JPH0733052Y2 - 空気調和機におけるドレンパン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は空気調和機におけるドレンパンに関する。

（従来の技術） 従来の分離型空気調和機の壁掛式室内ユニットの縦断面
図が第２図に示されている。

第２図において、１は本体、２は本体１の前面上部に設
けられた吸込グリル、３は熱交換器、４はファン、５は
本体１の前面下部に設けられた吹出グリル、６は吹出グ
リル５に配設された吹出ルーバー、７は熱交換器３の下
に配設されたドレンパン、８は吸込グリル２の背面に配
設されたエアフィルタ、９は本体１内に吸込グリル２か
ら吹出グリル５に至る空気通路10を形成するケーシング
である。

空気調和機の運転時、ファン４が回転し、熱交換器３に
は図示しない室外ユニットからの冷媒が循環する。

かくして、室内空気が実線矢印で示すように、吸込グリ
ル２から本体１内に吸入され、空気通路10を通る過程で
エアフィルタ８を流過する際その中に含まれる塵埃が除
去され、熱交換器３を流過する際冷媒と熱交換して冷却
又は加熱され、ファン４によって付勢され、しかる後、
吹出グリル５から吹出ルーバ６に案内されて室内に吹き
出される。

（考案が解消しようとする課題） 上記従来の空気調和機においては、その冷房運転時、室
内空気が熱交換器３を流過する過程で冷却されると、室
内空気中に含まれる水分が熱交換器３の伝熱管及びフィ
ンの表面に凝縮液化して結露し、これがドレンとなって
ドレンパン７内に滴下する。このドレンの温度は熱交換
器３の表面の温度とほぼ等しく室温より相当低いので、
このドレンがドレンパン７内に流入すると、ドレンパン
７の温度も室温より低くなるため、ドレンパン７の外面
に室内空気中の水分が結露して付着しこれが室内に滴下
して室内の床を濡らすという不具合があった。

これに対処するため、ドレンパン７を断熱材で製作し、
又は、ドレンパン７の外面に断熱材を貼り付けていた
が、これらは強度が低く、かつ、コストが嵩むのみなら
ず、ドレンパン７と本体１の温度変化に伴う伸縮量の差
異に基づいて取り付面が剥がれたり、騒音が発生すると
いう不具合があった。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記課題を解決するために提案されたものであ
って、その要旨とするとことは、熱交換器の下に設置さ
れこの熱交換器の表面で凝縮液化したドレンを受けるド
レンパンにおいて、上記ドレンパンをプラスチック製と
するとともにこのドレンパンと協働してその下面、前側
面下部及び後側面下部に密封された断熱空気層を形成す
るプラスチック製の外周カバーを上記ドレンパンと一体
成形したことを特徴とする空気調和機におけるドレンパ
ンにある。

（作用） 本考案においては、上記構成に具えているため、ドレン
パンの内部に低温のドレンが滴下しても外周カバーの外
面は密封された断熱空気層によって断熱されるのでこれ
が低温になることはなく、従って、この外面に結露する
ことはない。

（実施例） 本考案の１実施例が第１図に示されている。

10はプラスチック製のドレンパン、11はドレンパン10と
一体に成形されたプラスチック製の外周カバー、12及び
13はプラスチック製の蓋である。ドレンパン10、外周カ
バー11、蓋12、13は協働してドレンパン10の外周下部、
即ち、ドレンパン10の下面、前側面下部及び後側面下部
に密封された断熱空気層14を形成している。なお、図示
していないが、ドレンパン10の両端外周も断熱空気層で
被覆されている。なお、15は熱交換器で、伝熱管15aと
フィン15bを具えている。16は熱交換器15の下端とドレ
ンパン10との隙間を遮断する遮風板である。

しかして、空気調和機の冷房運転時、室内空気が熱交換
器15を流過する過程で冷却されると、室内空気中の水分
が凝縮液化して熱交換器15の伝熱管15a及びフィン15bの
表面に付着し、これがドレンとなってフィン15bを伝っ
てドレンパン10内に滴下する。そして、ドレンパン10内
を流れて図示しないドレンホースを経て排出される。ド
レンパン10はこの中を流れるドレンによって冷却される
が、ドレン10も外周下部は密封された断熱空気層14によ
って囲まれているため、外周カバー11、蓋12及び13の外
面が低温になることはなく、従って、これらの外面に室
内空気中の水分が結露することはない。

更に、外周カバー11の下面及び蓋12の外面は熱交換器15
を流過した空気の流路を限界するので、これら外周カバ
ー11の下面及び蓋12の外面を適宜の形状とすることによ
って流路の抵抗を低減し、かつ、空気流れに基く騒音を
低減できる。

また、断熱空気層14は密封されているので、室内空気が
断熱空気層14中に出入することなく、従って、断熱空気
層14を限界する内面に室内空気中の水分が結露すること
はない。

更に、ドレンパン10と外周カバー11とはプラスチックの
同時成形によって一体化されるので、安価、かつ、迅速
に製造できる。

なお、図示の実施例においては、ドレンパン10の前面上
部は断熱空気層14によって覆われていないが、断熱空気
層で覆うこともでき、また、断熱材を貼付することもで
きる。

（考案の効果） 本考案においては、ドレンパンの下面、前側面下部及び
後側面下部は密封された断熱空気層で被覆されるので、
ドレンパンの内部に低温にドレンが滴下しても外周カバ
ーの外面に結露することはなく、従って、ドレンパンか
ら水が室内に滴下するのを防止できる。

また、ドレンパンと外周カバーとは一体成形したため、
安価に製造できるとともに温度変化に伴う伸縮量の差が
ないため騒音の発生を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す要部縦断面図、第２図
は従来の空気調和機の縦断面図である。 熱交換器……15、ドレンパン……10、外周カバー……1
1、断熱空気層……14

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】熱交換器の下に設置されこの熱交換器の表
   面で凝縮液化したドレンを受けるドレンパンにおいて、
   上記ドレンパンをプラスチック製とするとともにこのド
   レンパンと協働してその下面、前側面下部及び後側面下
   部に密封された断熱空気層を形成するプラスチック製の
   外周カバーを上記ドレンパンと一体成形したことを特徴
   とする空気調和機におけるドレンパン。