JP2001141817A - レーダ装置 - Google Patents

レーダ装置

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JP2001141817A
JP2001141817A JP2000252643A JP2000252643A JP2001141817A JP 2001141817 A JP2001141817 A JP 2001141817A JP 2000252643 A JP2000252643 A JP 2000252643A JP 2000252643 A JP2000252643 A JP 2000252643A JP 2001141817 A JP2001141817 A JP 2001141817A
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radar
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sart
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Katsuyuki Yanagi
勝幸 柳
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Furuno Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーダトランスポンダからのSART信号の
受信有無の判定を自動化して、目視監視による監視員の
疲労や見落としのないレーダ装置を構成する。 【解決手段】 所定指向方向に対するパルス状電波の送
受波により距離方向の探知データを求め、レーダトラン
スポンダの発する応答信号に略等しい一定周期の信号と
探知データとの相互相関処理によって応答信号の開始タ
イミングを検出し、そのタイミングに対応する表示画面
上の位置に、レーダトランスポンダの位置を表すマーク
を、レーダエコーとともに表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーダトランス
ポンダからの応答信号を受信するレーダ装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、GMDSS(全世界海上遭難安全
システム)などにおいて、遭難した船舶等の位置を知ら
せる手段として、レーダトランスポンダが用いられてい
る。
【0003】このレーダトランスポンダは、付近を航行
する船舶、救助船または航空機などに対して自分の位置
を知らせるものであり、遭難時に電源が入れられると、
船舶や航空機からの、例えば9GHz帯レーダからの電
波を受信して、同じ9GHz帯で遭難信号(以下SAR
T信号という。)を発信する。具体的には、レーダの電
波を受信した直後に、例えば12回分のパルス状電波を
0.6〜0.7マイルに相当する時間間隔で順次送信す
る。従って、このSART信号を受信したレーダの表示
画面には、図13に示すような特徴的な短い縞状のパタ
ーンが表示されることになる。
【0004】このSART信号による表示パターンの距
離方向の間隔は、レーダトランスポンダからのパルス状
電波の繰り返し周期により定まり、方位方向の幅は、レ
ーダ装置の送信電力、レーダトランスポンダの受信感
度、レーダトランスポンダの送信電力、レーダ装置の受
信感度およびレーダアンテナのビーム幅等によって定ま
る。
【0005】一般の船舶や救助船、または航空機などに
おけるレーダ監視員は、レーダ装置の表示画面に映るS
ART信号による特徴的なパターンを発見すれば、所定
の管理局に通報したり、その遭難船の救助に向かうこと
になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、SART信
号を送信する遭難船を従来のレーダ装置を用いて探索す
る際には、次のような問題があった。
【0007】まず、SART信号は、そのパルス状電波
の持続時間が短いため、レーダ画面に映るSART信号
の距離方向の厚みが非常に薄く、見落としやすかった。
また、図13は、従来のレーダ装置における表示画面の
例を示しているが、このように海面状況などが悪く、海
面反射映像(クラッター)中にSART信号の映像が埋
もれるような状況では、目視による探索が困難であっ
た。遭難船の探索は、むしろ海況の悪い状態の下で行わ
れることの方が多く、このような状況となることは稀で
はない。更に、これらに起因して、目視探索による監視
員の疲労も非常に大きくなり、長時間に亘る見落としの
ない探索は困難であった。
【0008】この発明の目的は、遭難船の探索を極めて
容易にしたレーダ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明のレーダ装置
は、所定の指向方向に対してパルス状電波の送受波を行
うとともに、前記指向方向を変化させて、所定探知範囲
の物体からのエコーを表示画面上に表示するレーダ装置
において、パルス状電波に応答するレーダトランスポン
ダからの応答信号を受信して、該応答信号の開始タイミ
ングを検出し、前記応答信号の開始タイミングおよび前
記指向方向に対応する、前記表示画面上の位置にマーク
を表示する。これにより、レーダトランスポンダからの
応答信号による生の映像と共に、自動検知したレーダト
ランスポンダの位置を同時に確認できるようにする。
【0010】また、この発明のレーダ装置は、レーダト
ランスポンダの発する応答信号(SART信号)による
映像の前記表示画面上の表示範囲に、当該表示範囲を示
すマークを表示する手段を設ける。これにより、レーダ
トランスポンダからの応答信号による生の映像の表示範
囲を容易に確認できるようにする。
【0011】また、この発明のレーダ装置は、前記応答
信号の開始タイミングを検出するために、所定指向方向
に対するパルス状電波の送受波により距離方向の探知デ
ータを求め、レーダトランスポンダの発する応答信号に
略等しい一定周期の信号と前記探知データとを相互相関
処理して、相互相関係数のピーク位置を検出する。
【0012】例えば、図7において(A)は、レーダト
ランスポンダからの応答信号を受信したときの、距離方
向の探知データxを波形として表したもの、(B)はレ
ーダトランスポンダの発する応答信号を、距離0から始
まる波形として表した一定周期の信号yである。両者の
相互相関処理を行い、Rxy〔τ〕を求めると、(C)
に示すように、応答信号の周期Tと等しい周期で相互相
関係数が増大する箇所が現れる。これを図7のように波
形で表せば、鋭い山形波形(以下、単に「山形」とい
う。)になる。そして、探知データの応答信号の開始位
置で、相互相関係数が最も高い値となる。
【0013】このように、レーダトランスポンダの発す
る応答信号に略等しい一定周期の信号とレーダ装置から
のパルス状電波の送受波による距離方向の探知データと
を相互相関処理することによって、もし実際に探知デー
タにレーダトランスポンダからの応答信号が重畳されて
いれば、相互相関処理の結果、上記一定周期の間隔で相
互相関関数に山形が現れることになり、そのピークの有
無により応答信号の有無を判定する。また、山形が最も
高く現れる位置が応答信号の開始タイミングとなるの
で、その位置をレーダトランスポンダの位置として検出
し、レーダエコーを表示する画面上にマークを表示す
る。
【0014】また、この発明のレーダ装置は前記探知デ
ータを自己相関処理し、その結果から前記応答信号に相
当する周期毎の相関係数の増大箇所の有無を判定し、当
該相関係数の増大箇所の存在する探知データについての
み、前記相互相関処理を行う手段を設ける。図6の
(A)はレーダトランスポンダからの応答信号を受信し
たときの、距離方向の探知データxを波形として表した
もの、(B)はその自己相関関数を波形として示したも
のである。このように周期をTとする、周期一定の有限
個のパルス波形の自己相関関数は、それを波形で表した
とき、周期Tの間隔で鋭い山形の波形が現れる。この形
は応答信号の開始位置すなわち自船からレーダトランス
ポンダまでの距離に無関係である。従ってこの自己相関
処理の結果から、山形の有無によってレーダトランスポ
ンダからの応答信号の有無を判定し、上記山形が存在す
る探知データについてのみ、前記相互相関処理を行って
レーダトランスポンダまでの距離を求め、応答信号が含
まれていない探知データについては前記相互相関処理を
行わないようにすることにより、全体の計算量が削減で
きる。
【0015】また、この発明のレーダ装置は、前記探知
データを周波数分析して、前記応答信号に相当する周波
数成分の有無を判定し、当該周波数成分の存在する探知
データについてのみ、前記相互相関処理を行う手段を備
える。上述のように、レーダトランスポンダの発する応
答信号には一定周期のパルスが含まれているため、これ
を周波数分析することによって、その周期に対応する特
徴的な周波数成分が現れる。従って、この周波数成分の
有無によってレーダトランスポンダからの応答信号の有
無を判定してもよい。このようにしてレーダトランスポ
ンダからの応答信号の有無を判定し、上記所定周期に対
応する周波数成分が突出する探知データについてのみ、
前記相互相関処理を行ってレーダトランスポンダまでの
距離を求め、応答信号が含まれていない探知データにつ
いては前記相互相関処理を行わないようにすることによ
り、全体の計算量が削減できる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1はこの発明のレーダ装置の表
示画面の一部を示すものである。ここで“SART”と
表した文字列のマークとその近傍の丸印のマークはレー
ダトランスポンダの位置を示していて、丸印はSART
信号による生の映像(短い縞状のパターン)の先頭のラ
インを囲むように表している。また丸印から遠方方向に
伸びる枠状のマークは、SART信号の映像が表示され
ている範囲を示している。これらのマークは、レーダエ
コーの映像とは異なった色調で表示する。例えば、レー
ダエコーの映像は、エコーレベルに応じて緑→黄→橙→
赤に変化するが、上記マークはシアンなどの全く異なっ
た色調で表示する。レーダ監視員は、この映像からSA
RT信号を発信しているレーダトランスポンダの有無お
よび位置を確実に見いだすことができる。
【0017】図2はSART信号の時間波形と周波数変
移の例を示している。一般に、SART信号は9GHz
帯(Xバンド)の信号であるが、レーダ装置の受信可能
な周波数に幅を持たせるために、図2に示すように、1
つの持続波の中で周波数がその時間内で変移するいわゆ
るチャープ信号としている。
【0018】図3の(A)はレーダ装置のブロック図で
ある。ADコンバータ1はレーダエコーのビデオ信号を
例えば1サンプル4ビット(16階調)でデジタルデー
タに変換し、メモリ2へ書き込む。メモリ2は1スイー
プ分または複数スイープ分の探知データをFIFO形式
で記憶する。ここで、「1スイープ」は、1回のパルス
状電波の送受波による距離方向の探知動作のことであ
る。
【0019】図4は上記スイープと距離方向の探知デー
タとの関係を示す図である。この例では、アンテナの1
回転(1スキャン)がNスイープに対応し、各スイープ
により、距離方向にM個のデータを得る。例えばVnm
は、nスイープ目の距離mのエコーレベルを表してい
る。
【0020】図3の信号処理部3は、ASIC(Applica
tion Specific Integrated Circuits)などから成り、パ
ルス状電波の送波タイミングであるトリガー信号、アン
テナの指向方向が船首方位を向いたときに発せられるヘ
ディングパルス、および所定の方位角だけアンテナが回
転する毎に発せられるベアリングパルスを受け取って、
レーダエコー表示のための信号処理を行う。すなわち、
メモリ2に一時記憶された最新の1スイープ分の探知デ
ータを読み出して、これを直角座標系の表示形式に適合
させるために、極座標系から直角座標系へ座標変換する
とともに、表示データを表示メモリ4へ書き込む。表示
制御部5は表示メモリ4に書き込まれた1画面分の表示
データを、CRT6のラスタースキャンに同期して順次
読み出して映像信号を生成する。これによりCRT6に
レダーエコーの表示を行う。
【0021】図3において、もう一方のADコンバータ
11は、ADコンバータ1より多くのビット数でデジタ
ルデータに変換し、メモリ12へ書き込む。このメモリ
12は、メモリ2とは1サンプルデータのビット数が異
なるが、メモリ2と同様に、1スイープ分または複数ス
イープ分の探知データをFIFO方式で記憶する。また
メモリ16は1スキャン分または複数スキャン分のデー
タを一時的に記憶するバッファとしてのメモリである。
信号処理部13はDSP(Digital Signal Processor)お
よびASICなどから成る。この信号処理部13は、上
記トリガー信号、ヘディングパルス、およびベアリング
パルスを受け取って、後述する信号処理を行い、SAR
T信号の検出およびその開始位置の検出結果を共有メモ
リ14へ書き込む。また、信号処理部13は、SART
信号を検出したとき、警報装置15を駆動する。共有メ
モリ14はデュアルポートメモリであり、信号処理部3
はこの共有メモリ14に書き込まれた内容に応じて表示
メモリ4に、図1に示したような、レーダトランスポン
ダの位置とSART信号による映像の表示範囲を示すマ
ークを表示するためのデータを書き込む。
【0022】図3の(B)は上記信号処理部3および1
3による処理手順の例を示している。ここでHDはヘデ
ィングパルスを表している。この例では、信号処理部1
3がS番目のスキャンでADコンバータ11からのデー
タ(S回目の1スキャン分のデータ)をメモリ16にス
トアし、次のS+1回目のスキャンの期間にSART信
号の検出処理を行う。続くS+2回目のスキャンの期間
で、その1スキャン分のデータをストアし、更に続くS
+3回目のスキャンの期間にSART信号の検出処理を
行う。このように、1スキャン分のデータのストアとS
ART信号の検出処理を交互に行えばハードウエアの負
担が軽くなる。勿論、ハードウエアの処理能力が高けれ
ば、データのストアとSART信号の検出処理を実質的
に同時に(並行して)行って、毎回スキャンされた全て
のデータを用いてSART信号の検出処理を行うように
してもよい。
【0023】図5は上記信号処理部13の処理手順を示
すフローチャートであり、(A)はSART信号検出処
理、(B)はレーダトランスポンダの位置検出処理につ
いてそれぞれ示している。SART信号の検出処理で
は、先ず、ステップs1の前処理で、クラッタやその他
のノイズ除去とSART信号の強調処理を行う。ノイズ
除去の処理としては、SART信号の有無およびその開
始タイミングの検出対象とするスイープを中心として、
例えばその前後10スイープ分の探知データを基にし
て、ノイズ除去のためのフィルタリングを行う。
【0024】例えば、図4に示したデータ構成の場合
に、現在(n+10)番目のスイープの探知データが得
られている時、(n−10)から(n+10)までの2
1スイープ分の探知データを基にして、同一距離におけ
るそれぞれ21個の探知データの値(エコーレベル)か
ら、nスイープの各距離における代表値を求める。例え
ばメディアンフィルタにより、代表値を求める場合、2
1個のエコーレベルを大きいもの順に並べたときの11
番目(中央値)になるエコーレベルを、nスイープ目の
その該当距離における探知データの値とする。この処理
を距離1から距離Mまで行う。
【0025】また、SART信号の強調処理としては、
各スイープのデータを距離方向に順に読み出すととも
に、その読み出したデータと、その位置からSART信
号の距離方向の厚み分(SART信号の持続時間分)だ
け遅延したタイミングのデータとを比較して値の大きな
方を、その位置のデータとする。図9はこの処理をブロ
ック図および波形として表したものである。この処理に
よって、SART信号が存在する場合に、SART信号
の距離方向の厚みを増して、後の自己相関処理や相互相
関処理によるSART信号の検出精度を向上させる。
【0026】続いて、ステップs2で、そのnスイープ
目の探知データの自己相関関数を求める。ここで、距離
mにおける探知データの値をx〔m〕と表し、自己相関
のための距離方向のずらし量をτとすれば、自己相関関
数Rxx〔τ〕は次の式で表される。
【0027】
【数1】
【0028】SART信号は図6に示したように、周期
Tで等間隔にパルスが所定数(12個)並ぶ信号である
ので、その自己相関関数Rxx〔τ〕は、図6の(B)の
ように、間隔T毎に山形が発生する。これはSART信
号の開始距離Tiに無関係である。またSART信号の
幾つかが消えたり、他のエコーやクラッターが重畳され
ても、上記の特徴は残る。
【0029】図5に戻って、ステップs3およびs4で
は、上記自己相関関数Rxx〔τ〕に周期Tの山形が存在
するか否かによって、SART信号の有無を判定する。
もし、周期T毎の山形を検出したなら、すなわちSAR
T信号有り、と判定したなら、続くステップs5で警報
装置15を駆動してアラームを出力する。なお、図3で
は警報装置15が信号処理部13に直接接続されている
例を示したが、信号処理部13が「SART信号有り」
を表すフラグを共有メモリ14の所定の位置に書き込む
ようにし、レーダ装置の表示制御やキー入力を行う処理
部がそのフラグの内容に応じて警報を発するようにして
もよい。
【0030】レーダトランスポンダの位置検出処理とし
ては、先ず、図5のステップs11で、比較対象のSA
RT信号と探知データとの相互相関関数Rxy〔τ〕を求
める。比較対象とする理想のSART信号をyとし、そ
のずらし量をτとすれば、相互相関関数は次の式で表さ
れる。
【0031】
【数2】
【0032】上記比較対象のSART信号は、波形で表
せば、図7の(B)に示したように、周期Tの矩形波パ
ルスが12個並んだデータとする。これにより、図7の
(C)に示すように、相互相関関数Rxy〔τ〕を波形で
表せば、周期Tと等しい周期で山形が現れる。そして、
τ=Tiの位置で、12個のパルスのタイミングが全て
一致することにより、山形のピークは最大値を示す。図
5のステップs12では、ピーク値が最大となる山形の
位置を求め、これをSART信号の開始位置Tiとす
る。
【0033】図6および図7に示した例では、探知デー
タにSART信号以外のエコーやクラッターが存在しな
いものとして示したが、実際により近い波形は例えば図
8のようになる。図8の(A)は処理対象とする所定ス
イープの探知データ、(B)はその自己相関関数、
(C)は相互相関をとる比較対象とするSART信号、
(D)は相互相関関数を、それぞれ波形として表したも
のである。このようにエコーやクラッターが存在して
も、自己相関関数には、SART信号に対応する周期で
山形が生じ、相互相関関数にも、その周期で山形が生
じ、且つSART信号の開始位置で最大の山形が生じる
ことになる。
【0034】図5に戻って、ステップs13では、上記
相互相関関数Rxy〔τ〕から抽出した最大値を示す山形
の位置を、SART信号の開始位置すなわちレーダトラ
ンスポンダの位置として求めるが、これを前後数スイー
プにおいて検出されたレーダトランスポンダの位置を基
にして、または前後数スキャンにおいて検出されたレー
ダトランスポンダの位置を基にして、検出位置の平滑処
理を行う。例えばnスイープ目について処理を行ってい
るのであれば、その前後数スイープにおけるSART信
号の開始位置の検出位置を平均化し、その平均値をnス
イープ目におけるレーダトランスポンダの位置として求
める。また、数スイープ分連続して同じ位置(レーダア
ンテナを中心とする等距離の位置)がSART信号の開
始位置として検出されたとき、その位置をnスイープ目
における検出結果とし、SART信号の開始位置が所定
スイープ数連続しなかったときには、そのnスイープ目
ではSART信号を検出しなかったものとする。
【0035】このような平滑処理は方位方向についてだ
けでなく、時間軸上で行ってもよい。すなわちtを1ス
キャン(アンテナ1回転)毎にインクリメントされる値
とし、αを平滑化定数としたとき、次の式で指数平滑す
る。
【0036】 S〔t〕=αR〔t〕+(1−α)S〔t−1〕 ここで、Sは予測値(出力結果)、Rは今回のスキャン
による該当スイープにおけるSART信号開始位置の検
出結果である。また、このような指数平滑法以外に、連
続する数スイープ分の、または1スキャン周期で時間的
に連続する数スキャン分の、各スイープにおける位置デ
ータを単純移動平均して、その結果を該当スイープ(方
位)におけるSART信号の開始位置すなわちレーダト
ランスポンダの位置としてもよい。
【0037】図5に示したステップn14では、以上の
ようにして求めたレーダトランスポンダの位置に相当す
る表示画面上の位置に丸印および“SART”というマ
ークを表示し、さらにSART信号による生の映像の表
示範囲を示す枠状のマークを表示するための表示データ
を作成し、これを表示メモリ4へ書き込む。これによ
り、図1に示したような、SART信号の映像を含むエ
コーおよび自動検知結果によるマークが同時に表示され
ることになる。
【0038】以上に示した実施形態では、探知データの
自己相関処理を行い、その結果からSART信号の有無
を判定し、SART信号が含まれている探知データに対
してのみ相互相関処理を行うことによって、SART信
号の開始タイミングを検出するようにしたが、全てのス
イープの探知データについて相互相関処理を行って、そ
の結果から、SART信号の有無とSART信号の開始
タイミングを共に検出するようにしてもよい。
【0039】但し、実施形態に示したように、自己相関
処理によりSART信号の有無を先ず検出し、SART
信号の含まれている探知データについてのみ相互相関処
理を行うようにすれば、SART信号の有無検出が確実
に行える。すなわち、相互相関処理の結果だけでは、エ
コーによる相関係数もある程度の値となって現れるの
で、その値とSART信号により生じる山形のピーク値
の差が小さい傾向にあるが、自己相関処理によれば、両
者の差が大きく現れるので、SART信号の有無を、よ
り確実に判別できる。また、SART信号の周期Tに、
ばらつきや仕様変更があっても、自己相関関数には、周
期Tに相当する間隔で山形が生じるので、相互相関関数
からSART信号の有無判定を行う場合にくらべて、よ
り確実にSART信号の有無を判別することができる。
【0040】なお、自己相関関数によって上記SART
信号の周期Tを求めて、上記相互相関関数の理想パター
ンの周期を、そのTに修正するようにしてもよい。
【0041】次に、他の方法によりSART信号の有無
検出を行う実施形態を示す。まず、SART信号の1個
の矩形波パルス信号と、そのフーリエ変換の結果を図1
1に示す。この(A)に示す孤立矩形波をフーリエ変換
すると、(B)のような形で表されるsinc関数にな
る。
【0042】一般に、孤立波形x(t)をフーリエ変換
したものをX(f)とすると、x(t)を周期Tで周期
化した周期波形y(t)をフーリエ変換すれば、X
(f)/Tを包絡線とする、周期1/Tのデルタ関数列
となる。図12の(A)は矩形波の周期波形、(B)は
そのフーリエ変換の結果である。このように、インパル
ス列が間隔1/Tで現れ、その包絡線が破線で示す、高
さ1/Tのsinc関数の形になる、という特徴的な周
波数成分が現れる。
【0043】この関係を利用して、前記探知データをF
FTなどにより周波数分析し、図12の(B)に示した
ような周波数成分の有無を判定する。具体的には、イン
パルスの波高値の高い、sinc関数形における中央部
の、いくつかの周波数成分にインパルス状の成分が1/
Tの間隔で現れているか否かによってSART信号の有
無を判定する。
【0044】このような判定により、SART信号が存
在する探知データについてのみ、前記相互相関処理を行
って、SART信号の開始タイミングを検出する。
【0045】この実施形態に係るレーダ装置の全体の構
成は、ブロック図として図3に示したものと同様である
が、図3に示した信号処理部13で、上記FFTの処
理、周波数成分に含まれる上記特徴的パターンの有無の
判定処理、および先に示した実施形態と同様の相互相関
処理を行う。
【0046】
【発明の効果】この発明によれば、レーダトランスポン
ダから発せられる一定周期の応答信号の特徴から、その
信号の有無と位置が自動的に検出され、表示画面上にマ
ーク表示されるため、応答信号を発するレーダトランス
ポンダの位置を容易に読み取ることができる。しかも、
上記応答信号による生の映像と共に、自動検知したレー
ダトランスポンダの位置を同時に確認できるため、マー
ク表示された位置に、レーダトランスポンダの応答信号
特有のパターンが実際に表示されているか否かを容易に
確認できるようになる。その結果、レーダ監視員による
表示画面の目視監視の際に生じやすかった見落としや疲
労の問題が少なくなり、監視効率および安全性が高ま
る。
【0047】また、この発明によれば、レーダトランス
ポンダからの応答信号による映像の表示範囲を示すマー
クを表示することによって、レーダトランスポンダから
の応答信号による生の映像の表示範囲を容易に確認でき
るようになる。
【0048】また、この発明によれば、レーダトランス
ポンダの発する応答信号に略等しい一定周期の信号と前
記探知データとを相互相関処理して、相互相関係数のピ
ーク位置を検出することにより、レーダトランスポンダ
特有の一定周期の応答信号の位置を高精度で確実に検出
できるようになる。
【0049】また、この発明によれば、探知データの自
己相関処理により、または探知データの周波数分析によ
り、レーダトランスポンダからの応答信号の有無を判定
し、その応答信号が含まれている探知データについての
み、相互相関処理を行うことによって、全体の計算量が
削減できる。そのため、演算処理能力の限られた信号処
理部で、多数のレーダトランスポンダからの応答信号の
開始タイミングを、それぞれ高速に検出できるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るレーダ装置の表示画面における
表示例を示す図
【図2】SART信号の時間波形および周波数変移の例
を示す図
【図3】レーダ装置の構成を示すブロック図
【図4】スイープと距離方向の探知データとの関係を示
す図
【図5】図3における信号処理部13の処理手順を示す
フローチャート
【図6】探知データとその自己相関関数を波形で表した
【図7】探知データと比較対象のSART信号および相
互相関関数をそれぞれ波形で表した図
【図8】実際により近い探知データと、その自己相関関
数および相互相関関数等をそれぞれ波形で表した図
【図9】SART信号の強調処理方法の例を示す図
【図10】表示画面上におけるSART信号による表示
パターンの例を示す図
【図11】孤立矩形波と、そのフーリエ変換結果を示す
【図12】周期矩形波と、そのフーリエ変換結果を示す
【図13】従来のレーダ装置の表示画面における表示例
を示す図

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の指向方向に対してパルス状電波の
    送受波を行うとともに、前記指向方向を変化させて、所
    定探知範囲の物体からのエコーを表示画面上に表示する
    レーダ装置において、 前記パルス状電波に応答するレーダトランスポンダから
    の応答信号を受信して、該応答信号の開始タイミングを
    検出する手段と、前記応答信号の開始タイミングおよび
    前記指向方向に対応する、前記表示画面上の位置にマー
    クを表示する手段とを設けたことを特徴とするレーダ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記応答信号による映像の前記表示画面
    上の表示範囲に、当該表示範囲を示すマークを表示する
    手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のレーダ
    装置。
  3. 【請求項3】 前記応答信号の開始タイミングを検出す
    る手段は、所定指向方向に対するパルス状電波の送受波
    により距離方向の探知データを求め、レーダトランスポ
    ンダの発する応答信号に略等しい一定周期の信号と前記
    探知データとを相互相関処理して、相互相関係数のピー
    ク位置を検出するものである請求項1または2に記載の
    レーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記探知データを自己相関処理し、その
    結果から前記応答信号の周期に相当する一定周期毎の相
    関係数の増大箇所の有無を判定し、当該相関係数の増大
    箇所の存在する探知データについてのみ、前記相互相関
    処理を行う手段を備えた請求項3に記載のレーダ装置。
  5. 【請求項5】 前記探知データを周波数分析して、前記
    応答信号に対応する周波数成分の有無を判定し、当該周
    波数成分の存在する探知データについてのみ、前記相互
    相関処理を行う手段を備えた請求項3に記載のレーダ装
    置。
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