JP2002185359A - 受信波送信装置および移動体識別システム - Google Patents
受信波送信装置および移動体識別システムInfo
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Abstract
を測定し得る受信波送信装置および移動体識別システム
を提供する。 【解決手段】 基地局21は、スペクトル拡散された拡
散信号を発生し、A、Bの2チャネルにより回線周波数
の異なる上りの拡散信号を送信アンテナ22a、22b
を介して送信する。一方、上りの拡散信号は、特定の識
別カード31により所定の個別加工が施され、下りの拡
散信号としてXチャネルにより送り返されてくるので、
基地局21はこの送り返された下りの拡散信号を受信ア
ンテナ23により受信する。これにより基地局21は、
既に送信した上りの拡散信号の波形を基準に下りの拡散
信号による波形との相関をとるため、その相関値から、
Xチャネルにより下りの拡散信号を送り返した識別カー
ド31の数を計数することができ、また基地局21から
識別カード31までの距離を測定することができる。
Description
を再度送信する受信波送信装置および移動体識別システ
ムに関するものである。
い、個人レベルによる移動手段の利便性は急速に向上し
た反面、交通渋滞、交通事故、沿道環境や地球環境の悪
化などの様々な社会問題が発生している。その一方で、
情報通信技術の高度化がかなりの速度で進展している。
先端の情報通信技術を用いて、人、道路、車両の高度な
ネットワークを構築しようと考えられているのがITS
(Intelligent Transport Systems;高度道路交通シス
テム)である。即ち、ITSは、最先端の情報通信技術
を用いて人と道路と車両とを情報ネットワークすること
により、交通事故や交通渋滞といった道路交通問題の解
決を目的に構築された新しい交通システムであり、19
96年に関係5省庁(警察庁、運輸省、郵政省、建設
省、通商産業省)により合同で策定されたマスタープラ
ンによる9つの開発分野からなる。
支援」の開発分野では、交通機関の最適な利用、公共交
通機関の利便性の向上、事業運営の効率化等などのニー
ズが公共交通の利用者や輸送事業者にあるとされてい
る。具体的には、在来の交通システムの例として、バス
の利用者は、定期的に同じ路線を巡回しているバスに乗
るというものが国内各地に確立されているが、このよう
な在来バスによる交通システムでは、予め決められた運
行ダイヤグラムに従って一定の路線をバスが運行してい
る。そのため、路線近郊で人の多く集まる催し物等があ
ったときには、乗車定員を超える利用者がバス停に待機
している場合が想定される。しかし、このような場合に
は、通常の運行ダイヤグラムでは利用者にとって満足で
きる輸送サービスを提供することができないため、ここ
に交通機関の最適な利用、公共交通機関の利便性の向上
等といったニーズが生ずる。
に把握できるシステムがあれば、臨時にバスを増発して
運行する等の対策がとれるため、利用者の待ち時間の減
少にもつながりスムーズかつ効率的な輸送サービスの提
供を実現できるものと考えられる。つまり、このような
システムにより、交通機関の最適な利用、公共交通機関
の利便性の向上および事業運営の効率化のニーズに対応
することができる。
までの距離をリアルタイムに把握できるシステムがあれ
ば、運行路線を一時的に変更する等の臨機応変な対策が
とれるため、さらにスムーズかつ効率的な輸送サービス
の提供を実現できるものと考えられる。そして、このよ
うなシステムによっても、交通機関の最適な利用、公共
交通機関の利便性の向上および事業運営の効率化という
ニーズに対応することができる。
特定の人や移動体の数、あるいは特定の人や移動体まで
の距離を測定する既存技術としては、例えば携帯電話機
やPHS(以下これらを「携帯電話」と総称する。)か
ら発射される電波を手掛かりに測定するシステムがあ
る。
したシステムでは、携帯電話による通信方式の相違から
各通信方式に対応した受信装置等を複数台用意しなけれ
ばならないという問題や、測定範囲の自由な設定が困難
であるという問題、あるいは測定した人数や距離の誤差
による問題といった種々の技術的な課題が存在するた
め、システム構築上の障害が多く、ITSの「公共交通
の支援」には適用されるに至っていないのが現状であ
る。
体の数、距離の測定は、特定の民間企業により提供され
る携帯電話サービスに付随したものであるから、当該企
業による携帯電話サービスを受けていることが測定対象
である人や移動体の前提条件になる。そのため、このよ
うなITSとは直接的には関連のない携帯電話サービス
の契約者だけを対象としたシステムは「公共交通の支
援」という公益的観点からみて公平性に欠け現実的では
ない。
に識別し得るシステムが存在すれば「公共交通の支援」
の開発分野に留まらず、ITSの「自動料金収受システ
ム」の開発分野に関連した高速道路等における一旦停止
のない自動的な料金のやり取りというニーズにも対応で
きるが、携帯電話により人や移動体を識別するシステム
では、上述した種々の技術的な課題等から現実的ではな
い。
なされたものであり、その目的とするところは、特定の
移動体の数や特定の移動体までの距離を測定し得る受信
波送信装置および移動体識別システムを提供することに
ある。また、本発明の別の目的は、特定の移動体を識別
し得る受信波送信装置および移動体識別システムを提供
することにある。
め、請求項1の受信波送信装置では、スペクトル拡散さ
れた上りの拡散信号を受信する受信アンテナと、前記受
信アンテナにより受信した前記上りの拡散信号に所定の
個別加工を施して、下りの拡散信号にする信号加工手段
と、前記下りの拡散信号を外部空間に放出する送信アン
テナと、を備えることを技術的特徴とする。
求項1において、前記上りの拡散信号は、2以上の回線
周波数で受信され、前記信号加工手段は、前記2以上の
回線周波数の差または和をとる周波数混合手段を備える
ことを技術的特徴とする。
請求項1において、前記信号加工手段は、前記上りの拡
散信号の位相を所定量遅延させる位相遅延手段を備える
ことを技術的特徴とする。
は、請求項1において、前記上りの拡散信号は、2以上
の回線周波数で受信され、前記信号加工手段は、前記2
以上の回線周波数の差または和をとる周波数混合手段
と、前記上りの拡散信号の位相を所定量遅延させる位相
遅延手段と、を備えることを技術的特徴とする。
求項4において、前記位相遅延手段は、前記周波数混合
手段の前段または前記周波数混合手段の後段の少なくと
も一方に介在することを技術的特徴とする。
請求項1〜5のいずれか一項において、前記受信アンテ
ナと前記信号加工手段との間には、所定の周波数帯域を
有する第1のバンドパスフィルタが介在することを技術
的特徴とする。
は、請求項6において、前記第1のバンドパスフィルタ
は、前記受信アンテナに含まれることを技術的特徴とす
る。
求項2または4において、前記信号加工手段と前記送信
アンテナとの間には、所定の周波数帯域を有する第2の
バンドパスフィルタが介在することを技術的特徴とす
る。
請求項8において、前記第2のバンドパスフィルタは、
前記送信アンテナに含まれることを技術的特徴とする。
は、請求項1において、前記信号加工手段は、受動素子
で構成されることを技術的特徴とする。
は、請求項1または10において、前記信号加工手段
は、印刷配線板に内装されることを技術的特徴とする。
では、請求項1、10または11において、前記受信ア
ンテナまたは前記送信アンテナの少なくとも一方は、印
刷配線板に印刷されることを技術的特徴とする。
動体識別システムでは、スペクトル拡散された上りの拡
散信号を送信するとともに、この上りの拡散信号と受信
した下りの拡散信号との相関をとり、この相関に基づい
て相関ピーク点の数と相関ピーク点の値とを測定し得る
基地局と、前記上りの拡散信号を受信し、これに所定の
個別加工を施して、前記下りの拡散信号として前記基地
局に送り返す移動体と、を備えることを技術的特徴とす
る。
は、請求項13において、前記上りの拡散信号は、2以
上の回線周波数で送信され、前記下りの拡散信号は、前
記2以上の回線周波数の差または和をとる回線周波数に
より送り返されることを技術的特徴とする。
では、請求項13または14において、前記基地局によ
る相関は、SAW素子によるマッチドフィルタにより行
われることを技術的特徴とする。
テムでは、請求項13または14において、前記基地局
による相関は、スライディング相関器により行われるこ
とを技術的特徴とする。
は、請求項13〜16のいずれか一項において、前記上
りの拡散信号は、拡散符号の異なる2以上の前記基地局
により送信されることを技術的特徴とする。
テムでは、請求項13〜17のいずれか一項において、
前記上りの拡散信号は、回線周波数の異なる2以上の前
記基地局により送信されることを技術的特徴とする。
は、スペクトル拡散された上りの拡散信号を受信アンテ
ナにより受信し、この上りの拡散信号に信号加工手段に
より所定の個別加工を施して下りの拡散信号にし、この
下りの拡散信号を送信アンテナにより外部空間に放出す
る。これにより、受信波送信装置からは、上りの拡散信
号に所定の個別加工を施した下りの拡散信号が外部空間
に放出されるので、この下りの拡散信号を受信した側で
は、上りの拡散信号と下りの拡散信号との相関により、
当該受信波送信装置の存在と当該受信波送信装置までの
距離を知ることができる。
は、信号加工手段は周波数混合手段を備え、この周波数
混合手段により、2以上の回線周波数で受信される上り
の拡散信号の回線周波数の差または和をとる。これによ
り、下りの拡散信号の回線周波数を上りの拡散信号の回
線周波数の差または和にするという個別の加工を施すこ
とができるので、受信波送信装置からは、上りの拡散信
号の回線周波数の差または和をとった回線周波数に下り
の拡散信号をのせて外部空間に放出することができる。
つまり、上りの拡散信号の回線周波数の差または和によ
り周波数分割を行うことができる。
は、信号加工手段は位相遅延手段を備え、この位相遅延
手段により、上りの拡散信号の位相を所定量遅延させ
る。これにより、上りの拡散信号の位相を所定量遅延さ
せるという個別の加工を施すことができるので、受信波
送信装置からは、上りの拡散信号の位相を所定量遅延さ
せた下りの拡散信号を外部空間に放出することができ
る。つまり、上りの拡散信号の位相を所定量遅延させた
ことにより符号分割を行うことができる。
は、周波数混合手段と位相遅延手段とを備え、周波数混
合手段により、2以上の回線周波数で受信される上りの
拡散信号の回線周波数の差または和をとり、位相遅延手
段により上りの拡散信号の位相を所定量遅延させる。こ
れにより、下りの拡散信号の回線周波数を上りの拡散信
号の回線周波数の差または和にするという個別の加工を
施すことができ、また上りの拡散信号の位相を所定量遅
延させるという個別の加工を施すことができるので、受
信波送信装置からは、上りの拡散信号の位相を所定量遅
延させた下りの拡散信号を、上りの拡散信号の回線周波
数の差または和をとった回線周波数にのせて外部空間に
放出することができる。つまり、上りの拡散信号の位相
を所定量遅延させたことにより符号分割と、上りの拡散
信号の回線周波数の差または和により周波数分割とを共
に行うことができる。
は、位相遅延手段は、周波数混合手段の前段または周波
数混合手段の後段の少なくとも一方に介在する。これに
より、上りの拡散信号の位相を所定量遅延させるという
個別の加工を、周波数混合手段の前段または後段におい
て、あるいは周波数混合手段の前段および後段におい
て、施すことができるので、当該位相遅延手段による上
りの拡散信号の位相遅延を、周波数混合手段による回線
周波数の差または和をとる前後、あるいは双方で行うこ
とができる。
は、受信アンテナと信号加工手段との間には、所定の周
波数帯域を有する第1のバンドパスフィルタが介在す
る。これにより、受信アンテナにより受信した上りの拡
散信号のうち、所定の周波数帯域よりも上側または下側
の回線周波数によるものは、この第1のバンドパスフィ
ルタを通過することができない。つまり、信号加工手段
に到達することができるのは、所定の周波数帯域を通過
するものに限られる。
は、第1のバンドパスフィルタは、受信アンテナに含ま
れる。例えば当該受信アンテナを印刷配線板上の導体パ
ターンにより構成することで、第1のバンドパスフィル
タの特性をもたせつつ、アンテナの働きをも有する受信
アンテナを構成する。これにより、受信アンテナと第1
のバンドパスフィルタとを別個に構成する必要がないの
で、省スペースに寄与することができる。
は、信号加工手段と送信アンテナとの間には、所定の周
波数帯域を有する第2のバンドパスフィルタが介在す
る。これにより、信号加工手段により所定の加工を施し
た下りの拡散信号のうち、所定の周波数帯域よりも上側
または下側の周波数による不要な輻射は、この第2のバ
ンドパスフィルタを通過することができない。つまり、
送信アンテナに到達することができるのは、所定の周波
数帯域を通過するものに限られる。
は、第2のバンドパスフィルタは、送信アンテナに含ま
れる。例えば当該送信アンテナを印刷配線板上の導体パ
ターンにより構成することで、第2のバンドパスフィル
タの特性をもたせつつ、アンテナの働きをも有する送信
アンテナを構成する。これにより、送信アンテナと第2
のバンドパスフィルタとを別個に構成する必要がないの
で、省スペースに寄与することができる。
は、信号加工手段は、受動素子で構成されることから、
当該受信波送信装置は電源を必要としない。これによ
り、無電源装置を実現することができる。
は、信号加工手段は、印刷配線板に内装されることか
ら、印刷配線板の積層技術等により、当該受信波送信装
置を薄型に構成することができる。これにより、衣服の
ポケット等に収容しても当該受信波送信装置の使用者に
与える違和感を抑制することができる。また車両等の移
動体に貼り付けて使用することもできる。
は、受信アンテナまたは送信アンテナの少なくとも一方
は、印刷配線板に印刷されることから、受信アンテナま
たは送信アンテナを別部品にして構成した場合に比べ、
当該受信波送信装置を薄型に構成することができ、また
アンテナとしての性能品質の安定させることができる。
これにより、衣服のポケット等に収容しても当該受信波
送信装置の使用者に与える違和感を抑制できることに加
え、当該受信波送信装置の歩留まりを向上できる。
明では、スペクトル拡散された上りの拡散信号を送信す
るとともに、この上りの拡散信号と受信した下りの拡散
信号との相関をとり、この相関に基づいて相関ピーク点
の数と相関ピーク点の値とを測定し得る基地局と、上り
の拡散信号を受信し、これに所定の加工を施して、下り
の拡散信号として前記基地局に送り返す移動体と、備え
る。即ち、基地局から送信された上りの拡散信号は、移
動体により受信され、これを受信した移動体では、受信
した上りの拡散信号に所定の加工を施して、下りの拡散
信号として基地局に送り返す。そして、この下りの拡散
信号を受信した基地局は、送信した上りの拡散信号と受
信した下りの拡散信号との相関をとり、この相関に基づ
いて相関ピーク点の数と相関ピーク点の値とを測定す
る。これにより、基地局では、上りの拡散信号を受信し
て、下りの拡散信号として送り返してきた移動体の存在
およびその数を相関ピーク点の数から知ることができ、
また相関ピーク点の値から当該移動体までの距離を測定
することができる。
明では、上りの拡散信号は、2以上の回線周波数で送信
され、下りの拡散信号は、2以上の回線周波数の差また
は和をとる回線周波数により送り返される。これによ
り、上りの拡散信号の回線周波数の差または和により周
波数分割を下りの拡散信号に行うことができる。
明では、基地局による相関は、SAW素子によるマッチ
ドフィルタにより行われることから、複数の上りの拡散
信号と複数の下りの拡散信号との相関をとるための構成
を簡素にし、しかもこのような相関を瞬時にとることが
できる。これにより、このような相関をSAW素子によ
るマッチドフィルタにより行わない場合に比べ、移動体
の数が多くても、短時間にそれらを識別することができ
る。
明では、基地局による相関は、スライディング相関器に
より行われることから、上りの拡散信号と下りの拡散信
号との相関をとるうえで耐ノイズ性に優れている。これ
により、上りの拡散信号または下りの拡散信号にノイズ
が多くても、両者の相関を比較的容易にとることができ
る。
明では、上りの拡散信号は、拡散符号の異なる2以上の
基地局により送信されることから、基地局では、受信し
た下りの拡散信号の中から、拡散符号の違いによって識
別対象となる移動体を区別することができる。これによ
り、基地局では、上りの拡散信号の拡散符号を任意に設
定することにより、識別し得る移動体を適宜選択するこ
とができる。
明では、上りの拡散信号は、回線周波数の異なる2以上
の基地局により送信されることから、基地局では、受信
した下りの拡散信号の中から、回線周波数の違いによっ
て識別対象となる移動体を区別することができる。これ
により、基地局では、回線周波数を任意に設定すること
により、識別し得る移動体を適宜選択することができ
る。
よび移動体識別システムを適用した移動体識別システム
の一実施形態について図を参照して説明する。図1に示
すように、本実施形態に係る移動体識別システム20の
基本的な構成は、1の基地局21と複数(1〜n)の識
別カード31とから構成される。ここで、図1に示す符
号22a、22bは基地局21の送信アンテナ、また符
号23は同局の受信アンテナをそれぞれ示す。
に基づいて説明する。図2に示すように、基地局21
は、主に、送信アンテナ22a、22b、受信アンテナ
23、SS変調器25a、25b、相関器27、計数・
距離測定部28から構成されている。
22bは、所定周波数帯の高周波を外部空間に放出可能
に構成されたアンテナで、送信アンテナ22aはSS変
調器25aに、また送信アンテナ22bはSS変調器2
5bに、それぞれ対応して設けられている。即ち、この
送信アンテナ22a、22bは、後述する上りの拡散信
号の回線周波数(Aチャネル、Bチャネル)にそれぞれ
適応し得るように、使用可能な周波数帯域が設定されて
いる。
2bは、SS変調器25a、25bにそれぞれ対応して
設けられるものであるが、SS変調器25a、25bに
よるそれぞれの回線周波数(Aチャネル、Bチャネル)
を包含する周波数帯域を有するアンテナであれば、2本
のアンテナに分けて構成する必要はなく、1本のアンテ
ナで両方のSS変調器25a、25bに対応するように
構成しても良い。
1により送り返された下りの拡散信号を受信可能に構成
されたアンテナで、相関器27に対応して設けられてい
る。そのため、この受信アンテナ23の使用可能な周波
数帯域は、後述する下りの拡散信号の回線周波数(Xチ
ャネル)に適用し得るように設定されている。
りスペクトル拡散された上りの拡散信号を生成し得るよ
うに構成されているもので、例えばPN符号発生器、高
周波信号発生器、周波数混合器等から構成されている。
即ち、PN符号発生器から出力される所定の拡散符号
と、高周波信号発生器から出力されるAチャネルの高周
波信号と、を周波数混合器により混合することによっ
て、所定の拡散符号によるスペクトル拡散変調をAチャ
ネルの高周波信号にかけ、上りの拡散信号を生成し得る
ように構成されている。
同様に構成されており、所定の拡散符号によりスペクト
ル拡散された上りの拡散信号を生成し得るように、例え
ばPN符号発生器、高周波信号発生器、周波数混合器等
から構成されている。
25bを構成するそれぞれのPN符号発生器は、発生す
る拡散符号列の符号パターンを任意に設定し得るよう構
成されている。そのため、本実施形態では、Aチャネル
による上りの拡散信号とBチャネルによる上りの拡散信
号とが互いに異なるように、それぞれの拡散符号列の符
号パターンの設定を変えている。これにより、基地局2
1では、拡散符号列の符号パターンの違いによって、自
らが送信した上りの拡散信号を下りの拡散信号として送
り返した識別カード31、つまり識別対象となる識別カ
ード31を他の識別カード31から区別することができ
る。
と、これを受信した識別カード31が送り返してきた下
りの拡散信号と、の相関をとるためのもので、例えばS
AW(Surface Acoustic Wave )素子によるマッチドフ
ィルタにより構成されている。そのため、スライディン
グ相関器により相関をとる場合に比べ、符号周期1周期
分の相関を瞬時にとることができる。この相関器27に
より得られた相関値は、計数・距離測定部28に出力さ
れる。
質が劣悪な環境下にある場合には、スライディング相関
器により相関をとるように構成しても良い。SAW素子
によるマッチドフィルタにより相関をとる場合に比べ、
スライディング相関器により相関をとる方が耐ノイズ性
に優れているためである。
段に位置しており、相関器27により得られた相関値出
力を分析し得るように例えばマイクロコンピュータによ
り構成されている。即ち、相関器27からの相関値出力
に基づいて、相関ピーク点の数とそれぞれの相関ピーク
点の値とを測定する。そして、所定値に設定された閾値
を超える相関ピーク点の数から識別対象となる識別カー
ド31の数を計数し、またそれぞれの相関ピーク点の値
から、後述する距離測定の式(6)、(7)により対応
する識別カード31までの距離を測定する。これによ
り、特定の識別カード31を備える移動体の数および当
該特定の移動体までの距離を測定することができる。な
お、この閾値は、回線周波数に含まれるノイズ成分によ
り受ける影響を考慮したものであるため、ノイズ成分の
影響を全く受けない場合には、当該閾値を設定する必要
はない。
により、本実施形態に係る移動体識別システム20は以
下のような基本動作を行うことができる。即ち、基地局
21は、SS変調器25a、25bにより、それぞれス
ペクトル拡散された拡散信号を発生し、A、Bの2チャ
ネルにより回線周波数の異なる上りの拡散信号を送信ア
ンテナ22a、22bを介して送信する(図1に示す
「上りA」と「上りB」)。一方、このように送信した
上りの拡散信号は、後述するように、特定の識別カード
31により所定の個別加工が施されて下りのXチャネル
(Aチャネル波とBチャネル波とによる合成電波)によ
り下りの拡散信号として送り返されてくるので(図1に
示す「下りX」)、基地局21はこの送り返された下り
の拡散信号を受信アンテナ23により受信する。これに
より、基地局21は、相関値算出部27により、既に送
信した上りの拡散信号の波形を基準に下りの拡散信号に
よる波形との相関をとるため、その相関値から、計数・
距離測定部28により、Xチャネルにより下りの拡散信
号を送り返した識別カード31の数を計数することがで
き、また基地局21から識別カード31までの距離を測
定することができる。
基づいて説明する。図3に示すように、識別カード31
は、主に、受信アンテナ32a、32b、BPF34
a、34b、DBM36、遅延素子37、BPF38、
送信アンテナ39から構成されており、受信アンテナ3
2a、32bにより、スペクトル拡散された上りの拡散
信号を受信し、DBM36および遅延素子37により、
この上りの拡散信号に所定の個別加工を施して下りの拡
散信号にし、送信アンテナ39により、この下りの拡散
信号を外部空間に放出する。
各素子は、以下に説明するように、受動素子であること
から電源を必要としない。これにより、識別カード31
を無電源装置として実現することができる。したがっ
て、識別カード31は、電池を必要としない分、軽薄短
小化を容易に実現することができ、また電池交換を必要
としないため、メンテナンスフリーを容易に実現するこ
とができる。
上りのA、Bチャネルによる電波を良好に受信し得るよ
うに形状、長さ等が設定されている。図4(A) 、(B) に
示すように、この受信アンテナ32a、32bは、例え
ば識別カード31を構成するプリント基板50の一方の
表面に印刷されたプリントパターンによって形成されて
いる。これにより、受信アンテナ32a、32bを別部
品にして構成した場合に比べ、識別カード31を薄型に
構成することができ、またアンテナとしての性能品質の
安定させることができる。したがって、衣服のポケット
等に収容しても識別カード31の使用者に与える違和感
を抑制できることに加え、識別カード31の歩留まりを
向上することができる。なお、この受信アンテナ32
a、32bは、駆動電源を必要としない。
るように例えばコイルとコンデンサの値が設定されたL
Cタイプのバンドパスフィルタであり、受信アンテナ3
2aの後段に位置している。即ち、BPF34aは、受
信アンテナ32aにより受信したAチャネルによるセン
ター周波数を中心に所定の周波数帯域内の高周波成分の
通過を許容し、この周波数帯域よりも上側または下側の
回線周波数によるものの通過を排除するものである。そ
のため、BPF34aは、受信アンテナ32aにより受
信した上りの拡散信号のうちから、BPF34aに設定
された所定の周波数帯域内にある上りの拡散信号を選択
し、選択した上りの拡散信号を後段のDBM36に出力
する機能を有する。
しているBPF34bも、所定の周波数帯域を有するバ
ンドパスフィルタである。即ち、BPF34bは、受信
アンテナ32bにより受信したBチャネルによるセンタ
ー周波数を中心に所定の周波数帯域内の高周波成分の通
過を許容し、この周波数帯域よりも上側または下側の回
線周波数によるものの通過を排除するため、受信アンテ
ナ32bにより受信した上りの拡散信号のうちから、B
PF34bに設定された所定の周波数帯域内にある上り
の拡散信号を選択し、選択した上りの拡散信号を後段の
DBM36に出力する。
ンテナ32a、32bの後段、即ち、受信アンテナ32
a、32bとDBM36との間に介在させることで、特
定の回線周波数(本実施形態では、A、Bチャネル)に
よる上りの拡散信号に対してのみ下りの拡散信号を返し
得るように識別カード31を構成することができる。ま
た、このBPF34a、34bは、図4(A) 、(B) に示
すように、プリント基板50の内部に構成される。具体
的には、例えばチップコンデンサ(C)をプリント基板
50に内装し、またコイルパターン(L)をプリント基
板50の中層に印刷パターンとして形成する。またコイ
ル(L)はチップインダクタをプリント基板50に内装
しても良い。これにより、識別カード31を軽薄短小に
構成することができる。またBPF34a、34bを構
成する部品は、受動素子であるコイルと同コンデンサで
あるため、駆動電源を必要としない。
受信アンテナ32a、32bに含まれるように構成して
も良い。例えば受信アンテナ32a、32bを形成する
プリント基板50のプリントパターンによって、BPF
34a、34bをそれぞれ構成すれば受信アンテナ32
aでありながらBPF34aでもある、また受信アンテ
ナ32bでありながらBPF34bでもある、というア
ンテナの機能とBPFの機能を兼ね備えたものを構成す
ることができる。これにより、BPFの性能を持たせ、
アンテナの性能も代用することや、その逆に、アンテナ
の性能を持たせ、BPFの性能も代用することができる
ので、省スペースに寄与することができる。したがっ
て、軽薄短小化を容易に実現することができる。
るダブルバランスドミクサ(DoubleBalanced Mixer )
である。このDBM36は、BPF34a、34bの後
段に位置しており、BPF34aおよびBPF34bか
らそれぞれ出力された2種類の回線周波数による上りの
拡散信号同士を乗算した後、後段の遅延素子37に出力
する。これにより、両者の回線周波数の差または和の周
波数に周波数変換され、また両者の拡散信号同士の乗算
により拡散符号も符号変換される。
号に所定の個別加工が施されたことにより、基地局21
に対し固有の条件を与えた下りの拡散信号がDBM36
から出力される。したがって、例えば本実施形態では、
AチャネルとBチャネルとの差分に相当する周波数をX
チャネルの回線周波数として、これに変換後の拡散信号
がのせられて遅延素子37に出力されるため、Xチャネ
ルを受信できることが基地局21の必要条件となる。
に、4本のダイオードを2組のコイルとから構成されて
いる受動素子からなるモジュールである。そのため、周
波数混合器をトランジスタ等の能動素子により構成する
場合と比べ、変換利得を得ることまではできないが、前
述したBPF34a、34bと同様、駆動電源を必要と
しないことから、本識別カード31を無電源装置に構成
し得るメリットがある。なお、本実施形態で用いるDB
M36は、図4(A) 、(B) に示すように、プリント基板
50の内部に構成されるため、前述したBPF34a、
34bと相俟って、識別カード31の軽薄短小化に貢献
している。
所定量遅延させる機能を有するもので、例えばディレイ
ラインが用いられる。この遅延素子37による遅延時間
は、識別カード31個々に異なる値として設定されてい
る。具体的には、例えば受信する2つの拡散信号の符号
速度が10MHzに設定されている場合にはチップ区間は
0.1μSになるため、その2倍である0.2μSのn
倍(n=1,2,3,…)、即ち0.2μS,0.4μ
S,0.6μS,…というように遅延時間が設定され
る。
・符号変換されたXチャネルによる拡散信号が、この遅
延素子37を通過すると、個々に設定された所定時間だ
け遅れて遅延素子37から出力される。つまり、Xチャ
ネルの拡散信号は、遅延素子37によって予定された所
定量だけ位相が遅れることにより、所定の個別加工が施
されてID情報をもつことになり、下りの拡散信号とし
て遅延素子37から出力される。
前段、即ちBPF34aとDBM36の間あるいはBP
F34bとDBM36の間、またその双方のBPF34
a、34bとDBM36の間に介在させても良い。さら
にDBM36を挟むようにDBM36の前段および後段
に介在させても良い。これにより、遅延素子37の介在
する位置およびその遅延時間量の組み合わせにより、個
別加工のバリエーションを増大させることができるた
め、個別加工の複雑化が図られる。そのため、このよう
な個別加工を、識別カード31個々に与えられた「固有
のID情報」にすることができる。
延時間を設定し、識別カード31個別の位相遅延を生じ
させているのは、個別の条件を識別カード31ごとに与
えることによって、後述するように、基地局21が受信
する下りの拡散信号により、特定の識別カード31を識
別することができるようにするためである。なお、この
遅延素子37も、図4(A) 、(B) に示すようにプリント
基板50内に受動素子により構成される。そのため、識
別カード31の軽薄短小化と無電源化に貢献している。
遅延素子37と送信アンテナ39との間に介在するバン
ドパスフィルタであり、BPF34a、34bとほぼ同
様に構成されている。即ち、遅延素子37により位相遅
延した下りの拡散信号がのせられている回線周波数(X
チャネル)によるセンター周波数を中心に所定の周波数
帯域内の高周波成分の通過を許容し、この周波数帯域よ
りも上側または下側の回線周波数によるものの通過を排
除し得るように、LCの各パラメータが設定されてい
る。そのため、BPF38は、下りの拡散信号に含まれ
る不要な周波数成分を除去することができるので、下り
の拡散信号の信号品質を向上できる。なお、このBPF
38も、図4(A) 、(B) に示すようにプリント基板50
内に受動素子により構成されるため、識別カード31の
軽薄短小化と無電源化に貢献している。
位置しており、Xチャネルによる下り拡散信号の電波を
外部空間に良好に放出し得るように形状、長さ等が設定
されている。この送信アンテナ39も駆動電源を必要と
しない。図4(A) 、(B) に示すように、この送信アンテ
ナ39は、例えば識別カード31を構成するプリント基
板50の他方の表面に印刷されたプリントパターンによ
って形成されている。これにより、プリント基板50の
中層に形成されるベタアースパターンを挟んで、受信ア
ンテナ32a、32bが形成される基板面と反対側の基
板表面に送信アンテナ39を設けることができるので、
受信側と送信側とを高周波的に分離することができる。
また、送信アンテナ39を基板に印刷パターンとして構
成するため、送信アンテナ39を別部品にして構成した
場合に比べ、識別カード31を薄型に構成することがで
き、またアンテナとしての性能品質の安定させることが
できる。したがって、衣服のポケット等に収容しても識
別カード31の使用者に与える違和感を抑制できること
に加え、識別カード31の歩留まりを向上することがで
きる。
含まれるように構成しても良い。例えば送信アンテナ3
9を形成するプリント基板50のプリントパターンによ
って、BPF38を構成すれば送信アンテナ39であり
ながらBPF38でもある、また送信アンテナ39であ
りながらBPF38でもある、というアンテナの機能と
BPFの機能を兼ね備えたものを構成することができ
る。これにより、BPFの性能を持たせ、アンテナの性
能も代用することや、その逆に、アンテナの性能を持た
せ、BPFの性能も代用することができるので、省スペ
ースに寄与することができる。したがって、軽薄短小化
を容易に実現することができる。
ことにより、基地局21から送信される上りの拡散信号
に対して以下のような動作を行うことができる。即ち、
基地局21から送信された上りの拡散信号(Aチャネ
ル、Bチャネル)を受信アンテナ32a、32bにより
受信すると、BPF34a、34bによりそれぞれAチ
ャネルによる上りの拡散信号、Bチャネルによる上りの
拡散信号を選択し、これをDBM36により乗算する。
これにより、AチャネルとBチャネルとの周波数差に相
当するXチャネルの回線周波数に周波数変換されるとと
もに、Aチャネルによる上りの拡散信号とBチャネルに
よる上りの拡散信号との積に相当する拡散信号に符号変
換される。そして、遅延素子37により、この変換後の
拡散信号に所定量の位相遅延を加えることによって「上
りの拡散信号に施す所定の加工」が完了し、個々のID
情報をもつ下りの拡散信号ができるため、BPF38を
介してこれを送信アンテナ39により外部空間に放出す
る。これにより、識別カード31からは、Aチャネルお
よびBチャネルによる上りの拡散信号に、所定の個別加
工を施した下りの拡散信号がXチャネルで放出される。
したがって、前述したように基地局21では、このXチ
ャネルによる下りの拡散信号を受信することにより、こ
のような拡散信号を送り返した識別カード31の数を計
数し、また基地局21から識別カード31までの距離を
測定することができる。
散信号をいわゆる微弱電波により行う場合のシステム例
を図1、図5〜図7に基づいて説明する。なおここで
は、バス停で待つバスの利用者の数や、運行中のバスか
らバスを待つ利用者までの距離をリアルタイムに把握す
ることにより、例えばバス停に人が集まってきたらバス
が当該バス停に向かうという、言わば「オンデマンドバ
スシステム」に本発明に係る移動体識別システム20を
適用した例を説明をする。なお、図1に示す基地局21
はバスに搭載されており、また識別カード31はバスを
待つ利用者がそれぞれの着衣のポケット、ハンドバッ
グ、鞄等に入れて各自携帯しているものとする。
は、バスが搭載する基地局21からの上りの拡散信号を
A、Bチャネルにより受信すると、識別カード31を構
成する遅延素子37により、個々の識別カード31のI
D情報に相当する位相遅延した下りの拡散信号をXチャ
ネルのスペクトル拡散波として基地局21に送り返す。
例えば、図1に示す識別カード01(識別カード31)は
1ビット位相遅延した拡散信号を基地局21に送り返
し、識別カード03(識別カード31)は、3ビット位相
遅延した拡散信号を基地局21に送り返す。つまり、バ
ス停付近で待っている利用者は特別な操作なしに識別カ
ード31を携帯しているだけで、バスの利用者としてバ
スに搭載された基地局21に自動的にカウントされる。
送信可能なスペクトル拡散信号波の電力について検討す
る。即ち、電波法の規制を受けることなく、また免許の
必要のない「微弱電波」のカテゴリー内で上りの拡散信
号を基地局21から送信するためには、一定の電力以下
の電波により送信する必要がある。そのために許容され
る高周波電力は、λ/2のダイポールアンテナに供給で
きる電力により決められている電界強度の近似式から求
めることができ、それによれば約−43.4dBm(4.
6×10-8W)であることがわかる(0dBm=1m
W)。
式を用いることにより、ISM(Industrial Scientifi
c and Medical)帯域等の簡易に利用可能な周波数帯域に
適用することができる。またスペクトル拡散方式を適用
することにより、通信電力を有効に利用できるため、本
システムのように送信電力が微弱な通信には効果が大き
い。
31の必要最低電力、つまり基地局21の受信感度を−
100dBmとすると、微弱電力との差である電力減衰−
56.6dBmを考慮しなければならない。さらに識別カ
ード31における電力減衰も考慮しなければならない。
そこで、次式(1)を用いて測定可能距離を計算する
と、次の表1に示すような結果が得られる。
す。
電力減衰を−30dB(受信アンテナ32a、BPF34
a(34b)、DBM36、遅延素子37、BPF3
8、送信アンテナ39のそれぞれについて−5dB;−5
dB×6=−30dB)に設定すると、測定可能距離は往復
で64mになる。したがって、微弱電波のカテゴリー内
で基地局21から送信できる上りの拡散信号では、基地
局21から送信した後に識別カード31を経由し、その
電波を基地局21が受信するので、64mの半分である
32mまでの距離なら測定可能であることがわかる。
カード31は、前述したように、それぞれID情報とし
て同じ系列を個々に位相遅延、つまりシフトしたPN符
号を持っている。そのため、基地局21からの上りの拡
散信号を受信した場合には、個々のID情報に相当する
位相のPN符号を送り返す。例えば次の表2に示すよう
に、利用者nの識別カードnはPN2n-1をID情報とし
て保持している。
おきに割り当てられているのは、後述するように、他の
利用者の携帯する識別カード31からの相関値の影響を
なくすためである。そのため、ID情報の割り当ては、
使用するPN符号長/2だけ可能である。
測定部28による計数測定について説明する。計数測定
は、受信した下りの拡散信号と基地局が保持している個
々のID情報となる波形(上りの拡散信号)との相関値
により求めることができる。
は、それぞれのID情報(図5(A) )であるPN符号を
半ビットずらした拡散信号(図5(B) )を基準波形とし
て保持している。一方、識別カード31は、ID情報で
ある下りの拡散信号(図5(A))を基地局21に送り返
すため、基準波形(図5(B) )と送り返されてきた波形
との相関値を求める。
は、これにより同じ相関値で前後の距離をカバーするこ
とができるからである。即ち、図5(C) 、(D) に示す波
形は、基準波形に対して進相方向または遅相方向にb/
4(m)だけずれているので、相関値は同じ値をとるこ
とになる。しかし、実際には基地局21からの距離が異
なる。そのため、それぞれのID情報に相当する拡散信
号を基準波形とし、それぞれの装置が送信した合成波形
との相関値を計算する(表2参照)。
きに割り当てている理由は、相関値の漏洩のためであ
る。つまり、図5(C) の波形では相関値は0.75とな
るが、残りの0.25は前のPN符号に漏れてしまう。
換言すれば、1つおきに割り当てない場合には、他の利
用者の携帯する識別カード31による前後のPN符号か
らの相関値の影響を受けてしまい、実際の自分の携帯す
る識別カード31のID情報に相当する相関値とは違う
値になってしまうためである。
は、同じ拡散信号なら相関値1、半ビットずれていれば
相関値0.5となるが、実際にはノイズ・距離減衰の存
在する環境を考慮する必要があるので、閾値を設定する
必要がある。そのため、本システムによる基地局21の
計数・距離測定部28では、符号長/2個の中から閾値
以上ならば人数として相関ピーク点をカウントするよう
に設定されている。
での電力減衰量から測定可能な距離が決まると、これに
基づいて、基地局21から送信する上りの拡散信号の符
号速度を決定することができる。例えば本システムの場
合、測定可能距離を32mに設定したことから、その往
復距離である64mに相当する時間まで、PN符号2ビ
ット分の位相遅れを許容できることになる。したがっ
て、光速を3.0×108 (m/s)にすると、本シス
テムの場合、符号速度は、300/(64/2)=9.
375(MHz)まで設定することができることになる。
能距離が短くなるが、1回の測定に要するカウント時間
を短縮することができる。例えば符号速度を10MHzに
設定した場合には、測定可能距離は30mになる。しか
し、1回の測定に要するカウント時間は2μSであるた
め、1秒間に500000個の識別が可能になる。した
がって、基地局21による上りの拡散信号の符号速度
は、測定可能距離と測定必要時間あるいは識別個数との
兼ね合いにより決定される。
定部28による距離測定について説明する。距離測定で
は、計数測定の際に用いた相関値をもとに計算する。基
地局21に送り返されてきた下りの拡散信号は距離減
衰、位相差、ノイズによって相関値が変化する。そのた
め、以下の式(2)、式(3)を用いることによって、
距離減衰、位相差の補正を行い、これにより距離を測定
する。なおここでは、電力の距離減衰は、距離の2乗に
反比例するものとしている。
基地局から他の方向に距離(m)、aは下りの拡散信号
(ID情報)に対する相関値、bはPN符号1ビットの
波長(m)をそれぞれ表す。
における相関値に影響を与える距離減衰、波形の位相差
を考慮した式である。求める式が2つ存在するのは、前
述したように、半ビットずれた拡散信号を基準波形(図
5(B) )として相関値を求めているので、同じ相関値で
前後の距離が存在するからである。また、式(2)はb
/2(m)より前にいるときを表し、式(3)はb/2
(m)より後ろに存在するときを表している。
(2)、(3)を、次式(4)、(5)に示すような基
地局21からの距離を変数とする2次方程式になる。
つの解が求まることになる。それらの解を次式(6)、
(7)に示す。
と、それぞれ正負の解が求まることになる。しかし、実
際の距離において負の距離は存在しないので、解は2つ
の2次方程式より2つ求まることになる。2つの解のど
ちらかを選択して最適な解を出力距離とするが、式
(1)は半ビットより前、式(2)は半ビットより後を
表した式である。そして次式(8)、(9)より、
らば、他方の解もb/2(m)以下となる。つまり、解
の選択は、両解がb/2(m)以下ならば式(4)の解
を選択し、両解がb/2(m)以上ならば式(5)の解
を選択することによって最適の解を得ることができる。
判別式によって解が存在しない場合がある。ノイズのな
い場合には相関値が負になることはないので、このよう
な場合はノイズの影響を受けているものと考えられる。
なくなるのは式(5)であるのでこのような場合には式
(4)の解を最適解として選択する。
定を計算機シュミレーションした結果を説明する。 [1]シュミレーション条件 まず、計算機シュミレーションの条件を次の表(3)を
参照して説明する。
255ビットとする。また符号速度は10MHz、光速を
3.0×108 (m/s)とする。つまり、ここでは1
波長分の30mとなることから距離測定の範囲は0m〜
30mに設定される。30mに設定した理由は、前述し
たように、微弱電波のカテゴリー内では、基地局21か
ら32mまでの距離が測定可能な範囲となるからであ
る。
るため、最後のビットに“0”を付加する無相関符号で
行う。これは、通常のPN符号であると、相互相関値が
原点で1、その他の点で−1/符号長になるが、PN符
号の最後に“0”を付加することによってその他の点で
の相関値を0にすることができるためである。これによ
り多元接続は、PN符号長が255+1となり128人
の多元接続が可能となる。
慮してPN符号の1ビットに100の解像度を設け、距
離精度を30cmとする。電力距離減衰は距離の2乗に反
比例する。シュミレーション結果は、100回測定を行
いその平均値を結果とした。また、計数測定の閾値は閥
値は1/2200とした。最大距離減衰1/302と位
相による相関値変化の最小値0.5、ノイズ挿入を考慮
すると1/1800以下でなければならないが、閥値は
大きくすると実際にエリア内に存在するのにカウントさ
れないことがあり、逆に小さくしすぎると実際には存在
しない人がカウントされてしまうからである。
(B) )と識別カード31により送り返された下りの拡散
信号との相関のピーク点の数を数えることにより行う。
図6は、分散1.0に対してエリア内に1人存在したと
きのSN比/計数誤差を計算機シュミレーションした結
果を示す特性図で、横軸にはSN比、縦軸に計数誤差を
表している。なおSN比の算出式は次式(12)に示す
ものである。
す。
ンの結果、SN比が約16dBまでなら誤差のない計数測
定が行うことが可能であることがわかった。また、SN
比が負の値であっても誤差のない計数測定が行えるこ
と、即ち、拡散信号対ノイズを考えた場合、ノイズの方
が大きくても誤差のない計数測定が可能であることが本
システムのシュミレーション結果により確認できた。ま
た、SN比が悪くなると計数誤差が出現することを確認
した。なお、このシュミレーションでは、100回測定
を行い、その平均値を出力しているので、図6中の計数
誤差0.01は100回に1回間違えた結果を出力して
いる。
相関値は、基地局21から識別カード31までの距離の
違いによる電力減衰による要因と、当該距離の違いによ
り拡散信号の位相が遅れたことによる相関の低下による
要因とによって変化するため、この2つの要因に基づく
連立方程式から、距離測定を行う。
0m離れたところに存在している場合におけるSN比に
対する計測距離の誤差を計算機シュミレーションした結
果を示す特性図である。横軸はSN比、縦軸は距離誤差
である。また、各ポイントは、100回測定した結果の
平均値である。また図7中、黒四角(■)印は計数誤差
なし、白丸(○)印は計数誤差ありをそれぞれ示す。
ンの結果、計数誤差のない黒四角(■)印によるもの
は、ほとんど距離誤差のない結果を得ることができた。
一方、計数測定に誤差のある白丸(○)印によるもの
は、距離誤差にも誤差が生じてくることがわかる。これ
は、計数測定、距離測定は波形の相関値のみから計算し
ていることを原因とするもので、計数誤差のある相関値
を用いて距離測定を行っても良い結果は得られないこと
を示している。したがって、距離測定を行う前に、計数
測定を行う必要のあることを確認した。
信した下りの拡散信号との相関をとり、この相関に基づ
いて相関ピーク点の数を計数測定し、この計数測定の結
果に基づいてさらに相関ピーク点の値から距離測定する
必要がある。
動体識別システム20の識別カード31によると、スペ
クトル拡散された上りの拡散信号を受信アンテナ32
a、32bにより受信し、この上りの拡散信号にDBM
36、遅延素子37により所定の個別加工を施して下り
の拡散信号にし、この下りの拡散信号を送信アンテナ3
9により外部空間に放出する。これにより、識別カード
31からは、上りの拡散信号に所定の個別加工を施した
下りの拡散信号が外部空間に放出されるので、この下り
の拡散信号を受信した基地局21では、上りの拡散信号
と下りの拡散信号との相関により、当該識別カード31
の存在と当該識別カード31までの距離を知ることがで
きる。したがって、識別カード31を備えた特定の移動
体の数、識別カード31を備えた特定の移動体までの距
離を測定し得る効果がある。また識別カード31を備え
た特定の移動体を識別し得る効果がある。
ム20の識別カード31では、DBM36により、2以
上の回線周波数で受信される上りの拡散信号の回線周波
数(Aチャネル、Bチャネル)の差または和をとる。こ
れにより、下りの拡散信号の回線周波数(Xチャネル)
をAチャネルとBチャネルの差(A−BまたはB−A)
または和(A+B)にするという個別の加工を施すこと
ができるので、識別カード31からは、Xチャネルに下
りの拡散信号をのせて外部空間に放出することができ
る。つまり、AチャネルとBチャネルの差または和によ
り周波数分割を行うことができる。したがって、下りの
拡散信号をXチャネルで受信した基地局21は、当該識
別カード31の存在を知ることができ、また上りの拡散
信号と下りの拡散信号と相関により当該識別カード31
までの距離を知ることができる。よって、識別カード3
1を備えた特定の移動体の数、識別カード31を備えた
特定の移動体までの距離を測定し得る効果がある。また
識別カード31を備えた特定の移動体を識別し得る効果
がある。
テム20の識別カード31では、遅延素子37により、
上りの拡散信号の位相を所定量遅延させる。これによ
り、上りの拡散信号の位相を所定量遅延させるという個
別の加工を施すことができるので、識別カード31から
は、上りの拡散信号の位相を所定量遅延させた下りの拡
散信号を外部空間に放出することができる。つまり、上
りの拡散信号の位相を所定量遅延させたことにより符号
分割を行うことができる。したがって、下りの拡散信号
を受信した基地局21では、上りの拡散信号と下りの拡
散信号との相関により識別カード31の存在と識別カー
ド31までの距離とを知ることができる。よって、識別
カード31を備えた特定の移動体の数、識別カード31
を備えた特定の移動体までの距離を測定し得る効果があ
る。また識別カード31を備えた特定の移動体を識別し
得る効果がある。
ム20の識別カード31では、遅延素子37は、DBM
36の前段またはDBM36の後段の少なくとも一方に
介在する。これにより、上りの拡散信号の位相を所定量
遅延させるという個別の加工を、DBM36の前段また
は後段おいて、あるいはDBM36の前段および後段に
おいて、施すことができるので、遅延素子37による上
りの拡散信号の位相遅延を、DBM36による回線周波
数の差または和をとる前後、あるいは双方で行うことが
できる。したがって、上りの拡散信号の位相遅延による
下りの拡散信号の符号分割のバリエーションを増大させ
ることができる。よって、識別カード31を備えた特定
の移動体の識別可能な数量を増大し得る効果がある。
ム20の識別カード31では、受信アンテナ32a、3
2bとDBM36との間には、所定の周波数帯域を有す
るBPF34a、34bが介在する。これにより、受信
アンテナ32a、32bにより受信した上りの拡散信号
のうち、このBPF34a、34bの周波数帯域よりも
上側または下側の回線周波数によるものは、このBPF
34a、34bを通過することができない。つまり、D
BM36に到達することができるのは、BPF34a、
34bの周波数帯域を通過するものに限られる。したが
って、このBPF34a、34bによって、上りの拡散
信号を取捨選択することができるので、特定の回線周波
数による上りの拡散信号に対してのみ下りの拡散信号を
返すことができる。よって、識別カード31を備えた特
定の移動体を選択的に識別し得る効果がある。
ム20の識別カード31では、BPF34a、34b
は、それぞれ受信アンテナ32a、32bに含まれる。
例えば受信アンテナ32a、32bをプリント基板50
のプリントパターンにより構成することで、BPF34
a、34bの特性をもたせつつ、アンテナの働きをも有
する受信アンテナ32a、32bを構成する。これによ
り、受信アンテナ32a、32bとBPF34a、34
bとを別個に構成する必要がないので、省スペースに寄
与することができる。したがって、軽薄短小化を容易に
実現し得る効果がある。
ム20の識別カード31では、遅延素子37と送信アン
テナ39との間には、所定の周波数帯域を有するBPF
38が介在する。これにより、DBM36および遅延素
子37により所定の加工を施した下りの拡散信号のう
ち、このBPF38の周波数帯域よりも上側または下側
の周波数による不要な輻射は、このBPF38を通過す
ることができない。つまり、送信アンテナ39に到達す
ることができるのは、BPF38の周波数帯域を通過す
るものに限られる。したがって、このBPF38によっ
て、下りの拡散信号に含まれる不要な周波数成分を除去
することができるので、下りの拡散信号の信号品質を向
上することができる。よって、識別カード31を備えた
特定の移動体の識別を確実にし得る効果がある。
ム20の識別カード31では、BPF38は、それぞれ
送信アンテナ39に含まれる。例えば送信アンテナ39
をプリント基板50のプリントパターンにより構成する
ことで、BPF38の特性をもたせつつ、アンテナの働
きをも有する送信アンテナ39を構成する。これによ
り、送信アンテナ39とBPF38とを別個に構成する
必要がないので、省スペースに寄与することができる。
したがって、軽薄短小化を容易に実現し得る効果があ
る。
ム20の識別カード31では、受信アンテナ32a、3
2b、送信アンテナ39は当然のこと、BPF34a、
34b、BPF38、またDBM36、遅延素子37
も、受動素子で構成される。これにより、電源を必要と
しない無電源装置として、識別カード31を実現するこ
とができる。したがって、電池を必要としない分、軽薄
短小化を容易に実現し得る効果があり、またメンテナン
スフリーを容易に実現し得る効果もある。
ム20の識別カード31では、BPF34a、34b、
DBM36、遅延素子37、BPF38は、プリント基
板50に内装されることから、プリント基板の積層技術
等により、識別カード31を薄型に構成することができ
る。これにより、衣服のポケット等に収容しても識別カ
ード31の使用者に与える違和感を抑制することができ
る。また車両等の移動体に貼り付けて使用することもで
きる。したがって、識別カード31の利用度を高め得る
効果がある。
ム20の識別カード31では、受信アンテナ32a、3
2b、送信アンテナ39は、プリント基板50に印刷さ
れることから、受信アンテナ32a、32b、または送
信アンテナ39を別部品にして構成した場合に比べ、識
別カード31を薄型に構成することができ、またアンテ
ナとしての性能品質の安定させることができる。これに
より、衣服のポケット等に収容しても識別カード31の
使用者に与える違和感を抑制できることに加え、識別カ
ード31の歩留まりを向上できる。したがって、識別カ
ード31の利用度を高め得る効果に加え、性能品質の安
定した識別カード31を供給し得る効果がある。
によると、スペクトル拡散された上りの拡散信号を送信
するとともに、この上りの拡散信号と受信した下りの拡
散信号との相関をとり、この相関に基づいて相関ピーク
点の数と相関ピーク点の値とを測定し得る基地局21
と、上りの拡散信号を受信し、これに所定の加工を施し
て、下りの拡散信号として基地局21に送り返す識別カ
ード31と、備える。即ち、基地局21から送信された
上りの拡散信号は、識別カード31により受信され、こ
れを受信した識別カード31では、受信した上りの拡散
信号に所定の加工を施して、下りの拡散信号として基地
局21に送り返す。そして、この下りの拡散信号を受信
した基地局21は、送信した上りの拡散信号と受信した
下りの拡散信号との相関をとり、この相関に基づいて相
関ピーク点の数と相関ピーク点の値とを測定する。これ
により、基地局21では、上りの拡散信号を受信して、
下りの拡散信号として送り返してきた識別カード31の
存在およびその数を相関ピーク点の数から知ることがで
き、また相関ピーク点の値から識別カード31までの距
離を測定することができる。したがって、特定の移動体
の数、特定の移動体までの距離を測定し得る効果があ
る。また特定の移動体を識別し得る効果がある。
ム20では、上りの拡散信号は、Aチャネル、Bチャネ
ルで送信され、下りの拡散信号は、Aチャネル、Bチャ
ネルの差(A−BまたはB−A)または和(A+B)を
とる回線周波数(Xチャネル)により送り返される。こ
れにより、Aチャネル、Bチャネルの差または和により
周波数分割をXチャネルの下りの拡散信号に行うことが
できる。したがって、下りの拡散信号をXチャネルで受
信した基地局では、当該識別カード31の存在を測定す
ることができ、また上りの拡散信号と下りの拡散信号と
の相関により当該識別カード31までの距離を測定する
ことができる。よって、特定の識別カード31の数、特
定の識別カード31までの距離を測定し得る効果、特定
の識別カード31を識別し得る効果がある。
ム20では、基地局21による相関は、SAW素子によ
るマッチドフィルタにより行われることから、複数の上
りの拡散信号と複数の下りの拡散信号との相関をとるた
めの構成を簡素にし、しかもこのような相関を瞬時にと
ることができる。これにより、このような相関をSAW
素子によるマッチドフィルタにより行わない場合に比
べ、識別カード31の数が多くても、短時間にそれらを
識別することができる。したがって、識別対象となる識
別カード31の数を多く設定した場合であっても、移動
体識別システム20の設計を容易にし得る効果がある。
ム20では、基地局21による相関は、スライディング
相関器により行われることから、上りの拡散信号と下り
の拡散信号との相関をとるうえで耐ノイズ性に優れてい
る。これにより、上りの拡散信号または下りの拡散信号
にノイズが多くても、両者の相関を比較的容易にとるこ
とができる。したがって、このような相関をスライディ
ング相関器により行わない場合に比べ、回線品質の劣悪
環境下であっても、両者の相関を良好にとることができ
るため、当該環境下における移動体識別システム20の
設計を容易にし得る効果がある。
つバスの利用者の数および運行中のバスからバスを待つ
利用者までの距離をリアルタイムに把握できるシステム
に移動体識別システム20を適用した例を挙げたが、本
発明ではこれに限られることはなく、例えば、劇場の入
場者数を計測したり空席状況を調べるシステム、映画館
の客席にいる客数が一定以上になった場合に自動的に上
映を開始するシステムや駐車場の駐車車両数を計測した
り空車位置あるいは停車位置を調べるシステム等にも、
移動体識別システム20を適用することができる。
拡散信号あるいはその回線周波数を基地局21ごとに異
なるものに設定すれば、それぞれの基地局21に対応し
た識別カード31を選択することができる。即ち、受信
した下りの拡散信号の中から、拡散符号の違いによって
識別対象となる識別カード31を基地局21ごとに区別
することができる。これにより、基地局21では、上り
の拡散信号の拡散符号を任意に設定することにより、識
別し得る識別カード31を適宜選択することができるの
で、不要な識別カード31の数や距離を測定することを
防止できる。したがって、例えばバス利用者用、タクシ
ー利用者用といった用途別に基地局21を設定した移動
体識別システム20の設計を容易にし得る効果がある。
回線周波数の違いによって識別対象となる識別カード3
1を区別することができる。これにより、基地局21で
は、回線周波数を任意に設定することにより、識別し得
る識別カード31を適宜選択することができる。したが
って、拡散符号の違いによる場合に加えて、不要な移動
体の数や距離を測定することを防止できるため、より複
雑に用途別の基地局21を設定しても、移動体識別シス
テム20の設計を容易にし得る効果がある。
の拡散信号の数、つまり回線周波数(チャネル)を3以
上に設定することにより、識別カード31のDBM36
により乗算される符号積の結果が複雑になるため、より
複雑なID情報、つまり「固有のID情報」を生成する
ことができる。これにより、基地局21側で符号の暗号
化を設定することができるので、識別カード31をクレ
ジットカード等の利用形態に適用することができる。ま
たITSの「自動料金収受システム」の開発分野に関連
した高速道路等における一旦停止のない自動的な料金の
やり取りというニーズにも対応できる。
ド31の「信号加工手段」として個々の識別カード31
ごとに、固定された「所定の個別加工」をし得るように
識別カード31の構成例を挙げたが、本発明ではこれに
限られることはなく、拡散信号、拡散符号、回線周波数
等を任意に変更可能な「所定の個別加工」をし得るよう
に「信号加工手段」を構成しても良い。即ち、図2に示
す識別カード31を例にとると、例えば遅延素子37を
遅延時間の異なる複数種類のディレイラインにより構成
しそれを選択し得る切り換えスイッチにより遅延時間を
任意に切り換え得る構成を採っても良い。これにより、
基地局21から送信された上りの拡散信号を受信した識
別カード31は、任意に切り換えられたディレイライン
による「所定の個別加工」を施して下りの拡散信号を送
り返すので、そのように切り換えられたディレイライン
による「所定の個別加工」に対応し得る基地局21しか
下りの拡散信号を識別することができない。つまり、識
別カード31側で、送り返す下りの拡散信号を任意に変
更できるため、それを識別し得る基地局21を選択ある
いは限定できる。したがって、例えば、識別カード31
の所持者が、甲会社のタクシーチケットしか持っておら
ず乙会社のタクシーではそのタクシーチケットを使用で
きないというような個別の事情がある場合にも、識別カ
ード31によるディレイライン等の切り換えによって、
甲会社以外のタクシーには識別できない下りの拡散信号
を送り返すことができるため、甲会社のタクシーを限定
して呼ぶことができる。つまり、乙会社のタクシーを誤
って呼んでしまうという事態を防止できる。
から送信する上りの拡散信号をいわゆる微弱電波により
行う場合のシステム例について説明したが、本発明では
これに限られることはなく、郵政省令等に定められる特
定小電力無線局、構内無線局等に適用しても良い。これ
により、基地局の送信電力を例えば10mWに増大させ
ることができるため、上述した計数測定および距離測定
の可能範囲を拡大することができる。
は、スペクトル拡散された上りの拡散信号を受信アンテ
ナにより受信し、この上りの拡散信号に信号加工手段に
より所定の個別加工を施して下りの拡散信号にし、この
下りの拡散信号を送信アンテナにより外部空間に放出す
る。これにより、受信波送信装置からは、上りの拡散信
号に所定の個別加工を施した下りの拡散信号が外部空間
に放出されるので、この下りの拡散信号を受信した側で
は、上りの拡散信号と下りの拡散信号との相関により、
当該受信波送信装置の存在と当該受信波送信装置までの
距離を知ることができる。したがって、当該受信波送信
装置を備えた特定の移動体の数、当該受信波送信装置を
備えた特定の移動体までの距離を測定し得る効果があ
る。また当該受信波送信装置を備えた特定の移動体を識
別し得る効果がある。
は、信号加工手段は周波数混合手段を備え、この周波数
混合手段により、2以上の回線周波数で受信される上り
の拡散信号の回線周波数の差または和をとる。これによ
り、下りの拡散信号の回線周波数を上りの拡散信号の回
線周波数の差または和にするという個別の加工を施すこ
とができるので、受信波送信装置からは、上りの拡散信
号の回線周波数の差または和をとった回線周波数に下り
の拡散信号をのせて外部空間に放出することができる。
つまり、上りの拡散信号の回線周波数の差または和によ
り周波数分割を行うことができる。したがって、下りの
拡散信号を受信した側では、この回線周波数により当該
受信波送信装置の存在を知ることができ、また上りの拡
散信号と下りの拡散信号と相関により当該受信波送信装
置までの距離を知ることができる。よって、当該受信波
送信装置を備えた特定の移動体の数、当該受信波送信装
置を備えた特定の移動体までの距離を測定し得る効果が
ある。また当該受信波送信装置を備えた特定の移動体を
識別し得る効果がある。
は、信号加工手段は位相遅延手段を備え、この位相遅延
手段により、上りの拡散信号の位相を所定量遅延させ
る。これにより、上りの拡散信号の位相を所定量遅延さ
せるという個別の加工を施すことができるので、受信波
送信装置からは、上りの拡散信号の位相を所定量遅延さ
せた下りの拡散信号を外部空間に放出することができ
る。つまり、上りの拡散信号の位相を所定量遅延させた
ことにより符号分割を行うことができる。したがって、
下りの拡散信号を受信した側では、上りの拡散信号と下
りの拡散信号との相関により当該受信波送信装置の存在
と当該受信波送信装置までの距離とを知ることができ
る。よって、当該受信波送信装置を備えた特定の移動体
の数、当該受信波送信装置を備えた特定の移動体までの
距離を測定し得る効果がある。また当該受信波送信装置
を備えた特定の移動体を識別し得る効果がある。
は、周波数混合手段と位相遅延手段とを備え、周波数混
合手段により、2以上の回線周波数で受信される上りの
拡散信号の回線周波数の差または和をとり、位相遅延手
段により上りの拡散信号の位相を所定量遅延させる。こ
れにより、下りの拡散信号の回線周波数を上りの拡散信
号の回線周波数の差または和にするという個別の加工を
施すことができ、また上りの拡散信号の位相を所定量遅
延させるという個別の加工を施すことができるので、受
信波送信装置からは、上りの拡散信号の位相を所定量遅
延させた下りの拡散信号を、上りの拡散信号の回線周波
数の差または和をとった回線周波数にのせて外部空間に
放出することができる。つまり、上りの拡散信号の位相
を所定量遅延させたことにより符号分割と、上りの拡散
信号の回線周波数の差または和により周波数分割とを共
に行うことができる。したがって、下りの拡散信号を受
信した側では、この回線周波数と下りの拡散信号の位相
遅延量との組み合わせにより当該受信波送信装置の存在
を知ることができるため、識別可能な当該受信波送信装
置の数を増大させることができる。つまり、当該受信波
送信装置を備えた特定の移動体の識別可能な数量を増大
し得る効果がある。
は、位相遅延手段は、周波数混合手段の前段または周波
数混合手段の後段の少なくとも一方に介在する。これに
より、上りの拡散信号の位相を所定量遅延させるという
個別の加工を、周波数混合手段の前段または後段におい
て、あるいは周波数混合手段の前段および後段におい
て、施すことができるので、当該位相遅延手段による上
りの拡散信号の位相遅延を、周波数混合手段による回線
周波数の差または和をとる前後、あるいは双方で行うこ
とができる。したがって、上りの拡散信号の位相遅延に
よる下りの拡散信号の符号分割のバリエーションを増大
させることができる。よって、当該受信波送信装置を備
えた特定の移動体の識別可能な数量を増大し得る効果が
ある。
は、受信アンテナと信号加工手段との間には、所定の周
波数帯域を有する第1のバンドパスフィルタが介在す
る。これにより、受信アンテナにより受信した上りの拡
散信号のうち、所定の周波数帯域よりも上側または下側
の回線周波数によるものは、この第1のバンドパスフィ
ルタを通過することができない。つまり、信号加工手段
に到達することができるのは、所定の周波数帯域を通過
するものに限られる。したがって、この第1のバンドパ
スフィルタによって、上りの拡散信号を取捨選択するこ
とができるので、特定の回線周波数による上りの拡散信
号に対してのみ下りの拡散信号を返すことができる。よ
って、当該受信波送信装置を備えた特定の移動体を選択
的に識別し得る効果がある。
は、第1のバンドパスフィルタは、受信アンテナに含ま
れる。例えば当該受信アンテナを印刷配線板上の導体パ
ターンにより構成することで、第1のバンドパスフィル
タの特性をもたせつつ、アンテナの働きをも有する受信
アンテナを構成する。これにより、受信アンテナと第1
のバンドパスフィルタとを別個に構成する必要がないの
で、省スペースに寄与することができる。したがって、
軽薄短小化を容易に実現し得る効果がある。
は、信号加工手段と送信アンテナとの間には、所定の周
波数帯域を有する第2のバンドパスフィルタが介在す
る。これにより、信号加工手段により所定の加工を施し
た下りの拡散信号のうち、所定の周波数帯域よりも上側
または下側の周波数による不要な輻射は、この第2のバ
ンドパスフィルタを通過することができない。つまり、
送信アンテナに到達することができるのは、所定の周波
数帯域を通過するものに限られる。したがって、この第
2のバンドパスフィルタによって、下りの拡散信号に含
まれる不要な周波数成分を除去することができるので、
下りの拡散信号の信号品質を向上することができる。よ
って、当該受信波送信装置を備えた特定の移動体の識別
を確実にし得る効果がある。
は、第2のバンドパスフィルタは、送信アンテナに含ま
れる。例えば当該送信アンテナを印刷配線板上の導体パ
ターンにより構成することで、第2のバンドパスフィル
タの特性をもたせつつ、アンテナの働きをも有する送信
アンテナを構成する。これにより、送信アンテナと第2
のバンドパスフィルタとを別個に構成する必要がないの
で、省スペースに寄与することができる。したがって、
軽薄短小化を容易に実現し得る効果がある。
は、信号加工手段は、受動素子で構成されることから、
当該受信波送信装置は電源を必要としない。これによ
り、無電源装置を実現することができる。したがって、
電池を必要としない分、軽薄短小化を容易に実現し得る
効果があり、またメンテナンスフリーを容易に実現し得
る効果もある。
は、信号加工手段は、印刷配線板に内装されることか
ら、印刷配線板の積層技術等により、当該受信波送信装
置を薄型に構成することができる。これにより、衣服の
ポケット等に収容しても当該受信波送信装置の使用者に
与える違和感を抑制することができる。また車両等の移
動体に貼り付けて使用することもできる。したがって、
当該受信波送信装置の利用度を高め得る効果がある。
は、受信アンテナまたは送信アンテナの少なくとも一方
は、印刷配線板に印刷されることから、受信アンテナま
たは送信アンテナを別部品にして構成した場合に比べ、
当該受信波送信装置を薄型に構成することができ、また
アンテナとしての性能品質の安定させることができる。
これにより、衣服のポケット等に収容しても当該受信波
送信装置の使用者に与える違和感を抑制できることに加
え、当該受信波送信装置の歩留まりを向上できる。した
がって、当該受信波送信装置の利用度を高め得る効果に
加え、性能品質の安定した当該受信波送信装置を供給し
得る効果がある。
明では、スペクトル拡散された上りの拡散信号を送信す
るとともに、この上りの拡散信号と受信した下りの拡散
信号との相関をとり、この相関に基づいて相関ピーク点
の数と相関ピーク点の値とを測定し得る基地局と、上り
の拡散信号を受信し、これに所定の加工を施して、下り
の拡散信号として前記基地局に送り返す移動体と、備え
る。即ち、基地局から送信された上りの拡散信号は、移
動体により受信され、これを受信した移動体では、受信
した上りの拡散信号に所定の加工を施して、下りの拡散
信号として基地局に送り返す。そして、この下りの拡散
信号を受信した基地局は、送信した上りの拡散信号と受
信した下りの拡散信号との相関をとり、この相関に基づ
いて相関ピーク点の数と相関ピーク点の値とを測定す
る。これにより、基地局では、上りの拡散信号を受信し
て、下りの拡散信号として送り返してきた移動体の存在
およびその数を相関ピーク点の数から知ることができ、
また相関ピーク点の値から当該移動体までの距離を測定
することができる。したがって、特定の移動体の数、特
定の移動体までの距離を測定し得る効果がある。また特
定の移動体を識別し得る効果がある。
明では、上りの拡散信号は、2以上の回線周波数で送信
され、下りの拡散信号は、2以上の回線周波数の差また
は和をとる回線周波数により送り返される。これによ
り、上りの拡散信号の回線周波数の差または和により周
波数分割を下りの拡散信号に行うことができる。したが
って、下りの拡散信号を受信した基地局では、この回線
周波数により当該移動体の存在を測定することができ、
また上りの拡散信号と下りの拡散信号との相関により当
該移動体までの距離を測定することができる。よって、
特定の移動体の数、特定の移動体までの距離を測定し得
る効果、特定の移動体を識別し得る効果がある。
明では、基地局による相関は、SAW素子によるマッチ
ドフィルタにより行われることから、複数の上りの拡散
信号と複数の下りの拡散信号との相関をとるための構成
を簡素にし、しかもこのような相関を瞬時にとることが
できる。これにより、このような相関をSAW素子によ
るマッチドフィルタにより行わない場合に比べ、移動体
の数が多くても、短時間にそれらを識別することができ
る。したがって、識別対象となる移動体の数を多く設定
した場合であっても、当該移動体識別システムの設計を
容易にし得る効果がある。
明では、基地局による相関は、スライディング相関器に
より行われることから、上りの拡散信号と下りの拡散信
号との相関をとるうえで耐ノイズ性に優れている。これ
により、上りの拡散信号または下りの拡散信号にノイズ
が多くても、両者の相関を比較的容易にとることができ
る。したがって、このような相関をスライディング相関
器により行わない場合に比べ、回線品質の劣悪環境下で
あっても、両者の相関を良好にとることができるため、
当該環境下における当該移動体識別システムの設計を容
易にし得る効果がある。
明では、上りの拡散信号は、拡散符号の異なる2以上の
基地局により送信されることから、基地局では、受信し
た下りの拡散信号の中から、拡散符号の違いによって識
別対象となる移動体を区別することができる。これによ
り、基地局では、上りの拡散信号の拡散符号を任意に設
定することにより、識別し得る移動体を適宜選択するこ
とができる。したがって、不要な移動体の数や距離を測
定することを防止できるため、用途別に基地局を設定し
た当該移動体識別システムの設計を容易にし得る効果が
ある。
明では、上りの拡散信号は、回線周波数の異なる2以上
の基地局により送信されることから、基地局では、受信
した下りの拡散信号の中から、回線周波数の違いによっ
て識別対象となる移動体を区別することができる。これ
により、基地局では、回線周波数を任意に設定すること
により、識別し得る移動体を適宜選択することができ
る。したがって、拡散符号の違いによる場合に加えて、
不要な移動体の数や距離を測定することを防止できるた
め、より複雑に用途別の基地局を設定しても、当該移動
体識別システムの設計を容易にし得る効果がある。
概要を示すブロック図である。
成を示すブロック図である。
ック図である。
ト基板の構成図で、図4(A) は、平面図、図4(B) は、
図4(A) に示す4B−4B線による断面図である。
号波形の一例を示す波形図である。
合におけるSN比に対する計数誤差を計算機シュミレー
ションした結果を示す特性図である。
ころに存在している場合におけるSN比に対する計測距
離の誤差を計算機シュミレーションした結果を示す特性
図である。
ィルタ) 36 DBM (周波数混合手段) 37 遅延素子 (信号加工手段、位相
遅延手段) 38 BPF (第2のバンドパスフ
ィルタ) 39 送信アンテナ 50 プリント基板(印刷配線板)
Claims (18)
- 【請求項1】 スペクトル拡散された上りの拡散信号を
受信する受信アンテナと、 前記受信アンテナにより受信した前記上りの拡散信号に
所定の個別加工を施して、下りの拡散信号にする信号加
工手段と、 前記下りの拡散信号を外部空間に放出する送信アンテナ
と、 を備えることを特徴とする受信波送信装置。 - 【請求項2】 前記上りの拡散信号は、2以上の回線周
波数で受信され、 前記信号加工手段は、前記2以上の回線周波数の差また
は和をとる周波数混合手段を備えることを特徴とする請
求項1記載の受信波送信装置。 - 【請求項3】 前記信号加工手段は、前記上りの拡散信
号の位相を所定量遅延させる位相遅延手段を備えること
を特徴とする請求項1記載の受信波送信装置。 - 【請求項4】 前記上りの拡散信号は、2以上の回線周
波数で受信され、 前記信号加工手段は、前記2以上の回線周波数の差また
は和をとる周波数混合手段と、前記上りの拡散信号の位
相を所定量遅延させる位相遅延手段と、 を備えることを特徴とする請求項1記載の受信波送信装
置。 - 【請求項5】 前記位相遅延手段は、前記周波数混合手
段の前段または前記周波数混合手段の後段の少なくとも
一方に介在することを特徴とする請求項4記載の受信波
送信装置。 - 【請求項6】 前記受信アンテナと前記信号加工手段と
の間には、所定の周波数帯域を有する第1のバンドパス
フィルタが介在することを特徴とする請求項1〜5のい
ずれか一項に記載の受信波送信装置。 - 【請求項7】 前記第1のバンドパスフィルタは、前記
受信アンテナに含まれることを特徴とする請求項6記載
の受信波送信装置。 - 【請求項8】 前記信号加工手段と前記送信アンテナと
の間には、所定の周波数帯域を有する第2のバンドパス
フィルタが介在することを特徴とする請求項2または4
に記載の受信波送信装置。 - 【請求項9】 前記第2のバンドパスフィルタは、前記
送信アンテナに含まれることを特徴とする請求項8記載
の受信波送信装置。 - 【請求項10】 前記信号加工手段は、受動素子で構成
されることを特徴とする請求項1記載の受信波送信装
置。 - 【請求項11】 前記信号加工手段は、印刷配線板に内
装されることを特徴とする請求項1または10記載の受
信波送信装置。 - 【請求項12】 前記受信アンテナまたは前記送信アン
テナの少なくとも一方は、印刷配線板に印刷されること
を特徴とする請求項1、10または11記載の受信波送
信装置。 - 【請求項13】 スペクトル拡散された上りの拡散信号
を送信するとともに、この上りの拡散信号と受信した下
りの拡散信号との相関をとり、この相関に基づいて相関
ピーク点の数と相関ピーク点の値とを測定し得る基地局
と、 前記上りの拡散信号を受信し、これに所定の個別加工を
施して、前記下りの拡散信号として前記基地局に送り返
す移動体と、 を備えることを特徴とする移動体識別システム。 - 【請求項14】 前記上りの拡散信号は、2以上の回線
周波数で送信され、 前記下りの拡散信号は、前記2以上の回線周波数の差ま
たは和をとる回線周波数により送り返されることを特徴
とする請求項13記載の移動体識別システム。 - 【請求項15】 前記基地局による相関は、SAW素子
によるマッチドフィルタにより行われることを特徴とす
る請求項13または14記載の移動体識別システム。 - 【請求項16】 前記基地局による相関は、スライディ
ング相関器により行われることを特徴とする請求項13
または14載の移動体識別システム。 - 【請求項17】 前記上りの拡散信号は、拡散符号の異
なる2以上の前記基地局により送信されることを特徴と
する請求項13〜16のいずれか一項に記載の移動体識
別システム。 - 【請求項18】 前記上りの拡散信号は、回線周波数の
異なる2以上の前記基地局により送信されることを特徴
とする請求項13〜17のいずれか一項に記載の移動体
識別システム。
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