JP2000214255A - 船舶用レ―ダ装置 - Google Patents

船舶用レ―ダ装置

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JP2000214255A
JP2000214255A JP11015923A JP1592399A JP2000214255A JP 2000214255 A JP2000214255 A JP 2000214255A JP 11015923 A JP11015923 A JP 11015923A JP 1592399 A JP1592399 A JP 1592399A JP 2000214255 A JP2000214255 A JP 2000214255A
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radar
ship
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aspect angle
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JP11015923A
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Masanori Sudo
正則 須藤
Shuichi Hashimoto
修一 橋本
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Japan Radio Co Ltd
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Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーダ装置の操作およびレーダ映像による観測
等に関する専門の技能を持たない乗組員であっても、他
船の船級や仕様情報を容易に知り得るようにする。 【解決手段】乗組員であるレーダ装置の操作者が注目し
たい物標を表示器24のレーダ画面上でカーソルにより
指定したとき、レーダ断面積算出部34により物標であ
る他船に係る受信信号に基づいて該物標のレーダ断面積
を算出する。所望の時間経過後、操作者が再度、注目し
ている物標をカーソルで指定したとき、アスペクト角算
出部36により、過去の物標位置と現在の物標位置とか
ら求めた物標の進行方向と自船位置とから物標のアスペ
クト角を算出する。DB検索部38は、算出された物標
のレーダ断面積とアスペクト角に対応してデータベース
40から物標(他船)の船級、および該船級に応じた船
舶の仕様情報を読み出し、表示器24上に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、船舶等に搭載さ
れて、陸地や他の船舶等の物標の探知を行うための船舶
用レーダ装置に関し、特に、レーダ装置の操作およびレ
ーダ映像による観測等に関する専門の技能を持たない操
作者であっても、他船の船級や仕様情報を容易に知るこ
とを可能とする船舶用レーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から船舶にはレーダ装置が搭載さ
れ、陸地や他の船舶等の物標の探知を行い、航路の観測
や衝突防止のための観測が行われている。
【0003】レーダ装置は、周知のように、回転する空
中線から所定周波数の送信電波を発射し、この送信電波
が物標により反射された反射電波(エコー信号)を受信
してレーダ指示機の表示器に自己位置を中心とした同心
円状の画像として表示する。
【0004】このようなレーダ装置によれば、航行中並
びに停泊中に自船に接近する他の移動船舶の観測、ある
いは陸地等の固定的な物標からの反射電波をもとに航路
を観測し、また、自船の停泊位置から潮流等の影響によ
って離脱したか否かの監視等を行うことができる。従っ
て、自船の位置と自船に近づく他の船舶の移動状況を把
握して衝突等の危険の有無を判断し、適切な回避行動を
取ることにより航行の安全を図ることができる。
【0005】従来、船舶の衝突を予防するための支援装
置やレーダ装置に関する技術としては、第1に、レーダ
装置で観測した物標のエコー信号を用い赤外線カメラに
より衝突の可能性がある障害物の映像を捕捉する技術
(特開昭62−247988号公報)、第2に、レーダ
空中線で得られた情報に該情報の信頼度係数を演算して
衝突警戒範囲等を表示する技術(特開昭62−1194
87号公報)、第3に、陸上の固定局レーダ装置により
逐次入力される各物標の将来の予測位置を逐次算出して
物標を追尾し、衝突のおそれのある物標についてはその
大きさを変数として加味した警報判定値を用いて警報判
定を行う技術(特開平8−235500号公報)等が知
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、船舶
に従事する船員を確保することが困難になっており、ま
た、操船コストや経費削減等のために船舶の省力化やワ
ンマン・ブリッジ化が進んでいる。このため、従来は、
船舶に搭載された航法機器を取り扱う専門の航海士や通
信士等を含む多数の乗組員により航行していた船舶にお
いても、現在では、操舵から航法機器の取り扱いまで、
限られた人数の船員で、しかも専門技能を持たない乗組
員を含んで航行を遂行しなければならなくなっている。
【0007】このような背景のもと、上記従来技術に記
載したような衝突予防装置(ARPA)の搭載が小型船
舶にも要求されるようになってきているが、小型船舶に
おいてはローリング、ピッチングが大きく、充分にその
性能を発揮できない状況にある。
【0008】一般に、レーダ画面上での物標映像の大き
さは、アンテナを介して送信される送信電波のビーム幅
に依存する。物標が比較的近距離にあり、送信電波のビ
ーム幅より物標が大きい場合、エコー信号により物標の
大きさ形状を表現でき、視界が悪くても、どのような物
標であるのかをある程度判断することが可能であるが、
遠方にある物標のように、送信電波のビーム幅の中に物
標が入ってしまう場合は、その大きさの大小にかかわら
ず、同じ大きさで表示されるため、単にレーダ画面上の
物標の映像を観測しても、相手船舶の大きさや船級、船
型等を知ることはできない。
【0009】このため、船舶に搭載されているレーダ装
置において、レーダ画面上に物標を表示する際、該物標
に係る受信信号を利用し、相手船舶の大きさ、船級や船
型の識別が可能な機器の提供が望まれている。
【0010】このようなレーダ装置を提供することによ
り、専門的なレーダ操作技能を持たない船員であって
も、容易に他船の動きや大きさ、船級、船型等の情報か
ら該他船の最大速度、最小回転半径などの仕様情報を得
て相手船舶の行動が予測可能となり、適切な回避行動を
とることができ、船舶の安全航行上極めて有益であるか
らである。
【0011】しかしながら、上記した従来のレーダ装
置、衝突防止支援装置に関する技術はいずれも船舶用レ
ーダ装置に対する上記要求を満足するものではなかっ
た。
【0012】ただ、将来的には、レーダトランスポンダ
技術を利用し、各船舶に応答装置を搭載して、自船に設
置した質問装置から発信した電波を受信すると他船から
それに同期した応答信号を発信してレーダ画面上に物標
の種類等を物標のレーダ映像とともに表示し識別を容易
にする方法が考えられるが、そのためには、各船舶にレ
ーダ装置の他、付加的な装置の搭載が必要であり、関係
法規の改正を含め直ちに実現することには困難が伴うと
いう不都合が存在していた。
【0013】従って、この発明は、レーダ装置の操作お
よびレーダ映像による観測等に関する専門の技能を持た
ない操作者であっても、他船の船級や仕様情報を容易に
知り得ることを可能とする船舶用レーダ装置を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、レーダ映像
を表示する表示手段と、送信レーダ電波に対する物標か
らの反射電波により生成される受信信号に基づいて該物
標のレーダ断面積を算出するレーダ断面積算出手段と、
自船位置と、過去と現在の物標位置から求めた物標の進
行方向とから物標のアスペクト角を算出するアスペクト
角算出手段と、予め物標のレーダ断面積とアスペクト角
に対応して、物標の船級、該船級に応じた船舶の仕様情
報を蓄積したデータベースと、それぞれ算出されたレー
ダ断面積とアスペクト角に応じて前記データベースを検
索し、該データベースに蓄積された物標の船級および該
船級に対応した船舶の仕様情報を読み出して出力する物
標情報検索手段とを備えることを特徴としている(請求
項1記載の発明)。
【0015】この発明では、従来のようにレーダ映像情
報からレーダ操作者が物標の大きさを判断するのではな
く、物標である船舶のレーダ断面積と、送信電波が物標
に当たるときの入射角がわかれば、船舶の大きさや船級
が推定でき、該船級により、該当する船舶の持つ最大速
度、最小回転半径等の仕様情報を知ることができるとい
う考察に基づくものであり、船舶の仕様情報をレーダ断
面積とアスペクト角に従ってデータベース化したもので
ある。
【0016】このことにより、レーダ操作者が注目した
い物標を表示手段上でカーソル等で指示することによ
り、レーダ断面積とアスペクト角に応じて前記データベ
ースに蓄積された物標の船級や船級に対応した船舶の仕
様情報を読み出し表示することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明に係る船舶用レーダ装置
の一実施の形態について、添付の図面を参照しながら以
下詳細に説明する。
【0018】図1は、この一実施の形態に係る船舶用レ
ーダ装置10の構成を示すブロック図である。レーダ装
置10は、水平方向に回転する不図示のアンテナから所
定周波数の送信信号(送信レーダ電波)を発射し、この
送信レーダ電波が物標により反射された反射電波を受信
して受信信号であるレーダ映像信号を生成する送受信機
12と、送受信機12で生成されたレーダ映像信号をデ
ジタル信号に変換するA/D変換器14と、デジタル変
換されたレーダ映像信号を一時記憶するバッファメモリ
16と、バッファメモリ16に一時記憶されたレーダ映
像信号に対して処理をする信号処理回路18と、該信号
処理回路18により処理されたレーダ映像信号を、送受
信機12で得られた反射波の方位信号と距離信号に基づ
いて2次元XY座標の画像データに変換しフレームメモ
リ22に蓄積するスキャンコンバータ20と、フレーム
メモリ22に蓄積された2次元画像データを画面上に表
示するラスタスキャン型のCRT表示器(レーダ映像等
表示手段)24とを有している。これらの構成要素は周
知のレーダ装置と同様である。
【0019】この実施の形態に係るレーダ装置10は、
さらに、信号処理回路18の出力側に接続されるゲート
回路26と、データベース40と、自船の位置を検出す
るGPSあるいはDGPS等の自船位置検出装置48
と、カーソルキー等を有する入力手段としてのキーボー
ド46と、該ゲート回路26、該データベース40、該
自船位置検出装置48、該キーボード46および前記信
号処理回路18、前記スキャンコンバータ20、前記フ
レームメモリ22にそれぞれ接続されてこれらを制御す
るCPUを有する処理プロセッサ(演算処理手段)30
を備えている。
【0020】処理プロセッサ30は、CRT表示器24
の画面上で、キーボード46の操作により移動される十
字形等のカーソルにより指示された物標に応じて、フレ
ームメモリ22から該物標の画像データの2次元XY座
標を得て、これを極座標(R,θ)に変換しゲート回路
26に供給する座標変換部(座標変換手段)32と、物
標に係る受信信号に基づいて物標のレーダ断面積を算出
するレーダ断面積算出部(レーダ断面積算出手段)34
と、自船位置と過去および現在の物標位置から求めた物
標の進行方向とから前記物標のアスペクト角を算出する
アスペクト角算出部(アスペクト角算出手段)36と、
詳細を後述する他船舶に関する物標情報を蓄積したデー
タベース40を検索するDB検索部(データベース検索
手段)38等の機能を有している。
【0021】ゲート回路26は、処理プロセッサ30か
ら供給された極座標の距離Rと方位θをもとに、前記カ
ーソルにより指定された物標を中心に、距離R=R±Δ
R/2、方位θ=θ±Δθ/2のゲート幅(この場合に
は、CRT表示器24の画面上でリング片形状のゲート
幅となる。)を設定する。そしてこのゲート回路26
は、設定されたゲート幅の中で、信号処理回路18によ
り処理されたレーダ映像信号の中、最大受信レベル(ピ
ークレベル)Vを抽出し処理プロセッサ30に送出す
る。
【0022】処理プロセッサ30は、レーダ断面積算出
部34においてレーダ映像信号の最大受信レベルVか
ら、物標のレーダ断面積σを算出し、また、アスペクト
角算出部36により、物標の過去の動きから自船のレー
ダ送信電波が該物標に当たる時の入射角度であるアスペ
クト角φを算出する。
【0023】データベース40には、予めレーダ断面積
σとアスペクト角φをもとに、船舶の船級(ここでは、
船級I、II、III等とする。)を区分したパターン
表42と、該当する船級毎にその船舶の船長等の船舶仕
様である物標情報表44が蓄積されている。
【0024】図2は、データベース40中、パターン表
42のテーブル構成の例を示す図であり、このパターン
表42では、縦方向をレーダ断面積σ、横方向をアスペ
クト角φとしたテーブルによって船級I、II、III
等の区分が識別できるように構成されている。
【0025】図3は、データベース40中、物標情報表
44のテーブル構成を示す図であり、この物標情報表4
4では、縦方向の船級I、II、III等に対応して、
横方向に船長(m:船級Iの船舶の場合には、10
m)、トン数(t:船級Iの船舶の場合には、10
t)、最大速度(knot:船級Iの船舶の場合には、
15knot)、最小回転半径(回頭能力)(m:船級
Iの船舶の場合には、15m)等の船舶の仕様情報、す
なわち、物標情報が蓄積されている。このように、物標
情報表44は、船級をラベルとしたリスト構造としてデ
ータベース40化されたメモリである。
【0026】処理プロセッサ30のDB検索部38は、
レーダ断面積算出部34とアスペクト角算出部36とで
算出されたレーダ断面積σとアスペクト角φとから、デ
ータベース40を検索し、パターン表42と物標情報表
44を検索し、該当する船舶の物標情報を読み出す。読
み出された物標情報は、フレームメモリ22を通じてC
RT表示器24上にメッセージ等として表示される。
【0027】この実施の形態に係るレーダ装置10は、
基本的には、以上のように構成されるものであり、次に
その作用についてより詳細に説明する。
【0028】送受信機12は、周知の送受信機と同様、
アンテナを水平方向に回転させるモータと、モータの回
転軸に連結されたエンコーダと、送信トリガ発生器と、
所定の周波数の送信信号を前記アンテナを介して送信電
波として送信する送信機と、物標からの反射電波を受信
してレーダ映像信号を生成して出力する受信機と、前記
送信トリガ発生器に接続され、送信トリガ発生から反射
電波の受信までの時間により物標までの距離を計測する
距離計測タイマ等から構成されている。
【0029】モータにより水平面内で回転駆動されアン
テナの船舶の船首に対する方位情報(アンテナの方位情
報、方位信号)θを示す回転方位信号がエンコーダから
出力される。送信トリガ発生器から出力される送信トリ
ガが送信機に入力され、この送信トリガによってマグネ
トロン等の発振器で発振した所定周波数の送信パルスが
送信機から送出され、アンテナから発射される。
【0030】アンテナから発射された送信電波は、陸地
や海上を航行する他の船舶等の物標によって反射され、
この物標からの反射電波を受信機で受信する。受信機で
受信した信号の振幅値、すなわち、反射電波の受信信号
のレベルがレーダ映像信号としてA/D変換器14に入
力され、デジタル信号に変換される。
【0031】一方、送信トリガ発生器の送信トリガ出力
は、距離計測タイマにも供給され、送信トリガ信号が供
給された時点から反射波が受信機により受信されるまで
の経過時間を距離計測タイマにより計測する。距離計測
タイマで計測した経過時間と、送信した電波の伝播速度
の積を1/2した値が物標までの距離Rとなり、送受信
機12から出力される。距離計測タイマの計測動作は、
予め操作部から設定した最大計測距離を示す時間経過を
検出することにより完了しリセットされる。
【0032】A/D変換器14でデジタル信号に変換さ
れたレーダ映像信号は、方位信号θ、距離信号Rととも
にバッファメモリ16に逐次一時記憶される。バッファ
メモリ16に一時記憶されたレーダ映像信号は、信号処
理回路18により読み出され、ノイズや海面反射による
信号成分の除去等の所定の信号処理が行われる。信号処
理後のレーダ映像信号が、スキャンコンバータ20によ
り2次元XY座標の画像データに変換されフレームメモ
リ22に蓄積される。
【0033】フレームメモリ22に蓄積された2次元画
像データがCRT表示器24上に読み出され、画面上に
物標のレーダ映像が表示される。以上の作用は通常のレ
ーダ装置と同様のものである。
【0034】次に、CRT表示器24の画面上に表示さ
れた物標のレーダ映像から、該物標である船舶の船級、
該当する船級の船舶に関する仕様情報を得る手順につい
て図4に示す処理フローチャートを用いて詳細に説明す
る。
【0035】先ず、ステップS1においてレーダ操作者
は、CRT表示器24に表示された物標(船舶)Aの船
級等の詳細を知りたいとき、CRT表示器24の画面上
で十字カーソル等のカーソルにより詳細を知りたい物標
(船舶)Aをキーボード46を利用して指示する。この
場合、キーボード46上の操作により画面上にカーソル
を表示させ、かつ該カーソルの位置を指定することがで
きる。
【0036】ステップS2において処理プロセッサ30
は、画面上で指定されたカーソルの位置情報に従って、
フレームメモリ22から該物標Aの画像データの2次元
XY座標(X0,Y0)を得、これを座標変換部32の
処理により極座標(距離,方位)=(R0,θ0)に変
換しゲート回路26に供給する。
【0037】ゲート回路26は、処理プロセッサ30か
ら供給された距離R0と方位θ0をもとに、カーソルに
より指定された物標を中心に、距離R0=R0±ΔR0
/2、方位θ0=θ0±Δθ0/2のゲート幅(リング
片形状のゲート幅)を設定する。なお、ゲート幅を構成
する距離微小幅ΔR0と方位微小幅Δθ0は、それぞ
れ、距離R0と方位θ0に対して、デフォルトではある
比率をかけた値に自動的に設定されるが、この比率もキ
ーボード46を利用して変更することが可能である。
ゲート回路26は、設定されたゲート幅の中で、信号処
理回路18により処理されたレーダ映像信号の最大受信
レベルVを抽出する。
【0038】ここで、ゲート回路26において最大受信
レベルVを求める方法には、極座標のレーダスイープ映
像から求める方法(便宜的に、スイープ上から求める方
法という。)とXY直交座標のレーダ映像から求める方
法(便宜的に、フレーム上から求める方法という。)の
2通りの方法を採用することができる。
【0039】スイープ上から求める方法は、信号処理回
路18で処理されたデジタル信号から、先ず最初にθ−
Δθの距離R−ΔRからR+ΔRのスイープ上の最大値
を求め、さらにθ+Δθの方位まで同様に距離R−ΔR
からR+ΔRのスイープ上の最大値を求めてゲート幅の
中の最大値(最大受信レベル)Vを求める方法であり、
図1に示すレーダ装置10はこの方法を取った実施態様
を示している。すなわち、信号処理回路18では、レー
ダスイープ映像が得られるので、このレーダスイープ映
像に基づいてゲート幅(リング片形状のゲート幅)内の
最大値を求める。
【0040】フレーム上で求める方法は、極座標(R,
θ)で表現されたゲート幅を2次元XY座標系に変換し
て、フレームメモリ22上にゲート(このゲートは、四
角形状のゲートとなる。)を設定して、このゲートで囲
まれた部分の画素データの中で最大値(最大受信レベ
ル)Vを求める方法である。
【0041】ゲート回路26で求められた最大受信レベ
ルVは、処理プロセッサ30に送られる。この処理プロ
セッサ30中のレーダ断面積算出部34で以下の処理を
行うことにより、物標のレーダ断面積σを算出する(ス
テップS3)。
【0042】すなわち、最大受信レベルVとするとき、
この最大受信レベルV時における物標からの受信電力を
Pr、送信電力をPt、アンテナ利得をG、電波の波長
をλ、電波伝播特性をF、受信機利得をGain、受信
機入力インピーダンスをZとすると、以下の(1)式お
よび(2)式が成立する。
【0043】 Pr=[PtG2 λ2 σ/{(4π)3 4 }]F2 …(1) V=klog{Gain(2ZPr)1/2 } …(2) (1)式を変形してレーダ断面積σは、次の(3)式で
得られる。
【0044】 σ=Pr(4π)3 4 /PtG2 λ2 2 …(3) また、(2)式を変形して、物標からの受信電力Pr
は、次の(4)式で得られる。
【0045】 Pr=(10V/k /Gain)2 /2Z …(4) (4)式を(3)式に代入することによりレーダ断面積
σは、次の(5)式で求められる。
【0046】 σ=(4π)3 102V/k4 /2ZGain2 PtG2 λ2 2 …(5) 次に、ステップS4において、レーダ操作者は、任意の
時間経過後、例えば、数分後にCRT表示器24の画面
上でカーソルを移動して、先に指定した物標(船舶)A
を再度指示する。
【0047】これにより、処理プロセッサ30では、以
前に(過去に)指定した物標のカーソル位置(X0,Y
0)と、再度指示した現在の物標のカーソル位置(X
1,Y1)とから、物標の移動方向を求め、この移動方
向を極座標(R1,θ1)に変換した後、以下に説明す
るように、アスペクト角算出部36により物標のアスペ
クト角φを求める。
【0048】アスペクト角φは、図5に示すように、自
船Mからのレーダ電波が、物標である他船(物標)Aに
当たるときの入射角度であり、他船Aの船首方位Sを基
準にして時計方向の回転角度をいう。
【0049】物標である他船Aの動き、すなわち、船首
方位Sは、過去の物標Aの動きから現在の船首方位Sを
決定する。
【0050】図6に示すように、海図を想定した座標系
(北Nがレーダ画面の方位0度を示す座標系)でレーダ
画面を例にとって説明すると、自船Mが船首方位Q(ア
スペクト角θm)の方向に進んでいる場合で、物標(他
船)Aの位置が自船Mから極座標(R,θ)にあり、他
船Aが過去の観測値から船首方位S(アスペクト角φ
t)の方向に進んでいるとするとき、物標である船舶A
のアスペクト角φは、次の(6)式で表すことができる
(ステップS5)。
【0051】 φ=θm+θ−φt+a×180° …(6) ここで、定数aは、+1または−1の値で、自船Mと物
標(他線)Aの位置関係でいずれかの値に決定される。
このアスペクト角φを求める過程は、物標Aを自動追尾
する機能を用いて行うことも可能である。
【0052】以上のようにして、所望の船舶である物標
Aのアスペクト角φ{上記(6)式による。}とレーダ
断面積σ{上記(5)式による。}が得られると、ステ
ップS6において、処理プロセッサ30は、DB検索部
38によりデータベース40を検索する。
【0053】この場合、先ずパターン表42からアスペ
クト角φとレーダ断面積σにより該当する船級が求めら
れ、求めた船級に対応する船舶の仕様情報(船長、トン
数、最大速度、最小回転半径等)が物標情報表44から
読み出され、ステップS7において、CRT表示器24
の画面上のメッセージ表示エリア等の表示領域に表示さ
れる。
【0054】以上、詳細に説明したように、レーダ操作
者は、任意の物標について特別の操作を行うことなく、
単に物標(船舶)の位置をカーソルで指定するのみで、
該物標(船舶)の仕様情報を得ることができる。
【0055】従って、他船との距離が接近して危険に遭
遇しそうになった場合であっても、相手船舶の大きさや
最大速度、最小回転半径等の仕様情報が分かっているた
め、危険から未然に回避するための判断が正確に行える
可能性が高くなり、また、自船の最適な操舵(避行操
船)を容易に行える可能性が得られる。
【0056】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る船舶用レ
ーダ装置によれば、レーダ装置の操作およびレーダ映像
による観測等に関する専門の技能を持たない操作者が、
他船の船級や仕様情報を容易に知り得ることができると
いう効果が達成される。
【0057】そして、レーダ画面上の物標映像から相手
船舶の大きさ、船級、最大速度、最小回転半径等、該船
舶の仕様情報が分かれば、自船の操舵に役立てることが
できる。
【0058】特に、霧等で視界が悪く自船の前方を横切
る船が大型商船であるのか大型漁船であるのか、あるい
は小型漁船であるのかを識別できれば、その船舶の回頭
能力や最大速度が分かることになり、危険に遭遇しそう
だなというときの避行操船が容易になる可能性が得られ
る。
【0059】さらに具体的に、航海士等が乗船している
場合の、この発明の効果を説明すると、航海士等がレー
ダ画面上で他船の位置・進行方位情報等が分かり、さら
に該他船の性能仕様を理解することができれば、該他船
の行動パターンを予測することが可能となり、船の安全
航行および操業に大いに役立つこととなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る船舶用レーダ装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】データベース中、パターン表のテーブル構成を
示す説明図である。
【図3】データベース中、物標情報表のテーブル構成を
示す説明図である。
【図4】物標のレーダ映像から、船舶の仕様情報を得る
手順を示すフローチャートである。
【図5】アスペクト角を説明するための平面視的模式図
である。
【図6】アスペクト角の算出の原理を説明するための平
面視的模式図である。
【符号の説明】
10…レーダ装置 12…送受信
機 14…A/D変換器 16…バッフ
ァメモリ 18…信号処理回路 20…スキャ
ンコンバータ 22…フレームメモリ 24…CRT
表示器 26…ゲート回路 30…処理プ
ロセッサ 32…座標変換部 34…レーダ
断面積算出部 36…アスペクト角算出部 38…DB検
索部 40…データベース 42…パター
ン表 44…物標情報表 46…キーボ
ード 48…自船位置検出装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H180 AA25 CC14 LL01 LL08 5J070 AC01 AC11 AC19 AF05 AH19 AH31 AH33 AJ03 AJ14 AK40 BF11 BG02 BG19 BG24 BG29 BG30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーダ映像を表示する表示手段と、 送信レーダ電波に対する物標からの反射電波により生成
    される受信信号に基づいて該物標のレーダ断面積を算出
    するレーダ断面積算出手段と、 自船位置と、過去と現在の物標位置から求めた前記物標
    の進行方向とから前記物標のアスペクト角を算出するア
    スペクト角算出手段と、 予め物標のレーダ断面積とアスペクト角に対応して、物
    標の船級、該船級に応じた船舶の仕様情報を蓄積したデ
    ータベースと、 それぞれ算出された前記レーダ断面積と前記アスペクト
    角に応じて前記データベースを検索し、該データベース
    に蓄積された物標の船級および該船級に対応した船舶の
    仕様情報を読み出して出力する物標情報検索手段とを備
    えることを特徴とする船舶用レーダ装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の船舶用レーダ装置におい
    て、 さらに、前記表示手段の画面上で指定された物標を中心
    とした所定のゲート幅を設定し、該ゲート幅に応じて物
    標からの受信信号レベルの最大値を検出するゲート手段
    を含み、 前記レーダ断面積算出手段は、前記ゲート手段により検
    出した最大の受信信号レベルに基づいてレーダ断面積を
    算出することを特徴とする船舶用レーダ装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の船舶用レーダ装置におい
    て、 前記データベースは、レーダ断面積とアスペクト角に応
    じて物標の船級情報を記憶したパターン表と、前記船級
    に応じて該当する船舶の仕様情報を記憶した物標情報表
    とを含むことを特徴とする船舶用レーダ装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の船舶用レーダ装置におい
    て、 前記物標情報表に記憶した船舶の仕様情報は、少なくと
    も、該船舶の船長と最大速度と最小回転半径とを含むこ
    とを特徴とする船舶用レーダ装置。
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