JPH0840940A - シリコーンゴムマトリックスからの活性物質又は薬剤の放出を調節する方法 - Google Patents

シリコーンゴムマトリックスからの活性物質又は薬剤の放出を調節する方法

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JPH0840940A
JPH0840940A JP7151348A JP15134895A JPH0840940A JP H0840940 A JPH0840940 A JP H0840940A JP 7151348 A JP7151348 A JP 7151348A JP 15134895 A JP15134895 A JP 15134895A JP H0840940 A JPH0840940 A JP H0840940A
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silicone rubber
rubber matrix
matrix
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polyorganosiloxane
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JP7151348A
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Padmanabh P Bhatt
プラビンチャンドラ ブハット パドマナブ
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アルバート ロール ビクター
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    • A61K9/2022Organic macromolecular compounds
    • A61K9/2031Organic macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polyethylene glycol, polyethylene oxide, poloxamers
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリコーンゴムマトリックス中の架橋度を調
節することによりこのシリコーンゴムマトリックスから
の活性物質又は薬剤の放出を調節する方法を提供する。 【構成】 上記マトリックスは、(A)1分子あたり少
なくとも2つのアルケニル基を有するポリオルガノシロ
キサン;(B)1分子あたり少なくとも2つのケイ素に
結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンシロ
キサン;及び(C)前記組成物の硬化を促進するに充分
な量のヒドロシリル化触媒、を含む液体シリコーンゴム
を硬化させて製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコーンゴムマトリ
ックスからの活性物質又は薬剤の放出の調節方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】シリコーンゴムマトリックスからの活性
物質の放出を調節するためのいくつかの方法が当技術分
野で公知である。1つの方法は、このマトリックス中に
ポリエチレン、エチレングリコール、グリセロール又は
ラクトースのような水溶性添加剤を添加することであ
る。この水溶性添加剤はシリコーンゴムマトリックスの
膨潤に影響し、これによって薬剤又は活性物質の放出を
調節する手段を提供する。JP−A59/44310
は、シリコーンゴム基材、活性成分及び粉末状溶解補助
剤を含む組成物を開示している。この粉末状溶解補助剤
は一塩基性α−アミノ酸(グリシン及びアラニン)、塩
化ナトリウム又はマンニトールを含む。これらの組成物
は、体内への皮下植え込み又は挿入に有用であり、1週
間ないし1か月の期間にわたって活性成分を放出するこ
とができる。
【0003】種々の量の特定の薬剤を用いて又は用いな
いでシリコーンゴムマトリックスの膨潤に対する種々の
化学薬品の効果が評価されてきた。“Effect o
fDifferent Water−Soluble
Additives onthe Sustained
Release of Sulfanilamide
from Silicone Rubber Mat
rices” IL Farmaco Edizion
e Pratica, 37(12),pp. 377
−389 (1982)において、Carelliら
は、スルファニルアミドの、医療グレードシリコーンゴ
ムからの等張のpH7.4のフォスフェート緩衝液への制
御された速度での放出に対するエチレングリコール、グ
リセロール、ポリエチレングリコール、ポルソルベート
80、塩化ナトリウム及びアルギン酸ナトリウムの影響
を報告している。加えて、“Effect of Di
fferent Water−Soluble Add
itives onWater Sorption i
nto Silicone Rubber”, Jou
rnal of Pharmaceutical Sc
iences, Vol. 73, No.3, p
p.316−317,Carelliet alは、個
別にシリコーンゴムに分散されたエチレングリコール、
グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリソルベート
80及びラクトースがポリマー中への水の収着を促進す
る能力を取り扱っている。
【0004】シリコーンゴムマトリックスからの薬剤の
放出を調節する他の方法は、このマトリックスに詰め込
まれる薬剤の量、種類及び粒度を調節することである。
例えば、“Release of Osmotical
ly Active Drugs from Sili
cone Rubber Matries”, ILF
armaco Edizione Pratica,
39(9), pp.310−319 (1984),
Carelli et al.は、シリコーンゴムマ
トリックス中に分散した浸透性活性薬剤(サリチル酸ナ
トリウム及びリドカイン塩酸塩)の水膨潤性マトリック
スからの等張のpH7.4のフォスフェート緩衝液への放
出を開示している。この記事は、放出は、応力のかかっ
たポリマー中に形成されたクラックを通しての自己誘発
的浸透ポンプ機構によると理論付けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シリ
コーンゴムマトリックスの架橋密度を調節することによ
り、このマトリックスからの活性化学薬品又は薬剤の放
出を調節する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリコーンゴ
ムマトリックス中の架橋の度合いを調節することによ
り、シリコーンゴムマトリックスからの活性化学薬品又
は薬剤の放出を調節する方法である。前記シリコーンゴ
ムマトリックスは、(A)1分子あたり少なくとも2つ
のアルケニル基を含むポリオルガノシロキサン;(B)
1分子あたり少なくとも2つのケイ素に結合した水素原
子を含むオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)前記組成物の硬化を促進するに充分な量のヒドロ
シリル化触媒からなる液体シリコーンゴムを硬化するこ
とにより製造される。
【0007】硬化されたシリコーンゴムの架橋の程度
は、ポリオルガノシロキサン(A)上の活性部位の位置
と濃度、オルガノハイドロジェンシロキサン(B)上の
活性部位の位置と濃度、及び充填材処理剤上の活性部位
の濃度を含むいくつかのファクターによって調節され
る。本発明のシリコーンゴムマトリックスは、 (A)1分子あたり少なくとも2つのアルケニル基を含
むポリオルガノシロキサン; (B)1分子あたり少なくとも2つのケイ素に結合した
水素原子を含むオルガノハイドロジェンシロキサン;及
び (C)前記組成物の硬化を促進するに充分な量のヒドロ
シリル化触媒、 からなる液体シリコーンゴムを硬化させることによって
製造される。
【0008】本発明の液体シリコーンゴム組成物は、温
度100℃未満で硬化することができる。もし、薬剤が
本発明における液体シリコーンゴムと組み合わされる
と、薬剤と液体シリコーンゴムの組み合わせを効果的に
硬化させるためには100℃を超える温度での硬化が必
要であろう。当業者は、このゴムが有効に硬化する温度
を決定することができる。
【0009】本発明における液体シリコーンゴム組成物
のポリオルガノシロキサン(A)は、これら組成物の主
要な成分である。ポリオルガノシロキサン(A)は、各
分子中に少なくとも2つのケイ素に結合したアルケニル
基を含まなければならない。適当なアルケニル基は、1
〜10個の炭素原子を含み、例えばビニル、アリル及び
5−ヘキセニルがある。残りのケイ素に結合した基はア
ルケニル基以外の有機基から選ばれる。ケイ素に結合し
た有機基は、1価の炭化水素基及びハロゲン化炭化水素
基から選ばれ、例としては、メチル、エチル及びプロピ
ルのようなアルキル基;フェニルのようなアルール基;
及び3,3,3−トリフルオロプロピルのようなハロゲ
ン化アルキル基がある。
【0010】ポリオルガノシロキサン(A)の分子構造
は、典型的には、線状であるが、分子内に3価のシロキ
サン単位が存在することによって枝分かれがあってもよ
い。本発明組成物を硬化させるために調製されるエラス
トマーに実用水準の引っ張り強度を与えるために、この
成分の分子量は25℃での粘度が100mPa・sより
大きくするために充分なものである。ポリオルガノシロ
キサン(A)の分子量の上限は特に限定されず、硬化性
オルガノシロキサン組成物の加工性によってのみ、一般
に限定される。適当なポリオルガノシロキサンは、注入
しうる液体からガムタイプポリマーにわたり、このポリ
マーは一般にはウィリアムス可塑性価(William
s plasticity values)によって特
徴付けられる。好ましくは、ポリオルガノシロキサン
(A)は、25℃で粘度100〜1,000,000m
Pa・s、より好ましくは500〜100,000mP
a・sを有すべきである。
【0011】好ましくは、ポリオルガノシロキサン
(A)は、次式で示されるポリオルガノシロキサン類か
ら選ばれる:
【化2】 (ここに、各R1 は、少なくとも2つのR1 基がアルケ
ニル基であることを前提にして、個別に1価の炭化水素
基、1価のハロ炭化水素基及びアルケニル基からなる群
から選ばれ;nは少なくとも100mPa・sの粘度に
等しい重合度を表す)。
【0012】ポリオルガノシロキサン(A)は、次の一
般式で示されるポリオルガノシロキサンであることが更
に好ましい:
【化3】 (ここに、各R2 は、個別に1価の炭化水素基又は1価
のハロ炭化水素基から選ばれ;R3 はアルケニル基を表
し;nは、少なくとも100、好ましくは100〜1,
000,000mPa・sの粘度に等しい重合度を表
す。
【0013】式Iの各R1 は、少なくとも2つのR1
がアルケニル基であることを前提にして、個別に1価の
炭化水素基、1価のハロ炭化水素基及びアルケニル基か
らなる群から選ばれる。各R1 は同じであってもよく異
なっていてもよく、炭素原子数1〜20であるが、少な
くとも2つのR1 はアルケニル基であるべきである。R
1 は対応するモノマー類の入手の容易性の故に、炭素原
子数は1〜10であるのが好ましい。最も好ましくは、
少なくとも2つのR1 基がビニルであり、残りがメチル
である。これが好ましいことは、ポリオルガノシロキサ
ンを調製するのに典型的に用いられる反応体の入手の容
易さ及びこれらポリオルガノシロキサン類から調製され
る硬化されたエラストマーの性質の故である。
【0014】式IIの各R2 は、個別に1価の炭化水素基
又は1価のハロ炭化水素基から選ばれる。R2 の例とし
ては、メチル、エチル、フェニル及び3,3,3−トリ
フルオロプロピルがある。好ましくは、R2 はメチルで
ある。R3 はアルケニル基を表す。R3 は、好ましくは
ビニル又は5−ヘキセニルである。
【0015】アルケニル基を末端位にのみ含むポリオル
ガノシロキサン(A)(式II)の例を挙げれば、ジメチ
ルビニルシロキシ−末端ポリジメチルシロキサン、ジメ
チルビニルシロキシ−末端ポリメチル−3,3,3−ト
リフルオロプロピルシロキサン、ジメチルビニルシロキ
シ−末端−ジメチルシロキサン/3,3,3−トリフル
オロプロピルメチルシロキサンコポリマー及びジメチル
ビニルシロキシ−末端−ジメチルシロキサン/メチルフ
ェニルシロキサンコポリマーがある。
【0016】本発明のポリオルガノシロキサンを調製す
る方法は当技術分野で周知である。これらの方法は、対
応するハロシランの加水分解及び縮合又は環状ポリオル
ガノシロキサン類の縮合を含む。
【0017】本発明の液体シリコーンゴム組成物は、ポ
リオルガノシロキサン(A)の架橋剤として機能する少
なくとも1つのオルガノハイドロジェンシロキサン
(B)を含む。ヒドロシリル化触媒(C)の存在下に、
オルガノハイドロジェンシロキサン(B)中のケイ素に
結合した水素原子は、ポリオルガノシロキサン(A)中
のケイ素に結合したアルケニル基と、ヒドロシリル化反
応と呼ばれる付加反応を行い、架橋とこの組成物の硬化
を行う。
【0018】オルガノハイドロジェンシロキサン(B)
は、各分子中に少なくとも2つのケイ素に結合した水素
原子を含んでいなければならない。もし、ポリオルガノ
シロキサン(A)が1分子中にただ2つのアルケニル基
を含むときは、最終の硬化生成物中に架橋した構造を得
るために、オルガノハイドロジェンシロキサン(B)は
平均で2より多くのケイ素に結合した水素原子を含んで
いなければならない。オルガノハイドロジェンシロキサ
ン(B)中に存在するケイ素に結合した有機基は、ポリ
オルガノシロキサン(A)と同じ1価の炭化水素基及び
1価のハロ炭化水素基(例えば、R1 )から選ばれる。
但し、オルガノハイドロジェンシロキサン(B)中のケ
イ素に結合した有機基は、実質的にエチレン性又はアセ
チレン性不飽和が実質的にないことが必要である。オル
ガノハイドロジェンシロキサン(B)の分子構造は、直
鎖であっても、枝を含有する直鎖であっても、環状であ
っても、また網状であってもよい。
【0019】オルガノハイドロジェンシロキサン(B)
の分子量は特に限定されないが、25℃での粘度が3〜
10,000mPa・sの範囲であることが好ましい。
【0020】オルガノハイドロジェンシロキサン(B)
の濃度は、この硬化性組成物中のケイ素に結合した水素
原子対アルケニル基のモル比が0.5〜20となるに充
分なものであるべきである。0.5〜2の範囲が好まし
い。この硬化性組成物において、アルケニル基1モルあ
たりケイ素に結合した水素原子が0.5モルよりも少な
いときは、この組成物は充分に硬化することができな
い。この組成物が、アルケニル基1モルあたり、20よ
り多くのケイ素に結合した水素原子を含むときは、水素
ガスの発生による泡の形成が起こる。
【0021】本発明における液体シリコーンゴム組成物
の硬化はヒドロシリル化触媒(C)でこの組成物を触媒
することにより達成される。前記オルガノハイドロジェ
ンシロキサン(B)の−Si−H及びポリオルガノシロ
キサン(A)の−C=C−の間の反応に影響を与えるど
んなヒドロシリル化触媒も、本発明においては有用であ
る。本発明において有用なヒドロシリル化触媒は、ロジ
ウム化合物、白金金属、白金化合物、白金錯体、ニッケ
ル化合物、パラジウム金属その他である。白金金属及び
白金化合物は、ヒドロシリル化反応における触媒の高い
活性レベルの故に好ましい。
【0022】本発明において有用なロジウム化合物の例
を挙げれば、ロジウム金属、塩化ロジウム及びRhCl
3 (n−Bu2 S)3 がある。本発明において有用な白
金触媒は、担体上の白金金属、白金化合物及び白金錯体
から選ばれる。前記白金化合物及び白金錯体の例を挙げ
れば、クロロ白金酸、クロロ白金酸六水和物、カールシ
ュテッド(Karstedt’s)触媒(Pt#2,P
t(ViMe2 SiOSiViMe2 2 )、ジクロロ
−ビス(トリフェニルホスフィン)白金(II)、シス−
ジクロロ−ビス(アセトニトリル)白金(II)、ジカル
ボニルジクロロ白金(II)、塩化白金、酸化白金その他
がある。前記白金金属は担体、例えば木炭、アルミナ、
ジルコニアその他の上にデポジット(deposit
e)させることができる。水素化ケイ素と不飽和化合物
の不飽和部分との反応に有効などんな白金含有物質も、
本発明において有用である。白金触媒の更なる記載は、
米国特許No.4,578,497、3,775,45
2、3,220,972及び2,823,218に見い
だされる。
【0023】本発明組成物における触媒(C)における
触媒濃度は、成分(A)及び(B)の組み合わせ重量を
基準として、この100万部あたり触媒金属(例えば、
白金金属)0.1〜500重量部、好ましくは1〜50
重量部(ppm )の濃度に等しいものである。硬化は触媒
金属0.1ppm 未満では満足に進行せず、一方、500
ppm より多くを用いると硬化速度に認められる程の増加
はなく、従って不経済である。
【0024】取扱を容易ならしめ、必要な少量を計量を
便ならしめるために前記触媒は溶媒に溶解するとよい。
好ましくは前記溶媒は不活性であるべきである。適当な
溶媒は、シリコーン流体、例えばポリジメチルシロキサ
ン及びジメチルビニルシロキシ−末端−ポリジメチルシ
ロキサン、又は炭化水素溶媒、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン及びミネラルスピリット及び極性溶媒、例
えばアルコール、種々のグリコール類及びエステル類を
含む。
【0025】成分(A)、(B)及び(C)に加えて、
追加の成分を随意に加えうる。(A)、(B)及び
(C)の混合物は、周囲温度で硬化を始める。この硬化
を遅らせるか又は抑制するために、適当な抑制剤を加え
ることにより、周囲条件下でのこの触媒の活性を妨害し
又は抑制することができる。
【0026】公知の白金触媒抑制剤は、米国特許No.3
445420に開示されたアセチレン化合物である。2
−メチル−3−ブチン−2−オルは、25℃での白金含
有触媒の活性を抑制する好ましい種類の抑制剤である。
これら触媒は、現実的な速度で硬化させるために、70
℃又はそれ以上の温度に加熱することが、一般には必要
である。
【0027】白金1モルあたり1モルという低い抑制剤
濃度も、場合によっては満足な貯蔵安定性及び硬化速度
を与える。他の場合には、白金1モルあたり抑制剤50
0モル又はそれ以上の抑制剤濃度が必要である。与えら
れた組成物中の与えられた抑制剤の最適濃度は、日常的
実験によって容易に決定でき、本発明の一部を構成しな
い。
【0028】組成物の中には、抑制剤が存在しても周囲
条件下に硬化を始めることもある。貯蔵安定性を確保す
る1つの方法は、この硬化性組成物を2又はそれ以上の
容器中に詰め、ヒドロシリル化触媒とオルガノハイドロ
ジェンシロキサンとを別々の容器に詰めることである。
これら容器の内容物は、前記組成物を硬化することが望
まれるとき合体させる。
【0029】50℃又はそれ以上の温度で優れた長期の
貯蔵安定性を有する1液型オルガノシロキサン組成物
は、第1に白金含有ヒドロシリル化触媒を熱可塑性又は
熱硬化性ポリマーのマイクロカプセルに入れる(以下、
マイクロカプセルに入れることを「マイクロカプセル
化」という)ことによって調製できる。マイクロカプセ
ル化したヒドロシリル化触媒を含む硬化性オルガノシロ
キサン組成物は、更に米国特許No.4766176及び
5017654に記載されている。適当なカプセル材
は、有機ケイ素樹脂並びにエチレン性不飽和カルボン酸
並びに/又はエチレン性不飽和カルボン酸、例えばアク
リル酸及びメタクリル酸のエステルから誘導される有機
樹脂を含む。
【0030】本発明における組成物を用いて調製された
ある種の硬化されたエラストマーを特徴付ける高水準の
引き裂き強度及び他の物性を得るためには、微細に分割
されたシリカのような補強充填材を添加するのが望まし
い。シリカその他の補強充填材は、硬化性組成物の加工
の間の「クレーピング(creping)」又は「クレ
ープ硬化(crepe hardening)」として
知られている現象を防ぐために1又はそれ以上の公知の
充填材処理剤でしばしば処理される。
【0031】微細に分割された形のシリカは好ましい補
強性充填材である。コロイド状シリカは、それらが典型
的には少なくとも50m2/gという比較的高い表面積を
有するので特に好ましい。本発明方法に用いるのに少な
くとも300m2/gの表面積を有する充填材が好まし
い。コロイド状シリカは沈殿タイプ又はフュームタイプ
でありうる。両タイプのシリカは商業的に入手可能であ
る。本発明組成物に用いられる微細に分割されたシリカ
又は他の補強性充填材の量は、少なくとも部分的には硬
化されたエラストマーに望まれる物性によって決定され
る。液体の又はポンプ輸送可能なゴム組成物は、典型的
には、ゴム成分(即ち、ポリオルガノシロキサン及びオ
ルガノハイドロジェンシロキサン)の重量を基準にして
10〜60wt%のシリカを含む。この値は、好ましく
は30〜50wt%である。
【0032】前記充填材処理剤は、加工の間にオルガノ
シロキサン組成物のクレーピングを防ぐに適するものと
して当技術分野で開示された低分子量有機ケイ素化合物
のいずれでもよい。前記処理剤は、典型的には1分子あ
たり平均2〜20の反復単位を有する液体水酸基末端ポ
リジオルガノシロキサン、並びに充填材を処理するのに
用いられる条件下に加水分解してケイ素に結合した水酸
基と化合物を形成するヘキサオルガノジシロキサン及び
ヘキサオルガノジシラザンのような有機ケイ素化合物で
ある。好ましくは、処理剤上に存在するケイ素に結合し
た炭化水素基の少なくとも一部は、成分A及びB中に存
在する大部分の炭化水素基と同じである。少量の水は加
工助剤としてシリカ処理剤と共に添加することができ
る。
【0033】前記処理剤は、シリカ又は他の充填材粒子
の表面上に存在するケイ素に結合した水酸基と反応し
て、これら粒子の間の相互作用を減らすことにより、機
能を果たすと、考えられる。
【0034】シリカ充填材を使用するときは、この組成
物の他の諸成分の少なくとも一部の存在下に、この充填
材が完全に処理され均一に分散されて均質な物質を形成
するまでこれら成分を相互に混合することにより、この
充填材を処理することが好ましい。
【0035】この充填材の処理の間に存在する成分は、
典型的にはシリカ処理剤及び少なくとも一部のポリオル
ガノシロキサン(A)を含む。
【0036】本発明のオルガノシロキサン組成物は、接
着性に加えて硬化した組成物にある種の物性を付与し又
は高め、又は硬化性組成物の加工を容易にするために、
この種の硬化性組成物中に従来存在した1又はそれ以上
の添加剤を更に含みうる。
【0037】典型的な添加剤は、非補強性充填材、例え
ば石英、アルミナ、マイカ及び炭酸カルシウム;顔料、
例えばカーボンブラック及び二酸化チタン;染料、難燃
剤、並びに熱及び/又は紫外線安定剤である。硬化した
オルガノシロキサン組成物の物性を改善するために、1
又はそれ以上の補強性充填材の代わりに、又はこれと組
み合わせて樹脂状オルガノシロキサンコポリマーを用い
ることができる。
【0038】好ましいタイプの樹脂状コポリマーは、一
般式R2 3SiO1/2 で示されるトリオルガノシロキシ単
位及び一般式CH2 =CH(R2 2 SiO1/2 で示さ
れるジオルガノビニルシロキシ単位(ここに、R2 は上
に定義した通りである)に加えて、一般式SiO4/2
示される反復単位を含む。この樹脂状コポリマーは、ト
リオルガノシロキシ単位及びジオルガノビニルシロキシ
単位対SiO4/2 単位のモル比が0.08〜0.1:
0.06〜1:1であることが好ましい。この樹脂状コ
ポリマーは、米国特許No.2676182に記載されて
いるようにして調製される。
【0039】これら成分に加えて、前記薬剤又は活性物
質のシリコーンゴムマトリックスからの放出に作用する
他の成分も加えることができる。これらの放出添加剤
は、エチレングリコール、グリセロール、ポリエチレン
グリコール、ポリソルベート80、塩化ナトリウム及び
アルギン酸ナトリウムを包含する。ポリソルベート80
は、ソルビトール及びソルビトール無水物のオレイン酸
エステルの混合物で、主としてモノエステルからなり、
約20モルのエチレンオキサイドと縮合したものであ
る。
【0040】貯蔵安定性を最大にするために、本発明に
おける硬化性組成物は、好ましくは使用時まで閉じた容
器中に保存される。もし、より大きな貯蔵安定性が望ま
れるならば、この組成物はこの組成物は2又はそれ以上
の容器中に詰め、オルガノハイドロジェンシロキサン
(B)とヒドロシリル化触媒(C)は別々の容器に入れ
るのがよい。
【0041】本発明のシリコーンゴムマトリックスは、
全ての成分を周囲温度で合体して調製される。この目的
のために、先行技術で述べられたどんな混合方法及び装
置も使用可能である。使用される特定の装置は、成分の
粘度及び最終の硬化性組成物によって決定されるであろ
う。適当なミキサーは、パドル型ミキサー、ニーダー型
ミキサー及び2本ロール又は3本ロールゴム用ロール機
を含む。この組成物の時期尚早な硬化を避けるために、
混合中の成分の冷却が望ましい。
【0042】成分(A)、(B)及び(C)を合体する
と、本発明における組成物は硬化を始める。好ましい組
成物は、周囲条件下で数時間かけて硬化する。白金で触
媒されたヒドロシリル化反応によって硬化する他の組成
物と同様に、硬化は加熱によって促進される。本発明に
おける組成物は、100℃未満、好ましくは25〜80
℃で硬化することができる。
【0043】前記マトリックスの製造において種々のフ
ァクターを変えることによって、前記シリコーンゴムマ
トリックス中の種々の架橋密度が得られる。これらのフ
ァクターは、SiH及び/又はC=C官能基の位置が末
端及び側部(末端ではないという意味でのみ用いてい
る)の両方に用いて架橋密度を増した反応体を用いるこ
とによって、SiH:C=C比を増して架橋密度を増す
ことを含む。他のアプローチは、活性部位(例えば、S
iOH)を有する充填材を用いることによって架橋密度
を増すことである。用いられる特定の薬剤の望みの放出
速度を作りだすために、当業者は適当なファクターを決
定することができるであろう。架橋密度を変えることに
よってシリコーンゴムマトリックスの膨潤特性が変わ
り、シリコーンゴムマトリックスからの薬剤の放出を変
化させる、即ち調節するものと理論付けられる。
【0044】このシリコーンゴムマトリックスから放出
されうる薬剤の例を挙げれば、抗生物質、例えばテトラ
サイクリン、クロロテトラサイクリン、バシトラシン、
ネオマイシン、ポリミキシン、グラミシジン、セファレ
キシン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコー
ル、カナマイシン、リファンピシン、トブラマイシン、
ゲンタマイシン、エリスロマイシン、及びペニシリン;
抗菌剤、例えばスルホンアミド、スルファジアジン、ス
ルファセタミド、スルファメチゾール及びスルフィソキ
サゾール、ニトロフラゾン及びプロピオン酸ナトリウ
ム;抗ウィルス剤、例えばイドクスウリジン、トリフル
オロチミジン、アシクロビル、ガンシクロビル及びイン
ターフェロン;抗アレルゲン剤、例えばクロモリンナト
リウム、アンタゾリン、メタピリレン、クロルフェニラ
ミン、セチリジン(cetirizine)及びプロフ
ェンピリダジン(prophenpyridadin
e);抗炎症剤、例えばヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロ
コルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン21−リ
ン酸塩、フルオシノロン、メドリゾン、酢酸プレドニゾ
ロン、フルオロメタン、ベタメタゾン及びトリアムシノ
ロン;非ステロイド剤、例えばインドメタシン、ジクロ
フェナック(diclofenac)、フルルビロフェ
ン、ピロキシカム、イブプロフェン及びアセチルサリチ
ル酸;うっ血除去剤、例えばフェニレフェリン、ナファ
ゾリン及びテトラヒドロゾリン;縮瞳薬及び抗コリンエ
ステラーゼ、例えばピロカルピン、塩化アセチルコリ
ン、フィゾスチグミン、エセリン、カルバコール、フル
オロリン酸ジイソプロパノール、ホスホリンヨウ素(p
hospholine iodine)及び臭化デメカ
リウム;拡瞳剤、例えば硫酸マトロピン、シクロペント
レート、ホマトロピン、スコポラミン、トロピカミド、
オイカトロピン及びヒドロキシアンフェタミン;交感神
経剤、例えばエピネコミン;免疫薬剤、例えばワクチン
及び免疫刺激剤(immune stimulant
s);ホルモン剤、例えばエストロゲン、エストラジオ
ール、妊娠促進剤(progestational)、
プロゲステロン、インスリン、カルシトニン、甲状腺ホ
ルモン及びぺプチド、バソプレシン、視床下部放出因
子;ベータアドレナリン遮断剤、例えばマレイン酸チモ
ロール、塩酸レボブノール及び塩酸ベタキソロール;成
長因子、例えば上皮増殖因子及びフィブロネクチン;カ
ルボネートデヒドラターゼ抑制剤、例えばジクロロフェ
ナミド、アセタゾラミド及びメタゾルアミド、並びに他
の薬剤、例えばプロスタグランジン、抗プロスタグラン
ジン及びプロスタグランジン前駆体がある。
【0045】これらの薬剤は、薬学的に許容され担体と
共に用いうる。そのような担体の例は、澱粉、ゼラチ
ン、蔗糖、例えばグルコース、天然ガム、例えばアカシ
ア等のような固体;アルギン酸ナトリウム、カルボキシ
メチルセルロース、ポリマー、例えばシリコーン、無菌
水、無菌性生理的食塩水、デキストロース、水又は食塩
水に溶解したデキストロース;ひまし油とエチレンオキ
サイドの縮合生成物、低分子量脂肪酸の液体グリセリル
トリエステル;低級アルカノール;トウモロコシ油、ピ
ーナッツオイル、ゴマ油等で、脂肪酸又はリン脂質、例
えばレシチン等のモノ−又はジ−グリセリドを伴うも
の;グリコール類;ポリアルキレングリコール類;懸濁
剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ア
ルギン酸ナトリウム、ポリ(ビニルピロリドン)の単
独、又はレシチン、ポリオキシエチレンステアレートの
ような適当な調合剤を伴うものの存在する水性媒体を含
む。この担体は保存剤、安定剤、湿潤剤又は乳化剤のよ
うな補助剤を含んでいてもよい。
【0046】前記シリコーンゴムマトリックスから放出
されるべき薬剤は、水性媒体に溶解性であるか又は変性
されてその溶解性の形、例えば非溶解性の又は僅かに溶
解性の薬剤の塩、にするのが好ましい。水性媒体に溶解
性でない薬剤はシリコーンゴムマトリックスから効果的
に放出されないであろう。前記薬剤を変性して溶解性の
形にすることに加えて、上に論じた放出添加剤は液体シ
リコーンゴム又はシリコーンゴムマトリックスに加えて
水溶性媒体中に容易には溶解せず、又は僅かに溶解性で
ある薬剤として放出させてもよい。
【0047】前記薬剤は、他の必要な添加剤又は放出変
性剤と共に全体の重量の40wt%までの量で、マトリ
ックス配合又は液体シリコーンゴムとの混合によりシリ
コーンゴム中に詰め込むことができる。前記液体シリコ
ーンゴムを硬化させる一方、望みの形に成形することに
よって、前記薬剤はシリコーンゴムマトリックス中に固
化させる。
【0048】前記薬剤が前記液体シリコーンゴムの硬化
を妨害するような場合には、溶液含浸により、前記薬剤
は前記シリコーンゴムマトリックス中に詰め込んでもよ
い。この過程は、シリコーンゴムマトリックスを前記薬
剤の溶媒溶液中に浸漬することからなり、この際、前記
溶媒はシリコーンゴムマトリックスを膨潤させ、これに
よって前記薬剤を前記シリコーンゴムマトリックス中に
拡散させる。次いで、このシリコーンゴムマトリックス
を溶剤から取り出し、乾燥させて薬剤−含浸系を製造す
る。当業者は、薬剤と相溶性であり、シリコーンゴムマ
トリックスを膨潤させる溶媒を容易に選択することがで
きるであろう。適当な溶媒は、キシレン、ヘプタン、メ
タノール及びクロロホルムである。
【0049】前記シリコーンゴムマトリックスからの薬
剤の放出のメカニズムは、例えば拡散又は浸透である。
シリコーンゴムマトリックスからの薬剤の放出の期間は
種々でありえ、例えば数時間から14日又はそれ以上で
ある。
【0050】当業者が理解でき、ここに開示した発明を
評価しうるようにするため、以下に例を挙げる。特に断
らない限り、全ての粘度は25℃で測定したものであ
り、全ての部は重量部を表わす。
【0051】シリコーンゴムマトリックスのモジュラス
(G’)は、Rheometrics, Piscat
away NJから入手可能なRheometrics
(商標)Dynamic Spectrometer,
Model DMTA を用いて、7mm×1.88mm
×0.019mmのスラブに付いて周波数1Hzで、40
℃で測定した。このモジュラスから、このシリコーンゴ
ムマトリックスの架橋密度は、複数の架橋(Mc)の間
の分子量を計算することにより算出することができる。
比較的小さなMcは、ゴム中の比較的高い程度の架橋を
示す。以下のシリコーンゴムマトリックスを用いた:
【0052】ゴム1:約65wt%の、可塑性(pla
sticity)1.5mm(60ミル)を有するジメチ
ルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン、5wt%
の、可塑性1.5mm(60ミル)を有するジメチルビニ
ルシロキサン末端メチルビニルジメチルシロキサン、
0.7wt%の、粘度40mPa・sを有する水酸基末
端メチルビニルジメチルシロキサン、7wt%の、粘度
40mPa・sを有する水酸基末端ジメチルシロキサ
ン、21wt%のアモルファスシリカ、及び0.35w
t%の、塩化白金酸のジビニルテトラメチルジシロキサ
ン錯体をジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロ
キサンで希釈して白金0.65wt%にしたもの、を含
む混合物1部と、約64wt%の、可塑性1.5mm(6
0ミル)を有するジメチルビニルシロキシ末端ジメチル
シロキサン、5wt%の、可塑性1.5mm(60ミル)
を有するジメチルビニルシロキサン末端メチルビニルジ
メチルシロキサン、0.7wt%の、粘度40mPa・
sを有する水酸基末端メチルビニルジメチルシロキサ
ン、7wt%の、粘度40mPa・sを有する水酸基末
端ジメチルシロキサン、21wt%のアモルファスシリ
カ、及び2wt%の、平均のケイ素に結合した水素原子
含量約0.75wt%で粘度約5mm2/sのトリメチルシ
ロキシ末端メチルハイドロジェンジメチルシロキサン、
を含む混合物1部と、を合体させて液体シリコーンゴム
を調製した。得られた組成物は、SiH:C=C比が
4.7であった。この液体シリコーンゴムを115℃で
10分硬化させることによりシリコーンゴムマトリック
スを製造した。このシリコーンゴムマトリックスは、モ
ジュラスが5.85Paであり、これは、Mc4045
g/モルに関連する(correlate)。
【0053】ゴム2:約50wt%の、可塑性1.5mm
(60ミル)を有するジメチルビニルシロキシ末端ジメ
チルシロキサン、6wt%の、可塑性1.5mm(60ミ
ル)を有するジメチルビニルシロキサン末端メチルビニ
ルジメチルシロキサン、0.3wt%の、粘度40mP
a・sを有する水酸基末端メチルビニルジメチルシロキ
サン、8wt%の、粘度40mPa・sを有する水酸基
末端ジメチルシロキサン、34wt%のアモルファスシ
リカ、及び0.35wt%の、塩化白金酸のジエテニル
テトラメチルジシロキサン錯体をジメチルビニルシロキ
シ末端ポリジメチルシロキサンで希釈して白金0.63
wt%にしたもの、を含む混合物1部を、約49wt%
の、可塑性1.5mm(60ミル)を有するジメチルビニ
ルシロキシ末端ジメチルシロキサン、6wt%の、可塑
性1.5mm(60ミル)を有するジメチルビニルシロキ
サン末端メチルビニルジメチルシロキサン、0.3wt
%の、粘度40mPa・sを有する水酸基末端メチルビ
ニルジメチルシロキサン、8wt%の、粘度40mPa
・sを有する水酸基末端ジメチルシロキサン、33wt
%のアモルファスシリカ、及び2wt%の、平均のケイ
素に結合した水素原子含量約0.75wt%で粘度5mm
2/sのトリメチルシロキシ末端メチルハイドロジェンジ
メチルシロキサン、を含む混合物1部と、を合体させて
液体シリコーンゴムを調製した。得られた組成物は、S
iH:C=C比が2.5であった。この液体シリコーン
ゴムを115℃で10分硬化させることによりシリコー
ンゴムマトリックスを製造した。このシリコーンゴムマ
トリックスは、モジュラスが6.28Paであり、これ
は、Mc1652g/モルに関連する。
【0054】ゴム3:約68wt%の、粘度2100m
Pa・sを有するジメチルビニルシロキシ末端ジメチル
シロキサン、0.09wt%の、塩化白金酸のジビニル
テトラメチルジシロキサン錯体をジメチルビニルシロキ
シ末端ポリジメチルシロキサンで希釈して白金0.65
wt%にしたもの、及び31wt%の、ヘキサメチルジ
シラザンで処理したシリカを含む混合物10部と、8
7.7wt%の、同じジメチルビニルシロキシ末端ジメ
チルシロキサン、12wt%の、平均のケイ素に結合し
た水素原子含量0.75wt%で粘度5mm2/sのトリメ
チルシロキシ末端メチルハイドロジェンジメチルシロキ
サン、及び0.3wt%のテトラメチルテトラビニルシ
クロテトラシロキサンを含む混合物1部と、を合体させ
て液体シリコーンゴムを調製した。得られた組成物は、
SiH:C=C比が1.4であった。この液体シリコー
ンゴムを150℃で3分硬化させることによりシリコー
ンゴムマトリックスを製造した。このシリコーンゴムマ
トリックスは、モジュラスが5.60Paであり、これ
は、Mc7233g/モルに関連する。
【0055】ゴム4:68wt%の、粘度35,000
mPa・sを有するジメチルビニルシロキシ末端ジメチ
ルシロキサン、0.7wt%の、粘度40mPa・sを
有する水酸基末端メチルビニルジメチルシロキサン、
0.8wt%の、粘度40mPa・sを有する水酸基末
端ジメチルシロキサン、0.18wt%の、塩化白金酸
のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体をジメチルビ
ニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンで希釈して白
金0.65wt%にしたもの、及び29wt%の、ヘキ
サメチルジシラザンで処理したシリカを含む混合物1部
と、65wt%の、粘度35,000mPa・sを有す
るジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン、
0.7wt%の、粘度40mPa・sを有する水酸基末
端メチルビニルジメチルシロキサン、0.8wt%の、
粘度40mPa・sを有する水酸基末端ジメチルシロキ
サン、29wt%の、ヘキサメチルジシラザンで処理し
たシリカ、及び3wt%の、平均のケイ素に結合した水
素原子含量0.75wt%で粘度約5mm2/sのトリメチ
ルシロキシ末端メチルハイドロジェンジメチルシロキサ
ン、を含む混合物1部と、を合体させて液体シリコーン
ゴムを調製した。得られた組成物は、SiH:C=C比
が1.4であった。この液体シリコーンゴムを150℃
で5分硬化させることによりシリコーンゴムマトリック
スを製造した。
【0056】ゴム5:約51wt%の、粘度55,00
0mPa・sを有するジメチルビニルシロキシ末端ジメ
チルシロキサン、7wt%の、粘度350mPa・sを
有するジメチルビニルシロキシ末端メチルビニルジメチ
ルシロキサン、0.6wt%の、粘度40mPa・sを
有する水酸基末端メチルビニルジメチルシロキサン、
0.1wt%の、粘度40mPa・sを有する水酸基末
端ジメチルシロキサン、0.18wt%の、塩化白金酸
のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体をジメチルビ
ニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンで希釈して白
金0.65wt%にしたもの、及び40wt%の、ヘキ
サメチルジシラザンで処理したシリカを含む混合物1部
と、約49wt%の、粘度55,000mPa・sを有
するジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン、
7wt%の、粘度350mPa・sを有するジメチルビ
ニルシロキシ末端メチルビニルジメチルシロキサン、
0.5wt%の、粘度40mPa・sを有する水酸基末
端メチルビニルジメチルシロキサン、0.1wt%の、
粘度40mPa・sを有する水酸基末端ジメチルシロキ
サン、39wt%の、ヘキサメチルジシラザンで処理し
たシリカ、及び3wt%の、平均のケイ素に結合した水
素原子含量0.75wt%で粘度約5mm2/sのトリメチ
ルシロキシ末端メチルハイドロジェンジメチルシロキサ
ン、を含む混合物1部と、を合体させて液体シリコーン
ゴムを調製した。得られた組成物は、SiH:C=C比
が1.7であった。この液体シリコーンゴムを150℃
で5分硬化させることによりシリコーンゴムマトリック
スを製造した。このシリコーンゴムマトリックスは、モ
ジュラスが6.11Paであり、これは、Mc2324
g/モルに関連する。
【0057】(例1)上に述べた硬化条件に従って、表
1に示すゴムを硬化することによりシリコーンゴムマト
リックスの203.2mm×203.2mm×0.018mm
のスラブを作った。前記シリコーンゴムマトリックスか
ら各々重量0.75gの複数の円盤を切り、秤量した。
これらの円盤を秤量した後、個別的に約25gのヘプタ
ンを含む閉じた容器中に入れた。3、4、6及び9日の
後に、これら円盤を取り出し、軽く叩いて乾燥し秤量し
た。表1に示す結果は、%で示した種々の重量増加を示
す。
【0058】〔表1〕 ゴム 3日 4日 6日 9日 ゴム1 216.0 219.1 221.2 221.2 ゴム2 127.6 128.4 129.7 130.5 ゴム3 218.8 219.3 219.3 219.8 ゴム4 149.8 150.2 151.1 150.7 ゴム5 111.1 112.0 112.8 112.0
【0059】(例2)ゴム1、3又は5のいずれかと表
2に示す量(wt%)のオキシテトラサイクリン塩酸塩
とを混合することにより円柱状軸を調製した。このオキ
シテトラサイクリン/液体シリコーンゴム混合物を9
4.5kPa(水銀柱28インチ)の真空下に30分置
いた。ゴム1をトランスファー成形機中に配置されたシ
リンダーに注入し、115℃に加熱された12のキャビ
ティーを有するアルミニウム金型中に10.35MPa
(1500psi)で3分間圧入した。ゴム3をトラン
スファー成形機中に配置されたシリンダーに注入し、1
15℃に加熱された12のキャビティーを有するアルミ
ニウム金型中に9.66MPa(1400psi)で3
分間圧入した。ゴム5をトランスファー成形機中に配置
されたシリンダーに注入し、115℃に加熱された12
のキャビティーを有するアルミニウム金型中に6.21
MPa(900psi)で5分間圧入した。これらの金
型を型締圧力9.08Mg(10トン)に保った。次い
でこれらの型を冷却し、分離し、成形された軸を取り出
した。
【0060】次いで、これらの軸をGhannan−C
hienセル中の、蒸留水(ゴム1及び3)又はpH7.
4のリン酸塩緩衝液(ゴム5)のいずれかの媒体200
mL中に入れた。媒体のサンプルを表2に示す時間に取り
出し、分光光度分析により、276nm(蒸留水の場合)
及び272nm(リン酸塩緩衝液の場合)にて分析した。
その結果を表2に報告する。加えて、この軸を前記媒体
から取り出し、軽く叩いて乾燥し、所定の時間に秤量
し、これら軸の膨潤を測定した。表2中のこれらの結果
はこれら軸の種々の重量増加を示している。
【0061】 〔表2〕オキシテトラサイクリン 塩酸塩wt% 10 10 15 15 20 20 30 30 シリコーンコ゛ムマトリックス 1 5 3 5 3 5 3 5 薬剤放出 (μg/軸) 1 118.2 115.1 238.7 238.8 339.6 384.7 812 1508.9 4 160.8 254.8 356.8 334.7 664.5 1273.3 4031.2 7 266.6 254.8 481.7 389.0 990.0 1615.9 5931.4 10 258.6 254.8 560.1 419.0 1322.8 1877.2 7449.4 14 300.6 260.0 664.7 501.8 1993.0 2393.3 9274.7 重量(mg) 0 46.3 46.8 51 47.2 51.8 48.9 4 53.0 57.1 65.4 84.6 7 56.3 62.0 160 74.3 89.4 10 58.2 66.7 81.2 82.2 14 61.3 71.9 186 87.2 296 73.8

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーンゴムマトリックスからの薬剤
    の放出を調節する方法であって、前記マトリックスは次
    の(A)〜(C)を含む液体シリコーンゴムを硬化させ
    ることにより製造され、 (A)1分子あたり少なくとも2つのアルケニル基を含
    むポリオルガノシロキサン; (B)1分子あたり少なくとも2つのケイ素に結合した
    水素原子を含むオルガノハイドロジェンシロキサン;及
    び (C)前記組成物の硬化を促進するに充分な量のヒドロ
    シリル化触媒; ここに、前記調節は前記シリコーンゴムマトリックスの
    架橋密度で提供される前記方法。
  2. 【請求項2】 前記ポリオルガノシロキサン(A)は、
    次式で示されるポリオルガノシロキサンから選ばれる請
    求項1に記載の方法: 【化1】 (ここに、各R1 は、少なくとも2つのR1 基がアルケ
    ニル基であることを前提として、1価の炭化水素基、1
    価のハロ炭化水素基及びアルケニル基から独立に選ば
    れ;nは、25℃で少なくとも100mPa・sの粘度
    に等しい重合度を表す。
  3. 【請求項3】 前記オルガノハイドロジェンシロキサン
    (B)が25℃で粘度3〜10000mPa・sを有す
    る請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ポリオルガノシロキサン(A)中のアル
    ケニル基対オルガノハイドロジェンシロキサン(B)中
    のケイ素に結合した水素原子のモル比が0.5:1 〜2
    0:1となるに充分な量のオルガノハイドロジェンシロ
    キサン(B)が存在する請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の方法。
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