JPH05936A - 経皮吸収製剤 - Google Patents

経皮吸収製剤

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JPH05936A
JPH05936A JP27017491A JP27017491A JPH05936A JP H05936 A JPH05936 A JP H05936A JP 27017491 A JP27017491 A JP 27017491A JP 27017491 A JP27017491 A JP 27017491A JP H05936 A JPH05936 A JP H05936A
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JP
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group
drug
polymer
weight
adhesive composition
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JP27017491A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Yano
嘉昭 矢野
Kazuyuki Takeu
一行 竹生
Takayoshi Hidaka
隆義 日高
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05936A publication Critical patent/JPH05936A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原
子を含み、シロキサン結合を形成することにより架橋し
得るケイ素含有基を有するオキシアルキレン系重合体、
及び粘着付与樹脂を含有する粘着組成物を薬物保持担体
として用いることを特徴とする経皮吸収製剤。 【効果】本発明の経皮吸収製剤は、オキシアルキレン系
重合体を用いることにより、薬物保持担体である粘着組
成物からの薬物の放出性に優れている。従って、本発明
の経皮吸収製剤は、皮膚を経由して必要十分量の薬物を
吸収させることができるので、適用が容易で高レベルの
薬物血中濃度を発現させることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、身体の疾患部の治療な
いし循環系へ薬を投与するための経皮吸収製剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、皮膚疾患部のみでなく全身作用を
目的とした経皮吸収製剤は、ドラッグデリバリーシステ
ムの概念に基づいて著しい発展がみられ、特に徐放性製
剤としての有用性が認められてきている。従来、この種
の経皮吸収製剤としては、薬剤不透過性の支持体上に薬
剤と通常この薬剤の放出を促進する放出補助物質とを含
む粘着性を有するポリマー層を設けたものなどが知られ
ており、身体面に貼り付けることによって身体の疾患部
または循環系へ薬剤を投与させるものである。
【0003】この経皮吸収製剤の粘着基剤としては、安
全性が高く、粘着特性のバランスも良く、薬物の放出性
の良いものが求められている。特に全身作用を目的とし
た経皮吸収製剤では、薬物保持担体からの薬物放出が重
要な因子となることが知られている。経皮吸収製剤の基
剤としては、シリコーンエラストマーが特に安全性が高
く、体内埋込用製剤及び経皮吸収製剤の基剤、その他の
各種の製剤用の薬物保持担体として広く用いられている
が、薬物の放出性に難があることが知られている。シリ
コーンエラストマーを粘着性を有するポリマー層すなわ
ち粘着基剤として用いる経皮吸収製剤において、ニトロ
グリセリンなどのように薬物の蒸気圧が極めて高い場合
にはシリコーンエラストマーに保持された薬物すなわち
有効成分の医薬化合物の放出性は極めて高く、有用性の
高い製品が開発されているが、一般的にはシリコーンエ
ラストマーからの薬物の放出性は極めて低く、スコポラ
ミンなどのように有効投与量の小さい薬物にかぎり、前
記シリコーンエラストマーを用いた製剤が開発されてい
るにすぎない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するものであり、その目的とするところは、
安全性が高く、薬物の放出性の良い経皮吸収製剤を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の経
皮吸収製剤の欠点を解消すべく、鋭意研究の結果、薬物
すなわち有効成分の放出性にすぐれた基剤として、水酸
基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含み、シ
ロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含
有基を有するオキシアルキレン系重合体、及び粘着付与
樹脂を含有する粘着組成物を見出し、この粘着組成物よ
りなるエラストマー中に、活性成分として経皮吸収性を
持つ医薬化合物と助剤との混合物を分散させてなる経皮
吸収製剤を要旨とする本発明を完成した。
【0006】本発明に使用される、分子中にケイ素含有
基を有するオキシアルキレン系重合体としては、これ迄
開示されている特公昭45−36319 号、同46−12154 号、
同49−32673 号、特開昭50−156599号、同51−73561
号、同54−6096号、同55−82123 号、同55−123620号、
同55−125121号、同55−131022号、同55−135135号、同
55−137129号の各公報などに提案されている公知の重合
体が使用でき、特に制限されるものではない。
【0007】オキシアルキレン系重合体の分子鎖は、本
質的に一般式(I) −R1 −O− (I) 〔式中、R1 は2価の有機基である。〕で示される繰返
し単位を有するものが好ましく、特にR1 の大部分が炭
素数3または4の炭化水素基であるとき最も好ましい。
1 の具体例としては、
【化3】 などが挙げられるが、特に
【化4】 は粘着性の点から最も好ましい。
【0008】前記オキシアルキレン系重合体の分子鎖は
1種だけの繰返し単位からなっていてもよいし、2種以
上の繰返し単位よりなっていてもよい。一般式(I)の
−R1 −O−で示される繰返し単位は、重合体中に通常
50% (重量%、以下同様) 以上、好ましくは70%以上、
さらに好ましくは80%以上含まれる。
【0009】本発明にいうケイ素含有基はよく知られた
官能基であり、その代表例としては、一般式(II)
【化5】 〔式中、Xは水酸基または加水分解性基であり、2個以
上存在するとき、それらは同じであってもよく、異なっ
ていてもよい。R2 は炭素数1〜20の1価の炭化水素基
または (R')3 SiO−(R'は炭素数1〜20の1価の
炭化水素基であり、3個のR' は同じであってもよく、
異なっていてもよい) で示されるトリオルガノシロキシ
基であり、R2 が2個以上存在するとき、それらは同じ
であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2
または3、bは0、1または2を表す。ただし1≦a+
mbであり、またm個の
【化6】 におけるbは同じである必要はない。mは0または1〜
19の整数を表す。〕で表わされる基が示される。
【0010】前記のごときケイ素含有基のうち、mが0
の場合であって、一般式(III)
【化7】 〔式中、R2 は前記に同じ、nは1、2または3を表
す。〕で表わされる基であるのが経済性などの点から好
ましい。
【0011】一般式(II)における加水分解性基の具体例
としては、たとえば、ハロゲン原子、水素原子、アルコ
キシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ
基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケ
ニルオキシ基などが挙げられる。これらのうちでは加水
分解性がマイルドであるという点からメトキシ基、エト
キシ基などのアルコキシ基が好ましい。
【0012】また一般式(II)中のR2 における炭素数1
〜20の炭化水素基や (R')3 SiO− のR' の炭素数
1〜20の1価の炭化水素基の具体例としては、たとえば
メチル基、エチル基などのアルキル基、シクロヘキシル
基などのシクロアルキル基、フェニル基などのアリール
基、ベンジル基などのアラルキル基などが挙げられる。
これらのうちでは反応性の点からメチル基がとくに好ま
しい。
【0013】オキシアルキレン系重合体中のケイ素含有
基の個数は、充分な硬化性をうるという点から平均で通
常1個以上、好ましくは1.1 個以上、さらに好ましくは
1.5個以上である。また、ケイ素含有基はオキシアルキ
レン系重合体の分子鎖の側鎖にあってもよいが、末端に
存在するのが好ましい。オキシアルキレン系重合体の数
平均分子量は、通常500 〜30000 であり、好ましくは30
00〜15000 である。さらに好ましくは5000〜10000 であ
る。オキシアルキレン系重合体は、単独で使用してもよ
く、2種以上併用してもよい。
【0014】本発明において使用される粘着組成物は、
通常オキシアルキレン系重合体100重量部に対して相溶
する粘着付与樹脂を通常10〜140 重量部含有するもので
あり、その他に硬化触媒1〜30重量部、老化防止剤等の
添加剤0.1 〜10重量部含有することができる。粘着付与
樹脂が10重量部未満であると、粘着性が充分でなくな
り、140重量部を越えると配合量に見合った効果は得ら
れず、また被着体へ糊が残る原因になるので好ましくな
い。
【0015】粘着付与樹脂としては、相溶するものであ
れば特に制限はなく、ロジン系樹脂(ロジン、ロジンエ
ステル又は水添ロジン)、フェノール樹脂、テルペンフ
ェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香
族系石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂など公知の
ものが使えるが、なかでもロジンエステル樹脂やテルペ
ンフェノール樹脂などが好ましい。
【0016】硬化触媒としては、公知のスズ系やアルミ
ニウム系の触媒やジブチルアミン−2−エチルヘキソエ
ートなどのアミン類及び他の酸性触媒、塩基性触媒など
が使えるが、なかでもアルミニウムキレートやアルミニ
ウムアルコレートなどのアルミニウム系触媒が好まし
い。老化防止剤としては、BHT(ベンゼンヒドロキシ
トルエン)やビタミンE等の公知のものが使える。ま
た、これら粘着組成物にはいろいろな目的でその他の公
知の基剤などを添加してもかまわない。
【0017】本発明における粘着組成物は、前記のオキ
シアルキレン系重合体、粘着付与樹脂、硬化触媒、老化
防止剤、その他の添加剤などをイソプロピルアルコー
ル、エタノール、メタノール、アセトン、トルエン、酢
酸エチルなどの溶剤に溶解して調製することができる。
溶剤としては特に制限されるものではないが、安全性の
点から、エタノール、イソプロピルアルコールなどが好
ましい。
【0018】本発明の経皮吸収製剤は、前記の粘着組成
物を薬物保持担体として用いることを特徴とするもので
あり、本発明において使用される薬物すなわち活性成分
としての医薬化合物は、経皮吸収性のあるものであれば
特に制限はなく、例えば次のようなものが挙げられる。
【0019】a) ペニシリン類、セファロスポリン
類、エリスロマイシン類、テトラサイクリン類、マクロ
ライド類、アミノグリコシド類、ホスホマイシン類、リ
ファンピシン類などのいわゆる抗生物質 b) メフェナム酸、フルフェナム酸、インドメタシ
ン、ジクロフェナック、アセトアミノフェン、アルクロ
フェナック、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾ
ン、イブプロフェン、ケトプロフェン、サリチル酸、サ
リチル酸メチル、L−メントール、カンファー、スリン
ダック、ナプロキセン、フェンブエン、アスピリン、ス
ルピリン、塩酸チアラミド、ピロキシカムなどのいわゆ
る解熱鎮痛消炎剤
【0020】c) α−マレイン酸クロルフェニラミ
ン、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、フマー
ル酸クレマスチン、塩酸プロメタジンなどのいわゆる抗
ヒスタミン剤 d)ジアゼパム、塩酸クロルプロマジン、クロルジアゼ
ポキシド、スルピリド、ハロペリドール、ロフラゼブ酸
エチル、フルフェナジン、チオリダジン、フルジアゼパ
ム、フルニトラゼパム、フェノバルビタール、アモバル
ビタール、シクロバルビタール、トリアゾラム、ニトラ
ゼパムなどの催眠鎮静、精神安定用のいわゆる向精神剤
【0021】e) ニトログリセリン、硝酸イソソルビ
ド、ニトログリコール、エリスリトールテトラニトレー
ト、ペンタエリスリトールテトラニトレート、プロバン
チルニトレート、ニフェジピン、ジピリダモール、塩酸
ジルチアゼムなどのいわゆる冠血管拡張剤 f) (塩酸)プロプラノロール、ピンドロール、(塩
酸)クロニジン、ブフラノール、インデノロール、ニパ
ジピン、ロフェジキシン、ニブラジロール、ブクモロー
ル、塩酸ヒドラジン、レシナミンなどのいわゆる抗不整
脈、抗高血圧剤
【0022】g) ハイドロサイアサイド、ベンドロフ
ルナサイアザイド、シクロベンチアザイドなどの降圧利
尿剤やフロセミド、メフルシド、トリクロルメチアジ
ド、チオブロミンなどのいわゆる利尿剤 h) アシクロビル、ナリジクス酸、サルファ剤などの
いわゆる化学療法剤
【0023】i) 5−FU、ビンクリスチン、アドリ
アマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、シスプ
ラチン、テラルビシンなどのいわゆる抗癌剤 j) メトクロプラミド、クレボプライド、(臭化水素
酸)スコポラミン、ドンペリドなどのいわゆる制吐剤
【0024】k) ビタミンA、ビタミンE、ビタミン
K、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、
オクトチアミン、リボフラビン酪酸エステルなどのいわ
ゆるビタミン剤 l) ニトラゼバム、クロナゼバム、バクロフェン、メ
ブロバメートなどのいわゆる抗けいれん剤
【0025】m) デキストロメトルファン、(硫酸)
テルブタリン、(塩酸)エフェドリン、(硫酸)サルブ
タモール、イソプロテノール、塩酸トリメトキノール等
のいわゆる鎮咳剤 n) 乳酸プレニラミン、ジギトキシン、ジゴキシンな
どのいわゆる強心剤
【0026】o) リドカイン、ベンゾカイン、アミノ
安息香酸エチルなどのいわゆる麻酔剤 p) ビデルギン、エルゴットアルカロイド、イフェン
ブロジルなどのいわゆる脳循環改善剤
【0027】q) ベンタマイシン、アムホテリシン
B、ピロールニトリル、クロトリマゾール、塩化ベンザ
ルコニウム、ニトロフラゾン、ナイスタチン、アセトス
ルファミンなどのいわゆる抗真菌剤 r) ハイドロコーチゾン、プレドニゾロン、パラメタ
ゾン、ベクロメタゾンプロピオネート、フルメタゾン、
ベタメタゾン、ベタメタゾンバレート、デキサメタゾ
ン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、
フルオシノロン、フルオシノロンアセトニド、プロピオ
ン酸クロベタゾール、プロゲステロン、テストステロ
ン、エストラジオールなどのいわゆるステロイド剤
【0028】s)L−ドーパ、メシル酸ブロモクリブチ
ン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸マザチコール、塩
酸ピペリデンなどのいわゆる抗パーキンソン病薬 t) TRH、LHRH、TNF、リンフォトキシン、
インターフェロン、ウロキナーゼ、インシュリン、カル
シトニン又はこれらの誘導体にみられるポリペプチド
類、プロスタグランジン類などのいわゆる生体医薬 u) その他、トルブタミド等のいわゆる糖尿病治療
剤、コルヒチンなどのいわゆる通風治療剤、ニコチンな
どの喫煙抑制剤 これらの薬物は必要に応じて二種類以上併用することが
できる。
【0029】本発明の経皮吸収製剤の調製法は、例えば
次の如くである。まず、薬物すなわち活性成分としての
医薬化合物を通常、助剤と共にアルコール類に均一に混
合し、溶解もしくはペースト状の混合物にする。この
際、助剤は必要に応じて用いられ、例えば液状シリコー
ンなどの可塑剤、吸収促進剤(例えばイソプロピルミリ
ステート、エイゾン、尿素、グリセリン、モノグリセラ
イド、ジイソプロピルアジペートなど)、充填剤(例え
ばシリカ、炭酸カリウム、カオリン、タルクなど)等が
挙げられる。
【0030】溶剤として用いられるアルコール類として
は、通常イソプロピルアルコール、メタノール、エタノ
ール、ブタノール等が用いられるが、好ましくは安全性
の点からイソプロピルアルコール、エタノールがよい。
【0031】この溶解したもしくはペースト状の混合物
を前記の粘着組成物中に均一に混合して、溶解もしくは
微粉末として分散させる。前記の粘着組成物中に硬化触
媒が予め配合されている場合には適宜の型に入れて室温
でまたは加温して硬化及び成型させて本発明の経皮吸収
製剤を得るが、粘着組成物中に予め硬化触媒が配合され
ていない場合、該混合物に硬化触媒を適宜添加して、す
ばやく十分に混合し、適宜の型にいれ、室温でまたは加
温して硬化及び成型させて本発明の経皮吸収製剤を調製
することができる。
【0032】本発明の経皮吸収製剤は、用いる薬物すな
わち活性成分としての医薬化合物、また適用される疾患
の種類により製剤中の医薬化合物の含有量は異なるが、
通常医薬化合物0.05〜40重量部、助剤1〜30重量部、粘
着組成物30〜90重量部の組成で調製することが好まし
い。この様にして得た経皮吸収製剤は、前記の粘着組成
物を薬物保持担体とするものであり、薬物の放出性にす
ぐれた製剤である。
【0033】薬物の放出性については、各種の実験モデ
ルが知られているが、例えば拡散セルを用いた薬物放出
量の実験において、本発明の経皮吸収製剤は従来からの
シリコーンエラストマーを用いた製剤と比較して放出が
すみやかで且つ放出量の高いものである。
【0034】本発明の経皮吸収製剤の使用方法は、用い
る薬物すなわち活性成分としての医薬化合物、また適用
される疾患の種類により、投与量、投与回数などは異な
るが、常法に従って用いられる。
【0035】
【実施例】以下に実施例および比較試験を挙げて本発明
を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
より何ら限定されるものではない。 オキシアルキレン系重合体の製造例 本発明における水酸基または加水分解性基の結合したケ
イ素原子を含み、シロキサン結合を形成することにより
架橋し得るケイ素含有基を有するオキシアルキレン系重
合体の製造は、例えば以下の様にして行なうことができ
る。まず、平均分子量3200のポリオキシプロピレン
グリコール(全末端基中アリルエーテル基が15%、プ
ロペニルエーテル基3%、ヒドロキシル基82%であ
る)320gを窒素置換された1リットルの攪拌棒付き
耐圧反応容器にとった。続いて、粉末苛性ソーダ(純度
98%)を40.8g加えた後、60℃に昇温した。こ
の後、ブロモクロロメタン7.76gを加えて60℃で
10時間反応を行なった。続いて反応部の温度を50℃
に下げアリルクロライドを9.2g加え、50℃で10
時間反応を行なった。反応終了後、内容物をビーカーに
取り出し、1000gのノルマルヘキサンで希釈し、5
0gのケイ酸アルミニウムで常温1時間攪拌下で処理し
た。その後濾過してケーキはノルマルヘキサンで数回洗
浄した。濾液から揮発物を蒸留により除去することによ
り平均分子量8000のプロピレンオキシド重合体が3
00g得られた。該重合体の末端基としてはアリルエー
テル基90%、プロペニルエーテル基8%、ヒドロキシ
ル基2%であった。500mlの攪拌棒付き耐圧反応容
器の上で得られたポリマーを84g取った。塩化白金酸
の触媒溶液(H2 PtCl6 ・6H2 O 2gをイソプ
ロパノール20ml及びテトラヒドロフラン78mlに
溶かした溶液)0.05ml、メチルジメトキシシラン
2.1gを加え、100℃で8時間反応させた後、揮発
分を除去すると末端基の82%が
【化8】 で表される基であるアルキレンオキシド重合体が得られ
た。
【0036】実施例1 分子量8500の−SiCH3 (OCH3 2 で表されるケ
イ素含有基を末端に有するオキシアルキレン系ポリマー
(鐘淵化学工業(株)製SILYL 5A01) 100 重量部に対し
て、粘着付与樹脂としてロジンエステル (荒川化学
(株)製エステルガムAAG)80重量部、硬化触媒 (川
研ファインケミカル(株)製アルミニウムキレートAL
CH) 10重量部、老化防止剤BHT0.5 重量部を加えて
イソプロピルアルコールにて粘着組成物ポリマーを調
製、これに薬物としてテストステロンを2.5wt/%となる
様添加し、硬化成型を行ない本発明の経皮吸収製剤を得
た。
【0037】実施例2 分子量8500の−SiCH3 (OCH3 2 で表されるケ
イ素含有基を末端に有するオキシアルキレン系ポリマー
(鐘淵化学工業(株)製SILYL 5A01) 100 重量部に対し
て、粘着付与樹脂としてロジンエステル (荒川化学
(株)製エステルガムAAG)80重量部、硬化触媒 (川
研ファインケミカル(株)製アルミニウムキレートAL
CH) 10重量部、老化防止剤BHT0.5重量部を加えて
イソプロピルアルコールにて粘着組成物ポリマーを調製
し、これに薬物としてプロゲステロンを2.5wt/%となる
様添加し、硬化成型を行ない本発明の経皮吸収製剤を得
た。
【0038】実施例3 分子量8500の−SiCH3 (OCH3 2 で表されるケ
イ素含有基を末端に有するオキシアルキレン系ポリマー
(鐘淵化学工業(株)製SILYL 5A01) 100 重量部に対し
て、粘着付与樹脂としてロジンエステル (荒川化学
(株)製エステルガムAAG)80重量部、硬化触媒 (川
研ファインケミカル(株)製アルミニウムキレートAL
CH) 10重量部、老化防止剤BHT0.5重量部を加えて
イソプロピルアルコールにて粘着組成物ポリマーを調製
し、これに薬物としてエストラジオールを2.5wt/%とな
る様添加し、硬化成型を行ない本発明の経皮吸収製剤を
得た。
【0039】実施例4 分子量7500の−SiCH3 (OCH3 2 で表されるケ
イ素含有基を末端に有するオキシアルキレン系ポリマー
(鐘淵化学工業(株)製MSポリマー20A)100重
量部に対して、粘着付与樹脂としてロジンエステル(荒
川化学(株)製エステルガムAAG)80重量部、硬化
触媒(川研ファインケミカル(株)製アルミニウムキレ
ートALCH)10重量部、老化防止剤BHT0.5重
量部を加えてイソプロピルアルコールにて粘着組成物ポ
リマーを調製し、これに薬物としてテストステロンを
2.5wt/%となるように添加し、硬化成型を行ない
本発明の経皮吸収製剤を得た。
【0040】実施例5 分子量7500の−SiCH3 (OCH3 2 で表されるケ
イ素含有基を末端に有するオキシアルキレン系ポリマー
(鐘淵化学工業(株)製MSポリマー20A)100重
量部に対して、粘着付与樹脂としてロジンエステル(荒
川化学(株)製エステルガムAAG80重量部、硬化触
媒(川研ファインケミカル(株)製アルミニウムキレー
トALCH)10重量部、老化防止剤BHT0.5重量
部を加えてイソプロピルアルコールにて粘着組成物ポリ
マーを調製し、これに薬物としてプロゲステロンを2.
5wt/%となるように添加し、硬化成型を行ない本発
明の経皮吸収製剤を得た。
【0041】実施例6 分子量7500の−SiCH3 (OCH3 2 で表されるケ
イ素含有基を末端に有するオキシアルキレン系ポリマー
(鐘淵化学工業(株)製MSポリマー20A)100重
量部に対して、粘着付与樹脂としてロジンエステル(荒
川化学(株)製エステルガムAAG)80重量部、硬化
触媒(川研ファインケミカル(株)製アルミニウムキレ
ートALCH)10重量部、老化防止剤BHT0.5重
量部を加えてイソプロピルアルコールにて粘着組成物ポ
リマーを調製し、これに薬物としてエストラジオールを
2.5wt/%となるように添加し、硬化成型を行な
い、本発明の経皮吸収製剤を得た。
【0042】比較試験 (1) 薬物放出性の評価 実施例1〜6で得たテストステロン、プロゲステロンま
たはエストラジオールの各製剤からの薬物の放出性を、
シリコンエラストマーを用いて作製したテストステロ
ン、プロゲステロン又はエストラジオールの製剤からの
放出性と比較した。シリコンエラストマーとしては、ダ
ウコーニング社製の商品2920 (Dow Corning 2920 Medi
cal Adhesive) を用いて、2.5wt/%となる様テストステ
ロン、プロゲステロン又はエストラジオールを添加し、
硬化成型を行ない調製した。各試料の大きさは、この試
験のために膜の厚さ50μm にし、各試料をCrown-Glas社
製垂直型拡散セルに装着後、40%ポリエチレングリコー
ル400 を含む生理食塩水を溶出溶媒として放出試験を行
なった。その際、時間経過によるテストステロン、プロ
ゲステロン又はエストラジオールの累積放出量をHPL
C法で測定した。HPLC測定は Cosmosil 5CN-Rカラ
ム (4.6 mm×150 mm) を用いてCH3 CH/H2 O 40
/60の溶媒系で1.0 ml/min の流速により行ない、テス
トステロン、プロゲステロン又はエストラジオールの測
定を行なった。
【0043】その結果を図1に示す。図1より実施例1
〜3により得られた製剤からの薬物の放出性は、比較対
照のシリコンエラストマーを用いた製剤からの薬物の放
出性に比べて良好であった。この傾向は図中に示してい
ないが実施例4〜6により得られた製剤においても同様
に認められた。本発明の経皮吸収製剤において、薬物保
持担体である粘着組成物からの薬物の放出性は、対照の
シリコーンエラストマーを用いた場合に比べて非常に高
いことを示している。
【0044】(2)血中濃度の評価 電気バリカンで除毛した7週令の雄のヘアレスラットの
背部に実施例3、6のエストラジオール製剤又は対照と
して前記(1)の評価で用いたのと同様のシリコンエラ
ストマーを用いたエストラジオール製剤を、各々大きさ
5cm2 に裁断して貼付し(n=3)、貼付後2時間、
8時間、24時間に採血して血清を分離し、血清中のエ
ストラジオール濃度をラジオイムノアッセイ法で測定し
た。その結果を図2に示すが、本発明のエストラジオー
ル製剤は良好な血中濃度を達成し、また持続性も良好で
あった。これに対し、対照のエストラジオール製剤を貼
付したラットでは、極めて低濃度であった。
【0045】
【発明の効果】本発明の経皮吸収製剤は、オキシアルキ
レン系重合体を用いることにより、薬物保持担体である
粘着組成物からの薬物の放出性に優れている。従って、
本発明の経皮吸収製剤は、皮膚を経由して必要十分量の
薬物を吸収させることができるので、適用が容易で高レ
ベルの薬物血中濃度を発現させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1〜3により得られた製剤およ
び対照の製剤についての拡散セルでの薬物の放出性を示
した図である。
【図2】図2は、実施例3、6により得られた製剤およ
び対照の製剤を用いた、薬物のラット血中濃度の推移を
示した図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年1月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】比較試験 (1) 薬物放出性の評価 実施例1〜6で得たテストステロン、プロゲステロンま
たはエストラジオールの各製剤からの薬物の放出性を、
シリコンエラストマーを用いて作製したテストステロ
ン、プロゲステロン又はエストラジオールの製剤からの
放出性と比較した。シリコンエラストマーとしては、ダ
ウコーニング社製の商品2920(DowCornin
g 2920 Medical Adhesive)を
用いて、2.5wt/%となる様テストステロン、プロ
ゲステロン又はエストラジオールを添加し、硬化成型を
行ない調製した。各試料の大きさは、この試験のために
膜の厚さ50μmにし、各試料をCrown−Glas
社製垂直型拡散セルに装着後、40%ポリエチレングリ
コール400を含む生理食塩水を溶出溶媒として放出試
験を行なった。その際、時間経過によるテストステロ
ン、プロゲステロン又はエストラジオールの累積放出量
をHPLC法で測定した。HPLC測定はCosmos
il 5CN−Rカラム(4.6mm×150mm)を
用いてCH H/HO 40/60の溶媒系で1.
0ml/minの流速により行ない、テストステロン、
プロゲステロン又はエストラジオールの測定を行なっ
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基または加水分解性基の結合したケ
    イ素原子を含み、シロキサン結合を形成することにより
    架橋し得るケイ素含有基を有するオキシアルキレン系重
    合体、及び粘着付与樹脂を含有する粘着組成物を薬物保
    持担体として用いることを特徴とする経皮吸収製剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のケイ素含有基が一般式(I
    I) 【化1】 〔式中、Xは水酸基または加水分解性基であり、2個以
    上存在するとき、それらは同じであってもよく、異なっ
    ていてもよい。R2 は炭素数1〜20の1価の炭化水素基
    または (R')3 SiO−(R'は炭素数1〜20の1価の
    炭化水素基であり、3個のR' は同じであってもよく、
    異なっていてもよい) で示されるトリオルガノシロキシ
    基であり、R2 が2個以上存在するとき、それらは同じ
    であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2
    または3、bは0、1または2を表す。ただし1≦a+
    mbであり、またm個の 【化2】 におけるbは同じである必要はない。mは0または1〜
    19の整数を表す。〕で表わされるものである請求項1記
    載の経皮吸収製剤。
JP27017491A 1990-10-25 1991-09-21 経皮吸収製剤 Pending JPH05936A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995003352A1 (fr) * 1993-07-23 1995-02-02 Sagami Chemical Research Center Compose de polyoxyethylene a terminaison hydroxysilyle, copolymere sequence a terminaison de sel quaternaire et promoteur d'absorption percutanee
JP2018532787A (ja) * 2015-11-02 2018-11-08 メデラント・リミテッド シリルポリマーを含有する薬物送達組成物

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WO1995003352A1 (fr) * 1993-07-23 1995-02-02 Sagami Chemical Research Center Compose de polyoxyethylene a terminaison hydroxysilyle, copolymere sequence a terminaison de sel quaternaire et promoteur d'absorption percutanee
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