JP4333423B2 - 応答器、質問器、及び姿勢判別システム - Google Patents

応答器、質問器、及び姿勢判別システム Download PDF

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Description

本発明は、応答器と質問器とを備えた無線通信システムに関し、特に、質問器からの質問信号に応じて応答器から返信された応答信号に基づき、質問器が応答器の存在を検知する無線通信システム等の技術分野に関する。
この種の無線通信システムでは、質問器が応答器との信号のやりとりによって当該応答器の存在の検知が可能になっており、更に、例えば、特許文献1に開示されているシステムにおいては、移動体識別装置が、移動体に付属の応答器からの応答信号から検波信号を抽出し、その検波信号の受信レベルをもとに、上記移動体までの距離を推定することが可能になっている。
また、従来から、UWB(Ultra Wideband)の無線通信システムが知られており、かかるシステムにおいては、例えば1ns(ナノ秒)以下のインパルス状のパルス信号を用いて、数GHzにわたる超広帯域幅でUWB無線通信を行うことが可能になっている。このようなUWB無線通信では、公知のパルス位置変調(PPM)によって搬送すべき情報を符号化して無線通信を行って応答器までの測距も可能である。
特許第3395403号公報
しかしながら、従来の無線通信システムにおいては、質問器から応答器の存在や、当該応答器まで距離を検知することは可能であったが、質問器から見た当該応答器の向き等の応答器の姿勢を検知できるものは存在しなかった。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、質問器に対する応答器の姿勢を判別することが可能な応答器、質問器、及び姿勢判別システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、応答器と質問器を備える姿勢判別システムであって、前記応答器は、広帯域アンテナにより受信されたパルス信号を用いて応答信号を生成する応答信号生成手段と、前記広帯域アンテナにより受信されたパルス信号を前記広帯域アンテナから前記応答信号生成手段に伝送し且つ前記生成された応答信号を前記生成手段から前記広帯域アンテナに伝送する伝送手段、前記パルス信号を受信し且つ前記生成された応答信号を返信する前記広帯域アンテナと、を有する要素応答器を複数備え、少なくとも何れか2つの前記要素応答器における伝送手段の長さを自由空間に対応する値に換算した換算長さは、互いに異なるものであって、当該2つの前記要素応答器における伝送手段の前記換算長さの差は、当該2つの要素応答器のアンテナ間隔より大きくなっており、前記質問器は、前記パルス信号を生成するパルス信号生成手段と、前記生成されたパルス信号を前記応答器に対して送信し且つ当該応答器からの前記パルス信号に対応する前記応答信号を受信する広帯域アンテナと、前記受信された応答信号を検出する応答信号検出手段と、前記検出された少なくとも2つの前記応答信号の検出タイミングの時間差を検出する検出タイミング差検出手段と、複数段階に設定された各基準量と、前記応答器の複数の姿勢のうちの各姿勢との対応関係を示す対応付けテーブルを記憶する記憶手段と、前記質問器に対する、前記応答器の基準線の傾き状態及びその基準線上における端点によって指し示される方向を、前記応答器の姿勢として判別する姿勢判別手段と、を備え、前記姿勢判別手段は、前記対応付けテーブルに基づいて、前記複数段階に設定された各基準量のうち、前記検出された検出タイミングの時間差に該当する基準量を判別し、当該判別した基準量に対応する前記応答器の姿勢を判別することを特徴とする
請求項1に記載の発明によれば、質問器に対する各要素応答器までの距離が互いに異なれば、各要素応答器からの応答信号の返信タイミングに時間差が生じるので、質問器は、当該時間差に基づいて、応答器の姿勢を簡単に判別でき、例えば応答器が取り付けられた対象物の状態を検知することができる。さらに、上記伝送手段の長さを自由空間に対応する値に換算した換算長さに基づく上記差が、上記アンテナ間隔より大きいように構成したので、より正確に各応答信号の重なりを防止することができ、伝送手段の長さを短くでき、小型化することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の姿勢判別システムにおいて、複数の前記要素応答器のうち伝送手段の長さが最小となる要素応答器の当該伝送手段の長さは、当該最小となる要素応答器を含む何れか2つの前記要素応答器のアンテナ間隔より大きいことを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、伝送手段の長さが最小となる要素応答器の当該伝送手段の長さは、上記アンテナ間隔より大きいように構成したので、応答器から反射される反射信号と、上記応答信号との重なりを防止することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の姿勢判別システムにおいて、複数の前記要素応答器のうち伝送手段の長さを自由空間に対応する値に換算した換算長さが最小となる要素応答器の当該伝送手段の換算長さは、当該最小となる要素応答器を含む何れか2つの前記要素応答器のアンテナ間隔より大きいことを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、上記伝送手段の長さを自由空間に対応する値に換算した換算長さが、上記アンテナ間隔より大きいように構成したので、より正確に反射信号と応答信号の重なりを防止することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて、前記応答信号生成手段は、前記伝送手段の特性インピーダンスとは異なったインピーダンスを有し、前記パルス信号を反射することを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、パルス信号を反射させるための簡単な構成にすることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて、前記応答信号生成手段は、前記伝送手段を短絡あるいは開放する手段であることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、短絡、開放すれば良いので、伝送手段の長さを短くでき、構成が簡単かつ小型化することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の姿勢判別システムにおいて、少なくとも何れか1つの前記要素応答器の応答信号生成手段におけるパルス反射係数は、可変であることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、質問器の検出範囲内に複数の応答器が存在した場合であっても、各応答器のパルス反射係数を互いに異ならせることができ、これにより、各応答器を区別することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて、少なくとも何れか1つの前記要素応答器の伝送手段は、屈曲部を有することを特徴とする。従って、応答器の小型化を図ることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて、少なくとも何れか2つの前記要素応答器の伝送手段は、当該2つの要素応答器が対向する側に設けられていることを特徴とする。従って、応答器の小型化を図ることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて、少なくとも何れか2つの前記要素応答器の広帯域アンテナにおける給電点は、夫々、アンテナエレメント中心軸に垂直な軸線上に位置していることを特徴とする。従って、応答器の小型化を図ることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて、少なくとも何れか2つの前記要素応答器の広帯域アンテナにおける給電点は、夫々、アンテナエレメント中心軸の軸線上に位置していることを特徴とする。従って、応答器の小型化を図ることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて前記質問器は、クロック信号を生成するクロック信号生成手段と、前記生成されたクロック信号に対して第1変調処理を施す第1変調手段と、前記生成されたクロック信号に対して第2変調処理を施す第2変調手段と、前記第2変調処理が施されたクロック信号に基づいて参照信号を生成する参照信号生成手段と、を更に備え、前記パルス信号生成手段は、前記第1変調処理が施されたクロック信号に基づいて前記パルス信号を生成し、前記応答信号検出手段は、前記受信された応答信号と前記生成された参照信号との相関を求めることにより前記応答信号を検出することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の姿勢判別システムにおいて、前記第1及び第2変調手段は、連続する前記クロック信号の間隔を変化させることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の姿勢判別システムにおいて、擬似ランダム符号を生成する擬似ランダム符号生成手段を更に備え、前記第1及び第2変調手段は、前記生成された擬似ランダム符号に基づいて前記クロック信号に対して変調処理を施すことを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13の何れか一項に記載の姿勢判別システムに用いられる応答器である。また、請求項15に記載の発明は、請求項1乃至13の何れか一項に記載の姿勢判別システムに用いられる質問器である。
本発明によれば、質問器により応答器の姿勢、例えば当該応答器の傾き状態を簡単に判別することができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、無線通信システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
始めに、図1を参照して、本発明の姿勢判別システムの一実施形態である無線通信システムの構成及び機能について説明する。なお、図1は、本実施形態に係る無線通信システムの概要構成例を示す図である。
図1に示すように、無線通信システムSは、質問器1と、応答器2とを備えて構成されており、上述したUWB無線通信にて用いられるようなパルス信号(パルス波)を用いて質問器1と応答器2との間で無線通信を行うようになっている。
より具体的には、質問器1は、パルス幅が例えば1ns(ナノ秒)以下のパルス信号を生成し、これを質問信号SQとして、検出範囲内に存在する応答器2に対して送信(送出)する。これに対し、応答器2は、質問器1から送り出され、空間(例えば、空気中)又はパルス波を伝搬可能な媒体等の伝搬媒体を伝搬してきた質問信号SQを受信して、当該質問信号SQに対応する応答信号SRを生成し、これを質問器1に対して返信する。そして、質問器1は、応答器2から返信され、上記伝搬媒体を伝搬してきた応答信号SRを受信し、これを検出する。
このような無線通信システムSにおいて、応答信号SRに基づき、質問器1に対する(質問器1から見た)応答器2の姿勢が判別されるようになっている。
ここで、図2を参照して、質問器1に対する応答器2の姿勢について説明する。なお、図2は、質問器1に対する応答器2の姿勢の態様例を示す図である。
質問器1に対する応答器2の姿勢とは、例えば、図2(A)〜(E)に示すような、質問器1の基準点Pに対する(基準点Pから見た)応答器2の基準線K1の傾き状態を意味するものである。なお、基準点P及び基準線K1は、任意であるものとし、どの部分に設定してもよい。
更に、この応答器2の基準線K1の傾き状態には、応答器2の向き、言い換えれば、当該応答器2の基準線K1及びその基準線K1上における端点X(他方の端点Yでもよい)によって指し示される方向(以下、「X矢印方向」という)も含まれる。例えば、図2(B)の態様例では、X矢印方向は紙面の右斜下方向であるのに対し、図2(C)の態様例ではX矢印方向は紙面の右斜上方向である点で異なっている。
質問器1は、応答信号SRに基づき、このような応答器2の姿勢の判別が可能となっている。そして、応答器2は、例えば、所定の対象物に取り付けられる(例えば、応答器2が対象物に接着されたり、応答器2が対象物上に形成(印刷も含む)される)ことになり、これにより、当該対象物の状態の判別が可能となる。かかる対象物として、例えば、ケーブル、配管、取っ手、レバー、バルブ、ロボットのアームなど、姿勢(状態)判別の対象となる様々な物体が挙げられる。
図3は、対象物としての配管に取り付けられた応答器2の一例を示す図であり、図4は、対象物としてのレバーに取り付けられた応答器2の一例を示す図である。また、図3(A)は、配管51が正常状態を示し、図3(B)は、配管51が異常(変形等)状態を示している。また、図4(A)は、レバー52の閉状態を示し、図4(B)は、レバー52の開状態を示している。質問器1が応答器2の姿勢を判別することにより、このような対象物の状態判別(配管51が正常又は異常であるか、レバー52が閉又は開であるか)が可能になる。
(第1の実施形態)
次に、第1の実施形態に係る応答器2の構成及び機能について図5を参照して説明する。なお、図5は、第1の実施形態に係る応答器2の概要構成例を示す図である。
図5に示すように、応答器2は、要素応答器としての反射器を複数(ここでは、一例として2つの反射器21及び22)備えて構成されており、反射器21は、夫々、広帯域(例えば、占有周波数帯幅が6GHzを超える帯域幅)アンテナ21aと、応答信号生成手段としての負荷21bと、伝送手段としての伝送路21cと、を備えている。同様に、反射器22は、夫々、広帯域アンテナ22aと、負荷22bと、伝送路22cと、を備えている。
また、図5の例では、広帯域アンテナ21a及び22a、負荷21b及び22b、伝送路21c及び22cは、夫々、基材23の表面上に形成されており、更に、これらの構成要素は、例えば透明カバー(図示せず)により覆われている。
広帯域アンテナ21a及び22aは、対称をなす2つのアンテナエレメント(広帯域アンテナ21aでは、アンテナエレメント211及び212)から構成されており、質問器1からのパルス信号である質問信号SQを受信し且つ当該質問信号SQに対応する応答信号SRを質問器1に対して返信するようになっている。
また、広帯域アンテナ21a及び22aにおける給電点213a(又は213bでもよい)及び223a(又は223bでもよい)は、夫々、アンテナエレメント中心軸Vに垂直な軸線H上に位置しており、これによって、応答器2の小型化が図られている。
なお、本実施形態においては、広帯域アンテナ21aにおける給電点213a(又は213bでもよい)と、広帯域アンテナ22aにおける給電点223a(又は223bでもよい)を結ぶ線を基準線K1とし、給電点223a(又は223bでもよい)を端点Xとして定義する。
また、本実施形態においては、広帯域アンテナ21a及び22aは、夫々、微分特性を有している。
また、広帯域アンテナ21a及び22aにより質問信号SQが受信されると、当該広帯域アンテナ21a及び22aに電流が誘導され、当該電流の一部で質問信号SQが反射信号SFとして反射されることになる。
負荷21b,22bは、広帯域アンテナ21a,22aにより受信され、伝送路21c,22cを伝送(伝搬)してきた質問信号SQを用いて応答信号SRを生成し当該応答信号SRを伝送路21c,22cに送り出す、例えば、質問信号SQを所定のパルス反射係数で反射することにより応答信号SRを生成して伝送路21c,22cに送り出すようになっている。
この負荷21b及び22bのパルス反射係数は、開放負荷、短絡負荷、及び整合負荷等の負荷の種類によって異なる。例えば、開放負荷のパルス反射係数と短絡負荷のパルス反射係数は、互いに極性が逆であり、開放負荷の場合は、質問信号SQがそのまま応答信号SRとして生成される(つまり、質問信号SQと応答信号SRとは同極性)ことになり、短絡負荷の場合は、質問信号SQが反転して応答信号SRとして生成される(つまり、質問信号SQと応答信号SRとは逆極性)ことになる。また、整合負荷の場合、インピーダンスの整合によりパルス反射係数は「0」となるので、質問信号SQは反射されず、振幅がない応答信号SRとして生成されることになる。このように、負荷21b及び22bの種類に応じてパルス反射係数は変化する(可変)が、第1の実施形態においては、開放負荷固定として説明する。
また、図5の例では、反射器21の負荷21b、及び反射器22の負荷22bの双方共、開放負荷になっているが、負荷21bと負荷22bの一方が開放負荷で他方が短絡負荷であってもよいし、また、一方が整合負荷で他方が開放負荷(又は短絡負荷)であってもよい。
伝送路21c及び22cは、予め設定された長さを有し、例えば金属等の導体で構成された平行2線のコブレーナストリップラインや、一方をストリップライン、他方を地板とし、間に誘電体を挟んでマイクロストリップラインとして基材23上に形成されている。また、高誘電率の基板に作成されたマイクロストリップラインとすると、伝送路を短くすることができる。また、伝送路21c及び22cは、夫々、上記設定された長さにおいて特性インピーダンスが一定となっている。
なお、伝送路の長さという場合、各アンテナにおける給電点から各負荷までの間隔をいう。
そして、伝送路21c,22cは、広帯域アンテナ21a,22aにより受信された質問信号SQを広帯域アンテナ21a,22aから負荷21b,22bに伝送し且つ生成された上記応答信号SRを負荷21b,22bから広帯域アンテナ21a,22aに伝送するようになっている。
また、伝送路21cと伝送路22cは、反射器21と反射器22が対向する側に設けられており、これによって、応答器2の小型化が図られている。
また、図5に示すように、伝送路21cと伝送路22cの長さは、互いに異なっており、このように伝送路の長さを異ならしめることによって、広帯域アンテナ21aからの応答信号SRの返信タイミングと、広帯域アンテナ22aからの応答信号SRの返信タイミングに時間差が与えられている。つまり、かかる返信タイミングの時間差は、伝送路21cと伝送路22cの長さの差による(起因する)ものであるということができる。
また、長い方の伝送路22cは、屈曲部224を有している。この屈曲部224を設けることによって、屈曲部224がない場合に比べて応答器2の小型化を図ることができる。
また、上記応答信号SRの返信タイミングの時間差は、広帯域アンテナ21aによる質問信号SQの受信タイミングと、広帯域アンテナ22aによる質問信号SQの受信タイミングの時間差にも影響される。例えば、仮に、伝送路21cと伝送路22cが同一の長さであった場合、かかる受信タイミングの時間差は、上記返信タイミングの時間差と等しくなる。
また、上記受信タイミングの時間差(又は、上記返信タイミングの時間差)は、反射器21と反射器22のアンテナ間隔(つまり、広帯域アンテナ21aの給電点213a(又は213bでもよい)と広帯域アンテナ22aの給電点223a(又は223bでもよい)との間隔)に起因することになる。例えば、図2(C)に示すように応答器2が傾くことにより、質問器1(例えば、図2(C)中の基準点P)から広帯域アンテナ21aの給電点213a(又は213bでもよい)(例えば、図2(C)中の端点Y)までの距離と、当該質問器1から広帯域アンテナ22aの給電点223a(又は223bでもよい)(例えば、図2(C)中の端点X)までの距離とに距離差が生じることになれば、その距離差に相当する分だけ受信タイミングの時間差が生じ、更に、上記返信タイミングの時間差も生じる。これらの時間差は、応答器2の傾きが同じであっても、反射器21と反射器22のアンテナ間隔が短い場合より長い場合の方が大きくなる。従って、返信タイミングの時間差は、反射器21と反射器22のアンテナ間隔による(起因する)ものとなる。
また、このような距離差は、広帯域アンテナ21aの給電点213a(又は213bでもよい)と広帯域アンテナ22aの給電点223a(又は223bでもよい)が共に、質問器1のある一点(例えば、図2(C)中の基準点P)から伸びた直線上に位置する場合(例えば、図2(D)又は(E))に最大となり、かかる場合が、反射器21と反射器22のアンテナ間隔に起因する上記返信タイミングの時間差が最大となる。
ここで、応答信号SRの返信タイミングの時間差について図2及び図6を参照して更に詳しく説明する。なお、図6は、第1の実施形態に係る反射器21及び22から返信される反射信号と応答信号の返信タイミングの一例を示す図である。また、図6(A)〜(E)に示す返信タイミングは、夫々、図2(A)〜(E)に示す応答器2の姿勢に対応している。
なお、図6(A)〜(E)における反射信号と応答信号の信号波形については、説明の便宜上、簡略化している(実際の波形とは異なる)。
先ず、例えば応答器2が図2(A)に示す姿勢にある場合、質問器1からの質問信号SQの受信タイミングは、反射器21(広帯域アンテナ21a)と反射器22(広帯域アンテナ22a)とで同じであるので、図6(A)に示すように反射器21からの反射信号SF1の返信タイミングと反射器22からの反射信号SF2の返信タイミングとは同じになり、反射信号の質問器1での受信タイミングも図6(A)のように同じとなる。また、図6(A)において、反射器21の伝送路21cの長さの2倍分の時間だけ、応答信号SR1の返信タイミングが反射信号SF1の返信タイミングよりも遅れており、質問器1での受信タイミングにも時間差Tx1が生じている(反射器22についても同様であり、この場合、質問器1での受信タイミングの時間差Tx2が生じている)。そして、反射器21からの応答信号SR1の返信タイミングと反射器22からの応答信号SR2の返信タイミングとは異なっており、質問器1での応答信号の受信タイミングの時間差Tdr1が生じている。この時間差Tdr1は、純粋に、反射器21の伝送路21cと、反射器22の伝送路22cの長さの差によるものである。
次に、例えば応答器2が図2(B)に示す姿勢にある場合、質問器1からの質問信号SQの受信タイミングは、反射器21(広帯域アンテナ21a)と反射器22(広帯域アンテナ22a)とで異なる(反射器22が反射器21よりも質問信号SQを早く受信する)ので、図6(B)に示すように反射器21からの反射信号SF1の返信タイミングと反射器22からの反射信号SF2の返信タイミングとは異なっており、反射信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdy2が生じている。この反射信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdy2が生じることにより、応答信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdr2は、図6(A)における応答信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdr1よりも短くなっている(Tdr1=Tdy2+Tdr2となる)。従って、この時間差Tdr2は、反射器21の伝送路21cと反射器22の伝送路22cの長さの差と、反射器21と反射器22のアンテナ間隔によるものである。
次に、例えば応答器2が図2(C)に示す姿勢にある場合、図2(B)の場合とは逆に、反射器21が反射器22よりも質問信号SQを早く受信し、図6(C)に示すように反射信号SF1とSF2の質問器1での受信タイミングの時間差Tdy3が生じている。この反射信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdy3が生じることにより、応答信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdr3は、図6(A)における応答信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdr1よりも長くなっている(Tdr1=Tdr3−Tdy3となる)。従って、この時間差Tdr3も、反射器21の伝送路21cと反射器22の伝送路22cの長さの差と、反射器21と反射器22のアンテナ間隔によるものである。
次に、例えば応答器2が図2(D)に示す姿勢にある場合、図6(D)に示すように反射信号SF1とSF2の質問器1での受信タイミングの時間差Tdy4は、図6(B)の場合の反射信号SF1とSF2の質問器1での受信タイミングの時間差Tdy2よりも大きくなるので、応答信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdr4は、図6(B)における応答信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdr2よりも短くなり、応答信号SR1と応答信号SR2は、その質問器1での受信タイミングが最も接近することになる。また、応答器2が図2(D)に示す姿勢にある場合における図6(D)に示す反射信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdy4が、反射器21と反射器22のアンテナ間隔に起因する質問器1での受信タイミングの最大時間差となる。
次に、例えば応答器2が図2(E)に示す姿勢にある場合、図6(E)に示すように反射信号SF1とSF2の質問器1での受信タイミングの時間差Tdy5は、図6(C)の場合の反射信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdy3よりも大きくなるので、応答信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdr5は、図6(C)における応答信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdr3よりも長くなり、応答信号SR1と応答信号SR2は、その質問器1での受信タイミングが最も遠ざかることになる。また、応答器2が図2(E)に示す姿勢にある場合における図6(E)に示す反射信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdy5も、図6(D)に示す時間差Tdy4と同様、反射器21と反射器22のアンテナ間隔に起因する質問器1での受信タイミングの最大時間差となる。
このように応答信号の質問器1での受信タイミングの時間差(Tdr1,Tdr2,Tdr3・・・)は、応答器2の姿勢により変わる(依存する)ため、質問器1においては、かかる時間差に対応する検出タイミングの時間差を検出することにより、応答器2の姿勢(応答器2の基準線K1の傾き状態及び応答器2のX矢印方向を含む)を判別することが可能となる。
しかし、例えば図2(A)の例において、質問器1の基準点Pから応答器2の基準線K1に垂直に伸ばした直線を境界として対称となる方向、例えば、応答器2のX矢印方向が左方向である場合と右方向である場合や、左斜め下方向である場合と右斜め下方向である場合については、応答信号の質問器1での受信タイミングの時間差は同じになるので、この方向の違いの判別はできない。つまり、本実施形態における応答器2の姿勢判別では、質問器1の基準点Pから応答器2の基準線K1に垂直に伸ばした直線を境界とする2つの領域(例えば、左右の領域)のうち何れか一方の領域を判別対象として固定する必要があるため、図5に示すように、印刷等により方向マーク23aを基材23上に表示させ、応答器2の使用者が対象物に当該応答器2を取り付ける際の目印としている。
ところで、質問器1においては、上記応答信号の質問器1での受信タイミングの時間差を検出する必要があるため、反射信号と応答信号、及び応答信号どうしの全部又は一部重なることは好ましくない。このような信号の重なりは、反射器21の伝送路21cの長さ及び反射器22の伝送路22cの長さに起因するものであるため、本実施形態においては、かかる点を考慮して、以下に説明するように、伝送路21c及び伝送路22cの長さを規定している。
第一に、反射信号SF1と応答信号SR1(又は、反射信号SF2と応答信号SR2)が重ならないようにするため、伝送路21c(又は伝送路22c)の長さが下記(1)式を満たすように規定される。
伝送路の長さ≧信号の伝搬速度×信号のパルス幅/2・・・(1)
ここで、信号の伝搬速度とは、伝送路21c(又は伝送路22c)を伝搬(伝送)する応答信号等の伝搬速度を意味し、信号のパルス幅とは、伝送路21c(又は伝送路22c)を伝搬(伝送)する応答信号等のパルス幅を意味する。信号のパルス幅の1/2としているのは、信号(質問信号と応答信号を総称)が伝送路21c(又は伝送路22c)を往復することを考慮したものである。
第二に、伝送路21cと伝送路22cの長さの差に起因する上記応答信号SR1とSR2の質問器1での受信タイミングの時間差Tdr1が、反射器21と反射器22のアンテナ間隔に起因する上記質問器1での受信タイミングの最大時間差Tdy4より大きくなるように、伝送路21cと伝送路22cの長さが規定される必要がある。例えば、図6(A)における、伝送路21cと伝送路22cの長さの差に起因する上記応答信号の返信タイミングの時間差Tdx1が、図6(D)における、アンテナ間隔に起因する上記返信タイミングの最大時間差Tdy4よりも小さいと、図6(D)の場合において、応答信号SR1と応答信号SR2の全部又は一部が重なることになる。従って、このような重なりが生じないように、伝送路21cと伝送路22cの長さの差が、反射器21と反射器22のアンテナ間隔よりも大きく(長く)なるように構成される。
なお、反射器21と反射器22のアンテナ間は自由空間であるのに対し、伝送路21c及び伝送路22cは金属等の導体が誘電体基板に形成され、更に、誘電体のカバーで覆われたものであるため、自由空間と導体とで信号の伝送速度に基板やカバーの誘電率の影響により違いが生じることになる。従って、例えば下記(2)式により上記伝送路21cと伝送路22cの長さを自由空間に対応する値に換算した換算長さの差に起因する上記応答信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdr1が、反射器21と反射器22のアンテナ間隔に起因する上記質問器1での受信タイミングの最大時間差Tdy4より大きくなるように、伝送路21cと伝送路22cの長さが規定されるようにすれば、より好ましい。かかる点を考慮する場合、伝送路21cと伝送路22cの上記換算長さの差が、反射器21と反射器22のアンテナ間隔よりも大きく(長く)なるように構成される。
換算長さ=ΔL×√ε・・・(2)
ここで、ΔLは、伝送路の実際の長さ差を意味し、εは、基材23及びカバーの実効比誘電率を意味する。
これにより、自由空間をアンテナ間隔分往復することで生じる質問器1での受信信号の時間差より伝送路を往復して生じる質問器1での受信信号の時間差が大きくなり、応答信号SR1と応答信号SR2が重なることはない。
次に、第1の実施形態に係る質問器1の構成及び機能について図7を参照して説明する。なお、図7は、第1の実施形態に係る質問器1の概要構成例を示す図である。
図7に示すように、質問器1は、クロック信号生成手段としてのクロック発振器11と、第1変調手段としての遅延器12と、パルス信号生成手段としてのパルス発生器13と、質問信号送信用の広帯域(例えば、周波数帯幅が6GHzを超える帯域幅)アンテナ14と、第2変調手段としての遅延器15と、参照信号生成手段としてのテンプレートパルス発生器16と、応答信号受信用の広帯域アンテナ(例えば、周波数帯幅が6GHzを超える帯域幅)17と、応答信号検出手段としての相関器18と、検出タイミング差検出手段としての遅延量検出器19と、姿勢判別手段としての制御器20と、を備えている。
クロック発振器11は、クロック発振することによって、クロック信号を生成し、遅延器12及び遅延器15に出力するようになっている。
遅延器12は、クロック発振器11からのクロック信号に対して変調処理を施すようになっており、例えば、制御器20からの指示に基づき、当該クロック信号を所定時間遅延させ(つまり、連続するクロック信号の間隔を変化させ(間隔変調))た後、その変調処理が施されたクロック信号をパルス発生器13に出力する。
また、遅延器15も、クロック発振器11からのクロック信号に対して遅延器12と同様の変調処理を施すようになっており、例えば、制御器20からの指示に基づき、当該クロック信号を所定時間遅延させた後、その変調処理が施されたクロック信号をテンプレート発生器16に出力する。
なお、質問器1に、擬似ランダム符号を生成する擬似ランダム符号生成手段としての擬似ランダム符号発生器を備えさせ、遅延器12及び遅延器15は、これにより生成(発生)された擬似ランダム符号に基づき、当該クロック信号を擬似ランダムな遅延をさせるように構成してもよい。
パルス発生器13は、遅延器15からの変調処理が施されたクロック信号をパルスに整形(例えばパルス幅が1ns(ナノ秒)以下)してパルス信号を生成(発生)して広帯域アンテナ14に出力し、広帯域アンテナ14は、かかるパルス信号を質問信号SQとして応答器1に対して送信(送出)するようになっている。なお、本実施形態においては、広帯域アンテナ14は、微分特性を有している。
テンプレートパルス発生器16は、遅延器15からの変調処理が施されたクロック信号をパルスに整形してパルス信号を生成(発生)し、かかるパルス信号(パルス発生器13にて生成されたパルス信号と同じ波形)に基づき参照信号を生成(例えば、かかるパルス信号に対し所定回数微分処理を施したり、応答器2の伝送路21c及び22cに応じた波形整形を行って生成)して相関器18に出力するようになっている。生成された参照信号は、例えば、相関器18において参照信号と応答信号SR1,SR2との相関がとれるタイミングを見計らって出力される(かかるタイミングは、遅延器15により調整する(例えば参照信号を当該タイミングまで遅延させる)ようにしてもよい)。
広帯域アンテナ17は、応答器2からの反射信号SF1,SF2及び応答信号SR1,SR2を受信し、相関器18に出力する。なお、本実施形態においては、広帯域アンテナ17は、微分特性を有している。
相関器18は、テンプレートパルス発生器16からの参照信号と、広帯域アンテナ17からの応答信号SR1,SR2との相関を求める(つまり、参照信号と応答信号とを比較)ことにより応答信号SR1,SR2を検出し、その相関信号(比較信号)を遅延量検出器19に出力するようになっている。
遅延量検出器19は、相関器18により検出された少なくとも2つの応答信号SR1と応答信号SR2との検出タイミングの時間差を検出(例えば、相関器18からの応答信号SR1に対応する相関信号が最大となる参照信号の入力タイミングと、応答信号SR2に対応する相関信号が最大となる参照信号の入力タイミングとの時間差を検出)し、その時間差の情報を制御器20に出力するようになっている。ここで、遅延量検出器19により検出される時間差は、上述した応答信号の返信タイミングの時間差(Tdr1,Tdr2,Tdr3・・・)に相当するものである。
制御器20は、CPUや各種論理回路、及び不揮発性メモリ等から構成されており、遅延量検出器19からの検出タイミングの時間差に基づいて、当該質問器1に対する応答器2の姿勢を判別するようになっている。つまり、上述した応答器2の基準線K1の傾き状態及び応答器2のX矢印方向が判別される。
例えば、制御器20における不揮発性メモリには、検出タイミングの時間差との比較対象となる基準量(例えば時間範囲)が複数段階で設定されており、各基準量と応答器2の姿勢(又は、対象物の状態)との対応関係を示す対応付けテーブルが記憶されている(例えば、基準量1(例えばTK1〜TK2の時間範囲)には、応答器2の傾き無が対応付けられ、基準量2(例えばTK3〜TK4の時間範囲)には、応答器2の傾き有(X矢印方向が右斜下)が対応付けられ、基準量3(例えばTK5〜TK6の時間範囲)には、応答器2の傾き有(X矢印方向が右斜上)が対応付けられている)。
そして、制御器20は、上記検出タイミングの時間差と上記基準量とを比較し、例えば上記検出タイミングの時間差が、複数段階に設定されたどの基準量に該当する(含まれる)かを判別して、その基準量に対応する応答器2の姿勢(又は、対象物の状態)を上記対応付けテーブルから取得する。また、制御器20は、このように判別された応答器2の姿勢に係る情報を例えば、外部に出力(例えば表示器に表示出力したり、スピーカから音声出力)する。或いは、制御器20は、応答器2の姿勢が所定の基準姿勢になかった場合(例えば、配管が変形して異常が発生した場合)、例えばブザー等を鳴らしてアラームを発するように制御してもよい。
なお、応答器2における反射器21の伝送路21cの長さと、反射器22の伝送路22cの長さが同じであっても、応答器2が傾けば、上記検出タイミングの時間差が生じるので、制御器20は、応答器2の向きを除いて応答器2の傾き状態を判別することは可能である。
次に、第1の実施形態に係る無線通信システムSの動作、及び当該動作において伝搬される信号の波形等について図8及び図9を参照して説明する。なお、図8は、第1の実施形態に係る無線通信システムSの各部分における質問信号、反射信号、応答信号、及び参照信号の波形例を示す図であり、図9は、質問器1の相関器18に入力される反射信号及び応答信号の波形例を示す図である。また、以下の動作の説明においては、説明の便宜上、質問器1により単一のパルス信号が送信(送出)される場合を例にとるものとする。
先ず、質問器1において、クロック発振器11により生成されたクロック信号が遅延器12にて所定時間遅延された後、パルス発生器13に出力される。続いて、パルス発生器13にて当該クロック信号がパルスに整形されてパルス信号が生成され、図8(A)に示すような波形のパルス信号が広帯域アンテナ14に出力される。
続いて、広帯域アンテナ14にてパルス信号が微分され、図8(B)に示すような波形の質問信号SQが広帯域アンテナ14により応答器2に対して送信(送出)される。一方、クロック発振器11により生成されたクロック信号は、遅延器15にて所定時間遅延された後、テンプレートパルス発生器16に出力され、そこで、図8(F)に示すような波形の参照信号Srefが生成される。
次に、応答器2において、質問器1からの質問信号SQが広帯域アンテナ21a及び22aにより受信(応答器2の基準線K1の傾き状態によっては質問信号SQの受信タイミングの時間差が生じる)され、そこで質問信号SQが微分され、図8(C)に示すような波形の質問信号SQが伝送路21c及び22cを伝搬する。一方、質問器1からの質問信号SQの一部は、伝送路21c,22cには伝搬せず、そのまま広帯域アンテナ21a及び22aにより再放射(反射)され、反射信号SF1及びSF2として質問器1に対して返信される。
続いて、伝送路21c及び22cを伝搬してきた質問信号SQが負荷21b及び22bにて夫々反射されて応答信号SR1及びSR2が生成され、当該応答信号SR1及びSR2が伝送路21c及び22cを伝搬し、広帯域アンテナ21a及び22aにて微分され、図8(D)に示すような波形の応答信号SR1及びSR2が広帯域アンテナ21a及び22aにより質問器1に対して返信される(ここで、伝送路21cと伝送路22cの長さの差に起因する上記応答信号の返信タイミングの時間差が生じる)。
次に、質問器1において、応答器2からの反射信号SF1及びSF2、続いて、応答信号SR1及びSR2が広帯域アンテナ17により受信され、そこで、これらの信号が微分され、図8(E),図9に示すような波形の反射信号SF1,SF2、及び応答信号SR1,SR2が、同図に示すようなタイミングで相関器18に出力される。
例えば、図9(A)は、応答器2が図2(A)に示す姿勢にある場合における相関器18への出力例であり、この場合、応答信号SR1及びSR2の時間差(遅延時間)は、図6(A)における応答信号の質問器1での受信タイミングの時間差Tdr1に対応している。
また、図9(B)は、応答器2が図2(B)に示す姿勢にある場合における相関器18への出力例であり、この場合、応答信号SR1及びSR2の時間差(遅延時間)Tdr2は、質問器1の基準点Pから広帯域アンテナ21aの給電点213a(又は213bでもよい)までの距離と、当該基準点Pから広帯域アンテナ22aの給電点223a(又は223bでもよい)までの距離との差に相当する時間分だけ図6(A)における応答信号の返信タイミングの時間差Tdr1よりも小さくなる。
また、図9(C)は、応答器2が図2(C)に示す姿勢にある場合における相関器18への出力例であり、この場合、応答信号SR1及びSR2の時間差(遅延時間)Tdr3は、質問器1の基準点Pから広帯域アンテナ21aの給電点213a(又は213bでもよい)までの距離と、当該基準点Pから広帯域アンテナ22aの給電点223a(又は223bでもよい)までの距離との差に相当する時間分だけ図6(A)における応答信号の返信タイミングの時間差Tdr1よりも大きくなる。
そして、相関器18にはテンプレートパルス発生器16からも参照信号Srefが出力されることになり、当該相関器18にて参照信号Srefと応答信号SR1との相関、及び参照信号Srefと応答信号SR2との相関が夫々とられて当該応答信号SR1,SR2が検出され、それぞれの相関信号が順次、遅延量検出器19に出力される。続いて、遅延量検出器19にて、例えば、相関器18からの応答信号SR1に対応する相関信号が最大となる参照信号の入力タイミングと、応答信号SR2に対応する相関信号が最大となる参照信号の入力タイミングとの時間差が検出され、その情報が制御器20に出力され、制御器20にて遅延量検出器19からの検出タイミングの時間差に基づいて、当該質問器1に対する応答器2の姿勢が判別される。その判別結果が、制御器20から外部に出力されることにより、例えば、オペレータ等は、例えば図3や図4に示すような対象物の状態の変化を把握することが可能となる。
なお、このような応答器2の姿勢は、これが取り付けられる対象物が静止している場合に限られず、例えば、当該応答器1が対象物と共に移動している場合にも判別可能である。
例えば、図10は、ベルトコンベアに載せられた対象物が移動している例を示す図である。図10において、応答器2が質問器1から見て紙面右側に位置する場合と、紙面左側に位置する場合とで、応答信号の返信タイミングの時間差は異なるので、質問器1の制御器20は、応答器2が右側あるのか、或いは左側にあるのかを判別することができる。
以上説明した第1の実施形態によれば、質問器1は、応答信号の検出タイミングの時間差に基づき、応答器2の傾き状態及び向き等の姿勢を簡単に判別することができる。
更に、伝送路21cと伝送路22cの長さの差が、反射器21と反射器22のアンテナ間隔よりも長くなるように構成したので、応答信号SR1及びSR2の重なりを防止することができる。
なお、上記動作においては、単一のパルス信号が質問器1から送信される場合を例にとって説明したが、実際には、連続する複数のパルス信号が質問器1から送信されることになり、それぞれのパルス信号に関して、相関器18にて参照信号Srefと応答信号との相関がとられ、応答信号が検出されることになる。このとき、質問器1にて連続する複数のパルス信号のパルス間隔を上述したように擬似ランダム符号発生器により擬似ランダムに変化させて応答器2に送信するように構成すれば、送信スペクトラムに周期的なピークが発生せず、他の通信手段への妨害を防止することができ、更に、質問器1における応答信号等の受信時に、擬似ランダムに変化させた複数の参照信号Srefに対する相関をとれば、単一の応答信号を検出する場合より信号出力が大きくなりS/N比を向上させ、通信距離を延ばすことが可能となる。
また、上記実施形態においては、質問信号SQが広帯域アンテナ21a及び22aにて反射信号SF1及びSF2として反射される場合のみを想定したが、実際には、質問信号SQは、広帯域アンテナ21a及び22aばかりでなく、当該アンテナ21aと22aとの間の部分や応答器1が取り付けられた対象物からのも反射される。従って、このような反射信号と応答信号とが重ならないよう区別するため、上記反射器21及び22のうち伝送路の長さが最小となる反射器21の当該伝送路21cの長さ(短い方の伝送路長)が、反射器21と反射器22のアンテナ間隔(つまり、広帯域アンテナ21aの給電点213a(又は213bでもよい)と広帯域アンテナ22aの給電点223a(又は223bでもよい)との間隔)より長くなるように構成する。そして、反射器22の伝送路22cの長さ(長い方の伝送路長)は、反射器21の伝送路21cの長さよりも、更に上記アンテナ間隔より長くなるように構成する(つまり、伝送路21cと伝送路22cの長さの差が、反射器21と反射器22のアンテナ間隔よりも長くなるように構成)。
なお、この場合も、上記第二の場合と同様の理由から、例えば上記(2)式により上記伝送路21cの長さを自由空間に対応する値に換算した換算長さが、反射器21と反射器22のアンテナ間隔より大きくなるように規定されるように構成すれば、より好ましい。
図11は、短い方の伝送路長をアンテナ間隔よりも長くした場合の応答器の概要構成例を示す図であり、図12は、この場合の質問器1の相関器18に入力される反射信号及び応答信号の波形例を示す図である。なお、図11において、図5に示す応答器2と同様の構成部分については同一の符号を付している。
図11に示すように、応答器2aにおいては、短い方の伝送路25cが上記反射器25と反射器26のアンテナ間隔よりも長くなり、かつ、応答器2aの小型化を図るため、短い方の伝送路25cにも屈曲部251が設けられている。
なお、図11では、伝送路25c,26cの端部は、スイッチではなく短絡とし、反射係数が「−1」とした場合を示した。もちろん、端部を開放し、反射係数が「1」としてもよいし、伝送路の特性インピーダンスとは異なったインピーダンスの負荷を設けてパルス信号が反射するようにしてもよい。スイッチではなく、固定インピーダンス(0,∞を含む)とすることでより構成を簡単とすることができる。
また、図12(A)は、応答器3が図2(A)に示す姿勢にある場合における相関器18への出力例であり、図12(B)は、応答器2が図2(B)に示す姿勢にある場合における相関器18への出力例であり、図12(C)は、応答器2が図2(C)に示す姿勢にある場合における相関器18への出力例であるが、図12(B)及び(C)の場合において、当該アンテナ21aと22aとの間の部分から反射された反射信号SFNと、応答信号SR1及びSR2とが重ならないように確実に区別されている。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態においては、応答器が2つの反射器を備える場合について説明したが、これに限定されるものではなく、応答器が3つ以上の反射器を備えるように構成してもよい。第2の実施形態においては、応答器が3つの反射器を備える場合について図13等を参照して説明する。
図13は、第2の実施形態に係る応答器の概要構成例を示す図である。なお、第2の実施形態に係る応答器の構成及び機能は、基本的には第1の実施形態に係る応答器と同じであるので、同一の構成部分については、同一の符号を付し、重複する部分の説明を省略する。また、第2の実施形態に係る質問器の構成及び機能は、制御器の処理を除き、第1の実施形態に係る質問器と同じであるので、重複する部分の説明を省略する。
図13に示すように、第2の実施形態に係る応答器2bは、第1の実施形態に係る応答器2aと比較すると、3つ目の反射器27が備えられている点で異なっている。この反射器27は、広帯域アンテナ27a、負荷27b、及び伝送路27cを備えており、これらは、反射器25及び26と同様、基材23の表面上に形成されている。広帯域アンテナ27a、負荷27b、及び伝送路27cの機能については、広帯域アンテナ21a、負荷21b、及び伝送路25cの機能と同様であるが、伝送路27cの長さは、伝送路26cの長さより長くなっている。そして、伝送路26cと伝送路27cの長さの差は、反射器26と反射器27のアンテナ間隔よりも長くなるように構成されている。これにより、第1の実施形態と同様、広帯域アンテナ22aから返信される応答信号と、広帯域アンテナ27aから送出される応答信号の全部又は一部が重なることを防止している。
また、広帯域アンテナ22a及び27aにおける給電点223a及び273aは、夫々、アンテナエレメント中心軸の軸線V上に位置しており、これによって、応答器2の小型化が図られている。なお、第1の実施形態と同様、広帯域アンテナ21a及び22aにおける給電点213a(又は213bでもよい)及び223a(又は223bでもよい)は、夫々、アンテナエレメント中心軸Vに垂直な軸線上に位置させ、更なる小型化を図るように構成してもよい。
なお、第2の実施形態においては、広帯域アンテナ21aの給電点213a(又は213bでもよい)と、広帯域アンテナ22aの223a(又は223bでもよい)を結ぶ基準線K1に加えて、広帯域アンテナ22aの給電点223a(又は223bでもよい)と、広帯域アンテナ27aの273a(又は273bでもよい)を結ぶ線を基準線K2として定義する。即ち、第2の実施形態においては、縦と横の2次元の基準線が定義されることになる。
このような応答器2bの構成において、応答器2bの姿勢に応じて、広帯域アンテナ21a、広帯域アンテナ22a、及び広帯域アンテナ27aから夫々異なる返信タイミングで応答信号が質問器1に対して返信され、質問器1で異なった受信タイミングで受信されることになる。
このように応答器2bを構成することで、質問器1では第1の実施形態より更に多くの姿勢(応答器2bの姿勢)を判別することが可能となる。つまり、第1の実施形態における応答器2の姿勢の判別では、基準線K1の1次元の傾きの判別であったが、第2の実施形態における応答器2bの姿勢の判別では、基準線K1及びK2の2次元の傾きの判別が可能となる。
図14は、第2の実施形態に係る質問器1に対する応答器2bの姿勢の態様例を示す図であり、図15は、第2の実施形態に係る質問器1の相関器18に入力される反射信号及び応答信号の波形例を示す図である。
なお、図15(A)は、応答器2bが図14(A)に示す姿勢(基準線K1及びK2共に傾きがない)にある場合における相関器18への出力例であり、図15(B)は、応答器2bが図14(B)に示す姿勢(基準線K1のみ傾きがある)にある場合における相関器18への出力例であり、図15(C)は、応答器2bが図14(C)に示す姿勢(基準線K1及びK2共に傾きがある)にある場合における相関器18への出力例であり、図15(D)は、応答器2bが図14(D)に示す姿勢(基準線K1及びK2共に傾きがある)にある場合における相関器18への出力例である。
また、図14(C)に示す応答器2bの姿勢は、当該応答器2bの広帯域アンテナ21aが質問器1から遠ざかる方向に傾いていると共に、広帯域アンテナ27aが質問器1から遠ざかる方向に傾いている(基準線K1と平行の広帯域アンテナ27a側の端部が質問器1から見て後方に倒れている)の姿勢であり、図14(D)に示す応答器2bの姿勢は、当該応答器2bの広帯域アンテナ21aが質問器1からが遠ざかる方向に傾くと共に、広帯域アンテナ27aが質問器1に近づく方向に傾いている(基準線K1と平行の広帯域アンテナ27a側の端部が質問器1から見て前方に倒れている)姿勢である。
図15(A)〜図15(D)に示すように、図14(A)〜図14(D)に示す姿勢における応答信号SR1,SR2,及びSR3の相関器18への出力タイミングのパターンは、互いに異なっている。
そして、当該相関器18にて参照信号Srefと応答信号SR1との相関、参照信号Srefと応答信号SR2との相関、及び参照信号Srefと応答信号SR3との相関が夫々とられて当該応答信号SR1,SR2,SR3が検出され、それぞれの相関信号が順次、遅延量検出器19に出力される。続いて、遅延量検出器19にて、例えば、相関器18からの応答信号SR1に対応する相関信号と入力タイミングと、応答信号SR2に対応する相関信号と入力タイミングとの時間差が検出され、更に、相関器18からの応答信号SR2に対応する相関信号と入力タイミングと、応答信号SR3に対応する相関信号と入力タイミングとの時間差が検出され、その情報が制御器20に出力され、制御器20にて遅延量検出器19からの検出タイミングの時間差に基づいて、当該質問器1に対する応答器2の姿勢が判別される。つまり、上述した応答器2の基準線K1及びK2の傾き状態及び応答器2のX矢印方向、加えて、例えば、広帯域アンテナ22aの給電点223a(又は223bでもよい)から広帯域アンテナ27aの273a(又は273bでもよい)の方向が判別される。
例えば、制御器20における不揮発性メモリには、応答信号SR1とSR2の検出タイミングの時間差との比較対象となる基準量(例えば時間範囲)と、応答信号SR2とSR3の検出タイミングの時間差との比較対象となる基準量(例えば時間範囲)とが複数段階で設定されており、それら基準量の組合せと応答器2bの姿勢(又は、対象物の状態)との対応関係を示す対応付けテーブルが記憶され、制御器20は、上記検出タイミングの時間差が、どの基準量の組合せに該当する(含まれる)かを判別して、その基準量の組合せに対応する応答器2bの姿勢(又は、対象物の状態)を上記対応付けテーブルから取得し、外部に出力する。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、質問器1は、応答器2bの基準線K1及びK2の2次元の傾き状態及び向き等の姿勢を判別することができる。
(第3の実施形態)
上記第1の実施形態においては、応答器における反射器の負荷は、開放、或いは短絡負荷固定であるとして説明したが、第3の実施形態においては、質問器の検出範囲内に応答器が複数存在する場合に各応答器を区別するため、応答器における反射器の負荷が制御され、パルス反射係数を変化する場合について図16及び図17等を参照して説明する。
図16は、第3の実施形態に係る応答器の概要構成例を示す図であり、図17は、第3の実施形態に係る質問器の概要構成例を示す図である。なお、第3の実施形態に係る応答器及び質問器の構成及び機能は、基本的には第1の実施形態に係る応答器及び質問器と同じであるので、同一の構成部分については、同一の符号を付し、重複する部分の説明を省略する。
先ず、第3実施形態に係る応答器2cは、図16に示すように、第1の実施形態に係る応答器2の構成要素に加え、反射器21用の狭帯域(共振)アンテナ21d、整合回路21e、電力供給部21f、及び負荷制御部21gを備えている。なお、図16においては、当該応答器2cに備える反射器21に関する構成のみを示し、反射器22に関する構成を省略しており、当該応答器2cには、図示を省略した反射器22用の狭帯域アンテナ、整合回路、電力供給部、及び負荷制御部も備えられているが、これらの機能は、狭帯域アンテナ21d、整合回路21e、電力供給部21f、及び負荷制御部21gと同様であるので、重複する説明を省略する。
狭帯域アンテナ21dは、質問器1からの電波(例えば、連続波)を受信し、その電波に対応する高周波信号を整合回路21eに出力する。
整合回路21eは、狭帯域アンテナ21dの入力インピーダンスと電力供給部21fの入力インピーダンスを整合するためのものであり、狭帯域アンテナ21dからの高周波信号を損失なく(反射することなく)電力供給部21fに伝送する。
電力供給部21fは、整合回路21eからの高周波信号を整流回路によって整流し、コンデンサCにより充電して(電力を蓄積して)、その電力を負荷制御部21gに供給するようになっている。
負荷制御部21gは、電力供給部21fからの電力の供給を受け(例えば、コンデンサCの充電電圧が閾値に達すると動作し)、反射器21の負荷21bを制御し、パルス反射係数を変化、具体的には、当該負荷21bにおけるパルス信号が負荷制御部21gへ入り込むのを阻止するコイルLを通してバイアス電流制御によりダイオードDiのオンオフ制御(ダイオードDiがオンの場合、負荷21bは短絡負荷であり、ダイオードDiがオフの場合、負荷21bは開放負荷である)を行うようになっている。このような負荷の制御は、負荷制御部21dにおける負荷設定(つまり、短絡負荷とするか、或いは、開放負荷にするかの設定)に従って行われるように構成してもよいし、反射器を区別する識別情報により切り換えてもよいし、質問器1からの変調された連続波により搬送された負荷設定情報に従って行われる(この場合、当該変調された連続波から負荷設定情報を復調する復調器を備えさせる)ように構成してもよい。また、かかる負荷21bにおいて、ダイオードDiの代わりに、電解効果型トランジスタ(FET)を適用してもよい。
なお、負荷制御部21gは、質問器1aからの連続波から抽出された電力により動作する代わりに、応答器1cに電源手段を備えさせ、かかる電源手段から供給された電力により動作するように構成してもよい。この場合、狭帯域アンテナにて受信される電波は必ずしも連続波である必要はなく、かかる電波は、例えば、負荷制御部21gが負荷を制御(パルス反射係数を変化)のトリガとして使用される。
次に、第3の実施形態に係る質問器1aは、図17に示すように、第1の実施形態に係る質問器1の構成要素に加え、発振器30、変調器31、増幅器32、及び狭帯域(共振型)アンテナ33を備えている。そして、例えば、発振器30により発振された高周波信号が、変調器31により変調され、その後増幅器32により増幅され、それが連続波となって狭帯域アンテナ33から応答器2cに送信(送出)される。
ここで、変調器31は、制御器20からの制御信号に従って、発振器30により発振された高周波信号を変調、例えば、振幅が変化するように振幅変調(AM又はASK)させるようになっている。
図18に、質問器1aから送信(送出)される信号波形例を示す。上記質問器1aの構成により、図18に示すように、当該質問器1aからは、狭帯域アンテナ33からの連続波と、広帯域アンテナ14からのパルス波(パルス信号)とが交互に送信されることになる。
なお、変調器31は、制御器20からの制御信号に従って、予め設定された上記負荷設定情報を搬送するように、高周波信号を変調(例えば、振幅変調、周波数変調等)するように構成してもよい。
このような応答器2c及び質問器1aの構成において、例えば、質問器1aからの図18に示されるような断続的な連続波とパルス信号のうち、連続波は、応答器2cにおける反射器21用の狭帯域アンテナ21d及び反射器22用の狭帯域アンテナ(図示せず)によって受信され、パルス信号は、応答器2cの広帯域アンテナ21a及び22aによって受信される。
そして、応答器2cの狭帯域アンテナ21d等によって受信された各連続波の例えば終了付近Fにて、電力供給部21fにおけるコンデンサCの充電電圧が閾値に達して、負荷制御部21dが動作することによって、反射器21の負荷21bが制御されて開放負荷又は短絡負荷が設定される(反射器22においても同様)。続いて、応答器2cの広帯域アンテナ21a及び22aによって受信されたパルス信号は、夫々、その設定された負荷21b及び22bによって反射されて応答信号が生成され、第1の実施形態と同様、広帯域アンテナ21a及び22aによって質問器1aに返信されることになる。
図19は、反射器21(又は22)の負荷が開放負荷の場合と短絡負荷の場合における、質問器1aの相関器18に入力される応答信号の波形例の比較を示す図である。図19に示すように、反射器21(又は22)の負荷21b(又は22b)が開放負荷の場合における応答信号SRの波形に対して、当該負荷21b(又は22b)が短絡負荷の場合における応答信号SRの波形は、極性が反転した波形になっている。
質問器1aの相関器18には、第1の実施形態と同様、テンプレートパルス発生器16から図8(F)に示すような波形の参照信号Srefが入力され、かかる参照信号Srefと応答信号SRとの相関がとられることになるが、参照信号Srefと開放負荷の場合における応答信号SRとの相関は「正」となり、参照信号Srefと短絡負荷の場合における応答信号SRとの相関は「負」となる。この「正」の情報は、「1」として制御器20に伝えられ、「負」の情報は、「0」として制御器20に伝えられる。こうして、制御器20は、上述したように検出タイミングの時間差に基づいて当該質問器1aに対する応答器2cの姿勢を判別し、且つかかる「1」又は「0」の情報に基づいてどの応答器(この場合、2つの応答器を想定)からの応答であるかを判別し、それらの判別結果を、外部に出力(例えば表示器に表示出力したり、スピーカから音声出力)する。
更に、例えば3つ以上の応答器2cが質問器1aの検出範囲内に存在する場合、各応答器2cの負荷制御部21d等は、予め各応答器2cに対応付けられた識別情報(例えば、001,010,100,101等)に従って負荷21b及び22bを制御(パルス反射係数を変化)、例えば、識別情報が、「101」の場合、始めの応答信号生成の際には負荷21b及び22bを開放負荷とし、次の応答信号生成の際には負荷21b及び22bを短絡負荷とし、その次の応答信号生成の際には負荷21b及び22bを開放負荷とするように制御すれば、質問器1aの制御器20は、その「1」と「0」の入力順から3つ以上の応答器2cのうち、どの応答器2cからの応答であるかを判別することができる。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、質問器1aは、検出範囲内に複数の応答器2cが存在する場合であっても、各応答器1cの反射器21,22における負荷制御により、各応答器2cを区別し、且つ応答信号の検出タイミングの時間差に基づき、応答器2cの傾き状態及び向き等の姿勢を判別することができる。
なお、このような応答器2cにおける負荷21b及び22bの負荷のオン(短絡負荷)とオフ(開放負荷)に対し、複数のパルス信号で、その情報(即ち、「0」又は「1」)を検出するとその感度を向上させることができる。
図20は、複数のパルス信号によって負荷のオン(短絡負荷)とオフ(開放負荷)を検出する場合の例を示す図である。図20に示すように、質問器1aにて連続する複数のパルス信号のパルス間隔を例えば擬似ランダム符号発生器により擬似ランダムに変化させ、応答器1cに送信するように構成すれば、送信スペクトラムに周期的なピークが発生せず、他の通信手段への妨害を防止することができ、更に、質問器1aにおける応答信号等の受信時に、擬似ランダムに変化させた複数の参照信号Srefに対する相関をとれば、単一の応答信号を検出する場合より信号出力が大きくなりS/N比を向上させ、通信距離を延ばすことが可能となる。
本実施形態に係る無線通信システムの概要構成例を示す図である。 質問器1に対する応答器2の姿勢の態様例を示す図である。 対象物としての配管に取り付けられた応答器2の一例を示す図である。 対象物としてのレバーに取り付けられた応答器2の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る応答器2の概要構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る反射器21及び22から返信される反射信号と応答信号の質問器1での受信タイミングの一例を示す図である。 第1の実施形態に係る質問器1の概要構成例を示す図である。 第1の実施形態に係る無線通信システムSの各部分における質問信号、反射信号、応答信号、及び参照信号の波形例を示す図である。 質問器1の相関器18に入力される反射信号及び応答信号の波形例を示す図である。 ベルトコンベアに載せられた対象物が移動している例を示す図である。 短い方の伝送路長をアンテナ間隔よりも長くした場合の応答器の概要構成例を示す図である。 この場合の質問器1の相関器18に入力される反射信号及び応答信号の波形例を示す図である。 第2の実施形態に係る応答器の概要構成例を示す図である。 第2の実施形態に係る質問器1に対する応答器2bの姿勢の態様例を示す図である。 第2の実施形態に係る質問器1の相関器18に入力される反射信号及び応答信号の波形例を示す図である。 第3の実施形態に係る応答器の概要構成例を示す図である。 第3の実施形態に係る質問器の概要構成例を示す図である。 質問器1aから送信(送出)される信号波形例を示す図である。 反射器21(又は22)の負荷が開放負荷の場合と短絡負荷の場合における、質問器1aの相関器18に入力される応答信号の波形例の比較を示す図である。 複数のパルス信号によって負荷のオン(短絡負荷)とオフ(開放負荷)を検出する場合の例を示す図である。
符号の説明
1,1a質問器
2,2a,2b,2c 応答器
11 クロック発振器
12 遅延器
13 パルス発生器
14,17 広帯域アンテナ
15 遅延器
16 テンプレートパルス発生器
18 相関器
19 遅延量検出器
20 制御器
21,22,25,26,27 反射器
21a,22a,27a 広帯域アンテナ
21b,22b,27b 負荷
21c,22c,25c,26c,27c 伝送路
21d 狭帯域アンテナ
21e 整合回路
21f 電力供給部
21g 負荷制御部
30 発振器
31 変調器
32 増幅器
33 狭帯域アンテナ
S 無線通信システム

Claims (15)

  1. 応答器と質問器を備える姿勢判別システムであって、
    前記応答器は、
    広帯域アンテナにより受信されたパルス信号を用いて応答信号を生成する応答信号生成手段と、
    前記広帯域アンテナにより受信されたパルス信号を前記広帯域アンテナから前記応答信号生成手段に伝送し且つ前記生成された応答信号を前記生成手段から前記広帯域アンテナに伝送する伝送手段
    前記パルス信号を受信し且つ前記生成された応答信号を返信する前記広帯域アンテナと、
    を有する要素応答器を複数備え
    少なくとも何れか2つの前記要素応答器における伝送手段の長さを自由空間に対応する値に換算した換算長さは、互いに異なるものであって、
    当該2つの前記要素応答器における伝送手段の前記換算長さの差は、当該2つの要素応答器のアンテナ間隔より大きくなっており、
    前記質問器は、
    前記パルス信号を生成するパルス信号生成手段と、
    前記生成されたパルス信号を前記応答器に対して送信し且つ当該応答器からの前記パルス信号に対応する前記応答信号を受信する広帯域アンテナと、
    前記受信された応答信号を検出する応答信号検出手段と、
    前記検出された少なくとも2つの前記応答信号の検出タイミングの時間差を検出する検出タイミング差検出手段と、
    複数段階に設定された各基準量と、前記応答器の複数の姿勢のうちの各姿勢との対応関係を示す対応付けテーブルを記憶する記憶手段と、
    前記質問器に対する、前記応答器の基準線の傾き状態及びその基準線上における端点によって指し示される方向を、前記応答器の姿勢として判別する姿勢判別手段と、
    を備え、
    前記姿勢判別手段は、前記対応付けテーブルに基づいて、前記複数段階に設定された各基準量のうち、前記検出された検出タイミングの時間差に該当する基準量を判別し、当該判別した基準量に対応する前記応答器の姿勢を判別する
    ことを特徴とする姿勢判別システム。
  2. 請求項1に記載の姿勢判別システムにおいて、
    複数の前記要素応答器のうち伝送手段の長さが最小となる要素応答器の当該伝送手段の長さは、当該最小となる要素応答器を含む何れか2つの前記要素応答器のアンテナ間隔より大きいことを特徴とする姿勢判別システム。
  3. 請求項1に記載の姿勢判別システムにおいて、
    複数の前記要素応答器のうち伝送手段の長さを自由空間に対応する値に換算した換算長さが最小となる要素応答器の当該伝送手段の換算長さは、当該最小となる要素応答器を含む何れか2つの前記要素応答器のアンテナ間隔より大きいことを特徴とする姿勢判別システム。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて、
    前記応答信号生成手段は、前記伝送手段の特性インピーダンスとは異なったインピーダンスを有し、前記パルス信号を反射することを特徴とする姿勢判別システム
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて、
    前記応答信号生成手段は、前記伝送手段を短絡あるいは開放する手段であることを特徴とする姿勢判別システム
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の姿勢判別システムにおいて、
    少なくとも何れか1つの前記要素応答器の応答信号生成手段におけるパルス反射係数は、可変であることを特徴とする姿勢判別システム
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて、
    少なくとも何れか1つの前記要素応答器の伝送手段は、屈曲部を有することを特徴とする姿勢判別システム
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて、
    少なくとも何れか2つの前記要素応答器の伝送手段は、当該2つの要素応答器が対向する側に設けられていることを特徴とする姿勢判別システム
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて、
    少なくとも何れか2つの前記要素応答器の広帯域アンテナにおける給電点は、夫々、アンテナエレメント中心軸に垂直な軸線上に位置していることを特徴とする姿勢判別システム
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて、
    少なくとも何れか2つの前記要素応答器の広帯域アンテナにおける給電点は、夫々、アンテナエレメント中心軸の軸線上に位置していることを特徴とする姿勢判別システム
  11. 請求項1乃至10の何れか一項に記載の姿勢判別システムにおいて、
    前記質問器は、
    クロック信号を生成するクロック信号生成手段と、
    前記生成されたクロック信号に対して第1変調処理を施す第1変調手段と、
    前記生成されたクロック信号に対して第2変調処理を施す第2変調手段と、
    前記第2変調処理が施されたクロック信号に基づいて参照信号を生成する参照信号生成手段と、を更に備え、
    前記パルス信号生成手段は、前記第1変調処理が施されたクロック信号に基づいて前記パルス信号を生成し、
    前記応答信号検出手段は、前記受信された応答信号と前記生成された参照信号との相関を求めることにより前記応答信号を検出することを特徴とする姿勢判別システム
  12. 請求項11に記載の姿勢判別システムにおいて、
    前記第1及び第2変調手段は、連続する前記クロック信号の間隔を変化させることを特徴とする姿勢判別システム。
  13. 請求項11に記載の姿勢判別システムにおいて、
    前記質問器は、
    擬似ランダム符号を生成する擬似ランダム符号生成手段を更に備え、
    前記第1及び第2変調手段は、前記生成された擬似ランダム符号に基づいて前記クロック信号に対して変調処理を施すことを特徴とする姿勢判別システム
  14. 請求項1乃至13の何れか一項に記載の姿勢判別システムに用いられる応答器。
  15. 請求項1乃至13の何れか一項に記載の姿勢判別システムに用いられる質問器。
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