JPH07335034A - 絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線

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JPH07335034A
JPH07335034A JP12410294A JP12410294A JPH07335034A JP H07335034 A JPH07335034 A JP H07335034A JP 12410294 A JP12410294 A JP 12410294A JP 12410294 A JP12410294 A JP 12410294A JP H07335034 A JPH07335034 A JP H07335034A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ester
imide
insulated wire
coating material
electric wire
Prior art date
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Pending
Application number
JP12410294A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihito Watabe
俊仁 渡部
Shigeru Amano
茂 天野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Filing date
Publication date
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Priority to JP12410294A priority Critical patent/JPH07335034A/ja
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Pending legal-status Critical Current

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  • Insulated Conductors (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易であり、作業性および生産効率の
向上が可能で、かつ塗料が発泡することに起因する外観
不良が生じることが少なく、耐摩耗性、耐加工性が優れ
た絶縁電線の提供。 【構成】 エステル変性させたポリアミドイミドであっ
て、かつエステル変性の割合が2〜30%であるエステ
ル変性ポリアミドイミドからなる塗料を、導体2上に絶
縁皮膜3を介して最外層に塗布、焼付けて潤滑層4を形
成してなる絶縁電線1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性、耐加工劣化
性に優れた絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】電動機、変圧器などの製造においては、
その迅速化のために絶縁電線の巻線に高速自動巻機を導
入し、高速で絶縁電線を巻回することが普及している。
このため、絶縁電線の取扱いが非常に過酷な条件下で行
われるようになってきている。ところで、高速巻線加工
によりコイルを形成するに際しては、絶縁電線の表面の
潤滑性が不足すると、絶縁電線に大きな張力が加わり機
械的損傷等を受け易く、得られたコイルの信頼性が低下
し易い欠点があるうえ、巻線加工における作業性が非常
に悪く、絶縁電線を緻密に巻回して所望のコイルを得る
ことが困難であった。このようなことから、絶縁電線の
信頼性を維持しつつ、高速巻線加工を容易に行うことが
できるようにするために、耐摩耗性、耐加工劣化特性が
優れた絶縁電線が要望されている。これを解決する手段
として、ポリアミドイミドからなる塗料を、導体上に絶
縁皮膜を介して最外層に塗布、焼付け、潤滑層を形成し
た絶縁電線がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の絶縁電線にあっては、製造時の塗料の焼き付け工程に
おいて、絶縁皮膜を形成するために用いる絶縁塗料の焼
き付け温度範囲と、上記ポリアミドイミドからなる塗料
の焼き付け温度範囲とがオーバラップする幅が小さいた
め、製造条件の幅が狭く、製造が困難であった。また、
ポリアミドイミドからなる塗料は塗布、焼き付け時に発
泡し易いため、作業性が悪く、さらに得られる絶縁電線
に上記塗料の発泡に起因する外観不良が生じ易かった。
そして、このような外観不良がある絶縁電線は、耐摩耗
性、耐加工劣化性が著しく低くなってしまうという問題
があった。そこで、ポリアミドイミドからなる塗料の発
泡を少なくするために、ポリアミドイミドからなる塗料
を塗布する際、薄く多数回にわけて行っていたが、生産
効率が悪かった。
【0004】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、製造が容易であり、作業性および生産効率の向上が
可能で、かつ塗料が発泡することに起因する外観不良が
生じることが少なく、耐摩耗性、耐加工性が優れた絶縁
電線を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、エステル
変性させたポリアミドイミドであって、かつエステル変
性の割合が2〜30%であるエステル変性ポリアミドイ
ミドからなる塗料を、導体上に絶縁皮膜を介して最外層
に塗布、焼付けて潤滑層を形成し絶縁電線とすることで
解決される。
【0006】以下、本発明を詳しく説明する。図1は本
発明の絶縁電線の一例を示した断面図である。この絶縁
電線1は、銅などからなる導体2と、絶縁被膜3と、潤
滑層4とからなるものである。
【0007】絶縁被膜3は、ポリアミドイミド、ポリエ
ステル、ポリエステルイミド、ポリウレタン、ポリビニ
ルホルマール、ポリヒダントイン、ポリエステルアミド
イミド、ポリエステルアミド、ポリアミド、ポリビニル
ブチラール、エポキシなどの周知の絶縁塗料を導体2上
に塗布、焼付けして形成されたものである。
【0008】上記潤滑層4は、エステル変性ポリアミド
イミドからなる塗料を塗布,焼付けして形成されたもの
である。
【0009】上記エステル変性ポリアミドイミドとして
は、エステル変性させたポリアミドイミドであって、か
つエステル変性の割合が2〜30%のものが用いられ
る。ここでのエステル変性させたポリアミドイミドと
は、主鎖の繰り返し単位中にイミド結合とアミド結合を
有する高分子であり、かつ分子中にエステル結合を有す
るもののことをいう。また、エステル変性の割合とは、
分子中のエステル結合の割合のことをいう。エステル変
性ポリアミドイミド中のエステル変性の割合が30%を
超えると、得られる絶縁電線の耐加工劣化性が低下して
しまう。一方、2%未満であると、得られる絶縁電線に
外観不良が生じ易い。
【0010】上記エステル変性ポリアミドイミドの具体
例としては、テレベック800(商品名;大日精化株式
会社製、エステル変性の割合約数%)、ペディグリ−9
81−85(商品名;P.D.ジョージ社製、エステル
変性の割合約8%)、テレベック600(商品名;大日
精化株式会社製、エステル変性の割合約30%)等が挙
げられる。
【0011】上記エステル変性ポリアミドイミドの合成
法としては、例えば、ポリアミドイミド化合物は、ジイ
ソシアネート類(例えばジフェニルメタンジイソシアネ
ートなど)とトリカルボン酸類(例えば無水トリメリッ
ト酸など)を反応させることにより得られ、変性基のポ
リエステル化合物はトリカルボン酸類またはジカルボン
酸類(例えばコハク酸、無水フタル酸、イソフタル酸な
ど)と2価アルコール類(例えばエチレングリコール、
ジエチレングリコールなど)または多価アルコール類
(例えばペンタエリスリトール、グリセリンなど)を反
応させることで行われる。
【0012】この発明においてエステル変性ポリアミド
イミドからなる塗料とは、上記エステル変性ポリアミド
イミドの重合体溶液そのもの、あるいはその重合体溶液
に特性を損なわない範囲で、その他の熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂、フィラー、顔料、染料等の一種または二種
以上を加えてなるものである。
【0013】このようなエステル変性ポリアミドイミド
からなる塗料を、通常、導体1上に絶縁皮膜3を介して
その最外層に塗布し、焼き付けて潤滑層4を形成すると
絶縁電線1が得られる。上記潤滑層4の層厚は、4〜1
9μm程度とされる。層厚が4μmより薄いと耐摩耗性
が低下する恐れがあり、一方、19μmより厚いと外観
不良を生じる恐れがある。
【0014】この絶縁電線1にあっては、潤滑層を形成
するための塗料としてエステル変性させたポリアミドイ
ミドであって、かつエステル変性の割合が2〜30%で
あるエステル変性ポリアミドイミドからなる塗料を用い
たことより、該塗料の焼き付け温度範囲と絶縁皮膜3を
形成するために用いる絶縁塗料の焼き付け温度範囲とが
オーバラップする幅が大きくなるため、製造条件の幅が
広くなり、製造が容易となる。また、従来用いられてい
たポリアミドイミドからなる塗料に比べて、塗布、焼き
付け時に発泡が生じにくく、塗料の塗布を薄く多数回に
わけて行う必要もないため、作業性および生産効率の向
上が可能であり、さらに、塗料の発泡に起因する外観不
良が生じることも少ない。従って、このような絶縁電線
1は、耐摩耗性、耐加工劣化性に優れたものとなる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を示してさらに詳しく説明す
る。 (実施例1)絶縁皮膜を形成するための塗料としてアイ
ソミッド40SH−42(商品名;日本触媒株式会社
製、ポリエステルイミドワニス)を用意し、これを直径
1.0mmの導体2上に7回塗布し、焼き付けを行い、
膜厚39μmの絶縁被膜を形成した。次いで、潤滑層を
形成するための塗料としてペディグリ−981−85
(商品名;P.D.ジョージ社製、エステル変性の割合
約8%)を用意し、これを絶縁皮膜上に3回塗布し、焼
き付けを行い、層厚15μmの潤滑層を形成し、絶縁電
線を得た。
【0016】(実施例2)潤滑層を形成するための塗料
としてテレベック600(商品名;大日精化株式会社
製、エステル変性の割合約30%)を用いた以外は実施
例1と同様にして絶縁電線を得た。
【0017】(実施例3)潤滑層を形成するための塗料
としてテレベック800(商品名;大日精化株式会社
製、エステル変性の割合約数%)を用いた以外は実施例
1と同様にして絶縁電線を得た。
【0018】(比較例1)絶縁皮膜を形成するための塗
料としてアイソミッド40SH−42(商品名;日本触
媒株式会社製、ポリエステルイミドワニス)を用意し、
これを直径1.0mmの導体2上に7回塗布し、焼き付け
を行い、膜厚39μmの絶縁被膜を形成した。次いで、
潤滑層を形成するための塗料としてHI−4062−3
4(商品名;日立化成株式会社製、ポリアミドイミドワ
ニス)を用意し、これを絶縁皮膜上に3回塗布し、焼き
付けを行い、層厚15μmの潤滑層を形成し、絶縁電線
を得た。
【0019】(比較例2)潤滑層の層厚を12μmとし
た以外は比較例1と同様にして絶縁電線を得た。
【0020】(比較例3)潤滑層の層厚を9μmとした
以外は比較例1と同様にして絶縁電線を得た。
【0021】(比較例4)潤滑層を形成するための塗料
として、エステル変性量1%のエステル変性ポリアミド
イミドワニスを合成し、これを用いた以外は比較例1と
同様にして絶縁電線を得た。
【0022】(比較例5)潤滑層を形成するための塗料
としてエステル変性量35%のエステル変性ポリアミド
イミドワニスを合成し、これ用いた以外は比較例1と同
様にして絶縁電線を得た。
【0023】以上のようにして得られた実施例1〜3お
よび比較例1〜5の絶縁電線の特性をJIS C 30
03またはNEMA MW−1000に従って測定し
た。その結果を下記表1および表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表1および表2中、外観の評価基準は次の
通りである。 ○・・・・・・泡が発見されず。 △・・・・・・泡の単独の発生。 ×・・・・・・泡の連続的または無数の発生。 また、可撓性の評価基準は次の通りである。 ○・・・・・・8倍の拡大鏡で見たとき被膜の割れなし。 また、ヒートショックの評価基準は次の通りである。 ○・・・・・・8倍の拡大鏡で見たとき被膜の割れなし。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明の絶縁電線
は、潤滑層を形成するための塗料としてエステル変性さ
せたポリアミドイミドであって、かつエステル変性の割
合が2〜30%であるエステル変性ポリアミドイミドか
らなる塗料を用いたことより、該塗料の焼き付け温度範
囲と絶縁皮膜を形成するために用いる絶縁塗料の焼き付
け温度範囲とがオーバラップする幅が大きくなるため、
製造条件の幅が広くなり、製造が容易となる。また、従
来用いられていたポリアミドイミドからなる塗料に比べ
て、塗布、焼き付け時に発泡が生じにくく、塗料の塗布
を薄く多数回にわけて行う必要もないため、作業性およ
び生産効率の向上が可能であり、さらに、塗料の発泡に
起因する外観不良が生じることも少ない。従って、この
ような絶縁電線は、耐摩耗性、耐加工劣化性に優れると
いう利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の絶縁電線の一例を示した断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・絶縁電線、2・・・導体、3・・・絶縁被膜、4・・・潤滑
層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル変性させたポリアミドイミドで
    あって、かつエステル変性の割合が2〜30%であるエ
    ステル変性ポリアミドイミドからなる塗料を、導体上に
    絶縁皮膜を介して最外層に塗布、焼付けて潤滑層を形成
    してなる絶縁電線。
  2. 【請求項2】 上記潤滑層の厚みが4〜19μmである
    ことを特徴をする請求項1記載の絶縁電線。
JP12410294A 1994-06-06 1994-06-06 絶縁電線 Pending JPH07335034A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001059791A1 (fr) * 2000-02-10 2001-08-16 The Furukawa Electric Co., Ltd. Fil isole

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001059791A1 (fr) * 2000-02-10 2001-08-16 The Furukawa Electric Co., Ltd. Fil isole
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