JPH0733279A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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Publication number
JPH0733279A
JPH0733279A JP19917193A JP19917193A JPH0733279A JP H0733279 A JPH0733279 A JP H0733279A JP 19917193 A JP19917193 A JP 19917193A JP 19917193 A JP19917193 A JP 19917193A JP H0733279 A JPH0733279 A JP H0733279A
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JP
Japan
Prior art keywords
recording
pressure contact
roller
recording apparatus
paper feed
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Pending
Application number
JP19917193A
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English (en)
Inventor
Shinya Matsui
真也 松井
Hideaki Kawakami
英明 川上
Kenichiro Hashimoto
憲一郎 橋本
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Conveying Record Carriers (AREA)
  • Handling Of Cut Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】記録用紙が圧接ローラから外れる時の「けとば
し」のショックによる紙送りピッチムラの発生を無く
し、白筋などの画像乱れの無い高画質の記録を可能にす
る。 【構成】紙送りローラ2上の搬送経路内の複数箇所に圧
接ローラ3、7を配設し、紙送りされる記録用紙1の先
端が最終段の圧接ローラ7を通過した後に、最終段以外
の圧接ローラ3を紙送りローラ2からリリースする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録手段により被記録
材に記録する記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンター、複写機、ファクシミリ等の
機能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワー
ドプロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出
力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づい
て用紙やプラスチック薄板(OHPなど)等の被記録材
(記録媒体)に画像(文字や記号なども含む)を記録し
ていくように構成されている。前記記録装置は、使用す
る記録手段の記録方式により、インクジェット式、ワイ
ヤドット式、感熱式、熱転写式、レーザービーム式等に
分けることができる。
【0003】被記録材の搬送方向(副走査方向)と交叉
する方向に主走査する記録方式を採るシリアルタイプの
記録装置においては、被記録材を所定の記録位置にセッ
トした後、被記録材に沿って移動(主走査)するキャリ
ッジ上に搭載した記録手段(記録ヘッド)によって画像
(文字や記号等を含む)を記録し、1行分の記録を終了
した後に所定量の紙送り(副走査)を行ない、その後に
次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返
すことにより、被記録材の所望範囲に画像が記録され
る。一方、被記録材を搬送方向に送る副走査のみで記録
するラインタイプの記録装置においては、被記録材を所
定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を連続
的に行ないながら所定量の紙送り(ピッチ送り)を行な
い、被記録材の全体に画像が記録される。
【0004】そのうち、インクジェット式(インクジェ
ット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から被記録
材にインクを吐出して記録を行なうものであり、記録手
段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で
記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせず
に記録することができ、ランニングコストが安く、ノン
インパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色
のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であ
るなどの利点を有している。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。ま
た、IC技術やマイクロ加工技術の長所を活用すること
により、記録手段の長尺化や面状化(2次元化)が容易
であり、記録手段のフルマルチ化および高密度実装化も
容易である。
【0006】上記記録装置においては、被記録材を紙送
りするための紙送り機構として、紙送りローラの周面に
従動回転する圧接ローラを弾性力でリリース可能に圧接
する構成のものが使用されている。その場合、紙送りロ
ーラの搬送経路内の一箇所または複数箇所に圧接ローラ
を圧接させる構成を採ることが行なわれている。
【0007】上記紙送り機構によって紙送り動作を行う
場合、被記録材の後端が紙送りローラと圧接ローラとの
圧接部(ニップ部)から外れる時に「けとばし」と呼ば
れるショックが発生し、そのために紙送りのピッチムラ
が発生し、これが記録画像中に白筋となって現れる。さ
らに、送り過ぎによる白筋が発生した後、この白筋を緩
和するために短い送りを行うと、逆に黒筋となって現れ
ることがある。
【0008】図13は上記「けとばし」のメカニズムを
説明するための紙送り機構の側面図である。図13にお
いて、紙送りローラ101の周囲の被記録材搬送経路内
の2箇所に圧接ローラ102、103が配設されてい
る。上流側102を第1の圧接ローラと呼び、下流側1
03を第2の圧接ローラと呼ぶ。用紙等の被記録材10
4は、紙送りローラ101を矢印方向に回転させること
により、第1の圧接ローラ102の圧接部を通過した後
に第2の圧接ローラ103の圧接部を通過する方向へ搬
送される。
【0009】図13において、第1の圧接ローラ102
が被記録材104に圧接している(A)の状態から、該
第1の圧接ローラ102が被記録材104から外れて紙
送りローラ101に直接圧接する(B)の状態に移る瞬
間に、被記録材104の後端を弾いて該被記録材を押し
出す現象が生じる。こような現象を「けとばし」と称し
ている。この時、紙送りローラ101も、例えば駆動を
伝達しているギアのバックラッシュの分だけ通常送りよ
りも多く送られてしまい、紙送りのピッチムラが発生す
る。このピッチムラは、紙厚が厚いほど、また圧接ロー
ラの圧接力が大きいほど、顕著に発生する。
【0010】このような「けとばし」による紙送りピッ
チムラは、画像では白筋となって現れ、その後に送り過
ぎによる白筋を緩和するために短い送りを実行すると、
逆に黒筋となって現れる。これらの白筋や黒筋を抑える
ために、従来より次のような対策が採られている。第1
の対策は、紙送りローラ101にブレーキをかけること
である。第2の対策は、第1の圧接ローラ102とこれ
を保持するホルダーとの間にガタを持たせるか、あるい
は、第1の圧接ローラ102のホルダーを取り付けてい
る箇所にガタを持たせることである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】被記録材104の後端
が第1の圧接ローラ102から外れる時に紙送りローラ
101の回転方向の負荷が変動するが、上記第1の対策
は、紙送りローラ101にブレーキをかけることで前記
負荷変動を抑え込むことにより、上記紙送りピッチムラ
を減少させるものである。
【0012】しかしながら、この第1の対策では、厚紙
を搬送する場合、あるいは後方の被記録材のバックテン
ションが大きくなる場合、第1の圧接ローラ102の紙
送りローラ101に対する圧接力を大きくする必要があ
り、圧接力を大きくすると、上記「けとばし」を防止す
るためのブレーキ力が大きくなる。そのため、通常の紙
送り時にも、ブレーキ力に負けない大きなトルクが必要
となり、モータや装置本体の大型化並びにモータの消費
電力の増大などの不都合が生じる。さらに、大きなブレ
ーキを発生させることから、ブレーキ部材の磨耗の問題
も生じる。
【0013】第1の圧接ローラ102の保持部あるいは
第1の圧接ローラ102のホルダーの取り付け部にガタ
を持たせる上記第2の対策は、次のようなメカニズムで
紙送りピッチムラを減少させるものである。すなわち、
被記録材104の後端が圧接ローラ102から外れる
際、ガタ分だけ紙送り方向に移動している第1の圧接ロ
ーラ102が元の状態に戻され、この時に被記録材10
4の後端に対する第1の圧接ローラ102の「けとばし
=送り過ぎ」が緩和され、その分紙送りピッチムラが抑
制される。
【0014】しかしながら、この第2の対策では、これ
らのガタを管理するために各構成部品の寸法公差を厳し
くする必要があり、部品のコストが高くなってしまう。
また、剛性の高い被記録材(厚紙)などの場合には、紙
送りピッチムラを抑制する効果が少なくなってしまう。
【0015】以上説明したように、従来の記録装置で
は、被記録材の後端が圧接ローラから外れる際に発生す
る紙送りピッチムラを抑えるためには、次のような不都
合があった。第1に紙送りモータおよび装置本体が大型
になる。第2に消費電力が増大する。第3にブレーキ機
構の磨耗対策が必要である。第4に圧接ローラの厳しい
寸法管理が必要になる。第5に厚紙等の剛性(腰)の強
い被記録材に対してはピッチムラ抑制の効果が少ない。
【0016】本発明はこのような従来技術に鑑みてなさ
れたものであり、請求項1〜請求項7の発明の目的は、
紙送りピッチムラの発生を無くすことができ、高画質の
記録物を得ることが可能な記録装置を提供することであ
る。また、請求項8〜請求項13の発明の目的は、被記
録材の後端が圧接ローラから外れる時の「けとばし」に
よるショックを吸収することができ、記録画像中の白筋
等の画像乱れの発生を防ぐことができる記録装置を提供
することである。
【0017】
【課題解決のための手段】請求項1〜請求項7の発明
は、記録手段により被記録材に記録する記録装置におい
て、紙送りローラ上の搬送経路内の複数箇所に圧接ロー
ラを配設し、搬送される被記録材の先端が最終段の圧接
ローラを通過した後に、最終段以外の圧接ローラを紙送
りローラからリリースする構成とすることにより、紙送
りピッチムラの発生を無くすことができ、高画質の記録
物を得ることが可能な記録装置を提供するものである。
【0018】請求項8〜請求項13の発明は、記録手段
により被記録材に記録する記録装置において、紙送りロ
ーラにリリース可能に圧接される圧接ローラを設け、該
圧接ローラの圧接方向の動きを緩衝するためのダンパー
機構を設ける構成とすることにより、被記録材の後端が
圧接ローラから外れる時の「けとばし」によるショック
を吸収することができ、記録画像中の白筋等の画像乱れ
の発生を防ぐことができる記録装置を提供するものであ
る。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は請求項1の発明を適用した記録装置の一実
施例の要部構成を示す模式的縦断面図である。なお、図
1は記録装置がインクジェット記録装置である場合を示
す。図1において、記録用紙等の被記録材1は図中の矢
印A方向から自動給紙装置などを使用して供給される。
給紙された被記録材1の先端が紙送りローラ2と第1の
圧接ローラ3との間に挟まれる。紙送りローラ2が回転
駆動されることで、被記録材1が紙送り(搬送)され
る。
【0020】被記録材1は下ガイド4と上ガイド5との
間に形成された隙間(紙パス)を通過していく。被記録
材1の先端は、紙検出器(紙センサー)6を通った後、
紙送りローラ1とこれに圧接された第2の圧接ローラ7
との間に挟まれる。記録部には記録手段(記録ヘッド)
8とプラテン9が設けられている。記録ヘッド8はキャ
リッジ10に搭載されている、キャリッジ10は被記録
材1を横切る方向に設置されたガイドシャフト11に沿
って往復移動可能に案内支持されている。被記録材1は
記録ヘッド8とプラテン9との間を通過し、回転駆動さ
れる排紙ローラ12と従動回転する拍車13とに挟まれ
る。
【0021】キャリッジ10をガイドシャフト11に沿
って往復移動(主走査)させながら、画像情報に基づい
て記録ヘッド8を駆動することにより、プラテン9に支
持された被記録材1上に画像を記録していく。記録ヘッ
ド8の移動により1行(ライン)分を画像を記録した
後、紙送りローラ2の回転駆動により被記録材1を所定
量だけ(例えば次の行まで)紙送りし、そこで再びキャ
リッジ10を移動させながら記録ヘッド8により次の行
の記録を行う。以下、同様に記録と紙送りを交互に繰り
返して、被記録材1全体の記録が行われる。記録が終了
した被記録材1は、排紙ローラ12の回転駆動により外
部へ排出される。
【0022】前記記録ヘッド8は、インクを吐出するた
めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
備えているものであり、具体的には、前記電気熱変換体
が発生する熱エネルギーによってインクに生じる膜沸騰
による気泡の生成を含むインクの状態変化に基づいて吐
出口からインクを吐出するものである。図2は記録ヘッ
ド28インク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図で
ある。
【0023】図2において、被記録材1と所定の隙間
(例えば、約0.5〜1.5ミリ程度)をおいて対面す
る吐出口面81には、所定のピッチで複数の吐出口82
が形成され、共通液室83と各吐出口82とを連通する
各液路84の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを
発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体など)85が
配設されている。図1の記録装置では、記録ヘッド8
は、前記複数の吐出口82がキャリッジ10の主走査方
向(移動方向)と交叉する方向に並ぶような位置関係
で、該キャリッジ10に装着されている。こうして、画
像信号または吐出信号に基づいて対応する電気熱変換体
85を駆動(通電)して、液路84内のインクを膜沸騰
させ、その時に発生する圧力によって吐出口82からイ
ンクを吐出する記録ヘッド8が構成されている。
【0024】図1において、第1の圧接ローラ3はホル
ダー14に回転自在に取り付けられており、該ホルダー
14は支軸15を中心に回動可能に装着されており、該
ホルダーの先端部は圧接バネ16により紙送りローラ2
へ向けて付勢されている。すなわち、前記圧接バネ16
により前記ホルダー14を反時計方向にバネ付勢するこ
とにより、前記第1の圧接ローラ3が前記紙送りローラ
2に弾性力で圧接されている。
【0025】17は定位置において紙送りローラ2と平
行に軸支されたリリース軸である。このリリース軸17
は断面形状が半月状のカム形状をしており、このリリー
ス軸17を回動させることにより前記ホルダー14を実
線の位置から二点鎖線の位置へ回動させ、これによって
第1の圧接ローラ3を紙送りローラ2からリリース(離
隔)させることができる。このリリース軸(棒状のカ
ム)17にはレバー18が固定されており、該レバー1
8を回動駆動することによりリリース軸17を回動させ
るようになっている。このレバー18は、バネ(引っ張
りバネ)19により図中下向き(反時計回り)に付勢さ
れており、装置本体側のボス(ストッパ)20により実
線で示す位置(圧接位置)に保持されている。
【0026】図1において、前記レバー18の先端部近
傍には、ピン21を介して、ソレノイド22の可動軸2
3が連結されている。したがって、前記ソレノイド22
をオンにすると、レバー18は、前記バネ19に抗して
上方へ引き上げられ、時計回りに回動して二点鎖線で示
すリリース位置へ移動する。このようにレバー18が引
き上げられることにより、カム形状をしたリリース軸1
7が回動し、それによって第1の圧接ローラ3が移動し
て紙送りローラ2からリリース(離隔)する。すなわ
ち、前記ソレノイド22を作動させることにより、第1
の圧接ローラ3を紙送りローラ2からリリース(離隔)
させるように構成されている。
【0027】図3は図1中の被記録材1の動きとソレノ
イド22の動作状態との関係を示す図表である。図3に
おいて、横軸は被記録材1の位置を示し、縦軸は時間を
示し、左側にソレノイド22の状態(ON・OFF)を
示す。ソレノイド22がOFFの状態では第1の圧接ロ
ーラ3は紙送りローラ2に圧接している。ソレノイド2
2がONの状態では第1の圧接ローラ3は紙送りローラ
2からリリースされている。
【0028】図3の横軸上において、P1は第1の圧接
ローラ3の位置、PSは被記録材1の有無を検出する紙
センサー6の位置、P2は第2の圧接ローラ7の位置、
Hは記録ヘッド8の位置、Eは排紙ローラ12の位置で
ある。図3の時間Tを示す縦軸上において、TP2は被記
録材1の先端が第2の圧接ローラ7に挟まれた時間、T
H は被記録材1の先端が記録ヘッド8に到達した時間、
PSは被記録材1の後端が紙センサー6に到達した時間
である。
【0029】次に、図1〜図3で説明した記録装置の動
作について説明する。被記録材1が記録装置に供給さ
れ、第1の圧接ローラ3の位置P1に達すると、該被記
録材1は紙送りローラ2と第1の圧接ローラ3によって
搬送され、そして、紙センサー6の位置PSで紙有りが
検出される。その後、被記録材1は、記録ヘッド8の位
置Hに到達するまで搬送される。そこで、本実施例にお
いては、被記録材1の先端が第2の圧接ローラ7を通過
して後で、かつ記録開始前に、ソレノイド22をONに
することにより第1の圧接ローラ3を紙送りローラ2か
らリリースするように構成されている。
【0030】記録部では、記録ヘッド8により被記録材
1に記録が行われる。そして、被記録材1の後端が紙セ
ンサー6を通過した後、すなわち図3中の時間TPSの後
に、ソレノイド22をONからOFFに切り換える。よ
り好適には、このソレノイド22の切り換えは、記録ヘ
ッド8による記録が終了した後であって、次の被記録材
が供給される前に行うことが好ましい。
【0031】以上図1〜図3で説明した実施例により、
請求項1の発明の特徴、すなわち、紙送りローラ2上の
搬送経路内の複数箇所に圧接ローラ3、7を配設し、搬
送される被記録材1の先端が最終段の圧接ローラ7を通
過した後に、最終段以外の圧接ローラ3を紙送りローラ
2からリリースするという特徴を有する記録装置が提供
される。また、本実施例は、被記録材1の有無を検出す
る被記録材センサー6が最終段の圧接ローラ7とその前
段の圧接ローラ3との間に配置されているという請求項
2の特徴、並びに、圧接ローラ3をリリースする手段と
してソレノイド22を用いるという請求項3の特徴をも
備えている。なお、前述の実施例では、圧接ローラ3、
7を2段に設ける場合を説明したが、圧接ローラを3段
以上に設ける場合も請求項1の発明の構成によって同様
の作用効果が得られるものである。
【0032】以上説明した実施例によれば、多段の圧接
ローラ3、7を有する記録装置において、最終段の圧接
ローラ7以外の圧接ローラ3にリリース手段を設け、被
記録材1の搬送状態によってリリースしたり、圧接させ
たりするように構成するので、被記録材1の後端が圧接
ローラから外れる際の「けとばし」による紙送りピッチ
ムラの発生を完全に抑えることができ、白筋等の画像乱
れの無い高画質の記録物を得ることができる。
【0033】図4は請求項1の発明を適用した記録装置
の別の実施例の要部構成を示す模式的部分平面図であ
り、図5は図4中の線5−5から見た右側面図である。
前述の実施例では、圧接ローラ3をリリースする手段と
してソレノイド22を用いたが、本実施例では、記録ヘ
ッド8を搭載したキャリッジ10の動きを利用して圧接
ローラ3をリリースするように構成されている。本実施
例はこの点で前述の実施例と相違し、その他の点では実
質上同じ構成をしており、それぞれ対応する部分は同一
符号で示してある。
【0034】図4および図5において、紙送りローラ2
の右端部にはローラギア25が一体回転するように固定
されており、前記リリース軸17の右端部にはリリース
ギア26が一体回転するように固定されている。前記ロ
ーラギア25と前記リリースギア26との間に切り換え
ギア27が設けられており、該切り換えギア27の位置
により回転力の伝達および遮断が行われるようになって
いる。
【0035】すなわち、前記切り換えギア27は両矢印
B方向に移動可能なギアホルダー28上に軸支されてお
り、該ギアホルダー28が右側位置(図4に示す位置)
にある時には、切り換えギア27がリリースギア26と
のみ噛み合う状態になり、紙送りローラ2の回転はリリ
ース軸17へ伝達されない。一方、前記ギアホルダー2
8が左側位置にある時には、切り換えギア27がリリー
スギア26とローラギア25との双方に噛み合う状態に
なり、紙送りローラ2の回転がリリース軸17へ伝達さ
れる状態になる。前記ギアホルダー28はホルダーバネ
29により右側位置(図4の位置)へ付勢されている。
【0036】図4および図5において、記録装置の右側
の所定位置には、支点30を中心に回動自在な可動レバ
ー31が軸支されている。前記支点30は可動レバー3
1の中間位置に設けられている。前記可動レバー31の
一端部(図示上端部)は前記ギアホルダー28に設けら
れたボス32に右側から当接するか当接可能になってい
る。一方、キャリッジ10の右側面には突出部(ボス)
33が設けられており、該キャリッジ10が右端位置に
移動してきた時、前記突出部33が前記可動レバー31
の他端部(図示下端部)に左側から衝当するように構成
されている。
【0037】図4および図5の実施例の動作は次のとお
りである。キャリッジ10が図4中右側へ移動し、突出
部33により可動レバー31を押すと、該可動レバー3
1は支点30を中心に二点鎖線で示す位置に向かって左
回転する。この可動レバー31の回転により、前記ギア
ホルダー28および切り換えギア27がホルダーバネ2
9に抗して左側位置へ移動し、該切り換えギア27がロ
ーラギア25とリリースギア26の双方に噛み合う状態
になる。
【0038】この状態で紙送りローラ2を回転させる
と、ローラギア25から切り換えギア27を介してリリ
ースギア26に回転が伝達される。したがって、紙送り
ローラ2を所定角度回転させることにより、リリース軸
17を回転させ、図1の実施例の場合と同様、第1の圧
接ローラ3を紙送りローラ2からリリースさせることが
できる。また、前述の動きを利用し、紙送りローラ2を
さらに回転させるか、逆回転させることにより、第1の
圧接ローラ3を再び紙送りローラ2に圧接させることが
できる。
【0039】次に、図4および図5の実施例における被
記録材1の位置と切り換えギア27の切り換えタイミン
グについて、図3を参照して説明する。被記録材1の先
端が第2の圧接ローラ7を通過した後で、かつ記録開始
前に、キャリッジ10を移動させて前記可動レバー31
を押し、切り換えギア27をローラギア25に噛み合わ
せることにより、紙送りローラ2の回転をリリース軸1
7に伝達させ得る状態にし、該紙送りローラ2を所定量
回転させることにより第1の圧接ローラ3を紙送りロー
ラ2からリリースさせる。
【0040】通常の記録を行い、被記録材1の後端が紙
センサー6を通過した後、あるいは記録が終了し排紙し
た後、キャリッジ10を移動させて切り換えギア27が
ローラギア25に噛み合う状態にし、紙送りローラ2を
さらに回転(または逆回転)させることにより第1の圧
接ローラ3を再び紙送りローラ2に圧接させる。この圧
接ローラ3を再び圧接させるタイミングとしては、記録
が完全に終了した後の方が望ましい。
【0041】以上図4および図5で説明した実施例によ
っても、請求項1の発明の特徴、すなわち、紙送りロー
ラ2上の搬送経路内の複数箇所に圧接ローラ3、7を配
設し、搬送される被記録材1の先端が最終段の圧接ロー
ラ7を通過した後に、最終段以外の圧接ローラ3を紙送
りローラ2からリリースするという特徴を有する記録装
置が提供される。また、本実施例は、被記録材1の有無
を検出する被記録材センサー6が最終段の圧接ローラ7
とその前段の圧接ローラ3との間に配置されているとい
う請求項2の特徴、並びに、圧接ローラ3をリリースす
る手段が記録手段8を搭載したキャリッジ10の移動に
よって動作するという請求項4の特徴をも備えている。
なお、本実施例においても、圧接ローラを3段以上に設
けることが可能であり、その場合も同様の作用効果が得
られる。
【0042】図4および図5の実施例によっても、前述
の実施例の場合と同様、多段の圧接ローラ3、7を有す
る記録装置において、最終段の圧接ローラ7以外の圧接
ローラ3にリリース手段を設け、被記録材1の搬送状態
によってリリースしたり、圧接させたりするように構成
するので、被記録材1の後端が圧接ローラから外れる際
の「けとばし」による紙送りピッチムラの発生を完全に
抑えることができ、白筋等の画像乱れの無い高画質の記
録物を得ることができる。
【0043】図6は請求項8の発明を適用した記録装置
の一実施例の要部構成を模式的に示す側面図である。な
お、本実施例も、図2で説明したような記録ヘッドを備
えたインクジェット記録装置である場合を示す。図6に
おいて、記録用紙等の被記録材1は図中の矢印A方向か
ら自動給紙装置などを使用して供給される。給紙された
被記録材1の先端が紙送りローラ2と第1の圧接ローラ
3との間に挟まれる。前記紙送りローラ2が回転駆動さ
れることで、被記録材1が紙送り(搬送)される。
【0044】被記録材1は下ガイド4と上ガイド5との
間に形成された隙間(紙パス)を通過していく。被記録
材1の先端は、紙検出器(紙センサー)6を通った後、
紙送りローラ1とこれに圧接された第2の圧接ローラ7
との間に挟まれる。記録部には記録手段(記録ヘッド)
8とプラテン9が設けられている。記録ヘッド8はキャ
リッジ10に搭載されている、キャリッジ10は被記録
材1を横切る方向に設置されたガイドシャフト11に沿
って往復移動可能に案内支持されている。被記録材1は
記録ヘッド8とプラテン9との間を通過し、回転駆動さ
れる排紙ローラ12と従動回転する拍車13とに挟まれ
る。
【0045】キャリッジ10をガイドシャフト11に沿
って往復移動(主走査)させながら、画像情報に基づい
て記録ヘッド8を駆動することにより、プラテン9に支
持された被記録材1上に画像を記録していく。記録ヘッ
ド8の移動により1行(ライン)分を画像を記録した
後、紙送りローラ2の回転駆動により被記録材1を所定
量だけ(例えば次の行まで)紙送りし、そこで再びキャ
リッジ10を移動させながら記録ヘッド8により次の行
の記録を行う。以下、同様に記録と紙送りを交互に繰り
返して、被記録材1全体の記録が行われる。記録が終了
した被記録材1は、排紙ローラ12の回転駆動により外
部へ排出される。
【0046】図6において、第1の圧接ローラ3はホル
ダー14に回転自在に取り付けられており、該ホルダー
14は支軸15を中心に回動可能に装着されており、該
ホルダーの先端部は圧接バネ16により紙送りローラ2
へ向けて付勢されている。すなわち、前記圧接バネ16
により前記ホルダー14を反時計方向にバネ付勢するこ
とにより、前記第1の圧接ローラ3が前記紙送りローラ
2に弾性力で圧接されている。前記圧接ローラ3、7と
しては、例えばPOM等のプラスチックあるいは金属で
形成されたローラを使用することができる。
【0047】17は定位置において紙送りローラ2と平
行に軸支されたリリース軸である。このリリース軸17
は断面形状が半月状のカム形状をしており、このリリー
ス軸17を回動させることにより前記ホルダー14を圧
接バネ16に抗して図示の圧接位置から時計方向に回動
させ、それによって第1の圧接ローラ3を紙送りローラ
2からリリース(離隔)させることができる。このリリ
ース軸(棒状のカム)17にはギアまたはレバー(不図
示)等が固定されており、該ギアまたはレバー等をモー
タ等の駆動源または手動操作で回動駆動することにより
該リリース軸17を回動させることができる。
【0048】前述したように紙送りローラ2が回転駆動
されることで被記録材1が紙送り(搬送)されるが、従
来の記録装置では、この紙送り動作において、被記録材
1の後端が第1の圧接ローラ3による圧接部から外れる
際に前述した「けとばし」による紙送りピッチムラが生
じ、白筋などの画像乱れの原因となっていた。
【0049】そこで、図6の実施例では、前記ホルダー
14に突起部35が設けられ、該突起部35の先端部は
ピン36を介してダンパ機構37の上端部に接続されて
いる。このダンパ機構37としては、エアダンパあるい
はオイルダンパなど、衝撃吸収能を有する機構であれば
種々の機構を用いることができる。前記ダンパ機構37
の他端部(下端部)はピン38を介して装置本体に装着
されている。
【0050】図7は前記ダンパ機構37の概略構成を例
示する模式図である。このダンパ機構37は、気体また
は液体が充填された密閉シリンダ39内でピストン40
が摺動することにより、緩衝機能(衝撃や振動を吸収す
る機能)を発揮するように構成されている。前記緩衝機
能は、通常、ピストン40の延び出し側および縮み側の
両方で得られるが、本実施例では、少なくとも延び出し
側で緩衝機能が得られるようになっている。
【0051】図8は請求項8の発明における圧接ローラ
保持手段のメカニズムを示す模式図である。図8におい
て、紙送りローラ2に対して被記録材1を介在させて圧
接される圧接ローラ3は、装置本体に対して圧接バネ1
6とダンパ機構37を介して装着されている。図6〜図
8において、前記ダンパ機構37が無い場合には、被記
録材1の後端が第1の圧接ローラ3を通過した時に、圧
接バネ16により該圧接ローラ3が紙送りローラ2の表
面に向かって急激に移動し、前述した「けとばし」によ
る紙送りピッチムラが発生するが、図6〜図8の実施例
によれば、前記ダンパ機構37を設けるので、上記のよ
うな圧接ローラ3の急激な移動が阻止され、前述の「け
とばし」によるピッチムラの発生を無くすことができ
る。
【0052】すなわち、図6〜図8の実施例によれば、
圧接ローラ3の支持機構にダンパ機構37を設けるの
で、被記録材1の後端が紙送りローラ2と圧接ローラ3
との間から外れる時に生じる「けとばし」のショックを
吸収することができ、これにより、紙送りピッチムラの
発生を防止し、白筋等の画像乱れの無い高画質の記録を
行うことが可能な記録装置が得られる。
【0053】図9は請求項8の発明を適用した記録装置
の別の実施例の要部構成を模式的に示す側面図である。
本実施例は、図6中のダンパ機構37に代えて、前記ホ
ルダー14の回転中心である支軸15に回転方向に作用
するダンパ機構45を設けたものである。なお、本実施
例のダンパ機構以外の部分は図6の実施例と実質上同じ
構成をしており、それぞれ対応する部分を同一符号で示
し、それらの詳細説明は省略する。
【0054】図10は図9中のダンパ機構45の概略構
造を示す模式的断面図である。図9および図10におい
て、ダンパ機構45は、オイル等の液体が充填されたケ
ーシング46内にローター47を回転自在に軸支した構
造をしている。図示の例では、前記ケーシング46が装
置本体側に固定され、前記ローター47の軸の延長部分
で前記ホルダー14の支軸15が形成されている。こう
して、圧接ローラ3を軸支するホルダー14の回転に対
し、その回転中心となる支軸15の回転方向に作用する
ダンパ機構45が構成されている。
【0055】図9および図10の実施例によっても、図
6〜図8の実施例と同様、圧接ローラ支持用のホルダー
14の圧接方向の回転(動き)を緩衝するダンパ機構4
5を設けるので、被記録材1の後端が圧接ローラ3を外
れる時の、該圧接ローラ3の紙送りローラ2へ向かう急
激な移動を阻止することができ、前述の「けとばし」に
よるピッチムラの発生を無くすことができ、白筋等の画
像乱れの無い高画質の記録物を得ることが可能になる。
更に、本実施例によれば、ダンパ機構45をホルダー1
4の支軸15の回転に作用する構成にしたので、省スペ
ース化が図れるという利点がある。
【0056】図11は請求項8の発明を適用した記録装
置の更に別の実施例の要部構成を示す模式的平面図であ
り、図12は図11中の圧接ローラユニットの模式的斜
視図である。図11および図12において、ホルダー1
4に圧接ローラ3を回転自在に軸支することにより圧接
ローラユニット50が構成されている。この圧接ローラ
ユニット50(ホルダー14)の両側側面51、51と
下ガイド4(図6、図9)との間にシリコン油などの粘
性物質53を封入した構造のダンパ機構55、55が設
けられている。
【0057】本実施例の各ダンパ機構55は、図11に
示すように、2枚の金属板56、57の間に粘性物質5
3を入れ、その回りを密封部材58でシール(封止)し
た構造をしている。そして、内側の金属板56は前記圧
接ローラユニット50(ホルダー14)の側面51に取
り付けられ、外側の金属板57は下ガイド4に取り付け
られている。一般にダンパには、ダイナミックダンパ、
粘性ダンパ、油圧ダンパなどがあるが、上記ダンパ機構
55としてはどのようなダンパを使用してもよい。
【0058】仮に上記ダンパ機構55が無い場合には、
被記録材1の後端が圧接ローラ3を外れる時に該圧接ロ
ーラ3が紙送りローラ2の表面へ急激に移動するが、図
11および図12の実施例によれば、上記ダンパ機構5
5を設けたので、被記録材1の後端が圧接ローラ3を外
れる時、2枚の金属板56、57が該圧接ローラ3の移
動に連動した動きをすることにより、その間の粘性物質
の抵抗によって圧接ローラユニット50(圧接ローラ
3)の紙送りローラ2への急激な移動を防止することが
できる。なお、図11では、紙送りローラ2は紙面に垂
直に上方に配置されており、したがって、この場合の圧
接ローラ3(圧接ローラユニット50)の移動はその方
向になる。
【0059】したがって、図11および図12の実施例
によっても、図6〜図8の実施例と同様、圧接ローラ支
持用のホルダー14の圧接方向の移動を緩衝するダンパ
機構55を設けるので、被記録材1の後端が圧接ローラ
3を外れる時の、該圧接ローラ3の紙送りローラ2へ向
かう急激な移動を阻止することができ、したがって、前
述の「けとばし」によるピッチムラの発生を無くすこと
ができ、白筋等の画像乱れの無い高画質の記録物を得る
ことが可能になる。
【0060】なお、前述の各実施例では、記録装置がイ
ンクジェット記録装置である場合を例に挙げて説明した
が、本発明は、ワイヤドット式、感熱式、熱転写式、イ
ンクジェット式等、他の記録方式の記録装置においても
同様に適用することができ、同様の効果が得られるもの
である。また、前述の各実施例では、記録手段を主走査
方向に移動させるシリアルタイプの記録装置を例に挙げ
て説明したが、本発明は、被記録材の全幅または一部を
カバーする長さのライン記録手段を用いて副走査のみで
記録するラインタイプの記録装置の場合にも同様に適用
することができ、同様の作用効果が得られるものであ
る。
【0061】また、前述の各実施例では1個の記録手段
で記録する単色記録の場合を例に挙げて説明したが、本
発明は、異なる色で記録する複数の記録手段を用いるカ
ラー記録の場合、あるいは同一色彩で異なる濃度で記録
する複数の記録手段を用いる階調記録など、記録手段の
数や記録色に関係無く広く適用可能であり、それらの場
合にも同様の作用効果が得られるものである。
【0062】さらに、本発明は、記録手段とインクタン
クを一体化したヘッドカートリッジを用いる場合、ある
いは記録手段とインクタンクを別体にし、これらをイン
ク供給チューブ等で接続する場合など、記録手段および
インクタンクの構成がどのような場合でも、同様に適用
することができ、同様の効果を達成し得るものである。
【0063】なお、本発明は、インクジェット記録装置
の場合、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用
いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用でき
るが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出す
る方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。かかる方式に
よれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからで
ある。
【0064】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜
沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一に対応し液
体(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0065】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0066】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれ
ば、記録を確実に効率よく行なうことができるようにな
るからである。
【0067】さらに、前述のように、記録装置が記録で
きる被記録材(記録媒体)の最大幅に対応した長さを有
するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても、本発明
は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、
複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす
構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでもよい。加えて、上例のようなシリアル
タイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、
あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気
的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交
換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッ
ド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0068】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる記録ヘッドに対しての回復手段や予備的な補助手
段等を付加することは、本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニン
グ手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは
別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
ことも安定した記録を行なうために有効である。
【0069】また、前述のように、搭載される記録ヘッ
ドの種類ないし個数についても、例えば、単色のインク
に対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃
度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けられ
るものであってもよい。すなわち、例えば、記録装置の
記録モードとしては、黒色等の主流色のみの記録モード
だけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個
の組み合わせによるか、いずれでもよいが、異なる色の
複色カラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一
つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0070】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいは、インクジェット方式で
は、インク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、
積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態か
ら液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめ
ることで防止するか、または、インクの蒸発防止を目的
として放置状態で固化するインクを用いるかして、いず
れにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0071】このような場合のインクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0072】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有す
るファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよ
い。
【0073】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1〜請求項7の発明によれば、記録手段により被記録材
に記録する記録装置において、紙送りローラ上の搬送経
路内の複数箇所に圧接ローラを配設し、搬送される被記
録材の先端が最終段の圧接ローラを通過した後に、最終
段以外の圧接ローラを紙送りローラからリリースする構
成としたので、紙送りピッチムラの発生を無くすことが
でき、高画質の記録物を得ることが可能な記録装置が提
供される。
【0074】請求項8〜請求項13の発明によれば、記
録手段により被記録材に記録する記録装置において、紙
送りローラにリリース可能に圧接される圧接ローラを設
け、該圧接ローラの圧接方向の動きを緩衝するためのダ
ンパー機構を設ける構成としたので、被記録材の後端が
圧接ローラから外れる時の「けとばし」によるショック
を吸収することができ、記録画像中の白筋等の画像乱れ
の発生を防ぐことができる記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明を適用した記録装置の一実施例
の要部構成を示す模式的縦断面図である。
【図2】図1中の記録手段のインク吐出部の構造を模式
的に示す部分斜視図である。
【図3】図1の記録装置における被記録材の動きとソレ
ノイドの動作状態との関係を示す図表である。
【図4】請求項1の発明を適用した記録装置の別の実施
例の要部構成を模式的に示す部分平面図である。
【図5】図4中の線5−5から見た側面図である。
【図6】請求項8の発明を適用した記録装置の一実施例
の要部構成を示す模式的縦断面図である。
【図7】図6中のダンパ機構の概略構造を模式的に示す
断面図である。
【図8】図6の記録装置の圧接ローラ保持機構の緩衝メ
カニズムを示す説明図である。
【図9】請求項8の発明を適用した記録装置の別の実施
例の要部構成を示す模式的縦断面図である。
【図10】図9中のダンパ機構の概略構造を模式的に示
す断面図である。
【図11】請求項8の発明を適用した記録装置の更に別
の実施例の要部構成を模式的に示す部分平面図である。
【図12】図11中の圧接ローラユニットの模式的斜視
図である。
【図13】被記録材が圧接ローラから外れる時の「けと
ばし」を説明するための紙送り機構の模式的側面図であ
る。
【符号の説明】
1 被記録材 2 紙送りローラ 3 第1の圧接ローラ 4 下ガイド 5 上ガイド 6 紙センサー(紙検出器) 7 第2の圧接ローラ 8 記録手段(記録ヘッド) 9 プラテン 10 キャリッジ 11 ガイドシャフト 12 排紙ローラ 14 ホルダー 15 支軸 16 圧接バネ 17 リリース軸 18 レバー 19 バネ 20 ストッパ 22 ソレノイド 23 可動軸 25 ローラギア 26 リリースギア 27 切り換えギア 28 ギアホルダー 30 支点 31 可動レバー 32 ボス 33 突出部 35 突起部 37 ダンパ機構 39 シリンダ 40 ピストン 45 ダンパ機構 46 ケーシング 47 ローター 50 圧接ローラユニット 51 側面(圧接ローラユニット) 53 粘性物質 55 ダンパ機構 56 金属板 57 金属板 58 密封部材 81 吐出口面 82 吐出口 84 液路 85 電気熱変換体

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録手段により被記録材に記録する記
    録装置において、紙送りローラ上の搬送経路内の複数箇
    所に圧接ローラを配設し、搬送される被記録材の先端が
    最終段の圧接ローラを通過した後に、最終段以外の圧接
    ローラを紙送りローラからリリースすることを特徴とす
    る記録装置。
  2. 【請求項2】 被記録材の有無を検出する被記録材セ
    ンサーが最終段の圧接ローラとその前段の圧接ローラと
    の間に配置されていることを特徴とする請求項1の記録
    装置。
  3. 【請求項3】 圧接ローラをリリースする手段として
    ソレノイドを用いることを特徴とする請求項1の記録装
    置。
  4. 【請求項4】 圧接ローラをリリースする手段が、記
    録手段を搭載したキャリッジの移動によって動作するこ
    とを特徴とする請求項1の記録装置。
  5. 【請求項5】 記録手段がインクジェット記録手段で
    あることを特徴とする請求項1の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録手段が、インクを吐出するた
    めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
    備えているインクジェット記録手段であることを特徴と
    する請求項5の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録手段が、前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴とす
    る請求項6の記録装置。
  8. 【請求項8】 記録手段により被記録材に記録する記
    録装置において、紙送りローラにリリース可能に圧接さ
    れる圧接ローラを設け、該圧接ローラの圧接方向の動き
    を緩衝するためのダンパー機構を設けることを特徴とす
    る記録装置。
  9. 【請求項9】 ダンパー機構を圧接ローラのホルダー
    の回転中心に設けることを特徴とする請求項8の記録装
    置。
  10. 【請求項10】 ダンパー機構を圧接ローラのホルダ
    ーの側面と装置本体との間に設けることを特徴とする請
    求項8の記録装置。
  11. 【請求項11】 記録手段がインクジェット記録手段
    であることを特徴とする請求項8の記録装置。
  12. 【請求項12】 前記記録手段が、インクを吐出する
    ために利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体
    を備えているインクジェット記録手段であることを特徴
    とする請求項11の記録装置。
  13. 【請求項13】 前記記録手段が、前記電気熱変換体
    が発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を
    利用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴と
    する請求項12の記録装置。
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