JPH11102617A - Nb3Al系化合物超電導体及びその製造方法 - Google Patents

Nb3Al系化合物超電導体及びその製造方法

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JPH11102617A
JPH11102617A JP9264090A JP26409097A JPH11102617A JP H11102617 A JPH11102617 A JP H11102617A JP 9264090 A JP9264090 A JP 9264090A JP 26409097 A JP26409097 A JP 26409097A JP H11102617 A JPH11102617 A JP H11102617A
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JP
Japan
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barrier layer
diffusion barrier
compound superconductor
composite
based compound
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JP9264090A
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Kunihiro Fukuda
州洋 福田
Genzo Iwaki
源三 岩城
Shuji Sakai
修二 酒井
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臨界電流密度特性に優れたNb3 Al系化合
物超電導体及びその製造方法を提供するものである。 【解決手段】 マトリックス19中に複数本のNb3
lフィラメントが配置されたNb3 Al系化合物超電導
体において、上記各Nb3 Alフィラメントを形成する
ためのNb/Alフィラメント20の外周部及び/又は
該Nb/Alフィラメント20の束の内・外周に拡散障
壁層を形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Nb3 Al系化合
物超電導体及びその製造方法に係り、特に、高磁界マグ
ネットに用いられるNb3 Al系化合物超電導体及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Nb3 Al系化合物超電導体は、Nb3
Sn、NbTiと比較して、高磁界下における臨界電流
密度および耐歪み特性が良好であり、特に、高磁界特性
に優れているため、Nb3 Al系化合物超電導体は物性
研究用NMRマグネットなどの超電導材料として期待さ
れている。
【0003】Nb3 Al超電導体の製法は、Nb/Al
部を1,500℃以上の温度まで加熱し、その後すぐに
急冷することでNb3 Al相を析出させる析出法と、N
bおよびAlを数十〜数百μmオーダーの粉末体に微細
化し、その後、析出法と比較すると比較的低温である6
00〜1,050℃の温度でNb3 Alを拡散反応させ
る拡散法の2つが挙げられる。
【0004】ここで、Nb3 Al系化合物超電導体を2
0T以上の高磁界下で使用する場合を考えると、上部臨
界磁場が高いということが必要となる。この時、拡散法
により作製したNb3 Al系化合物超電導体は、化学量
論組成からのズレが大きくなるため上部臨界磁場が低く
なり、その結果、20T以上の高磁界下での実用的な使
用が困難となる。このような理由により、化学量論組成
に近く、上部臨界磁場の高いNb3 Al系化合物超電導
体は、析出法を用いて作製することが望ましい。
【0005】析出法による従来のNb3 Al系化合物超
電導体の製造方法の工程図を図5に示す。図5(a)
は、単芯ビレットの横断面図を示し、図5(b)は、N
b/Al複合単芯線材の斜視図を示し、図5(c)は、
多芯ビレットの斜視図を示し、図5(d)は、Nb/A
l複合多芯線材の横断面図を示している。
【0006】従来のNb3 Al系化合物超電導体の製造
方法は、例えば、図5(a)に示すように、純Nbまた
はNb基合金シート材(以下、Nbシート材と呼ぶ)5
1と純AlまたはAl基合金シート材(以下、Alシー
ト材と呼ぶ)52を積層すると共に、Nbシート材51
を内側にして巻芯55に密巻きしてNb/Al積層体を
形成し、そのNb/Al積層体の外周にマトリックスと
なる第1Nb層57を形成した後、第1Cu管体58の
内部に挿入して単芯ビレット59を形成する。
【0007】次に、この単芯ビレット59に減面加工を
施して横断面六角形状に形成すると共に、第1Cu外皮
を除去し、図5(b)に示すように、Nb/Al複合単
芯線材61を形成する。その後、図5(c)に示すよう
に、Nb/Al複合単芯線材61を複数本束ねると共
に、Nb/Al複合単芯線材61の束の外周にマトリッ
クスとなる第2Nb層62を形成した後、第2Cu管体
63の内部に挿入して多芯ビレット64を形成する。
【0008】次に、この多芯ビレット64に減面加工を
施すと共に、第2Cu外皮を除去し、図5(d)に示す
ように、Nbマトリックス69中に複数本のNb/Al
フィラメント70が配置されたNb/Al複合多芯線材
68を形成する。
【0009】このNb/Al複合多芯線材68を、通電
加熱により1,500〜2,000℃の高温に短時間で
加熱した後、すぐに急冷処理(以下、急熱・急冷処理と
呼ぶ)を施すことによりNb−Al過飽和固溶体(図示
せず)を生成し、更に2次熱処理を施すことでNb−A
l過飽和固溶体中にNb3 Al相を析出させる。
【0010】ここで、急熱・急冷処理後のNb−Al過
飽和固溶体には延性があるため、コイル巻線などの加工
は、この段階で行うことができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示したように、従来の析出法においては、Nb3 Al相
を形成するためのNb/Al積層体の周囲またはNb/
Al複合単芯線61の束の外周にマトリックスとなる第
1Nb層57または第2Nb相62を直接形成している
ため、急熱・急冷処理時にNb/Al積層体中のAlが
マトリックス中に拡散し、Nb/Alフィラメント70
とNbマトリックス69との界面付近のNb−Al過飽
和固溶体はNbリッチとなってしまう。
【0012】その後の二次熱処理においてAlがマトリ
ックス中に拡散するため、化学量論組成からずれたNb
リッチのNb3 Al相が析出してしまい、上部臨界磁場
及び臨界電流密度が低くなってしまうという問題点があ
った。
【0013】そこで本発明は、上記課題を解決し、臨界
電流密度特性に優れたNb3 Al系化合物超電導体及び
その製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、マトリックス中に複数本のNb3
Alフィラメントが配置されたNb3 Al系化合物超電
導体において、上記各Nb3 Alフィラメントを形成す
るためのNb/Alフィラメントの外周部及び/又は該
Nb/Alフィラメントの束の内・外周に拡散障壁層を
形成したものである。
【0015】請求項2の発明は、巻芯に純NbまたはN
b基合金シート材と純AlまたはAl基合金シート材を
積層・密巻きしてNb/Al積層体を形成し、そのNb
/Al積層体の外周に第1拡散障壁層を形成した後、第
1Cu管体内部に挿入して単芯ビレットを形成し、その
単芯ビレットに減面加工を施すと共に、第1Cu外皮を
除去してNb/Al複合単芯線を形成し、そのNb/A
l複合単芯線を複数本束ねると共に、その外周に第2拡
散障壁層を形成した後、第2Cu管体内部に挿入して多
芯ビレットを形成し、その多芯ビレットに減面加工を施
すと共に、第2Cu外皮を除去してNb/Al複合多芯
線を形成し、そのNb/Al複合多芯線に急熱・急冷処
理を施してNb−Al過飽和固溶体を形成し、その後、
Nb−Al過飽和固溶体からNb3 Al相を析出させる
ための二次熱処理を施すものである。
【0016】請求項3の発明は、上記急熱・急冷処理
が、1,500℃以上の高温で短時間の急速加熱を施し
た後、急速冷却するものである請求項2記載のNb3
l系化合物超電導体の製造方法である。
【0017】請求項4の発明は、上記二次熱処理を、6
50〜1,050℃の温度範囲で施す請求項2記載のN
3 Al系化合物超電導体の製造方法である。
【0018】請求項5の発明は、上記第1Cu管体およ
び上記第2Cu管体が、工業用純CuまたはCu基合金
からなる請求項2記載のNb3 Al系化合物超電導体の
製造方法である。
【0019】請求項6の発明は、上記第1拡散障壁層の
外周に、第1Nb層を形成する請求項2記載のNb3
l系化合物超電導体の製造方法である。
【0020】請求項7の発明は、上記第2拡散障壁層の
外周に第2Nb層を形成する請求項2記載のNb3 Al
系化合物超電導体の製造方法である。
【0021】請求項8の発明は、上記巻芯が、Nbロッ
ド材の外周に第3拡散障壁層を形成したものである請求
項2記載のNb3 Al系化合物超電導体の製造方法であ
る。
【0022】請求項9の発明は、上記巻芯が、第3拡散
障壁層の単層からなる請求項2記載のNb3 Al系化合
物超電導体の製造方法である。
【0023】請求項10の発明は、上記第1拡散障壁
層、上記第2拡散障壁層、および上記第3拡散障壁層
が、管体またはシート材で形成される請求項2、および
請求項6乃至請求項8記載のNb3 Al系化合物超電導
体の製造方法である。
【0024】請求項11の発明は、上記第1拡散障壁
層、上記第2拡散障壁層、および上記第3拡散障壁層
が、Ta、Ti、Zr、Hf、V、Mo、W又はそれら
の合金からなる請求項2、および請求項6乃至請求項1
0記載のNb3 Al系化合物超電導体の製造方法であ
る。
【0025】請求項12の発明は、上記Nb/Al複合
単芯線を束ねる際に、その中心に拡散障壁層として金属
ロッド材を配置する請求項2記載のNb3 Al系化合物
超電導体の製造方法である。
【0026】請求項13の発明は、上記金属ロッド材
が、Nb、Ta、Ti、Zr、Hf、V、Mo、W又は
それらの合金或いはそれらの複合材からなる請求項12
記載のNb3 Al系化合物超電導体の製造方法である。
【0027】以上の構成によれば、マトリックス中に複
数本のNb3 Alフィラメントが配置されたNb3 Al
系化合物超電導体において、上記各Nb3 Alフィラメ
ントを形成するためのNb/Alフィラメントの外周部
及び/又は該Nb/Alフィラメントの束の内・外周に
拡散障壁層を形成したため、臨界電流密度特性に優れた
Nb3 Al系化合物超電導体となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0029】本発明のNb3 Al系化合物超電導体は、
マトリックス中に複数本配置されたNb3 Alフィラメ
ントの外周部及び/又はNb3 Alフィラメントの束の
外周に拡散障壁層を形成したものである。
【0030】マトリックスとしては、Nb又はその合金
が挙げられるが、Nb3 Alフィラメントの束の外周に
形成する拡散障壁層のみでマトリックスを形成したNb
3 Al系化合物超電導体であってもよい。
【0031】拡散障壁層の材質としては、Ta、Ti、
Zr、Hf、V、Mo、W又はそれらの合金などが挙げ
られる。
【0032】次に、本発明の製造方法を説明する。
【0033】本発明のNb3 Al系化合物超電導体の製
造方法の工程図を図1に示す。図1(a)、(b)は、
単芯ビレットの横断面図を示し、図1(c)は、Nb/
Al複合単芯線材の斜視図を示し、図1(d)、
(e)、(f)は、多芯ビレットの斜視図を示し、図1
(g)は、Nb/Al複合多芯線材の横断面図を示して
いる。
【0034】本発明のNb3 Al系化合物超電導体の製
造方法は、図1(a)に示すように、先ず、巻芯5にN
bシート材1とAlシート材2を積層・密巻きしてNb
/Al積層体を形成する。その後、Nb/Al積層体の
外周に第1拡散障壁層6を形成すると共に、第1拡散障
壁層6の外周にマトリックスとなる第1Nb層7を形成
した後、第1Cu管体8の内部に挿入して単芯ビレット
9を形成する。
【0035】巻芯5はNbロッド材3の外周に第3拡散
障壁層4を形成したものである。また、第3拡散障壁層
4、第1拡散障壁層6、および第1Nb層7の形成方法
としては、シート材を巻き付ける方法、または管体を用
いる方法が挙げられる。
【0036】ここで、図1(b)に示すように、第1拡
散障壁層6が外周に形成されたNb/Al積層体を、直
接、第1Cu管体8の内部に挿入した単芯ビレット10
であってもよい。
【0037】次に、単芯ビレット9に減面加工を施して
横断面六角形状に形成すると共に、第1Cu外皮を除去
し、図1(c)に示すように、Nb/Al複合単芯線材
11を形成する。その後、図1(d)に示すように、N
b/Al複合単芯線材11を複数本束ねると共に、Nb
/Al複合単芯線材11の束の外周にマトリックスとな
る第2Nb層12を形成した後、第2Cu管体13の内
部に挿入して多芯ビレット15を形成する。
【0038】ここで、図1(e)に示すように複数本の
Nb/Al複合単芯線材11の束の外周に第2拡散障壁
層14を形成すると共に、第2拡散障壁層14の外周に
マトリックスとなる第2Nb層12を形成した後、第2
Cu管体13の内部に挿入した多芯ビレット16、また
は、図1(f)に示すように、複数本のNb/Al複合
単芯線材11の束の外周に第2拡散障壁層14を形成し
た後、第2Cu管体13の内部に挿入した多芯ビレット
17であってもよい。
【0039】第1拡散障壁層6、第2拡散障壁層14、
および第3拡散障壁層4の材質としては、Ta、Ti、
Zr、Hf、V、Mo、W又はそれらの合金などが挙げ
られる。
【0040】次に、多芯ビレット15に減面加工を施す
と共に、第2Cu外皮を除去し、図1(g)に示すよう
に、Nbマトリックス19中に複数本のNb/Alフィ
ラメント20が配置されたNb/Al複合多芯線材18
を形成する。
【0041】急熱・急冷処理装置の模式図を図2に示
す。
【0042】図2に示すように、Nb/Al複合多芯線
材18は、供給リール21aから供給され、ガイドリー
ル22およびCu電極リール23a,23bを介して巻
取リール21bに巻き取られる。
【0043】ここで、Cu電極リール23bは、Ga浴
24中の液体Ga25に半分ほど浸されている。また、
Cu電極リール23a,23bにはそれぞれ定電圧直流
電源28が接続されており、Cu電極リール23a側が
マイナス極、Cu電極リール23b側がプラス極となっ
ている。さらに、レコーダ27により電圧値および電流
値を測定、観測、および制御できるようになっている。
【0044】略真空状態の密閉空間内(例えば、真空
度:2.66×10-3Pa)を一定の速度(例えば、1
m/s)で走行するNb/Al複合多芯線材18に、C
u電極リール23a,23b間において通電して約1,
500℃以上に加熱する。加熱されたNb/Al複合多
芯線材18を、その後すぐに液体Ga25中に導入して
急冷する(例えば、約40℃)。
【0045】この急熱急冷処理によって、Nb/Al複
合多芯線材18からNb−Al過飽和固溶体26が生成
する。2次熱処理を施すことでNb−Al過飽和固溶体
26からNb3 Al相を析出させる。
【0046】すなわち、本発明のNb3 Al系化合物超
電導体の製造方法によれば、マトリックス中に複数本配
置されたNb3 Alフィラメントを形成するためのNb
/Alフィラメントの外周部及び/又はNb/Alフィ
ラメントの束の内・外周に拡散障壁層を形成したNb/
Al複合多芯線材を用いてNb−Al過飽和固溶体を生
成させるため、Nb−Al過飽和固溶体生成時および二
次熱処理時におけるAlのマトリックス中への拡散を防
止することができる。
【0047】Nb−Al過飽和固溶体生成時および二次
熱処理時におけるAlのマトリックス中への拡散が防止
されるため、化学量論組成に近いNb−Al過飽和固溶
体を生成することができ、高磁界下における臨界電流密
度特性に優れたNb3 Al系化合物超電導体を得ること
ができる。
【0048】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。
【0049】第1の実施の形態のNb3 Al系化合物超
電導体の製造方法における単芯ビレットの横断面図を図
3に示す。尚、図1と同様の部材には同じ符号を付して
いる。
【0050】本発明のNb3 Al系化合物超電導体の製
造方法においては、巻芯としてNbロッド材の外周に第
3拡散障壁層を形成したものを用いていた。
【0051】第1の実施の形態のNb3 Al系化合物超
電導体の製造方法における単芯ビレット39は、図3に
示すように、第3拡散障壁層の単層からなる巻芯35に
Nbシート材1とAlシート材2を積層・密巻きしてN
b/Al積層体を形成する。その後、Nb/Al積層体
の外周に第1拡散障壁層6を形成した後、第1Cu管体
8の内部に挿入してなるものである。
【0052】第2の実施の形態のNb3 Al系化合物超
電導体の製造方法におけるNb/Al複合多芯線材の横
断面図を図4に示す。尚、図1と同様の部材には同じ符
号を付している。
【0053】本発明のNb3 Al系化合物超電導体の製
造方法においては、Nb/Al複合多芯線材のみで形成
された束を用いて多芯ビレットを形成し、その多芯ビレ
ットを用いてNb/Al複合多芯線材を形成していた。
【0054】第2の実施の形態のNb3 Al系化合物超
電導体の製造方法におけるNb/Al複合多芯線材48
は、図4に示すように、中心に金属ロッド材が配置され
た多芯ビレットに減面加工を施して、Nbマトリックス
19中に複数本のNb/Alフィラメント20が略同心
円状に配置されたものである。
【0055】金属ロッド材の材質としては、Nb、T
a、Ti、Zr、Hf、V、Mo、W又はそれらの合金
或いはそれらの複合材などが挙げられる。
【0056】
【実施例】
(実施例1)先ず、NbロッドをTa管体内に挿入して
なる巻芯に、Nbシート材とAlシート材を積層・密巻
きしてNb/Al積層体を形成する。その後、Nb/A
l積層体を、Ta管体、Nb管体、Cu管体の内部に順
次挿入して単芯ビレットを形成する。
【0057】次に、単芯ビレットに減面加工を施して横
断面六角形状とすると共に、Cu外皮を除去し、Nb/
Al複合単芯線材を形成する。その後、Nb/Al複合
単芯線材を36本束ねると共に、Nb管体、Cu−Ni
管体の内部に順次挿入して多芯ビレットを形成する。
【0058】次に、多芯ビレットに減面加工を施すと共
に、Cu−Ni外皮を除去し、その後、撚線加工を施し
て、直径0.84mmのNb/Al複合多芯線材を形成
する。
【0059】(実施例2)実施例1と同様にして形成し
たNb/Al複合単芯線材を55本束ねると共に、Ta
管体、Nb管体、Cu−Ni管体の内部に順次挿入して
多芯ビレットを形成する。
【0060】次に、多芯ビレットに減面加工を施すと共
に、Cu−Ni外皮を除去し、その後、撚線加工を施し
て、直径0.84mmのNb/Al複合多芯線材を形成
する。
【0061】(実施例3)実施例1と同様にして形成し
たNb/Al複合単芯線材を55本束ねると共に、Ta
管体、Cu−Ni管体の内部に順次挿入して多芯ビレッ
トを形成する。
【0062】次に、多芯ビレットに減面加工を施すと共
に、Cu−Ni外皮を除去し、その後、撚線加工を施し
て、直径0.84mmのNb/Al複合多芯線材を形成
する。
【0063】(実施例4)実施例1と同様にして形成し
たNb/Al積層体を、Ta管体、Cu管体の内部に順
次挿入して単芯ビレットを形成する。
【0064】その後は、実施例1と同様にして、直径
0.84mmのNb/Al複合多芯線材を形成する。
【0065】(実施例5)実施例1と同様にして形成し
たNb/Al積層体を、Ta管体、Cu管体の内部に順
次挿入して単芯ビレットを形成する。
【0066】その後は、実施例2と同様にして、直径
0.84mmのNb/Al複合多芯線材を形成する。
【0067】(実施例6)実施例1と同様にして形成し
たNb/Al積層体を、Ta管体、Cu管体の内部に順
次挿入して単芯ビレットを形成する。
【0068】その後は、実施例3と同様にして、直径
0.84mmのNb/Al複合多芯線材を形成する。
【0069】(実施例7)先ず、Taロッドからなる巻
芯に、Nbシート材とAlシート材を積層・密巻きして
Nb/Al積層体を形成する。
【0070】その後は、実施例6と同様にして、直径
0.84mmのNb/Al複合多芯線材を形成する。
【0071】(実施例8)実施例1と同様にして形成し
たNb/Al複合単芯線材を、Nbロッドを中心に配置
して48本束ねると共に、Nb管体、Cu−Ni管体の
内部に順次挿入して多芯ビレットを形成する。
【0072】その後は、実施例1と同様にして、直径
0.84mmのNb/Al複合多芯線材を形成する。
【0073】(実施例9)実施例1と同様にして形成し
たNb/Al複合単芯線材を、Taロッドを中心に配置
して48本束ねると共に、Nb管体、Cu−Ni管体の
内部に順次挿入して多芯ビレットを形成する。
【0074】その後は、実施例1と同様にして、直径
0.84mmのNb/Al複合多芯線材を形成する。
【0075】(比較例1)先ず、Nbロッドからなる巻
芯に、Nbシート材とAlシート材を積層・密巻きして
Nb/Al積層体を形成する。その後、Nb/Al積層
体を、Nb管体、Cu管体の内部に順次挿入して単芯ビ
レットを形成する。
【0076】次に、単芯ビレットに減面加工を施して横
断面六角形状とすると共に、Cu外皮を除去し、Nb/
Al複合単芯線材を形成する。その後、Nb/Al複合
単芯線材を、Nbロッドを中心に配置して48本束ねる
と共に、Nb管体、Cu−Ni管体の内部に順次挿入し
て多芯ビレットを形成する。
【0077】その後は、実施例1と同様にして、直径
0.84mmのNb/Al複合多芯線材を形成する。
【0078】実施例1〜実施例9および比較例1の各N
b/Al複合多芯線材における単芯ビレットおよび多芯
ビレットの諸元を表1に示す。ここで、各Nb/Al複
合多芯線材は、単芯線材のマトリックス比が0.2、多
芯線材のマトリックス比が1となっており、拡散障壁層
もマトリックスと見なしている。
【0079】
【表1】
【0080】次に、実施例1〜実施例9および比較例1
の各Nb/Al複合多芯線材に、約2,000℃の温度
で短時間加熱後、約40℃に急冷する自己通電加熱処理
を施し、その後、800℃×10hrの二次熱処理を施
して、Nb3 Al系化合物超電導材を作製した。
【0081】各Nb3 Al系化合物超電導材の外部磁場
22Tにおける非マトリックス部の臨界電流密度を評価
した。ここで、臨界電流密度は、1μV/cm基準で評
価した。
【0082】実施例1〜実施例9の各Nb/Al複合多
芯線材を用いて作製したNb3 Al系化合物超電導材に
おける非マトリックス部の臨界電流密度は、200A/
mm2 以上となり、比較例1のNb/Al複合多芯線材
を用いて作製したNb3 Al系化合物超電導材における
非マトリックス部の臨界電流密度(約130A/m
2 )と比較すると、50%以上の臨界電流密度の向上
が観測された。
【0083】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、マトリッ
クス中に複数本配置されたNb3 Alフィラメントを形
成するためのNb/Alフィラメントの外周部及び/又
はNb/Alフィラメントの束の内・外周に拡散障壁層
を形成したNb/Al複合多芯線材を用いてNb−Al
過飽和固溶体を生成させることで、高磁界下における臨
界電流密度特性に優れたNb3 Al系化合物超電導体を
得ることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のNb3 Al系化合物超電導体の製造方
法の工程図である。
【図2】急熱・急冷処理装置の模式図である。
【図3】第1の実施の形態のNb3 Al系化合物超電導
体の製造方法における単芯ビレットの横断面図である。
【図4】第2の実施の形態のNb3 Al系化合物超電導
体の製造方法におけるNb/Al複合多芯線材の横断面
図である。
【図5】従来のNb3 Al系化合物超電導体の製造方法
の工程図である。
【符号の説明】
1 Nbシート材(純NbまたはNb基合金シート材) 2 Alシート材(純AlまたはAl基合金シート材) 3 Nbロッド材 4 第3拡散障壁層 5,35 巻芯 6 第1拡散障壁層 7 第1Nb層 8 第1Cu管体 9,10,39 単芯ビレット 11 Nb/Al複合単芯線 12 第2Nb層 13 第2Cu管体 14 第2拡散障壁層 15,16,17 多芯ビレット 18,48 Nb/Al複合多芯線 19 マトリックス 20 Nb/Alフィラメント 26 Nb−Al過飽和固溶体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 661 C22F 1/00 661A 686 686B 691 691A 691B 691C 692 692A

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス中に複数本のNb3 Alフ
    ィラメントが配置されたNb3 Al系化合物超電導体に
    おいて、上記各Nb3 Alフィラメントを形成するため
    のNb/Alフィラメントの外周部及び/又は該Nb/
    Alフィラメントの束の内・外周に拡散障壁層を形成し
    たことを特徴とするNb3 Al系化合物超電導体。
  2. 【請求項2】 巻芯に純NbまたはNb基合金シート材
    と純AlまたはAl基合金シート材を積層・密巻きして
    Nb/Al積層体を形成し、そのNb/Al積層体の外
    周に第1拡散障壁層を形成した後、第1Cu管体内部に
    挿入して単芯ビレットを形成し、その単芯ビレットに減
    面加工を施すと共に、第1Cu外皮を除去してNb/A
    l複合単芯線を形成し、そのNb/Al複合単芯線を複
    数本束ねると共に、その外周に第2拡散障壁層を形成し
    た後、第2Cu管体内部に挿入して多芯ビレットを形成
    し、その多芯ビレットに減面加工を施すと共に、第2C
    u外皮を除去してNb/Al複合多芯線を形成し、その
    Nb/Al複合多芯線に急熱・急冷処理を施してNb−
    Al過飽和固溶体を形成し、その後、Nb−Al過飽和
    固溶体からNb3 Al相を析出させるための二次熱処理
    を施すことを特徴とするNb3 Al系化合物超電導体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 上記急熱・急冷処理が、1,500℃以
    上の高温で短時間の急速加熱を施した後、急速冷却する
    ものである請求項2記載のNb3 Al系化合物超電導体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記二次熱処理を、650〜1,050
    ℃の温度範囲で施す請求項2記載のNb3 Al系化合物
    超電導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記第1Cu管体および上記第2Cu管
    体が、工業用純CuまたはCu基合金からなる請求項2
    記載のNb3 Al系化合物超電導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記第1拡散障壁層の外周に、第1Nb
    層を形成する請求項2記載のNb3 Al系化合物超電導
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記第2拡散障壁層の外周に第2Nb層
    を形成する請求項2記載のNb3 Al系化合物超電導体
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記巻芯が、Nbロッド材の外周に第3
    拡散障壁層を形成したものである請求項2記載のNb3
    Al系化合物超電導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記巻芯が、第3拡散障壁層の単層から
    なる請求項2記載のNb3 Al系化合物超電導体の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 上記第1拡散障壁層、上記第2拡散障
    壁層、および上記第3拡散障壁層が、管体またはシート
    材で形成される請求項2、および請求項6乃至請求項8
    記載のNb3 Al系化合物超電導体の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記第1拡散障壁層、上記第2拡散障
    壁層、および上記第3拡散障壁層が、Ta、Ti、Z
    r、Hf、V、Mo、W又はそれらの合金からなる請求
    項2、および請求項6乃至請求項10記載のNb3 Al
    系化合物超電導体の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記Nb/Al複合単芯線を束ねる際
    に、その中心に拡散障壁層として金属ロッド材を配置す
    る請求項2記載のNb3 Al系化合物超電導体の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 上記金属ロッド材が、Nb、Ta、T
    i、Zr、Hf、V、Mo、W又はそれらの合金或いは
    それらの複合材からなる請求項12記載のNb3 Al系
    化合物超電導体の製造方法。
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