JP4650053B2 - 質問器、応答器、位置検出方法および位置検出用プログラム - Google Patents

質問器、応答器、位置検出方法および位置検出用プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4650053B2
JP4650053B2 JP2005093795A JP2005093795A JP4650053B2 JP 4650053 B2 JP4650053 B2 JP 4650053B2 JP 2005093795 A JP2005093795 A JP 2005093795A JP 2005093795 A JP2005093795 A JP 2005093795A JP 4650053 B2 JP4650053 B2 JP 4650053B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distance
interrogator
pulse signal
responder
transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005093795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005318553A (ja
Inventor
和也 滝
勉 大橋
拓也 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2005093795A priority Critical patent/JP4650053B2/ja
Publication of JP2005318553A publication Critical patent/JP2005318553A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4650053B2 publication Critical patent/JP4650053B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02DCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES [ICT], I.E. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES AIMING AT THE REDUCTION OF THEIR OWN ENERGY USE
    • Y02D30/00Reducing energy consumption in communication networks
    • Y02D30/70Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks

Landscapes

  • Near-Field Transmission Systems (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Description

本発明は、位置検出システム、応答器、位置検出方法、位置検出用プログラム及び情報記録媒体の技術分野に属し、より詳細には、無線通信により情報の授受を行ってその位置検出を行う応答器(無線タグ)を含んだ位置検出システム及び位置検出方法並びに当該位置検出システムに用いられる位置検出用プログラム及び当該位置検出用プログラムを記録した情報記録媒体の技術分野に属する。
近年、無線送受信用のアンテナ及びメモリ等を含んで1mm平方以下の大きさのICチップからなる、いわゆる無線タグが実用化されつつある。この無線タグについてより詳細には、当該無線タグは一般に流通する商品等に貼り付けられてその商品等と共に流通するものであり、上記メモリ内にその商品等を識別するための識別情報を記憶させ、更に上記アンテナを介して別に設けられている質問器からの質問信号を受信したとき、当該質問信号に対応し且つ上記識別情報を含む応答信号を生成して上記アンテナを介して上記質問器に送信することで、その質問器において上記商品等を識別可能にするものである。この無線タグによれば、例えば食料品の生産地からの流通経路をその食料品の購入時に確認することができたり、或いは、その食料品の生産時における添加物や農薬の使用状況等をその消費者が確認することができたりすることになる。
一方、近年、搬送波を用いずに非常に時間幅の小さい(1ナノ秒以下)パルス波を用いて通信を行う方式であるUWB(Ultra WideBand)方式の無線通信も実用化されつつある。この無線通信方式によれば、上述した如く非常に時間幅の小さいパルス波を用いるため、結果として使用される帯域幅が数ギガヘルツ以上になる超広帯域な無線通信が可能となり、更に搬送波を用いないことでその送信出力は10ナノワット/メガヘルツ程度と極めて低いものとなる。このような構成を有するUWB方式は以下のような特徴・長所を有し、今後は室内通信やセキュリティセンサ、或いは高速無線LAN(Local Aria Network)等に対する応用が期待されている。
(1)電力スペクトル密度が極めて低いため、既存の通信システムとの与干渉・被干渉が少なく、それらとの共存の可能性を有する。
(2)平均電力レベルが1ミリワット以下であり、数マイル以上の伝送が可能となる。
(3)極めて短い(ナノ秒単位)のパルス波を利用しているため、いわゆるマルチパスに強く、高いパス分割能力を有し、更にレーダとして高精度の測距(数センチメートル単位)が可能となる。
(4)搬送波が不用でパルス波としての放射時間が極めて短いため、小型・低消費電力の通信システムを構築可能である。
(5)ギガヘルツレベルの広い帯域を常に占有するため、大容量多元接続・超高速伝送(<数百メガビット/秒)が可能である。
(6)通信と測距が同時に可能であるため、例えば車―車間通信などに応用可能である。
なお、上記UWB方式の無線通信の一般的な構成について開示している文献としては、例えば以下のような特許文献1乃至4がある。
特表平10−508725号公報 特開2003−189363 特開2003−124844 特開2002−43849
他方、無線通信により移動体までの距離を検出する技術としては、例えば下記特許文献5に記載された技術がある。
特許第3395403号公報 第1図及び第2図等
しかしながら、上述した従来の無線タグを含んだ識別システムによれば、商品等の他の商品等からの識別はできるものの、その構成上、無線タグから質問器までの距離を十分な精度で測定することは不可能だったので、例えば室内における無線タグの位置の特定といった応用も不可能であった。
他方、上記したUWB方式の無線通信を用いたレーダでは、測距する対象物までの距離は正確に測定できるが、その対象物を他の対象物から識別することは不可能であった。
また、上記特許文献5に記載された技術の場合は、搬送波を用いて移動体までの距離を検出するものであるため、上記UWB方式の無線通信の如き小型化及び低消費電力化を実現することは不可能であった。
そこで、本発明は上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その目的は、上記(1)乃至(6)として述べたUWB方式の無線通信が有する低消費電力化・測距可能等の特長を活かしつつ、その対象物間の距離並びにその対象物自体の位置を特定することが可能な位置検出システム及び位置検出方法並びに当該位置検出システムに用いられる位置検出用プログラム及び当該位置検出用プログラムを記録した情報記録媒体を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、質問波として送信パルス信号を送信する送信広帯域アンテナと、受信広帯域アンテナと、他の質問器において前記送信パルス信号が受信された時刻から当該送信パルス信号に対応する返信用のパルス信号が当該他の質問器から送信された時刻までの時間を示す時間情報が含まれたパルス信号を前記受信広帯域アンテナにより受信し、当該受信したパルス信号に基づいて前記他の質問器を含む質問器間の距離である第1距離を検出する第1距離検出手段と、前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、応答器に備えられた応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記応答器までの距離である第2距離を検出する第2距離検出手段と、前記他の質問器において検出された前記第1距離および前記第2距離を取得する距離取得手段と、各前記第1距離および各前記第2距離に基づいて前記応答器との間の相対位置を検出する位置検出手段と、備える。
よって、送信パルス信号及び反射波の授受により各質問器と各応答器間の距離並びに応答器との間の相対位置を検出するので、搬送波を用いることなく各応答器及び質問器間の距離検出及び応答器との間の相対位置の検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び応答器との間の相対位置の検出が可能となる。
また、他の質問器において検出された第1距離および第2距離を取得するので、一の質問器との間で直接通信できない応答器であっても、他の質問器において検出された当該他の質問器と当該応答器までの距離を用いて、応答器との間の相対位置を当該一の質問器において特定することができる。
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、質問波として送信パルス信号を送信する送信広帯域アンテナと、受信広帯域アンテナと、予め絶対位置が特定されている前記応答器である特定応答器の当該絶対位置を示す位置情報を設定する位置情報設定手段と、他の質問器において前記送信パルス信号が受信された時刻から当該送信パルス信号に対応する返信用のパルス信号が当該他の質問器から送信された時刻までの時間を示す時間情報が含まれたパルス信号を前記受信広帯域アンテナにより受信し、当該受信したパルス信号に基づいて前記他の質問器を含む質問器間の距離である第1距離を検出する第1距離検出手段と、前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、応答器に備えられた応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記応答器までの距離である第2距離を検出する第2距離検出手段と、前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、前記特定応答器に備えられた特定応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記特定応答器までの距離である第3距離を検出する第3距離検出手段と、前記他の質問器において検出された前記第1距離、前記第2距離および前記第3距離を取得する距離取得手段と、前記位置情報設定手段に設定されている前記位置情報と、各前記第1距離、各前記第2距離および各前記第3距離と、に基づいて、前記応答器の絶対位置を検出する位置検出手段と、備える。
よって、送信パルス信号及び反射波の授受により各質問器、各応答器及び各特定応答器夫々の間の距離並びに各応答器の絶対位置を検出するので、搬送波を用いることなく各応答器及び質問器間の距離検出及び各応答器の絶対位置の検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び各応答器の絶対位置の検出が可能となる。
また、他の質問器において検出された第1距離、第2距離および第3距離を取得するので、一の質問器との間で直接通信できない応答器であっても、他の質問器において検出された当該他の質問器および特定応答器と当該応答器までの距離を用いて当該応答器の絶対位置を当該一の質問器において特定することができる。
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の質問器において、前記応答器により前記パルス信号から生成される応答信号に基づいて各前記応答器を識別する応答器識別手段を備える
よって、複数の応答器の夫々を識別するので、各質問器において各応答器を相互に識別しつつ各応答器との間の相対位置又は応答器の絶対位置を特定することができる。
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の質問器において、前記送信した送信パルス信号に対応して移動体から返信されてくる返信信号を受信する受信手段と、前記受信した返信信号に基づいて前記移動体が前記応答器であるか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により前記移動体が前記応答器でないと判別されたとき、その旨を報知する報知手段と、を更に備える。
よって、移動体からの返信信号に基づいてその移動体が応答器であるか否かを判別し、その移動体が応答器でないときに報知するので、応答器でない移動体が存在していた場合でもこれを識別してその旨を報知することができる。
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項から4のいずれか一項に記載の質問器において、前記距離取得手段は、パルス波を用いて各前記距離前記他の質問器から取得するように構成される。
よって、パルス波を用いて離を他の質問器から取得するので、搬送波を用いることなく小型化・低消費電力化を図りつつ距離を取得して各応答器との間の相対位置又は応答器の絶対位置を特定することができる。
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の質問器において、前記質問器の数を検出する質問器数検出手段を更に備える。
よって、質問器の数を検出するので、各質問器の数を検出することで各応答器との間の相対位置又は応答器の絶対位置の検出が可能か否かを予め検出することができる。
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の質問器により位置が検出される前記応答器であって、前記送信された送信パルス信号を受信し且つ前記応答信号を送信する広帯域アンテナである前記応答器アンテナと、前記受信した送信パルス信号を変調して当該送信パルス信号に対応する応答信号を生成する生成手段と、前記受信したパルス信号を前記応答器アンテナから前記生成手段に伝送し且つ前記生成された応答信号を前記生成手段から前記応答器アンテナに伝送する伝送と、を備える。
よって、広帯域アンテナを用いて質問器からの送信パルス信号を受信し当該送信パルス信号を変調して得られた応答信号を広帯域アンテナを用いて質問器に返信するので、搬送波を用いることなく各応答器と各質問器間の距離検出及び各応答器との間の相対位置又は応答器の絶対位置の検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び各応答器との間の相対位置又は応答器の絶対位置の検出が可能となる。
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、質問波として送信パルス信号を送信する送信広帯域アンテナと、受信広帯域アンテナと、を備える質問器において実行される位置検出方法であって、他の質問器において前記送信パルス信号が受信された時刻から当該送信パルス信号に対応する返信用のパルス信号が当該他の質問器から送信された時刻までの時間を示す時間情報が含まれたパルス信号を前記受信広帯域アンテナにより受信し、当該受信したパルス信号に基づいて前記他の質問器を含む質問器間の距離である第1距離を検出する第1距離検出工程と、前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、応答器に備えられた応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記応答器までの距離である第2距離を検出する第2距離検出工程と、前記他の質問器において検出された前記第1距離および前記第2距離を取得する距離取得工程と、各前記第1距離および各前記第2距離に基づいて前記応答器との間の相対位置を検出する位置検出工程と、を含む。
よって、送信パルス信号及び反射波の授受により各質問器と各応答器間の距離並びに各応答器との間相対位置を検出するので、搬送波を用いることなく各応答器及び質問器間の距離検出及び各応答器との間の相対位置の検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び各応答器との間の相対位置の検出が可能となる。
また、他の質問器において検出された第1距離および第2距離を取得するので、一の質問器との間で直接通信できない応答器であっても、他の質問器において検出された当該他の質問器と当該応答器までの距離を用いて、当該応答器との間の相対位置を当該一の質問器において特定することができる。
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、質問波として送信パルス信号を送信する送信広帯域アンテナと、受信広帯域アンテナと、予め絶対位置が特定されている前記応答器である特定応答器の当該絶対位置を示す位置情報を設定する位置情報設定手段と、を備える質問器において実行される位置検出方法であって、他の質問器において前記送信パルス信号が受信された時刻から当該送信パルス信号に対応する返信用のパルス信号が当該他の質問器から送信された時刻までの時間を示す時間情報が含まれたパルス信号を前記受信広帯域アンテナにより受信し、当該受信したパルス信号に基づいて前記他の質問器を含む質問器間の距離である第1距離を検出する第1距離検出工程と、前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、応答器に備えられた応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記応答器までの距離である第2距離を検出する第2距離検出工程と、前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、前記特定応答器に備えられた特定応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記特定応答器までの距離である第3距離を検出する第3距離検出工程と、前記他の質問器において検出された前記第1距離、前記第2距離および前記第3距離を取得する距離取得工程と、前記位置情報設定手段に設定されている前記位置情報と、各前記第1距離、各前記第2距離および各前記第3距離と、に基づいて、前記応答器の絶対位置を検出する位置検出工程と、を含む。
よって、送信パルス信号及び反射波の授受により各質問器、各応答器及び各特定応答器夫々の間の距離並びに各応答器の絶対位置を検出するので、搬送波を用いることなく各応答器及び質問器間の距離検出及び各応答器の絶対位置の検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び各応答器の絶対位置の検出が可能となる
また、他の質問器において検出された第1距離、第2距離および第3距離を取得するので、一の質問器との間で直接通信できない応答器であっても、他の質問器において検出された当該他の質問器および特定応答器と当該応答器までの距離を用いて当該応答器の絶対位置を当該一の質問器において特定することができる。
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、質問波として送信パルス信号を送信する送信広帯域アンテナと、受信広帯域アンテナと、を備える質問器に含まれるコンピュータを、他の質問器において前記送信パルス信号が受信された時刻から当該送信パルス信号に対応する返信用のパルス信号が当該他の質問器から送信された時刻までの時間を示す時間情報が含まれたパルス信号を前記受信広帯域アンテナにより受信し、当該受信したパルス信号に基づいて前記他の質問器を含む質問器間の距離である第1距離を検出する第1距離検出手段、前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、応答器に備えられた応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記応答器までの距離である第2距離を検出する第2距離検出手段、前記他の質問器において検出された前記第1距離および前記第2距離を取得する距離取得手段、および、各前記第1距離および各前記第2距離に基づいて前記応答器との間の相対位置を検出する位置検出手段、として機能させる。
よって、当該位置検出プログラムをコンピュータで読み取って実行することにより、送信パルス信号及び反射波の授受により各質問器と各応答器間の距離並びに各応答器との間の相対位置を検出するように当該コンピュータが機能するので、搬送波を用いることなく各応答器及び質問器間の距離検出及び各応答器との間の相対位置の検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び各応答器との間の相対位置の検出が可能となる。
また、他の質問器において検出された第1距離および第2距離を取得するようにコンピュータが機能するように当該コンピュータが機能するので、一の質問器との間で直接通信できない応答器であっても、他の質問器において検出された当該他の質問器と当該応答器までの距離を用いて、当該応答器との間の相対位置を当該一の質問器において特定することができる。
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、質問波として送信パルス信号を送信する送信広帯域アンテナと、受信広帯域アンテナと、予め絶対位置が特定されている前記応答器である特定応答器の当該絶対位置を示す位置情報を設定する位置情報設定手段と、を備える質問器に含まれるコンピュータを、他の質問器において前記送信パルス信号が受信された時刻から当該送信パルス信号に対応する返信用のパルス信号が当該他の質問器から送信された時刻までの時間を示す時間情報が含まれたパルス信号を前記受信広帯域アンテナにより受信し、当該受信したパルス信号に基づいて前記他の質問器を含む質問器間の距離である第1距離を検出する第1距離検出手段、前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、応答器に備えられた応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記応答器までの距離である第2距離を検出する第2距離検出手段、前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、前記特定応答器に備えられた特定応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記特定応答器までの距離である第3距離を検出する第3距離検出手段、前記他の質問器において検出された前記第1距離、前記第2距離および前記第3距離を取得する距離取得手段、および、前記位置情報設定手段に設定されている前記位置情報と、各前記第1距離、各前記第2距離および各前記第3距離と、に基づいて、前記応答器の絶対位置を検出する位置検出手段、として機能させる
よって、当該位置検出プログラムをコンピュータで読み取って実行することにより、送信パルス信号及び反射波の授受により各質問器各応答器及び各特定応答器夫々の間の距離並びに各応答器絶対位置を検出するように当該コンピュータが機能するので、搬送波を用いることなく各応答器及び質問器間の距離検出及び各応答器の絶対位置の検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び各応答器の絶対位置の検出が可能となる。
また、他の質問器において検出された第1距離、第2距離および第3距離を取得するように当該コンピュータが機能するので、一の質問器との間で直接通信できない応答器であっても、他の質問器において検出された当該他の質問器および特定応答器と当該応答器までの距離を用いて、当該応答器の絶対位置を当該一の質問器において特定することができる。
求項1に記載の発明によれば、送信パルス信号及び反射波の授受により各質問器と各応答器間の距離並びに各応答器との間の相対位置を検出するので、搬送波を用いることなく各応答器及び質問器間の距離検出及び各応答器との間の相対位置の検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び各応答器との間の相対位置の検出が可能となる。
また、他の質問器において検出された第1距離および第2距離を取得するので、一の質問器との間で直接通信できない応答器であっても、他の質問器において検出された当該他の質問器と当該応答器までの距離を用いて、当該応答器との間の相対位置を当該一の質問器において特定することができ、更に広い範囲に存在する応答器の位置を特定することができる。
従って、パルス信号を用いた無線通信が有する低消費電力化・測距可能等の特長を活かしつつ、その無線通信の対象物である応答器との間の相対位置を検出することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、送信パルス信号及び反射波の授受により各質問器、各応答器及び各特定応答器夫々の間の距離並びに各応答器の絶対位置を検出するので、搬送波を用いることなく各応答器及び質問器間の距離検出及び各応答器の絶対位置の検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び各応答器の絶対位置の検出が可能となる。
また、他の質問器において検出された第1距離、第2距離および第3距離を取得するので、一の質問器との間で直接通信できない応答器であっても、他の質問器において検出された当該他の質問器および特定応答器と当該応答器までの距離を用いて当該応答器の絶対位置を当該一の質問器において特定することができ、更に広い範囲に存在する応答器の位置を特定することができる。
従って、パルス信号を用いた無線通信が有する低消費電力化・測距可能等の特長を活かしつつ、その無線通信の対象物である応答器の絶対位置を検出することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、複数の応答器の夫々を識別するので、各質問器において各応答器を相互に識別しつつ各応答器との間の相対位置又は各応答器の絶対位置を特定することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、移動体からの返信信号に基づいてその移動体が応答器であるか否かを判別し、その移動体が応答器でないときに報知するので、応答器でない移動体が存在していた場合でもこれを識別してその旨を報知することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項から4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、パルス信号を用いて離を他の質問器から取得するので、搬送波を用いることなく小型化・低消費電力化を図りつつ距離を取得して各応答器との間の相対位置又は各応答器の絶対位置を特定することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、質問器の数を検出するので、各質問器の数を検出することで各応答器との間の相対位置又は各応答器の絶対位置の検出が可能か否かを予め検出することができる。
請求項7に記載の発明によれば、広帯域アンテナを用いて質問器からの送信パルス信号を受信し当該送信パルス信号を変調して得られた応答信号を広帯域アンテナを用いて質問器に返信するので、搬送波を用いることなく各応答器と各質問器間の距離検出及び各応答器との間の相対位置又は各応答器の絶対位置の検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び各応答器との間の相対位置又は各応答器の絶対位置の検出が可能となる。
請求項8に記載の発明によれば、送信パルス信号及び反射波の授受により各質問器と各応答器間の距離並びに各応答器相対位置を検出するので、搬送波を用いることなく各応答器及び質問器間の距離検出及び各応答器との間の相対位置の検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び各応答器との間の相対位置の検出が可能となる。
また、他の質問器において検出された第1距離および第2距離を取得するので、一の質問器との間で直接通信できない応答器であっても、他の質問器において検出された当該他の質問器と当該応答器までの距離を用いて、当該応答器との間の相対位置を当該一の質問器において特定することができ、更に広い範囲に存在する応答器との間の相対位置を特定することができる。
請求項9に記載の発明によれば、送信パルス信号及び反射波の授受により各質問器、各応答器及び各特定応答器夫々の間の距離並びに各応答器の絶対位置を検出するので、搬送波を用いることなく各応答器及び質問器間の距離検出及び各応答器の絶対位置の検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び各応答器の絶対位置の検出が可能となる
また、他の質問器において検出された第1距離、第2距離および第3距離を取得するので、一の質問器との間で直接通信できない応答器であっても、他の質問器において検出された当該他の質問器および特定応答器と当該応答器までの距離を用いて、当該応答器の絶対位置を当該一の質問器において特定することができ、更に広い範囲に存在する応答器の絶対位置を特定することができる。
請求項10に記載の発明によれば、当該位置検出プログラムをコンピュータで読み取って実行することにより、送信パルス信号及び反射波の授受により各質問器と各応答器間の距離並びに各応答器との間の相対位置を検出するように当該コンピュータが機能するので、搬送波を用いることなく各応答器及び質問器間の距離検出及び各応答器との間の相対位置の検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び各応答器との間の相対位置の検出が可能となる。
また、他の質問器において検出された第1距離および第2距離を取得するようにコンピュータが機能するように当該コンピュータが機能するので、一の質問器との間で直接通信できない応答器であっても、他の質問器において検出された当該他の質問器と当該応答器までの距離を用いて、当該応答器との間の相対位置を当該一の質問器において特定することができ、更に広い範囲に存在する応答器との間の相対位置を特定することができる。
請求項11に記載の発明によれば、当該位置検出プログラムをコンピュータで読み取って実行することにより、送信パルス信号及び反射波の授受により各質問器各応答器及び各特定応答器夫々の間の距離並びに各応答器絶対位置を検出するように当該コンピュータが機能するので、搬送波を用いることなく各応答器及び質問器間の距離検出及び各応答器の位置検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び各応答器の絶対位置の検出が可能となる。
また、他の質問器において検出された第1距離、第2距離および第3距離を取得するように当該コンピュータが機能するので、一の質問器との間で直接通信できない応答器であっても、他の質問器において検出された当該他の質問器および特定応答器と当該応答器までの距離を用いて、当該応答器の絶対位置を当該一の質問器において特定することができ、更に広い範囲に存在する応答器の絶対位置を特定することができる。
従って、請求項7から11のいずれか一項に記載の発明によれば、パルス信号を用いた無線通信が有する低消費電力化・測距可能等の特長を活かしつつ、その無線通信の対象物である応答器との間の相対位置又は応答器の絶対位置を検出することが可能となる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図1乃至図11に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、UWB方式の無線通信により無線タグ同士及び質問器同士を識別すると共に各無線タグの質問器からの距離並びに各質問器間の距離を検出して当該各無線タグ及び質問器の位置を特定する無線通信システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
(I)システムの全体構成の実施形態
初めに、実施形態に係る無線通信システムの全体構成及び動作等について、図1乃至図8を用いて説明する。なお、図1は実施形態に係る無線通信システムの概要構成を示すブロック図であり、図2は実施形態に係る無線タグの概要構成を示すブロック図であり、図3は実施形態に係る質問器の概要構成を示すブロック図であり、図4は実施形態に係る応答器及び質問器の動作を示す波形図であり、図5は実施形態に係る応答器及び質問器の動作をより詳細に示す図であり、図6は実施形態に係る無線タグの細部構成を示す回路図であり、図7は実施形態に係る質問器から送信されるパルス信号の波形を例示する図であり、図8は実施形態に係る質問器から送信されるパルス信号及び電力信号の波形を例示する図である。
先ず、実施形態に係る無線通信システム全体の構成について、図1を用いてその概要を示す。
図1に示すように、実施形態に係る無線通信システムSは、夫々にアンテナANTを備える質問器PC1、PC2、PC3、…、PCn(nは自然数。以下、同様)と、距離測定の対象となる商品等に貼り付けられている応答器としての無線タグTG1、TG2、…、TGnと、により構成されている。
この構成において、各質問器PCnからは各無線タグTGnに対してUWB方式に則ったパルス信号を送信する。このとき、当該パルス信号は、質問器PCnに備えられた後述の広帯域アンテナから送信され、これを各無線タグTGnに備えられた後述する広帯域アンテナにより受信する。
そして、各無線タグTGnにより受信されたパルス信号は、各無線タグTGn内の後述する負荷インピーダンス部において反射され再度当該無線タグTGnに備えられた広帯域アンテナから応答信号(上記受信したパルス信号に対応する応答信号)として各質問器PCnに送信(返信)される。
これにより、各質問器PCnは、当該応答信号を広帯域アンテナにより受信してその内容を検出する。そして、この検出された応答信号の内容により各質問器PCnにおいて各無線タグTGnが相互に識別されると共に、各質問器PCnから各無線タグTGnに送信したパルス信号の送信時刻と対応する応答信号の各質問器PCnにおける受信時刻との間の時間を検出し、この検出した時間に基づいて各質問器PCnと無線タグTGnと間の直線距離を当該各質問器PCnにおいて検出する。
ここで、各無線タグTGnにおいては、上記負荷インピーダンス部が有する負荷インピーダンスが、各無線タグTGn間において相互に異なるインピーダンスとなるように(或いは、各無線タグTGnにおける負荷インピーダンスの時間的な変化が相互に異なるように)、一の無線タグTGnにおいて後述する制御部により制御されている。これにより、各無線タグTGn間で負荷インピーダンスが異なることにより上記応答信号に含まれているパルス波のタイミング等が各無線タグTGn間で相互に異なることになり、この結果、各質問器PCnにおいて各無線タグ自体を識別することが可能となるのである。
一方、本実施形態においては、各質問器PCnからは他の質問器PCm(mは自然数であり且つn≠m。なお、以下の説明においては、「質問器」と「他の質問器」とを区別する場合、「質問器PCn」に対して「他の質問器PCm」と示す)に対しても、上記と同様にUWB方式に則ったパルス信号を複数ビット分送信する。このとき、当該パルス信号は、上述したように質問器PCnに備えられた送信用の広帯域アンテナから送信され、これを他の質問器PCmに備えられた受信用の広帯域アンテナにより受信する。
そして、他の質問器PCmにより受信されたパルス信号に基づき、当該他の質問器PCmに備えられた送信用の広帯域アンテナから同様に複数ビット分のパルス信号としてUWB方式に則って元の質問器PCnに送信(返信)される。
これにより、各質問器PCnは、返信されてくる当該パルス信号を広帯域アンテナにより受信してその内容を検出し、当該検出されたパルス信号の内容により各質問器PCnにおいて他の質問器PCmが識別されると共に、受信したパルス信号に含まれているパルス波の態様により他の質問器PCmまでの距離が検出される。
ここで、他の質問器PCmにおいては、元の質問器PCnからのパルス信号を受信した時刻から対応する返信用のパルス信号を元の質問器PCnに対して送信した時刻までの時間を検出し、上記返信用のパルス信号にその時間情報を付加して元の質問器PCnに送信する。そして、元の質問器PCnにおいては、最初に他の質問器PCmに対してパルス信号を送信した時刻から対応する返信用のパルス信号が当該他の質問器PCmから上記時間情報と共に返信されてきた時刻までの時間を検出し、当該検出した時間から上記時間情報として送信されてきた時間を差し引くことで、元の質問器PCnと他の質問器PCmとの間の空間を上記パルス信号又は対応する返信用のパルス信号が伝送される時間を検出し、この検出した時間に基づいて元の質問器PCnと他の質問器PCmと間の直線距離を当該元の質問器PCnにおいて検出する。
また、質問器PCn同士での相互認識及び距離検出に複数ビット分のパルス信号を使用するのは、質問器PCn同士におけるUWB方式に則った無線通信においては、当該無線タグTGn内の伝送路及び負荷による単純な反射機能を用いないため、機器認識用に授受されるパルス信号と、距離検出用に授受されるパルス信号と、を区別して無線通信を行う必要があるからである。
次に、各無線タグTGnの構成について、図2を用いて説明する。
図2に示すように、実施形態に係る各無線タグTGnは、例えば薄膜金属等からなる一対の広帯域アンテナ1と、平行線路からなる伝送路2と、例えば図2に例示する如くスイッチング素子等からなる生成手段としての負荷インピーダンス部3と、制御部4と、電源部6と、電力取得用の一対の狭帯域アンテナ6と、により構成されている。
次に、動作を説明する。
先ず、狭帯域アンテナ6は、質問器PCn内の後述する狭帯域アンテナから送信されてくる連続波である電力信号を受信し、その電力信号により誘起された電流を受信電流として電源部5へ出力する。
次に、電源部5は、当該受信電流により駆動され、負荷インピーダンス部3の負荷インピーダンスを制御するための制御信号Scを生成し、当該負荷インピーダンス部3へ出力する。
一方、一対の広帯域アンテナ1は、UWB方式に則った無線通信が可能な広帯域アンテナであり、伝送路2を介して夫々負荷インピーダンス部3へ電気的に接続されている。
また、伝送路2は、平行線路により形成されており、一対の広帯域アンテナ1と、負荷インピーダンス部3とを接続している。
そして、上記各質問器PCnから送信されたパルス信号が広帯域アンテナ1により受信されると、当該各広帯域アンテナ1内に受信電流が誘起され、この受信電流の一部により上記パルス信号が広帯域アンテナ1自体で直接反射され、その反射されたパルス波(当該反射されたパルス波を、以下単に反射波と称する。)が再び質問器PCnにおいて受信されることになる。
一方、広帯域アンテナ1における直接反射に用いられなかった上記受信電流の他の部分は、伝送路2内を伝搬し、負荷インピーダンス部3において反射され、上記応答信号として再び広帯域アンテナ1に向けて伝搬していく。そして、広帯域アンテナ1に到達した当該応答信号が当該広帯域アンテナ1から放射されて質問器PCnに向けて送信される。
ここで、一本の伝送路2の長さLは、上記反射波と応答信号を構成するパルス波とが質問器PCnにおける受信時において重ならず、反射波を用いて質問器PCnと無線タグTGnとの距離を精度良く検出できるように、
=(応答信号の伝搬速度)
×(受信したパルス信号におけるパルス幅)/2
より長い長さで且つ各無線タグTGn毎に異なるように設定されている。ここで、応答信号の伝播速度は、伝送路2をパルスが伝播するときの伝播速度である。
次に、各質問器PCnの細部構成について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、実施形態に係る質問器PCnは、第1距離検出手段、第2距離検出手段、機器位置検出手段、応答器識別手段、第3距離検出手段、判別手段、報知手段及び質問器数検出手段としての制御器10と、遅延器11及び13と、クロック信号生成器12と、パルス発生器14と、無線タグTGnにおける広帯域アンテナ1と同様の構成を備える広帯域アンテナ15(パルス信号送信用)と、テンプレートパルス発生器16と、相関器17と、広帯域アンテナ15と同様の構成を備える広帯域アンテナ18(無線タグTGnからの応答信号受信用)と、復号器19と、発振器20と、変調器21と、電力増幅器22と、例えば無線タグTGnにおける狭帯域アンテナ6と同様の構成を備える狭帯域アンテナ23と、送受切換器24と、低雑音増幅器25と、復調器26と、により構成されている。このとき、上記発振器20、変調器21、増幅器22、狭帯域アンテナ23、送受切換器24、低雑音増幅器25及び復調器26により、連続波により構成される電波を無線タグTGnの狭帯域アンテナ6に送信する電力供給部Bを構成している。なお、実施形態に係る質問器PCnの電力供給部Bは、無線タグTGnに対する電力供給機能に加えて、他の質問器PCmとの間における情報の授受(後述するパルス信号を用いた情報の授受とは異なる、例えばいわゆる無線LAN(Local Aria Network)規格に則った情報の授受)に供することも可能となるような構成となっている。
次に、無線タグTGnとの間における各質問器PCnの通信動作について説明する。
先ず、上記パルス信号を無線タグTGnに向けて送信する際には、クロック信号生成器12は、予め設定された一定周波数のクロック信号Sclを生成して遅延器11及び13に夫々出力する。
そして、遅延器11は、制御器10からの制御信号Scd1に基づいて上記クロック信号Sclを遅延し、遅延クロック信号Sd1としてパルス発生器14に出力する。ここで、遅延器11におけるクロック信号Sclの遅延量は、例えばいわゆる擬似ランダム符号により各パルス信号毎にランダムな遅延が与えられる。なお、当該擬似ランダム符号としてより具体的には、例えば、いわゆるM系列(Maximal-length sequences)又はGold系列等が適当である。
次に、パルス発生器14は、予め設定された上記UWB方式に則ったパルス発生処理により上記遅延クロック信号Sd1からパルス信号Soutを生成し、広帯域アンテナ15を介して無線タグTGnに向けて送信する。
一方、各無線タグTGnからの上記応答信号は、広帯域アンテナ18において受信され、応答信号Sinとして相関器17に出力される。
このとき、クロック信号生成器12は、上記クロック信号Sclを遅延器13に出力しており、当該遅延器13は、制御器10からの制御信号Scd2に基づいて上記クロック信号Sclを遅延し、遅延クロック信号Sd2としてテンプレートパルス発生器16に出力している。なお、上記遅延器11における遅延量と遅延器13における遅延量とは相互に異ならされている。
そして、テンプレートパルス発生器16は、当該遅延クロック信号Sd2を用いて、受信した応答信号Sinの内容の解析に用いる参照(テンプレート)信号Stpを生成し、相関器17に出力する。
これらにより、相関器17は、受信した応答信号Sinと、上記参照信号Stpとを、特に夫々の位相に比較し、相互の相関度(類似度)を示す相関信号Scmを生成して復号器19へ出力する。
そして、復号器19は、当該相関信号Scmに基づいて応答信号Sinの内容を判読・復号し、復号信号Sdcとして制御器10へ出力する。
これにより、制御器10は、当該復号信号Sdcに基づいて、受信した応答信号Sinを送信した無線タグTGnを後述するように他の無線タグTGnから識別すると共に、当該送信した無線タグTGnの当該応答信号Sinを受信した質問器PCnからの距離を後述するように判定する。
他方、質問器PCnからの無線タグTGnに対して電力供給を行う場合、電力供給部B内の発振器20は、予め設定された上記連続波の周波数を示す発振信号Sfを生成して変調器21へ出力する。
そして、変調器21は、制御器10からの制御信号Sccに基づき、発振信号Sfに対して予め設定された変調処理(より具体的に、例えば、各無線タグTGn用の識別番号情報等を、上記連続波を搬送波として伝送する場合における当該識別番号情報等の内容に対応した振幅変調処理等)を施し、変調信号Seとして電力増幅器22へ出力する。
これにより、電力増幅器22は、上記変調信号Seに対して予め設定された増幅処理を施し、送信信号Strとして送受切換器24へ出力する。
これにより、送受切換器24は、予め設定されている送信タイミングにおいて送信信号Strを上記電力信号Sbbとして狭帯域アンテナ23を介して各無線タグTGnの狭帯域アンテナ6に向けて送信する。
なお、電力供給部Bを用いて他の質問器PCmとの間で連続波を用いた情報の授受を行う場合、上記発振器20からの発振信号Sfは電力増幅器22と共に復調器26にも出力されている。
そして、上記変調器21、電力増幅器22、送受切換器24及び狭帯域アンテナ23の機能により、上述した無線タグTGnに対して電力供給を行う場合と同様にして送信すべき情報を担持した連続波の信号が送信先の他の質問器PCmに送信される。
その後、当該他の質問器PCmからの返信用の連続波の信号は、狭帯域アンテナ23において受信され、予め設定されている受信タイミングにおいて受信信号Srvとして送受切換器24から低雑音増幅器25に送信される。そして、低雑音増幅器25において予め設定されている増幅率により増幅され、増幅受信信号Sawとして復調器26へ出力される。
これにより、復調器26は、当該増幅受信信号Sawの内容を上記発振信号Sfを用いて検出し、その内容を示す検出信号Sddを生成して制御器10へ出力する。
そして、制御器10は、当該検出信号Sddに含まれている内容に基づいて受信信号Srvの内容を認識する。
次に、上述した各質問器PCn及び各無線タグTGn間において授受される上記パルス信号及び応答信号の波形について、具体的に図4(A)を用いて説明する。
先ず、一般に、広帯域アンテナ1、15又は18は送受信するパルス波に対して微分特性を有しているため、上記パルス信号Soutの広帯域アンテナ15からの放射前のパルス波形(すなわち、UWB方式に則った一個のパルス波形)が図4(A)最上段に示すパルス波Pだったとすると、広帯域アンテナ15から放射された直後のパルス信号におけるパルス波形は、上述した広帯域アンテナ15が有する微分特性が故に図4(A)上から二段目に示すパルス波Poutの如き、上記パルス波Pを一回微分した波形となる。
次に、当該パルス波Poutにより構成されるパルス信号が無線タグTGn上の広帯域アンテナ1において受信された直後(すなわち、伝送路2上)におけるパルス信号のパルス波形は、やはり広帯域アンテナ1が有する微分特性が故に図4(A)上から三段目に示すパルス波Prvの如き、上記パルス波Poutを更に一回微分した波形となる。
次に、負荷インピーダンス部3において反射されたパルス信号(すなわち、上記応答信号)が広帯域アンテナ1から放射された直後のパルス信号におけるパルス波形は、上述した広帯域アンテナ1が有する微分特性が故に図4(A)上から四段目に示すパルス波Ptoutの如き、上記パルス波Prvを一回微分した波形となる。
そして最後に、上記パルス波Ptoutにより構成される応答信号が質問器PCn上の広帯域アンテナ18において受信された直後(すなわち、上記応答信号Sin)におけるパルス波形は、同様に広帯域アンテナ18が有する微分特性が故に図4(A)最下段に示すパルス波Pinの如き、上記パルス波Ptoutを更に一回微分した波形となる。
次に、応答信号を無線タグTGnから受信した後に相関器17を中心として実行される当該応答信号の内容の判読について、具体的に図4(B)を用いて説明する。
先ず、テンプレートパルス発生器16から出力される上記参照信号Stpは、広帯域アンテナ15から送信されるパルス信号と同一の波形を有するパルス信号を、識別並びに測距を行おうとする無線タグTGnから送信されて受信された応答信号Sinに対して有効な相関値が得られるように必要回数だけ微分すると共に、その識別等を行おうとする無線タグTGn内の伝送路2におけるパルス信号受信時から応答信号送信時までの時間だけ遅延させて得られる参照信号である。
そして、このような参照信号Stpと、実際に広帯域アンテナ18から入力されてきた応答信号Sinとを相関器17において比較する。これにより、図4(B)上に示すように応答信号Sinと参照信号Stpとの相関(位相相関)が正のときは、応答信号Sinの内容を「1」と復号器19において判定し、一方、図4(B)下に示すように応答信号Sinと参照信号Stpとの相関が負のときは、応答信号Sinの内容を「0」と復号器19において判定し、これらの判定値に対応する上記復号信号Sdcを制御器10に出力する。
次に、実施形態に係る無線通信システムSにおいて、複数の無線タグTGnを相互に識別する仕組みについて、具体的に図5を用いて説明する。なお、図5(A)は複数の無線タグTG1乃至TG3における広帯域アンテナ2、伝送路2及び負荷インビーダンス部3の構成を示す図であり、図5(B)は図5(A)に示す各無線タグTG1乃至TG3との間において授受されるパルス信号及び応答信号等を示すタイミングチャートである。ここで、図5(A)においては無線タグTG1乃至TG3における制御部4、電源部5及び狭帯域アンテナ6の図示は省略している。また、図5(A)に示す各無線タグTG1及びTG2においては負荷インピーダンス部3が制御部4により制御されるスイッチング素子のみにより構成されており、無線タグTG3においては無線タグTG1と同じ長さの伝送路2及びスイッチング素子に加えて負荷整合用の抵抗体3Rが直列に接続されて構成されている。
更に、図5(B)においては、質問器PCnの広帯域アンテナ15から放射される直前のパルス信号Soutの波形を示すタイミングチャートを最上段に示し、上記パルス信号Soutが無線タグTG1において受信され対応する応答信号Sinが質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信された直後の当該応答信号Sinのタイミングチャートを上から二段目に示し、上記パルス信号Soutが無線タグTG2において受信され対応する応答信号Sinが質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信された直後の当該応答信号Sinのタイミングチャートを上から三段目に示し、上記パルス信号Soutが無線タグTG3において受信され対応する応答信号Sinが質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信された直後の当該応答信号Sinのタイミングチャートを最下段に示す。
上述したように、実施形態の無線通信システムSに含まれる各無線タグTGnは、原則として相互に異なる長さの伝送路2又は負荷インピーダンス部3を備えている。従って、質問器PCnから送信されたパルス信号が各無線タグTGnにおける広帯域アンテナ1で受信され、負荷インピーダンス部3において反射され再度広帯域アンテナ1から応答信号として送信されるまでの時間が各無線タグTGn毎に異なることになる。
より具体的に、先ず質問器PCnから送信されるパルス信号が無線タグTG1において受信され、対応する応答信号が質問器PCnにおいて受信される場合について図5(B)最上段左及び上から二段目左を用いて説明する。
無線タグTG1における負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が開放(OFF)とされている場合、質問器PCnからパルス信号Soutとして図5(B)最上段左に示すパルス波P(送信前の波形を示す。以下、同様)が広帯域アンテナ15に入力されて送信されると、最初に当該送信されたパルス波Pが質問器PCnにおける広帯域アンテナ18において直接受信され、当該直接受信されたパルス波Pに対応する受信パルス波Pin1が図5(B)上から二段目左に示すように生成される。次に、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波Pが無線タグTG1における広帯域アンテナ1において受信されると、これに対応して当該広帯域アンテナ1からの上記反射波Pin2が図5(B)上から二段目左に示すように質問器PCnにおいて受信される。この受信パルス波Pin1と反射波Pin2を受信する時間間隔は質問器PCnと無線タグTG1との距離に依存し、この時間間隔にパルス波の速度を乗算すれば距離を求めることができる。次に、当該反射波Pin2に続いて、広帯域アンテナ1において受信されたパルス信号が負荷インピーダンス部3において反射され、応答信号として再び広帯域アンテナ1から送信されると、当該送信された応答信号が質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信され、対応する受信パルス波Pin3が図5(B)上から二段目左に示すように生成される。このとき、上記反射波Pin2は図4(A)最下段に示すパルス波Pinと同様の波形を示すことになる。また、上記受信パルス波Pin3は、負荷インピーダンス部3が開放されているため、上記反射波Pin2と同様の波形のパルス波が、伝送路2の往復の時間T1だけ遅延して質問器PCnにおいて受信される。そして、図4(B)に例示する参照信号Stpを用いる場合、受信パルス波Pin3の内容は「1」を示すことになる。
次に、質問器PCnから送信されるパルス信号が無線タグTG2において受信され、対応する応答信号が質問器PCnにおいて受信される場合について図5(B)最上段左及び上から三段目左を用いて説明する。
無線タグTG2における負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が開放とされている場合、質問器PCnからパルス信号Soutとして図5(B)最上段左に示すパルス波Pが広帯域アンテナ15に入力されて送信されると、無線タグTG1の場合と同様に広帯域アンテナ18において直接受信されたパルス波Pに対応する受信パルス波Pin1が図5(B)上から三段目左に示すように生成される。次に、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波Pが無線タグTG2における広帯域アンテナ1において受信されると、これに対応して当該広帯域アンテナ1からの上記反射波Pin2が図5(B)上から三段目左に示すように質問器PCnにおいて受信される。次に、当該反射波Pin2に続いて、広帯域アンテナ1において受信されたパルス信号が負荷インピーダンス部3において反射され、応答信号として再び広帯域アンテナ1から送信されると、当該送信された応答信号が質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信され、対応する受信パルス波Pin3が図5(B)上から三段目左に示すように生成される。このとき、上記受信パルス波Pin3は、負荷インピーダンス部3が開放されているため、上記反射波Pin2と同様の波形のパルス波が、無線タグTG2における伝送路2(無線タグTG1の伝送路2よりも長い)の往復の時間T2(>T1)だけ遅延して質問器PCnにおいて受信される。そして、図4(B)に例示する参照信号Stpを用いる場合、受信パルス波Pin3の内容は「1」を示すことになる。
最後に、質問器PCnから送信されるパルス信号が無線タグTG3において受信され、対応する応答信号が質問器PCnにおいて受信される場合について図5(B)最上段左及び最下段左を用いて説明する。
無線タグTG3における負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が開放とされている場合、抵抗体3Rによる負荷整合の機能は発揮されないわけであるが、質問器PCnからパルス信号Soutとして図5(B)最上段左に示すパルス波Pが広帯域アンテナ15に入力されて送信されると、無線タグTG1又はTG2の場合と同様に広帯域アンテナ18において直接受信されたパルス波Pに対応する受信パルス波Pin1が図5(B)最下段左に示すように生成される。次に、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波Pが無線タグTG3における広帯域アンテナ1において受信されると、これに対応して当該広帯域アンテナ1からの上記反射波Pin2が図5(B)最下段左に示すように質問器PCnにおいて受信される。次に、当該反射波Pin2に続いて、広帯域アンテナ1において受信されたパルス信号が負荷インピーダンス部3において反射され、応答信号として再び広帯域アンテナ1から送信されると、当該送信された応答信号が質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信され、対応する受信パルス波Pin3が図5(B)最下段左に示すように生成される。このとき、上記受信パルス波Pin3は、負荷インピーダンス部3が開放されており抵抗体3Rの存在の影響を受けないため、上記反射波Pin2と同様の波形のパルス波が、無線タグTG3における伝送路2(無線タグTG1の伝送路2と同じ長さを有する)の往復の時間T2(=時間T1)だけ遅延して質問器PCnにおいて受信される。そして、図4(B)に例示する参照信号Stpを用いる場合、受信パルス波Pin3の内容は「1」を示すことになる。
次に、各無線タグTG1乃至TG3の負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が短絡(ON)とされている場合について、図5(A)及び図5(B)を用いて説明する。
先ず質問器PCnから送信されるパルス信号が無線タグTG1において受信され、対応する応答信号が質問器PCnにおいて受信される場合について図5(B)最上段右を用いて説明する。
無線タグTG1における負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が短絡とされている場合、質問器PCnからパルス信号Soutとして図5(B)最上段右に示すパルス波Pが広帯域アンテナ15に入力されて送信されると、図5(B)左に示す場合と同様に広帯域アンテナ18において直接受信されたパルス波Pに対応する受信パルス波Pin1が図5(B)上から二段右左に示すように生成される。次に、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波Pが無線タグTG1における広帯域アンテナ1において受信されると、これに対応して当該広帯域アンテナ1からの上記反射波Pin2が図5(B)上から二段目右に示すように質問器PCnにおいて受信される。次に、当該反射波Pin2に続いて、広帯域アンテナ1において受信されたパルス信号が負荷インピーダンス部3において反射され、応答信号として再び広帯域アンテナ1から送信されると、当該送信された応答信号が質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信され、対応する受信パルス波Pin3が図5(B)上から二段目右に示すように生成される。このとき、上記反射波Pin2は図4(A)最下段に示すパルス波Pinと同様の波形を示すことになる。また、上記受信パルス波Pin3は、負荷インピーダンス部3が短絡されているため、上記反射波Pin2に対して極性反転されたパルス波が、伝送路2の往復の時間T1だけ遅延して質問器PCnにおいて受信される。そして、図4(B)に例示する参照信号Stpを用いる場合、受信パルス波Pin3の内容は「0」を示すことになる。
次に、質問器PCnから送信されるパルス信号が無線タグTG2において受信され、対応する応答信号が質問器PCnにおいて受信される場合について図5(B)最上段右及び上から三段目右を用いて説明する。
無線タグTG2における負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が短絡とされている場合、質問器PCnからパルス信号Soutとして図5(B)最上段左に示すパルス波Pが広帯域アンテナ15に入力されて送信されると、無線タグTG1の場合と同様に広帯域アンテナ18において直接受信されたパルス波Pに対応する受信パルス波Pin1が図5(B)上から三段目右に示すように生成される。次に、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波Pが無線タグTG2における広帯域アンテナ1において受信されると、これに対応して当該広帯域アンテナ1からの上記反射波Pin2が図5(B)上から三段目右に示すように質問器PCnにおいて受信される。次に、当該反射波Pin2に続いて、広帯域アンテナ1において受信されたパルス信号が負荷インピーダンス部3において反射され、応答信号として再び広帯域アンテナ1から送信されると、当該送信された応答信号が質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信され、対応する受信パルス波Pin3が図5(B)上から三段目右に示すように生成される。このとき、上記受信パルス波Pin3は、負荷インピーダンス部3が短絡されているため、上記反射波Pin2に対して極性反転されたパルス波が、無線タグTG2における伝送路2の往復の時間T2(>時間T1)だけ遅延して質問器PCnにおいて受信される。そして、図4(B)に例示する参照信号Stpを用いる場合、受信パルス波Pin3の内容は「0」を示すことになる。
最後に、質問器PCnから送信されるパルス信号が無線タグTG3において受信され、対応する応答信号が質問器PCnにおいて受信される場合について図5(B)最上段右及び最下段右を用いて説明する。
無線タグTG3における負荷インピーダンス部3内のスイッチング素子が短絡とされている場合、抵抗体3Rによる負荷整合の機能は発揮されるのであるが、質問器PCnからパルス信号Soutとして図5(B)最上段右に示すパルス波Pが広帯域アンテナ15に入力されて送信されると、無線タグTG1又はTG2の場合と同様に広帯域アンテナ18において直接受信されたパルス波Pに対応する受信パルス波Pin1が図5(B)最下段右に示すように生成される。次に、広帯域アンテナ15から送信されたパルス波Pが無線タグTG3における広帯域アンテナ1において受信されると、これに対応して当該広帯域アンテナ1からの上記反射波Pin2が図5(B)最下段右に示すように質問器PCnにおいて受信される。次に、当該反射波Pin2に続いて、広帯域アンテナ1において受信されたパルス信号が負荷インピーダンス部3において反射され、応答信号として再び広帯域アンテナ1から送信されると、当該送信された応答信号が質問器PCnの広帯域アンテナ18において受信され、対応する受信パルス波Pin3が図5(B)最下段右に示すように生成される。このとき、上記受信パルス波Pin3は、負荷インピーダンス部3のスイッチング素子が短絡されており抵抗体3Rが負荷整合機能を有する抵抗体として機能するため、上記パルス信号が負荷インピーダンス部3においては反射されず、結果として無線タグTG3からの応答信号も送信されないので、上記無線タグTG1又はTG2における受信パルス波Pin3に相当する受信パルス波は質問器PCnにおいて受信されない。
以上夫々説明したように、実施形態に係る無線タグTG1乃至TG3によれば、夫々の伝送路2の長さ又は負荷インピーダンス部3の構成が異なっているため、結果として質問器PCnにおける受信パルス波Pin3の受信タイミング又は波形或いはその有無が各無線タグTG1乃至TG3間で相互に異なることになり、当該質問器PCnにおいて各無線タグTG1乃至TG3を相互に識別することが可能となるのである。
次に、実施形態に係る無線タグTGnの細部構成について、具体的に図6を用いて説明する。なお、図6において、図2と同様の構成部材については、同様の部材番号を付して細部の説明は省略する。
図6に示すように、実施形態の無線タグTGにおける負荷インピーダンス部3は、図2に示すスイッチング素子として機能するダイオード30(伝送路2に対して直列に接続されている)と、ダイオード30の二つの端子の夫々と制御部3との間に接続された二つのコイル(インダクタンス素子を含む。以下、同じ)31と、により構成されている。
この構成において、ダイオード30は、制御部4からの制御に基づいて直流バイアスが印加されると短絡し、当該直流バイアスの印加が停止すると開放されることで、上記スイッチング素子として機能するものである。また、コイル31は、上記直流バイアス以外の成分がダイオード30に印加されることを防止すると同時に、パルス信号が制御部4に回り込むのを防止する機能を備える。これにより、負荷インピーダンス部3から制御部4を見たインピーダンスが非常に大きくなり、パルス信号の反射特性に制御部4が与える影響を非常に小さくすることができる。
一方、無線タグTGにおける電源部5は、整流回路32と、整合回路33と、により構成されており、更に整流回路32は、コンデンサ40及び41と、ダイオード42及び43と、により構成されている。
このとき、整合回路33は、二つのアンテナ素子により構成される狭帯域アンテナ6において受信された上記電力信号の、当該アンテナ素子間における整合を取り、当該電力信号により搬送されてきた電力を整流回路32へ出力する。
そして、整流回路32は、各コンデンサ40及び41並びにダイオード42及び43の機能により高周波信号である電力信号を直流信号に変換し、当該直流信号により制御部4を駆動する。
これにより、当該制御部4の制御の下、負荷インピーダンス部3内のダイオード30に対する直流バイアスの印加を活殺することで、当該ダイオード30を図2に示すスイッチング素子として機能させる。そして、当該スイッチング素子の活殺により、図4(B)又は図5(B)に示したように質問器PCnにおいて受信される応答信号の内容が「1」(スイッチング素子が開放である場合)又は「0」(スイッチング素子が短絡である場合)に変化するのである。
なお、上記した無線タグTGの構成において、負荷インピーダンス部3を構成するダイオード30をFET(Field Effect Transistor)により構成しても良い。また、整合回路33を省略しても良いし、整合回路33自体を狭帯域アンテナ6と一体的に形成しても良い。
次に、上述したスイッチング素子の切り換えと質問器PCnからのパルス信号の送信とのタイミングについて、具体的に図7を用いて説明する。
図7に示すように、質問器PCnにおいて生成されるパルス信号Soutを構成する単一パルスのパルス波Pは、時間軸上において予め設定されている一定長さのタイムスロットTS内で一つのみ質問器PCnから送信される。このとき、一のタイムスロットTS内におけるいずれのタイミングでパルス波Pを送信するかは、例えば、上記下擬似ランダム符号(より具体的には、例えば、いわゆるM系列又はGold系列等が適当である)により一のタイムスロットTS内でランダム化されたタイミングでパルス波Pが送信される。このため、上述した遅延器11においてクロック信号Sclを擬似ランダム符号により遅延させているのである。なお、パルス波Pを質問器PCnから送信する間隔は、当該間隔が各無線タグTGnの伝送路2のうち最も長い伝送路2の長さを、無線タグTGnにおいて受信されたパルス信号及び上記応答信号が伝送路2を伝搬する際の伝搬速度で除して得られる時間よりも長く設定される。
一方、無線タグTGnにおける上記スイッチング素子の活殺は、例えば質問器PCnにおけるタイムスロットTSの開始タイミングに併せて行われるとよい。図7に示す例では、五つのタイムスロットTS毎にスイッチング素子の活殺が定義されている。このため、各質問器PCnにおけるタイムスロットTSの切り換えタイミングの基準となる上記クロック信号Sclと、上記スイッチング素子の活殺の基準となるクロック信号とは同期しているとよい。なお、同期していない場合は、スイッチング素子の切り換え周期内において少なくとも一周期に五つのタイムスロットTSがどのような場合でも存在する(すなわち、十のタイムスロットTSが含まれ得る)ようにすればよい。
この構成に、例えば図7に示す例ではスイッチング素子が一回切り換わると少なくとも五つのパルス波Pに対応するパルス信号が無線タグTGnに送信されることになり、これを受信した無線タグTGnにおいて対応する応答信号を五回送信することで、無線通信システムS以外の外部からの雑音混入があった場合等においても確実に各無線タグTGnを識別することができることになる。
また、図7に示す例では、無線タグTGnにおけるスイッチング素子を二回切り換えれば、連続したタイミングで合計4ビットの情報を質問器PCnに無線タグTGnから夫々のビット毎に応答信号として送信している。なお、図7に示す場合、質問器PCnにおいて受信される応答信号の内容は、五つのタイムスロットTS毎の間隔で順に「1」、「0」、「0」、「1」と変化することになる。
一方、各質問器PCn間における相互識別及び距離検出については、上述した如く複数ビット分のパルス信号の授受により当該相互識別及び距離検出を行う。
このとき、当該相互識別及び距離検出に用いる複数ビット分のパルス信号の内容の検出についても、上述した擬似ランダム符号に基づいて遅延されたパルス信号が用いられるため、そのパルス信号を受信して内容を検出する場合には、上述した無線タグTGnとの間の相互識別と同様に各質問器PCnにおけるテンプレートパルス発生器16、相関器17及び復号器17が機能することになる。
そして、他の質問器PCmとの間で相互識別及び距離検出を行う質問器PCnは、先ず自己を識別するための識別情報を複数ビット分のパルス信号に担持させて当該他の質問器PCmに送信する。このとき、当該パルス信号を送信する質問器PCnにおいては、その送信時刻を図示しないメモリ内に格納しておく。
次に、当該他の質問器PCmは、送信されてきた複数ビット分のパルス信号を受信して内容を検出し、その検出した内容に含まれる送信元の質問器PCnに対して返信用のパルス信号を返信する。このとき、当該返信用のパルス信号には、当該他の質問器PCmにおいて送信元からのパルス信号の受信した時刻から返信用のパルス信号を送信する時刻までの時間を示す時間情報を、当該他の質問器PCm自体の識別情報と共に担持させる。
そして、この返信用のパルス信号を受信した送信元の質問器PCnにおいては、初めに送信したパルス信号の送信時刻と上記返信用のパルス信号の受信時刻との時間から、その返信用のパルス信号に担持されていた上記時間情報により示される時間を差し引いてパルス信号送受信自体に要した時間を求め、この時間からパルス信号を授受した質問器PCn同士の相互識別及び直線距離の検出を行う。
次に、質問器PCnにおける広帯域アンテナ15からの上記パルス信号の送信と、狭帯域アンテナ23からの電力信号の送信との関係について、具体的に図8を用いて説明する。
実施形態に係る質問器PCnからは、上記パルス信号に対応するパルス波Poutと電力信号Sbbとが時分割的に送信され、電力信号送信時には電力信号Sbbを無線タグTGnの狭帯域アンテナ6で受信することにより当該無線タグTGnが充電されることになり、更にパルス波Poutの送信に続く時間では上記応答信号の質問器PCnにおける受信が実行される。
すなわち、図8に示すように、電力信号Sbbを狭帯域アンテナ23から送信すべき電力信号タイムスロットCTが終了する(すなわち、無線タグTGnの充電に十分なだけの電力が供給される)と、続いて上記パルス波Poutを広帯域アンテナ15から送信するパルス信号タイムスロットPTが開始される。そして、パルス信号タイムスロットPTが終了すると、次に、当該パルス信号タイムスロットPTと電力信号タイムスロットCTとの分離をするためのブランクタイムスロットBTが開始される。このとき、当該ブランクスロットBTを利用して上述した応答信号の質問器PCnにおける受信が実行される。そして更に、ブランクタイムスロットBTが終了すると、次の電力信号タイムスロットCTが開始されるのである。
このように、電力信号Sbbの送信とパルス波Poutの送信を交互に行うことで、無線タグTGnにおいて必要な充電を行いつつパルス波PoutをタイムスロットTS内で送信することができる。
なお、上述した質問器PCnの構成においては、電力信号Sbbとパルス波Poutが全く異なるものであるため、いわゆる周波数ホッピング技術を用いて電力信号を送信してもよい。この場合に、電力信号Sbbである連続波を振幅変調することで、無線タグTGnに対して識別情報等の情報を送信するように構成することもできる。
また、質問器PCn相互間で情報の授受を上述した無線LAN方式に則って連続波である電波を用いて行う場合のその電波を電力信号Sbbとして無線タグTGnに受信させるように構成することもできる。
(II)位置検出処理の実施形態
次に、上述した全体構成及び動作を行う無線通信システムSにおいて実行される、実施形態に係る位置特定処理について、具体的に図9乃至図11を用いて説明する。なお、図9及び図10は実施形態に係る位置特定処理を示すフローチャートであり、図11は実施形態に係る位置検出処理の手順を示す概念図である。
先ず、実施形態に係る位置検出処理の前提としては、図11(a)に示すように、上述してきた構成を夫々に備える質問器PC1乃至PC4及び無線タグTG1及びTG2が一つの部屋R内にあるとする。そして、当該部屋R内における夫々の位置が予め特定されていると共に夫々の位置を示す位置情報が各質問器PC1乃至PC4において予め入力・設定されている特定応答器としてのマーカタグMT1乃至MT4が、当該部屋Rの四隅に設置されている。
また、図9及び図10において、「端末」とはいずれかの質問器PCnを示し、「応答器」とはいずれかの無線タグTGnを示している。更に、図9及び図10は、実施形態に係る位置検出処理が一つの質問器PCn(以下の説明では、その例として質問器PC1を用いる)において行われる場合を説明するフローチャートである。
図9に示すように、実施形態に係る位置検出処理を質問器PC1において実行する場合、先ず、当該質問器PC1以外に、電源が投入されて相互にUWB方式に則った無線通信が可能な他の質問器PCmがあるか否かが確認される(ステップS1)。このステップS1の処理は、具体的には、距離検出を行う旨のパルス信号を送信した後それに対応する返信用のパルス信号が返信されてきたか否かを確認することにより実行される。
そして、パルス信号の返信がないときは(ステップS1;N)、実施形態に係る位置検出処理が実行不可能であることになるので、無線通信可能な他の質問器PCmが出現するまでステップS1の処理を繰り返し、一方、パルス信号の返信があって無線通信可能な他の質問器PCmがあることは判ったときは(ステップS1;Y)、次に、当該質問器PC1が主体となって通信可能な他の質問器PCmとの距離検出を行う前に、他の質問器PCmから距離検出を行う旨のパルス信号が送信されていないかを確認し(ステップS2)、送信されていないときは(ステップS2;N)そのまま後述するステップS5に移行し、一方、他の質問器PCmから距離検出を行う旨のパルス信号が送信されて来ているときは(ステップS2;Y)、次に、質問器PC1が当該他の質問器PCmからのパルス信号に応答するための待機状態に入っていることを当該他の質問器PCmに対して送信する(ステップS3)。
その後、当該待機している旨の送信に対して当該他の質問器PCmから距離検出用のパルス信号が送信され、質問器PC1においてこれに応答するための距離検出のためのパルス信号を返信したか否かを確認する(ステップS4)。そして、未だその応答が完了していないときは(ステップS4;N)その応答が完了するまで上記ステップS3の動作を繰り返し、一方、当該応答のためのパルス信号の送信が完了しているときは(ステップS4;Y)、次に、その応答のためのパルス信号の送信後に送信先である他の質問器PCmにおいて当該応答のためのパルス信号を用いて検出された質問器PC1との間の距離を示す距離情報が、当該他の質問器PCmからパルス信号として送信されてきたか否かが確認される(ステップS5)。
そして、検出された距離情報の送信があったときは(ステップS5;Y)、その送信された距離情報により示される距離を、質問器PC1内の制御器10において当該他の質問器PCmとの間の距離、又は他の質問器PCm間相互の距離、或いは他の質問器PCmが検出した無線タグTGnと当該他の質問器PCmとの間の距離であるとして登録し(ステップS6)、次のステップS7に移行する。
他方、上記ステップS5の判定において、当該他の質問器PCmからの距離情報の送信がないときは(ステップS5;N)、全ての他の質問器PCmにおいて質問器PC1との距離が既に検出済みである(この場合は、新たに距離が検出されることがないので、上記した距離情報の送信はないことになる)可能性があるので、次に、今度は質問器PC1において未だ検出された距離が登録されていない他の質問器PCmがあるか否かを確認する(ステップS7)。そして、距離が未登録である他の質問器PCmがあるときは(ステップS7;Y)、質問器PC1から距離検出要求のためのパルス信号を送信し(ステップS8)、その送信されたパルス信号に対応して送信先の他の質問器(距離が未登録である他の質問器)PCnから距離検出の待機状態である旨のパルス信号(上記ステップS3参照)が返信されてきたか否かを確認する(ステップS9)。
ステップS9の判定において、当該待機状態である旨のパルス信号が送信されてきていないときは(ステップS9;N)、そのまま上記ステップS8の処理を繰り返し、一方、送信されてきたときは(ステップS9;Y)、その待機状態である旨のパルス信号を送信してきた他の質問器PCmに対して距離検出用のパルス信号を送信し、対応する返信用のパルス信号を受信して当該他の質問器PCmとの距離を検出する(ステップS10)。そして、その検出した距離を質問器PC1と当該他の質問器PCmとの間の距離として当該質問器PC1内の制御器10において登録すると共に(ステップS11)、その登録した距離を示す距離情報を当該他の質問器PCmに対して返信し(ステップS12)、更に通信可能範囲に存在している他の質問器PCmにも送信し、当該他の質問器PCmとの間での距離検出を完了し、次の質問器PCnとの間の距離検出を実行すべく上記ステップS2に戻る。なお、上記ステップS12に示す処理においては、他の質問器PCmから通知された距離も合わせて送信(伝送)する。この後、距離が未登録である質問器PCnがなくなる(ステップS7;N)まで上記ステップS2乃至12を繰り返す。
他方、上記ステップS7の判定において、距離が未登録である他の質問器PCmがないときは(ステップS7;N)、次に、それまで距離が登録されていた他の質問器PCmであるが、例えばその電源スイッチがオフとされたこと等により質問器PCnとしての機能を発揮し得なくなった質問器PCn(図9において「終了端末」と示す)があるか否かを確認する(ステップS13)。この確認処理は、例えば、何らかの情報を含むパルス信号を送信したが対応する応答がない場合にその質問器PCnを終了端末と認識する。
そして、終了端末と認識された他の質問器PCmがないときは(ステップS13;N)後述するステップS15に移行し、一方、終了端末と認識された他の質問器PCmがあるときは(ステップS13;Y)、その終了端末となった質問器PCnと質問器PC1との距離を質問器PC1において削除し(ステップS14)、次に、実施形態における質問器PCn(図9において「半固定端末」と示す)の数が、無線タグTGnの位置を検出するために必要な数(具体的には三つ)以上あるか否かを確認する(ステップS15)。そして、質問器PCnの数が十分であるときは(ステップS15;Y)後述するステップS23以降の処理に移行し、一方、半固定の質問器PCnの数が不足であるときは(ステップS15;N)、次に、質問器としての機能を有する移動式の端末を用いて必要な位置検出処理を行うべく、当該移動式の端末が部屋R内に存在しているか否かを確認する(ステップS16)。そして、移動式の端末すらないときは(ステップS16;N)、再度上記ステップS2に戻って上述してきた処理を繰り返し、一方、当該移動式の端末があるときは(ステップS16;Y)、次に、質問器PC1から距離検出要求のためのパルス信号を当該移動式の端末に送信し(ステップS17)、その送信されたパルス信号に対応して送信先の移動式の端末から距離検出の待機状態である旨のパルス信号(上記ステップS3参照)が返信されてきたか否かを確認する(ステップS18)。
ステップS18の判定において、当該待機状態である旨のパルス信号が送信されてきていないときは(ステップS18;N)、そのまま上記ステップS17の処理を繰り返し、一方、送信されてきたときは(ステップS18;Y)、その待機状態である旨のパルス信号を送信してきた移動式の端末に対して距離検出用のパルス信号を送信し、対応する返信用のパルス信号を受信して当該移動式の端末との距離を検出する(ステップS19)。そして、その検出した距離を質問器PC1と当該移動式の端末との間の距離として当該質問器PC1内の制御器10において登録すると共に(ステップS20)、その登録した距離を示す距離情報を当該移動式の端末に対して返信すると共に他の質問器PCmにも送信し(ステップS21)、当該移動式の端末との間での距離検出を完了する。
次に、上記移動式の端末の数を含めた質問器PCnの数が、無線タグTGnの位置を検出するために必要な数(具体的には、三つ)以上あるか否かを確認する(ステップS22)。そして、質問器PCn等の数が十分であるときは(ステップS22;Y)後述するステップS23以降の処理に移行し、一方、質問器PCn等の数がなお不足であるときは(ステップS22;N)、再度上記ステップS2に戻って上述してきた処理を繰り返す。
以上説明してきた処理が完了した後には、図11(b)に示すように、各質問器PCn同士の間において、それらの距離(図11(b)において「c」乃至「h」と示す)が検出され、各質問器PCnにおいて夫々登録される。
次に、無線タグTG1及びTG2との間の距離検出に移行する。
各無線タグTG1及びTG2の位置を特定するために必要な数の質問器PCn等があるときは(ステップS15;Y又はステップS22;Y)、各質問器PCnから位置検出のための質問パルスとしてのパルス信号を各無線タグTG1及びTG2に送信し、対応する応答信号を受信する(ステップS23)。
そして、その応答信号が予め設定されている強度以上の強度を有するものであるか否かを判定し(ステップS24)、当該強度以上の強度を有する応答信号を返信した無線タグTGn又はその他の反射物がないときは(ステップS24)、一サイクル分の位置検出処理の終了としての無線タグTGnからの応答信号の検出を終了するか否かを質問器PC1上で確認し(ステップS34)、終了するときは後述するステップS38に移行し、一方、応答信号の検出を終了しないときは(ステップS34;Y)、再度上記ステップS24に移行する。
一方、ステップS24の判定において、上記設定された強度以上の強度を有する応答信号を返信してきた無線タグTGn又は他の反射物があるときは(ステップS24;Y)、次に、それが無線タグTGnであるか、或いは当該無線タグTGn以外でパルス信号を反射したものであるかを判別し(ステップS25)、無線タグTGnであるときは(ステップS25;Y)、次にそれがいずれかのマーカタグMTnであるか否かを確認する(ステップS26;Y)。
そして、マーカタグMTnでないときは(ステップS26;N)後述するステップS29に移行し、無線タグTGnについてそれまでの距離を検出する(ステップS29)。一方、マーカタグMTnであるときは(ステップS26;Y)、既に質問器PC1において登録済みのマーカタグMTnであるか否かを確認し(ステップS27)、登録済みのマーカタグMTnでないときは(ステップS27;N)後述するステップS29に移行し、登録済みのマーカタグMTnであるときは(ステップS27;Y)、その登録内容の変更があるか否かを上記応答信号及び後述するステップS41において予め入力されているデータに基づいて確認し(ステップS28)、登録内容の変更がないときは(ステップS28;N)上記ステップS24に戻って上述してきた処理を繰り返す。
一方、ステップS28の処理において、登録内容に変更があるときは(ステップS28;Y)、上述してきた原理に則ってその登録内容の変更があったマーカタグMTnについて距離を検出する(ステップS29)。次に、当該ステップS29の処理において検出した距離を質問器PC1内の制御器10において登録し(ステップS30)、更に当該検出した質問器PC1との距離を他の質問器PCmに通知する(ステップS31)。このとき、後述するステップS38の処理において、他の質問器PCmから無線タグTGnまでの距離の通知が当該他の質問器PCmからあった場合は、その情報も合わせて他の質問器PCmへ通知(伝送)する。
そして、他の各質問器PCnから通知された各無線タグTGn又はマーカタグMTnと当該他の質問器PCmとの距離を質問器PC1内において登録することで部屋Rにおける各無線タグTGnの位置を質問器PC1において決定し(ステップS32)、更に質問器PC1において無線タグTGnの位置検出を終了する旨の操作が為されたか否かを確認して(ステップS33)、その操作が為されているときは(ステップS33;Y)そのまま実施形態の位置検出処理を完了し、一方、終了する旨の操作が為されていないときは(ステップS33;N)、上記ステップS1に戻って上述してきた処理を繰り返す。
他方、上記ステップS25の判定において、無線タグTGnとしての識別情報が受信されない等の理由により応答信号を送信したのが無線タグTGnでないときは(ステップS25;N)、次に、その応答信号の内容(又はその応答信号から検出される距離)が、それまでに検出されているその応答信号の送信元までの距離が変化しているか否かを確認し(ステップS35)、変化していないときは(ステップS35;N)後述するステップS37に移行し、一方、変化しているときは(ステップS35;Y)、その送信元が未知の移動体であると判定してその旨を質問器PC1上において報知する(ステップS36)。
そして、移動体としての報知されたもの以外の他の無線タグTGnからの応答信号の内容を質問器PC1内の制御器10において登録し(ステップS37)、更に他の質問器PCmにおいて検出された各無線タグTGnとの距離が当該他の質問器PCmから通知されたか否かを確認し(ステップS38)、通知されないときは(ステップS38;N)後述するステップS40の処理に移行し、通知されたときは(ステップS38;Y)、その通知された距離を他の質問器PCmと各無線タグTGnとの距離として質問器PC1において登録する(ステップS39)。
そして、その登録内容又は質問器PC1への入力内容等に基づいてマーカタグMTnとしての登録内容が変更されたか否かを確認し(ステップS40)、変更されていないときは(ステップS40;N)上記ステップS32の処理に移行し、変更されているときは(ステップS40;Y)、その変更後の内容で質問器PC1内におけるマーカタグMTnの登録内容(位置が変更されたこと又は新規に設置されたこと等)を変更し(ステップS41)、更にその変更した登録内容を他の質問器PCmに通知する(ステップS42)。
この後は上記ステップS32の処理に移行して無線タグTGnの部屋R内における位置と決定し、実施形態の位置検出処理を終了する。
以上説明してきた処理が完了した後には、図11(c)に示すように、各質問器PCnと無線タグTGnとの間において、それら同士の距離(図11(c)において「i」乃至「k」と示す)が検出され、各質問器PCnにおいて夫々登録される。
また、各マーカタグMTnと質問器PCnとの間における距離も検出されている(図11(b)及び(c)において「a」及び「b」と示す)ので、部屋R内における各無線タグTGnの絶対的な位置が確定できることになる。なお、マーカタグMTnを用いない場合は、各質問器PCn及び無線タグTGnの位置関係は相対的に確定されるに過ぎず、相互に線対称となる二通りの位置関係のいずれか一方が実際の位置関係であることのみが確定されることになる。
以上夫々説明したように、実施形態の無線通信システムSの動作によれば、パルス信号及び応答信号の授受により各質問器PCnと各無線タグTGn間の距離並びに夫々の位置を検出するので、搬送波を用いることなく各無線タグTGn及び質問器PCn間の距離検出及びそれらの位置検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び位置検出が可能となる。
また、複数の、無線タグTGnの夫々を識別し、検出された距離情報を各質問器PCnに伝送するので、各質問器PCnにおいて各無線タグTGnを相互に識別しつつそれらの位置を特定することができる。
更に、マーカタグMTnの位置を基準として各無線タグTGnの部屋R内における絶対位置を検出するので、各無線タグTGnに関する相対位置ではなく絶対位置としての無線タグTGnの位置を検出することができる。
更にまた、部屋R内を移動する移動体からの応答信号に基づいてその移動体が無線タグTGnであるか否かを判別し、その移動体が無線タグTGnでないときに報知するので、部屋R内に無線タグTGnでない移動体が侵入していた場合でもこれを識別してその旨を報知することができる。
また、パルス波を用いて距離情報を各質問器PCnに伝送するので、搬送波を用いることなく小型化・低消費電力化を図りつつ距離情報を伝送して各無線タグTGnの位置を特定することができる。
更に、部屋R内にある質問器PCnの数を検出するので、各質問器PCnの数を検出することでその部屋Rにおける無線タグTGnの位置検出が可能か否かを予め検出することができる。
更にまた、広帯域アンテナ1を用いて質問器PCnからのパルス信号を受信し当該パルス信号を変調して得られた応答信号を広帯域アンテナ1を用いて質問器PCnに返信するので、搬送波を用いることなく各無線タグTGnと各質問器PCn間の距離検出及びそれらの位置検出が可能となり、小型化・低消費電力化を図りつつ当該距離検出及び位置検出が可能となる。
なお、上述した実施形態においては、各質問器PCn自体で部屋R内の無線タグTGnの位置を検出する構成としたが、これ以外に、各質問器PCnを端末として用い、これらから得られる無線タグTGnの位置情報を外部のコンピュータ等に伝送し、当該外部のコンピュータにおいて部屋R内の無線タグTGnの位置検出を行うように構成することもできる。
更に、図9及び図10に示すフローチャートに対応するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これらを汎用のマイクロコンピュータで読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータを実施形態に係る制御器10として機能させることも可能である。
以上夫々説明したように、本発明は、無線通信システムにおける無線タグの識別及び距離測定の分野に利用することが可能であり、特に質問器を一般のパーソナルコンピュータに備えれば、そのパーソナルコンピュータが備えられている室内における無線タグの位置特定の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
実施形態に係る無線通信システムの概要構成を示すブロック図である。 実施形態に係る無線タグの構成を示す図である。 実施形態に係る質問器の概要構成を示すブロック図である。 実施形態に係る質問器における信号の受信態様を示す図であり、(A)は各受信パルス波の波形を示す図であり、(B)は応答信号の内容判定時における相関を説明する図である。 実施形態に係る無線通信システムにおける無線タグ識別の仕組みを説明する図であり、(A)は当該無線通信システムに含まれる無線タグの構成を示す図であり、(B)は当該無線タグ識別を示す波形図である。 実施形態に係る無線タグの細部構成を示す回路図である。 実施形態に係る無線通信システムにおける伝送波形を例示する図である。 実施形態における電力供給を説明する波形図である。 実施形態に係る位置検出処理を示すフローチャート(I)である。 実施形態に係る位置検出処理を示すフローチャート(II)である。 実施形態に係る位置検出処理を説明する概念図であり、(a)は位置検出処理の第一段階を示す概念図であり、(b)は位置検出処理の第二段階を示す概念図であり、(c)は位置検出処理の第三段階を示す概念図である。
符号の説明
1、15、18 広帯域アンテナ
2 伝送路
3 負荷インピーダンス部
4 制御部
5 電源部
6、23 狭帯域アンテナ
10 制御器
11、13 遅延器
12 クロック信号生成器
14 パルス発生器
16 テンプレートパルス発生器
17 相関器
19 復号器
20 発振器
21 変調器
22 電力増幅器
24 送受切換器
25 低雑音増幅器
26 復調器
32 整流回路
33 整合回路
TG1、TG2、TG3 無線タグ
PC1、PC2、PC3 質問器
MT1、MT2、MT3、MT4 マーカタグ
B 電力供給部

Claims (11)

  1. 質問波として送信パルス信号を送信する送信広帯域アンテナと、
    受信広帯域アンテナと、
    他の質問器において前記送信パルス信号が受信された時刻から当該送信パルス信号に対応する返信用のパルス信号が当該他の質問器から送信された時刻までの時間を示す時間情報が含まれたパルス信号を前記受信広帯域アンテナにより受信し、当該受信したパルス信号に基づいて前記他の質問器を含む質問器間の距離である第1距離を検出する第1距離検出手段と、
    前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、応答器に備えられた応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記応答器までの距離である第2距離を検出する第2距離検出手段と、
    前記他の質問器において検出された前記第1距離および前記第2距離を取得する距離取得手段と、
    各前記第1距離および各前記第2距離に基づいて前記応答器との間の相対位置を検出する位置検出手段と、
    を備えることを特徴とする質問器
  2. 質問波として送信パルス信号を送信する送信広帯域アンテナと、
    受信広帯域アンテナと、
    予め絶対位置が特定されている前記応答器である特定応答器の当該絶対位置を示す位置情報を設定する位置情報設定手段と、
    他の質問器において前記送信パルス信号が受信された時刻から当該送信パルス信号に対応する返信用のパルス信号が当該他の質問器から送信された時刻までの時間を示す時間情報が含まれたパルス信号を前記受信広帯域アンテナにより受信し、当該受信したパルス信号に基づいて前記他の質問器を含む質問器間の距離である第1距離を検出する第1距離検出手段と、
    前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、応答器に備えられた応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記応答器までの距離である第2距離を検出する第2距離検出手段と、
    前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、前記特定応答器に備えられた特定応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記特定応答器までの距離である第3距離を検出する第3距離検出手段と、
    前記他の質問器において検出された前記第1距離、前記第2距離および前記第3距離を取得する距離取得手段と、
    前記位置情報設定手段に設定されている前記位置情報と、各前記第1距離、各前記第2距離および各前記第3距離と、に基づいて、前記応答器の絶対位置を検出する位置検出手段と、
    備えることを特徴とする質問器
  3. 請求項1または2に記載の質問器において、
    前記応答器により前記パルス信号から生成される応答信号に基づいて各前記応答器を識別する応答器識別手段を備えることを特徴とする質問器
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の質問器において、
    前記送信した送信パルス信号に対応して移動体から返信されてくる返信信号を受信する受信手段と、
    前記受信した返信信号に基づいて前記移動体が前記応答器であるか否かを判別する判別手段と、
    前記判別手段により前記移動体が前記応答器でないと判別されたとき、その旨を報知する報知手段と、
    を更に備えることを特徴とする質問器
  5. 請求項から4のいずれか一項に記載の質問器において、
    前記距離取得手段は、パルス波を用いて各前記距離前記他の質問器から取得することを特徴とする質問器
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の質問器において
    記質問器の数を検出する質問器数検出手段を更に備えることを特徴とする質問器
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の質問器により位置が検出される前記応答器であって、
    前記送信された送信パルス信号を受信し且つ前記応答信号を送信する広帯域アンテナである前記応答器アンテナと、
    前記受信した送信パルス信号を変調して当該送信パルス信号に対応する応答信号を生成する生成手段と、
    前記受信したパルス信号を前記応答器アンテナから前記生成手段に伝送し且つ前記生成された応答信号を前記生成手段から前記応答器アンテナに伝送する伝送と、
    を備えることを特徴とする応答器。
  8. 質問波として送信パルス信号を送信する送信広帯域アンテナと、受信広帯域アンテナと、を備える質問器において実行される位置検出方法であって、
    他の質問器において前記送信パルス信号が受信された時刻から当該送信パルス信号に対応する返信用のパルス信号が当該他の質問器から送信された時刻までの時間を示す時間情報が含まれたパルス信号を前記受信広帯域アンテナにより受信し、当該受信したパルス信号に基づいて前記他の質問器を含む質問器間の距離である第1距離を検出する第1距離検出工程と、
    前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、応答器に備えられた応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記応答器までの距離である第2距離を検出する第2距離検出工程と、
    前記他の質問器において検出された前記第1距離および前記第2距離を取得する距離取得工程と、
    各前記第1距離および各前記第2距離に基づいて前記応答器との間の相対位置を検出する位置検出工程と、
    を含むことを特徴とする位置検出方法。
  9. 質問波として送信パルス信号を送信する送信広帯域アンテナと、受信広帯域アンテナと、予め絶対位置が特定されている前記応答器である特定応答器の当該絶対位置を示す位置情報を設定する位置情報設定手段と、を備える質問器において実行される位置検出方法であって、
    他の質問器において前記送信パルス信号が受信された時刻から当該送信パルス信号に対応する返信用のパルス信号が当該他の質問器から送信された時刻までの時間を示す時間情報が含まれたパルス信号を前記受信広帯域アンテナにより受信し、当該受信したパルス信号に基づいて前記他の質問器を含む質問器間の距離である第1距離を検出する第1距離検出工程と、
    前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、応答器に備えられた応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記応答器までの距離である第2距離を検出する第2距離検出工程と、
    前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、前記特定応答器に備えられた特定応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記特定応答器までの距離である第3距離を検出する第3距離検出工程と、
    前記他の質問器において検出された前記第1距離、前記第2距離および前記第3距離を取得する距離取得工程と、
    前記位置情報設定手段に設定されている前記位置情報と、各前記第1距離、各前記第2距離および各前記第3距離と、に基づいて、前記応答器の絶対位置を検出する位置検出工程と、
    含むことを特徴とする位置検出方法。
  10. 質問波として送信パルス信号を送信する送信広帯域アンテナと、受信広帯域アンテナと、を備える質問器に含まれるコンピュータを、
    他の質問器において前記送信パルス信号が受信された時刻から当該送信パルス信号に対応する返信用のパルス信号が当該他の質問器から送信された時刻までの時間を示す時間情報が含まれたパルス信号を前記受信広帯域アンテナにより受信し、当該受信したパルス信号に基づいて前記他の質問器を含む質問器間の距離である第1距離を検出する第1距離検出手段、
    前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、応答器に備えられた応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記応答器までの距離である第2距離を検出する第2距離検出手段、
    前記他の質問器において検出された前記第1距離および前記第2距離を取得する距離取得手段、および、
    各前記第1距離および各前記第2距離に基づいて前記応答器との間の相対位置を検出する位置検出手段、
    として機能させることを特徴とする位置検出用プログラム。
  11. 質問波として送信パルス信号を送信する送信広帯域アンテナと、受信広帯域アンテナと、予め絶対位置が特定されている前記応答器である特定応答器の当該絶対位置を示す位置情報を設定する位置情報設定手段と、を備える質問器に含まれるコンピュータを、
    他の質問器において前記送信パルス信号が受信された時刻から当該送信パルス信号に対応する返信用のパルス信号が当該他の質問器から送信された時刻までの時間を示す時間情報が含まれたパルス信号を前記受信広帯域アンテナにより受信し、当該受信したパルス信号に基づいて前記他の質問器を含む質問器間の距離である第1距離を検出する第1距離検出手段、
    前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、応答器に備えられた応答器アンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記応答器までの距離である第2距離を検出する第2距離検出手段、
    前記送信広帯域アンテナから送信された前記送信パルス信号を前記受信広帯域アンテナにより直接受信して得られる受信パルス信号と、前記特定応答器に備えられたアンテナにより前記送信パルス信号が直接反射されて得られる反射波と、の前記受信広帯域アンテナにおける受信時間間隔に基づいて、前記特定応答器までの距離である第3距離を検出する第3距離検出手段、
    前記他の質問器において検出された前記第1距離、前記第2距離および前記第3距離を取得する距離取得手段、および、
    前記位置情報設定手段に設定されている前記位置情報と、各前記第1距離、各前記第2距離および各前記第3距離と、に基づいて、前記応答器の絶対位置を検出する位置検出手段、
    として機能させることを特徴とする位置検出用プログラム
JP2005093795A 2004-03-29 2005-03-29 質問器、応答器、位置検出方法および位置検出用プログラム Expired - Fee Related JP4650053B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005093795A JP4650053B2 (ja) 2004-03-29 2005-03-29 質問器、応答器、位置検出方法および位置検出用プログラム

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004096252 2004-03-29
JP2005093795A JP4650053B2 (ja) 2004-03-29 2005-03-29 質問器、応答器、位置検出方法および位置検出用プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005318553A JP2005318553A (ja) 2005-11-10
JP4650053B2 true JP4650053B2 (ja) 2011-03-16

Family

ID=35445448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005093795A Expired - Fee Related JP4650053B2 (ja) 2004-03-29 2005-03-29 質問器、応答器、位置検出方法および位置検出用プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4650053B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100797111B1 (ko) 2006-09-29 2008-01-22 장인선 휴대용 rfid 인식 장치
US8659477B2 (en) 2008-10-09 2014-02-25 Panasonic Corporation Base station device and distance measuring method
JP5159867B2 (ja) * 2010-12-06 2013-03-13 三菱電機株式会社 機器設置支援装置、機器設置支援方法、及び、プログラム
JP6250918B2 (ja) 2012-06-13 2017-12-20 京セラ株式会社 携帯電子機器、位置確認方法、及び位置確認プログラム
FR3055972B1 (fr) * 2016-09-09 2019-08-16 Store Electronic Systems Localisation d'etiquettes electroniques de gondole dans une surface de vente

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10260241A (ja) * 1997-03-18 1998-09-29 Honda Motor Co Ltd 車両位置検出システムおよび検出方法
JP2002185359A (ja) * 2000-12-15 2002-06-28 Ibiden Co Ltd 受信波送信装置および移動体識別システム
JP2003032162A (ja) * 2001-07-12 2003-01-31 Sony Corp 受信方法、送信方法並びに受信装置、送信装置並びに無線通信システム
JP2003075164A (ja) * 2001-09-06 2003-03-12 Sony Corp 測位情報送信装置及び測位情報送受信システム
US20030111540A1 (en) * 2001-12-18 2003-06-19 Rf Saw Components, Incorporated Surface acoustic wave identification tag having enhanced data content and methods of operation and manufacture thereof
JP2003289565A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線通信装置
JP2004080644A (ja) * 2002-08-21 2004-03-11 Keio Gijuku Uwb送信機及び受信機
JP2004260761A (ja) * 2003-02-27 2004-09-16 Mitsubishi Materials Corp 多段円環パッチアンテナおよび多段円環パッチアンテナの製造方法
JP2005057438A (ja) * 2003-08-01 2005-03-03 Sony Corp アンテナ装置
JP2005078303A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Canon Inc 物体情報センシング装置、ポインティングデバイス、およびインターフェース装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005520139A (ja) * 2002-03-08 2005-07-07 エクストリームスペクトラム,インコーポレイテッド 超広帯域システムにおいて距離測定機能を実行する方法及びシステム

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10260241A (ja) * 1997-03-18 1998-09-29 Honda Motor Co Ltd 車両位置検出システムおよび検出方法
JP2002185359A (ja) * 2000-12-15 2002-06-28 Ibiden Co Ltd 受信波送信装置および移動体識別システム
JP2003032162A (ja) * 2001-07-12 2003-01-31 Sony Corp 受信方法、送信方法並びに受信装置、送信装置並びに無線通信システム
JP2003075164A (ja) * 2001-09-06 2003-03-12 Sony Corp 測位情報送信装置及び測位情報送受信システム
US20030111540A1 (en) * 2001-12-18 2003-06-19 Rf Saw Components, Incorporated Surface acoustic wave identification tag having enhanced data content and methods of operation and manufacture thereof
JP2003289565A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線通信装置
JP2004080644A (ja) * 2002-08-21 2004-03-11 Keio Gijuku Uwb送信機及び受信機
JP2004260761A (ja) * 2003-02-27 2004-09-16 Mitsubishi Materials Corp 多段円環パッチアンテナおよび多段円環パッチアンテナの製造方法
JP2005057438A (ja) * 2003-08-01 2005-03-03 Sony Corp アンテナ装置
JP2005078303A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Canon Inc 物体情報センシング装置、ポインティングデバイス、およびインターフェース装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005318553A (ja) 2005-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8284027B2 (en) Position detecting system, responder and interrogator, wireless communication system, position detecting method, position detecting program, and information recording medium
EP1832004B1 (en) Ultra wideband radio frequency identification techniques
US7385511B2 (en) Carrierless RFID system
US7009495B2 (en) System and method to identify multiple RFID tags
EP2248066B1 (en) Interrogation of rfid communication units
US8188841B2 (en) Method of remote powering and detecting multiple UWB passive tags in an RFID system
US7419096B2 (en) RFID joint acquisition of time sync and timebase
CN101160608B (zh) 具有不对称通信带宽的射频标签和读取器
US8952789B2 (en) Method and apparatus for communication in ultra-wide bandwidth RFID systems
US7403122B1 (en) RFID tag circuits operable at different speeds
WO2004032027A1 (en) System and method to identify multiple rf tags
JP4650053B2 (ja) 質問器、応答器、位置検出方法および位置検出用プログラム
US20100328047A1 (en) Communication session establishment
US5606574A (en) Mobile unit identifying system and method of demodulating for the same
JP4609123B2 (ja) 応答器及び質問器並びに無線通信システム
US7501978B2 (en) Short-distance ranging system
US7151437B2 (en) Radio communication system and method, radio communication apparatus and method, and program
KR101136160B1 (ko) 이중 대역 rfid 태그
WO2007072563A1 (ja) Rfidシステム及びrfid読み取り装置
KR100836469B1 (ko) Rfid 리더 및 rfid 시스템
Merakeb et al. Experimental demonstration of a passive UHF RFID communication in time reversal and pulsed wave mode
JP2007060144A (ja) 無線タグ通信装置
Guidi Study of ultra wide band modulated backscattering based RFID systems
KR20080078274A (ko) 멀티 리더-태그 통신을 위한 무선통신장치(알에프 샤워시스템) 및 그 제어방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131224

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees