JPH07330591A - 経皮吸収製剤 - Google Patents

経皮吸収製剤

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Publication number
JPH07330591A
JPH07330591A JP6148498A JP14849894A JPH07330591A JP H07330591 A JPH07330591 A JP H07330591A JP 6148498 A JP6148498 A JP 6148498A JP 14849894 A JP14849894 A JP 14849894A JP H07330591 A JPH07330591 A JP H07330591A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer
saturated hydrocarbon
isobutylene
present
Prior art date
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Pending
Application number
JP6148498A
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English (en)
Inventor
Kazuo Hagiwara
一男 萩原
Koji Noda
浩二 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP6148498A priority Critical patent/JPH07330591A/ja
Publication of JPH07330591A publication Critical patent/JPH07330591A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【構成】水酸基又は加水分解性基の結合したケイ素原子
を含み、シロキサン結合を形成することにより架橋し得
るケイ素含有基を1個以上有する飽和炭化水素系重合
体、及び粘着付与樹脂を含有する粘着組成物を薬物保持
担体として用いることを特徴とする経皮吸収製剤。 【効果】本発明の経皮吸収製剤は、飽和炭化水素系重合
体を用いることにより、薬物保持担体である粘着組成物
からの薬物の放出性に優れている。従って、本発明の経
皮吸収製剤は、皮膚を経由して必要十分量の薬物を吸収
させることができるので、適用が容易で高レベルの薬物
血中濃度を発現させることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケイ素原子に結合した
水酸基又は加水分解性基を含み、シロキサン結合を形成
することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、「反応
性ケイ素基」とも言う。)を有する飽和炭化水素系重合
体に粘着付与樹脂を含有する粘着組成物を薬物保持担体
として、身体の疾患部の治療ないし循環系へ薬を投与す
るための経皮吸収製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、皮膚疾患部のみだけでなく全身作
用を目的とした経皮吸収製剤は、ドラッグデリバリーシ
ステムの概念に基づいて著しい発展がみられ、特に徐放
性製剤としての有用性が認められてきている。従来、こ
の種の経皮吸収製剤としては、薬剤不透過性の支持体上
に薬剤と通常この薬剤の放出を促進する放出補助物質と
を含む粘着性を有するポリマー層を設けたものなどが知
られており、身体面に貼り付けることによって身体の疾
患部又は循環系へ薬剤を投与させるものである。
【0003】この経皮吸収製剤の粘着基剤としては、安
全性が高く、粘着特性のバランスも良く、薬物の放出性
の良いものが求められている。特に全身作用を目的とし
た経皮吸収製剤では、薬物保持担体からの薬物放出が重
要な因子となることが知られている。経皮吸収製剤の基
剤としては、シリコーンエラストマーが特に安全性が高
く、体内埋込用製剤及び経皮吸収製剤の基剤、その他の
各種の製剤用の薬物保持担体として広く用いられている
が、薬物の放出性に難があることが知られている。シリ
コーンエラストマーを粘着性を有するポリマー層すなわ
ち粘着基剤として用いる経皮吸収製剤において、ニトロ
グリセリンなどのように薬物の蒸気圧が極めて高い場合
にはシリコーンエラストマーに保持された薬物すなわち
有効成分の医薬化合物の放出性は極めて高く、有用性の
高い製品が開発されているが、一般的にはシリコーンエ
ラストマーからの薬物の放出性は極めて低く、スコポラ
ミンなどのように有効投与量の小さい薬物にかぎり、前
記シリコーンエラストマーを用いた製剤が開発されてい
るにすぎない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するものであり、その目的とするところは、
安全性が高く、薬物の放出性の良い経皮吸収製剤を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の経
皮吸収製剤の欠点を解消すべく、鋭意研究の結果、水酸
基又は加水分解性基の結合したケイ素原子を含み、シロ
キサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有
基を有する飽和炭化水素系重合体、及び粘着付与樹脂を
含有する粘着組成物が上記目的を達成し得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、(a) 水酸
基又は加水分解性基の結合したケイ素原子を含み、シロ
キサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有
基を1個以上有する飽和炭化水素系重合体、及び粘着付
与樹脂を含有する粘着組成物を薬物保持担体として用い
ることを特徴とする経皮吸収製剤、(b) 前記(a)
記載のケイ素含有基が一般式(1)
【0007】
【化3】
【0008】〔式中、R1 及びR2 はいずれも炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭
素数7〜20のアラルキル基又は(R’)3 SiO−
(式中、R’は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基で
あり、3個のR’は同じであってもよく、異なっていて
もよい。)で示されるトリオルガノシロキシ基であり、
1 又はR2 が2個以上存在するとき、それらは同じで
あってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基又は加
水分解性基であり、2個以上存在するとき、それらは同
じであってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、
2又は3、bは0、1又は2、但しa+mb≧1であ
り、またm個の
【0009】
【化4】
【0010】におけるbは同じである必要はない。mは
0又は1〜19の整数を表わす。〕で表わされるもので
ある前記(a)記載の経皮吸収製剤、(c) 一般式
(1)中のXがアルコキシ基である前記(b)記載の経
皮吸収製剤、(d) 飽和炭化水素系重合体の骨格をな
す重合体がイソブチレン系重合体又は水素添加されたポ
リブタジエン系重合体である前記(a)記載の経皮吸収
製剤、並びに、(e) イソブチレン系重合体又は水素
添加されたポリブタジエン系重合体の数平均分子量が5
00〜100000である前記(d)記載の経皮吸収製
剤、に関する。
【0011】本発明においては、水酸基又は加水分解性
基の結合したケイ素原子を含み、シロキサン結合を形成
することにより架橋し得るケイ素含有基、すなわち反応
性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体が使用され
る。当該反応性ケイ素基の代表例としては、一般式
(1)
【0012】
【化5】
【0013】〔式中、R1 及びR2 はいずれも炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭
素数7〜20のアラルキル基又は(R’)3 SiO−
(式中、R’は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基で
あり、3個のR’は同じであってもよく、異なっていて
もよい。)で示されるトリオルガノシロキシ基であり、
1 又はR2 が2個以上存在するとき、それらは同じで
あってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基又は加
水分解性基であり、2個以上存在するとき、それらは同
じであってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、
2又は3、bは0、1又は2、但しa+mb≧1であ
り、またm個の
【0014】
【化6】
【0015】におけるbは同じである必要はない。mは
0又は1〜19の整数である。〕で表される基があげら
れる。
【0016】また、加水分解性基の具体例としては、例
えば水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキ
シメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メ
ルカプト基、アルケニルオキシ基などの一般に使用され
ている基があげられる。これらのうちでは、加水分解性
がマイルドで取り扱いやすいという点から、アルコキシ
基が特に好ましい。
【0017】前記加水分解性基や水酸基は1個のケイ素
原子に1〜3個の範囲で結合することができ、一般式
(1)中の(a+mb)は1〜5の範囲が好ましい。加
水分解性基や水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上結合
する場合には、それらは同じであってもよく、異なって
いてもよい。
【0018】前記反応性ケイ素基を形成するケイ素原子
は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサ
ン結合などにより連結されたケイ素原子の場合には、2
0個のものまでであるのが好ましい。特に一般式(1)
におけるmが0に相当する一般式(2)
【0019】
【化7】
【0020】(式中、R2 、X、aは前記と同じ)で表
される反応性ケイ素基が、入手が容易であるので好まし
い。
【0021】以上のような反応性ケイ素基は飽和炭化水
素系重合体1分子中に少なくとも1個以上、好ましくは
1.1〜5個存在する。分子中に含まれる反応性ケイ素
基の数が1個未満になると、硬化性が不充分になり、良
好なゴム弾性挙動を発現しにくくなる。
【0022】本発明において、反応性ケイ素基は飽和炭
化水素系重合体分子鎖の末端に存在してもよく、内部に
存在してもよく、両方に存在してもよい。とくに反応性
ケイ素基が分子鎖末端に存在する場合には、最終的に形
成される硬化物に含まれる飽和炭化水素系重合体成分の
有効網目鎖量が多くなるため、高強度で高い伸びを有す
るゴム状硬化物が得られやすくなるなどの点から好まし
い。
【0023】次に、本発明に用いる反応性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体の骨格をなす重合体について
述べる。当該重合体は、(1)エチレン、プロピレン、
1−ブテン、イソブチレンなどのような炭素数1〜6の
オレフィン系化合物を主モノマーとして重合させる、又
は(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系
化合物を単独重合させたり又は上記オレフィン系化合物
と当該ジエン系化合物とを共重合させたりしたのち水素
添加する、などの方法により得ることができるが、末端
に官能基を導入しやすい、分子量を制御しやすい、末端
官能基の数を多くすることができるなどの点からイソブ
チレン系重合体や水素添加されたポリブタジエン系重合
体(以下、水添ポリブタジエン系重合体ともいう。)で
あるのが好ましい。なお、本明細書にいう飽和炭化水素
系重合体とは、芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を実
質的に含有しない重合体を意味する概念である。
【0024】前記イソブチレン系重合体は、単量体単位
のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよ
く、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソ
ブチレン系重合体中の好ましくは50%(重量%、以下
同様)以下、さらに好ましくは30%以下、特に好まし
くは10%以下の範囲で含有してもよい。
【0025】このような他の単量体成分としては、例え
ば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香
族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類など
があげられる。このような共重合体成分の具体例として
は、例えば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−
ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブ
チルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、
ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチ
レン、β−ピネン、インデン、ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロ
ロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリ
メチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメ
トキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビ
ニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ト
リビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルト
リクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリル
ジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラ
ン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランなどがあげられる。
【0026】なお、前記イソブチレンと共重合性を有す
る単量体としてビニルシラン類やアリルシラン類を使用
するとケイ素含量が増加し、シランカップリング剤とし
て作用し得る基が多くなり、得られる組成物の接着性が
向上する。
【0027】一方、前記水添ポリブタジエン系重合体や
他の飽和炭化水素系重合体においても、上記イソブチレ
ン系重合体の場合と同様に、主成分となる単量体単位の
他に他の単量体単位を含有させてもよい。その場合、他
の単量体成分としては、上記のものが同様に用いられ
る。
【0028】また本発明に用いる飽和炭化水素系重合体
には、反応性ケイ素基の導入を容易にする目的で、ブタ
ジエン、イソプレンのようなポリエン化合物のごとき重
合後2重結合の残るような単量体単位を少量、好ましく
は10%以下、さらには5%以下、特に好ましくは1%
以下の範囲で含有させてもよい。
【0029】前記飽和炭化水素系重合体、好ましくはイ
ソブチレン系重合体又は水添ポリブタジエン系重合体の
数平均分子量は500〜100000程度であるのが好
ましく、特に1000〜30000程度の液状〜流動性
を有するものが取り扱いやすいなどの点から好ましい。
さらに、分子量分布(Mw/Mn)に関しては同一分子
量における粘度が低くなるといった点でMw/Mnが小
さいほど好ましい。
【0030】つぎに反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体の製法について説明する。前記反応性ケイ素
基を有するイソブチレン系重合体のうち、分子鎖末端に
反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イニ
ファー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始
剤と連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオ
ン重合法)で得られた末端官能型、好ましくは全末端官
能型イソブチレン系重合体を用いて製造することができ
る。このような末端官能型イソブチレン系重合体の製造
法は例えば特願昭61−148895号、同61−15
0088号、同62−90078号、同62−1797
33号の各明細書に記載されている。
【0031】また分子鎖内部に反応性ケイ素基を有する
イソブチレン系重合体は、イソブチレンを主体とするモ
ノマー中に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やア
リルシラン類を添加し、共重合せしめることにより製造
される。
【0032】さらに分子鎖末端に反応性ケイ素基を有す
るイソブチレン系重合体を製造する際の重合に際して、
主成分であるイソブチレンモノマー以外に反応性ケイ素
基を有するビニルシラン類やアリルシラン類などを共重
合せしめたのち末端に反応性ケイ素基を導入することに
より、末端及び分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイ
ソブチレン系重合体が製造される。
【0033】反応性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類などの具体例としては、例えばビニルト
リクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニル
ジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラ
ン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラ
ン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシ
ラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメ
トキシシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメ
トキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメ
チルジメトキシシランなどがあげられる。
【0034】本発明における反応性ケイ素基を有する水
添ポリブタジエン系重合体の製造方法も、特に限定され
るわけではなく、例えば次に述べるような方法で製造で
きる。まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基に
したのち、一般式(3) CH2 −CH−R3 −Y (3) (式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、R3
【0035】
【化8】
【0036】(R4 は炭素数1〜20の2価の炭化水素
基で、好ましい具体例としてはアルキレン基、シクロア
ルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基があげられ
る。)で示される2価の有機基で、
【0037】
【化9】
【0038】(R”は炭素数1〜10の炭化水素基)よ
り選ばれる2価の基が特に好ましい。)で示される有機
ハロゲン化合物と反応させることにより、末端オレフィ
ン基を有する水添ポリブタジエン系重合体(以下、末端
オレフィン水添ポリブタジエン系重合体ともいう。)を
製造する。
【0039】末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、
Na、Kのごときアルカリ金属、NaHのごとき金属水
素化物、NaOCH3 のごとき金属アルコキシド又は苛
性ソーダ、苛性カリのごとき苛性アルカリなどと反応さ
せる方法があげられる。
【0040】前記方法では、出発原料として使用した末
端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ同じ分
子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体
が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場合に
は、一般式(3)の有機ハロゲン化合物を反応させる前
に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼン、ビ
ス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1分子中に
ハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物と反応
させれば分子量を増大させることができ、そののち一般
式(3)で示される有機ハロゲン化合物と反応させれ
ば、より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する水
添ポリブタジエン系重合体を得ることができる。
【0041】前記一般式(3)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、例えばアリルクロライド、ア
リルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、ア
リル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1−ヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
があげられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちでは安価で、かつ容易に反応することからア
リルクロライドが好ましい。
【0042】分子鎖末端に反応性ケイ素基を有するイソ
ブチレン系重合体及び末端オレフィン水添ポリブタジエ
ン系重合体への反応性ケイ素基の導入は、例えば一般式
(1)で表される基に水素原子が結合したヒドロシラン
化合物、好ましくは一般式(2)で表される基に水素原
子が結合した下記のヒドロシラン化合物
【0043】
【化10】
【0044】(式中、R2 、X、aは前記に同じ)を白
金系触媒を用いて付加反応をさせることにより行われ
る。また、トリクロロシラン、メチルジクロルシラン、
ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシランのごと
きハロゲン化シラン類を用いてハロゲン化シリル基を付
加した後、メタノール、エタノール等のアルコール等で
ハロゲン原子を加水分解性基に置換してもよい。
【0045】前記一般式(2)で表される基に水素原子
が結合したヒドロシラン化合物の具体例としては、例え
ばトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジ
エトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジ
メトキシシランのごときアルコキシシラン類、メチルジ
アセトキシシラン、フェニルジアセトキシシランのごと
きアシロキシシラン類、ビス(ジメチルケトキシメー
ト)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメー
ト)メチルシランのごときケトキシメートシラン類など
があげられるが、これらに限定されるものではない。こ
れらのうちでは特にアルコキシシラン類が好ましい。
【0046】以上のような反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体は単独で使用してもよく、2種以上併
用してもよい。
【0047】本発明において使用される粘着組成物は、
通常飽和炭化水素系重合体100 重量部に対して相溶する
粘着付与樹脂を通常10〜140 重量部含有するものであ
り、その他に硬化触媒1〜30重量部、老化防止剤等の添
加剤0.1 〜10重量部含有することができる。粘着付与樹
脂が10重量部未満であると、粘着性が充分でなくなり、
140 重量部を越えると配合量に見合った効果は得られ
ず、また被着体へ糊が残る原因になるので好ましくな
い。
【0048】粘着付与樹脂の成分としては、相溶するも
のであれば特に制限はなく、ロジン系樹脂(ロジン、ロ
ジンエステル又は水添ロジン)、フェノール樹脂、テル
ペンフェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪族系石油樹
脂、芳香族系石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂な
ど公知のものが使えるが、なかでもロジンエステル樹脂
やテルペンフェノール樹脂などが好ましい。
【0049】硬化触媒としては、公知のスズ系やアルミ
ニウム系の触媒やジブチルアミン−2−エチルヘキソエ
ートなどのアミン類及び他の酸性触媒、塩基性触媒など
が使えるが、なかでもアルミニウムキレートやアルミニ
ウムアルコレートなどのアルミニウム系触媒が好まし
い。
【0050】老化防止剤としては、BHT(ベンゼンヒ
ドロキシトルエン)やビタミンE等の公知のものが使え
る。また、これら粘着組成物にはいろいろな目的でその
他の公知の基剤などを添加してもかまわない。
【0051】本発明における粘着組成物は、前記の飽和
炭化水素系重合体、粘着付与樹脂、硬化触媒、老化防止
剤、その他の添加剤などをイソプロピルアルコール、エ
タノール、メタノール、アセトン、トルエン、酢酸エチ
ル、ヘキサンなどの溶剤に溶解して調製することができ
る。溶剤としては特に制限されるものではないが、安全
性の点から、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘ
キサンなどが好ましい。
【0052】本発明の経皮吸収製剤は、前記の粘着組成
物を薬物保持担体として用いることを特徴とするもので
あり、本発明において使用される薬物すなわち活性成分
としての医薬化合物は、経皮吸収性のあるものであれば
特に制限はなく、例えば次のようなものが挙げられる。
【0053】a) ペニシリン類、セファロスポリン
類、エリスロマイシン類、テトラサイクリン類、マクロ
ライド類、アミノグリコシド類、ホスホマイシン類、リ
ファンピシン類などのいわゆる抗生物質 b) メフェナム酸、フルフェナム酸、インドメタシ
ン、ジクロフェナック、アセトアミノフェン、アルクロ
フェナック、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾ
ン、イブプロフェン、ケトプロフェン、サリチル酸、サ
リチル酸メチル、L−メントール、カンファー、スリン
ダック、ナプロキセン、フェンブエン、アスピリン、ス
ルピリン、塩酸チアラミド、ピロキシカムなどのいわゆ
る解熱鎮痛消炎剤
【0054】c) α−マレイン酸クロルフェニラミ
ン、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、フマー
ル酸クレマスチン、塩酸プロメタジンなどのいわゆる抗
ヒスタミン剤 d)ジアゼパム、塩酸クロルプロマジン、クロルジアゼ
ポキシド、スルピリド、ハロペリドール、ロフラゼブ酸
エチル、フルフェナジン、チオリダジン、フルジアゼパ
ム、フルニトラゼパム、フェノバルビタール、アモバル
ビタール、シクロバルビタール、トリアゾラム、ニトラ
ゼパムなどの催眠鎮静、精神安定用のいわゆる向精神剤
【0055】e) ニトログリセリン、硝酸イソソルビ
ド、ニトログリコール、エリスリトールテトラニトレー
ト、ペンタエリスリトールテトラニトレート、プロバン
チルニトレート、ニフェジピン、ジピリダモール、塩酸
ジルチアゼムなどのいわゆる冠血管拡張剤 f) (塩酸)プロプラノロール、ピンドロール、(塩
酸)クロニジン、ブフラノール、インデノロール、ニパ
ジピン、ロフェジキシン、ニブラジロール、ブクモロー
ル、塩酸ヒドラジン、レシナミンなどのいわゆる抗不整
脈、抗高血圧剤
【0056】g) ハイドロサイアサイド、ベンドロフ
ルナサイアザイド、シクロベンチアザイドなどの降圧利
尿剤やフロセミド、メフルシド、トリクロルメチアジ
ド、チオブロミンなどのいわゆる利尿剤 h) アシクロビル、ナリジクス酸、サルファ剤などの
いわゆる化学療法剤
【0057】i) 5−FU、ビンクリスチン、アドリ
アマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、シスプ
ラチン、テラルビシンなどのいわゆる抗癌剤 j) メトクロプラミド、クレボプライド、(臭化水素
酸)スコポラミン、ドンペリドなどのいわゆる制吐剤
【0058】k) ビタミンA、ビタミンE、ビタミン
K、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、
オクトチアミン、リボフラビン酪酸エステルなどのいわ
ゆるビタミン剤 l) ニトラゼバム、クロナゼバム、バクロフェン、メ
ブロバメートなどのいわゆる抗けいれん剤
【0059】m) デキストロメトルファン、(硫酸)
テルブタリン、(塩酸)エフェドリン、(硫酸)サルブ
タモール、イソプロテノール、塩酸トリメトキノール等
のいわゆる鎮咳剤 n) 乳酸プレニラミン、ジギトキシン、ジゴキシンな
どのいわゆる強心剤
【0060】o) リドカイン、ベンゾカイン、アミノ
安息香酸エチルなどのいわゆる麻酔剤 p) ビデルギン、エルゴットアルカロイド、イフェン
ブロジルなどのいわゆる脳循環改善剤
【0061】q) ベンタマイシン、アムホテリシン
B、ピロールニトリル、クロトリマゾール、塩化ベンザ
ルコニウム、ニトロフラゾン、ナイスタチン、アセトス
ルファミンなどのいわゆる抗真菌剤 r) ハイドロコーチゾン、プレドニゾロン、パラメタ
ゾン、ベクロメタゾンプロピオネート、フルメタゾン、
ベタメタゾン、ベタメタゾンバレート、デキサメタゾ
ン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、
フルオシノロン、フルオシノロンアセトニド、プロピオ
ン酸クロベタゾール、プロゲステロン、テストステロ
ン、エストラジオールなどのいわゆるステロイド剤
【0062】s)L−ドーパ、メシル酸ブロモクリブチ
ン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸マザチコール、塩
酸ピペリデンなどのいわゆる抗パーキンソン病薬 t) TRH、LHRH、TNF、リンフォトキシン、
インターフェロン、ウロキナーゼ、インシュリン、カル
シトニン又はこれらの誘導体にみられるポリペプチド
類、プロスタグランジン類などのいわゆる生体医薬 u) その他、トルブタミド等のいわゆる糖尿病治療
剤、コルヒチンなどのいわゆる通風治療剤、ニコチンな
どの喫煙抑制剤 これらの薬物は必要に応じて二種類以上併用することが
できる。
【0063】本発明の経皮吸収製剤の調製法は、例えば
次の如くである。まず、薬物すなわち活性成分としての
医薬化合物を通常、助剤と共にアルコール類に均一に混
合し、溶解もしくはペースト状の混合物にする。この
際、助剤は必要に応じて用いられ、例えば液状シリコー
ンなどの可塑剤、吸収促進剤(例えばイソプロピルミリ
ステート、エイゾン、尿素、グリセリン、モノグリセラ
イド、ジイソプロピルアジペートなど)、充填剤(例え
ばシリカ、炭酸カリウム、カオリン、タルクなど)等が
挙げられる。
【0064】溶剤として用いられるアルコール類として
は、通常イソプロピルアルコール、メタノール、エタノ
ール、ブタノール、ヘキサン等が用いられるが、好まし
くは安全性の点からイソプロピルアルコール、エタノー
ルがよい。
【0065】この溶解したもしくはペースト状の混合物
を前記の粘着組成物中に均一に混合して、溶解もしくは
微粉末として分散させる。前記の粘着組成物中に硬化触
媒が予め配合されている場合には適宜の型に入れて室温
で又は加温して硬化及び成型させて本発明の経皮吸収製
剤を得るが、粘着組成物中に予め硬化触媒が配合されて
いない場合、該混合物に硬化触媒を適宜添加して、すば
やく十分に混合し、適宜の型にいれ、室温で又は加温し
て硬化及び成型させて本発明の経皮吸収製剤を調製する
ことができる。
【0066】本発明の経皮吸収製剤は、用いる薬物すな
わち活性成分としての医薬化合物、また適用される疾患
の種類により製剤中の医薬化合物の含有量は異なるが、
通常医薬化合物0.05〜40重量部、助剤1〜30重量部、粘
着組成物30〜90重量部の組成で調製することが好まし
い。このようにして得た経皮吸収製剤は、前記の粘着組
成物を薬物保持担体とするものであり、薬物の放出性に
すぐれた製剤である。
【0067】薬物の放出性については、各種の実験モデ
ルが知られているが、例えば拡散セルを用いた薬物放出
量の実験において、本発明の経皮吸収製剤は従来からの
シリコーンエラストマーを用いた製剤と比較して放出が
すみやかで且つ放出量の高いものである。
【0068】本発明の経皮吸収製剤の使用方法は、用い
る薬物すなわち活性成分としての医薬化合物、また適用
される疾患の種類により、投与量、投与回数などは異な
るが、常法に従って用いられる。
【0069】
【実施例】以下に製造例、実施例及び比較試験を挙げて
本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実
施例等により何ら限定されるものではない。
【0070】製造例1 4つ口フラスコに、攪拌装置、窒素ラインを装備する。
この中に、乾燥した塩化メチレン560ml、n−ヘキ
サン1160ml、α−メチルピリジン940mg、p
−ジクミルクロリド22gを秤量し、均一混合溶液とし
た後に、−70℃まで冷却し、減圧下、イソブチレンモ
ノマー570mlをモレクラーシーブス管を通して仕込
んだ。−70℃まで冷却した上記反応溶液中に、攪拌
下、あらかじめ冷却した重合触媒溶液(四塩化チタン1
4ml/塩化メチレン80ml)を一気に加えて、重合
を開始した。一旦、−54℃まで昇温した後、約17分
で−70℃まで降温した。重合開始から約20分後に、
1,9−デカジエン132gを添加し、さらに−70℃
で4時間、攪拌を継続した。黄濁色の反応溶液を、3リ
ットルの温水(約45℃)中に入れ、さらに約2時間攪
拌し、有機層を分離し、純水による水洗を3回繰り返し
た。こうして得られた無色透明の有機層を減圧濃縮し、
両末端にビニル基を有するイソブチレンオリゴマー約4
00gを得た。
【0071】次に、こうして得られたビニル基含有イソ
ブチレンオリゴマー400gを、n−ヘプタン200m
lに溶解し、約70℃まで昇温した後、オリゴマーのビ
ニル基につき1.5当量のメチルジメトキシシラン及び
1×10-4当量の白金(ビニルシロキサン)錯体を添加
し、ヒドロシリル化反応を行った。FT−IRにより反
応を追跡した。反応開始から約4時間後、1640cm
-1のオレフィン吸収が消失した。反応溶液を減圧濃縮す
ることにより、目的とする両末端に反応性ケイ素基を有
する、数平均分子量5300のイソブチレンオリゴマー
が得られた。
【0072】
【化11】
【0073】(但し、mは95であり、nは95であ
り、Meはメチル基を示す。) 製造例2 製造例1のうち、1,9−デカジエンの代わりに、アリ
ルトリメチルシラン24gを使用する以外はすべて同様
に行い、製造中間体の構造が一部異なる、数平均分子量
4400のイソブチレンオリゴマーを得た。
【0074】
【化12】
【0075】(但し、mは79であり、nは79であ
り、Meはメチル基を示す。) 製造例3 4つ口フラスコに、攪拌装置、窒素ラインを装備する。
この中に、乾燥した塩化メチレン560ml、n−ヘキ
サン1160ml、α−メチルピリジン940mg、p
−ジクミルクロリド22gを秤量し、均一混合溶液とし
た後に、−70℃まで冷却し、減圧下、イソブチレンモ
ノマー570mlをモレクラーシーブス管を通して仕込
んだ。−70℃まで冷却した上記反応溶液中に、攪拌
下、あらかじめ冷却した重合触媒溶液(四塩化チタン1
4ml/塩化メチレン80ml)を一気に加えて、重合
を開始した。一旦、−54℃まで昇温した後、約17分
で−70℃まで降温した。重合開始後、約60分間、攪
拌を継続した。黄濁色の反応溶液を、3リットルの温水
(約45℃)中に入れ、約2時間攪拌し、有機層を分離
し、純水による水洗を3回繰り返した。こうして得られ
た無色透明の有機層を減圧濃縮し、両末端に第3級クロ
ル基を有するイソブチレンオリゴマー約400gを得
た。さらに、このイソブチレンオリゴマーを、減圧下、
170℃での加熱を2時間継続することにより、熱的脱
塩酸反応を行い、両末端にイソプロペニル基を有するイ
ソブチレンオリゴマーを得た。
【0076】次に、こうして得られたイソプロペニル基
含有イソブチレンオリゴマー400gを、n−ヘプタン
200mlに溶解し、加圧容器中、約100℃まで昇温
した後、オリゴマーのビニル基につき1.5当量のメチ
ルジクロルシラン及び1×10-4当量の白金(ビニルシ
ロキサン)錯体を添加し、ヒドロシリル化反応を行っ
た。FT−IRにより反応を追跡し、反応開始から約1
0時間後、1640cm-1のオレフィン吸収が消失し
た。反応溶液を60℃まで冷却した後、メチルジクロル
シランに対して4倍過剰のメタノールを添加し、約4時
間攪拌を行い、メトキシ化を完了させた。反応溶液を減
圧濃縮することにより、目的とする両末端に反応性ケイ
素基を有する、数平均分子量4500のイソブチレンオ
リゴマーを得た。
【0077】
【化13】
【0078】(但し、mは77であり、nは77であ
り、Meはメチル基を示す。) 実施例1 反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体として製
造例1で得られたポリマー 100重量部に対して、粘着付
与樹脂としてロジンエステル (荒川化学(株)製エステ
ルガムAAG)80重量部、硬化触媒 (川研ファインケミ
カル(株)製アルミニウムキレートALCH) 10重量
部、老化防止剤BHT0.5 重量部を加え、イソプロピル
アルコールを溶媒として粘着組成物ポリマーを調製、こ
れに薬物としてテストステロンを2.5wt/%となるように
添加し、硬化成型を行ない本発明の経皮吸収製剤を得
た。
【0079】実施例2 反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体として製
造例1で得られたポリマー 100重量部に対して、粘着付
与樹脂としてロジンエステル (荒川化学(株)製エステ
ルガムAAG)80重量部、硬化触媒 (川研ファインケミ
カル(株)製アルミニウムキレートALCH) 10重量
部、老化防止剤BHT0.5重量部を加えてイソプロピル
アルコールを溶媒として粘着組成物ポリマーを調製し、
これに薬物としてプロゲステロンを2.5wt/%となるよう
に添加し、硬化成型を行ない本発明の経皮吸収製剤を得
た。
【0080】実施例3 反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体として製
造例1で得られたポリマー 100重量部に対して、粘着付
与樹脂としてロジンエステル (荒川化学(株)製エステ
ルガムAAG)80重量部、硬化触媒 (川研ファインケミ
カル(株)製アルミニウムキレートALCH) 10重量
部、老化防止剤BHT0.5重量部を加えてイソプロピル
アルコールを溶媒として粘着組成物ポリマーを調製し、
これに薬物としてエストラジオールを2.5wt/%となるよ
うに添加し、硬化成型を行ない本発明の経皮吸収製剤を
得た。
【0081】比較試験 実施例1〜3で得たテストステロン、プロゲステロン又
はエストラジオールの各製剤からの薬物の放出性を、シ
リコンエラストマーを用いて作製したテストステロン、
プロゲステロン又はエストラジオールの製剤からの放出
性と比較した。
【0082】シリコンエラストマーとしては、ダウコー
ニング社製の商品2920 (Dow Corning 2920 Medical Ad
hesive) を用いて、2.5wt/%となるようにテストステロ
ン、プロゲステロン又はエストラジオールを添加し、硬
化成型を行ない調製した。各試料の大きさは、この試験
のために膜の厚さ50μm にし、各試料をCrown-Glas社製
垂直型拡散セルに装着後、40%ポリエチレングリコール
400 を含む生理食塩水を溶出溶媒として放出試験を行な
った。
【0083】その際、時間経過によるテストステロン、
プロゲステロン又はエストラジオールの累積放出量をH
PLC法で測定した。HPLC測定は Cosmosil 5CN-R
カラム (4.6 mm×150 mm) を用いてCH3 OH/H2
40/60の溶媒系で1.0 ml/min の流速により行ない、
テストステロン、プロゲステロン又はエストラジオール
の測定を行なった。
【0084】その結果を図1に示す。図1において、
△、○及び□はそれぞれ実施例1〜3により得られた製
剤からの薬物の放出性を示し、▲、●及び■はそれぞれ
対照としてシリコーンエラストマーを用いたテストステ
ロン、プロゲステロン又はエストラジオールの製剤から
の放出性を示したものである。本発明の経皮吸収製剤に
おいて、薬物保持担体である粘着組成物からの薬物の放
出性は対照のシリコーンエラストマーを用いた場合に比
べて非常に高いことを示している。
【0085】製造例1で得られたポリマーにかえて製造
例2、3で得られた各種ポリマーを用いて、実施例1〜
3と同様に試験を実施したところ、それぞれ実施例1〜
3とほぼ同じ傾向の結果が得られた。
【0086】
【発明の効果】本発明の経皮吸収製剤は、飽和炭化水素
系重合体及び粘着付与樹脂を用いることにより、薬物保
持担体である粘着組成物からの薬物の放出性に優れてい
る。また、熱、光、紫外線等に対して安定であり粘着組
成物が劣化や変化したりあるいは、粘着組成物層と支持
体の粘着不良が生じることがなく優れた粘着特性のバラ
ンスをもっていることである。従って、本発明の経皮吸
収製剤は、皮膚を経由して必要十分量の薬物を吸収させ
ることができるので、適用が容易で高レベルの薬物血中
濃度を発現させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1〜3により得られた製剤及び
対照の製剤についての拡散セルでの薬物の放出性を示し
た図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基又は加水分解性基の結合したケイ
    素原子を含み、シロキサン結合を形成することにより架
    橋し得るケイ素含有基を1個以上有する飽和炭化水素系
    重合体、及び粘着付与樹脂を含有する粘着組成物を薬物
    保持担体として用いることを特徴とする経皮吸収製剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のケイ素含有基が一般式
    (1) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 はいずれも炭素数1〜20のアル
    キル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20
    のアラルキル基又は(R’)3 SiO−(式中、R’
    は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個の
    R’は同じであってもよく、異なっていてもよい。)で
    示されるトリオルガノシロキシ基であり、R1 又はR2
    が2個以上存在するとき、それらは同じであってもよ
    く、異なっていてもよい。Xは水酸基又は加水分解性基
    であり、2個以上存在するとき、それらは同じであって
    もよく、異なっていてもよい。aは0、1、2又は3、
    bは0、1又は2、但しa+mb≧1であり、またm個
    の 【化2】 におけるbは同じである必要はない。mは0又は1〜1
    9の整数を表わす。〕で表わされるものである請求項1
    記載の経皮吸収製剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1)中のXがアルコキシ基であ
    る請求項2記載の経皮吸収製剤。
  4. 【請求項4】 飽和炭化水素系重合体の骨格をなす重合
    体がイソブチレン系重合体又は水素添加されたポリブタ
    ジエン系重合体である請求項1記載の経皮吸収製剤。
  5. 【請求項5】 イソブチレン系重合体又は水素添加され
    たポリブタジエン系重合体の数平均分子量が500〜1
    00000である請求項4記載の経皮吸収製剤。
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