JP2005304008A - 応答器及び質問器並びに無線通信システム - Google Patents

応答器及び質問器並びに無線通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】 UWB方式の無線通信が有する低消費電力化・測距可能等の特長を活かしつつ、その対象物を相互に識別することが可能な無線通信システムを提供する。
【解決手段】 広帯域アンテナ1により受信されたパルス信号を用いて応答信号を生成する特性インピーダンス部3と、広帯域アンテナ1により受信されたパルス信号を広帯域アンテナ1から特性インピーダンス部3に伝送し且つ生成された応答信号を特性インピーダンス部3から広帯域アンテナ1に伝送する伝送路2であって、予め設定された長さを有する伝送路2と、パルス信号を受信し且つ応答信号を送信する広帯域アンテナ1と、を備える無線タグTGnに対し、UWB方式により上記パルス波を送信すると共に、無線タグTGnからの上記応答信号を受信し、その受信波形から無線タグTGnを識別する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、応答器及び質問器並びに無線通信システムの技術分野に属し、より詳細には、無線通信により情報の授受を相互に行う応答器(無線タグ)及び質問器並びにそれらを含んだ無線通信システムの技術分野に属する。
近年、無線送受信用のアンテナ及びメモリ等を含んで1mm平方以下の大きさのICチップからなる、いわゆる無線タグが実用化されつつある。この無線タグについてより詳細には、当該無線タグは一般に流通する商品等に貼り付けられてその商品等と共に流通するものであり、上記メモリ内にその商品等を識別するための識別情報を記憶させ、更に上記アンテナを介して別に設けられている質問器からの質問信号を受信したとき、当該質問信号に対応し且つ上記識別情報を含む応答信号を生成して上記アンテナを介して上記質問器に送信することで、その質問器において上記商品等を識別可能にするものである。この無線タグによれば、例えば食料品の生産地からの流通経路をその食料品の購入時に確認することができたり、或いは、その食料品の生産時における添加物や農薬の使用状況等をその消費者が確認することができたりすることになる。
一方、近年、搬送波を用いずに非常に時間幅の小さい(1ナノ秒以下)パルス波を用いて通信を行う方式であるUWB(Ultra Wide Band)方式の無線通信も実用化されつつある。この無線通信方式によれば、上述した如く非常に時間幅の小さいパルス波を用いるため、結果として使用される帯域幅が数ギガヘルツ以上になる超広帯域な無線通信が可能となり、更に搬送波を用いないことでその送信出力は10ナノワット/メガヘルツ程度と極めて低いものとなる。このような構成を有するUWB方式は以下のような特徴・長所を有し、今後は室内通信やセキュリティセンサ、或いは高速無線LAN(Local Aria Network)等に対する応用が期待されている。
(1)電力スペクトル密度が極めて低いため、既存の通信システムとの与干渉・被干渉が少なく、それらとの共存の可能性を有する。
(2)平均電力レベルが1ミリワット以下であり、数マイル以上の伝送が可能となる。
(3)極めて短い(ナノ秒単位)のパルス波を利用しているため、いわゆるマルチパスに強く、高いパス分割能力を有し、更にレーダとして高精度の測距(数センチメートル単位)が可能となる。
(4)搬送波が不用でパルス波としての放射時間が極めて短いため、小型・低消費電力の通信システムを構築可能である。
(5)ギガヘルツレベルの広い帯域を常に占有するため、大容量多元接続・超高速伝送(<数百メガビット/秒)が可能である。
(6)通信と測距が同時に可能であるため、例えば車―車間通信などに応用可能である。
なお、上記UWB方式の無線通信の一般的な構成について開示している文献としては、例えば以下のような特許文献1乃至4がある。
特表平10−508725号公報 特開2003−189363 特開2003−124844 特開2002−43849
他方、無線通信により移動体までの距離を検出する技術としては、例えば下記特許文献5に記載された技術がある。
特許第3395403号公報 第1図及び第2図等
しかしながら、上述した従来の無線タグを含んだ識別システムによれば、商品等の他の商品等からの識別はできるものの、その構成上、無線タグから質問器までの距離を十分な精度で測定することは不可能であった。
他方、上記したUWB方式の無線通信を用いたレーダでは、測距する対象物までの距離は正確に測定できるが、その対象物を他の対象物から識別することは不可能であった。
また、上記特許文献5に記載された技術の場合は、搬送波を用いて移動体までの距離を検出するものであるため、上記UWB方式の無線通信の如き小型化及び低消費電力化を実現することは不可能であった。
そこで、本発明は上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その目的は、上記(1)乃至(6)として述べたUWB方式の無線通信が有する低消費電力化・測距可能等の特長を活かしつつ、その対象物を相互に識別することが可能な無線通信システムに含まれる応答器及び質問器並びに無線通信システムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、広帯域アンテナにより受信されたパルス信号を用いて応答信号を生成する生成手段と、前記広帯域アンテナにより受信されたパルス信号を前記広帯域アンテナから前記生成手段に伝送し且つ前記生成された応答信号を前記生成手段から前記広帯域アンテナに伝送する伝送手段であって、予め設定された長さを有する伝送手段と、前記パルス信号を受信し且つ前記応答信号を送信する前記広帯域アンテナと、を備える。
よって、予め設定された長さを有する伝送手段により広帯域アンテナと生成手段とが接続されているので、パルス信号から生成される応答信号の送信態様(応答信号の波形及び送信タイミング)がその長さに依存して変化することになり、結果として当該応答信号の波形に基づいてその応答器を識別しつつ、当該送信タイミングに基づいてその応答器までの距離を検出することができる。また、広帯域アンテナを用いてパルス信号を受信することで応答信号を生成するので、応答器の識別及び距離検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ応答器の識別及び距離検出が可能となる。
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の応答器において、前記広帯域アンテナと前記生成手段との間の前記伝送手段の長さは、他の前記応答器と異なる送信態様で前記広帯域アンテナから前記応答信号を送信させる長さであるように構成される。
よって、各応答器毎に異なる長さの伝送手段により広帯域アンテナと生成手段とが接続されているので、各応答器において受信したパルス信号から生成される応答信号の送信態様(応答信号の波形及び送信タイミング)、換言すれば、各応答器から送信される当該応答信号の質問器における受信態様(各応答信号の信号波形及び質問器における受信タイミング)が、各応答器における伝送手段の長さを各応答器毎に異ならせることにより各応答器毎に異なることとなり、結果として当該受信タイミングの相違により複数応答器からの応答信号を夫々分離し、当該信号波形の相違により各応答器を識別しつつ各応答器までの質問器からの距離を検出することができる。
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の応答器において、前記伝送手段は、予め設定された長さにおいて特性インピーダンスが予め設定された値で一定であるように構成される。
よって、伝送手段が有する長さにおいて特性インピーダンスが一定であるので、応答信号の波形及び送信タイミングが変動することがなく、不要な反射成分が発生しないので、精度よく応答器を識別し、また応答器までの距離を検出することができる。
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の応答器において、前記伝送手段の長さは、前記受信されたパルス信号及び前記応答信号の当該伝送手段上における伝搬速度に対して前記受信されたパルス信号のパルス幅に相当する時間を乗じた値の二分の一以上の長さであるように構成される。
よって、伝送手段の長さが、当該伝送手段上における各信号の伝搬速度に対してパルス信号のパルス幅に相当する時間を乗じた値の二分の一以上の長さとされているので、応答器における広帯域アンテナ自体からパルス信号に応じて反射・放射される信号と、本来の応答信号と、を明確に識別して応答器の識別及び距離検出を行うことができる。
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の応答器において、前記生成手段は、前記受信されたパルス信号に対するパルス反射係数を制御する反射制御手段を含むように構成される。
よって、受信されたパルス信号に対するパルス反射係数を制御するので、各応答器から送信される応答信号の送信態様を送信すべき識別情報に応じて変更することができ、反射係数を制御しない場合と比べて多くの情報を送ることができる。すなわち、簡易な構成で多ビットの応答信号を生成して送信することができる。
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の応答器において、前記生成手段は、前記応答信号が有すべき信号態様に応じて前記伝送手段の実効的な長さを制御する長さ制御手段を含むように構成される。
よって、応答信号が有すべき信号態様に応じて伝送手段の実効的な長さを制御するので、各応答器から送信される応答信号の送信態様を送信すべき識別情報に応じて変更することができ、反射係数を制御しない場合と比べて多くの情報を送ることができる。すなわち、簡易な構成で多ビットの応答信号を生成して送信することができる。
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の応答器において、前記長さ制御手段は、前記伝送手段の長さが、前記パルス信号及び前記応答信号の当該伝送手段上における伝搬速度に対して前記パルス信号のパルス幅に相当する時間を乗じて得られる乗算値の二分の一に当該乗算値のN/4倍(Nは0又は自然数)を加算した値の長さとなるように当該長さを制御するように構成される。
よって、伝送手段の長さが、当該伝送手段上における各信号の伝搬速度に対してパルス信号のパルス幅に相当する時間を乗じた値の二分の一に当該乗算値のN/4倍を加算した値の長さとされているので、伝送手段の長さを不必要に長くすることなく小型化を可能とすると同時に各応答器を確実に識別しつつその距離を検出することができる。
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の応答器において、複数の前記生成手段と、一の前記広帯域アンテナにより受信されたパルス信号を当該広帯域アンテナから各前記生成手段に夫々伝送し且つ前記生成された応答信号を各前記生成手段から夫々前記広帯域アンテナに伝送する複数の前記伝送手段と、を備え、各伝送手段の長さが相互に異なっているように構成される。
よって、一の応答器上に複数種類の長さの伝送手段を備えているので、簡易な構成で多ビットの応答信号を生成して送信することができる。
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の応答器において、各前記伝送手段の少なくとも一部としての機能を備える共用伝送手段を更に備えて構成される。
よって、各伝送手段の少なくとも一部としての機能を備える共用伝送手段を更に備えるので、応答器を小型化しつつ複数種類の長さを有する伝送手段を実現することができる。
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の応答器において、前記生成手段は、複数の共振周波数により共振可能な共振手段を備える。
よって、複数の共振周波数により共振可能な共振手段を生成手段が備えるので、比較的Q値が低い共振手段を用いても多ビットの応答信号を生成することができる。
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の応答器を要素応答器として複数備える応答器であって、前記伝送手段の長さ又は前記広帯域アンテナから見た前記伝送手段及び前記生成手段の負荷インピーダンスの少なくともいずれか一つが各前記要素応答器毎に異なっているように構成される。
よって、相互に異なる応答信号が得られる要素応答器を複数備えているので、応答器の構成を簡略化しつつ多ビットの応答信号を生成することができる。
上記の課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、請求項1から11のいずれか一項に記載の応答器であって、電波を受信する受信アンテナと、前記受信した電波から電力を抽出して前記生成手段に供給する電力供給手段と、を更に備えて構成される。
よって、電波を受信して電力を得るので、電池等の外部電源を不要として応答器を更に小型化し運用コストを低減することができる。
上記の課題を解決するために、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の応答器において、前記電波は連続波であるように構成される。
よって、情報授受用のパルス信号と異なる連続波により電力を供給するので、各応答器において効率的に電力を発生させることができる。
上記の課題を解決するために、請求項14に記載の発明は、請求項12又は13に記載の応答器において、前記受信アンテナは予め設定されている同調周波数に同調する狭帯域アンテナであり、前記電波は当該同調周波数を有する連続波であるように構成される。
よって、受信アンテナとして狭帯域アンテナで効率の良いアンテナを用いることができ、電波が連続波であるので、効率的に電力を取得することができる。
上記の課題を解決するために、請求項15に記載の発明は、請求項12又は13に記載の応答器において、前記広帯域アンテナが、前記受信アンテナを兼ねるように構成される。
よって、応答信号を送信する広帯域アンテナが、受信アンテナを兼ねるので、小型化することができる。
上記の課題を解決するために、請求項16に記載の発明は、請求項1から15のいずれか一項に記載された応答器に対して前記パルス信号を送信し且つ当該応答器からの前記応答信号を受信する質問器であって、前記パルス信号を生成するパルス生成手段と、前記パルス信号を前記応答器に対して送信し且つ当該パルス信号に対応する前記応答器からの前記応答信号を受信する広帯域アンテナと、予め生成されている参照信号と、前記受信した応答信号と、を比較して前記応答器を識別する識別手段と、を備えて構成される。
よって、応答器からの応答信号を広帯域アンテナで受信して参照信号との比較により応答器を識別するので、応答器の識別及び距離検出が可能となり、搬送波を用いないことにより小型化・低消費電力化をも図ることができる。
上記の課題を解決するために、請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の質問器において、前記パルス生成手段は、クロック信号に対して第1の変調処理を施して第1変調クロック信号を生成する第1変調クロック信号生成手段を備え、当該生成された第1変調クロック信号を用いて前記パルス信号を生成して前記広帯域アンテナに出力し、前記識別手段は、前記クロック信号に対して前記第1の変調処理とは異なる第2の変調処理を施して第2変調クロック信号を生成する第2変調クロック信号生成手段を備え、当該生成された第2変調クロック信号を用いて前記参照信号を生成し前記応答信号との相関をとるように構成される。
よって、クロック信号に対応した第1の変調処理を施してパルス信号を生成して、当該クロック信号に対応した第2の変調処理に基づいて生成された参照信号と応答信号との相関をとるので、正確に応答信号の内容を検出したり、パルス信号の受信時間間隔を検出することができる。
上記の課題を解決するために、請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の質問器において、前記第1の変調処理及び前記第2の変調処理は、擬似ランダム符号に基づいて前記クロック信号を遅延させる変調処理であるように構成される。
よって、第1の変調処理及び第2の変調処理が擬似ランダム符号に基づいてクロック信号を遅延させる変調処理であるので、各応答器からの応答信号間におけるパルス重なりの発生を防止できる。
上記の課題を解決するために、請求項19に記載の発明は、請求項16から18のいずれか一項に記載の質問器において、受信した前記パルス信号に対応して前記応答器に備えられた前記広帯域アンテナにより反射された反射波を検出する反射波検出手段と、前記応答信号に含まれる応答波を検出する応答波検出手段と、前記反射波の受信時刻と前記応答波の受信時刻との時間である応答波間隔を検出する応答波間隔検出手段と、を備え、前記識別手段は、前記検出された応答波間隔に基づいて各前記応答器を識別するように構成される。
よって、検出された応答波間隔に基づいて各応答器を識別するので、正確に当該識別を実行することができる。
上記の課題を解決するために、請求項20に記載の発明は、請求項16から19のいずれか一項に記載の質問器において、受信した前記パルス信号に対応して前記応答器に備えられた前記広帯域アンテナにより反射された反射波の受信時刻と、前記パルス信号の送信時刻と、の時間である送信受信間隔を検出する送受信間隔検出手段と、前記検出された送信受信間隔に基づいて、質問器と前記反射波を送信してきた前記応答器との距離を認識する距離認識手段と、を備えて構成される。
よって、検出された送信受信間隔に基づいて応答器との距離を認識するので、正確に当該距離を認識することができる。
上記の課題を解決するために、請求項21に記載の発明は、請求項16から20のいずれか一項に記載の質問器において、前記応答信号の極性を判定する判定手段を更に備えて構成される。
よって、応答信号の極性を判定することで当該応答信号に含まれている内容を認識するので、簡易な質問器の構成で正確に応答信号の内容を認識することができる。
上記の課題を解決するために、請求項22に記載の発明は、請求項10に記載された応答器に対して前記パルス信号を送信し且つ当該応答器からの前記応答信号を受信する質問器であって、前記パルス信号を生成する生成手段と、前記パルス信号を前記応答器に対して送信し且つ当該パルス信号に対応する前記応答器からの前記応答信号を受信する広帯域アンテナと、前記受信した応答信号をサンプリングして周波数解析する解析手段と、前記周波数解析の結果に基づいて各前記応答器を識別する識別手段と、を備えて構成される。
よって、請求項10に記載の応答器からの応答信号を広帯域アンテナで受信して当該応答信号をサンプリングして周波数解析した結果に基づいて応答器を識別するので、応答器の識別及び距離検出が可能となり、搬送波を用いないことにより小型化・低消費電力化をも図ることができる。
上記の課題を解決するために、請求項23に記載の発明は、請求項22に記載の質問器において、予め生成されている参照信号を前記受信した応答信号に重畳し、重畳信号を生成する重畳手段と、前記解析手段は、前記生成された重畳信号をサンプリングして周波数解析するように構成される。
よって、参照信号を応答信号に重畳して得られる重畳信号をサンプリングして周波数解析するので、簡易な構成により正確に応答器を識別することができる。
上記の課題を解決するために、請求項24に記載の発明は、請求項23に記載の質問器において、前記参照信号は、予め生成されているクロック信号を用いて生成された参照信号であるように構成される。
よって、予め生成されているクロック信号を用いて参照信号が生成されているので、各応答信号につき統一した参照信号を用いて当該応答器を識別することができる。
上記の課題を解決するために、請求項25に記載の発明は、請求項16から24のいずれか一項に記載の質問器において、請求項12から15のいずれか一項に記載の応答器に対して前記電波を送信する電波送信手段を更に備えて構成される。
よって、各応答器を小型化しつつ当該各応答器に対して効果的に電力を供給することができる。
上記の課題を解決するために、請求項26に記載の発明は、一又は複数の請求項1に記載の応答器と、複数の請求項16に記載の質問器と、各前記質問器において検出された前記応答器と各前記質問器との距離に基づいて各前記応答器の位置を特定する特定手段と、を備えて構成されている。
よって、各質問器において検出された応答器と各質問器との距離に基づいて各応答器の位置を特定するので、一又は複数の応答器についての各質問器からの距離がわかることでその応答器の位置が特定でき、各応答器自体をも識別することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、予め設定された長さを有する伝送手段により広帯域アンテナと生成手段とが接続されているので、パルス信号から生成される応答信号の送信態様(応答信号の波形及び送信タイミング)がその長さに依存して変化することになり、結果として当該応答信号の波形に基づいてその応答器を識別しつつ、当該送信タイミングに基づいてその応答器までの距離を検出することができる。また、広帯域アンテナを用いてパルス信号を受信することで応答信号を生成するので、応答器の識別及び距離検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ応答器の識別及び距離検出が可能となる。
従って、パルス信号を用いた無線通信が有する低消費電力化・測距可能等の特長を活かしつつ、その無線通信の対象物である応答器を相互に識別することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、各応答器毎に異なる長さの伝送手段により広帯域アンテナと生成手段とが接続されているので、各応答器において受信したパルス信号から生成される応答信号の送信態様(応答信号の波形及び送信タイミング)、換言すれば、各応答器から送信される当該応答信号の質問器における受信態様(各応答信号の信号波形及び質問器における受信タイミング)が、各応答器における伝送手段の長さを各応答器毎に異ならせることにより各応答器毎に異なることとなり、結果として当該受信タイミングの相違により複数応答器からの応答信号を夫々分離し、当該信号波形の相違により各応答器を識別しつつ各応答器までの質問器からの距離を検出することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、伝送手段が有する長さにおいて特性インピーダンスが一定であるので、応答信号の波形及び送信タイミングが変動することがなく、不要な反射成分が発生しないので、精度よく応答器を識別し、また応答器までの距離を検出することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、伝送手段の長さが、当該伝送手段上における各信号の伝搬速度に対してパルス信号のパルス幅に相当する時間を乗じた値の二分の一以上の長さとされているので、応答器における広帯域アンテナ自体からパルス信号に応じて反射・放射される信号と、本来の応答信号と、を明確に識別して応答器の識別及び距離検出を行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、受信されたパルス信号に対するパルス反射係数を制御するので、各応答器から送信される応答信号の送信態様を送信すべき識別情報に応じて変更することができ、反射係数を制御しない場合を比べて多くの情報を送ることができる。すなわち、簡易な構成で多ビットの応答信号を生成して送信することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、応答信号が有すべき信号態様に応じて伝送手段の実効的な長さを制御するので、各応答器から送信される応答信号の送信態様を送信すべき識別情報に応じて変更することができ、反射係数を制御しない場合を比べて多くの情報を送ることができる。すなわち、簡易な構成で多ビットの応答信号を生成して送信することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明の効果に加えて、伝送手段の長さが、当該伝送手段上における各信号の伝搬速度に対してパルス信号のパルス幅に相当する時間を乗じた値の二分の一に当該乗算値のN/4倍を加算した値の長さとされているので、伝送手段の長さを不必要に長くすることなく小型化を可能とすると同時に各応答器を確実に識別しつつその距離を検出することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、一の応答器上に複数種類の長さの伝送手段を備えているので、簡易な構成で多ビットの応答信号を生成して送信することができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項8に記載の発明の効果に加えて、各伝送手段の少なくとも一部としての機能を備える共用伝送手段を更に備えるので、応答器を小型化しつつ複数種類の長さを有する伝送手段を実現することができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、複数の共振周波数により共振可能な共振手段を生成手段が備えるので、比較的Q値が低い共振手段を用いても多ビットの応答信号を生成することができる。
請求項11に記載の発明によれば、相互に異なる応答信号が得られる要素応答器を複数備えているので、応答器の構成を簡略化しつつ多ビットの応答信号を生成することができる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項1から11のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、電波を受信して電力を得るので、電池等の外部電源を不要として応答器を更に小型化し運用コストを低減することができる。
請求項13に記載の発明によれば、請求項12に記載の発明の効果に加えて、情報授受用のパルス信号と異なる連続波により電力を供給するので、各応答器において効率的に電力を発生させることができる。
請求項14に記載の発明によれば、請求項12又は13に記載の発明の効果に加えて、受信アンテナが狭帯域アンテナであり、電波が連続波であるので、効率的に電力を取得することができる。
請求項15に記載の発明によれば、請求項12又は13に記載の発明の効果に加えて、応答信号を送信する広帯域アンテナが、受信アンテナを兼ねるので、小型化することができる。
請求項16に記載の発明によれば、応答器からの応答信号を広帯域アンテナで受信して参照信号との比較により応答器を識別するので、応答器の識別及び距離検出が可能となり、搬送波を用いないことにより小型化・低消費電力化をも図ることができる。
従って、パルス信号を用いた無線通信が有する低消費電力化・測距可能等の特長を活かしつつ、その無線通信の対象物である応答器を相互に識別することが可能となる。
請求項17に記載の発明によれば、請求項16に記載の発明の効果に加えて、クロック信号に対応した第1の変調処理を施してパルス信号を生成して、当該クロック信号に対応した第2の変調処理に基づいて生成された参照信号と応答信号との相関をとるので、正確に応答信号の内容を検出したり、パルス信号の受信時間間隔を検出することができる。
請求項18に記載の発明によれば、請求項17に記載の発明の効果に加えて、第1の変調処理及び第2の変調処理が擬似ランダム符号に基づいてクロック信号を遅延させる変調処理であるので、各応答器からの応答信号間におけるパルス重なりの発生を防止できる。
請求項19に記載の発明によれば、請求項16から18のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、検出された応答波間隔に基づいて各応答器を識別するので、正確に当該識別を実行することができる。
請求項20に記載の発明によれば、請求項16から19のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、検出された送信受信間隔に基づいて応答器との距離を認識するので、正確に当該距離を認識することができる。
請求項21に記載の発明によれば、請求項16から20のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、応答信号の極性を判定することで当該応答信号に含まれている内容を認識するので、簡易な質問器の構成で正確に応答信号の内容を認識することができる。
請求項22に記載の発明によれば、請求項10に記載の応答器からの応答信号を広帯域アンテナで受信して当該応答信号をサンプリングして周波数解析した結果に基づいて応答器を識別するので、応答器の識別及び距離検出が可能となり、搬送波を用いないことにより小型化・低消費電力化をも図ることができる。
従って、パルス信号を用いた無線通信が有する低消費電力化・測距可能等の特長を活かしつつ、その無線通信の対象物である応答器を相互に識別することが可能となる。
請求項23に記載の発明によれば、請求項22に記載の発明の効果に加えて、参照信号を応答信号に重畳して得られる重畳信号をサンプリングして周波数解析するので、簡易な構成により正確に応答器を識別することができる。
請求項24に記載の発明によれば、請求項23に記載の発明の効果に加えて、予め生成されているクロック信号を用いて参照信号が生成されているので、各応答信号につき統一した参照信号を用いて当該応答器を識別することができる。
請求項25に記載の発明によれば、請求項16から24のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、各応答器を小型化しつつ当該各応答器に対して効果的に電力を供給することができる。
請求項26に記載の発明によれば、各質問器において検出された応答器と各質問器との距離に基づいて各応答器の位置を特定するので、一又は複数の応答器についての各質問器からの距離がわかることでその応答器の位置が特定でき、各応答器自体をも識別することができる。
従って、パルス信号を用いた無線通信が有する低消費電力化・測距可能等の特長を活かしつつ、応答器を識別してその位置を特定することが可能となる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、UWB方式の無線通信により無線タグ同士を識別すると共に各無線タグの質問器からの距離を検出する無線通信システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
(I)第1実施形態
始めに、本発明に係る第1実施形態について、図1乃至図8を用いて説明する。
なお、図1は第1実施形態に係る無線通信システムの概要構成を示すブロック図であり、図2は第1実施形態に係る無線タグの概要構成を示すブロック図であり、図3は第1実施形態に係る質問器の概要構成を示すブロック図であり、図4は第1実施形態に係る応答器及び質問器の動作を示す波形図であり、図5は第1実施形態に係る応答器及び質問器の動作をより詳細に示す図であり、図6は第1実施形態に係る無線タグの細部構成を示す回路図であり、図7は第1実施形態に係る質問器から送信されるパルス信号の波形を例示する図であり、図8は第1実施形態に係る質問器から送信されるパルス信号及び電力信号の波形を例示する図である。
先ず、第1実施形態に係る無線通信システム全体の構成について、図1を用いてその概要を示す。
図1に示すように、第1実施形態に係る無線通信システムSは、夫々にアンテナANTを備える質問器PC1、PC2、PC3、…、PCnと、距離測定の対象となる商品等に貼り付けられている応答器としての無線タグTG1、TG2、TG3、…、TGnと、により構成されている。
この構成において、各質問器PCnからは各無線タグTGnに対してUWB方式に則ったパルス信号を送信する。このとき、当該パルス信号は、質問器PCnに備えられた後述の広帯域アンテナから送信され、これを各無線タグTGnに備えられた後述する広帯域アンテナにより受信する。
そして、各無線タグTGnにより受信されたパルス信号は、各無線タグTGn内の後述する負荷インピーダンス部において反射され再度当該無線タグTGnに備えられた広帯域アンテナから応答信号(上記受信したパルス信号に対応する応答信号)としてUWB方式に則って各質問器PCnに送信(返信)される。
これにより、各質問器PCnは、当該応答信号を広帯域アンテナにより受信してその内容を検出する。そして、この検出された応答信号の内容により各質問器PCnにおいて各無線タグTGnが相互に識別され、更に、受信した応答信号に含まれているパルス波の態様により各無線タグTGnまでの距離が検出される。
ここで、各無線タグTGnにおいては、上記負荷インピーダンス部が有する負荷インピーダンスが、各無線タグTGn間において相互に異なる負荷インピーダンスとなるように、一の無線タグTGnにおいて後述する制御部により制御されている。これにより、各無線タグTGn間で負荷インピーダンスが異なることにより上記応答信号に含まれているパルス波の極性等が各無線タグTGn間で相互に異なることになり、この結果、各質問器PCnにおいて各無線タグ自体を識別することが可能となるのである。
次に、各無線タグTGnの構成について、図2を用いて説明する。
図2に示すように、第1実施形態に係る各無線タグTGnは、例えば薄膜金属等からなる一対の広帯域アンテナ1と、平行線路からなる伝送手段としての伝送路2と、例えば図2に例示する如くスイッチング素子等からなる生成手段としての負荷インピーダンス部3と、制御部4と、電源部5と、電力取得用の一対の狭帯域アンテナ6と、により構成されている。
次に、動作を説明する。
先ず、狭帯域アンテナ6は、質問器PCn内の後述する狭帯域アンテナから送信されてくる連続波である電力信号を受信し、その電力信号により誘起された電流を受信電流として電源部5へ出力する。
次に、電源部5は、当該受信電流により駆動され、負荷インピーダンス部3及び伝送路2により構成される負荷インピーダンスを制御するための制御信号Scを生成し、当該負荷インピーダンス部3へ出力する。
一方、一対の広帯域アンテナ1は、UWB方式に則った無線通信が可能な広帯域アンテナであり、伝送路2を介して夫々負荷インピーダンス部3へ電気的に接続されている。
また、伝送路2は、一定の特性インピーダンスを持つ平行線路により形成されており、一対の広帯域アンテナ1と、負荷インピーダンス部3とを接続している。
そして、上記各質問器PCnから送信されたパルス信号が広帯域アンテナ1により受信されると、当該各広帯域アンテナ1内に受信電流が誘起され、この受信電流の一部により上記パルス信号が広帯域アンテナ1自体で直接反射され、その反射されたパルス波(当該反射されたパルス波を、以下単に反射波と称する。)が再び質問器PCnにおいて受信されることになる。
一方、広帯域アンテナ1における直接反射に用いられなかった上記受信電流の他の部分は、伝送路2内を伝搬し、負荷インピーダンス部3において反射され、上記応答信号として再び広帯域アンテナ1に向けて伝搬していく。そして、広帯域アンテナ1に到達した当該応答信号が当該広帯域アンテナ1から放射されて質問器PCnに向けて送信される。このとき、伝送路2が一定の特性インピーダンスを有するので、伝送路の途中で不要な反射が生じない。
ここで、一本の伝送路2の長さL0は、上記反射波と応答信号を構成するパルス波とが質問器PCnにおける受信時において重ならず、反射波を用いて質問器PCnと無線タグTGnとの距離を精度良く検出できるように、
0=(応答信号の伝搬速度)
×(受信したパルス信号におけるパルス幅)/2
より長い長さで且つ各無線タグTGn毎に異なるように設定されている。ここで、応答信号の伝搬速度は、伝送路2をパルスが伝搬するときの伝搬速度である。
次に、各質問器PCnの細部構成について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、第1実施形態に係る質問器PCnは、識別手段、反射波検出手段、応答波検出手段、応答波間隔検出手段、送受信間隔検出手段及び距離認識手段としての制御器10と、遅延器11及び13と、クロック信号生成器12と、パルス生成手段としてのパルス発生器14と、無線タグTGnにおける広帯域アンテナ1と同様の構成を備える広帯域アンテナ15(パルス信号送信用)と、テンプレートパルス発生器16と、相関器17と、広帯域アンテナ15と同様の構成を備える広帯域アンテナ18(無線タグTGnからの応答信号受信用)と、復号器19と、発振器20と、変調器21と、増幅器22と、例えば無線タグTGnにおける狭帯域アンテナ6と同様の構成を備える狭帯域アンテナ23と、により構成されている。このとき、上記発振器20、変調器21、増幅器22及び狭帯域アンテナ23により、連続波による構成される電波を無線タグTGnの狭帯域アンテナ6に送信する電力供給部Bを構成している。
次に、動作を説明する。
先ず、上記パルス信号を無線タグTGnに向けて送信する際には、クロック信号生成器12は、予め設定された一定周波数のクロック信号Sclを生成して遅延器11及び13に夫々出力する。
そして、遅延器11は、制御器10からの制御信号Scd1に基づいて上記クロック信号Sclを遅延し、遅延クロック信号Sd1としてパルス発生器14に出力する。ここで、遅延器11におけるクロック信号Sclの遅延量は、例えばいわゆる擬似ランダム符号により各パルス信号毎にランダムな遅延が与えられる。なお、当該擬似ランダム符号としてより具体的には、例えば、いわゆるM系列(Maximal-length sequences)又はGold系列等が適当である。
次に、パルス発生器14は、予め設定された上記UWB方式に則ったパルス発生処理により上記遅延クロック信号Sd1からパルス信号Soutを生成し、広帯域アンテナ15を介して無線タグTGnに向けて送信する。
一方、各無線タグTGnからの上記応答信号は、広帯域アンテナ18において受信され、応答信号Sinとして相関器17に出力される。
このとき、クロック信号生成器12は、上記クロック信号Sclを遅延器13に出力しており、当該遅延器13は、制御器10からの制御信号Scd2に基づいて上記クロック信号Sclを遅延し、遅延クロック信号Sd2としてテンプレートパルス発生器16に出力している。なお、上記遅延器11における遅延量と遅延器13における遅延量とは相互に異ならされている。
そして、テンプレートパルス発生器16は、当該遅延クロック信号Sd2を用いて、受信した応答信号Sinの内容の解析に用いる後述の参照(テンプレート)信号Stpを生成し、相関器17に出力する。
これらにより、相関器17は、受信した応答信号Sinと、上記参照信号Stpとを、特に遅延器13における遅延量に応じて比較し、相互の相関度(類似度)を示す相関信号Scmを生成して復号器19へ出力する。
そして、復号器19は、当該相関信号Scmに基づいて応答信号Sinの内容を判読・復号し、復号信号Sdcとして制御器10へ出力する。
これにより、制御器10は、当該復号信号Sdcに基づいて、受信した応答信号Sinを送信した無線タグTGnを後述するように他の無線タグTGnから識別し、更に、当該送信した無線タグTGnの当該応答信号Sinを受信した質問器PCnからの距離を後述するように判定する。
他方、電力供給部B内の発振器20は、予め設定された上記連続波の周波数を示す発振信号Sfを生成して変調器21へ出力する。
そして、変調器21は、制御器10からの制御信号Sccに基づき、発振信号Sfに対して予め設定された変調処理(より具体的に、例えば、各無線タグTGn用の識別番号情報等を、上記連続波を搬送波として伝送する場合における当該識別番号情報等の内容に対応した振幅変調処理等)を施し、変調信号Seとして増幅器22へ出力する。
これにより、増幅器22は、上記変調信号Seに対して予め設定された増幅処理を施し、上記電力信号Sbbとして狭帯域アンテナ23を介して各無線タグTGnの狭帯域アンテナ6に向けて送信する。
次に、上述した各質問器PCn及び各無線タグTGn間において授受される上記パルス信号及び応答信号の波形について、具体的に図4(A)を用いて説明する。
先ず、一般に、広帯域アンテナ1、15又は18は送受信するパルス波に対して微分特性を有しているため、上記パルス信号Soutの広帯域アンテナ15からの放射前のパルス波形(すなわち、UWB方式に則った一個のパルス波形)が図4(A)最上段に示すパルス波Pだったとすると、広帯域アンテナ15から放射された直後のパルス信号におけるパルス波形は、上述した広帯域アンテナ15が有する微分特性が故に図4(A)上から二段目に示すパルス波Poutの如き、上記パルス波Pを一回微分した波形となる。
次に、当該パルス波Poutにより構成されるパルス信号が無線タグTGn上の広帯域アンテナ1において受信された直後(すなわち、伝送路2上)におけるパルス信号のパルス波形は、やはり広帯域アンテナ1が有する微分特性が故に図4(A)上から三段目に示すパルス波Prvの如き、上記パルス波Poutを更に一回微分した波形となる。
次に、負荷インピーダンス部3において反射されたパルス信号(すなわち、上記応答信号)が広帯域アンテナ1から放射された直後のパルス信号におけるパルス波形は、上述した広帯域アンテナ1が有する微分特性が故に図4(A)上から四段目に示すパルス波Ptoutの如き、上記パルス波Prvを一回微分した波形となる。
そして最後に、上記パルス波Ptoutにより構成される応答信号が質問器PCn上の広帯域アンテナ18において受信された直後(すなわち、上記応答信号Sin)におけるパルス波形は、同様に広帯域アンテナ18が有する微分特性が故に図4(A)最下段に示すパルス波Pinの如き、上記パルス波Ptoutを更に一回微分した波形となる。
次に、応答信号を無線タグTGnから受信した後に相関器17を中心として実行される当該応答信号の内容の判読について、具体的に図4(B)を用いて説明する。
先ず、テンプレートパルス発生器16から出力される上記参照信号Stpは、広帯域アンテナ15から送信されるパルス信号と同一の波形を有するパルス信号を、識別並びに測距を行おうとする無線タグTGnから送信されて受信された応答信号Sinと同一或いは相関のある波形又はそれらの位相反転波形となるように必要回数だけ微分したものであり、且つ、その識別等を行おうとする無線タグTGn内の伝送路2におけるパルス信号受信時から応答信号送信時までの時間だけ遅延させて得られる参照信号である。
そして、このような参照信号Stp(図4のパルスPrvの波形参照)と、実際に広帯域アンテナ18から入力されてきた応答信号Sinとを相関器17において比較する。これにより、図4(B)上に示すように応答信号Sinと参照信号Stpとの相関(位相相関)が正のときは、応答信号Sinの内容を「1」と復号器19において判定し、一方、図4(B)下に示すように応答信号Sinと参照信号Stpとの相関が負のときは、応答信号Sinの内容を「0」と復号器19において判定し、これらの判定値に対応する上記復号信号Sdcを制御器10に出力する。
次に、第1実施形態に係る無線通信システムSにおいて、複数の無線タグTGnを相互に識別する仕組みについて、具体的に図5を用いて説明する。なお、図5(A)は複数の無線タグTGnにおける広帯域アンテナ1、伝送路2及び負荷インビーダンス部3の構成を示す図であり、図5(B)は図5(A)に示す各無線タグTGnとの間において授受されるパルス信号及び応答信号等を示すタイミングチャートである。ここで、図5(A)においては無線タグTGnにおける制御部4、電源部5及び狭帯域アンテナ6の図示は省略している。また、図5(A)に示す各無線タグTG1及びTG2においては負荷インピーダンス部3が制御部4により制御されるスイッチング素子のみにより構成されており、無線タグTG3においては無線タグTG1と同じ長さの伝送路2及びスイッチング素子に加えて負荷整合用の抵抗体3Rが直列に接続されて構成されている。
更に、図5(B)においては、質問器PCnの広帯域アンテナ15から放射される直前のパルス信号Pの波形を示すタイミングチャートを最上段に示し、上記パルス信号Soutが広帯域アンテナ15に入力され、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波が無線タグTG1において受信・返信され対応する応答信号Sinが質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信された直後の当該応答信号Sinのタイミングチャートを上から二段目に示し、上記パルス信号Soutが広帯域アンテナ15に入力され、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波が無線タグTG2において受信・返信され対応する応答信号Sinが質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信された直後の当該応答信号Sinのタイミングチャートを上から三段目に示し、上記パルス信号Soutが広帯域アンテナ15に入力され、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波が無線タグTG3において受信され対応する応答信号Sinが質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信された直後の当該応答信号Sinのタイミングチャートを最下段に示す。
上述したように、第1実施形態の無線通信システムSに含まれる各無線タグTGnは、原則として相互に異なる長さの伝送路2及び負荷インピーダンス部3を備えている。従って、質問器PCnから送信されたパルス信号が各無線タグTGnにおける広帯域アンテナ1で受信され、負荷インピーダンス部3において反射され再度広帯域アンテナ1から応答信号として送信されるまでの時間が各無線タグTGn毎に異なることになる。
より具体的に、先ず質問器PCnから送信されるパルス信号が無線タグTG1において受信され、対応する応答信号が質問器PCnにおいて受信される場合について図5(B)最上段左及び上から二段目左を用いて説明する。
無線タグTG1における負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が開放(OFF)とされている場合、質問器PCnからパルス信号Soutとして図5(B)最上段左に示すパルス波P(送信前の波形を示す。以下、同様)が広帯域アンテナ15に入力されると、最初に当該送信されたパルス波が質問器PCnにおける広帯域アンテナ18において直接受信され、当該直接受信されたパルス波に対応する受信パルス波Pin1が図5(B)上から二段目左に示すように生成される。次に、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波が無線タグTG1における広帯域アンテナ1において反射されると、これに対応して当該広帯域アンテナ1からの上記反射波が図5(B)上から二段目左に示すように質問器PCnにおいて反射波Pin2として受信される。この受信パルス波Pin1と反射波Pin2を受信する時間間隔は質問器PCnと無線タグTG1との距離に依存し、この時間間隔にパルス波の速度を乗算すれば距離を求めることができる。次に、当該反射波Pin2に続いて、広帯域アンテナ1において受信されたパルス信号が負荷インピーダンス部3において反射され、応答信号として再び広帯域アンテナ1から送信されると、当該送信された応答信号が質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信され、対応する受信パルス波Pin3が図5(B)上から二段目左に示すように生成される。このとき、上記反射波Pin2は図4(A)最下段に示すパルス波Pinと同様の波形を示すことになる。また、上記受信パルス波Pin3は、負荷インピーダンス部3が開放されているため、上記反射波Pin2と同様の波形のパルス波が、伝送路2の往復の時間T1だけ遅延して質問器PCnにおいて受信される。そして、図4(B)に例示する参照信号Stpを用いる場合、受信パルス波Pin3の内容は「1」を示すことになる。
次に、質問器PCnから送信されるパルス信号が無線タグTG2において受信され、対応する応答信号が質問器PCnにおいて受信される場合について図5(B)最上段左及び上から三段目左を用いて説明する。
無線タグTG2における負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が開放とされている場合、質問器PCnからパルス信号Soutとして図5(B)最上段左に示すパルス波Pが広帯域アンテナ15に入力され送信されると、無線タグTG1の場合と同様に広帯域アンテナ18において直接受信されたパルス波に対応する受信パルス波Pin1が図5(B)上から三段目左に示すように生成される。次に、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波が無線タグTG2における広帯域アンテナ1において反射されると、これに対応して当該広帯域アンテナ1からの上記反射波Pin2が図5(B)上から三段目左に示すように質問器PCnにおいて受信される。次に、当該反射波Pin2に続いて、広帯域アンテナ1において受信されたパルス信号が負荷インピーダンス部3において反射され、応答信号として再び広帯域アンテナ1から送信されると、当該送信された応答信号が質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信され、対応する受信パルス波Pin3が図5(B)上から三段目左に示すように生成される。このとき、上記受信パルス波Pin3は、負荷インピーダンス部3が開放されているため、上記反射波Pin2と同様の波形のパルス波が、無線タグTG2における伝送路2(無線タグTG1の伝送路2よりも長い)の往復の時間T2(>T1)だけ当該反射波Pin2から遅延して質問器PCnにおいて受信される。そして、図4(B)に例示する参照信号Stpを用いる場合、受信パルス波Pin3の内容は「1」を示すことになる。
最後に、質問器PCnから送信されるパルス信号が無線タグTG3において受信され、対応する応答信号が質問器PCnにおいて受信される場合について図5(B)最上段左及び最下段左を用いて説明する。
無線タグTG3における負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が開放とされている場合、抵抗体3Rによる負荷整合の機能は発揮されないわけであるが、質問器PCnからパルス信号Soutとして図5(B)最上段左に示すパルス波Pが広帯域アンテナ15に入力され送信されると、無線タグTG1又はTG2の場合と同様に広帯域アンテナ18において直接受信されたパルス波に対応する受信パルス波Pin1が図5(B)最下段左に示すように生成される。次に、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波が無線タグTG3における広帯域アンテナ1において反射されると、これに対応して当該広帯域アンテナ1からの上記反射波が図5(B)最下段左に示すように質問器PCnにおいて反射波Pin2が受信される。次に、当該反射波Pin2に続いて、広帯域アンテナ1において受信されたパルス信号が負荷インピーダンス部3において反射され、応答信号として再び広帯域アンテナ1から送信されると、当該送信された応答信号が質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信され、対応する受信パルス波Pin3が図5(B)最下段左に示すように生成される。このとき、上記受信パルス波Pin3は、負荷インピーダンス部3が開放されており抵抗体3Rの存在の影響を受けないため、上記反射波Pin2と同様の波形のパルス波が、無線タグTG3における伝送路2(無線タグTG1の伝送路2と同じ長さを有する)の往復の時間T3(=時間T1)だけ遅延して質問器PCnにおいて受信される。そして、図4(B)に例示する参照信号Stpを用いる場合、受信パルス波Pin3の内容は「1」を示すことになる。
次に、各無線タグTG1乃至TG3の負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が短絡(ON)とされている場合について、図5(A)及び図5(B)を用いて説明する。
先ず質問器PCnから送信されるパルス信号が無線タグTG1において受信され、対応する応答信号が質問器PCnにおいて受信される場合について図5(B)最上段右を用いて説明する。
無線タグTG1における負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が短絡とされている場合、質問器PCnからパルス信号Soutとして図5(B)最上段右に示すパルス波Pが広帯域アンテナ15に入力され送信されると、図5(B)左に示す場合と同様に広帯域アンテナ18において直接受信されたパルス波Pに対応する受信パルス波Pin1が図5(B)上から二段右左に示すように生成される。次に、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波が無線タグTG1における広帯域アンテナ1において反射されると、これに対応して当該広帯域アンテナ1からの上記反射波Pin2が図5(B)上から二段目右に示すように質問器PCnにおいて受信される。次に、当該反射波Pin2に続いて、広帯域アンテナ1において受信されたパルス信号が負荷インピーダンス部3において反射され、応答信号として再び広帯域アンテナ1から送信されると、当該送信された応答信号が質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信され、対応する受信パルス波Pin3が図5(B)上から二段目右に示すように生成される。このとき、上記反射波Pin2は図4(A)最下段に示すパルス波Pinと同様の波形を示すことになる。また、上記受信パルス波Pin3は、負荷インピーダンス部3が短絡されているため、上記反射波Pin2に対して極性反転されたパルス波が、伝送路2の往復の時間T1だけ遅延して質問器PCnにおいて受信される。そして、図4(B)に例示する参照信号Stpを用いる場合、受信パルス波Pin3の内容は「0」を示すことになる。
次に、質問器PCnから送信されるパルス信号が無線タグTG2において受信され、対応する応答信号が質問器PCnにおいて受信される場合について図5(B)最上段右及び上から三段目右を用いて説明する。
無線タグTG2における負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が短絡とされている場合、質問器PCnからパルス信号Soutとして図5(B)最上段左に示すパルス波Pが広帯域アンテナ15に入力され送信されると、無線タグTG1の場合と同様に広帯域アンテナ18において直接受信されたパルス波Pに対応する受信パルス波Pin1が図5(B)上から三段目右に示すように生成される。次に、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波Pが無線タグTG2における広帯域アンテナ1において反射されると、これに対応して当該広帯域アンテナ1からの上記反射波Pin2が図5(B)上から三段目右に示すように質問器PCnにおいて受信される。次に、当該反射波Pin2に続いて、広帯域アンテナ1において受信されたパルス信号が負荷インピーダンス部3において反射され、応答信号として再び広帯域アンテナ1から送信されると、当該送信された応答信号が質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信され、対応する受信パルス波Pin3が図5(B)上から三段目右に示すように生成される。このとき、上記受信パルス波Pin3は、負荷インピーダンス部3が短絡されているため、上記反射波Pin2に対して極性反転されたパルス波が、無線タグTG2における伝送路2の往復の時間T2(>時間T1)だけ遅延して質問器PCnにおいて受信される。そして、図4(B)に例示する参照信号Stpを用いる場合、受信パルス波Pin3の内容は「0」を示すことになる。
最後に、質問器PCnから送信されるパルス信号が無線タグTG3において受信され、対応する応答信号が質問器PCnにおいて受信される場合について図5(B)最上段右及び最下段右を用いて説明する。
無線タグTG3における負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が短絡とされている場合、抵抗体3Rによる負荷整合の機能は発揮されるのであるが、質問器PCnからパルス信号Soutとして図5(B)最上段右に示すパルス波Pが広帯域アンテナ15に入力され送信されると、無線タグTG1又はTG2の場合と同様に広帯域アンテナ18において直接受信されたパルス波Pに対応する受信パルス波Pin1が図5(B)最下段右に示すように生成される。次に、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波が無線タグTG3における広帯域アンテナ1において反射されると、これに対応して当該広帯域アンテナ1からの上記反射波Pin2が図5(B)最下段右に示すように質問器PCnにおいて受信される。次に、当該反射波Pin2に続いて、広帯域アンテナ1において受信されたパルス信号が負荷インピーダンス部3においては反射されず、応答信号としては広帯域アンテナ1から送信されないので、当該送信された応答信号は質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信されず、対応する受信パルス波Pin3は図5(B)最下段右に示すようには生成されない。すなわち、上記受信パルス波Pin3は、負荷インピーダンス部3が短絡されており抵抗体3Rが負荷整合機能を有する抵抗体として機能するため、上記パルス信号が負荷インピーダンス部3においては反射されず、結果として無線タグTG3からの応答信号も送信されないので、上記無線タグTG1又はTG2における受信パルス波Pin3に相当する受信パルス波は質問器PCnにおいては受信されない。
なお、図5(B)最下段では、受信パルス波Pin2と同じ極性の受信パルス波Pin3が用いられたが、図5(C)に示すように無線タグTG4を構成すれば、受信パルス波Pin2と逆極性の受信パルス波Pin3を用いることができる。更に、図5(D)に示すように無線タグTG5を構成すれば、受信パルス波Pin2と同極性、逆極性又は反射信号なしの三値で通信を行うことができ、伝送容量を増大させることができる。
以上夫々説明したように、第1実施形態に係る無線タグTG1乃至TG3によれば、夫々の伝送路2の長さ又は負荷インピーダンス部3の構成が異なっているため、結果として質問器PCnにおける受信パルス波Pin3の受信タイミング又は波形或いはその有無が各無線タグTG1乃至TG3間で相互に異なることになり、当該質問器PCnにおいて各無線タグTG1乃至TG3を相互に識別することが可能となるのである。
次に、第1実施形態に係る無線タグTGnの細部構成について、具体的に図6を用いて説明する。なお、図6において、図2と同様の構成部材については、同様の部材番号を付して細部の説明は省略する。
図6に示すように、第1実施形態の無線タグTGnにおける負荷インピーダンス部3は、図2に示すスイッチング素子として機能するダイオード30(伝送路2に対して直列に接続されている)と、ダイオード30の二つの端子の夫々と制御部3との間に接続された二つのコイル(或いはインダクタンス素子)31と、により構成されている。
この構成において、ダイオード30は、制御部4からの制御に基づいて直流バイアスが印加されると短絡し、当該直流バイアスの印加が停止すると開放されることで、上記スイッチング素子として機能するものである。また、コイル31は、上記直流バイアス以外の成分がダイオード30に印加されることを防止すると共に、伝送路2を伝搬するパルス信号が制御部4へ回り込むのを防止し、直流バイアスの印加停止時に負荷インピーダンス部3が、パルス信号に対しては、開放となるようにする機能を備える。
一方、無線タグTGnにおける電源部5は、整流回路32と、整合回路33と、により構成されており、更に整流回路32は、コンデンサ40及び41と、ダイオード42及び43と、により構成されている。
このとき、整合回路33は、二つのアンテナ素子により構成される狭帯域アンテナ6において受信された上記電力信号の、当該アンテナ素子間における整合を取り、当該電力信号により搬送されてきた電力を整流回路32へ出力する。
そして、整流回路32は、各コンデンサ40及び41並びにダイオード42及び43の機能により交流信号である電力信号を直流信号に変換し、当該直流信号により制御部4を駆動する。
これにより、当該制御部4の制御の下、負荷インピーダンス部3内のダイオード30に対する直流バイアスの印加を活殺することで、当該ダイオード30を図2に示すスイッチング素子として機能させる。そして、当該スイッチング素子の活殺により、図4(B)又は図5(B)に示したように質問器PCnにおいて受信される応答信号の内容が「1」(スイッチング素子が開放である場合)又は「0」(スイッチング素子が短絡である場合)に変化するのである。
なお、上記した無線タグTGnの構成において、負荷インピーダンス部3を構成するダイオード30をFET(Field Effect Transistor)により構成しても良い。また、整合回路33を省略しても良いし、整合回路33自体を狭帯域アンテナ6と一体的に形成しても良い。
次に、上述したスイッチング素子の切り換えと質問器PCnからのパルス信号の送信とのタイミングについて、具体的に図7を用いて説明する。
図7に示すように、質問器PCnにおいて生成されるパルス信号Soutを構成する単一パルスのパルス波Pは、時間軸上において予め設定されている一定長さのタイムスロットTS内で一つのみ質問器PCnから送信される。このとき、一のタイムスロットTS内におけるいずれのタイミングでパルス波Pを送信するかは、例えば、上記擬似ランダム符号(より具体的には、例えば、いわゆるM系列又はGold系列等が適当である)により一つのタイムスロットTS内でランダム化されたタイミングにてパルス波Pが送信される。このため、上述した遅延器11においてクロック信号Sclを擬似ランダム符号により遅延させているのである。なお、パルス波Pを質問器PCnから送信する間隔は、当該間隔が各無線タグTGnの伝送路2のうち最も長い伝送路2の長さを、無線タグTGnにおいて受信されたパルス信号及び上記応答信号が伝送路2を伝搬する際の伝搬速度で除して得られる時間よりも長く設定される。
一方、無線タグTGnにおける上記スイッチング素子の活殺は、例えば質問器PCnにおけるタイムスロットTSの開始タイミングに併せて行われる。図7に示す例では、五つのタイムスロットTS毎にスイッチング素子の活殺が定義されている。このため、各質問器PCnにおけるタイムスロットTSの切り換えタイミングの基準となる上記クロック信号Sclと、上記スイッチング素子の活殺の基準となるクロック信号とは同期している必要がある。
この構成に、例えば図7に示す例ではスイッチング素子が一回切り換わると少なくとも五つのパルス波Pに対応するパルス信号が無線タグTGnに送信されることになり、これを受信した無線タグTGnにおいて対応する応答信号を五回送信することで、無線通信システムS以外の外部からの雑音混入があった場合等においても確実に各無線タグTGnを識別することができることになる。
このとき、擬似ランダム符号に応じた相関を求めることにより、相関とは無関係なノイズや他の信号成分を除去でき、高感度な検出が可能となる。これにより、質問器PCnと無線タグTGnとの通信距離を伸ばすことができる。
また、図7に示すように無線タグTGnにおけるスイッチング素子を切り換えれば、連続したタイミングで合計4ビットの情報を質問器PCnに無線タグTGnから夫々のビット毎に応答信号として送信することができることになる。なお、図7に示す場合、質問器PCnにおいて受信される応答信号の内容は、五つのタイムスロットTS毎の間隔で順に「1」、「0」、「0」、「1」と変化することになる。
もちろん、スイッチング素子の切り換えの一周期内に擬似ランダム符号が二回以上繰り返すようにタイムスロットTSの長さと数を設定すれば、スイッチング素子の切り換え周期内に必ず一周期以上の擬似ランダム符号が検出できるので、タイムスロットTSとスイッチング素子の活殺の同期を取る必要がなくなる。
次に、質問器PCnにおける広帯域アンテナ15からの上記パルス信号の送信と、狭帯域アンテナ23からの電力信号の送信との関係について、具体的に図8を用いて説明する。
第1実施形態に係る質問器PCnからは、上記パルス信号に対応するパルス波Poutと電力信号Sbbとが時分割的に送信され、電力信号送信時には電力信号Sbbを無線タグTGnの狭帯域アンテナ6で受信することにより当該無線タグTGnが充電されることになり、更にパルス波Poutの送信に続く時間では上記応答信号の質問器PCnにおける受信が実行される。
すなわち、図8に示すように、電力信号Sbbを狭帯域アンテナ23から送信すべき電力信号タイムスロットCTが終了する(すなわち、無線タグTGnの充電に十分なだけの電力が供給される)と、続いて上記パルス波Poutを広帯域アンテナ15から送信するパルス信号タイムスロットPTが開始される。そして、パルス信号タイムスロットPTが終了すると、次に、当該パルス信号タイムスロットPTと電力信号タイムスロットCTとの分離をするためのUWB方式に則ったブランクタイムスロットBTが開始される。このとき、当該ブランクスロットBTを利用して上述した応答信号の質問器PCnにおける受信が実行される。そして更に、ブランクタイムスロットBTが終了すると、次の電力信号タイムスロットCTが開始されるのである。
このように、電力信号Sbbの送信とパルス波Poutの送信を交互に行うことで、無線タグTGnにおいて必要な充電を行いつつパルス波PoutをタイムスロットTS内で送信することができる。
なお、上述した質問器PCnの構成においては、電力信号Sbbとパルス波Poutが全く異なるものであるため、電力信号Sbbはいわゆる周波数ホッピング技術を用いて送信してもよい。この場合に、電力信号Sbbである連続波を振幅変調することで、無線タグTGnに対して無線タグTGnを特定するID等の識別情報等の情報を送信するように構成することもできる。
また、質問器PCn相互間で情報の授受を無線電波を用いて行う場合のその無線電波を電力信号Sbbとする無線タグTGnに受信させるように構成することもできる。
以上夫々説明したように、第1実施形態の無線通信システムSの動作によれば、各無線タグTGnにおいて、夫々に予め設定された長さを有する伝送路2により広帯域アンテナ1と負荷インピーダンス部3とが接続されているので、パルス信号から生成される応答信号の送信態様(応答信号の波形及び送信タイミング)がその長さや負荷インピーダンスに依存して変化することになり、結果として当該応答信号の波形に基づいてその無線タグTGnを識別しつつ、当該送信タイミングに基づいてその無線タグTGnまでの距離を検出することができる。また、広帯域アンテナ1を用いてパルス信号を受信することで応答信号を生成するので、搬送波を用いることなく無線タグTGnの識別及び距離検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ無線タグTGnの識別及び距離検出が可能となる。
また、各無線タグTG1及びTG2に異なる長さの伝送路2により広帯域アンテナ1と負荷インピーダンス部3とが接続されているので、各無線タグTGnにおいて受信したパルス信号から生成される応答信号の送信態様、換言すれば、各無線タグTGnから送信される当該応答信号の質問器PCnにおける受信態様(各応答信号の信号波形及び質問器における受信タイミング)が、各無線タグTGnにおける伝送路2の長さを各無線タグTGn毎に異ならせることにより各無線タグTGn毎に異なることとなり、結果として当該信号波形の相違により各無線タグTGnを識別しつつ当該受信タイミングの相違により各無線タグTGnまでの質問器PCnからの距離を検出することができる。
更に、伝送路2が有する長さにおいて特性インピーダンスが一定であるので、応答信号の波形及び送信タイミングが変動することがなく、伝送路2の途中からの不要反射を生じないため無線タグTGnを識別し、また無線タグTGnまでの距離を高精度で検出することができる。
更にまた、伝送路2の長さが、当該伝送路2上における各信号の伝搬速度に対してパルス信号のパルス幅に相当する時間を乗じた値の二分の一以上の長さとされているので、無線タグTGnにおける広帯域アンテナ1自体からパルス信号に応じて反射・放射される反射波と、本来の応答信号と、を明確に識別して無線タグTGnの識別及び距離検出を行うことができる。
また、受信されたパルス信号に対するパルス反射係数を制御部4において制御するので、各無線タグTGnから送信される応答信号の送信態様を、受信すべき情報に応じて後から変更することができ、多ビットの応答信号を生成して送信することができる。
更に、連続波である電力信号Sbbを無線タグTGnにおいて受信して電力を得るので、電池等の外部電源を不要として無線タグTGnを更に小型化し運用コストを低減することができる。
更にまた、情報授受用のパルス信号と異なる電力信号Sbbにより電力を供給するので、各無線タグTGnにおいて効率的に電力を発生させることができる。
また、質問器PCnにおいて、各無線タグTGnからの応答信号を広帯域アンテナ18で受信して参照信号Stpとの比較により無線タグTGnを識別するので、無線タグTGnの識別及び距離検出が可能となり、搬送波を用いないことにより小型化・低消費電力化をも図ることができる。
更に、質問器PCnにおいて、クロック信号Sclを遅延器11において遅延することでパルス信号を生成し、遅延器13において遅延器11の場合と異なる遅延時間で当該クロック信号Sclを遅延して生成された参照信号Stpと応答信号Sinとの相関をとるので、正確に応答信号Sinの内容を検出したり反射信号や応答信号夫々の時間間隔を検出することができる。
更にまた、上記各遅延のタイミングにつき、擬似ランダム符号に基づいてクロック信号Sclを夫々遅延させるので、各無線タグTGnからの応答信号間におけるパルス重なりの発生を防止できる。
また、パルス信号の間隔を擬似ランダム符号により変更すると、結果として送信スペクトラムに周期的なピークが発生することがなく、例えば質問器PCn相互間の通信の如き他の無線通信に影響を与えないですむことになる。
更に、擬似ランダム符号に応じた相関を求めて信号を検出することにより、高感度な検出が可能となり、通信距離も伸ばすことができる。
更にまた、連続するパルス信号を短絡又は開放のいずれか一方の機能を有する負荷インピーダンス部3で反射し、その応答信号を質問器PCnにおいて受信することで、単一のパルス信号のみで情報の授受を行う場合に比して復号器19から出力される復号信号Sdcにおける信号対雑音比が向上するので、質問器PCnと無線タグTGnとの間の通信距離を延伸することが可能となる。
更に、検出された応答信号の間隔に基づいて各無線タグTGnを識別するので、正確に当該識別を実行することができる。
更にまた、質問器PCnにおいて応答信号の極性を判定することで当該応答信号に含まれている内容を認識するので、簡易な質問器PCnの構成で正確に応答信号の内容を認識することができる。
(II)第2実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第2実施形態について、図9乃至図10を用いて説明する。
なお、図9は第2実施形態に係る無線タグの細部構成を示す図であり、図10は当該無線タグからの応答信号の相関を示す図である。また、図9において図2に示した第1実施形態に係る無線タグTGnと同一の部材については、同一の部材番号を付して細部の説明は省略する。
上述してきた第1実施形態においては、各無線タグにおける伝送路の長さを一定とする場合について説明したが、これ以外に、いわゆるダイオードスイッチを広帯域アンテナに対して並列に複数並べることで、一の無線タグにおける伝送路の長さを制御可能とすることができる。
すなわち、図9に示すように、第2実施形態に係る無線タグTGGnは、第1実施形態に係る無線タグTGnと同様の広帯域アンテナ1、伝送路2、狭帯域アンテナ6、整合回路33及び整流回路32に加えて、検波回路35と、長さ制御手段としての制御部34と、五つのコイル(或いはインダクタンス素子)44乃至48と、四つのコンデンサ50乃至53と、抵抗体54と、四つのダイオード55乃至58と、により構成されている。
このとき、伝送路2の長さは、第1実施形態に係る無線タグTGnと同様に、
0=(応答信号の伝搬速度)
×(受信したパルス信号におけるパルス幅)/2
より長い長さで各無線タグTGGn毎に変化させても良いが、各ダイオード55乃至58の伝送路2の方向と平行な方向の間隔は、
1=(応答信号の伝搬速度)
×(受信したパルス信号におけるパルス幅)/4
とされている。ここで、応答信号の伝搬速度は、伝送路2をパルスが伝搬するときの伝搬速度である。
また、コイル44乃至48は、第1実施形態に係る無線タグTGnと同様に直流バイアスのみを各ダイオード55乃至58に印加すると同時に、パルス波が制御部34に回り込むのを防止するためのフィルタの役割をするものであり、また、コンデンサ50乃至53はパルス波をそのまま通過させると同時に各直流バイアスをそれぞれ分離するDCカットの役割をするものであり、更に、伝送路2の終端は、不要な反射を防止するため抵抗体54により負荷整合させるのが好ましい。
そして、検波回路35からの電力信号Sbbが伝送される間隙を示す検波信号並びに無線タグTGGn自体を示す識別情報の内容に基づいて制御部34によりいずれか一つのダイオードを短絡としその他のダイオードを開放とすることで、一の無線タグTGGnにおいて四通り(具体的には、長さL0、長さ(L0+L1)、長さ(L0+2L1)又は長さ(L0+3L1)のいずれかの伝送路の長さを切り換えつつ実現することができるのである。
この場合、質問器PCnにおける応答信号の受信態様は、無線タグTGGnにおけるダイオード55から順にダイオード58まで一つずつのみを短絡とするように制御部34において切り換え制御することで、図10(A)又は(B)に示すように上記パルス信号におけるパルス幅Tpの1/2だけずれた応答信号Sinが受信される。そして、これらを図10(A)に示す参照信号Stp1又は図10(B)に示す参照信号Stp2を用いて相関器17において相関を取ることにより、各応答信号Sinの内容を「1」又は「0」のいずれかであると判別できる。
以上説明したように、第2実施形態に係る無線タグTGGnによれば、第1実施形態に係る無線通信システムSの効果に加えて、無線タグTGGnからの応答信号が有すべき信号態様に応じて伝送路の実効的な長さを制御するので、各無線タグTGGnから送信される応答信号の送信態様を送信すべき情報に応じて変更することができ、多ビットの応答信号を生成して送信することができる。
また、伝送路の長さが、当該伝送路上における各信号の伝搬速度に対してパルス信号のパルス幅に相当する時間を乗じた値の二分の一に当該乗算値のN/4倍を加算した値の長さとされているので、各無線タグTGGnを確実に識別しつつその距離を検出することができる。
(III)変形形態
次に、本発明に係る変形形態について、夫々説明する。
先ず、第1の変形形態として、図11に示すように、無線タグを、図11(A)に示す無線タグTGV1又は図11(B)に示す無線タグTGV2のように構成することもできる。
このとき、無線タグTGV1は、第1実施形態に係る無線タグTGnと同様の広帯域アンテナ1及び伝送路2に加えて、平行線路よりなり且つ相互に長さが異なる伝送路60乃至62を備えている。そして、各伝送路は、伝送路2の広帯域アンテナ1と反対の端を中心として電気的に接続されている。この構成により、無線タグTGV1は三つの伝送経路、すなわち、伝送路2と伝送路60とからなる第一伝送経路、伝送路2と伝送路61とからなる第二伝送経路及び伝送路2と伝送路62とからなる第三伝送経路の三つの伝送経路を備えることになる。
また、無線タグTGV1には、第1実施形態に係る無線タグTGnにおけるスイッチング素子の如き電力を必要とする回路素子は含まれておらず、また応答信号として質問器PCnに送信される内容は常に一定である。なお、伝送路60乃至62の終端を開放又は短絡或いは整合負荷とすることで、各無線タグTGV1間で応答信号に含ませるべき内容を異ならせることができる。
一方、無線タグTGV2は、上記無線タグTGV1の構成に加えて、伝送路61の終端に更に平行線路よりなり且つ相互に長さが異なる伝送路63乃至65を備えている。この構成により、無線タグTGV1は五つの伝送経路、すなわち、伝送路2と伝送路60とからなる第一伝送経路、伝送路2と伝送路61と伝送路63とからなる第二伝送経路、伝送路2と伝送路62と伝送路64とからなる第三伝送経路、伝送路2と伝送路61と伝送路64とからなる第四伝送経路及び伝送路2と伝送路62とからなる第五伝送経路、の五つの伝送経路を備えることになる。そして、この無線タグTGV2にも、電力を必要とする回路素子は含まれておらず、また応答信号として質問器PCnに送信される内容は常に一定である。
ここで、伝送路60乃至65の長さにつき、これらは最も短い伝送路60の長さの自然数倍とされている。そして、この伝送路60の長さが、各無線タグTGV1又はTGV2間で相互に異なる長さとされている。
なお、無線タグTGV1及びTGV2では、各伝送経路が本発明における伝送手段に対応している。
次に、上記無線タグTGV1からの応答信号を質問器PCnにおいて受信した場合の波形を、図11(C)を用いて説明する。なお、以下の説明においては、無産タグTGV1における伝送路60の長さをL1、同じく伝送路61の長さをL2、同じく伝送路62の長さをL3とし、
1<L2<L3
の関係にあるとする。
質問器PCnからのパルス信号として、図5(B)に示すパルス波Pを広帯域アンテナ1に入力して送信したとすると、先ず、図5(B)の場合と同様の受信パルス波Pin1及び反射波Pin2が受信される。次に、無線タグTGV1からの応答信号として受信パルス波Pin4乃至Pin6が時間差をもって受信される。このとき、受信パルス波Pin4は、上記第一伝送経路を経て送信されたもの、つまり、無線タグTGV1における伝送路2に伝送路60を加えた長さ(L0+L1)に相当する長さの伝送路を経て送信されたものであり、受信パルス波Pin5は、上記第二伝送経路を経て送信されたもの、つまり、無線タグTGV1における伝送路2に伝送路61を加えた長さ(L0+L2)に相当する長さの伝送路を経て送信されたものであり、受信パルス波Pin6は、上記第三伝送経路を経て送信されたもの、つまり、無線タグTGV1における伝送路2に伝送路62を加えた長さ(L0+L3)に相当する長さの伝送路を経て送信されたものである。
上記の構成により、各伝送経路((伝送路2+伝送路60)、(伝送路2+伝送路61)及び(伝送路2+伝送路62))により夫々長さが異なり、且つ各伝送経路の終端を開放又は短絡とすることで、一のパルス信号を受信することで多ビットの応答信号を返信することになる。
ここで、伝送路60の長さL1の値によっては図11(C)に最上段に示すように受信パルス波Pin4乃至Pin6の一部同士が重なる場合もあり得るが、夫々別個に生成された参照信号Stp4乃至Stp6を用いて相関を取ることにより、各受信パルス波Pin4乃至Pin6を相互に分離して応答信号としての内容を検出することができる。このとき、参照信号Stp4は受信パルス信号Sin4に対応する参照信号であり、参照信号Stp5は受信パルス信号Sin5に対応する参照信号であり、参照信号Stp6は受信パルス信号Sin6に対応する参照信号である。
以上説明したように、第1の変形形態に係る無線タグTGV1又はTGV2によれば、一の無線タグTGV1又はTGV2上に複数種類の長さの伝送経路を備えているので、簡易な構成で多ビットの応答信号を生成して送信することができる。
また、長さが異なる各伝送経路の少なくとも一部としての機能を備える、無線タグTGV1では伝送路2、無線タグTGV2では伝送路2及び伝送路61を夫々備えるので、無線タグTGV1又はTGV2を小型化しつつ複数種類の長さを有する伝送経路を実現することができる。
なお、上述した第1の変形形態の更なる変形として、図12に示すように、相互に同じ広帯域アンテナ1に対して異なる長さの伝送路2及び70乃至72が夫々接続された要素無線タグTTG1乃至TTG4を含む無線タグTGV3を用いて無線通信システムを構成することもできる。
この場合は、各伝送路2及び70乃至72の長さが相互に異なっており、また、各伝送路2及び70乃至72の終端を開放又は短絡とすることで、無線タグTGV3自体の大きさとしては多少大きくなるものの、極めて簡易な構成で一つのパルス信号から多ビットの応答信号を生成して質問器PCnに送信することができる。
更に、各伝送経路に共通の伝送路2等をもたない図11(D)に示す無線タグTGV4のような構成としても、同様の効果を奏することができる。
また、第2の変形形態として、図13(A)に示す無線タグTGRのように、第1実施形態に係る広帯域アンテナ1及び伝送路2に加えて、当該伝送路2に直列に、夫々にコイル(或いはインダクタンス素子)とコンデンサからなる共振回路75乃至78を複数接続し、各共振回路75乃至78において相互に異なる共振周波数で共振させることで、受信したパルス信号を変形させるように構成することもできる。なお、各無線タグTGRを相互に識別するためには、当該無線タグTGR間で全て異なる共振周波数となるように構成する必要がある。
この無線タグTGRの構成によると、UWB方式として超広帯域の周波数を用いるので、いわゆるQ値が比較的低い共振回路を用いても多ビットの応答信号を生成することができることになり、各共振回路75乃至78並びに広帯域アンテナ1及び伝送路2を全て印刷技術等により薄膜化又は厚膜化しつつ形成することができる。なお、この場合は、反射抑制のために広帯域アンテナ1以外はいわゆるマイクロストリップラインや平行線路にて形成することが望ましい。
次に、上記無線タグTGRを備える無線通信システムに含まれるべき質問器は、図13(B)に示す如き構成を有することになる。
すなわち、第2の変形形態に係る質問器PCCは、第1実施形態に係る質問器PCnと同様の制御器10、遅延器11及び13、クロック信号生成器12、パルス発生器14、広帯域アンテナ15及び18、テンプレートパルス発生器16、相関器17及び電力供給部Bに加えて、合成器82と、サンプリング器81と、解析手段としてのFFT(Fast Fourier transform)器80と、を備えて構成されている。
この構成を備える質問器PCCにおいて、無線タグTGRからの応答信号Sinを受信した場合、先ずテンプレートパルス発生器16において生成された参照信号Stpと応答信号Sinとを合成器82において合成して合成信号Smとし、これをサンプリング器81において当該合成信号Sm内に含まれている多数のパルス波を相互にタイミングをずらしながらサンプリングし、サンプリング信号Sspを生成する。そして、このサンプリング信号Sspに対してFFT器80におよりFFT処理を施し、FFT信号Sfftを生成して制御器10に出力する。
これにより、制御器10においては、FFT信号Sfftに基づいて、いずれの周波数成分が変化しているかを判別することで無線タグTGRを識別することができる。また、相関器17からの相関信号Scmの内容により、質問器PCCから無線タグTGRまでの距離を検出することができる。
次に、第2の変形形態に係る無線通信システムにおける無線タグTGR相互缶の識別の仕組みについて、具体的に図14を用いて説明する。
先ず、図14(A)に示すように、無線タグTGRにおける負荷インピーダンス特性は、共振回路75乃至78夫々の共振周波数において最大値を取る。そして、共振回路75乃至78を有する無線タグTGRでは、各共振回路75乃至78において受信したパルス信号が反射されて生成された応答信号は、負荷インピーダンスが伝送路2の特性インピーダンスより大きい周波数では第1実施形態に係る無線タグTGnにおける開放の場合と同様に受信したパルス信号と同極性となり、一方、負荷インピーダンスが伝送路2の特性インピーダンスより小さい周波数では当該無線タグTGnにおける短絡の場合と同様に受信したパルス信号とは逆極性となって広帯域アンテナ1から送信される。
従って、このようにして生成された応答信号を質問器PCCにおいて受信し、更に周波数特性が、図14(B)に示すように広い周波数帯域に渡って信号強度を有する参照信号Stpを重畳すると、パルス信号と逆極性の周波数成分では応答信号Sinと参照信号Stpとが相互に打ち消しあうこととなるので、結果として図14(C)に示すように応答信号の周波数特性をFFT処理により判読することができる。よって、この図14(C)に示す波形と図14(A)に示す波形とで強度分布が同一となることから、各無線タグTGRを質問器PCCにおいて識別することができるのである。
以上説明した第2の変形形態によれば、複数の共振周波数により共振可能な共振回路75乃至78を無線タグTGRが備えるので、比較的Q値が低い共振回路を用いても多ビットの応答信号を生成することができる。
また、無線タグTGRからの応答信号を広帯域アンテナ18で受信して当該応答信号Sinをサンプリングして周波数解析した結果に基づいて無線タグTGRを識別するので、当該無線タグTGRの識別及び距離検出が可能となり、搬送波を用いないことにより小型化・低消費電力化をも図ることができる。
更に、参照信号Stpを応答信号Sinに重畳して得られる重畳信号Smをサンプリングして周波数解析するので、簡易な構成により正確に無線タグTGRを識別することができる。
更にまた、予め生成されているクロック信号Sclを用いて参照信号Stpが生成されているので、各応答信号Sinにつき統一した参照信号Stpを用いて当該無線タグTGRを識別することができる。
なお、上述した各変形形態のほかに、例えば、通信範囲に比して各パルス波を十分に分離可能に伝送路2の長さL0を設定する必要があることから、遅延線を用いて実効的にその長さL0を長くするように構成することもできる。この場合は、質問器PCnに対して近距離からの不要反射がなくなったタイミングで応答信号が受信されるように構成する必要がある。
また、無線タグTGn等への電力の供給は、例えば太陽電池を用いて供給することも可能である。
更に、図15(図6に示した無線タグTGと同一の部材については同一の部材番号を付して細部の説明は省略する)に示す無線タグTGSのように、インダクタンス素子90及び91とコンデンサ92及び93とを夫々直列に接続した直列共振回路を用いて特定周波数の信号のみを広帯域アンテナ1から整合回路33に入力し、電力の供給を行うように構成することもできる。
この場合には、例えば図6に示した狭帯域アンテナ6が不要となり、構成が簡単になると共に小型化することができる。
以上夫々説明したように、本発明は、無線通信システムにおける無線タグの識別及び距離測定の分野に利用することが可能であり、特に質問器を一般のパーソナルコンピュータに備えれば、そのパーソナルコンピュータが備えられている室内における無線タグの位置特定の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
第1実施形態に係る無線通信システムの概要構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る無線タグの構成を示す図である。 第1実施形態に係る質問器の概要構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る質問器における信号の受信態様を示す図であり、(A)は各受信パルス波の波形を示す図であり、(B)は応答信号の内容判定時における相関を説明する図である。 第1実施形態に係る無線通信システムにおける無線タグ識別の仕組みを説明する図であり、(A)は当該無線通信システムに含まれる無線タグの構成を示す図(I)であり、(B)は当該無線タグ識別を示す波形図であり、(C)は当該無線通信システムに含まれる無線タグの構成を示す図(II)であり、(D)は当該無線通信システムに含まれる無線タグの構成を示す図(III)である。 第1実施形態に係る無線タグの細部構成を示す回路図である。 第1実施形態に係る無線通信システムにおける伝送波形を例示する図である。 第1実施形態における電力供給を説明する波形図である。 第2実施形態に係る無線タグの概要構成を示す回路図である。 第2実施形態に係る無線通信システムにおける無線タグ識別の仕組みを説明する図であり、(A)は波形図(I)であり、(B)は波形図(II)である。 第1の変形形態に係る無線タグを示す図であり、(A)、(B)及び(D)は当該第1の変形形態に係る無線タグの概要構成を示す回路図であり、(C)は当該第1の変形形態に係る質問器における信号の受信態様を示す図である。 第1の変形形態に係る他の無線タグの概要構成を示す回路図である。 第2の変形形態に係る無線通信システムの概要構成を示す図であり、(A)は第2の変形形態に係る無線タグの構成を示す図であり、(B)は第2の変形形態に係る質問器の概要構成を示すブロック図である。 第2の変形形態に係る無線タグ識別の仕組みを説明する波形図であり、(A)は第1の波形図であり、(B)は第2の波形図であり、(C)は第3の波形図である。 無線タグの更なる変形形態を示す細部構成図である。
符号の説明
1、15、18 広帯域アンテナ
2、60、61、62、63、65、65、70、71、72 伝送路
3 負荷インピーダンス部
4、34 制御部
5 電源部
6 狭帯域アンテナ
10 制御器
11、13 遅延器
12 クロック信号生成器
14 パルス発生器
16 テンプレートパルス発生器
17 相関器
19 復号器
20 発振器
21 変調器
22 増幅器
23 狭帯域アンテナ
32 整流回路
33 整合回路
75、76、77、78 共振回路
80 FFT器
81 サンプリング器
82 合成器
90、91 インダクタンス素子
92、93 コンデンサ
TG1、TG2、TG3、TG4、TG5、TGV1、TGV2、TGV3、TGV4、TGR、TGS 無線タグ
PC1、PC2、PC3、PC4 質問器
B 電力供給部

Claims (26)

  1. 広帯域アンテナにより受信されたパルス信号を用いて応答信号を生成する生成手段と、
    前記広帯域アンテナにより受信されたパルス信号を前記広帯域アンテナから前記生成手段に伝送し且つ前記生成された応答信号を前記生成手段から前記広帯域アンテナに伝送する伝送手段であって、予め設定された長さを有する伝送手段と、
    前記パルス信号を受信し且つ前記応答信号を送信する前記広帯域アンテナと、
    を備えることを特徴とする応答器。
  2. 請求項1に記載の応答器において、
    前記広帯域アンテナと前記生成手段との間の前記伝送手段の長さは、他の前記応答器と異なる送信態様で前記広帯域アンテナから前記応答信号を送信させる長さであることを特徴とする応答器。
  3. 請求項1又は2に記載の応答器において、
    前記伝送手段は、予め設定された長さにおいて特性インピーダンスが予め設定された値で一定であることを特徴とする応答器。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の応答器において、
    前記伝送手段の長さは、前記受信されたパルス信号及び前記応答信号の当該伝送手段上における伝搬速度に対して前記受信されたパルス信号のパルス幅に相当する時間を乗じた値の二分の一以上の長さであることを特徴とする応答器。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の応答器において、
    前記生成手段は、前記受信されたパルス信号に対するパルス反射係数を制御する反射制御手段を含むことを特徴とする応答器。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の応答器において、
    前記生成手段は、前記応答信号が有すべき信号態様に応じて前記伝送手段の実効的な長さを制御する長さ制御手段を含むことを特徴とする応答器。
  7. 請求項6に記載の応答器において、
    前記長さ制御手段は、前記伝送手段の長さが、前記パルス信号及び前記応答信号の当該伝送手段上における伝搬速度に対して前記パルス信号のパルス幅に相当する時間を乗じて得られる乗算値の二分の一に当該乗算値のN/4倍(Nは0又は自然数)を加算した値の長さとなるように当該長さを制御することを特徴とする応答器。
  8. 請求項1に記載の応答器において、
    複数の前記生成手段と、
    一の前記広帯域アンテナにより受信されたパルス信号を当該広帯域アンテナから各前記生成手段に夫々伝送し且つ前記生成された応答信号を各前記生成手段から夫々前記広帯域アンテナに伝送する複数の前記伝送手段と、
    を備え、各伝送手段の長さが相互に異なっていることを特徴とする応答器。
  9. 請求項8に記載の応答器において、
    各前記伝送手段の少なくとも一部としての機能を備える共用伝送手段を更に備えることを特徴とする応答器。
  10. 請求項1に記載の応答器において、
    前記生成手段は、複数の共振周波数により共振可能な共振手段を備えることを特徴とする応答器。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の応答器を要素応答器として複数備える応答器であって、
    前記伝送手段の長さ又は前記広帯域アンテナから見た前記伝送手段及び前記生成手段の負荷インピーダンスの少なくともいずれか一つが各前記要素応答器毎に異なっていることを特徴とする応答器。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の応答器であって、
    電波を受信する受信アンテナと、
    前記受信した電波を電力に変換して前記生成手段に供給する電力供給手段と、
    を更に備えることを特徴とする応答器。
  13. 請求項12に記載の応答器において、
    前記電波は連続波であることを特徴とする応答器。
  14. 請求項12又は13に記載の応答器において、
    前記受信アンテナは予め設定されている同調周波数に同調する狭帯域アンテナであり、
    前記電波は当該同調周波数を有する連続波であることを特徴とする応答器。
  15. 請求項12又は13に記載の応答器において、
    前記広帯域アンテナが、前記受信アンテナを兼ねることを特徴とする応答器。
  16. 請求項1から15のいずれか一項に記載された応答器に対して前記パルス信号を送信し且つ当該応答器からの前記応答信号を受信する質問器であって、
    前記パルス信号を生成するパルス生成手段と、
    前記パルス信号を前記応答器に対して送信し且つ当該パルス信号に対応する前記応答器からの前記応答信号を受信する広帯域アンテナと、
    予め生成されている参照信号と、前記受信した応答信号と、を比較して前記応答器を識別する識別手段と、
    を備えることを特徴とする質問器。
  17. 請求項16に記載の質問器において、
    前記パルス生成手段は、
    クロック信号に対して第1の変調処理を施して第1変調クロック信号を生成する第1変調クロック信号生成手段を備え、当該生成された第1変調クロック信号を用いて前記パルス信号を生成して前記広帯域アンテナに出力し、
    前記識別手段は、
    前記クロック信号に対して前記第1の変調処理とは異なる第2の変調処理を施して第2変調クロック信号を生成する第2変調クロック信号生成手段を備え、当該生成された第2変調クロック信号を用いて前記参照信号を生成し前記応答信号との相関をとることを特徴とする質問器。
  18. 請求項17に記載の質問器において、
    前記第1の変調処理及び前記第2の変調処理は、擬似ランダム符号に基づいて前記クロック信号を遅延させる変調処理であることを特徴とする質問器。
  19. 請求項16から18のいずれか一項に記載の質問器において、
    受信した前記パルス信号に対応して前記応答器に備えられた前記広帯域アンテナにより反射された反射波を検出する反射波検出手段と、
    前記応答信号に含まれる応答波を検出する応答波検出手段と、
    前記反射波の受信時刻と前記応答波の受信時刻との時間である応答波間隔を検出する応答波間隔検出手段と、
    を備え、
    前記識別手段は、前記検出された応答波間隔に基づいて各前記応答器を識別することを特徴とする質問器。
  20. 請求項16から19のいずれか一項に記載の質問器において、
    受信した前記パルス信号に対応して前記応答器に備えられた前記広帯域アンテナにより反射された反射波の受信時刻と、前記パルス信号の送信時刻と、の時間である送信受信間隔を検出する送受信間隔検出手段と、
    前記検出された送信受信間隔に基づいて、質問器と前記反射波を送信してきた前記応答器との距離を認識する距離認識手段と、
    を備えることを特徴とする質問器。
  21. 請求項16から20のいずれか一項に記載の質問器において、
    前記応答信号の極性を判定する判定手段を更に備えることを特徴とする質問器。
  22. 請求項10に記載された応答器に対して前記パルス信号を送信し且つ当該応答器からの前記応答信号を受信する質問器であって、
    前記パルス信号を生成する生成手段と、
    前記パルス信号を前記応答器に対して送信し且つ当該パルス信号に対応する前記応答器からの前記応答信号を受信する広帯域アンテナと、
    前記受信した応答信号をサンプリングして周波数解析する解析手段と、
    前記周波数解析の結果に基づいて各前記応答器を識別する識別手段と、
    を備えることを特徴とする質問器。
  23. 請求項22に記載の質問器において、
    予め生成されている参照信号を前記受信した応答信号に重畳し、重畳信号を生成する重畳手段と、
    前記解析手段は、前記生成された重畳信号をサンプリングして周波数解析することを特徴とする質問器。
  24. 請求項23に記載の質問器において、
    前記参照信号は、予め生成されているクロック信号を用いて生成された参照信号であることを特徴とする質問器。
  25. 請求項16から24のいずれか一項に記載の質問器において、
    請求項12から15のいずれか一項に記載の応答器に対して前記電波を送信する電波送信手段を更に備えることを特徴とする質問器。
  26. 一又は複数の請求項1に記載の応答器と、
    複数の請求項16に記載の質問器と、
    各前記質問器において検出された前記応答器と各前記質問器との距離に基づいて各前記応答器の位置を特定する特定手段と、
    により構成されることを特徴とする無線通信システム。
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