JPH05286851A - 疾患治療用貼付剤 - Google Patents

疾患治療用貼付剤

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JPH05286851A
JPH05286851A JP11797392A JP11797392A JPH05286851A JP H05286851 A JPH05286851 A JP H05286851A JP 11797392 A JP11797392 A JP 11797392A JP 11797392 A JP11797392 A JP 11797392A JP H05286851 A JPH05286851 A JP H05286851A
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pressure
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JP11797392A
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Yoshiaki Yano
嘉昭 矢野
Yoshitomo Sakamoto
美朝 坂本
Kazuyuki Takeu
一行 竹生
Takayoshi Hidaka
隆義 日高
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、粘着組成物層を支持体上に複数積層
してなる疾患治療用貼付剤において、該粘着組成物層が
水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含
み、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケ
イ素含有基を有するオキシアルキレン系重合体および粘
着付与樹脂を含有する層であって、支持体上に接着する
第1の粘着組成物層が薬物を含有し、その上に積層され
る、他の粘着組成物層が薬物を含有もしくは含有しない
ことを特徴とする疾患治療用貼付剤に関する。 【効果】本発明の疾患治療用貼付剤は、含有された薬物
が容易に放出されるとともに速やかに経皮吸収されて、
疾患の治療を従来よりも有効的に行うことができるう
え、副作用も少なく、かつ持続的にその薬効が発揮され
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、疾患治療用貼付剤に関
する。更に詳しくは、皮膚刺激性などの少ない安全なか
つ優れた経皮吸収性を有する疾患治療用貼付剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】近年、消
炎鎮痛用、皮膚疾患治療用あるいは循環器系疾患治療用
などの用途で、身体への適用を目的とした、常温で感圧
接着性である高分子物質に薬物を含有させ、これを支持
体上に形成してなる経皮吸収タイプの医薬製剤が数多く
提案されている。この場合、薬理作用を確実に得るため
に、単位面積あたりの薬物の量の増大を計ることが必要
であるが、薬物を有効成分として感圧接着性高分子物質
中に過飽和に配合した場合、高分子物質層の表面に過剰
の薬物が結晶化して、感圧接着性が著しく低下する等の
問題が起こり得る。
【0003】その解決策としては、感圧接着性高分子物
質の層厚を大きくすることによって薬物の配合量を飽和
溶解度以下とする、あるいは薬物を感圧接着性高分子物
質層に過剰に分散させ、その上に新たに粘着層を設ける
等の処置を行なうことにより、皮膚面の単位面積あたり
に供給しうる薬物量の増大を図ることが試みられてい
る。しかし、適当な感圧接着性高分子が見いだされてい
ないために、充分な量の薬物を保持できなかったり、薬
物の良好な放出性が得られなかったりして充分な薬効が
期待できず、また皮膚への接着性が増大して剥離時痛み
を伴ったりするということなどから、充分に使用に耐え
られるまでには至っていないのが現状であり、このよう
な観点から、優れた感圧接着性高分子の選択が望まれて
いる。
【0004】特に、人体の皮膚は、その角質層が、脂
肪、ロウ、コレステロールなどの脂溶成分を多量に含有
したケラチンを主成分としており、このケラチン質が外
部環境に対する防御機能や生体内成分の放出の制御機
能、いわゆる「バリヤー機能」を有しているため、薬物
を経皮吸収させることが困難である。このように貼付剤
においては、製剤からの薬物の放出性、放出後の薬物の
皮膚への分配、薬物の経皮吸収性、さらには皮膚に対す
る基剤の安全性などの種々の要因があるため、満足すべ
き疾患治療用貼付剤を得るために、技術的工夫が当業者
により試みられてきている。
【0005】また、これら貼付剤に用いられる粘着剤と
しては、ゴム系、アクリル系およびシリコン系の高分子
物質よりなる感圧性粘着材料が用いられているが、これ
らは一般に薬物の溶解性、相溶性に乏しく、調製された
貼付剤の薬物の経皮吸収性を阻害することがあるととも
に、皮膚刺激性などの問題も有しており、その選択は極
めて慎重に為されなければならないのが現状である。
【0006】本発明の目的は、上記従来の課題を解決す
るものであり、その目的は貼付剤の基剤中に含有され
た、薬物の放出性および経皮吸収性が高められ、単位面
積あたりに供給しうる薬物量をできるだけ効果的に増大
させ得る、しかも安全性の高い疾患治療用貼付剤を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、薬物の溶
解性、相溶性、薬物の放出性、皮膚面への薬物の移行性
および経皮吸収性を向上させて、対象とする疾患に対し
て有効な治療効果を示す貼付剤を得るべく鋭意研究を重
ねた結果、貼付剤の基剤として優れた粘着組成物を見出
し本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は、
粘着組成物層を支持体上に複数積層してなる疾患治療用
貼付剤において、該粘着組成物層が水酸基または加水分
解性基の結合したケイ素原子を含み、シロキサン結合を
形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有するオ
キシアルキレン系重合体および粘着付与樹脂を含有する
層であって、支持体上に接着する第1の粘着組成物層が
薬物を含有し、前記第1の粘着組成物層の上に積層され
る、他の粘着組成物層が薬物を含有もしくは含有しない
ことを特徴とする疾患治療用貼付剤に関する。
【0008】本発明の粘着組成物層において使用され
る、分子中にケイ素含有基を有するオキシアルキレン系
重合体としては、これ迄開示されている特公昭45−3631
9 号、同46−12154 号、同49−32673 号、特開昭50−15
6599号、同51−73561 号、同54−6096号、同55−82123
号、同55−123620号、同55−125121号、同55−131022
号、同55−135135号、同55−137129号の各公報などに提
案されている公知の重合体が使用でき、特に制限される
ものではない。
【0009】オキシアルキレン系重合体の分子鎖は、本
質的に一般式(I) −R1 −O− (I) 〔式中、R1 は2価の有機基である。〕で示される繰返
し単位を有するものが好ましく、特にR1 の大部分が炭
素数3または4の炭化水素基であるとき最も好ましい。
1 の具体例としては、
【化3】 などが挙げられるが、特に
【化4】 は粘着性の点から最も好ましい。
【0010】前記オキシアルキレン系重合体の分子鎖は
1種だけの繰返し単位からなっていてもよいし、2種以
上の繰返し単位よりなっていてもよい。一般式(I)の
−R1 −O−で示される繰返し単位は、重合体中に通常
50% (重量%、以下同様) 以上、好ましくは70%以上、
さらに好ましくは80%以上含まれる。
【0011】本発明にいうケイ素含有基はよく知られた
官能基であり、その代表例としては、一般式(II)
【化5】 〔式中、Xは水酸基または加水分解性基であり、2個以
上存在するとき、それらは同じであってもよく、異なっ
ていてもよい。R2 は炭素数1〜20の1価の炭化水素基
または (R')3 SiO−(R' は炭素数1〜20の1価の
炭化水素基であり、3個のR' は同じであってもよく、
異なっていてもよい) で示されるトリオルガノシロキシ
基であり、R2 が2個以上存在するとき、それらは同じ
であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2
または3、bは0、1または2を表す。ただし1≦a+
mbであり、またm個の
【化6】 におけるbは同じである必要はない。mは0または1〜
19の整数を表す。〕で表わされる基が示される。
【0012】前記のごときケイ素含有基のうち、mが0
の場合であって、一般式(III)
【化7】 〔式中、R2 は前記に同じ、nは1、2または3を表
す。〕で表わされる基であるのが経済性などの点から好
ましい。
【0013】一般式(II)における加水分解性基の具体例
としては、たとえば、ハロゲン原子、水素原子、アルコ
キシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ
基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケ
ニルオキシ基などが挙げられる。これらのうちでは加水
分解性がマイルドであるという点からメトキシ基、エト
キシ基などのアルコキシ基が好ましい。
【0014】また一般式(II)中のR2 における炭素数1
〜20の炭化水素基や (R')3 SiO− のR' の炭素数
1〜20の1価の炭化水素基の具体例としては、たとえば
メチル基、エチル基などのアルキル基、シクロヘキシル
基などのシクロアルキル基、フェニル基などのアリール
基、ベンジル基などのアラルキル基などが挙げられる。
これらのうちでは反応性の点からメチル基がとくに好ま
しい。
【0015】オキシアルキレン系重合体中のケイ素含有
基の個数は、充分な硬化性をうるという点から平均で通
常1個以上、好ましくは1.1 個以上、さらに好ましくは
1.5個以上である。また、ケイ素含有基はオキシアルキ
レン系重合体の分子鎖の側鎖にあってもよいが、末端に
存在するのが好ましい。オキシアルキレン系重合体の数
平均分子量は、通常500 〜30000 であり、好ましくは30
00〜15000 である。オキシアルキレン系重合体は、単独
で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0016】本発明における第1の粘着組成物層とは、
薬物を含有する粘着組成物を支持体上に接着した層であ
り、本発明における他の粘着組成物層とは、薬物を含有
あるいは含有しない粘着組成物層を前記第1の粘着組成
物層の上に積層した単数あるいは複数の層であって、そ
のような粘着組成物層を構成する粘着組成物は前記のオ
キシアルキレン系重合体、粘着付与樹脂、硬化触媒、老
化防止剤およびその他の添加剤などを溶媒に溶解するこ
とにより調製することができる。ここで使用される粘着
付与樹脂としては、前記のオキシアルキレン系重合体と
相溶するものであれば特に制限はなく、ロジン系樹脂
(ロジン、ロジンエステル又は水添ロジン)、フェノー
ル樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪
族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、テルペン樹脂、クマ
ロン樹脂など公知のものが使えるが、なかでもロジンエ
ステル樹脂やテルペンフェノール樹脂などが好ましい。
【0017】また、硬化触媒としては、公知のスズ系や
アルミニウム系の触媒やジブチルアミン−2−エチルヘ
キソエートなどのアミン類及び他の酸性触媒、塩基性触
媒などが使えるが、なかでもアルミニウムキレートやア
ルミニウムアルコレートなどのアルミニウム系触媒が好
ましい。老化防止剤としては、BHT(ベンゼンヒドロ
キシトルエン)やビタミンE等の公知のものが使える。
【0018】粘着付与樹脂の配合量は、オキシアルキレ
ン系重合体100重量部に対して通常10〜140重量
部であり、その他に硬化触媒1〜30重量部、老化防止
剤等の添加剤0.1〜10重量部を配合することができ
る。粘着付与樹脂が10重量部未満であると、粘着性が
充分でなくなり、140重量部を越えると配合量に見合
った効果は得られず、また被着体へ糊が残る原因になる
ので好ましくない。
【0019】本発明においては、前記のような粘着組成
物を粘着組成物層の構成成分として使用するかぎり、そ
の粘着組成物中に配合される薬物の溶解性、相溶性が向
上し、薬物の放出性も良好であるが、さらに溶解性、相
溶性および吸収性等を改善する目的でその他の添加剤や
助剤等を前記の粘着組成物にさらに混合させることがで
きる。このような添加剤や助剤としては、例えばイソプ
ロピルパルミテート、イソプロピルミリステート、プロ
ピレングリコール、ミネラルオイル、ジメチルシロキサ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ポ
リエチレングリコール、グリセリンおよびその他種々の
界面活性剤等が挙げられる。これら添加剤や助剤は、通
常、粘着組成物100重量部に対して0.5〜20重量
部の割合で添加することができる。また、これらの粘着
組成物を貼付剤の基剤として支持体上に積層して用いる
際には、通常使用されるその他の公知の基剤などを適宜
添加することもできる。
【0020】製剤化にあたって、貼付剤の基剤を作製す
る際の溶媒は特に制限されるものではないが、前記のオ
キシアルキレン系重合体、粘着付与樹脂、硬化触媒およ
び老化防止剤等を溶解することが可能で、しかも皮膚に
対して低毒性、低刺激性のものが好ましい。このような
ものとして例えば、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケト
ン、n−ヘキサンおよびn−ヘプタン等の比較的低沸点
(100℃以下)の有機溶媒が挙げられるが、皮膚への
刺激性および安全性の点から、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコールなどが好ましい。このようにして得
られる本発明に用いる粘着組成物は皮膚に対して低毒
性、低刺激性を有するとともに、薬剤の溶解性、相溶性
が向上し、薬物の保持量を増大させることができる。さ
らに、薬物の放出性も良好であり、適度な貼付性が得ら
れるなど、貼付剤に必要な良好な特性を充分に有してい
る。
【0021】本発明に用いる粘着組成物層中に含有され
る薬物は、製造上の操作性の点から前記の溶媒に良好な
溶解性、粘着組成物に対して良好な相溶性を示すものが
好ましいが、さらに相溶性改善を目的とした公知の添加
物を使用することにより、粘着組成物中に多量の薬物を
保持させることができるので、薬物の選択の巾は広が
る。さらに充分な薬効を得るために、飽和溶解度以上の
薬剤を溶解させることが必要な場合も、薬物を多量に含
有することにより貼付性に乏しくなった第1の粘着組成
物層の上に積層される他の粘着組成物層のもつ貼付性に
より、皮膚に対する貼付性が保持改善されるので、本発
明の貼付剤の第1の粘着組成物層に多量の薬剤を含有さ
せることができる。
【0022】ここで、他の粘着組成物層を構成する粘着
組成物の組成は、前記のような皮膚に対する貼付性の保
持改善を達成できるものであれば、特に限定されるもの
ではない。例えば、皮膚への刺激性の少ない点から前記
の粘着組成物層(第1の粘着組成物層)を構成する水酸
基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含み、シ
ロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含
有基を有するオキシアルキレン系重合体および粘着付与
樹脂と同様の構成よりなる層とするのが好ましい。この
場合、該層には第1の粘着組成物層に溶解分散させた薬
物と同一または類似の薬物を含有させてもよく、あるい
はこのような薬物を含有させないものであってもよい。
他の粘着組成物層中に第1の粘着組成物層に溶解分散さ
せた薬物と同一または類似の薬物を含有させる場合は、
他の粘着組成物層の貼付性を損なわない程度の配合量で
あることが必要である。このように第1の粘着組成物層
の上にさらに他の粘着組成物層を積層した場合、第1の
粘着組成物層から薬剤が放出され始めるのに多少の時間
を要するが、他の粘着組成物層に同一または類似の薬物
を含有させることにより、第1の粘着組成物層からの薬
物の放出が始まるまでは他の粘着組成物層中の薬物の放
出により効率的な疾患治療作用を期待することができ
る。なお、他の粘着組成物層は第1の粘着組成物層の上
に積層される単数あるいは複数の層であるが、複数に積
層される場合、皮膚に貼付される最表面の層には、貼付
性を損なわない配慮が必要である。従って、最表面の層
に薬物を含有させる場合は、前記と同様に貼付性を損な
わない程度の配合量であることが必要となる。
【0023】本発明においては、前記のような構成にす
ることにより、薬物の溶媒への溶解性に制限されること
なく種々の薬物に適用することができる。本発明の疾患
治療用貼付剤は前記の粘着組成物を薬物保持担体として
用いることを特徴とするものであり、本発明において使
用される薬物すなわち活性成分としての医薬化合物は、
経皮吸収性のあるものであれば特に制限はなく、例えば
次のようなものが挙げられる。
【0024】a) ペニシリン類、セファロスポリン
類、エリスロマイシン類、テトラサイクリン類、マクロ
ライド類、アミノグリコシド類、ホスホマイシン類、リ
ファンピシン類などのいわゆる抗生物質 b) メフェナム酸、フルフェナム酸、インドメタシ
ン、ジクロフェナック、アセトアミノフェン、アルクロ
フェナック、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾ
ン、イブプロフェン、ケトプロフェン、サリチル酸、サ
リチル酸メチル、L−メントール、カンファー、スリン
ダック、ナプロキセン、フェンブエン、アスピリン、ス
ルピリン、塩酸チアラミド、ピロキシカムなどのいわゆ
る解熱鎮痛消炎剤
【0025】c) α−マレイン酸クロルフェニラミ
ン、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、フマー
ル酸クレマスチン、塩酸プロメタジンなどのいわゆる抗
ヒスタミン剤 d)ジアゼパム、塩酸クロルプロマジン、クロルジアゼ
ポキシド、スルピリド、ハロペリドール、ロフラゼブ酸
エチル、フルフェナジン、チオリダジン、フルジアゼパ
ム、フルニトラゼパム、フェノバルビタール、アモバル
ビタール、シクロバルビタール、トリアゾラム、ニトラ
ゼパムなどの催眠鎮静、精神安定用のいわゆる向精神剤
【0026】e) ニトログリセリン、硝酸イソソルビ
ド、ニトログリコール、エリスリトールテトラニトレー
ト、ペンタエリスリトールテトラニトレート、プロバン
チルニトレート、ニフェジピン、ジピリダモール、塩酸
ジルチアゼムなどのいわゆる冠血管拡張剤 f) (塩酸)プロプラノロール、ピンドロール、(塩
酸)クロニジン、ブフラノール、インデノロール、ニパ
ジピン、ロフェジキシン、ニブラジロール、ブクモロー
ル、塩酸ヒドラジン、レシナミンなどのいわゆる抗不整
脈、抗高血圧剤
【0027】g) ハイドロサイアサイド、ベンドロフ
ルナサイアザイド、シクロベンチアザイドなどの降圧利
尿剤やフロセミド、メフルシド、トリクロルメチアジ
ド、チオブロミンなどのいわゆる利尿剤 h) アシクロビル、ナリジクス酸、サルファ剤などの
いわゆる化学療法剤
【0028】i) 5−FU、ビンクリスチン、アドリ
アマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、シスプ
ラチン、テラルビシンなどのいわゆる抗癌剤 j) メトクロプラミド、クレボプライド、(臭化水素
酸)スコポラミン、ドンペリドなどのいわゆる制吐剤
【0029】k) ビタミンA、ビタミンE、ビタミン
K、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、
オクトチアミン、リボフラビン酪酸エステルなどのいわ
ゆるビタミン剤 l) ニトラゼバム、クロナゼバム、バクロフェン、メ
ブロバメートなどのいわゆる抗けいれん剤
【0030】m) デキストロメトルファン、(硫酸)
テルブタリン、(塩酸)エフェドリン、(硫酸)サルブ
タモール、イソプロテノール、塩酸トリメトキノール等
のいわゆる鎮咳剤 n) 乳酸プレニラミン、ジギトキシン、ジゴキシンな
どのいわゆる強心剤
【0031】o) リドカイン、ベンゾカイン、アミノ
安息香酸エチルなどのいわゆる麻酔剤 p) ビデルギン、エルゴットアルカロイド、イフェン
ブロジルなどのいわゆる脳循環改善剤
【0032】q) ベンタマイシン、アムホテリシン
B、ピロールニトリル、クロトリマゾール、塩化ベンザ
ルコニウム、ニトロフラゾン、ナイスタチン、アセトス
ルファミンなどのいわゆる抗真菌剤 r) ハイドロコーチゾン、プレドニゾロン、パラメタ
ゾン、ベクロメタゾンプロピオネート、フルメタゾン、
ベタメタゾン、ベタメタゾンバレート、デキサメタゾ
ン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、
フルオシノロン、フルオシノロンアセトニド、プロピオ
ン酸クロベタゾール、プロゲステロン、テストステロ
ン、エストラジオールなどのいわゆるステロイド剤
【0033】s)L−ドーパ、メシル酸ブロモクリブチ
ン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸マザチコール、塩
酸ピペリデンなどのいわゆる抗パーキンソン病薬 t) TRH、LHRH、TNF、リンフォトキシン、
インターフェロン、ウロキナーゼ、インシュリン、カル
シトニン又はこれらの誘導体にみられるポリペプチド
類、プロスタグランジン類などのいわゆる生体医薬 u) その他、トルブタミド等のいわゆる糖尿病治療
剤、コルヒチンなどのいわゆる通風治療剤、ニコチンな
どの喫煙抑制剤 これらの薬物は必要に応じて二種類以上併用することが
できる。
【0034】本発明における薬物の前記第1の粘着組成
物層に対する配合量は、薬理効果を発揮する量であれば
特に制限はなく、用いる薬物により適宜選択される。ま
た、用いる薬物はできるだけ微細に粉砕した結晶もしく
は粉体を用いることが好ましい。本発明においては、配
合する薬物は1種であっても、2種以上を併用するもの
であってもよく、特に制限されるものではない。
【0035】本発明の疾患治療用貼付剤は、前記第1の
粘着組成物層中に各種疾患の治療を目的とする前述のよ
うな薬物を含有することを特徴とするものであり、その
剤型については貼付剤であれば特に制限はなく、その調
製方法についても特に制限はない。例えば、前記のオキ
シアルキレン系重合体、粘着付与樹脂、薬物、経皮吸収
性・溶解性向上のための添加剤、およびその他の助剤を
溶媒に溶解させて調製した粘着組成物を柔軟な支持体上
に積層し、さらに単数または複数の層である他の粘着組
成物層を第1の粘着組成物層の上に積層することにより
貼付剤として調製することができる。
【0036】一般に、外用貼付剤に要求される物性は、
支持体への薬物の移行または透過がないこと、適度の水
蒸気透過性および柔軟性を有すること、疎水性および耐
薬品性を有すること、熱および光に対する安定性を有す
ることなどが要求される。このような条件を満たす支持
体の素材としては、酢酸セルロース、エチルセルロー
ス、ポリエチレンテレフタレート、可塑性ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、ポリエチレン、アルミニウム、ポリ
塩化ビニリデンなどのプラスチックフィルム、不織布、
織布、紙、金属箔および発泡フィルム、あるいはこれら
の組合せ等が挙げられる。本発明の疾患治療用貼付剤の
支持体の素材は、特に制限を受けるものではなく、前述
のような通常の貼付剤に使用される支持体が用いられ
る。
【0037】本発明の疾患治療用貼付剤は、このような
前記支持体表面に、薬物を含有する粘着組成物層を積層
したのち、さらにその上層に皮膚に対する貼付性を向上
させる目的で下層(第1の粘着組成物層)と同一または
類似の薬物を含有させた他の粘着組成物層、あるいは薬
物を含有しない他の粘着組成物層を単数または複数層積
層することにより調製することができる。前記の支持体
表面に粘着組成物層を積層するには、例えば本発明にお
いて用いられる粘着組成物を構成するオキシアルキレン
系重合体、粘着付与樹脂、硬化触媒、老化防止剤および
その他の添加剤などを適当な溶媒で希釈し、これを支持
体表面に塗布後、乾燥させることによって行われる。
【0038】この際、該粘着組成物に前記薬剤およびそ
の他必要に応じた添加剤や助剤等を均一となるように混
合すれば、これらを含有する粘着組成物層を支持体表面
に形成することができる。また、高分子ポリマーでコー
ティングした剥離紙上に、溶媒による希釈後の粘着組成
物を塗布して乾燥させたのち、前記支持体表面に該粘着
組成物を密着させることもできる。他の粘着組成物層を
第1の粘着組成物層の上に積層するには、第1の粘着組
成物層の上に直接に他の粘着組成物層用の粘着組成物を
塗布し乾燥させるか、あるいは高分子ポリマーでコーテ
ィングした剥離紙上に、他の粘着組成物を塗布し乾燥さ
せたものを、予め支持体表面に積層された第1の粘着組
成物層と圧着させて形成させることができる。他の粘着
組成物層が複数の層である場合も、前記と同様にして既
に積層された層の上に積層することができる。
【0039】前記支持体上に形成させる各粘着組成物層
の厚さについては特に制限されるものではないが、適度
な使用感を得る点から積層後の全層の層厚の合計が通常
30〜500μm、好ましくは30〜200μmとなる
ように通常形成される。なお、他の粘着組成物層はでき
るだけ薄い方が好ましい。
【0040】以上のような構成による本発明の疾患治療
用貼付剤にあっては、含有された薬物が容易に放出され
るとともに速やかに経皮吸収されて、疾患の治療を従来
よりも有効的に行うことができるうえ、副作用も少な
く、かつ持続的にその薬効が発揮されるものである。な
お、本発明の疾患治療用貼付剤の使用方法は、用いる薬
物すなわち活性成分としての医薬化合物、また適用され
る疾患の種類により、投与量、投与回数などは異なる
が、常法に従って適宜使用される。
【0041】
【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明を
更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
り何ら限定されるものではない。以下、「重量部」は単
に「部」と略す。 オキシアルキレン系重合体の製造例 本発明における水酸基または加水分解性基の結合したケ
イ素原子を含み、シロキサン結合を形成することにより
架橋し得るケイ素含有基を有するオキシアルキレン系重
合体の製造は、例えば以下の様にして行なうことができ
る。まず、平均分子量3200のポリオキシプロピレン
グリコール(全末端基中アリルエーテル基が15%、プ
ロペニルエーテル基3%、ヒドロキシル基82%であ
る)320gを窒素置換された1リットルの攪拌棒付き
耐圧反応容器にとった。続いて、粉末苛性ソーダ(純度
98%)を40.8g加えた後、60℃に昇温した。こ
の後、ブロモクロロメタン7.76gを加えて60℃で
10時間反応を行なった。続いて反応部の温度を50℃
に下げアリルクロライドを9.2g加え、50℃で10
時間反応を行なった。
【0042】反応終了後、内容物をビーカーに取り出
し、1000gのノルマルヘキサンで希釈し、50gの
ケイ酸アルミニウムで常温1時間攪拌下で処理した。そ
の後濾過してケーキはノルマルヘキサンで数回洗浄し
た。濾液から揮発物を蒸留により除去することにより平
均分子量8000のプロピレンオキシド重合体が300
g得られた。該重合体の末端基としてはアリルエーテル
基90%、プロペニルエーテル基8%、ヒドロキシル基
2%であった。500mlの攪拌棒付き耐圧反応容器の
上で得られたポリマーを84g取った。塩化白金酸の触
媒溶液(H2 PtCl6 ・6H2 O 2gをイソプロパ
ノール20ml及びテトラヒドロフラン78mlに溶か
した溶液)0.05ml、メチルジメトキシシラン2.
1gを加え、100℃で8時間反応させた後、揮発分を
除去すると末端基の82%が
【0043】
【化8】
【0044】で表される基であるアルキレンオキシド重
合体が得られた。
【0045】実施例1 分子量8500の−SiCH3 (OCH3 2 で表されるケ
イ素含有基を末端に有するオキシアルキレン系ポリマー
(鐘淵化学工業(株)製SILYL 5A01) 100 部に対して、
粘着付与樹脂としてロジンエステル (荒川化学(株)製
エステルガムAAG)80部、硬化触媒 (川研ファインケ
ミカル(株)製アルミニウムキレートALCH) 10部、
老化防止剤BHT0.5 部を加えてイソプロピルアルコー
ルにて粘着組成物を調製し、この乾燥重量100部に対
してニフェジピン20部となるように、イソプロピルア
ルコールに溶解分散させたニフェジピンを添加し、粘着
組成物中に均一にソニケーターで分散させてニフェジピ
ンを含有する粘着組成物溶液を得、これを支持体である
ポリエチレンテレフタレートに塗布して40℃で硬化成
型を行い、80μmの厚さをもつ第1の粘着組成物層と
した。次に、粘着組成物の乾燥重量100部に対してニ
フェジピン1部を含有する以外は前記と同様にして得ら
れた、ニフェジピンを含有する粘着組成物溶液を、前記
第1の粘着組成物層の上に塗布して40℃で硬化成型を
行うことにより、厚さ20μmの第2の粘着組成物層を
形成して、本発明の貼付剤を得た。
【0046】実施例2 実施例1と同様にして、支持体ポリエチレンテレフタレ
ート上に粘着組成物の乾燥重量100部に対してニフェ
ジピン20部を含有する厚さ80μmの第1の粘着組成
物層を作製した。
【0047】これとは別に剥離紙(東洋メタライジング
(株)製セラピールQ−1)の上に同様に上記粘着組成
物の乾燥重量100部に対してニフェジピン1部を含有
する以外は前記と同様にして得られた、ニフェジピンを
含有する粘着組成物溶液を前記の剥離紙上に塗布して4
0℃で硬化成型を行い、20μmの厚さの第2の粘着組
成物層とした。次に、第1と第2の粘着組成物層を重ね
合わせ、圧着ローラー(1000g/cm)を用いて圧
着して本発明の貼付剤を得た。
【0048】試験例1 粘着力試験 実施例1および実施例2で得られた第1の粘着組成物層
のみを支持体上に積層した状態のもの、および実施例1
および実施例2で得られた本発明の貼付剤の粘着力を以
下の方法により測定した。まず、各々の貼付剤を幅25
mm、長さ約200mmに切断し、ステンレス鋼板(S
US304)に圧着して、180度引き剥し法で剥離速
度300mm/分で測定を行なった。その結果、実施例
1および2におけるニフェジピンを含有する第1の粘着
組成物層の粘着力は、10g/cm以下であり、その粘
着力は極めて乏しかった。一方、実施例1で得られた本
発明の貼付剤は300g/cm程度の粘着力を有し、良
好な貼付性を有していた。実施例2で得られた本発明の
貼付剤についても、剥離紙を除いてから同様に測定した
ところ、300g/cm程度の粘着力を有し、良好な貼
付性を有していた。
【0049】試験例2 ニフェジピンの相溶性試験 (A)分子量8500の−SiCH3 (OCH3 2
表されるケイ素含有基を末端に有するオキシアルキレン
系ポリマー (鐘淵化学工業(株)製SILYL 5A01) 100
部と、粘着付与樹脂であるロジンエステル (荒川化学
(株)製エステルガムAAG)80部よりなる混合物
に、乾燥重量(実施例1および2で調製したオキシアル
キレン系ポリマー100部、粘着付与樹脂80部、硬化
触媒10部、老化防止剤0.5部よりなる粘着組成物の
乾燥重量を示す)100部に対して1部、5部または1
0部のニフェジピンをイソプロピルアルコール溶液に添
加混合した粘着組成物溶液の白濁性、(B)前記(A)
の溶液からイソプロピルアルコールを40℃、24時間
の条件で乾燥除去した後の粘着組成物の白濁性、(C)
前記(A)の溶液に硬化触媒(川研ファインケミカル
(株)製アルミニウムキレートALCH)を、前記のオ
キシアルキレン系ポリマー100部に対して10部とな
るように添加し、イソプロピルアルコールを40℃、2
4時間の条件で乾燥除去を行ない、硬化反応を終了させ
た後の粘着組成物の白濁性、を目視により評価して、ニ
フェジピンの相溶性試験を行なった。その結果を表1に
示すが、実施例1、2で得られたニフェジピン貼付剤の
第1の粘着組成物層のニフェジピンは過剰に分散してい
ることが明らかであり、第2の粘着組成物層中のニフェ
ジピンの含量は相溶性の良好な濃度であることが判明し
た。なお、表中の評価については以下の通りである。 ○:目視では全く白濁が見られない。 △:目視でやや白濁しているか、一部またはわずかな結
晶化が見られる。 ×:目視ではっきりと白濁が確認できるか、ほぼ全面に
結晶化が見られる。
【0050】
【表1】
【0051】実施例3 分子量8500の−SiCH3 (OCH3 2 で表されるケ
イ素含有基を末端に有するオキシアルキレン系ポリマー
(鐘淵化学工業(株)製SILYL 5A01) 100 部に対して、
粘着付与樹脂としてロジンエステル (荒川化学(株)製
エステルガムAAG)80部、硬化触媒 (川研ファインケ
ミカル(株)製アルミニウムキレートALCH) 10部、
老化防止剤BHT0.5 部を加えてイソプロピルアルコー
ルにて粘着組成物を調製し、この乾燥重量100部に対
してインドメタシン25部となるように、イソプロピル
アルコールに溶解分散させ、粘着組成物中に均一にソニ
ケーターで分散させてインドメタシンを含有する粘着組
成物溶液を得、これを支持体であるポリエチレンテレフ
タレートに塗布して40℃で硬化成型を行い、80μm
の厚さをもつ第1の粘着組成物層とした。
【0052】次に、粘着組成物の乾燥重量100部に対
してインドメタシン5部となるようにする以外は前記と
同様にして得られた、インドメタシンを含有する粘着組
成物溶液を、前記第1の粘着組成物層の上に塗布して4
0℃で硬化成型を行うことにより、厚さ20μmの第2
の粘着組成物層を形成して、本発明の貼付剤を得た。
【0053】実施例4 実施例3と同様にして、支持体ポリエチレンテレフタレ
ート上に粘着組成物の乾燥重量100部に対してインド
メタシン25部を含有する厚さ80μmの第1の粘着組
成物層を作製した。次に、粘着組成物中に薬物を含有し
ない以外は前記と同様にして得られた、粘着組成物溶液
を、前記第1の粘着組成物層の上に塗布して40℃で硬
化成型を行うことにより、厚さ20μmの第2の粘着組
成物層を形成して、本発明の貼付剤を得た。
【0054】試験例3 粘着力試験 実施例3および実施例4で得られた第1の粘着組成物層
のみを支持体上に積層した状態のもの、および実施例3
および実施例4で得られた本発明の貼付剤の粘着力を試
験例1と同様の方法により測定した。その結果、実施例
3および4におけるインドメタシンを含有する第1の粘
着組成物層の粘着力は、20g/cm以下であり、その
粘着力は極めて乏しかった。一方、実施例3および実施
例4で得られた本発明の貼付剤はそれぞれ400g/c
mおよび300g/cm程度の粘着力を有し、良好な貼
付性を有していた。
【0055】試験例4 インドメタシンの相溶性試験 (A)において、オキシアルキレン系ポリマーと粘着付
与樹脂であるロジンエステルの等量混合物の乾燥重量1
00部に対して1部、5部、10部または25部のイン
ドメタシンをイソプロピルアルコール溶液に添加混合し
た粘着組成物溶液を用いる以外は試験例2と同様の方法
により、インドメタシンの相溶性試験を行なった。その
結果を表2に示すが、実施例3、4で得られたインドメ
タシン貼付剤の第1の粘着組成物層のインドメタシンは
過剰に分散していることが明らかであり、実施例3の貼
付剤の第2の粘着組成物層中のインドメタシンの含量は
相溶性の良好な濃度であることが判明した。
【0056】
【表2】
【0057】試験例5 薬物放出性の評価 実施例3および4で得たインドメタシン貼付剤における
薬物の放出性を、貼付基剤としてシリコンエラストマー
を用いて調製した対照のインドメタシン貼付剤における
薬物の放出性と比較した。シリコンエラストマーとして
は、ダウコーニング社製の商品2920(Dow Co
rning 2920 MedicalAdhesiv
e)を用いて、この乾燥重量100部に対してインドメ
タシン25部となるようにインドメタシンを添加し、ポ
リエチレンテレフタレート上に塗布し、室温にて硬化成
型を行ない、インドメタシンが分散している厚さ80μ
mの第1の粘着組成物質層とした。この層の上に厚さ2
0μmとなるようにさらに商品2920を用いて同様の
方法で粘着層だけの第2の層を作製し、対照の貼付剤を
得た。各試料の大きさは、この試験のために膜の厚さ3
0μmにし、各試料を水平膜型セル(Franz 型セル)に
装着後、40%ポリエチレングリコール400 を含む生理
食塩水を溶出溶媒として放出試験を行ない、時間経過に
よるインドメタシンの累積放出量をHPLC法で測定し
た。HPLC測定はInertsil ODS-2(ガスクロ工業製:
4.6 mm×150 mm) を用いてメタノール/5mM K
2PO4 水溶液の溶媒系で1.0 ml/minの流速に
より行ない、インドメタシンの測定を行なった。
【0058】その結果を図1に示す。図1より実施例3
および4により得られた製剤からの薬物の放出性は、比
較対照のシリコンエラストマーを用いた製剤からの薬物
の放出性に比べて良好であり、特に実施例3において速
やかな薬物の放出が確認された。
【0059】試験例6 薬物の皮膚移行性の評価 実施例4で得られたインドメタシン貼付剤をヒトの上腕
部に貼付した際の皮膚への移行性を、対照としてアクリ
ル系粘着剤を用いて調製したインドメタシン貼付剤と比
較した。アクリル系粘着剤のアクリル酸メチル・アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン(日
本カーバイド(株)製 ニカゾールTS−620)溶液
に、その乾燥重量100部に対してインドメタシン25
部を添加混合し、pHを中性に調整した後、支持体であ
るポリエチレンテレフタレート上に塗布して40℃で硬
化成型を行ない、80μmの厚さをもつ第1の粘着組成
物層とした。次に、薬物を含有しないこと以外は上記と
同様にして得られた中性のエマルジョン溶液を前記第1
の粘着組成物層の上に塗布し、40℃で硬化成型を行な
うことにより厚さ20μmの第2の粘着組成物層を形成
して、対照の貼付剤を得た。
【0060】層厚の合計が100μm、その面積が4c
2 とした各試料は、8時間ヒト(3例)の上腕部に貼
付し、その後上記の貼付剤を剥離して粘着剤層中に残存
するインドメタシン含量をHPLC法で測定し、初期含
有量との対比からインドメタシンの皮膚移行率(%)を
算出した。なお、HPLC測定はInertsil ODS-2(ガス
クロ工業製:4.6mm×150mm)を用いてメタノ
ール/5mM KH2PO4 水溶液の溶媒系で、1.0
ml/分の流速により行い、インドメタシン含量の測定
を行った。その結果、本発明の貼付剤におけるインドメ
タシンの皮膚移行率は35.0%であり、アクリル系粘
着剤を用いた対照の貼付剤における皮膚移行率12.0
%に比べて良好な皮膚移行率が得られた。
【0061】
【発明の効果】本発明に用いられる粘着組成物は皮膚に
対して低毒性、低刺激性を有するとともに、薬剤の溶解
性、相溶性が向上し、薬物の保持量を増大させることが
できる。さらに、薬物の放出性も良好であり、適度な貼
付性が得られるなど、貼付剤に必要な良好な特性を充分
に有している。従って、本発明の疾患治療用貼付剤は、
含有された薬物が容易に放出されるとともに速やかに経
皮吸収されて、疾患の治療を従来よりも有効的に行うこ
とができるうえ、副作用も少なく、かつ持続的にその薬
効が発揮されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例3および4により得られたイン
ドメタシン貼付剤および対照の貼付剤を用いて薬剤の累
積放出量を測定した試験例5の結果を示した図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着組成物層を支持体上に複数積層して
    なる疾患治療用貼付剤において、該粘着組成物層が水酸
    基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含み、シ
    ロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含
    有基を有するオキシアルキレン系重合体および粘着付与
    樹脂を含有する層であって、支持体上に接着する第1の
    粘着組成物層が薬物を含有し、前記第1の粘着組成物層
    の上に積層される、他の粘着組成物層が薬物を含有もし
    くは含有しないことを特徴とする疾患治療用貼付剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のケイ素含有基が一般式(I
    I) 【化1】 〔式中、Xは水酸基または加水分解性基であり、2個以
    上存在するとき、それらは同じであってもよく、異なっ
    ていてもよい。R2 は炭素数1〜20の1価の炭化水素基
    または (R')3 SiO−(R' は炭素数1〜20の1価の
    炭化水素基であり、3個のR' は同じであってもよく、
    異なっていてもよい) で示されるトリオルガノシロキシ
    基であり、R2 が2個以上存在するとき、それらは同じ
    であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2
    または3、bは0、1または2を表す。ただし1≦a+
    mbであり、またm個の 【化2】 におけるbは同じである必要はない。mは0または1〜
    19の整数を表す。〕で表わされるものである請求項1記
    載の疾患治療用貼付剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4719354B2 (ja) * 1998-06-15 2011-07-06 エルティエス ローマン テラピー−ズュステーメ アーゲー 個別層から成る積層体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4719354B2 (ja) * 1998-06-15 2011-07-06 エルティエス ローマン テラピー−ズュステーメ アーゲー 個別層から成る積層体の製造方法

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