以下、本発明に係る信号処理装置としての信号処理部7を有するレーダ装置1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るレーダ装置1のブロック図である。本実施形態のレーダ装置1は、例えば、舶用レーダであって、主に他船等の物標の探知に用いられる。また、レーダ装置1は、追尾物標として選択された物標を追尾することが可能に構成されている。尚、以下では、レーダ装置1が備えられている船舶を「自船」という。
そして、レーダ装置1では、詳細は後述するが、検出されたエコー像が鏡面反射偽像であるか否かが判定され、鏡面反射偽像であると判定されたエコー像については、そのエコーレベルが表示画面中において低減されるとともに、追尾物標から除外される。
図1に示すように、レーダ装置1は、アンテナユニット2と、信号処理部7(信号処理装置)と、表示器6と、を備えている。
アンテナユニット2は、アンテナ2aと、受信部2bと、A/D変換部2cと、を含んでいる。
アンテナ2aは、指向性の強いパルス状電波(送信波)を送波可能なレーダアンテナである。また、アンテナ2aは、物標からの反射波を受波するように構成されている。レーダ装置1は、パルス状電波を送波してから反射波を受波するまでの時間を測定する。これにより、レーダ装置1は、物標までの距離を検出することができる。アンテナ2aは、水平面上で360°回転可能に構成されている。アンテナ2aは、パルス状電波の送波方向を変えながら(アンテナ角度を変えながら)、電波の送受波を各タイミングで行うように構成されている。以上の構成で、レーダ装置1は、自船周囲の平面上の物標を、360°にわたり探知することができる。
なお、以下の説明では、パルス状電波を送波してから次のパルス状電波を送波するまでの動作を「スイープ」という。また、電波の送受信を行いながらアンテナを360°回転させる動作を「スキャン」と呼ぶ。
受信部2bは、アンテナ2aで受波した反射波から得られるエコー信号を検波して増幅する。受信部2bは、増幅したエコー信号を、A/D変換部2cへ出力する。A/D変換部2cは、アナログ形式のエコー信号をサンプリングし、複数ビットからなるデジタルデータに変換する。このデジタルデータは、エコーデータである。このエコーデータは、アンテナ2aが受波した反射波から得られたエコー信号の強度を特定するデータを含んでいる。A/D変換部2cは、エコーデータを、信号処理部7へ出力する。
[信号処理部の構成]
信号処理部7は、偽像処理部20と、レーダ画像生成部3と、追尾処理部4と、エコー識別処理部10と、表示画像生成部5とを有している。
信号処理部7は、ハードウェア・プロセッサ8(例えば、CPU、FPGA等)及び不揮発性メモリ等のデバイスで構成される。例えば、CPUが不揮発性メモリからプログラムを読み出して実行することにより、信号処理部7を、偽像処理部20、レーダ画像生成部3、追尾処理部4、エコー識別処理部10、及び表示画像生成部5として機能させることができる。
図2は、図1に示す偽像処理部20のブロック図である。偽像処理部20は、図2に示すように、エコー波形抽出部21と、追尾物標候補検出部22と、偽像判定部23とを有している。
図3は、図2に示すエコー波形抽出部21によって抽出されたエコー波形EW1,EW 2を、該エコー波形EW1,EW2が抽出されたエコーサンプル列ES1とともに示す図である。また、図4は、自船に搭載されたレーダ装置1と、自船周辺の海域及びエコー像とを模式的に示す図であって、図2に示す追尾物標候補検出部22によって検出される追尾物標候補について説明するための図である。なお、図3に示すエコーサンプル列ES1は、図4における直線L1に沿って得られたものである。
エコー波形抽出部21は、図3に示すように、横軸をサンプル番号(自船位置からの距離に対応)、縦軸をエコーの振幅値とする座標上に、1回のスイープ時に得られる複数のサンプルをプロットして得られたエコーサンプル列ES1の中から、エコー波形EW1,EW2を抽出する。具体的には、エコー波形抽出部21は、エコーサンプル列ES1を構成する複数のサンプル点のうち所定の閾値Thr1以上の振幅値を有し且つサンプル番号が連続する複数のサンプル点を、エコー波形EW1,EW2として抽出する。図3に示す例では、2つのエコー波形EW1,EW2が抽出される。エコー波形抽出部21は、スイープ毎に生成されるエコーサンプル列毎に、エコー波形EW1,EW2を抽出する。
追尾物標候補検出部22は、エコー波形抽出部21で抽出されたエコー波形の地理的な位置を、各スイープで得られるスイープ信号を取得したときのアンテナ方位及びサンプリングレートから算出し、エコー波形間の距離が所定値以内となるもの同士を同一物標からのエコー波形としてグループ化し、それを追尾物標候補として検出する。図4では、各追尾物標候補に対応するエコー像E1,E2,E3が検出された例が示されている。
図5は、偽像判定部23によって偽像であるか否かの判定が行われるエコー像について説明するための図である。偽像判定部23は、追尾物標候補として検出されたエコー像E 1,E2,E3の全てを対象として、各追尾物標候補が偽像であるか否かを判定する。以下では、エコー像E1が偽像であるか否かについて判定される例について説明する。
偽像判定部23は、方位条件判定部24と、距離条件判定部25とを有している。
方位条件判定部24は、レーダ装置1の位置(より正確にはアンテナ2aの位置)と判定対象となるエコー像E1とを繋ぐ直線上に他のエコー像が存在しているか否かを判定する。なお、以下では、エコー像E1を第1エコー像E1と称する。方位条件判定部24は、その直線上に他のエコー像が存在していない場合、偽像判定部23は、前記第1エコー像が偽像でないと判定する。
距離条件判定部25は、前記直線上に他のエコー像(以下では便宜上、このエコー像E 2を第2エコー像E2と称する)が存在していると前記方位条件判定部24が判定した場合に、所定の判定を行う。具体的には、距離条件判定部25は、第1エコー像E1から第2エコー像E2までの距離d1と、前記第2エコー像から他のエコー像(図5に示す例の場合、第3エコー像E3)まで距離d2との距離差Δdを算出し、その距離差Δdを所定の閾値と比較する。そして、距離条件判定部25は、距離差Δdが閾値よりも大きい場合には、第1エコー像E1が第3エコー像E3に起因する鏡面反射偽像でないと判定する。一方、距離条件判定部25は、距離差Δdが閾値以下の場合には、第1エコー像E1が第3エコー像E3に起因する鏡面反射偽像Fであると判定する。偽像判定部23によって偽像Fと判定されたエコー像E1に関するデータ(具体的には、エコー像E1の位置、及びエコー像E1の各位置におけるエコー強度)は、レーダ画像生成部3、追尾処理部4、及びエコー識別処理部10へ通知される。
図6は、レーダ画像生成部3によって生成されるレーダ画像Prの一例を模式的に示す図である。レーダ画像生成部3は、A/D変換部2cから出力されたエコーデータに基づき、自船位置を中心とした水平方向の360度に亘るレーダ画像Prを生成する。また、レーダ画像生成部3は、偽像判定部23によって偽像Fであると判定されたエコー像E1の輝度を低減する処理を行う。これにより、図6を参照して、偽像Fを表示画面上において除去することができる。なお、図6におけるドットの密度は、物標からの反射波のエコー強度に対応している。具体的には、高強度のエコーが観測された場所は密度が高いドットで図示され、低強度のエコーが観測された場所は密度が低いドットで図示されている。
追尾処理部4は、A/D変換部2cから出力されたエコーデータに基づいて追尾物標を特定し、当該追尾物標を追尾する追尾処理を行うように構成されている。具体的には、追尾処理部4は、過去のスキャン時における追尾物標の座標から推測される速度ベクトルに基づき、追尾物標の座標、及び予測速度ベクトルを算出する。追尾処理部4は、算出した追尾物標の座標及び予測速度ベクトルを、表示画像生成部5へ出力する。
なお、追尾処理部4は、偽像判定部23によって偽像Fであると判定されたエコー像E 1については、追尾物標から除外する。これにより、追尾処理時の演算負荷を軽減することができる。なお、追尾処理部4が行う処理は、従来から知られている追尾処理装置によって行われる処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図7は、エコー識別処理部10のブロック図である。エコー識別処理部10は、受信部2bから出力されたエコーデータに基づいて追尾物標を抽出するとともに、当該追尾物標がどのような物標か(例えば、大型船舶、中型船舶、小型船舶、のいずれか)を識別し、その識別結果を表示画像生成部5に出力する。エコー識別処理部10は、図7に示すように、特徴ベクトル生成部11と、記憶部12と、識別部13とを備えている。
図8は、特徴ベクトル生成部11によって特徴ベクトルの生成が行われるエコー波形EWの一例を示す図である。特徴ベクトル生成部11は、エコー波形抽出部21によってエコーサンプル列ESから抽出されたエコー波形EWのうち、偽像のエコー像に含まれるエコー波形を除くエコー波形、すなわち追尾物標のエコー波形毎に複数の特徴量を算出し、算出された複数の特徴量から特徴ベクトルを生成する。特徴ベクトル生成部11は、特徴ベクトルを生成するために、まず、第1から第4の特徴量C1〜C4を算出する。なお、エコー波形EWは、上述した偽像処理部20の場合と同様、エコーサンプル列ESを構成する複数のサンプル点のうち所定の閾値Thr1以上の振幅値を有し且つサンプル番号が連続する複数のサンプル点で構成される。
図8を参照して、第1特徴量C1は、エコー波形EWにおける立ち上がり部分のサンプル数N1(言い換えると、閾値Thr1を超えたサンプルSmp1からピーク値Vpを有するサンプルSmp2まで連続するサンプルの数)に基づいて算出される。本実施形態では、第1特徴量C1は、該サンプルの数N1が0から5の範囲内に収まるように規格化された値として算出される。
第2特徴量C2は、エコー波形EWのピーク値Vpに基づいて算出される。本実施形態では、第2特徴量C2は、ピーク値Vpが0から5の範囲内に収まるように規格化された値として算出される。
第3特徴量C3は、エコー波形EWにおける立ち下がり部分のサンプル数N2(言い換えると、ピーク値Vpを有するサンプルSmp2から閾値Thr1を下回るサンプルSmp3まで連続するサンプルの数)に基づいて算出される。本実施形態では、第3特徴量C3は、該サンプルの数が0から5の範囲内に収まるように規格化された値として算出される。
第4特徴量C4は、ピーク値Vpを有するサンプルSmp2から閾値Thr1を下回るサンプルSmp3まで連続するサンプルのそれぞれの振幅値をピーク値Vpから減算した値、を積分した値A1を、サンプルSmp2からサンプルSmp3まで連続するサンプルの振幅値を積分した値A2で除算した値(具体的には、A1/A2)に基づいて算出される。すなわち、第4特徴量は、図8における斜線ハッチング部分の面積を、クロスハッチング部分の面積で除算した値に基づいて算出される。本実施形態では、第4特徴量C4は、A1/A2の値が0から5の範囲内に収まるように規格化された値として算出される。
図9は、特徴ベクトルCVと、該特徴ベクトルCVから生成される特徴ベクトルグラフGCVとを示す図である。特徴ベクトル生成部11は、各エコー波形に対応して算出される第1から第4の特徴量C1〜C4を1つの組とした特徴ベクトルCVを生成する。そして、特徴ベクトル生成部11は、この特徴ベクトルCVから、図9に示すような特徴ベクトルグラフGCVを生成する。特徴ベクトルグラフGCVは、直交座標の軸上に各特徴量C1〜C4がプロットされ、周方向に隣接する特徴量C1〜C4同士が直線で結ばれることにより生成されたグラフである。
図10は、記憶部12が記憶しているテンプレートTP(種別データ)の模式図である。テンプレートTPは、特徴ベクトルグラフGCVと同じ座標を有しているグラフであって、実験等によって予め準備されたグラフである。具体的には、テンプレートTPは、既にその形状が分かっている物標に対して実験を行い、その反射波から得られた特徴ベクトルから生成された特徴ベクトルグラフである。テンプレートTPには、例えば一例として、詳しくは後述する識別部13によって追尾物標を識別するための大型船舶用テンプレートTPL、中型船舶用テンプレートTPM、及び小型船舶用テンプレートTPS、が含まれている。各テンプレートTPは、上述した特徴ベクトルグラフGCVと比較されることにより、当該特徴ベクトルを有する追尾物標がいずれの大きさの船舶であるかを識別するための識別用特徴ベクトルグラフとして生成されている。なお、図10で示す各テンプレートTPの特徴量は、単に一例として図示したものに過ぎず、実際に実験等によって得られた特徴量とは無関係である。
船舶の特徴ベクトルは、船舶の大きさによって異なる。具体的には、例えば一例として、大型船舶のエコーから得られるエコー波形の最大値(すなわち特徴量C2)は、小型船舶のエコーから得られるエコー波形の最大値よりも大きくなる。このように、船舶の大きさによって互いに異なる特徴ベクトルのテンプレートTPを、船舶の大きさ毎に予め準備し、追尾物標の特徴ベクトルCVを、記憶部12で記憶されている各テンプレートTPと比較することにより、追尾物標(船舶)の大きさを推定することができる。
また、船舶の特徴ベクトルは、自船に対する他船の向き、すなわち、自船から視た場合における他船の向きによっても異なる。この点につき、記憶部12は、他船の向きによって互いに異なる特徴ベクトルのテンプレートTPを、大型船舶、中型船舶、及び小型船舶のそれぞれにおいて、複数、記憶している。
識別部13は、特徴ベクトル生成部11によって生成された特徴ベクトルグラフGCVを、記憶部12に記憶されている全てのテンプレートTPと比較し、その比較結果に基づいて、追尾物標としての船舶の大きさ(大型船舶、中型船舶、或いは小型船舶のいずれか)を識別する。やや詳しくは、識別部13は、特徴ベクトルグラフGCVと各テンプレートTPとの類似度をそれぞれ算出し、最も類似度が高いテンプレートTPが示す船舶の大きさを、その船舶の大きさであると識別する。
具体的には、識別部13は、追尾物標の特徴ベクトルグラフGCVを構成する各特徴量C1〜C4によって特定される4次元空間の位置と、各テンプレートを構成する各特徴量C1tmp〜C4tmpによって特定される4次元空間の位置と、のユークリッド距離を、類似度として算出する。そして、識別部13は、そのユークリッド距離が最も小さいテンプレートが示す大きさを、追尾物標の大きさであると識別する。識別部13での識別結果(すなわち、追尾物標が大型船舶であるか、中型船舶であるか、或いは小型船舶であるか)は、表示画像生成部5に通知される。
図11は、表示画像生成部5によって生成される表示画像Pの一例を示す図であって、表示器6に表示される画像を示す図である。表示画像生成部5は、レーダ画像生成部3で生成されたレーダ画像と、追尾処理部4から通知された追尾物標の座標及び予測速度ベクトルと、エコー識別処理部10での追尾物標の識別結果と、に基づき、表示器6で表示される表示画像Pを生成する。
具体的には、表示画像生成部5は、追尾処理部4から通知された追尾物標の座標に基づき、追尾物標に対応するエコー像E2,E3が追尾物標であることを示すための当該エコー像E2,E3を囲むマーカーMK2,MK3の画像を生成する。このマーカーMK2,MK3の大きさは、識別部13によって識別された追尾物標の識別結果に基づいて決定される。図11に示す表示画像Pでは、中型船舶と識別されたエコー像E2は、半径が中くらいの円形状のマーカーMK2によって囲まれ、小型船舶と識別されたエコー像E3は、半径が小さい円形状のマーカーMK3によって囲まれる。なお、図11での図示は省略するが、大型船舶と識別されたエコー像については、半径が大きい円形状のマーカーによって囲まれる。これにより、ユーザは、各船舶の大きさを容易に把握することができる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るレーダ装置1の信号処理部7は、第1エコー像E1の位置情報と、第2エコー像E2の位置情報とに基づき、第1エコー像E1が偽像であると判定している。すなわち、信号処理部7によれば、判定対象となるエコー像が偽像であるか否かの判定を、エコー像毎に行っている。そうすると、上述した特許文献1のように偽像でないエコーのエコー強度まで低減してしまうおそれがなくなり、偽像を正確に判別することができる。
従って、信号処理部7では、判定対象となるエコー像が所望のエコー像であること(本実施形態の場合、偽像であること)を正確に判別できる。
また、信号処理部7では、第1エコー像E1の方位及び第2エコー像E2の方位に基づき、第1エコー像E1が偽像であるか否かの判定が行われている。第1エコー像E1が鏡面反射偽像であれば、第1エコー像E1は第2エコー像E2と概ね同じ方位に存在することになる。すなわち、信号処理部7によれば、鏡面反射偽像である偽像Fの特性に基づき、偽像Fを適切に判別することができる。
また、信号処理部7では、アンテナ2aと第1エコー像E1との間に第2エコー像E2が位置すること、及び、第1エコー像E1から第2エコー像E2までの距離d1と第2エコー像E2から第3エコー像E3までの距離d2との距離差Δdが所定の閾値以内であること、を条件として、第1エコー像E1が偽像Fであると判定される。第1エコー像E1が第3エコー像E3の鏡面反射偽像であれば、アンテナ2aと第1エコー像E1との間に第2エコー像E2が位置し、且つ距離d1と距離d2とが概ね等しくなる。すなわち、信号処理部7によれば、鏡面反射偽像である偽像Fの特性に基づき、偽像Fをより適切に判別することができる。
また、信号処理部7では、偽像Fであると判定されたエコー像E1が追尾対象から除外される。これにより、追尾処理時の演算負荷を軽減することができる。
また、信号処理部7では、偽像Fであると判定されたエコー像E1の表示画面中における輝度が低減される。これにより、ユーザが偽像Fを物標として誤認識してしまう可能性を低減できる。
また、レーダ装置1によれば、判定対象となるエコー像が所望のエコー像(本実施形態の場合、偽像)であることを正確に判別可能な信号処理部7を備えたレーダ装置を提供できる。
また、レーダ装置1では、各追尾物標のエコー像E2,E3に重ねて表示されるマーカーMK2,MK3の大きさによって、その追尾物標の大きさを知ることができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
(1)図12は、変形例に係るレーダ装置1aのブロック図である。また、図13は、図12に示す引き波エコー処理部30のブロック図である。本変形例に係るレーダ装置1aも、上記実施形態の場合と同様、舶用レーダとして用いられ、追尾物標として選択された物標を追尾することが可能に構成されている。
そして、レーダ装置1aでは、上記実施形態の場合と異なり、検出されたエコー像が引き波に起因するものであるか否かが判定され、引き波に起因するものであると判定されたエコー像については、そのエコーレベルが表示画面中において低減されるとともに、追尾物標から除外される。本変形例のレーダ装置1aの信号処理部7a(信号処理装置)は、上記実施形態の偽像処理部20の代わりに、引き波エコー処理部30を有している。以下では、上記実施形態と異なる箇所について主に説明し、その他の箇所については説明を省略する。
引き波エコー処理部30は、図13を参照して、エコー波形抽出部21と、追尾物標候補検出部22と、引き波エコー判定部31とを有している。
図14は、図13に示すエコー波形抽出部21によって抽出されたエコー波形EW3を、該エコー波形EW3が抽出されたエコーサンプル列ES2とともに示す図である。また、図15は、自船に搭載されたレーダ装置1aと、自船周辺の海域及びエコー像E4,E 5とを模式的に示す図であって、追尾物標候補検出部22によって検出される追尾物標候補について説明するための図である。追尾物標候補検出部22によって検出される追尾物標候補について説明するための図である。なお、図14に示すエコーサンプル列ES2は、図15における直線L2に沿って得られたものである。また、図15の破線は、エコー像E5(他船)の引き波を模式的に示したものである。
エコー波形抽出部21は、上記実施形態の場合と同様にして、エコーサンプル列ES2の中からエコー波形EW3を抽出する。本変形例では、図14を参照して、1つのエコー波形EW3が検出される。なお、エコーサンプル列ES2には、他船の引き波に起因する波形EWaが含まれているが、この波形EWaのピーク値は閾値Thr2以下であるため、エコー波形として抽出されない。
追尾物標候補検出部22は、上記実施形態の場合と同様にして、追尾物標候補のエコー像を検出する。図15では、2つの追尾物標候補のエコー像E4,E5が検出された例が示されている。
図16は、引き波エコー判定部31によって引き波であるか否かの判定が行われるエコー像について説明するための図である。引き波エコー判定部31は、追尾物標候補として検出されたエコー像E4,E5の全てを対象として、各追尾物標候補が引き波であるか否かを判定する。以下では、エコー像E4(第1エコー像E4)が引き波に起因するエコー像であるか否かについて判定される例について説明する。
引き波エコー判定部31は、進行方向推定部32と、角度条件判定部33とを有している。
進行方向推定部32は、引き波であるか否かの判定が行われるエコー像E4以外のエコー像E5(第2エコー像E5)の進行方向を推定する。具体的には、進行方向推定部32は、エコー像E5について追尾処理を行うことにより、該エコー像E5の進行方向を推定する。なお、追尾処理については、従来から知られている一般的な処理であるため、その説明を省略する。
角度条件判定部33は、エコー像E5の進行方向に沿う直線と、エコー像E4とエコー像E5とを結ぶ直線と、がなす角度θが所定の角度範囲内に含まれているか否かを判定する。具体的には、角度条件判定部33は、前記角度θが、所定角度(例えば19°)を中心とした所定の角度範囲に含まれているか否か(例えば一例として、θが、18°<θ<20°の条件を満たしているか否か)を判定する。そして、角度条件判定部33は、θ≦18°、又はθ≧20°の場合には、エコー像E4がエコー像E5の引き波ではないと判定する。一方、角度条件判定部33は、18°<θ<20°の場合には、エコー像E4がエコー像E5の引き波であると判定する。角度条件判定部33によって引き波に起因するエコー像であると判定されたエコー像E4に関するデータ(具体的には、エコー像E4の位置、及びエコー像E4の各位置におけるエコー強度)は、レーダ画像生成部3、追尾処理部4、及びエコー識別処理部10へ通知される。
図17は、図12に示すレーダ画像生成部3によって生成されるレーダ画像Prの一例を模式的に示す図である。レーダ画像生成部3は、上記実施形態の場合と同様にして、A/D変換部2cから出力されたエコーデータに基づき、自船位置を中心とした水平方向の360度に亘るレーダ画像Prを生成する。また、レーダ画像生成部3は、引き波エコー判定部31によって引き波に起因するエコー像であると判定されたエコー像E4のエコーレベルを低減する処理を行う。これにより、図17を参照して、引き波のエコー像E4を表示画面上において除去することができる。
以上のように、本変形例に係るレーダ装置1aの信号処理部7aは、第1エコー像E4の位置情報と、第2エコー像E5の位置情報とに基づき、第1エコー像E4が第2エコー像E5とは異なる属性を有する物標に起因するエコー像であるか否かの判定を行っている。こうすると、例えば特許文献2に開示されるレーダ装置のように、引き波に起因する波頭速度ベクトルが船舶等の物標として誤検出されてしまう可能性を低減できる。
従って、信号処理部7aでは、判定対象となるエコー像が所望のエコー像であること(本変形例の場合、引き波に起因するエコー像であること)を正確に判別できる。
また、信号処理部7aでは、第1エコー像E4の位置及び第2エコー像E5の位置だけでなく、第2エコー像E5の進行方向にも基づき、第1エコー像E4が引き波に起因するエコー像であるか否かが判定される。これにより、船舶の進行方向反対側に生じるという引き波の特性に基づき、引き波に起因するエコー像を適切に判別することができる。
また、信号処理部7aでは、第2エコー像E5の進行方向に沿う直線(図16の一点鎖線)と、第1エコー像E4と第2エコー像E5とを結ぶ直線と、がなす角度θが、所定の範囲内に含まれていることを条件として、第1エコー像E4が引き波に起因するエコー像であると判定される。これにより、船舶の引き波が、該船舶の進行方向に沿う直線に対して所定角度の方向に形成される特性に基づき、引き波に起因するエコー像をより適切に判別できる。
(2)図18は、変形例に係るレーダ装置1bのブロック図である。また、図19は、図18に示す鳥エコー処理部40のブロック図である。本変形例に係るレーダ装置1bも、上記実施形態の場合と同様、舶用レーダとして用いられ、追尾物標として選択された物標を追尾することが可能に構成されている。
そして、レーダ装置1bの信号処理部7b(信号処理装置)は、上記実施形態の信号処理部7が有する各構成要件の他に、鳥エコー処理部40を有している。以下では、上記実施形態と異なる箇所について主に説明し、その他の箇所については説明を省略する。
鳥エコー処理部40は、図19を参照して、エコー波形抽出部21と、追尾物標候補検出部22と、鳥エコー判定部41とを有している。
図20は、エコー波形抽出部21によって抽出されたエコー波形EW4を、該エコー波形が抽出されたエコーサンプル列ES3とともに示す図である。また、図21は、自船に搭載されたレーダ装置1bと、自船周辺の海域及びエコー像E6〜E9とを模式的に示す図であって、図19に示す追尾物標候補検出部22によって検出される追尾物標候補について説明するための図である。なお、図20に示すエコーサンプル列ES3は、図21における直線L3に沿って得られたものである。
エコー波形抽出部21は、上記実施形態の場合と同様にして、エコーサンプル列ES3の中からエコー波形を抽出する。本変形例では、図20を参照して、1つのエコー波形EW4が検出される。
追尾物標候補検出部22は、上記実施形態の場合と同様にして、追尾物標候補のエコー像を検出する。図21では、4つの追尾物標候補のエコー像E6,E7,E8,E9が検出された例が示されている。
図22は、鳥エコー判定部41によって鳥に起因するエコー像であるか否かの判定が行われるエコー像について説明するための図であって、図21に示すエコー像が得られたスキャンの次のスキャン時に得られたエコー画像を示す図である。なお、図22では、図21に示すエコー像(すなわち、図22に示すエコー像が得られたスキャンの前のスキャン時に得られたエコー像)を破線で模式的に示している。
鳥エコー判定部41は、追尾物標候補として検出されたエコー像E6〜E9の全てを対象として、各追尾物標候補が鳥であるか否かを判定する。
鳥エコー判定部41は、追尾部42と、追尾物標選別部43とを有している。
追尾部42は、各エコー像E6〜E9を対象として追尾処理を行い、追尾を行うことができたエコー像の移動ベクトルを算出する。なお、追尾処理については、従来から知られている一般的な処理であるため、その説明を省略する。
追尾物標選別部43は、上述した追尾部42による追尾を行うことができなかったエコー像(図22に示す例の場合、E10〜E12)の全てを対象として、それらのエコー像のうちいずれのエコー像を追尾物標から除外するかを選別する。具体的には、追尾物標選別部43は、例えば一例として、追尾を行うことができなかった全てのエコー像E10〜E12を、各エコー像の最大振幅値が大きい順に順位付けし、最大振幅値が小さい方の所定数のエコー像を追尾物標から除外する。なお、図22に示す例では、追尾を行うことができなかった全てのエコー像E10〜E12のうち、最大振幅値が小さい方の2つのエコー像E10,E11が追尾物標から除外される例が示されている。追尾物標選別部43によって追尾物標から除外されたエコー像E10,E11に関するデータ(具体的には、エコー像E10,E11の位置、及びエコー像E10,E11の各位置におけるエコー強度)は、レーダ画像生成部3、追尾処理部4、及びエコー識別処理部10へ通知される。
ここで、追尾物標選別部43によって追尾物標から除外されたエコー像E10,E11が、鳥に起因するエコー像である可能性が高い理由について説明する。一般的に、鳥について追尾処理を行うと、異なる時刻(すなわち、異なるスキャン)で得られた鳥のエコー像の相関度が低く、追尾処理を行うことができない場合が多い。よって、追尾処理を行うことができなかったエコー像については、鳥に起因する可能性が高いと考えることができる。なお、ここで説明した相関度としては、エコー像の面積の一致度合等が挙げられる。
なお、追尾を行うことができなかったエコー像のうち追尾物標から除外されないエコー像(図22に示す例の場合、エコー像E12)も、追尾を行うことができなかったという観点からすると、鳥に起因するエコー像である可能性はある。しかしながら、エコー像E 12は、他のエコー像E10,E11よりもエコー強度が高い。一般的に、船舶のエコー像のエコー強度は、鳥よりのエコー像のエコー強度よりも高い。よって、本変形例の場合、船舶に起因するエコー像である可能性が他のエコー像E10,E11よりも高いエコー像E12については、追尾物標から除外しない。
図23は、図18に示すレーダ画像生成部3によって生成されるレーダ画像Prの一例を模式的に示す図である。レーダ画像生成部3は、上記実施形態の場合と同様にして、A/D変換部2cから出力されたエコーデータに基づき、自船位置を中心とした水平方向の360度に亘るレーダ画像Prを生成する。また、レーダ画像生成部3は、鳥エコー判定部41によって鳥に起因するエコー像であると判定されたエコー像E10,E11のエコーレベルを低減する処理を行う。これにより、図23を参照して、鳥に起因するエコー像E10,E11を表示画面上において除去することができる。
以上のように、本変形例に係るレーダ装置1bでは、異なるスキャン間で追尾を行うことができなかった(すなわち、移動ベクトルを算出することができなかった)エコー像E 10〜E12のうちの少なくとも1つを、鳥に起因するエコー像E10,E11と判定している。上述のように、鳥に起因するエコー像は、異なるスキャン間での相関度が低く、追尾を行うことができない場合が多い。よって、本変形例のように、追尾を行うことができなかったエコー像E10〜E12の少なくとも1つを鳥に起因するエコー像であると判定することで、鳥に起因するエコー像を、鳥の特性に応じて適切に判定できる。
また、レーダ装置1bでは、追尾を行うことができなかったエコー像であっても、エコー強度(より具体的には、エコーの最大振幅値)が高いエコー像E12については、追尾物標から除外していない。これにより、船舶に起因する可能性があるエコー像E12を誤って追尾物標から除外してしまう可能性を低減できる。
なお、本変形例では、鳥エコー判定部41が、追尾物標候補検出部22によって検出された全ての追尾物標候補を対象として、各追尾物標候補が鳥であるか否かを判定したが、これに限らない。具体的には、鳥エコー判定部41は、それらの追尾物標候補のうち、偽像判定部23によって偽像であると判定された物標を判定対象から除外し、残りの物標(偽像除外後第1エコー像)について、鳥に起因するエコーであるか否かを判定してもよい。すなわち、偽像判定部23による偽像判定を行った後、鳥エコー判定部41での鳥エコー判定を行ってもよい。これにより、鳥エコー判定部41での判定対象を適切に絞り込むことができるため、鳥エコー判定部41にかかる演算負荷を軽減できる。
(3)図24は、変形例に係るレーダ装置1cのブロック図である。本変形例に係るレーダ装置1cは、エコー画像に含まれるエコー像であって、探知対象となるターゲットの候補となるターゲット候補エコーを検出する。そして、レーダ装置1cは、そのターゲット候補エコーの中から不要ターゲットを除外し、その残りのエコー像をターゲットエコーとして強調して表示するように構成されている。
具体的には、本変形例のレーダ装置1cは、上述した実施形態及び各変形例で説明した偽像判定部23、引き波エコー判定部31、及び鳥エコー判定部41を有している。レーダ装置1cは、偽像判定部23で偽像であると判定されたエコー像、引き波エコー判定部31で引き波に起因すると判定されたエコー像、及び鳥エコー判定部41で鳥に起因すると判定されたエコー像を不要ターゲットとし、これらの不要ターゲットについては強調して表示しない。
レーダ装置1cは、図24に示すように、アンテナユニット2と、信号処理部7c(信号処理装置)と、表示器6と、を備えている。アンテナユニット2及び表示器6については、上記実施形態の場合と同様であるため、その説明を省略する。
信号処理部7cは、ターゲット候補検出部15と、不要ターゲット検出部16と、スキャン間相関部17と、ターゲットエコー強調部18を有する表示画像生成部5aと、を有している。
ターゲット候補検出部15は、上記実施形態で説明した追尾物標候補検出部22と概ね同様の動作を行う。具体的には、ターゲット候補検出部15は、スイープ毎に得られるエコーサンプル列の中から抽出された複数のエコー波形の地理的な位置を、各スイープで得られるスイープ信号を取得したときのアンテナ方位及びサンプリングレートから算出する。そして、ターゲット候補検出部15は、エコー波形間の距離が所定値以内となるもの同士を同一物標からのエコー波形としてグループ化し、それをターゲット候補として検出する。
不要ターゲット検出部16は、偽像判定部23と、引き波エコー判定部31と、鳥エコー判定部41とを有している。不要ターゲット検出部16は、偽像判定部23で偽像であると判定されたエコー像、引き波エコー判定部31で引き波に起因すると判定されたエコー像、及び鳥エコー判定部41で鳥に起因すると判定されたエコー像を不要ターゲットとして検出する。偽像判定部23、引き波エコー判定部31、及び鳥エコー判定部41の構成については、上記実施形態及び各変形例で説明したものと同様であるため、その説明を省略する。
スキャン間相関部17は、スキャン間の相関性の高いエコー像を停止ターゲットと判定する。具体的には、例えば一例として、スキャン間相関部17は、時間的に連続する2つのエコー画像のそれぞれに含まれるエコー像のうち、位置及びエコー強度が類似する2つのエコー像を、停止ターゲットと判定する。
ターゲットエコー強調部18は、ターゲット候補検出部15で検出されたターゲット候補及び停止ターゲットから不要ターゲットを除いた全てのターゲットのエコー像を強調する。ターゲットエコー強調部18は、例えば一例として、エコー像の輝度を、実際に得られたエコー像のエコー強度に対応する輝度よりも高くすることにより、エコー像を強調する。表示画像生成部5aは、このように強調されたエコー像を含むエコー画像を、表示器に表示される表示画像として生成する。表示器6に表示されるエコー画像には、上述のようにして強調されたエコー像が表示される。
以上のように、本変形例に係るレーダ装置1cでは、ターゲット候補検出部によって検出されたターゲット候補の中から不要ターゲットを除外した残りのターゲットエコーが強調して表示している。そうすると、例えば当該レーダ装置1cを搭載した自船と衝突するおそれのないターゲット(偽像、引き波等)が強調して表示されることがないため、衝突危険性を正確に判断することができる。
(4)図25は、変形例に係るレーダ装置1dのブロック図である。本変形例に係るレーダ装置1dは、検出されたエコー像から不要なターゲットに起因するエコー像を除外し、残りのエコー像の中から固定物(例えば陸地、岸壁等)を検出するように構成されている。そして、レーダ装置1dでは、検出された固定物に関する情報(例えば位置、大きさ等)がデータベースに保存され、その情報に基づいて自船周辺の地図が生成されて表示される。
レーダ装置1dは、図25に示すように、アンテナユニット2と、信号処理部7d(信号処理装置)と、表示器6と、を備えている。アンテナユニット2及び表示器6については、上記実施形態の場合と同様であるため、その説明を省略する。
信号処理部7dは、不要ターゲット検出部16と、固定物位置推定部26と、固定物位置登録部27と、データベース28と、固定物位置取得部29と、表示画像生成部5bとを有している。これらのうち、不要ターゲット検出部16については、図24を用いて説明した変形例と同じであるため、その説明を省略する。
固定物位置推定部26は、送信波の反射波から得られたエコーに含まれるエコー像から、不要ターゲット検出部16で検出された不要ターゲット(具体的には、偽像、引き波、及び鳥)に起因するエコー像を除外する。そして、固定物位置推定部26は、その残りのエコー像(以下、このエコー像を固定物候補エコー像と称する)の中から固定物に起因するエコー像を検出する。例えば一例として、固定物位置推定部26は、固定物候補エコー像に対して追尾処理を行い、移動している物標(他船等)に起因するエコーを障害物エコーとする。そして、固定物位置推定部26は、上述した固定物候補エコー像から前記障害物エコーを除外することにより、岸壁等の固定物を検出する。
そして、固定物位置推定部26は、検出した固定物の絶対位置を推定する。具体的には、固定物位置推定部26は、自船に搭載されたGPS等の測位機器(図示省略)から得られる自船の絶対位置と、自船を基準とした前記固定物の相対位置とに基づき、検出した固定物の絶対位置を推定する。
固定物位置登録部27は、固定物位置推定部26によって推定された固定物の絶対位置をデータベース28に登録する。
データベース28は、固定物位置登録部27によって登録された固定物の絶対位置を記憶して蓄積する。
固定物位置取得部29は、表示画像生成部5bで画像が生成される海域内に含まれる固定物の位置に関する情報を、データベース28から取得する。
表示画像生成部5bは、表示器6に表示される表示画像を生成する。具体的には、表示画像生成部5bが生成する表示画像には、固定物位置取得部29が取得した固定物の位置情報に基づき、表示画像中の対応する位置に、前記固定物が表示される。
以上のように、本変形例に係るレーダ装置1dの信号処理部7dによれば、該レーダ装置1dが搭載された船舶が航行した海域で検出された固定物に関する情報に基づき、簡易的に地図を生成することができる。これにより、地図データを予め準備することなく、航路周辺の地図を得ることができる。
また、信号処理部7dによれば、予め地図データが準備されている場合において、その地図情報を、本レーダ装置1dで検出された最新情報に置き換えることが可能となる。これにより、地図データを随時更新して最新の地図を得ることができる。
そして、信号処理部7dによれば、不要なターゲットを除去した上で固定物を検出することができるため、当該不要なターゲット(例えば偽像等)が地図情報に反映されてしまうことを防止できる。これにより、正確な地図を得ることができる。