JPH07330654A - エーテル置換アルデヒド類の製造方法 - Google Patents
エーテル置換アルデヒド類の製造方法Info
- Publication number
- JPH07330654A JPH07330654A JP6142287A JP14228794A JPH07330654A JP H07330654 A JPH07330654 A JP H07330654A JP 6142287 A JP6142287 A JP 6142287A JP 14228794 A JP14228794 A JP 14228794A JP H07330654 A JPH07330654 A JP H07330654A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- formula
- organic solvent
- alkyl
- catalyst
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 (式1)
【化1】
(式中、Arは置換基を有していてもよいアリ−ル基を
表わし、R1 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
基を表し、R2 は置換基を有していてもよい炭素数1〜
10のアルキル基を表す。)で示される芳香族系グリコ
−ルモノエ−テル類をN−オキシラジカル触媒の存在
下、酸化剤として次亜塩素酸塩を用いて二相の水−有機
溶媒系中で酸化することを特徴とする(式2) 【化2】 (式中、Ar、R1 及びR2 は前記定義のとおりであ
る。)で示されるエ−テル置換アルデヒド類の製造方
法。 【効果】 抗てんかん薬としての作用を有するフェルバ
メートの前駆体である2−アリール−1,3−プロパン
ジオール又はその誘導体に変換することのできるエ−テ
ル置換アルデヒド類を高収率で製造することができる。
表わし、R1 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
基を表し、R2 は置換基を有していてもよい炭素数1〜
10のアルキル基を表す。)で示される芳香族系グリコ
−ルモノエ−テル類をN−オキシラジカル触媒の存在
下、酸化剤として次亜塩素酸塩を用いて二相の水−有機
溶媒系中で酸化することを特徴とする(式2) 【化2】 (式中、Ar、R1 及びR2 は前記定義のとおりであ
る。)で示されるエ−テル置換アルデヒド類の製造方
法。 【効果】 抗てんかん薬としての作用を有するフェルバ
メートの前駆体である2−アリール−1,3−プロパン
ジオール又はその誘導体に変換することのできるエ−テ
ル置換アルデヒド類を高収率で製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗てんかん薬としての
作用を有するフェルバメートの前駆体である2−アリー
ル−1,3−プロパンジオール又はその誘導体に変換す
ることのできる、(式2)
作用を有するフェルバメートの前駆体である2−アリー
ル−1,3−プロパンジオール又はその誘導体に変換す
ることのできる、(式2)
【0002】
【化4】 (式中、Arは置換基を有していてもよいアリ−ル基を
表わし、R1 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
基を表し、R2 は置換基を有していてもよい炭素数1〜
10のアルキル基を表す。)で示されるエ−テル置換ア
ルデヒド類の製造方法に関する。
表わし、R1 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
基を表し、R2 は置換基を有していてもよい炭素数1〜
10のアルキル基を表す。)で示されるエ−テル置換ア
ルデヒド類の製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】2−アルコキシ−2−アリ−ルエタン−
1−オ−ルを酸化することによる2−アルコキシ−2−
アリ−ルエタン−1−ア−ルの製造方法として、2−メ
トキシ−2−フェニルエタン−1−ア−ルの製造例が知
られている(R. Annunziata ら、J. Chem. Soc. Parkin
Trans. 1, 255 (1985))。この方法は一
般にスワ−ン酸化と呼ばれ、学術的な実験には有効であ
るが、実用性に乏しい方法である。何となれば、この方
法で用いられる酸化剤はジメチルスルホキシドであり、
反応の結果、悪臭を放つジメチルスルフィドが生じる。
さらに、反応を−60℃付近の低温で行なう必要がある
ので、冷却のためのエネルギ−コストがかかるうえ、酸
化補助剤として高価な塩化オキザリルを用いる必要があ
るので、工業的に実施することは困難である。
1−オ−ルを酸化することによる2−アルコキシ−2−
アリ−ルエタン−1−ア−ルの製造方法として、2−メ
トキシ−2−フェニルエタン−1−ア−ルの製造例が知
られている(R. Annunziata ら、J. Chem. Soc. Parkin
Trans. 1, 255 (1985))。この方法は一
般にスワ−ン酸化と呼ばれ、学術的な実験には有効であ
るが、実用性に乏しい方法である。何となれば、この方
法で用いられる酸化剤はジメチルスルホキシドであり、
反応の結果、悪臭を放つジメチルスルフィドが生じる。
さらに、反応を−60℃付近の低温で行なう必要がある
ので、冷却のためのエネルギ−コストがかかるうえ、酸
化補助剤として高価な塩化オキザリルを用いる必要があ
るので、工業的に実施することは困難である。
【0004】P. L. Anelliら(J. Org. Chem., 52,
2559(1987))によれば、酸化剤として次亜
塩素酸ナトリウム、触媒としてN−オキシラジカルを用
い、共触媒としての臭素イオンの存在下、炭酸水素ナト
リウムをpH調節剤として用いて塩化メチレンと水との
二相系溶媒中で一級アルコ−ルを酸化するとアルデヒド
が得られることが記載されているが、2−アルコキシ−
2−アリ−ルエタン−1−ア−ルの合成例は示されてい
ない。
2559(1987))によれば、酸化剤として次亜
塩素酸ナトリウム、触媒としてN−オキシラジカルを用
い、共触媒としての臭素イオンの存在下、炭酸水素ナト
リウムをpH調節剤として用いて塩化メチレンと水との
二相系溶媒中で一級アルコ−ルを酸化するとアルデヒド
が得られることが記載されているが、2−アルコキシ−
2−アリ−ルエタン−1−ア−ルの合成例は示されてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
のスワ−ン酸化のような工業的実施が困難な方法による
ことなく、2−アルコキシ−2−アリ−ルエタン−1−
オ−ルを酸化して2−アルコキシ−2−アリ−ルエタン
−1−ア−ルを高収率で製造する方法を提供することに
ある。
のスワ−ン酸化のような工業的実施が困難な方法による
ことなく、2−アルコキシ−2−アリ−ルエタン−1−
オ−ルを酸化して2−アルコキシ−2−アリ−ルエタン
−1−ア−ルを高収率で製造する方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題は、該酸化反応をN−オキシラジカル触媒の存在下、
酸化剤として次亜塩素酸塩を用いて二相の水−有機溶媒
系中で実施することにより解決されることが見出され
た。
題は、該酸化反応をN−オキシラジカル触媒の存在下、
酸化剤として次亜塩素酸塩を用いて二相の水−有機溶媒
系中で実施することにより解決されることが見出され
た。
【0007】すなわち、本発明は(式1)
【0008】
【化5】 (式中、Arは置換基を有していてもよいアリ−ル基を
表わし、R1 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
基を表し、R2 は置換基を有していてもよい炭素数1〜
10のアルキル基を表す。)で示される芳香族系グリコ
−ルモノエ−テル類をN−オキシラジカル触媒の存在
下、酸化剤として次亜塩素酸塩を用いて二相の水−有機
溶媒系中で酸化することを特徴とする(式2)
表わし、R1 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
基を表し、R2 は置換基を有していてもよい炭素数1〜
10のアルキル基を表す。)で示される芳香族系グリコ
−ルモノエ−テル類をN−オキシラジカル触媒の存在
下、酸化剤として次亜塩素酸塩を用いて二相の水−有機
溶媒系中で酸化することを特徴とする(式2)
【0009】
【化6】 (式中、Ar、R1 及びR2 は前記定義のとおりであ
る。)で示されるエ−テル置換アルデヒド類の製造方法
を提供する。
る。)で示されるエ−テル置換アルデヒド類の製造方法
を提供する。
【0010】(式1)中のArで表されるアリ−ル基
は、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、チエニ
ル基であり、これらのアリ−ル基が有していてもよい置
換基は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、メトキ
シ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子等である。R1 で表される炭素数1〜
6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−
ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチ
ル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられ
る。R2 は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の
アルキル基を表し、該アルキル基としては、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、t−ブチル基、イソアミル基等が挙げられ
る。これらのアルキル基が有していてもよい置換基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の
炭素数1〜5のアルコキシ基、またはフェニル基、トリ
ル基、エチルフェニル基等のアリ−ル基が例示され、置
換基を有しているアルキル基の好適な例はベンジル基で
ある。(式1)で表される芳香族系グリコ−ルモノエ−
テル類は、芳香族オキサイド類とアルコール類とを硫酸
等の酸触媒を利用して反応させることにより(特公平5
−52819号公報、J Am. Chem. So
c. 72, 1480(1950))、あるいは芳香
族オキサイド類とアルコール類とをパーフルオロ化スル
ホン酸系イオン交換樹脂(Nafion−H(商品
名):デュポン(株))からなる触媒を利用して反応さ
せることにより(Synthesis 2890(19
81))、容易に合成することができる。
は、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、チエニ
ル基であり、これらのアリ−ル基が有していてもよい置
換基は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、メトキ
シ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子等である。R1 で表される炭素数1〜
6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−
ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチ
ル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられ
る。R2 は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の
アルキル基を表し、該アルキル基としては、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、t−ブチル基、イソアミル基等が挙げられ
る。これらのアルキル基が有していてもよい置換基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の
炭素数1〜5のアルコキシ基、またはフェニル基、トリ
ル基、エチルフェニル基等のアリ−ル基が例示され、置
換基を有しているアルキル基の好適な例はベンジル基で
ある。(式1)で表される芳香族系グリコ−ルモノエ−
テル類は、芳香族オキサイド類とアルコール類とを硫酸
等の酸触媒を利用して反応させることにより(特公平5
−52819号公報、J Am. Chem. So
c. 72, 1480(1950))、あるいは芳香
族オキサイド類とアルコール類とをパーフルオロ化スル
ホン酸系イオン交換樹脂(Nafion−H(商品
名):デュポン(株))からなる触媒を利用して反応さ
せることにより(Synthesis 2890(19
81))、容易に合成することができる。
【0011】本発明において酸化剤として使用される次
亜塩素酸塩は、例えば次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素
酸カリウムなどの次亜塩素酸アルカリ金属塩、又は次亜
塩素酸カルシウムに代表される次亜塩素酸のアルカリ土
類金属塩である。この中で特に好ましく使用しうるの
は、安価でかつ入手の容易な次亜塩素酸ナトリウムの水
溶液である。
亜塩素酸塩は、例えば次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素
酸カリウムなどの次亜塩素酸アルカリ金属塩、又は次亜
塩素酸カルシウムに代表される次亜塩素酸のアルカリ土
類金属塩である。この中で特に好ましく使用しうるの
は、安価でかつ入手の容易な次亜塩素酸ナトリウムの水
溶液である。
【0012】次亜塩素酸塩は芳香族系グリコ−ルモノエ
−テル類に対して当量以上使用するのがよい。しかし、
過剰量の酸化剤の使用は、生成するアルデヒドをさらに
酸化しカルボン酸を副生するため、原料の芳香族系グリ
コ−ルモノエ−テル類に対して1〜2当量付近の量を用
いて反応を行うことが好ましい。
−テル類に対して当量以上使用するのがよい。しかし、
過剰量の酸化剤の使用は、生成するアルデヒドをさらに
酸化しカルボン酸を副生するため、原料の芳香族系グリ
コ−ルモノエ−テル類に対して1〜2当量付近の量を用
いて反応を行うことが好ましい。
【0013】本発明において触媒として使用されるN−
オキシラジカルとしては、(式4)
オキシラジカルとしては、(式4)
【0014】
【化7】 (式中、Xは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又
は−OR3 で表される基を表し、ここでR3 は炭素数1
〜10のアルキル基、アラルキル基もしくはアシル基を
表す。)で示される4−置換−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン−1−オキシルを例示することができ
る。
は−OR3 で表される基を表し、ここでR3 は炭素数1
〜10のアルキル基、アラルキル基もしくはアシル基を
表す。)で示される4−置換−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン−1−オキシルを例示することができ
る。
【0015】上記式において、XおよびR3 で表される
炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル
基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が
挙げられる。R3 で表されるアラルキル基としては、ベ
ンジル基、フェニルエチル基、シンナミル基等が挙げら
れる。また、アシル基としては、ホルミル基、アセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バ
レリル基、イソバレリル基、ヘキサノイル基、ヘプタノ
イル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基
等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル
基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が
挙げられる。R3 で表されるアラルキル基としては、ベ
ンジル基、フェニルエチル基、シンナミル基等が挙げら
れる。また、アシル基としては、ホルミル基、アセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バ
レリル基、イソバレリル基、ヘキサノイル基、ヘプタノ
イル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基
等が挙げられる。
【0016】前記N−オキシラジカルにおける4−位の
置換基として好ましいのは−OR3で表される基であ
り、その中でR3 が炭素数4〜10のアルキル基、アラ
ルキル基又はアシル基である場合の基を特に好ましいも
のとして挙げることができる。
置換基として好ましいのは−OR3で表される基であ
り、その中でR3 が炭素数4〜10のアルキル基、アラ
ルキル基又はアシル基である場合の基を特に好ましいも
のとして挙げることができる。
【0017】酸化触媒であるN−オキシラジカルは高価
であるため、その使用量は少ないことが好ましく、一般
に、原料の芳香族系グリコ−ルモノエ−テル類に対して
0.01〜5モル%の範囲で使用される。
であるため、その使用量は少ないことが好ましく、一般
に、原料の芳香族系グリコ−ルモノエ−テル類に対して
0.01〜5モル%の範囲で使用される。
【0018】本発明において使用される有機溶媒として
は、反応条件下で影響を受けないものであれば使用可能
であり特に制限はないが、例えば飽和炭化水素、芳香族
系炭化水素又は塩素置換炭化水素が挙げられる。それら
の中で特に好ましい有機溶媒は炭素数5〜10の飽和鎖
状炭化水素、飽和環状炭化水素または芳香族系炭化水素
であり、その具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、メシチレンなどが挙げられる。これらの有機
溶媒は水とともに使用され、二相系を形成する。
は、反応条件下で影響を受けないものであれば使用可能
であり特に制限はないが、例えば飽和炭化水素、芳香族
系炭化水素又は塩素置換炭化水素が挙げられる。それら
の中で特に好ましい有機溶媒は炭素数5〜10の飽和鎖
状炭化水素、飽和環状炭化水素または芳香族系炭化水素
であり、その具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、メシチレンなどが挙げられる。これらの有機
溶媒は水とともに使用され、二相系を形成する。
【0019】有機溶媒は通常、原料の芳香族系グリコ−
ルモノエ−テル類を溶解し、かつN−オキシラジカルを
溶解する量で使用され、その量は芳香族系グリコ−ルモ
ノエ−テル類に対して0.1〜5重量倍、好ましくは1
〜3重量倍である。また、水は、酸化剤の次亜塩素酸塩
が一般に水溶液として市販されており、それに含まれる
量の水で十分であるが、操作の都合で反応器に予め存在
させておくこともできる。有機溶媒と水との使用割合
は、最終的には重量比で1:5〜5:1の範囲とするこ
とが操作面及び收率面から好ましい。
ルモノエ−テル類を溶解し、かつN−オキシラジカルを
溶解する量で使用され、その量は芳香族系グリコ−ルモ
ノエ−テル類に対して0.1〜5重量倍、好ましくは1
〜3重量倍である。また、水は、酸化剤の次亜塩素酸塩
が一般に水溶液として市販されており、それに含まれる
量の水で十分であるが、操作の都合で反応器に予め存在
させておくこともできる。有機溶媒と水との使用割合
は、最終的には重量比で1:5〜5:1の範囲とするこ
とが操作面及び收率面から好ましい。
【0020】本発明にしたがう反応は、臭化ナトリウ
ム、臭化カリウム、臭化銅などの金属臭化物の存在下に
行うことができ、該金属臭化物を使用すると目的化合物
であるエ−テル置換アルデヒドの収率が一層向上する。
ム、臭化カリウム、臭化銅などの金属臭化物の存在下に
行うことができ、該金属臭化物を使用すると目的化合物
であるエ−テル置換アルデヒドの収率が一層向上する。
【0021】金属臭化物は一般に芳香族系グリコ−ルモ
ノエ−テル類に対して0.1〜100モル%の範囲で使
用されるが、反応の効率及び金属臭化物のコストを考慮
すると、1〜10モル%の範囲で使用するのが好まし
い。
ノエ−テル類に対して0.1〜100モル%の範囲で使
用されるが、反応の効率及び金属臭化物のコストを考慮
すると、1〜10モル%の範囲で使用するのが好まし
い。
【0022】また、本発明方法にしたがう酸化反応は水
相のpH(水素イオン濃度)に影響される場合があり、
この場合、pH調節のためにリン酸アルカリ塩や炭酸ア
ルカリ塩を反応系内に加えて反応を行ってもよい。
相のpH(水素イオン濃度)に影響される場合があり、
この場合、pH調節のためにリン酸アルカリ塩や炭酸ア
ルカリ塩を反応系内に加えて反応を行ってもよい。
【0023】これらのpH調節剤は、使用する試剤の種
類によっても異なるが、反応中pHが8〜10の範囲に
なる量で使用することが望まれる。例えば、炭酸水素ナ
トリウムの場合には、原料の芳香族系グリコ−ルモノエ
−テル類に対して5〜30モル%の量で使用すれば、p
Hをその範囲に収めることができる。
類によっても異なるが、反応中pHが8〜10の範囲に
なる量で使用することが望まれる。例えば、炭酸水素ナ
トリウムの場合には、原料の芳香族系グリコ−ルモノエ
−テル類に対して5〜30モル%の量で使用すれば、p
Hをその範囲に収めることができる。
【0024】本発明にしたがう酸化反応の実施に際し、
反応温度は−20℃〜100℃の範囲、好ましくは0℃
〜60℃の範囲から選ばれる。
反応温度は−20℃〜100℃の範囲、好ましくは0℃
〜60℃の範囲から選ばれる。
【0025】反応終了後、有機層と水層の2層に分液し
て有機層を分け取り、溶媒を留去したのち蒸留精製等の
操作を施すことにより目的化合物であるエ−テル置換ア
ルデヒド類を単離することができる。
て有機層を分け取り、溶媒を留去したのち蒸留精製等の
操作を施すことにより目的化合物であるエ−テル置換ア
ルデヒド類を単離することができる。
【0026】このようにして(式2)で示されるエ−テ
ル置換アルデヒド類を得ることができるが、(式2)に
おいてR1 が水素原子である場合の化合物は、塩基性触
媒の存在下にホルマリンを作用させ、得られるプロパン
ジオール誘導体を加水素分解することにより、抗てんか
ん薬としての作用を有するフェルバメートの前駆体であ
る2−アリール−1,3−プロパンジオール又はその誘
導体へと変換することができる。
ル置換アルデヒド類を得ることができるが、(式2)に
おいてR1 が水素原子である場合の化合物は、塩基性触
媒の存在下にホルマリンを作用させ、得られるプロパン
ジオール誘導体を加水素分解することにより、抗てんか
ん薬としての作用を有するフェルバメートの前駆体であ
る2−アリール−1,3−プロパンジオール又はその誘
導体へと変換することができる。
【0027】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 2−フェニル−2−プロポキシエタノ−ル180.25
g、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン−1オキシル1.31g、臭化ナトリウム
5.15g、重曹30.64g、水200g及びトルエ
ン540gを反応容器内に仕込み、該反応容器内の温度
を20℃に調整した。反応容器内の混合溶液を強力に撹
拌しながら、13%の次亜塩素酸ソ−ダ水溶液573g
を30分かけて滴下した。滴下終了後、そのまま撹拌を
10分間継続し、反応を停止した。下層を分液除去した
後、有機層を水洗した。該有機層からトルエンを除去し
た後、残渣を減圧蒸留したところ、2−フェニル−2−
プロポキシエタナ−ル135.4g(収率76%)が得
られた。 実施例2 実施例1の操作手順における2−フェニル−2−プロポ
キシエタノ−ル180.25gに変えて、2−メトキシ
−2−フェニルエタナ−ル152gを用いることによ
り、2−フェニル−2−メトキシ−エタナ−ル104.
8g(収率69%)を得た。 実施例3 実施例1の操作手順における、2−フェニル−2−プロ
ポキシエタノ−ル180.25gに変えて2−ブトキシ
−2−フェニルエタナ−ル194gを用い、かつトルエ
ン540gに変えてシクロヘキサン580gを用いるこ
とにより、2−ブトキシ−2−フェニルエタナ−ル13
0.5g(収率68%)を得た。
る。 実施例1 2−フェニル−2−プロポキシエタノ−ル180.25
g、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン−1オキシル1.31g、臭化ナトリウム
5.15g、重曹30.64g、水200g及びトルエ
ン540gを反応容器内に仕込み、該反応容器内の温度
を20℃に調整した。反応容器内の混合溶液を強力に撹
拌しながら、13%の次亜塩素酸ソ−ダ水溶液573g
を30分かけて滴下した。滴下終了後、そのまま撹拌を
10分間継続し、反応を停止した。下層を分液除去した
後、有機層を水洗した。該有機層からトルエンを除去し
た後、残渣を減圧蒸留したところ、2−フェニル−2−
プロポキシエタナ−ル135.4g(収率76%)が得
られた。 実施例2 実施例1の操作手順における2−フェニル−2−プロポ
キシエタノ−ル180.25gに変えて、2−メトキシ
−2−フェニルエタナ−ル152gを用いることによ
り、2−フェニル−2−メトキシ−エタナ−ル104.
8g(収率69%)を得た。 実施例3 実施例1の操作手順における、2−フェニル−2−プロ
ポキシエタノ−ル180.25gに変えて2−ブトキシ
−2−フェニルエタナ−ル194gを用い、かつトルエ
ン540gに変えてシクロヘキサン580gを用いるこ
とにより、2−ブトキシ−2−フェニルエタナ−ル13
0.5g(収率68%)を得た。
【0028】
【発明の効果】すなわち、本発明によれば、(式1)で
示される芳香族系グリコ−ルモノエ−テル類をN−オキ
シラジカル触媒の存在下、酸化剤として次亜塩素酸塩を
用いて二相の水−有機溶媒系中で酸化することにより、
抗てんかん薬としての作用を有するフェルバメートの前
駆体である2−アリール−1,3−プロパンジオール又
はその誘導体に変換することのできる、(式2)で示さ
れるエ−テル置換アルデヒド類を高収率で製造すること
ができる。
示される芳香族系グリコ−ルモノエ−テル類をN−オキ
シラジカル触媒の存在下、酸化剤として次亜塩素酸塩を
用いて二相の水−有機溶媒系中で酸化することにより、
抗てんかん薬としての作用を有するフェルバメートの前
駆体である2−アリール−1,3−プロパンジオール又
はその誘導体に変換することのできる、(式2)で示さ
れるエ−テル置換アルデヒド類を高収率で製造すること
ができる。
Claims (3)
- 【請求項1】(式1) 【化1】 (式中、Arは置換基を有していてもよいアリ−ル基を
表わし、R1 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
基を表し、R2 は置換基を有していてもよい炭素数1〜
10のアルキル基を表す。)で示される芳香族系グリコ
−ルモノエ−テル類をN−オキシラジカル触媒の存在
下、酸化剤として次亜塩素酸塩を用いて二相の水−有機
溶媒系中で酸化することを特徴とする(式2) 【化2】 (式中、Ar、R1 及びR2 は前記定義のとおりであ
る。)で示されるエ−テル置換アルデヒド類の製造方
法。 - 【請求項2】N−オキシラジカル触媒が(式3) 【化3】 (式中、R3 は、炭素数4〜10のアルキル基、アラル
キル基又はアシル基を表す。)で示されるN−オキシラ
ジカル触媒である請求項1記載のエ−テル置換アルデヒ
ド類の製造方法。 - 【請求項3】有機溶媒が炭素数5〜10の飽和鎖状炭化
水素、飽和環状炭化水素および芳香族系炭化水素からな
る群より選ばれる請求項1記載のエ−テル置換アルデヒ
ド類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6142287A JPH07330654A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | エーテル置換アルデヒド類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6142287A JPH07330654A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | エーテル置換アルデヒド類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07330654A true JPH07330654A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=15311871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6142287A Pending JPH07330654A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | エーテル置換アルデヒド類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07330654A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000059857A1 (fr) * | 1999-04-02 | 2000-10-12 | Kuraray Co., Ltd. | Procede de preparation de benzyloxyacetaldehyde |
WO2004007419A1 (ja) * | 2002-07-17 | 2004-01-22 | Sumitomo Chemical Company, Limited | ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル化合物の製造方法 |
JP2006182764A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-07-13 | Daiso Co Ltd | 第1級または第2級アルコールの新規酸化方法 |
-
1994
- 1994-06-01 JP JP6142287A patent/JPH07330654A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000059857A1 (fr) * | 1999-04-02 | 2000-10-12 | Kuraray Co., Ltd. | Procede de preparation de benzyloxyacetaldehyde |
EP1170276A4 (en) * | 1999-04-02 | 2003-04-23 | Kuraray Co | PROCESS FOR THE PREPARATION OF BENZYLOXYACETALDEHYDE |
US6624331B1 (en) | 1999-04-02 | 2003-09-23 | Kuraray Co., Ltd. | Process for the preparation of benzyloxyacetaldehyde |
WO2004007419A1 (ja) * | 2002-07-17 | 2004-01-22 | Sumitomo Chemical Company, Limited | ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル化合物の製造方法 |
CN100341842C (zh) * | 2002-07-17 | 2007-10-10 | 住友化学株式会社 | 甲酰基环丙烷羧酸酯化合物的制造方法 |
JP2006182764A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-07-13 | Daiso Co Ltd | 第1級または第2級アルコールの新規酸化方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7199258B2 (en) | Process for preparing nitrooxyderivatives of naproxen | |
JPH07330654A (ja) | エーテル置換アルデヒド類の製造方法 | |
EP1590312B1 (en) | Bromine free tempo based catalyst system for oxidation of primary and secondary alcohols using naoci as an oxidant. | |
JP5109478B2 (ja) | 2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)酪酸またはそのエステルの製造方法およびその中間体の製造方法 | |
IL123014A (en) | Four-step process for the production of ortho-substituted chlorophenols | |
EP0171320A1 (fr) | Procédé de préparation de composés insaturés chlorés en alpha de deux groupements électroattracteurs en position bêta | |
JP2004504287A (ja) | 二環式1,3−ジケトンの製造方法 | |
JPH05286902A (ja) | α−クロロ−β−ケトエステル誘導体の製造方法 | |
EP0362309B1 (fr) | (ethylenedioxo-3,3 cyclohexyl)-4 acetophenone et derives de ce compose, procedes pour leur preparation et utilisation de ces composes | |
EP0461972B1 (fr) | Procédé de transformation de N-oxydes d'amines tertiaires en aldéhydes | |
JPH07103095B2 (ja) | ビタミンaアルデヒドの製造方法 | |
FR2486526A1 (fr) | Procede de preparation de derives de l'oxyde de diphenyle | |
JP2007507517A (ja) | 1−[シアノ(フェニル)メチル]シクロヘキサノール化合物の製法 | |
JP4759177B2 (ja) | メバロラクトンの製造方法 | |
JP2005053801A (ja) | 4−ヒドロキシジフェニルエーテルの製造方法 | |
JPH0147464B2 (ja) | ||
WO1999021838A1 (es) | Procedimiento de preparacion del eberconazol e intermedios para el mismo | |
JPS61212538A (ja) | α−アリ−ルアルカン酸エステル類の製造法 | |
JP2584670B2 (ja) | 芳香族アルデヒド類の製法 | |
CA2001151A1 (en) | Aryloxyaldehydes and their manufacture | |
RU2258060C2 (ru) | Способ получения 5-[(4-хлорфенил)метил]-2,2-диметилциклопентанона | |
JP4831897B2 (ja) | (2,6−ジクロロピリジン−4−イル)メタノールの製造方法 | |
JP2008007415A (ja) | 新規な含フッ素不飽和シリルエーテル化合物及び該化合物を中間体とする含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造方法 | |
JPS5848531B2 (ja) | P−ヒドロキシベンズアルデヒドの製造法 | |
JP2004238331A (ja) | 2−ナフチルエタノール及び2−ナフチルオキシランの製造方法 |