JPH07333323A - レーダの多重反射による偽像判定システム - Google Patents

レーダの多重反射による偽像判定システム

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JPH07333323A
JPH07333323A JP6131903A JP13190394A JPH07333323A JP H07333323 A JPH07333323 A JP H07333323A JP 6131903 A JP6131903 A JP 6131903A JP 13190394 A JP13190394 A JP 13190394A JP H07333323 A JPH07333323 A JP H07333323A
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JP6131903A
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Kazuo Okamoto
和男 岡本
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経済的なシステムで誤判定が少なく信頼性が
高いレーダの多重反射による偽像判定システムを得るこ
と。 【構成】 レーダアンテナ11、レーダ送受信機12及
びレーダ信号処理装置13等を含むレーダ装置10と、
該レーダ装置の設置位置と所定距離を隔て予め設定され
た位置に設置され、前記レーダ装置が所定監視対象領域
内に送信した直接電波及び各物標からの反射電波をそれ
ぞれ受信する受信アンテナ21及びレーダ受信機22等
を含む受信装置20と、該受信装置が受信する直接電波
受信時刻から各物標からの反射電波受信時刻までの時間
をそれぞれ計測する時間計測器23と、前記計測した各
物標についての時間データをレーダ装置側へ符号化して
送信する符号化器26及びモデム27と、前記送信され
た時間データを通信回線30を介して受信するモデム1
5と、該モデム15から受信した時間データ、レーダ装
置と受信装置との既知の位置関係及びレーダ装置で検出
した映像距離から換算した時間データとに基づき偽像判
定をする偽像判定部134とを備えたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーダ電波の物標間の
多重反射により生じる偽像の判定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】偽像とは、JIS F0036造船用語
(航海機器編−レーダ)によれば、レーダ波の主ビーム
以外により又はレーダ波の物標による多重反射などによ
ってレーダ表示面に現れる不要映像であると定義されて
おり、本発明は、上記定義の後半に記載された、物標に
よる多重反射による偽像を判定するシステムに関するも
のである。
【0003】従来、多重反射による偽像判定方法として
は、例えば、それぞれ遠隔の異なる位置に設置された複
数のレーダ局が、同一の監視対象領域を異なる方向から
探索し、各レーダ局で得られたレーダ映像の各位置での
相関処理により、実在する実像か、偽像かを判別する方
法があった。例えばA局とB局の2つのレーダ局を異な
る位置に設けておいて、ある判別をしたい位置の映像が
A局のレーダとB局のレーダの両方で検知されれば、相
関装置の出力信号が得られるから、この映像は実像であ
ると判別され、また一方のレーダのみで検知され他方で
は全く検知されないときは、相関装置の出力信号は得ら
れないから、この映像は偽像であると判別される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うに同一の監視対象領域に複数のレーダ局を設置し、さ
らに複数のレーダ検知信号の相関処理装置を設けるの
は、システムが複雑で高価となり、一般的には採用でき
ないという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るレーダの多
重反射による偽像判定システムは、レーダ電波を送受信
し、物標を検出する自局のレーダ装置と、この自局のレ
ーダ装置の設置位置と所定距離を隔て予め設定された位
置に設置され、前記レーダ装置が所定監視対象領域内に
送信した直接電波及び前記領域内の各物標からの反射電
波をそれぞれ受信する受信装置と、この受信装置が受信
する直接電波受信時刻から各物標からの反射電波受信時
刻までの時間をそれぞれ計測する時間計測手段と、この
時間計測手段が計測した各物標についての時間データを
前記レーダ装置側に伝送するデータ伝送手段と、自局の
レーダ装置側において伝送された各物標についての時間
データを受信するデータ受信手段と、自局のレーダ装置
と受信装置との位置関係が既知であることを利用して、
データ受信手段により受信された各物標についての時間
データと、自局のレーダ装置により検出された各映像の
電波伝播距離から換算された時間データとを比較し、そ
の一致データの有無に基づき自局のレーダ装置により検
出された各映像の実像又は偽像を判定する偽像判定手段
とを備えたものである。
【0006】
【作用】本発明においては、自局のレーダ装置はレーダ
電波を送受信して取得した映像により物標を検出する。
受信装置は自局のレーダ装置の設置位置と所定距離を隔
て予め設定された位置に設置され、レーダ装置が所定監
視対象領域内に送信した直接電波及び領域内の各物標か
らの反射電波をそれぞれ受信する。時間計測手段は受信
装置が受信する直接電波受信時刻から各物標からの反射
電波受信時刻までの時間をそれぞれ計測する。データ伝
送手段は時間計測手段が計測した各物標についての時間
データをレーダ装置側に伝送する。データ受信手段は自
局のレーダ装置側においてデータ伝送手段から伝送され
た各物標についての時間データを受信する。偽像判定手
段は自局のレーダ装置と受信装置との位置関係が既知で
あることを利用して、データ受信手段により受信された
各物標についての時間データTi と、自局のレーダ装置
により検出された各映像の電波伝播距離から換算された
時間データTriとをそれぞれ比較する。そして受信装置
により得られた時間データTi とレーダ装置により得ら
れた時間データTriとが一致する各映像は、実際の物標
から時間データの一致する反射波が受信装置に受信され
たので実像であると判定し、レーダ装置により得られた
時間データTriに一致する受信装置からの時間データT
i が存在しない映像は、実際の物標から時間データの一
致する反射波が受信装置に得られなかったので、偽像で
あると判定する。このように受信装置により得られる実
際の物標からの反射波の時間データTi とレーダ装置か
ら得られる時間データTriの一致の有無に基づき映像の
実像又は偽像の判定を行なうので、誤判定が少なく経済
的なレーダの多重反射による偽像判定システムを得るこ
とができる。
【0007】
【実施例】図1は本発明に係るレーダの多重反射による
偽像判定システムの構成図である。図1において、10
はレーダ局に設置されたレーダ装置であり、この例では
海上監視レーダとする。20はレーダ装置10からの電
波を受信するためレーダ装置10と遠隔の予め設定され
た位置に設置された受信装置である。なお、レーダ装置
10と受信装置20とは、通信回線30(この例では専
用電話回線)により接続されている。
【0008】図1のレーダ装置10は、レーダアンテナ
11、レーダ送受信機12、レーダ信号処理装置13、
レーダ表示装置14及びモデム15により構成されてい
る。レーダアンテナ11は通常の回転式アンテナ(機械
的にアンテナを回転させる方式のアンテナ)でよく、レ
ーダ送受信機20も所定の繰り返り周波数(PRF)と
所定時間幅のパルスにより搬送波をパルス変調して送信
する一般のパルス変調方式によるレーダ送受信機でよ
い。レーダ表示装置14も通常のPPI方式(ラディア
ルスキャン方式)又はテレビ方式(ラスタスキャン方
式)のレーダ表示装置でよい。
【0009】レーダ信号処理装置13は、例えばパーソ
ナルコンピュータを主体として構成することができる
が、主要構成機器としては、CPU131、ROM及び
RAMを含むメモリ132のほか、A/D変換器13
3、ソフトウェア又はハードウェアにより構成される偽
像判定部134、レーダ表示装置14へ供給する最低1
画面分の画像データを記憶するフレームメモリ135、
及びD/A変換器136等を含んでいる。
【0010】図1の受信装置20は、受信アンテナ2
1、レーダ受信機22、時間計測器23、データ処理器
24、データ記憶器25、符号化器26及びモデム27
により構成されている。受信アンテナ21は海上監視レ
ーダ10が所定の監視対象領域に送信した電波を、直接
波も反射波も含めてすべて受信するためのアンテナであ
り、固定式のものでも回転式のものでもよい。レーダ受
信機22は前記直接波及び反射波を受信する通常の受信
機である。時間計測器23は後述する2つの信号受信時
刻間の時間を測定するもので、例えば基準周期のクロッ
ク信号を計数するカウンタで構成することができる。
【0011】データ処理器24は、CPUを内蔵するパ
ーソナルコンピュータ等で実現できる。データ記憶器2
5は各物標毎の時間データ等を一時記憶するRAM等で
構成できる。符号化器26は、モデム27を介して通信
回線30へ送信するデータの符号化を行なうものであ
る。なお、最近のパーソナルコンピュータには、ROM
やRAMのほか、符号化器26及びモデム27も内蔵し
ているものが市販されているので、24〜27の各機器
は、1台のパーソナルコンピュータによりすべて実現す
ることができる。
【0012】図2は図1のシステムの実施例1を説明す
るための図であり、この例では海峡の一方の岸に海上監
視レーダ10が設置され、また他方の岸に受信装置20
が設置されている。図2において、X0 は海上監視レー
ダ10の位置、X1 は受信装置20の位置、V1 は船舶
1の位置、V2 は船舶2の位置、V′は船舶1と2とで
発生した偽像の位置、Dは位置X0 とX1 との間の距離
であり、既知の距離である。d01は位置X0 とV1 との
間の距離、d02は位置X0 とV2 との間の距離、d11
位置X1 とV1 との間の距離、d12は位置X1 とV2
の間の距離をそれぞれ示している。
【0013】図3は図1のシステムの送受信時刻のタイ
ミングを示す図であり、同一の時間軸上に各時刻を示し
てある。図3において、t0 は位置X0 における海上監
視レーダ10のパルス電波送信時刻、t10は位置X1
おけるレーダ直接電波の受信時刻、t11は位置X1 にお
ける位置V1 の船舶1からの反射電波の受信時刻、t12
は位置X1 における位置V2 の船舶2からの反射電波の
受信時刻をそれぞれ示している。また時刻t0 からt10
までの時間をT0 、時刻t10からt11までの時間を
1、時刻t10からt12までの時間をT2 とする。
【0014】まず本発明の偽像判定のための時間測定原
理を図2及び図3により説明する。位置X1 において、
受信装置20が、位置X0 の海上監視レーダ10から送
信されたパルス電波の直接波を受信した時刻t10から、
位置V1 の船舶1からの反射電波を受信した時刻t11
での時間T1 は、電波の伝播速度をCとすると、 T0 =D/C、 T0 +T1 =(d01+d11)/Cより下記の(1)式が
得られる。 T1 =(d01+d11−D)/C …(1) 同様に位置X1 において、受信装置20が、位置X0
海上監視レーダ10から送信されたパルス電波の直接波
を受信した時刻t10から、位置V2 の船舶2からの反射
電波を受信した時刻t12までの時間T2 は、 T0 =D/C(ここでCは電波の伝播速度)、 T0 +T2 =(d02+d12)/Cより下記の(2)式が
得られる。 T2 =(d02+d12−D)/C …(2)
【0015】図1の海上監視レーダ10と受信装置20
は、いま図2の海峡をはさんだ両側の位置X0 とX1
それぞれ設置されているものとする。そして海上監視レ
ーダ10は、前記海峡の所定監視対象領域を探索、監視
するため、回転式レーダアンテナ11を回転させながら
パルス電波の送受信を行ない、受信装置20は、海上監
視レーダ10が送信した電波のうち、前記監視対象領域
からの直接電波及び偽像発生の原因となる反射電波をす
べて受信可能とする固定式又は回転式の受信アンテナ2
1を有する。従って受信アンテナ21が固定式の場合に
は、ワイドビームの指向特性を有して常時レーダ電波の
受信を可能とし、回転式の場合には、前記監視対象領域
から海上監視レーダ10の電波(直接波及び反射波を含
む電波)を十分に受信できるようなビーム幅、回転速度
及び方位設定が考慮されているものとする。例えばある
角度範囲内のセクタスキャンを行なう受信アンテナでも
よい。
【0016】図1の海上監視レーダ10内のレーダ送受
信機12は、所定のパルス送り返し周波数(PRF)に
よりレーダアンテナ11を介してパルス電波を送信す
る。この送信時刻を図3のt0 とすると、受信装置20
は、前記受信アンテナ21及びレーダ受信機22により
前記送信された直接電波を時刻t10に、また船舶1,2
からの反射電波を時刻t11,t12にそれぞれ受信検出
し、これらの検出信号を時間計測器23へ供給する。
【0017】時間計測器23には2つの計測方法があ
る。第1の方法は、他えば受信アンテナ21がワイドビ
ームで、海上監視レーダ10からの直接電波も各物標か
らの反射電波も共に受信可能の場合に適用できる。この
第1の計測法では、時間計測器23は、前記PRFによ
るパルス電波が送信される毎に、その直接電波の受信時
刻t10から計数動作を開始し、各物標からの反射電波が
得られるまでの時間をそれぞれ計数する。この例では、
時刻t10から計数動作を開始し、t11までの時間、即ち
(1)式のT1 と、さらにt10からt12までの時間、即
ち(2)式のT2 をそれぞれ計数し、これらの時間計数
値を逐次データ処理器24へ供給する。
【0018】第2の方法は、受信アンテナ21にとっ
て、直接電波の到来方位と、物標からの反射電波の到来
方位との間の角度が大き過ぎて、2つの電波を共に受信
できないので、少くとも物標からの反射電波はすべて受
信可能とした場合に適用する。この場合には、海上監視
レーダ10側から、送信パルス発射時刻よりも一定時間
はやい時刻にプリトリガー信号を通信回線を介して受信
装置20側へ伝送しておく。そして前記プリトリガー信
号が位置X1 の受信装置20へ到着する時刻と、位置X
0 で海上監視レーダ10が送信パルスを発射する時刻と
が同一時刻になるように前記プリトリガー信号の伝送タ
イミングを調整しておく。
【0019】受信装置20側の時間計測器23は、この
伝送されたプリトリガー信号を受信すると、直ちに(即
ち海上監視レーダ10の送信パルスの発射と同時に)計
数動作を開始し、物標からの反射電波の受信時刻t11
12までの時間、即ち(T0+T1 ),(T0 +T2
をそれぞれ計数し、これらの時間計数値を逐次データ処
理器24へ供給する。ここでX0 とX1 との間の距離D
を直接電波が伝播するのに要する時T0 =D/Cは既知
であるので、データ処理器24は、前記計数値からT0
を減算して、T1 ,T2 を得ることができる。
【0020】データ処理器24は、海上監視レーダ10
のパルス繰り返し周期毎に、時間計測器23から供給さ
れる各物標についての時間計数値を複数回(この回数
は、通常各物標のパルスヒット数以下に設定する)平均
し、この各物標毎の時間平均値をデータ記憶器25へ記
憶させると共に、各物標毎の最新の時間データ(物標の
移動により時間データが変るので)を符号化器26へ供
給する。符号化器26は、供給される各物標毎の時間デ
ータを例えば符号速度4800ボー程度の速度符号とし
て、モデム27を介して通信回線30へ送信する。通信
回線は、例えば専用電話回線が用いられる。
【0021】上記の海上監視レーダ10内のレーダアン
テナ11及びレーダ送受信機12並びに受信装置20の
各動作は、本発明において共通の動作を行なうが、レー
ダ信号処理装置13内の偽像判定部134の動作には、
監視対象領域内のすべての映像について自動的に偽像判
別を行なう場合(実施例1)と、手動で指定した映像に
ついてのみ偽像判別を行なう場合(実施例2)との2通
りがある。最初に実施例1について説明する。
【0022】実施例1 海上監視レーダ10は、通信回線30からモデム15を
介して受信する前記各物標毎の時間データをレーダ信号
処理装置13内の偽像判定部134へ供給する。また海
上監視レーダ10内のレーダ送受信機12はその検知し
た映像信号とその方位及び距離データとをレーダ信号処
理装置13へ供給する。レーダ信号処理装置13はレー
ダ送受信機12から供給される信号のうち、映像信号
(生ビデオ信号)等のアナログ信号はA/D変換器13
3を介してデジタル信号に変換して、またデジタル信号
はそのまま、偽像判定部134へ供給する。
【0023】偽像判定部134は、遠隔の受信装置20
から伝送されてきた各物標についての実際に測定された
時間データ、即ち前記(1)、(2)式の左辺の値と、
自局のレーダ送受信機12により検出された対応する各
物標についての電波伝播距離から算出される伝播所要時
間データ、即ち(1)、(2)式の右辺の値とを比較し
て等号が成立するを判定する。なお、図2の位置X0
らX1 をみる方位とその間の距離Dは設置場所に基づき
既知であり、X0 から船舶1,2をみる方位とその間の
距離d01,d02は自局のレーダ送受信機12で検出され
る。従って三角形の二辺の長さとその間の角度が既知と
なり、他の一辺の長さd11,d12は三角関数の計算で求
められ、また電波の伝播速度Cも既知であるから、
(1)、(2)式の右辺の演算が可能となる。
【0024】偽像判定部134は、自局のレーダ送受信
機12により検出された各物標毎に前記(1)、(2)
式の等号が成立するかを判定し、成立すれば物標(この
例では船舶1,2)の存在が確認されたことになるの
で、該当物標映像と共にその近くに確認(実像)印を付
ける映像をフレームメモリ135に書込む。また等号が
不成立の場合には、該当物標映像と共にその近くに偽像
印を付ける映像をフレームメモリ135に書込むか、も
しくは偽像映像を消去してフレームメモリ135に書込
まないようにすることもできる。フレームメモリ135
に書込まれた画像データは、レーダ表示装置14の走査
信号と同期して読出され、D/A変換器136を介した
アナログ信号としてレーダ表示装置14に供給され、そ
の画面上の各映像の近くに前記実像印又は偽像印が共に
表示される。
【0025】もしも受信装置20における直接波の受信
から反射波の受信までの時間T1 ,T2 等が同一の値に
対して、複数の映像についての等号が同時に成立する場
合には、その映像のなかに偽像が含まれている可能性が
ある。これに対しては、時間経過により物標位置が移動
し、データが変化すると、自然に解決されることが多い
が、根本的解決法としては、位置X1 に受信装置20A
を設置すると共に、X1 からやや離れた別の位置X2
同一構成の受信装置20Bを設置するのがよい。そして
受信装置20Aでの測定時間に対して複数の等号が成立
する映像について、受信装置20Bによる同様のデータ
処理の判定を行なうことにより、複数の映像のうちの偽
像を特定することができる。
【0026】なお、単数又は複数の受信装置は陸上の固
定位置に設置されることが望ましいが、陸上に設置場所
が得られない場合には、海上の固定位置に設置されるブ
イ等に設けるようにしてもよい。
【0027】図4は本発明の実施例1による偽像判定処
理順序を示す流れ図である。図4のステップ(以下Sと
表す)1では、位置X1 のモデム27から受信した各物
標の時間データTi =t1i−t10を記録する。S2で
は、自局のレーダで探知した各物標Vi について、Tri
=(d0i+d1i+D)/Cを算出し、記録する。S3で
は、上記のTi =Triを選び出し、これらを除く。S4
では、同一のTi に等しいTriが複数個存在するか判別
し、存在すればS1及びS1′へ戻り、存在しなければ
S5へ移る。
【0028】S5では、Ti 又はTriのデータが残った
かを調べ、残ってなければS9へ移り、偽像無しと判定
する。また残った場合はS6へ移る。S6では、残った
データはTriかを調べ、Triの場合はS7へ移り、Tri
データに該当する映像を偽像と判定する。また残ったデ
ータがTriでない場合はS1に戻る。S8では、S7で
偽像と判定された映像に偽像印を付して表示させるか、
または偽像映像の消去を行なう。なお、S1′は、位置
2 に別の受信装置が設置されている場合に、S4から
S1とS1′に戻るもので、設置されていなければS1
のみに戻る。S1′の処理は上記のS1〜S9と同一の
ものである。また図4の偽像判別処理は、レーダアンテ
ナ11が1回転して監視対象領域を探索する都度行なわ
れるものである。
【0029】ここで図4の偽像判別処理は、自局のレー
ダによって監視対象領域で探知されるすべての映像につ
いて、自動的に偽像判別を行なうものであるが、通常の
運用においては、オペレータが選択する特定の映像につ
いてのみ偽像であるかどうかの判定を行なえば、足りる
場合が多い。このようにオペレータがその経験により、
偽像の可能性があると判断した映像を手動選択し、この
手動選択した映像の座標位置データを入力し、この入力
された座標位置の映像のみについて偽像判別処理を行な
うようにすれば、不要な判別処理を省略して、全体の処
理時間を短縮し、選択した映像のみを十分に調べること
ができる。以下この方法を実施例2により説明する。
【0030】実施例2 図5は図1のシステムの実施例2を説明するための図で
あり、図において、X0 ,X1 、V1 ,V2 及びDは図
2と同一の記号である。またV′は船舶1,2で発生す
る偽像の可能性のある映像の位置、d0 ′は偽像の可能
性のある映像位置V′とX0 との間の距離、d1 ′は偽
像の可能性のある映像位置V′とX1 との間の距離であ
る。通常レーダ表示装置14には、表示画面上のマーカ
ー(例えば+印等)を任意の位置に移動できるトラック
ボールやジョイステック等が設けられており、このトラ
ックボール等を操作してこのマーカーの位置をある映像
の上に合わせると、この映像の座標位置(表示装置によ
り極座標又は直交座標における位置)を測定し、この測
定データを表示したり、出力したりできるようになって
いる。
【0031】従って実施例2においては、 (1)まずオペレータが偽像の可能性があり判定を行な
いたいと思う1つの映像を選択し、トラックボール等を
用いてマーカーをこの映像位置に合わせて位置測定を指
定する。するとこの指定された座標位置は、レーダ表示
装置14により測定され、この測定された座標位置デー
タは、レーダ表示装置14から自動的に偽像判定部13
4へ供給される(図1の破線矢印参照)。 (2)偽像判定部134はこの供給される指定位置の映
像について、受信装置20からの時間データとの照合を
行ない、偽像判定を行なう。 (3)オペレータはさらに偽像判定を行ないたい別の映
像がある場合は、この映像について上記(1)、(2)
のステップを繰り返す。
【0032】図6は本発明の実施例2による偽像判定処
理順序を示す流れ図である。図6のステップ(以下Sと
表す)11では、位置X1 のモデム27から受信した各
物標の時間データTi =t1i−t10を記録する。S12
では、オペレータは偽像判別を行ないたい映像を選択
し、トラックボール等により映像位置を指定する。S1
3では、指定された映像位置について、T′=(d0
+d1 ′−D)/Cを算出し、記録する。S14では、
上記のT′=Ti が存在するか判断し、存在すればS1
5へ、存在しなければS17へ移る。
【0033】S15では、T′=Ti は1組だけである
かを判断し、1組だけであれば、S16で指定した映像
は実像であると判定する。また1組だけでなければS1
1及びS11′へ戻る。S14での判断でT′=Ti
存在しなければ、S17において指定した映像は偽像で
あると判定し、S18では偽像と判定された映像に偽像
印を付して表示させるか、又は偽像映像の消去を行な
う。なお、S11′は、位置X2 に別の受信装置が設置
されている場合に、S15からS11とS11′に戻る
もので、設置されてなければS11のみに戻る。S1
1′の処理は上記のS11〜S18と同一のものであ
る。
【0034】なお上記実施例2において、偽像判定を行
ないたい映像は、1つづつ選択し判別する動作を繰り返
すように説明したが、複数の映像位置を先に選択し、こ
の選択された各位置についての判別をまとめて行なうよ
うにしてもよい。
【0035】なお、上記実施例では、自局のレーダ装置
10を陸上の固定位置に設置された海上監視レーダの場
合について説明したが本発明はこれに限定されるもので
はない。要は自局のレーダの位置と異なる位置に受信装
置が設置されていれば良いことになる。即ちレーダの位
置と受信装置の位置が、相互に固定された位置関係にあ
れば、両方が共に移動してもよいことになる。例えば船
舶等の移動体の異なる位置、例えば船首と船尾に受信装
置とレーダ装置とを固定して設置してもよい。また船舶
から曳航するブイ等にケーブルで接続された受信装置を
設置し、船舶にはレーダ装置を設置するようにしてもよ
い。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、自局のレ
ーダ装置はレーダ電波を送受信して物標を検出し、受信
装置は前記レーダ装置の設置位置と所定距離を隔て予め
設定された位置に設置され、前記レーダ装置が所定監視
対象領域内に送信した直接電波及び前記領域内の各物標
からの反射電波をそれぞれ受信し、時間測定手段は前記
受信装置が受信する直接電波受信時刻から各物標からの
反射電波受信時刻までの時間をそれぞれ計測し、データ
伝送手段は前記時間計測手段が計測した各物標について
の時間データを前記レーダ装置側に伝送し、データ受信
手段は前記レーダ装置側において前記伝送された各物標
についての時間データを受信し、偽像判定手段は前記レ
ーダ装置と受信装置との位置関係が既知であることを利
用して、前記データ受信手段により受信された各物標に
ついての時間データと、前記レーダ装置により検出され
た各映像の電波伝播距離から換算された時間データとを
比較し、その一致するデータの有無に基づき前記各映像
の実像又は偽像を判定するようにしたので、複数のレー
ダ装置を設置しなくとも、経済的なシステムにより、誤
判定が少なく信頼性が高いレーダの多重反射による偽像
判定システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーダの多重反射による偽像判定
システムの構成図である。
【図2】図1のシステムの実施例1を説明するための図
である。
【図3】図1のシステムの送受信時刻のタイミングを示
す図である。
【図4】本発明の実施例1による偽像判定処理順序を示
す流れ図である。
【図5】図1のシステムの実施例2を説明するための図
である。
【図6】本発明の実施例2による偽像判定処理順序を示
す流れ図である。
【符号の説明】
10 レーダ装置 11 レーダアンテナ 12 レーダ送受信機 13 レーダ信号処理装置 14 レーダ表示装置 15 モデム 20 受信装置 21 受信アンテナ 22 レーダ受信器 23 時間計測器 24 データ処理器 25 データ記憶器 26 符号化器 27 モデム 131 CPU 132 メモリ 133 A/D変換器 134 偽像判定部 135 フレームメモリ 136 D/A変換器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーダ電波を送受信し、物標を検出する
    レーダ装置と、 前記レーダ装置の設置位置と所定距離を隔て予め設定さ
    れた位置に設置され、前記レーダ装置が所定監視対象領
    域内に送信した直接電波及び前記領域内の各物標からの
    反射電波をそれぞれ受信する受信装置と、 前記受信装置が受信する直接電波受信時刻から各物標か
    らの反射電波受信時刻までの時間をそれぞれ計測する時
    間計測手段と、 前記時間計測手段が計測した各物標についての時間デー
    タを前記レーダ装置側に伝送するデータ伝送手段と、 前記レーダ装置側において前記伝送された各物標につい
    ての時間データを受信するデータ受信手段と、 前記レーダ装置と受信装置との位置関係が既知であるこ
    とを利用して、前記データ受信手段により受信された各
    物標についての時間データと、前記レーダ装置により検
    出された各映像の電波伝播距離から換算された時間デー
    タとを比較し、その一致データの有無に基づき前記各映
    像の実像又は偽像を判定する偽像判定手段とを備えたこ
    とを特徴とするレーダの多重反射による偽像判定システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記レーダ装置の設置位置とそれぞれ所
    定距離を隔て予め設定された複数の異なる位置に設置さ
    れ、該設置された各位置において、それぞれ前記レーダ
    装置が所定監視対象領域内に送信した直接電波及び前記
    領域内の各物標からの反射電波をそれぞれ受信する複数
    の受信装置と、 前記複数の各受信装置毎に、前記時間計測手段とデータ
    伝送手段とを備えた請求項1記載のレーダの多重反射に
    よる偽像判定システム。
  3. 【請求項3】 前記レーダ装置により受信された映像の
    うちから偽像判別を行ないたい映像をオペレータが手動
    で指定する手動映像指定手段と、 前記レーダ装置と単数又は複数の受信装置との位置関係
    が既知であることを利用して、前記手動映像指定手段に
    より指定された映像の電波伝播距離から換算された時間
    データと、前記データ受信手段により受信された各物標
    についての時間データとを比較し、その一致データの有
    無に基づき前記指定された映像の実像又は偽像を判定す
    る偽像判定手段とを備えた請求項1又は請求項2記載の
    レーダの多重反射による偽像判定システム。
JP6131903A 1994-06-14 1994-06-14 レーダの多重反射による偽像判定システム Pending JPH07333323A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10197618A (ja) * 1997-01-09 1998-07-31 Mitsubishi Electric Corp マルチパス分離検出装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10197618A (ja) * 1997-01-09 1998-07-31 Mitsubishi Electric Corp マルチパス分離検出装置

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