりNb3Al
系マルチ超電導線材を得る。この比較例では実施例1同
様の最終線径0.8mm とした時、Nb3Alフィラメン
ト中のNb層の厚さ0.3μm、Al層の厚さは0.1μ
mとなるように使用するNb箔,Al箔の厚みを定めて
いる。
配置し押し出し加工,伸線加工を行いマルチ線材とす
る。800℃,5時間の真空中熱処理によりNb3Al
系マルチ超電導線材を得る。この比較例では実施例1同
様の最終線径0.8mm とした時、Nb3Alフィラメン
ト中のNb層の厚さ0.3μm、Al層の厚さは0.1μ
mとなるように使用するNb箔,Al箔の厚みを定めて
いる。
【0024】次にこの超電導体よりサンプルを切り出
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その
結果、臨界温度は11.8K で、臨界電流密度は13T
の磁場印荷中で10A/mm2 であった。また、SEM−
EDX観察及びTEM−EDX観察の結果酸化物粒子の
体積はNb3Al の超電導体積の40%であり、酸化物
粒子の平均結晶粒径は20nm、酸化物粒子の間隔は平
均100nmであった。
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その
結果、臨界温度は11.8K で、臨界電流密度は13T
の磁場印荷中で10A/mm2 であった。また、SEM−
EDX観察及びTEM−EDX観察の結果酸化物粒子の
体積はNb3Al の超電導体積の40%であり、酸化物
粒子の平均結晶粒径は20nm、酸化物粒子の間隔は平
均100nmであった。
【0025】(実施例2)Nb箔と両面に0.1〜30
μm厚さのZrO2粒子を蒸着法及びスプレー法で形成
したAl箔を重ね合わせ、Nb管3及びCu棒4を中心
に巻き付けロール状にした。この酸化物粒子を微細分散
したNb−Alロール線材5をNb管6,Cu管7に挿
入した後、押し出し加工,伸線加工しシングル線材とし
た。
μm厚さのZrO2粒子を蒸着法及びスプレー法で形成
したAl箔を重ね合わせ、Nb管3及びCu棒4を中心
に巻き付けロール状にした。この酸化物粒子を微細分散
したNb−Alロール線材5をNb管6,Cu管7に挿
入した後、押し出し加工,伸線加工しシングル線材とし
た。
【0026】このようにして得られた線材をさらに複数
配置し押し出し加工,伸線加工を行いマルチ線材とす
る。Nb3Al 系マルチ超電導線材を800℃,5時間
の真空中熱処理により得た。この実施例では最終線径
0.8mm とした時、Nb3Al フィラメント中のNb層
の厚さ0.3μm、Al層の厚さは0.1μmとなるよう
に使用するNb箔,Al箔の厚みを定めている。
配置し押し出し加工,伸線加工を行いマルチ線材とす
る。Nb3Al 系マルチ超電導線材を800℃,5時間
の真空中熱処理により得た。この実施例では最終線径
0.8mm とした時、Nb3Al フィラメント中のNb層
の厚さ0.3μm、Al層の厚さは0.1μmとなるよう
に使用するNb箔,Al箔の厚みを定めている。
【0027】次にこの超電導体よりサンプルを切り出
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。ま
た、酸化物粒子の体積率,平均結晶粒径及び酸化物粒子
の間隔をSEM(走査型電子顕微鏡)−EDX(エネルギ
ー分散型X線回折)観察及びTEM(透過型電子顕微
鏡)−EDX観察により求めた。
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。ま
た、酸化物粒子の体積率,平均結晶粒径及び酸化物粒子
の間隔をSEM(走査型電子顕微鏡)−EDX(エネルギ
ー分散型X線回折)観察及びTEM(透過型電子顕微
鏡)−EDX観察により求めた。
【0028】その結果、Nb3Al 超電導体積に対する
酸化物粒子の割合、酸化物粒子の平均結晶粒径及び間隔
と13Tにおける臨界電流密度の関係を図5,図6,図
7に示す。
酸化物粒子の割合、酸化物粒子の平均結晶粒径及び間隔
と13Tにおける臨界電流密度の関係を図5,図6,図
7に示す。
【0029】図5より酸化物粒子の体積比率が0.5〜
30% の範囲内で印荷磁場が13Tにおける臨界電流
密度が酸化物粒子を微細分散しない場合と比較して高い
値である。また、酸化物粒子の平均結晶粒径は1〜50
nmの範囲、酸化物粒子の間隔は20〜200nmの範
囲で酸化物粒子の微細分散しない場合に比べJcが高い
ことが分かる。
30% の範囲内で印荷磁場が13Tにおける臨界電流
密度が酸化物粒子を微細分散しない場合と比較して高い
値である。また、酸化物粒子の平均結晶粒径は1〜50
nmの範囲、酸化物粒子の間隔は20〜200nmの範
囲で酸化物粒子の微細分散しない場合に比べJcが高い
ことが分かる。
【0030】(実施例3)図8に実施例3で実施した酸
化物粒子を微細分散したNb3Al 系超電導導体の製造
方法を示す。外径13.3mm,内径7.0mmのNb管と表
面に2μm厚さのCaO層を塗布法で成膜したφ6.3m
m のAl棒を挿入し、複合加工法によりφ1.0mmまで
細線化した。この線材を、151本束ね0.2mmのNb
箔にくるみ外径21.2mm,内径16.2mmのCu−Ni
管に挿入した後、押し出し加工,伸線加工し極細化した
後、硝酸によりCu−Niを徐去しφ1.0mm の極細線
材とした。上記の工程をさらに2回繰り返し、φ0.4m
m の複合多芯線材を作製した。
化物粒子を微細分散したNb3Al 系超電導導体の製造
方法を示す。外径13.3mm,内径7.0mmのNb管と表
面に2μm厚さのCaO層を塗布法で成膜したφ6.3m
m のAl棒を挿入し、複合加工法によりφ1.0mmまで
細線化した。この線材を、151本束ね0.2mmのNb
箔にくるみ外径21.2mm,内径16.2mmのCu−Ni
管に挿入した後、押し出し加工,伸線加工し極細化した
後、硝酸によりCu−Niを徐去しφ1.0mm の極細線
材とした。上記の工程をさらに2回繰り返し、φ0.4m
m の複合多芯線材を作製した。
【0031】次にAr気流中、800℃,5時間の熱処
理により得られた超電導導体よりサンプルを切り出し、
磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2K で
印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その結果、
臨界温度は13.8K であり、臨界電流密度は13Tの
磁場印荷中で1050A/mm2 と大きな値が得られた
(表2(h))。
理により得られた超電導導体よりサンプルを切り出し、
磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2K で
印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その結果、
臨界温度は13.8K であり、臨界電流密度は13Tの
磁場印荷中で1050A/mm2 と大きな値が得られた
(表2(h))。
【0032】
【表2】
【0033】実施例3と同様の方法で酸化物粒子として
CaO,BaO,BeO,ZrO2,Ce2O3粒子を形成
し実施した結果を表2((g)〜(m))に示す。
CaO,BaO,BeO,ZrO2,Ce2O3粒子を形成
し実施した結果を表2((g)〜(m))に示す。
【0034】(実施例4)実施例1の製造方法で得られ
た図3に示すシングル線材を圧延加工によりテープ型構
造の線材とする。図9はこのようにして得られたMgO
粒子を層状に微量分散したNb3Al 系テープ型シング
ル線材の図である。Nb箔と両面に2μm厚さのZrO
2 粒子を蒸着法で形成したAl箔を重ね合わせ、Nb管
16及びCu棒17を中心に巻き付けロール状にし、さ
らにNb管15,Cu棒14に周りを囲まれた構造の線
材となっている。このようにして得られた線材をさらに
複数配置し、押し出し,伸線加工を行いマルチ線材とす
る。図10には真空中、800℃,5時間熱処理後のM
gO粒子を層状に微量分散したNb3Al 系テープ型マ
ルチ線材を示す。Nb管19,Cu管20の中に複数の
シングル線材18を有するマルチ超電導線材が構成され
ていることが分かる。次にこの超電導体よりサンプルを
切り出し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに
4.2K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。
その結果、臨界温度は14.3K で、臨界電流密度は1
3Tの磁場印荷中で1000A/mm2 と大きな値が得ら
れた。
た図3に示すシングル線材を圧延加工によりテープ型構
造の線材とする。図9はこのようにして得られたMgO
粒子を層状に微量分散したNb3Al 系テープ型シング
ル線材の図である。Nb箔と両面に2μm厚さのZrO
2 粒子を蒸着法で形成したAl箔を重ね合わせ、Nb管
16及びCu棒17を中心に巻き付けロール状にし、さ
らにNb管15,Cu棒14に周りを囲まれた構造の線
材となっている。このようにして得られた線材をさらに
複数配置し、押し出し,伸線加工を行いマルチ線材とす
る。図10には真空中、800℃,5時間熱処理後のM
gO粒子を層状に微量分散したNb3Al 系テープ型マ
ルチ線材を示す。Nb管19,Cu管20の中に複数の
シングル線材18を有するマルチ超電導線材が構成され
ていることが分かる。次にこの超電導体よりサンプルを
切り出し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに
4.2K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。
その結果、臨界温度は14.3K で、臨界電流密度は1
3Tの磁場印荷中で1000A/mm2 と大きな値が得ら
れた。
【0035】(実施例5)Nb箔と両面に2μm厚さの
Zr金属を蒸着法で形成したAl箔を重ね合わせ、Nb
管3及びCu棒4を中心に巻き付けロール状にした。こ
のZr金属微細を分散したNb−Alロール線材5をN
b管6,Cu管7に挿入した後、押し出し加工,伸線加
工し線材とした。このようにして得られたシングル線材
の断面をTEM(透過電子顕微鏡)及びEDX分析で観察
測定した結果、Zr金属はZrO2粒子に変化している。
このようにして得られた線材をさらに複数配置し押し出
し加工,伸線加工を行いマルチ線材とする。750℃,
50時間のAr気流中熱処理によりNb3Al 系マルチ
超電導線材を得た。
Zr金属を蒸着法で形成したAl箔を重ね合わせ、Nb
管3及びCu棒4を中心に巻き付けロール状にした。こ
のZr金属微細を分散したNb−Alロール線材5をN
b管6,Cu管7に挿入した後、押し出し加工,伸線加
工し線材とした。このようにして得られたシングル線材
の断面をTEM(透過電子顕微鏡)及びEDX分析で観察
測定した結果、Zr金属はZrO2粒子に変化している。
このようにして得られた線材をさらに複数配置し押し出
し加工,伸線加工を行いマルチ線材とする。750℃,
50時間のAr気流中熱処理によりNb3Al 系マルチ
超電導線材を得た。
【0036】次にこの超電導体よりサンプルを切り出
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その
結果、臨界温度は14.3Kで、臨界電流密度は13T
の磁場印荷中で1000A/mm2と大きな値が得られ
た。
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その
結果、臨界温度は14.3Kで、臨界電流密度は13T
の磁場印荷中で1000A/mm2と大きな値が得られ
た。
【0037】(実施例6)Nb箔と両面に5μm厚さの
Zr金属を蒸着法で形成したAl−Ge合金(Al:Ge
=75:25)箔を重ね合わせ、Nb管3及びCu棒4
を中心に巻き付けロール状にした。このZr金属を微細
分散したNb−Al/Geロール線材5をNb管6,C
u管7に挿入した後、押し出し加工,伸線加工し線材と
した。
Zr金属を蒸着法で形成したAl−Ge合金(Al:Ge
=75:25)箔を重ね合わせ、Nb管3及びCu棒4
を中心に巻き付けロール状にした。このZr金属を微細
分散したNb−Al/Geロール線材5をNb管6,C
u管7に挿入した後、押し出し加工,伸線加工し線材と
した。
【0038】このようにして得られたシングル線材の断
面をTEM−EDX分析で観察測定した結果、Zr金属
はZrO2 粒子に変化している。このようにして得られ
た線材をさらに複数配置し押し出し加工,伸線加工を行
いマルチ線材とする。950℃,1時間のAr気流中熱
処理によりNb3Al 系マルチ超電導線材を得た。
面をTEM−EDX分析で観察測定した結果、Zr金属
はZrO2 粒子に変化している。このようにして得られ
た線材をさらに複数配置し押し出し加工,伸線加工を行
いマルチ線材とする。950℃,1時間のAr気流中熱
処理によりNb3Al 系マルチ超電導線材を得た。
【0039】次にこの超電導体よりサンプルを切り出
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その
結果、臨界温度は17.0K で、臨界電流密度は13T
の磁場印荷中で1500A/mm2と大きな値が得られ
た。
し、磁化法で温度を変えながら臨界温度、並びに4.2
K で印荷磁界を変化させて臨界電流を測定した。その
結果、臨界温度は17.0K で、臨界電流密度は13T
の磁場印荷中で1500A/mm2と大きな値が得られ
た。
【0040】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように高磁界で
高電流密度を有することから、超電導コイルとすれば従
来高磁界をより小型で経済的に発生することができる。
高電流密度を有することから、超電導コイルとすれば従
来高磁界をより小型で経済的に発生することができる。
【図1】本願発明の一実施例である超電導導体の微細組
織の模式図。
織の模式図。
【図2】本願発明の他の実施例であるマルチ線材の製造
ステップ。
ステップ。
【図3】本願発明の他の実施例であるシングル線材の微
細組織の模式図。
細組織の模式図。
【図4】本願発明の他の実施例であるマルチ線材の微細
組織の模式図。
組織の模式図。
【図5】本願発明の他の実施例であるマルチ線材の製造
ステップ。
ステップ。
【図6】本願発明の他の実施例であるシングル線材の微
細組織の模式図。
細組織の模式図。
【図7】本願発明の他の実施例であるマルチ線材の微細
組織の模式図。
組織の模式図。
1…酸化物粒子、2…Nb3Al 系超電導体、3,6,
9,12,15,16,19…Nb管、4,11,17
…Cu棒、5…酸化物粒子を微細分散したNb−Alロ
ール部、7,10,14,20…Cu管、8…酸化物粒
子を微細分散したNb3Al 系超電導体、13…酸化物
粒子を微細分散したNb−Alロール部、18…酸化物
粒子を微細分散したNb3Al 系超電導体。
9,12,15,16,19…Nb管、4,11,17
…Cu棒、5…酸化物粒子を微細分散したNb−Alロ
ール部、7,10,14,20…Cu管、8…酸化物粒
子を微細分散したNb3Al 系超電導体、13…酸化物
粒子を微細分散したNb−Alロール部、18…酸化物
粒子を微細分散したNb3Al 系超電導体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 裕子 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内
Claims (20)
- 【請求項1】A3B の組成比を有するA15型超電導導
体であって、該A15型超電導導体中に平均結晶粒径1
〜50nmの酸化物粒子がA15型超電導容量体積の
0.5〜30%の範囲内で分散されていることを特徴と
するA15型超電導導体。 - 【請求項2】Nb3Al 系超電導導体中に平均結晶粒径
1〜50nmの酸化物粒子がNb3Al系超電導容量体積の
0.5〜30% の範囲内で分散されていることを特徴と
するNb3Al 系超電導導体。 - 【請求項3】A3B の組成比を有するA15型超電導導
体であって、該A15型超電導導体中に平均結晶粒径1
〜50nmの範囲にある酸化物粒子がA15系超電導容
量体積の0.5〜30% の範囲内で存在し、さらに0.
02〜0.2μmの間隔で層状に分散されていることを
特徴とするA15型超電導導体。 - 【請求項4】Nb3Al系超電導導体中に平均結晶粒径
が1〜50nmの酸化物粒子がNb3Al系超電導容量体積
の0.5〜30%の範囲内で存在し、さらに0.02〜
0.2μmの間隔で層状に分散されていることを特徴とす
るNb3Al 系超電導導体。 - 【請求項5】請求項1あるいは3に記載の該A15型超
電導導体A3B の内、 AはNbあるいはVの内少なくとも1種の元素を基体と
してHf,Ir,Mo,Ni,Ta,Ti,V,W,Z
rの内の少なくとも1種以上の元素を有し、 BはSn,Al,GaあるいはGeの内少なくとも1種
の元素を基体としてGa,Ge,P,Se,Si,Sn
の内の少なくとも1種以上の元素を有することを特徴と
するA15型超電導導体。 - 【請求項6】請求項2あるいは4に記載の該Nb3Al
系超電導導体の内、 AはNbを基体としてHf,Ir,Mo,Ni,Ta,
Ti,V,W,Zrの内の少なくとも1種以上の元素を
有し、 BはAlを基体としてGa,Ge,P,Se,Si,S
nの内の少なくとも1種以上の元素を有することを特徴
とするNb3Al 系超電導導体。 - 【請求項7】請求項1,3あるいは5のいずれかに記載
の該A15型超電導導体であって、酸化物粒子がMg
O,CaO,BaO,BeO,ZrO2 及びCe2O3の
うち少なくとも1種以上の酸化物で構成されることを特
徴とするA15型超電導導体。 - 【請求項8】請求項2,4あるいは6のいずれかに記載
のNb3Al 系超電導導体であって、酸化物粒子がMg
O,CaO,BaO,BeO,ZrO2 及びCe2O3の
うち少なくとも1種以上の酸化物で構成されることを特
徴とするNb3Al 系超電導導体。 - 【請求項9】Nb金属箔あるいはNb基合金箔、または
V金属箔あるいはV基合金箔とA15型超電導導体を構成
する少なくとも2種類以上の元素の内NbとVを除く元
素を有する金属箔あるいは該基合金箔との間に酸化物粒
子を形成し、複合化する複合化工程と、 前記複合体を細線化し複合線を製造する細線化工程と、 前記複合線を熱処理を施し、A15型超電導相を形成さ
せる熱処理工程とを有することを特徴とするA15型超
電導導体の製造方法。 - 【請求項10】Nb金属箔あるいはNb基合金箔とAl
金属箔あるいはAl基合金箔との間に酸化物粒子を形成
し、複合化する複合化工程と、 前記複合体を細線化し複合線を製造する細線化工程と、 前記複合線を熱処理を施し、Nb3Al 系超電導相を形
成させる熱処理工程とを有することを特徴とするNb3
Al 系超電導導体の製造方法。 - 【請求項11】A15型超電導導体を構成する少なくと
も2種類以上の元素の内NbとVを除く元素を有する金
属箔あるいは該基合金箔の表面に酸化物粒子を構成する
元素を含んだ金属膜を形成し、さらにNb金属箔あるい
はNb基合金箔、またはV金属箔あるいはV基合金箔と
複合化する複合化工程と、 前記複合体を細線化し複合線を製造する細線化工程と、 前記複合線を熱処理を施し、A15型超電導相を形成さ
せる熱処理工程とを有することを特徴とするA15型超
電導導体の製造方法。 - 【請求項12】Al金属箔あるいはAl基合金箔との間
に酸化物粒子を構成する元素を含んだ金属膜を形成し、
さらにNb金属箔あるいはNb基合金箔と複合化する複
合化工程と、 前記複合体を細線化し複合線を製造する細線化工程と、 前記複合線を熱処理を施し、Nb3Al 系超電導相を形
成させる熱処理工程とを有することを特徴とするNb3
Al 系超電導導体の製造方法。 - 【請求項13】Nb金属管あるいはNb基合金管、また
はV金属管あるいはV基合金管中に酸化物粒子を表面に
形成したA15型超電導導体を構成する少なくとも2種
類以上の元素の内NbとVを除く元素を有する金属棒あ
るいは該基合金棒を挿入し、複合化する複合化工程と、 前記複合体を細線化し複合線を製造する細線化工程と、 前記複合線を熱処理を施し、A15型超電導相を形成さ
せる熱処理工程とを有することを特徴とするA15型超
電導導体の製造方法。 - 【請求項14】Nb金属管あるいはNb基合金管中に酸
化物粒子を表面に形成したAl金属棒あるいはAl基合
金棒を挿入し、複合化する複合化工程と、 前記複合体を細線化し複合線を製造する細線化工程と、 前記複合線を熱処理を施し、Nb3Al 系超電導相を形
成させる熱処理工程とを有することを特徴とするNb3
Al 系超電導導体の製造方法。 - 【請求項15】A15型超電導導体を構成する少なくと
も2種類以上の元素の内NbとVを除く元素を有する金
属棒あるいは該基合金棒の表面に酸化物粒子を構成する
元素を含んだ金属膜を形成し、Nb金属管あるいはNb
基合金管、またはV金属管あるいはV基合金管中に挿
入,複合化する複合化工程と、 前記複合体を細線化し複合線を製造する細線化工程と、 前記複合線を熱処理を施し、A15型超電導相を形成さ
せる熱処理工程とを有することを特徴とするA15型超
電導導体の製造方法。 - 【請求項16】Al金属棒あるいはAl基合金棒の表面
に酸化物粒子を構成する元素を含んだ金属膜を形成し、
Nb金属管あるいはNb基合金管中に挿入,複合化する
複合化工程と、 前記複合体を細線化し複合線を製造する細線化工程と、 前記複合線を熱処理を施し、Nb3Al 系超電導相を形
成させる熱処理工程とを有することを特徴とするNb3
Al 系超電導導体の製造方法。 - 【請求項17】請求項9,11,13あるいは15のい
ずれかに記載のA15型超電導導体の製造方法であっ
て、該細線化工程が銅あるいは銅合金からなる金属シー
スに複合体を内蔵させて細線化することを特徴とするA
15型超電導導体の製造方法。 - 【請求項18】請求項10,12,14あるいは16の
いずれかに記載のNb3Al 系超電導導体の製造方法で
あって、該細線化工程が銅あるいは銅合金からなる金属
シースに複合体を内蔵させて細線化することを特徴とす
るNb3Al 系超電導導体の製造方法。 - 【請求項19】請求項1,3,5あるいは7のいずれか
に記載のA15型超電導導体をコイル状に巻線すること
により作製された超電導マグネットと電源及び前記超電
導マグネットを低温冷媒に浸漬するためのクライオスタ
ットを有する超電導マグネット装置。 - 【請求項20】請求項2,4,6あるいは8のいずれか
に記載のNb3Al 系超電導導体をコイル状に巻線する
ことにより作製された超電導マグネットと電源及び前記
超電導マグネットを低温冷媒に浸漬するためのクライオ
スタットを有する超電導マグネット装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6127293A JPH07335052A (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | A15型超電導導体及びその製造方法 |
EP95108484A EP0693329A3 (en) | 1994-06-09 | 1995-06-02 | Roll shifting device and roll width adjusting device therefor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6127293A JPH07335052A (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | A15型超電導導体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07335052A true JPH07335052A (ja) | 1995-12-22 |
Family
ID=14956384
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6127293A Pending JPH07335052A (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | A15型超電導導体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07335052A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007042455A (ja) * | 2005-08-03 | 2007-02-15 | Kobe Steel Ltd | Nb3Al系超電導線材の製造方法、Nb3Al系超電導線材製造用一次複合材及びその製造方法、並びにNb3Al系超電導線材製造用多芯複合材 |
CN114540690A (zh) * | 2022-02-24 | 2022-05-27 | 福建师范大学 | 一种制备高性能Nb3(Al,Ge) 超导体的方法 |
-
1994
- 1994-06-09 JP JP6127293A patent/JPH07335052A/ja active Pending
Cited By (3)
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