JPH0894745A - 移動体識別装置の応答器 - Google Patents

移動体識別装置の応答器

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JPH0894745A
JPH0894745A JP25463994A JP25463994A JPH0894745A JP H0894745 A JPH0894745 A JP H0894745A JP 25463994 A JP25463994 A JP 25463994A JP 25463994 A JP25463994 A JP 25463994A JP H0894745 A JPH0894745 A JP H0894745A
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JP
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interrogator
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JP25463994A
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Hidemi Nakajima
英実 中島
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消費電力が低く、高速変調可能で、1個の変
調素子でも質問器の復調レベルを最大限得ることができ
る移動体識別装置の応答器を提供すること。 【構成】 質問器3から発射された所定の電波を受信
し、その受信電波を、格納された個別情報に応じ変調し
て前記質問器3に反射させることにより、前記格納され
た個別情報を非接触で伝送する移動体識別装置1の応答
器5であって、前記質問器3から送信された電波を受信
するとともに、受信電波を送信するアンテナ45と、前
記アンテナ45に伝送路69を介して接続され、電圧に
よってスイッチング動作を行なう変調素子67からなる
変調部47と、前記変調部47に伝送路69を介して接
続され、前記質問器3からの受信電波を検波する検出部
49と、前記検出部49に接続され、開放端部で前記受
信電波を反射する伝送線路51とを備える構成にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、質問器から発射された
所定の電波を受信し、その受信電波を、格納された個別
情報に応じて変調して前記質問器へ反射させることによ
り、前記格納された個別情報を非接触で伝送する移動体
識別装置の応答器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来において、マイクロ波を利用した移
動体を識別する移動体識別システムが知られている。こ
のような移動体識別システムにおいては、固定局に設置
された質問器と、移動体に設けられる応答器とにより構
成され、例えば、車両、搬送される物品、人などに応答
器を付帯させ、前記質問器から発射された所定のマイク
ロ波を応答器により受信し、受信したマイクロ波を応答
器に格納された情報により変調して反射させて前記質問
器に返送することにより、非接触で情報の伝達が行なわ
れる。このような移動体識別システムは、「移動体識別
システムの標準規格RCR、STD−1、STD−2
9」に規定されており、応答器は、人が所有できる非接
触型ICカードなどに構成される。
【0003】また、上述したような移動体識別システム
に用いられる応答器は、質問器から発振されるマイクロ
波を検波する検波手段と、応答器に格納された情報を、
受信したマイクロ波に付加させて反射させる変調手段を
備え、このような検波手段および変調手段を備えた従来
の応答器には、例えば、1)特開平5ー143799号
公報や、2)特開平3ー63586号公報に示すものが
知られている。
【0004】前記1)の応答器は、質問器からのマイク
ロ波をアンテナからマイクロ波導波路を通じてマイクロ
ストリップ方向性結合器に導き、このマイクロストリッ
プ方向性結合器によって、変調手段であるマイクロ波変
調部と検出手段であるコントローラとに、受信したマイ
クロ波を分配して処理する構成になっている。
【0005】前記2)の応答器は、質問器から放射され
た電波をアンテナから受信し、切り換えおよび変調を行
なうスイッチング手段により、受信した電波の伝送方向
を、検波・タイミング決定手段側と反射手段側とに切り
換える構成になっており、前記スイッチング手段には、
ショットキーバリヤダイオードや、PINダイオード
や、可変容量ダイオード等のダイオードからなる変調素
子が用いられ、この変調素子により質問器からの受信マ
イクロ波を反射・吸収することで変調が行なわれる。さ
らに、前記ダイオードからなる2個の変調素子を用い
て、マイクロ波の位相を0゜と180゜に変化させるも
のもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した
1)によれば、受信したマイクロ波を検出手段と変調手
段に分配する手段としてマイクロストリップ方向性結合
器が用いられているので、マイクロストリップ方向性結
合器によって受信したマイクロ波が減衰されるととも
に、分配による電力損失が発生し、検出手段での検出レ
ベルが低下してしまい、交信する距離を延せないという
問題がある。
【0007】前記2)によれば、受信信号を変調するス
イッチング手段として、ショットキーバリヤダイオード
や、PINダイオードや、可変容量ダイオード等の変調
素子が用いられているので、変調時には情報信号に応じ
バイアス電流が変化してダイオードに流れるため、変調
時の消費電流が増大し、電池の寿命を短くする問題があ
る。また、変調素子にダイオードを使用しているので、
変調時には、ダイオードのカソードとアノードとの電極
間の容量の影響により、変調動作に時間がかかり、高速
変調には不向きとなる問題があり、規定された時間内で
の応答に対応できないという不具合がある。さらに、変
調素子にダイオードを使用しているので、変調時には、
ダイオードのカソードとアノードとの電極間の容量の影
響により、応答器の情報信号の伝送速度を上げると質問
器の出力波形が劣化してしまい、質問器側での復調レベ
ルが最大限得られない不具合がある。この場合、復調レ
ベルを最大限得るために、マイクロ波の位相を180゜
変化させると、ダイオードが2個必要となり、電力の消
費が更に増大されてしまう不具合がある。
【0008】本発明は前記事情に鑑み案出されたもので
あって、本発明の目的は、交信距離を増大でき、消費電
力が低く、高速変調可能で、且つ、1個の変調素子でも
質問器の復調レベルを最大限得ることができる移動体識
別装置の応答器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る移動体識別
装置の応答器は、質問器から発射された所定の電波を受
信し、その受信電波を、格納された個別情報に応じ変調
して前記質問器に反射させることにより、前記格納され
た個別情報を非接触で伝送する移動体識別装置の応答器
であって、前記質問器から送信された電波を受信すると
ともに、該受信電波を送信するアンテナと、前記アンテ
ナに接続され、電圧によってスイッチング動作を行なう
変調素子からなる変調部と、前記変調部に接続され、前
記質問器からの受信電波を検波する検出部と、前記検出
部に接続され、開放端部で前記受信電波を反射する伝送
線路とを備えたことを特徴とする。
【0010】また、本発明に係る移動体識別装置の応答
器は、前記変調素子が、FETにより構成されたことを
特徴とする。また、本発明に係る移動体識別装置の応答
器は、前記伝送線路が、受信電波の1/4実効波長の長
さに形成されたことを特徴とする。
【0011】
【作用】質問器からの送信されたマイクロ波は、応答器
のアンテナに受信され、アンテナに接続されたFETを
通過して、検出部のダイオードに導かれ、このダイオー
ドにより受信マイクロ波が検波され、この検波信号によ
り起動される。そして、変調部のFETに入力される情
報信号が「L」の場合には、FETのドレインとソース
間が高インピーダンス状態となり、受信マイクロ波はF
ETのドレイン部分で反射し、アンテナから応答器の反
射波として質問器に返送される。
【0012】他方、変調部のFETに入力される情報信
号が「H」の場合には、FETのドレインとソース間が
低インピーダンス状態となり、受信マイクロ波はFET
のドレインおよびソース間および検出部のダイオードを
通過して、伝送線路の開放端に達し、この開放端部分で
受信マイクロ波が反射され、検出部および変調部を通じ
て、アンテナから180゜位相変化された反射波として
質問器に反射され、メモリに格納された応答器の個別情
報を符合化した情報信号が付加された反射波Frが返送
される。この場合、伝送線路の長さが1/4実効波長に
調整されているため、返送される反射波が180゜位相
の変化した反射波が作り出され、情報信号が「L」の時
の反射波Frと、情報信号が「H」の時の反射波Frと
の位相差が180゜となる。そして、応答器から返送さ
れた情報信号は、質問器において増幅されて所定の処理
を経て応答器の個別情報が再生される。
【0013】したがって、質問器からのマイクロ波を応
答器により検出する際に、送受信用のアンテナと、FE
Tからなる変調部と、ショットキーバリヤダイオードか
らなる検出部とが直列接続されているので、アンテナか
ら検出部までのエネルギー損失が少なくなり、応答器に
おける検出可能距離を長くすることが可能となる。ま
た、変調部の変調素子として電圧により動作するFET
を用いたことにより、変調素子および検出素子ともにバ
イアス電流が不要となり消費電流が殆どなくなり、電池
の寿命を延すことが可能となって経済的となる。その結
果、電力の省力化が可能となり、応答器を小形、薄形に
する場合に好適となり、さらに、電池容量が少なくて済
むため、電池の小形化、薄形化を図ることが可能とな
る。さらに、変調部の変調素子としてFETを用いたこ
とにより、従来のダイオードを用いた場合に対して、波
形の立上がりが鋭くなり、応答器の個別情報を返送する
際に高速で作動させることが可能となる。
【0014】また更に、変調部の変調素子としてFET
を用いるとともにオープンスタブ(一端が開放な伝送線
路)により受信マイクロ波を180゜位相変化させて反
射波Frを返送させることができるので、情報信号の
「L」、「H」に応じてインピーダンス点を180゜変
化させることが可能となり、質問器の検波信号出力I、
Qのレベルを増大させることが可能となり、質問器の通
信距離を大きく延すことができる。また、変調部の変調
素子としてFETを用いたことにより、受信マイクロ波
を180゜位相変化させて反射波Frを返送する場合に
も、従来のように2個のダイオードを用いることなく可
能となるので、部品点数が増大することなく経済的とな
り、更に、180゜位相変化させる際の省電力化および
伝送速度の高速性を図ることができる。
【0015】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本実施例の移動体識別装置および応答器
の概略構成を示すブロック図、図2は質問器の概略構成
を示すブロック図、図3は応答器のFET変調部(変調
部)、検出部およびオープンスタブ(一端が開放な伝送
線路)を示す回路構成図である。
【0016】本実施例の移動体識別装置1は、図1に示
すように、固定局に設置される質問器3と、移動体に付
帯される応答器5とにより構成され、質問器3から発射
されたマイクロ波Fcが応答器5により受信され、この
受信されたマイクロ波Fcの位相が180゜変化する反
射波Frを発生させ、この反射波Frに応答器5に格納
された個別情報を符合化した情報信号を付加し、応答器
5から質問器3に返送される構成になっている。
【0017】前記質問器3は、図2に示すように、所定
波長のマイクロ波を発振するマイクロ波発振部7と、発
振されたマイクロ波をASK(Amplitude Shift Keyin
g)変調するASK変調部9と、変調されたマイクロ波
を増幅する電力増幅部11と、増幅されたマイクロ波を
送信アンテナ15を通じて発射するスプリッタ13とを
備えている。尚、後述する応答器5の個別情報を質問器
3で得る場合は、ASK変調部9で変調処理を行わずに
マイクロ波が発射される。
【0018】さらに、質問器3は、発射されたマイクロ
波に反応して応答器5の個別情報を符合化した情報信号
が付加されて反射してきた反射波Frを受信する受信ア
ンテナ17と、受信した反射波Frを増幅する受信増幅
部19と、増幅された反射波Frを2系統に分配するパ
ワーデバイダ21と、前記スプリッタ13からのマイク
ロ波を2系統に分配するパワーデバイダ23と、このパ
ワーデバイダ23からの位相の変化していないマイクロ
波と前記パワーデバイダ21からの受信反射波Frとに
よりホモダイン検波して検波信号Iを出力する第1ミキ
サー部25と、前記パワーデバイダ23からのマイクロ
波を90゜位相変化させる90゜位相器27と、90゜
位相変化されたマイクロ波と前記パワーデバイダ21か
らの受信反射波Frとによりホモダイン検波して検波信
号Qを出力する第2ミキサー部29とを備えている。ま
た、質問器3は、前記各々の検波信号I、Qを通過させ
るフィルタ31、33と、各々の検波信号I、Qを増幅
する増幅器35、37と、双方の検波信号I、Qに基づ
いて応答器5からの個別情報を再生する信号処理部39
と、再生された個別情報を制御する制御部41とを備え
た構成になっている。
【0019】このように構成された質問器3において
は、応答器5の個別情報を質問器3で得る場合には、マ
イクロ波発振部7から発振されたマイクロ波を、ASK
変調部9で変調処理せずに、ASK変調部9、電力増幅
部11、スプリッタ13を介して、送信アンテナ15か
らマイクロ波Fcとして発射される。そして、発射され
たマイクロ波Fcに反応して応答器5で応答器5の個別
情報を符合化した情報信号が付加されて反射してきた反
射波Frが受信アンテナ17に受信される。受信された
反射波Frは、受信増幅部19により増幅されて、パワ
ーデバイダ21により第1ミキサー部25と第2ミキサ
ー部29との2系統に分配される。他方、スプリッタ1
3からはマイクロ波のエネルギーの一部がパワーデバイ
ダ23により2系統に分配され、マイクロ波の一部がそ
のまま第1ミキサー部25に入力され、他の一部が90
゜位相器27を介して第2ミキサー部29に入力され
る。そして、各々のミキサー部25、29においてホモ
ダイン検波されて検波信号I、Qが出力され、各々の検
波信号I、Qが、それぞれのフィルタ31、33および
増幅器35、37を通じて信号処理部39に入力され、
信号処理部39において応答器5の個別情報が再生され
る。
【0020】他方、質問器3の情報を応答器5に伝送す
る場合には、制御部41から情報信号がASK変調部9
に送出され、ASK変調部9において、マイクロ波発振
部7で発振されたマイクロ波に送信すべき情報信号に応
じたASK変調処理が行われ、その後、電力増幅部1
1、スプリッタ13を介して送信アンテナ15からAS
K変調されたマイクロ波Fcとして応答器5に向けて発
射される。
【0021】前記応答器5は、図1に示すように、送受
信共用のアンテナ45と、FET変調部47と、検出部
49と、オープンスタブ(一端が開放な伝送線路)51
とが直列接続されて構成されている。前記アンテナ45
は、例えば、パッチアンテナ、スロットアンテナ、ダイ
ポールアンテナなど比較的平面的に構成できるアンテナ
により構成されている。前記FET変調部47は、質問
器3からのマイクロ波に応答器5の個別情報を符合化し
た情報信号に応じて、受信マイクロ波の位相を180゜
変化させたマイクロ波を発生させて反射波Frとしてア
ンテナ45を通じて質問器3に返送する。前記検出部4
9は、ショットキーバリヤダイオードDiにより構成さ
れ、FET変調部47を通過してきた質問器3からのマ
イクロ波Fcを検波する。前記オープンスタブ51は、
一端が開放な伝送線路により構成され、変調時は検出部
49を通過してきた質問器3からのマイクロ波をオープ
ンスタブ51の先端部において反射させ、検出時には検
出部49に対して、直列共振回路として動作する。ま
た、前記オープンスタブ51は、例えば、質問器3から
送信されるマイクロ波の1/4実効波長の長さに形成さ
れ、これにより受信マイクロ波を180゜位相変化さ
せ、検出部49での効率のよい検波ができるようになっ
ている。
【0022】さらに、前記応答器5には、検出信号発生
部53、電源制御部55、電池57、検波信号増幅部5
9、制御部61、メモリ部63とが設けられている。前
記検出信号発生部53は、前記検出部49において質問
器3からのマイクロ波が検出されると、応答器5が通信
可能領域に進入したことを検出し、電源制御部55およ
び制御部61を起動する。前記電源制御部55は、前記
検出信号発生部53からの起動信号により制御部61な
どに電池57を接続し、電源の供給を制御する。前記検
波信号増幅部59は、質問器3からの送信情報信号を検
出部49において検波して得られた検波信号を増幅し、
質問器3からの送信情報の再生が行なわれる。前記制御
部61は、検波信号増幅部59により増幅し、質問器3
からの送信情報に基づいて前記FET変調部47を制御
し、メモリ部63に格納された応答器5の個別情報を符
合化した情報信号により反射波Frに付加させる変調制
御を行なう。
【0023】さらに、前記応答器5の主要部であるFE
T変調部47、検出部49、およびオープンスタブ51
について図3を参照しながら説明する。前記応答器5の
FET変調部47は、電圧により動作するFET(電界
効果型トランジスタ)67を用いて構成され、このFE
T67のドレインDには、マイクロストリップ等からな
る伝送線路69、カップリングコンデンサC1、前記同
様の伝送線路69を介してアンテナ45が接続されてお
り、アンテナ45により受信された質問器3からのマイ
クロ波Fcは伝送線路69、カップリングコンデンサC
1、伝送線路69を通じてFET67のドレインDに導
かれる。また、FET67のドレインDには、インダク
ダンスL1及び伝送線路69を介して電源電圧Vccが
接続され、このインダクダンスL1によりドレインDに
伝送線路69の影響を与えないようにして電源電圧Vc
cが供給される。さらに、FET67のドレインDとソ
ースS間にはインダクタンスL2が並列に接続され、こ
のインダクタンスL2によりドレインDとソースSが直
流的に同電位に保たれる。また、FET67のゲートG
は、抵抗R2およびR1を介して電源電圧Vccに接続
され、抵抗R2を介して前記制御部61に接続され、こ
の制御部61から応答器5の情報信号「H」および
「L」が印加される。尚、前記情報信号「L」は0Vで
あり、情報信号「H」は電源電圧Vccと等しい電圧で
ある。
【0024】さらに、前記FET67のソースSには、
極力短い伝送線路69、カップリングコンデンサC2、
前記同様な伝送線路69を介して受信マイクロ波検波用
のショットキーバリヤダイオードDiのカソード(又は
アノード)が接続されている。前記ショットキーバリヤ
ダイオードDiのアノード(又はカソード)には、受信
マイクロ波の周波数の約1/4実効波長の長さを有し、
且つ、先端部が開放されたオープンスタブ51が接続さ
れている。また、前記ショットキーバリヤダイオードD
iのカソード(又はアノード)側伝送線路69にはイン
ダクタンスL3の一端が接続され、他端は検出信号発生
部53および検波信号増幅部59に接続されているとと
もに、インダクタンスL3の他端とアース間にはコンデ
ンサC3及び負荷抵抗R3が接続されており、ショット
キーバリヤダイオードDiを通じて検波された検波信号
が図1に示す検出信号発生部53および検波信号増幅部
59に出力される。さらに、前記ショットキーバリヤダ
イオードDiのアノード(又はカソード)側とアース間
にはインダクタンスL4が接続されている。前記インダ
クタンスL3およびL4は、伝送線路69およびオープ
ンスタブ51の高周波特性に影響を与えないようなもの
を用いて構成されている。
【0025】尚、前記インダクタンスL1〜L4として
は、応答器5全体を薄形化・小形化するために高インピ
ーダンスの伝送線路を用いて平面的に構成されている。
また、前記応答器5においては、受信マイクロ波Fcの
周波数に対して、FET67のドレインDとソースS間
の電極間容量とインダクタンスL2により、並列共振回
路が構成されるようにインダクタンスL2の定数が設定
されており、これにより変調部47でのスイッチングの
効果が高められる。
【0026】次に、前記構成の応答器5の動作について
説明する。応答器5が受信可能領域に進入し、質問器3
からマイクロ波が発射されると、質問器3からの送信さ
れたマイクロ波は、応答器5のアンテナ45に受信さ
れ、アンテナ45から、マイクロストリップライン等の
伝送線路69、カップリングコンデンサC1、前記同様
の伝送線路69を通じて、FET67のドレインDに導
入される。そして、FET67においては、受信マイク
ロ波は、内部を通過してソースSに至り、ソースSから
前記同様の伝送線路69、カップリングコンデンサC
2、伝送線路69を通じて検出部49のショットキーバ
リヤダイオードDiに導かれ、このショットキーバリヤ
ダイオードDiにより、受信マイクロ波の検波が行わ
れ、この検波信号はショットキーバリヤダイオードDi
からインダクタンスL3および負荷抵抗R3を通じて検
出信号発生部53と検波信号増幅部59に出力される。
この場合、受信マイクロ波Fcの周波数に対して、FE
T67のゲートGは、抵抗R2およびR1を介して電源
電圧VCCにプルアップされているため、FET67のド
レインDとソースS間が低インピーダンス状態であると
ともに、受信マイクロ波Fcの周波数に対して、約1/
4実効波長の長さにオープンスタブ51が形成されて受
信マイクロ波に対して共振回路として動作するので、検
出部49のショットキーバリヤダイオードDiにおいて
は、効率のよい高周波電流が流れることになり、高出力
の検波信号を得ることができる。
【0027】前記検出信号発生部53では、検出部49
において検波された検波信号に基づいて、応答器5が通
信可能領域に進入したことを検出し、電源制御部55お
よび制御部61を起動し、前記電源制御部55により制
御部61などに電源の供給が行なわれる。前記検波信号
増幅部59では、検出部49において検波された検波信
号の増幅し、質問器3からの送信情報の再生が行なわれ
る。前記制御部61では、検波信号増幅部59により増
幅し、質問器3からの送信情報に基づいて前記FET変
調部47を変調制御し、メモリ部63に格納された応答
器5の個別情報を符合化した情報信号により反射波に付
帯させる変調制御が行なわれる。
【0028】さらに、前記FET67において、制御部
61からの情報信号がLとして出力される場合には、F
ET67のドレインDとソースS間は高インピーダンス
状態となり、これにより、受信マイクロ波はFET67
のドレインD部分で反射し、伝送線路69、カップリン
グコンデンサC1、伝送線路69を通じて、アンテナ4
5から応答器5の反射波Frとして質問器3に返送され
る。
【0029】他方、前記FET67において、制御部6
1からの情報信号が「H」として出力される場合には、
FET67のドレインDとソースS間は低インピーダン
ス状態となり、このため、受信マイクロ波はFET67
のドレインDおよびソースS間、ショットキーバリヤダ
イオードDiを通過して、オープンスタブ51の開放端
に達し、この開放端部分で受信マイクロ波が反射され、
再び、ショットキーバリヤダイオードDi、伝送線路6
9、カップリングコンデンサC2、伝送線路69、FE
T67、伝送線路69、カップリングコンデンサC1、
伝送線路69を通じて、アンテナ45から180゜位相
の変化された反射波Frとして質問器3に放射され、制
御部61によりメモリに格納された応答器5の個別情報
を符合化した情報信号が付加された反射波Frが返送さ
れる。この場合、前記オープンスタブ51の長さが1/
4実効波長に調整されているため、返送される反射波F
rが180゜位相変化した反射波が作り出されるので、
前記情報信号が「L」の時の反射波Frと、情報信号が
「H」の時の反射波Frとの位相差が180゜となる。
【0030】そして、応答器5から返送された情報信号
を含んだ反射波Frは、質問器3において、受信増幅部
19により増幅されて、パワーデバイダ21により第1
ミキサー部25と第2ミキサー部29との2系統に分配
されるとともに、スプリッタ13からはマイクロ波のエ
ネルギーの一部がパワーデバイダ23により2系統に分
配され、マイクロ波の一部がそのまま第1ミキサー部2
5に入力され、他の一部が90゜位相器27を介して第
2ミキサー部29に入力される。さらに、各々のミキサ
ー部25、29においてホモダイン検波されて検波信号
I、Qが出力され、各々の検波信号I、Qが、それぞれ
のフィルタ31、33および増幅器35、37を通じて
信号処理部39に入力され、信号処理部39において応
答器5の個別情報が再生される。
【0031】また、前記構成の応答器5においては、質
問器3における検波信号IおよびQの出力レベルを増大
させることが可能となり、このことについて、以下に、
図4および図5を参照しながら説明する。図4は伝送線
路69の図3に示すA部分からFET67側を見たイン
ピーダンスを示すスミスチャートである。図4におい
て、Oは中心点、Lzは応答器5の情報信号が「L」の
時のインピーダンス点であり、Hz点は情報信号が
「H」の時のインピーダンス点である。応答器5におい
て、受信マイクロ波を180゜位相変化させて反射波F
rを返送する場合には、図4に示すように、情報信号の
「L」、「H」に応じて中心点Oを対称にインピーダン
ス点Lzが180゜変化していることが理解できる。こ
れに対して、従来のダイオードからなる変調素子を用い
て反射・吸収して変調を行なう応答器5によれば、イン
ピーダンス点Lzから中心点Oまでしか移動させること
ができなかった。このような移動量の違いは、図5に示
すように、質問器3における検波信号IおよびQの出力
レベルに現れる。図5において、D(1)は従来のダイ
オードからなる変調素子を用いた応答器5による質問器
3の検波信号出力レベルを示し、D(2)は本実施例の
応答器5による質問器3の検波信号出力レベルを示して
いる。このように図5からも理解できるように、本実施
例によれば、質問器3の検波信号出力I、Qのレベルを
増大させることができ、これにより、質問器3の通信距
離を延すことが可能となる。
【0032】また、従来のダイオードからなる変調素子
を用いた変調方法と、本実施例のようにFET67を用
いた変調方法とを比較した場合には、図6に示すよう
に、質問器3における検波信号IとQの出力波形に大き
な相違が生ずる。図6(a)は応答器5の情報信号波形
を示し、図6(b)は応答器5の変調素子としてダイオ
ードを用いた場合の質問器3の検波信号出力波形を示
し、図6(c)は応答器5の変調素子としてFET67
を用いた本実施例の場合の質問器3の検波信号出力波形
を示している。図6からも理解できるように、変調素子
としてダイオードを用いた場合には、バイアス電流の吸
収により波形の立上がりが鈍ってしまい、このためダイ
オードを用いた変調素子の場合には高速の伝送に限界を
有するが、本実施例ではFET67による電圧変化によ
り変調が行なわれるため、図6(c)に示すように、波
形の立上がりが鈍らず、高速の伝送に充分に対応するこ
とが可能となる。
【0033】このように本実施例の応答器5において
は、質問器3からのマイクロ波を応答器5により検出す
る際に、送受信用のアンテナ45と、FET67からな
る変調部47と、ショットキーバリヤダイオードDiか
らなる検出部49とが直列接続されているので、アンテ
ナ45から検出部49までのエネルギー損失が少なくな
り、応答器5における検出可能距離を長くすることが可
能となる。また、変調部47の変調素子として電圧によ
り動作するFET67を用いたことにより、変調素子お
よび検出素子ともにバイアス電流が不要となり消費電流
が殆どなくなり、電池57の寿命を延すことが可能とな
って経済的となる。その結果、電力の省力化が可能とな
り、応答器5を小形、薄形にする場合に好適となる。さ
らに、電池容量が少なくて済むため、電池57の小形
化、薄形化を図ることが可能となる。さらに、変調部4
7の変調素子としてFET67を用いたことにより、従
来のダイオードを用いた場合に対して、波形の立上がり
が鋭くなり、応答器5の個別情報を返送する際に高速で
作動させることが可能となる。
【0034】また更に、変調部47の変調素子としてF
ET67を用いるとともにオープンスタブ51により受
信マイクロ波を180゜位相変化させて反射波Frを返
送させることができるので、情報信号の「L」、「H」
に応じてインピーダンス点を180゜変化させることが
可能となり、質問器3の検波信号出力I、Qのレベルを
増大させることが可能となり、質問器3の通信距離を大
きく延すことが可能となる。また、変調部47の変調素
子としてFET67を用いたことにより、受信マイクロ
波を180゜位相変化させて反射波Frを返送する場合
にも、従来のように2個のダイオードを用いることなく
可能となるので、部品点数が増大することなく経済的と
なり、更に、180゜位相変化させる際の省電力化およ
び伝送速度の高速性を図ることができる。
【0035】尚、前記実施例においては、変調素子とし
てFET67を用いて構成した場合について説明した
が、変調素子としては、これに限らず、電圧により動作
する素子であれば適用することが可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、質
問器からのマイクロ波を応答器により検出する際に、送
受信用のアンテナと、FETからなる変調部と、ショッ
トキーバリヤダイオードDiからなる検出部とが直列接
続されているので、アンテナから検出部までのエネルギ
ー損失が少なくなり、応答器における検出可能距離を長
くすることが可能となる。また、変調部の変調素子とし
て電圧により動作するFETを用いたことにより、変調
素子および検出素子ともにバイアス電流が不要となり消
費電流が殆どなくなり、電池の寿命を延すことが可能と
なって経済的となり、その結果、電力の省力化が可能と
なり、応答器を小形、薄形にする場合に好適となり、さ
らに、電池容量が少なくて済むため、電池の小形化、薄
形化を図ることが可能となる。さらに、変調部の変調素
子としてFETを用いたことにより、従来のダイオード
を用いた場合に対して、波形の立上がりが鋭くなり、応
答器の個別情報を返送する際に高速で作動させることが
可能となる。
【0037】また更に、変調部の変調素子としてFET
を用いるとともにオープンスタブにより受信マイクロ波
を180゜位相変化させて反射波Frを返送させること
ができるので、情報信号のL、Hに応じてインピーダン
ス点を180゜変化させることが可能となり、質問器の
検波信号出力I、Qのレベルを増大させることが可能と
なり、質問器の通信距離を大きく延すことが可能とな
る。また、変調部の変調素子としてFETを用いたこと
により、受信マイクロ波を180゜位相変化させて反射
波Frを返送する場合にも、従来のように2個のダイオ
ードを用いることなく可能となるので、部品点数が増大
することなく経済的となり、更に、180゜位相変化さ
せる際の省電力化および伝送速度の高速性を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係り、移動体識別装置およ
び応答器の概略構成を示すブロック図である。
【図2】質問器の概略構成を示すブロック図である。
【図3】応答器のFET変調部、検出部およびオープン
スタブ部を示す回路構成図である。
【図4】FET変調部のスミスチャートである。
【図5】質問器における反射波の検波出力レベルを示す
図である。
【図6】(a)〜(c)は質問器の検波出力波形を比較
して示す波形図である。
【符号の説明】
1 移動体識別装置 3 質問器 5 応答器 45 アンテナ 47 変調部 49 検出部 51 オープンスタブ(一端が開放な伝送線路) 67 FET(変調素子) Di ショットキーバリヤダイオード

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質問器から発射された所定の電波を受信
    し、その受信電波を、格納された個別情報に応じ変調し
    て前記質問器に反射させることにより、前記格納された
    個別情報を非接触で伝送する移動体識別装置の応答器で
    あって、 前記質問器から送信された電波を受信するとともに、該
    受信電波を送信するアンテナと、 前記アンテナに接続され、電圧によってスイッチング動
    作を行なう変調素子からなる変調部と、 前記変調部に接続され、前記質問器からの受信電波を検
    波する検出部と、 前記検出部に接続され、開放端部で前記受信電波を反射
    する伝送線路と、 を備えたことを特徴とする移動体識別装置の応答器。
  2. 【請求項2】 前記変調素子が、FETによりなる請求
    項1記載の移動体識別装置の応答器。
  3. 【請求項3】 前記伝送線路が、受信電波の1/4実効
    波長の長さに形成された請求項1又は2記載の移動体識
    別装置の応答器。
  4. 【請求項4】 前記検出部が、ショットキーバリヤダイ
    オードにより構成された請求項1、2又は3記載の移動
    体識別装置の応答器。
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