JPH07331285A

JPH07331285A - 固形洗浄剤組成物

Info

Publication number: JPH07331285A
Application number: JP14529894A
Authority: JP
Inventors: Motoi Takeda; 基武田; Keiko Matsuo; 恵子松尾; Manabu Tonomura; 学外村; Takeshi Otomo; 剛大友
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1994-06-04
Filing date: 1994-06-04
Publication date: 1995-12-19

Abstract

(57)【要約】【目的】イセチオン酸系界面活性剤とベタイン化合物
とを含有する固形洗浄剤組成物に、優れた泡立ちと優れ
た固形物性と低刺激性とを付与する。【構成】１０〜７０重量％の特定のイセチオン酸系界
面活性剤と、１〜２０重量％の特定のベタイン系化合物
と、２〜５０重量％の特定のリン酸エステル系界面活性
剤とから固形洗浄剤組成物を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は固形洗浄剤組成物に関
し、さらに詳しくは皮膚に対し低刺激性であって、かつ
泡立ちに優れ、しかも水でふやけにくく、溶け崩れしに
くいという優れた固形物性を有する固形洗浄剤組成物に
関する。

【０００２】

【従来の技術】固形洗浄剤としては、高級脂肪酸のアル
カリ金属塩である石鹸が従来より一般的に用いられてい
るが、石鹸は硬水中で泡立ちにくく、しかも、加水分解
により石鹸水溶液がｐＨ１０〜１１の強アルカリ性を示
し、皮膚刺激性が大きい等の問題を有している。

【０００３】このため、ラウリル硫酸ナトリウムなどの
中性に近い陰イオン性界面活性剤、Ｎ−アシルグルタミ
ン酸ナトリウムなどの弱酸性界面活性剤等の合成界面活
性剤と石鹸とを組合わせたり、また、石鹸中に含まれる
遊離アルカリの影響を低減する目的で脂肪酸トリエタノ
ールアミン塩と石鹸とを組み合わせるたりすることによ
り固形洗浄剤を構成することが行われている（フレグラ
ンスジャーナル、第４７巻、４７頁、１９８１年）。更
に、石鹸基剤にスルホコハク酸アルキルエステル又はそ
のエチレンオキシド付加物の塩を加えることにより低刺
激性の固形洗浄剤を構成することも提案されている（特
開平２−１５５９９１号公報）。

【０００４】しかしながら、上述のような石鹸を基材と
する固形洗浄剤の場合、石鹸水溶液のｐＨが８〜１０程
度あり、皮膚刺激性の点で不十分であった。

【０００５】このため、石鹸をベースとすることなく、
低刺激性のイセチオン酸系界面活性剤をベースとして使
用する固形洗浄剤が提案されている（ヨーロッパ特許出
願公開第０４７２３２０号明細書）。この固形洗浄剤
は、イセチオン酸塩のアシルエステル誘導体に加えて、
低刺激性で中性で界面活性を有するベタイン系化合物を
必須の界面活性剤成分として含んでいる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、イセチ
オン酸系界面活性剤は粉体ではあるが成型化しにくいも
のであり、また、ベタイン化合物は通常、ベタついてい
るために、これらだけで固形洗浄剤を構成させることは
非常に困難であるという問題があった。

【０００７】このため、ヨーロッパ特許出願公開第０４
７２３２０号明細書の実施例に示されているように、イ
セチオン酸系界面活性剤とベタイン系化合物とに加え
て、固形化剤として長鎖脂肪酸を併用する必要がある。

【０００８】ところが、泡立ちが実使用上良好となるよ
うな量的範囲で、イセチオン酸系界面活性剤とベタイン
化合物とに加えて、長鎖脂肪酸を固形化剤として配合し
成型した固形洗浄剤は、水で非常にふやけ易く、しかも
溶け崩れ易いという不十分な固形物性を示すという問題
があった。

【０００９】本発明は、以上のような従来技術の課題を
解決しようとするものであり、イセチオン酸系界面活性
剤とベタイン化合物とを含有する固形洗浄剤組成物に、
優れた泡立ちと優れた固形物性と低刺激性とを付与する
ことを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定のイ
セチオン酸系界面活性剤とベタイン系化合物とに加え
て、中性域での泡立ちが良好で、低刺激性であり、ま
た、良好な固形物性を有する特定のリン酸エステル系界
面活性剤を併用することにより上述の目的を達成できる
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。

【００１１】すなわち本発明は、イセチオン酸系界面活
性剤、ベタイン系化合物及びリン酸エステル系界面活性
剤を含有する固形洗浄剤組成物であって、該イセチオン
酸系界面活性剤が、式（１）

【００１２】

【化４】（式中、Ｒ^１は炭素数９〜１７の飽和又は不飽和の炭化
水素基を示し、Ｚは水素原子、アルカリ金属、アンモニ
ウム又は炭素数２〜３のヒドロキシアルキル基を有する
モノ、ジもしくはトリアルカノールアンモニウムを示
す。）で表される化合物であり、該ベタイン系化合物が
式（２）

【００１３】

【化５】（式中、Ｒ^２は炭素数８〜１８の飽和又は不飽和の炭化
水素基を示し、αは水素原子又はヒドロキシメチル基を
示し、βは−（ＣＨ_２）−又は−（ＣＯＮＨＣＨ_２ＣＨ
_２ＣＨ_２）−を示し、γは−（ＣＯＯ⁻）又は−（ＣＨ
（ＯＨ）ＣＨ_２ＳＯ_３ ⁻）を示す。）で表わされる化合
物であり、且つ、該リン酸エステル系界面活性剤が式
（３）又は（４）

【００１４】

【化６】（式中、Ｒ^３、Ｒ^４及びＲ^５は独立的に炭素数１６〜２
２の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、Ｘ及びＹは独
立的に水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は炭素
数２〜３のヒドロキシアルキル基を有するモノ、ジもし
くはトリアルカノールアンモニウムであり、ａ、ｂ及び
ｃは独立的に０〜１０の数である。）で表される化合物
であり、且つ該イセチオン酸系界面活性剤を１０〜７０
重量％、該ベタイン系化合物を１〜２０重量％及び該リ
ン酸エステル系界面活性剤を２〜５０重量％含有するこ
とを特徴とする固形洗浄剤組成物を提供する。

【００１５】以下、本発明を詳細に説明する。

【００１６】本発明においては、式（１）のイセチオン
酸系界面活性剤を使用する。この化合物は、中性領域で
界面活性を有し、且つ低刺激性の合成界面活性剤であ
る。従って、この化合物を使用して固形洗浄剤組成物を
構成すると、他の配合成分との関係にもよるが、固形洗
浄剤組成物に好ましい低刺激性を付与することができ
る。

【００１７】式（１）のイセチオン酸系界面活性剤にお
いて、Ｒ^１の炭素数９〜１７の飽和又は不飽和の炭化水
素基としては、ノニル基、ウンデシル基、トリデシル
基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、８−ヘプタデセ
ニル基などを例示することができ、中でも炭素数１１〜
１３の飽和炭化水素基、例えば、ウンデシル基、トリデ
シル基が好ましい。Ｚのアルカリ金属としては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウムなどを例示することができ、
炭素数２〜３のヒドロキシアルキル基を有するモノ、ジ
もしくはトリアルカノールアンモニウムにおける炭素数
２〜３のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエ
チル基、ヒドロキシプロピル基を例示することができ
る。

【００１８】上述のように定義される式（１）のイセチ
オン酸系界面活性剤の好ましい具体例としては、ラウロ
イルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン
酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸カリウム、ミリ
ストイルイセチオン酸カリウム、ラウロイルイセチオン
酸トリエタノールアミン、ココイルイセチオン酸ナトリ
ウム、ココイルイセチオン酸カリウム等を例示すること
ができる。ここで、「ココイル」とは、やし油由来の脂
肪酸から誘導されたアシル基であり、その脂肪酸は、一
般にラウリン酸を約５０重量％と、ミリスチン酸とパル
ミチン酸とステアリン酸とを２０〜４０重量％とを含有
する炭素数６〜１８の脂肪酸の混合物である。

【００１９】式（１）のイセチオン酸系界面活性剤の配
合量は、固形洗浄剤組成物中に１０〜７０重量％、好ま
しくは３０〜６０重量％、より好ましくは３０〜５０重
量％である。その配合量が１０重量％を下回ると泡立ち
が不十分となる傾向があり、７０重量％を超えるとふや
けやすくなる傾向がある。

【００２０】なお、式（１）のイセチオン酸系界面活性
剤は単独でも、二種以上を混合して使用してもよい。

【００２１】本発明においては、式（１）のイセチオン
酸系界面活性剤に加えて、式（２）のベタイン系化合物
を使用する。このベタイン系化合物は、イセチオン酸系
界面活性剤の不十分な泡立ち性を改善するために用いら
れている。

【００２２】式（２）のベタイン系化合物において、Ｒ
^２の炭素数８〜１８の飽和又は不飽和の炭化水素基とし
ては、オクチル基、ノニル基、ウンデシル基、トリデシ
ル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、８−ヘプタデ
セニル基などを例示することができる。

【００２３】上述のように定義される式（２）のベタイ
ン系化合物の好ましい具体例としては、ラウロイルアミ
ドプロピルジメチルカルボキシベタイン、ラウリルヒド
ロキシスルホベタイン、ココイルアミドプロピルヒドロ
キシスルホベタイン、ラウロイルアミドプロピルヒドロ
キシスルホベタインなどを好ましく例示することができ
る。

【００２４】式（２）のベタイン系化合物の配合量は、
固形洗浄剤組成物中に１〜２０重量％、好ましくは１〜
１５重量％、より好ましくは１〜１０重量％である。そ
の配合量が１％を下回ると泡立ちが不十分となる傾向が
あり、２０％を超えると固形物性が不十分となる傾向が
ある。

【００２５】なお、本発明において、ベタイン系化合物
としては、水溶液として市販されているものを使用する
ことができる。この場合、ベタイン系化合物を含有する
水溶液は通常２〜８％程度の塩（ＮａＣｌ）を含有する
ものが多いが、そのような水溶液を使用する場合、その
塩の含有量が対ベタイン化合物比で２０％以下のものを
使用することが好ましい。

【００２６】本発明においては、上述した式（１）のイ
セチオン酸系界面活性剤と式（２）のベタイン系化合物
に加えて、式（３）又は（４）のリン酸エステル系界面
活性剤を使用する。これらのリン酸エステル系界面活性
剤は、中性領域で界面活性を有し、低刺激性であり、し
かも石鹸のように、成型が容易で優れた固形物性を有す
る化合物である。従って、これらのリン酸エステル系界
面活性剤を併用することにより、好ましい固形物性と低
刺激性とを固形洗浄剤組成物に付与することができる。

【００２７】式（３）又は（４）のリン酸エステル系界
面活性剤において、ａ、ｂ及びｃは０〜１０の数である
が、０〜３が好ましく、特に０の場合が、固形物性と泡
立ち性とのバランスの点で好ましい。

【００２８】また、Ｒ^３、Ｒ^４及びＲ^５の飽和又は不飽
和の炭化水素基の炭素数は１６〜２２に限定されている
が、これは、炭素数が１６を下回ると固体物性が不十分
となり、２２を超えると泡立ちが不十分となるためであ
る。このような炭化水素基としては、パルミチル基、ヘ
プタデシル基、ステアリル基、オレイル基、ノナデシル
基、アラキル基、ヘンエイコシル基、ベヘニル基などの
アルキル基を例示することができる。Ｘ及びＹのアルカ
リ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなど
を例示することができ、炭素数２〜３のヒドロキシアル
キル基を有するモノ、ジもしくはトリアルカノールアン
モニウムにおける炭素数２〜３のヒドロキシアルキル基
としては、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基
を例示することがでいる。

【００２９】上述のように定義される式（３）又は
（４）のリン酸エステル系界面活性剤は、それぞれ単独
で本発明の固形洗浄剤組成物に配合してもよく、同時に
併用してもよい。このような式（３）又は（４）の化合
物の具体例としては、モノもしくはジパルミチルリン酸
エステル、モノもしくはジヘプタデシルリン酸エステ
ル、モノもしくはジステアリルリン酸エステル、モノも
しくはジノナデシルリン酸エステル、モノもしくはジア
ラキルリン酸エステル、モノもしくはジヘンエイコシル
リン酸エステル、それらのモノもしくはジアルカリ金属
塩などを例示することができる。中でも、モノ又はジス
テアリルリン酸エステルのナトリウム塩を好ましく例示
することができる。この場合、ジステアリルリン酸エス
テルのナトリウム塩のモノステアリルリン酸エステルの
ナトリウム塩に対する重量比が１を超えると固形洗浄剤
組成物の泡立ちが不十分となる傾向があるので、ノステ
アリルリン酸エステルのナトリウム塩のジステアリルリ
ン酸エステルのナトリウム塩に対する重量比を１００：
０〜５０：５０とすることが好ましい。

【００３０】式（３）又は（４）のリン酸エステル系界
面活性剤の配合量は、固形洗浄剤組成物中に２〜５０重
量％、好ましくは１０〜４０重量％、より好ましくは２
０〜３５重量％である。その配合量が２重量％を下回る
と、固体物性が不十分となり、５０重量％を超えると泡
立ちが不十分となる。

【００３１】なお、リン酸エステル型界面活性剤として
は、式（３）又は（４）の化合物単独で配合してもよい
が、同時に併用してもよい。その場合、式（３）と
（４）との配合比率には特に限定はないが、通常、式
（３）の化合物が７０重量％程度の市販品を好ましく使
用することができる。

【００３２】本発明の固形洗浄剤組成物には、前記イセ
チオン酸系界面活性剤、ベタイン系化合物及びリン酸エ
ステル系界面活性剤に加え、本発明の効果を損なわない
範囲で、以下に列挙する任意成分、すなわち、固形化剤
としてパラフィン、脂肪酸、高級アルコール、長鎖アル
キルサルフェート、ポリエチレングリコール、牛脂アル
コールエトキシレート等のノニオン界面活性剤、脂肪酸
石鹸、脂肪酸エタノールアミド、ジエチレングリコール
モノステアレート、モノグリセリド、完硬牛脂、Ｎａ_２
ＳＯ_４、ＣａＨＰＯ_４、ＭｇＨＰＯ_４、ＮａＨ_２ＰＯ_４
等の無機塩類、タルク、カオリン等の無機粉体、デンプ
ン、デキストリン、マンニトール、グルコース等の糖類
などを配合することができる。

【００３３】また、式（３）又は（４）のリン酸エステ
ル系界面活性剤に加え、式（３）又は（４）におけるＲ
^３、Ｒ^４及びＲ^５を炭素数８〜１４の飽和又は不飽和の
炭化水素基に置換したリン酸エステル系界面活性剤を、
泡立ちを低下させない範囲で配合することができる。こ
れにより固形洗浄剤組成物に良好な可塑性と粘着性とを
付与することができる。

【００３４】また、本発明の固形洗浄剤組成物には、保
湿剤、例えば、長鎖脂肪酸、液体水溶性ポリオール類、
グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、メ
チルグルコースのエトキシル化／プロポキシル化エーテ
ル類、ラノリンアルコールのエトキシル化／プロポキシ
ル化エーテル類、皮膚角質層中の天然化合物（例えばピ
ロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸等）、加水分解タ
ンパク質、コラーゲン誘導タンパク質、アロエベラゲ
ル、アセトアミドモノエタノールアミド、シリコーン誘
導体、ラノリン及び油溶性ラノリン誘導体、（不）飽和
脂肪アルコール（例えばペヘニルアルコール、スクアレ
ン等）各種動物油及び植物油（例えば綿実油、ホホバ油
等）など、増泡剤として、例えば、高級脂肪酸又はその
塩、アルキルアミンオキサイド、脂肪酸アルカノールア
ミド（例えばステアリン酸ジエタノールアミド等）、イ
ミダゾリン系両性界面活性剤、陰イオン界面活性剤（例
えばアルキルサルフェート、アルキルスルホネート
等）、非イオン界面活性剤（例えばエトキシ化脂肪アル
コール等）など、殺菌剤として、例えば、ヘキサクロロ
フェン、３，４，４´−トリクロルカルバニド、３，４
´，５−トリブロムサリチルアニリド、３−トリフルオ
ロメチル−４，４´−ジクロルカルバニリド、テトラメ
チルチウラムジスクフィド、２，４，４´−トリクロル
−２´−ヒドロキシジフェニルエーテルなど、消炎剤と
して、例えば、カミツレエキス、アラントイン、グアイ
アズレン、グリチルリチン酸、サリチル酸メチルなど、
酸化防止剤として、例えば、エチレンジアミンテトラ酢
酸、ジブチルヒドロキシトルエンなど、更に、水、香
料、色素、紫外線吸収剤などの添加剤を適宜配合するこ
とができる。

【００３５】これら任意成分の配合量は、本発明の固形
洗浄剤組成物中の２０重量％以下とすることが好まし
い。

【００３６】本発明の固形洗浄剤組成物は、例えば以下
に示す方法に従って製造することができる。

【００３７】即ち、まず、未中和のリン酸エステルと、
それを中和するのに必要な量のアルカリ水溶液とをニー
ダー中で加熱し、均一に混合する。その後、イセチオン
酸系界面活性剤とベタイン系化合物とを添加し、均一に
なるまで更に撹拌混合する。その後、ニーダーより混合
物を取り出し、チリングロール等で室温まで冷却する。
これに香料、色素等を配合した後、石鹸用プロッダーで
混練し、コーン部より押し出した後、型打ち機で成型す
ることにより本発明の固形洗浄剤組成物が得られる。

【００３８】

【作用】本発明の固形洗浄剤組成物は、特定のイセチオ
ン酸系界面活性剤、特定のベタイン系化合物及び特定の
リン酸エステル系界面活性剤から構成されている。従っ
て、優れた泡立ち性と、水にふやけにくく且つ溶け崩れ
しにくいという優れた固形物性と、低刺激性とを同時に
実現することが可能となる。

【００３９】

【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。

【００４０】実施例１及び比較例１表１に組成を示す固形洗浄剤組成物を下記方法により調
製した。

【００４１】（調製方法）各成分をニーダー中で攪拌混
合した後、ニーダーより取り出し、チリングロールで室
温まで冷却した。これを石鹸用プロッダーで２回混練し
た後、コーン部より押し出し、型打ちして固形洗浄剤組
成物を得た。

【００４２】得られた固形洗浄剤組成物のそれぞれにつ
いて、固形物性（ふやけ度）及び泡立ち性）を下記方法
により評価した。結果を併せて表１に示す。

【００４３】［ふやけ度試験］型打ちした固形洗浄剤
を、石鹸箱に半分水中に浸漬するように入れ、２５℃の
水中に１時間浸漬する。これを取り出し、浸漬面を上に
して１００％ＲＨデシケータ中に２４時間放置する。そ
の後、固形洗浄剤をデシケータより取り出して、レオメ
ータ（不動工業（株）製、ＮＲＭ−２０１０Ｔ−ＣＷ）
にセットし、直径１ｃｍの平板状圧子を表面から進入さ
せ、１ｋｇの抗力が得られた時の表面からの距離を測定
し、下式よりふやけ度を算出した。この場合、数値が大
きい方がふやけ度が大きい。

【００４４】［ふやけ度（ｍｍ）］＝［浸漬後の進入距離］［泡立ち試験］各固形洗浄剤について、専門パネリスト
が手洗い評価を行い、以下の評価基準に従って泡立ち性
を評価した。

【００４５】［泡立ち］の評価基準ランク状態Ａ：非常に良く泡立つ場合Ｂ：良く泡立つ場合Ｃ：やや泡立つ場合Ｄ：あまり泡立たない場合Ｅ：泡立たない場合

【００４６】

【表１】成分名配合量（重量部）実施例１比較例１モノステアリルリン酸ナトリウム３４ − ココイルイセチオン酸ナトリウム３３３３ラウロイルアミドプロピルヒドロキシスルホベタイン５５精製ステアリン酸^＊１１０１０ヤシ油脂肪酸^＊２９４３精製水バランスバランス計１００１００評価項目（評価結果）ふやけ度１．２３．５泡立ちＡＣ＊１：特級ステアリン酸＃５５０、花王（株）製＊２：ルナックＬ−５５、花王（株）製。

【００４７】表１に示す結果より明らかなように、実施
例１の固形洗浄剤組成物は低刺激性成分のみから構成さ
れているので全体として低刺激性であり、また、比較例
１の固形洗浄剤組成物に比べ、ふやけ度が著しく小さ
く、しかも優れた泡立ち性を示した。また、実施例１の
固形洗浄剤組成物は、溶け崩れにくいものであった。

【００４８】実施例２以下の表２に示す組成の固形洗浄剤組成物を、実施例１
と同様の操作により調製した。

【００４９】

【表２】成分名配合量（重量部）リン酸エステル化合物ナトリウム塩^＊３３４ココイルイセチオン酸ナトリウム３５ココイルアミドプロピルヒドロキシスルホベタイン８ヤシ油脂肪酸１０香料１顔料０．５水分バランス計１００＊３：このリン酸エステル化合物ナトリウム塩は、ステ
アリルアルコールと五酸化リンと精製水とを反応させて
得られたものである。その成分組成は、モノステアリル
リン酸エステル（式（３）の化合物に相当）７０重量
％、ジステアリルリン酸エステル（式（４）の化合物に
相当）２０重量％、リン酸５重量％、残余が未反応アル
コールと水分である。

【００５０】得られた固形洗浄剤組成物は、実施例１の
固形洗浄剤組成物と同様の優れた低刺激性と固形物性と
泡立ち性とを示した。

【００５１】実施例３以下の表３に示す組成の固形洗浄剤組成物を、実施例１
と同様の操作により調製した。

【００５２】

【表３】成分名配合量（重量部）リン酸エステル化合物ナトリウム塩（実施例１と同じ）３４ココイルイセチオン酸ナトリウム３５ラウロイルアミドプロピルジメチルカルボキシベタイン１０ヤシ油脂肪酸１０香料１顔料０．５水分バランス計１００得られた固形洗浄剤組成物は、実施例１の固形洗浄剤組
成物と同様の優れた低刺激性と固形物性と泡立ち性とを
示した。

【００５３】実施例４以下の表４に示す組成の固形洗浄剤組成物を、実施例１
と同様の操作により調製した。

【００５４】

【表４】成分名配合量（重量部）リン酸エステル化合物ナトリウム塩（実施例１と同じ）３４ココイルイセチオン酸ナトリウム３５ラウロイルヒドロキシスルホベタイン５ヤシ油脂肪酸１０香料１顔料０．５水分バランス計１００得られた固形洗浄剤組成物は、実施例１の固形洗浄剤組
成物と同様の優れた低刺激性と固形物性と泡立ち性とを
示した。

【００５５】実施例５以下の表５に示す組成の固形洗浄剤組成物を、実施例１
と同様の操作により調製した。

【００５６】

【表５】成分名配合量（重量部）リン酸エステル化合物ナトリウム塩（実施例１と同じ）３４ココイルイセチオン酸ナトリウム３５ラウロイルヒドロキシスルホベタイン３ラウロイルアミドプロピルジメチルカルボキシベタイン３ラウロイルアミドプロピルヒドロキシスルホベタイン３ヤシ油脂肪酸１０香料１顔料０．５水分バランス計１００得られた固形洗浄剤組成物は、実施例１の固形洗浄剤組
成物と同様の優れた低刺激性と固形物性と泡立ち性とを
示した。

【００５７】実施例６以下の表６に示す組成の固形洗浄剤組成物を、実施例１
と同様の操作により調製した。

【００５８】

【表６】成分名配合量（重量部）リン酸エステル化合物ナトリウム塩^＊４３４ココイルイセチオン酸ナトリウム３５ココイルアミドプロピルヒドロキシスルホベタイン８ヤシ油脂肪酸１０香料１顔料０．５水分バランス計１００＊４このリン酸エステル化合物ナトリウム塩は、ステア
リルアルコール／セタノールの５０／５０混合アルコー
ルと五酸化リンと精製水とを反応させて得られたもので
ある。その成分組成は、モノステアリルリン酸エステル
（式（３）の化合物（Ｒ^３はＣ１６及びＣ１８アルキル
基）に相当）７０重量％、ジステアリルリン酸エステル
（式（４）の化合物（Ｒ^４及び^５はＣ１８及びＣ１６ア
ルキル基）に相当）２０重量％、リン酸５重量％、残余
が未反応アルコールと水分である。

【００５９】得られた固形洗浄剤組成物は、実施例１の
固形洗浄剤組成物と同様の優れた低刺激性と固形物性と
泡立ち性とを示した。

【００６０】実施例７以下の表７に示す組成の固形洗浄剤組成物を、実施例１
と同様の操作により調製した。

【００６１】

【表７】成分名配合量（重量部）リン酸エステル化合物ナトリウム塩（実施例１と同じ）２５ココイルイセチオン酸ナトリウム５０ココイルアミドプロピルヒドロキシスルホベタイン３ヤシ油脂肪酸８ポリエチレンオキサイド０．１トリクロサン０．２ステアリン酸マグネシウム０．４香料１顔料０．５水分バランス計１００得られた固形洗浄剤組成物は、実施例１の固形洗浄剤組
成物と同様の優れた低刺激性と固形物性と泡立ち性とを
示した。

【００６２】実施例８以下の表８に示す組成の固形洗浄剤組成物を、実施例１
と同様の操作により調製した。

【００６３】

【表８】成分名配合量（重量部）リン酸エステル化合物ナトリウム塩（実施例１と同じ）１０ココイルイセチオン酸ナトリウム５５ココイルアミドプロピルヒドロキシスルホベタイン３硬化牛脂肪酸１０やし脂肪酸ナトリウム５塩化マグネシウム０．１酸化マグネシウム０．３香料１顔料０．５水分バランス計１００得られた固形洗浄剤組成物は、実施例１の固形洗浄剤組
成物と同様の優れた低刺激性と固形物性と泡立ち性とを
示した。

【００６４】

【発明の効果】本発明の固形洗浄剤組成物は、皮膚に対
し低刺激性であって、かつ泡立ちに優れ、しかも水によ
るふやけや溶け崩れを起こさず、固形物性に優れてい
る。

【手続補正書】

【提出日】平成６年７月１２日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００３

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００３】このため、ラウリル硫酸ナトリウムなどの
中性に近い陰イオン性界面活性剤、Ｎ−アシルグルタミ
ン酸ナトリウムなどの弱酸性界面活性剤等の合成界面活
性剤と石鹸とを組合わせたり、また、石鹸中に含まれる
遊離アルカリの影響を低減する目的で脂肪酸トリエタノ
ールアミン塩と石鹸とを組み合わせたりすることにより
固形洗浄剤を構成することが行われている（フレグラン
スジャーナル、第４７巻、４７頁、１９８１年）。更
に、石鹸基剤にスルホコハク酸アルキルエステル又はそ
のエチレンオキシド付加物の塩を加えることにより低刺
激性の固形洗浄剤を構成することも提案されている（特
開平２−１５５９９１号公報）。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００６

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、イセチ
オン酸系界面活性剤は粉体ではあるが成型化しにくいも
のであり、また、ベタイン系化合物は通常、ベタついて
いるために、これらだけで固形洗浄剤を構成させること
は非常に困難であるという問題があった。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００８

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００８】ところが、泡立ちが実用上良好となるよう
な量的範囲で、イセチオン酸系界面活性剤とベタイン系
化合物とに加えて、長鎖脂肪酸を固形化剤として配合し
成型した固形洗浄剤は、水で非常にふやけ易く、しかも
溶け崩れ易いという不十分な固形物性を示すという問題
があった。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２９

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２９】上述のように定義される式（３）又は
（４）のリン酸エステル系界面活性剤は、それぞれ単独
で本発明の固形洗浄剤組成物に配合してもよく、同時に
併用してもよい。このような式（３）又は（４）の化合
物の具体例としては、モノもしくはジパルミチルリン酸
エステル、モノもしくはジステアリルリン酸エステル、
モノもしくはジアラキルリン酸エステル、モノもしくは
ジベヘニルリン酸エステル、それらのモノもしくはジア
ルカリ金属塩などを例示することができる。中でも、モ
ノ又はジステアリルリン酸エステルのナトリウム塩を好
ましく例示することができる。この場合、ジステアリル
リン酸エステルのナトリウム塩のモノステアリルリン酸
エステルのナトリウム塩に対する重量比が１を超えると
固形洗浄剤組成物の泡立ちが不十分となる傾向があるの
で、モノステアリルリン酸エステルのナトリウム塩のジ
ステアリルリン酸エステルのナトリウム塩に対する重量
比を１００：０〜５０：５０とすることが好ましい。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】イセチオン酸系界面活性剤、ベタイン系
化合物及びリン酸エステル系界面活性剤を含有する固形
洗浄剤組成物であって、該イセチオン酸系界面活性剤
が、式（１）【化１】（式中、Ｒ^１は炭素数９〜１７の飽和又は不飽和の炭化
水素基を示し、Ｚは水素原子、アルカリ金属、アンモニ
ウム又は炭素数２〜３のヒドロキシアルキル基を有する
モノ、ジもしくはトリアルカノールアンモニウムを示
す。）で表される化合物であり、該ベタイン系化合物が
式（２）【化２】（式中、Ｒ^２は炭素数８〜１８の飽和又は不飽和の炭化
水素基を示し、αは水素原子又はヒドロキシメチル基を
示し、βは−（ＣＨ_２）−又は−（ＣＯＮＨＣＨ_２ＣＨ
_２ＣＨ_２）−を示し、γは−（ＣＯＯ⁻）又は−（ＣＨ
（ＯＨ）ＣＨ_２ＳＯ_３ ⁻）を示す。）で表わされる化合
物であり、該リン酸エステル系界面活性剤が式（３）又
は（４）【化３】（式中、Ｒ^３、Ｒ^４及びＲ^５は独立的に炭素数１６〜２
２の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、Ｘ及びＹは独
立的に水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は炭素
数２〜３のヒドロキシアルキル基を有するモノ、ジもし
くはトリアルカノールアンモニウムであり、ａ、ｂ及び
ｃは独立的に０〜１０の数である。）で表される化合物
であり、且つ該イセチオン酸系界面活性剤を１０〜７０
重量％、該ベタイン系化合物を１〜２０重量％及び該リ
ン酸エステル系界面活性剤を２〜５０重量％含有するこ
とを特徴とする固形洗浄剤組成物。
【請求項２】該イセチオン酸系界面活性剤を３０〜５
０重量％、該ベタイン系化合物を１〜１０重量％及び該
リン酸エステル系界面活性剤を２０〜３５重量％を含有
する請求項１記載の固形洗浄剤組成物。
【請求項３】該リン酸エステル系界面活性剤が、モノ
もしくはジパルミチルリン酸エステル、モノもしくはジ
ステアリルリン酸エステル、モノもしくはジアラキルリ
ン酸エステル、モノもしくはジベヘニルリン酸エステ
ル、及びそれらのモノもしくはジアルカリ金属塩からな
る群より選択された少なくとも一種である請求項１又は
２記載の固形洗浄剤組成物。
【請求項４】該リン酸エステル系界面活性剤が、モノ
又はジステアリルリン酸エステルのナトリウム塩であ
り、モノステアリルリン酸エステルのナトリウム塩のジ
ステアリルリン酸エステルのナトリウム塩に対する重量
比が１００：０〜５０：５０である請求項１又は２記載
の固形洗浄剤組成物。